北 北 海 道
(厚別・遠浅・追分以北以東)

現在、42軒掲載(うち18軒は閉店確認済)

★岩見沢駅(JR函館本線・室蘭本線)

「小もろ」  実食日:2000/7

  駅歩30秒、ロータリーの向かいにある。純和風の構えで、比較的店内は広い。椅子席はないが、カウンターは15人ほど収容できそうだ。さらに驚くべきは、値段の安さ! たぬきや月見はともかく、天そばや肉そばまですべて270円均一なのである。肉そばを270円で出す店は、ここ以外では見たことがない。味の方も悪くはなく、多少麺が柔らかすぎる点を除けば合格点。


※値段再確認し、お得メニュー(やさい丼・ゲソ丼各330円)を発見しました(2005/9確認)。

※写真は2007/9撮影。

※閉店していました。ビルが解体され、跡地はサラ地(駐車場?)になっています(2014/10、確認)。

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「おむすびやま」  実食日:2000/7

  
駅舎を出てすぐ左にある店。一見すると、駅そばと言うよりは大衆食堂の印象を受けるが、メニューはしっかりとそば・うどん中心。ただ、酒を出すという点はやはり大衆食堂に近い。メニューに“たぬき”はなく、天そばも天ぷらはかなり小さい。つゆにも多少硬さがあり、味としては「小もろ」の方が数段上。唯一勝っているのは、椅子席があるということか。ただし、店内は狭く、収容できるのはせいぜい6〜7人といったところだ。

※駅舎焼失に伴い、移動していました。現在は、駅を出て右すぐにあります。値段は、天370円、かけ320円です(再食せず。2005/9確認(写真撮影))。


※新駅舎が完成しましたが、この店は組み込まれませんでした(駅舎内にはスイーツ店とコンビニキヨスクが入った)。現時点では、「閉店」と認識します。引き続き駅前整備が進められているので、復活することを祈ります(2007/9確認)。

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「八洲」  実食日:2014/10

  「八洲」と書いて「やしま」と読む。まぁ、よくある読み方だが、一応。場所は、駅を出て、ロータリーを左に回って通りを渡り、左へ30秒。2つ上に記載している「小もろ」の跡地から比較的近い。2014年9月にオープンした新店で、まだあまり認知度が高くない様子だった。店頭に幟が立っているのだが、駅付近からは見えにくい。岩見沢駅は駅前広場が広いし、主要な市街地がバスターミナルのある北寄りに広がっているので、メインの動線からちょっと外れているのだ。現状ではタクシーの運転手などがメインの客層だが、今後認知度が高まってきたら、近隣住民や観光客も利用するようになるだろう。ちなみに、運営は「小もろ」とは無関係。客席は、椅子付きカウンターとテーブル席を合わせて20席ほど。そこそこ規模の大きな店だ。店内は照明が少し暗めで、オシャレな感じ。店員さんが若く洗練された感じの女性だったこともあって、エステサロンのような雰囲気に感じた。
  この店のそばは、「立ちそばの王道」を行くようなものだった。麺は茹で麺で、ノーマルとしか形容できないもの。つゆも、よく言えばバランス感がよいということになるのだが、悪く言えば特徴がない。店内のオシャレ感・店員さんの洒脱な接客のイメージとは程遠い一杯だった。店頭に、昭和チックな手書きのお品書きが出ているのだが、これが唯一味のイメージと合致していた。たぬき330円。「小もろ」なき後の岩見沢を背負って立つ(バスターミナル内に「さわの実」もあるが、「八洲」の方が営業時間が長く寄りやすいので)存在。また寄る機会があると思うので、長く続けてください。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ320円、たぬき350円です(2021/8、確認)。

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★砂川駅(JR函館本線)
「JA新すながわ 農協食堂」  実食日:2018/7

  駅を出て、ロータリーを左に回って目抜き通りへ。2つめの信号(といってもすぐ。突き当たりのT字路)を渡らずに左折して5分、「ショッピングプラザAiAi」内。店名を見れば一目瞭然だが、農協直営の軽食堂だ。駅歩6分ほどかかるのだけれど、ちょっと面白い店なので特例を適用する。本当はもっと駅に近いところにある「ていお〜」という店を目指していたのだが、やっていなかった(閉店という感じではない。臨時休?)ので仕方なく付近をブラブラしていたら見つかった。同時にもう1軒それらしい店が見つかっているので、現状では砂川駅付近に少なくとも3軒の駅そばが併存しているということになる。たいして大きな街でもないのに、そば食が盛んなのかな。せっせと通って食べ潰さないと。システムは食券制。配膳付きで、下げ膳はセルフ。客席は、テーブル席が4人×2+2人×3、椅子付きカウンターが7席。
  この店最大の特徴は、麺。地元(砂川)産のそば粉を使った、十割そばなのだ。もちろん、注文後に茹でる。太麺仕立てで、ツルツルした舌触り。これはあまり好みではないのだけれど、プリッとした歯ごたえはなかなか好み。香りは、十割というほどには豊かではないように思った。蕎麦粉に使う部位や挽き方、さらには時季によっても香りはずいぶん変わるものだから、一概に香りの強さでそば粉比率を推し量ることはできない。端の方がジャギジャギになった麺が混在していたのは、製麺機の仕様によるものだろうか。つゆは、カツオ出汁がメイン。東京で食べるのとあまり変わらない味覚で、特段北海道らしさは感じない。出汁に加えて醤油の香りも立っており、結構ガツンとくる。たぬきは、天ぷらを揚げた際に出る副産物と、意図的に作った揚げ玉が混在したような感じ。揚げ置き時間が長めなのかサクサク感はないが、まぁ悪くはない。たぬき480円(カマボコ入り)。当サイトの掲載基準をオーバーする価格帯だが、地元産そば粉を使った十割そばであることを考えれば破格に安い。農協直営だから実現できる価格だと思う。そして、量が多いのもうれしい。丼が熱くて持てなくなるほどだ。他メニューは、かけ400円、かしわ550円、天580円など。ご飯ものも少々あり、中でも生卵ご飯セット(要するに卵かけご飯)150円がイチオシの様子だったので、こちらも食べてみた。卵は地元業者の有精卵使用だそうで、レモンのように鮮やかなライトイエローの黄身が印象的。黄身は色が濃いほど味も濃厚というイメージを持っていたのだけれど、レモン色の黄身はしっかり濃厚だった。しかも、上品さも感じる味わい。これで150円はお買い得だと思う。箸は割り箸。
  平日13:00頃の訪問で、先客3・後客4。それほど賑わっているという感じではないが、高齢の方や女性のひとり客もおり、客層は幅広かった。この店が東京にあったら連日行列ができるだろうなと思いながらも、地元で食べることにより一層の価値を感じるのだった。


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★滝川駅(JR函館本線・根室本線)
「立喰いうどんそば」  実食日:2007/9

  1番ホーム&改札外待合室内。ホーム側の窓口は見落としそうなほど小さく、待合室側の方がメインになっている。暖簾には「大澤製麺」と書かれているが、これは「製麺所から寄贈されたもの」という意味なのではないかと思う。
  味覚的な特徴は少ない。麺はノーマル茹で麺、つゆは北海道風の昆布出汁が強烈なタイプ。かけ230円、天300円など。天ぷらと卵を乗せたそばを「天玉」ではなく「天月」と表記していたのが面白かった(370円)。詳しくは書かないことにするが、諸般の事情でサービス点を減点している。


※値上げしていました。現在は、かけ280円、月見・天350円、天月420円です(値−1点。2010/1、確認)。

※2015/7/1付で閉店していました(張り紙あり)。現在は、シャッターが下りたままの状態です(2015/9、確認)。

※店舗部分が撤去されていました。跡地は、パンフレット類の陳列場になっています(2021/8、確認)。

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「ふくちゃん」  実食日:2018/7

  駅を出て左前方向、道路向かいにあるスマイルビルの外側(裏手)。かつてこのビル内の別の場所(表側)に立ちそばがあるのを見つけていて、今回はその店を目当てに行ったのだが、そちらは閉店していて(現在テナント募集中になっている)、代わりにこちらが見つかった。窓に描かれた「そばうどん」のフォントが酷似しているから、もしかしたら移転かもしれない。その場合、目立つ表側からあまり目立たない裏手へ移転する意味がよく分からないのだけれど。間口は広いが奥行きがあまりなく、客席はテーブル4+2と椅子付きカウンター2席の、計8席。口頭注文の代引き制。
  麺は、黒々とした茹で麺。舌触りザラザラで、噛むとボソッとしそうな先入観を抱くのだが、実際に噛んでみるとネットリと歯にまとわりつく。そばの香りはまずまずある。北海道の茹で麺は、わりとしっかり香るものが多く、レベルが高いように思う。つゆは、だいぶ辛いストロングスタイル。出汁は昆布が中心だと思うが、出汁よりも醤油の香りの方が強い。甘みも少々射してある。かけ300円、たぬき350円など。かけ以外の種物は、基本的に350円均一。こうなると、たぬきは遠慮したくなる。というわけで、初食だがかしわそば350円をいただいた。かしわは皮付きのモモ肉を使っていて旨みが強い。弾力も強く、地鶏を想像させるような歯ごたえなのだが、煮込むことで少し固くなっているだけかもしれない。天はメニュー一覧に入っておらず、意外に感じたのだけれど、店内の貼り紙に単品で扱いがあった。50円だから、やっぱりかけそばにトッピングすると350円の計算になる。
  平日11:00頃の訪問で、先客2・後客0。先客2名は、そばを食べに来たのかおしゃべりをしに来たのか分からないようなマダム。11時開店の11時訪問だから、客数が少ないのは当然と言えば当然。昼時には賑わうのだろうか。待合室の駅そばが潰れ、スマイルビル内のもう1軒の立ちそばが潰れ、なんとなく衰勢に感じる部分もある滝川。しかし、この店が生まれ、また、近所をブラブラしていたらさらに未食店も見つかっており、結構立ちそばが生活に根づいている街なのだと感じる部分もある。駅ナカに復活してくれるのが一番ありがたいけれど、そうでなくても、駅チカでサッと手軽に食べられる街であり続けてほしい。


※スマイルビル全館閉館に伴い、閉店していました(2021/8、確認)。

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「静のや」  実食日:2021/8

  駅を出て左、線路沿いの道に入って1分、右側。今年全館閉館したスマイルビルの少し先。なんだか建物全体が傾いているように見える古めかしい店。昭和30年代くらいから変わらぬ姿で営業を続けているのではないだろうか。厨房と対峙する椅子付きカウンター8席のみで、口頭注文からの代引き制。同じ建物の中で、階段スペースと思われる狭い間口を挟んで、同名の大衆食堂が並んでいる。両者は建物内でつながっているが、厨房を挟んでいるため建物内での客の相互往来はできない。
  麺は、個包装の茹で麺。少しポソッとする食感は湯通し不足を連想させるが、まぁノーマルと言っていいだろうか。つゆは、特定の方向に突き抜けないバランス派。中程度の酸味がある。客数が少ないためなのか、注文を受けてから小鍋でひとりぶんずつ沸かしていた。かけ330円、天350円、かしわ350円など。たぬきというメニューがなかったので、実食は天。天は、ドンベというか揚げ玉の集合体。箸でつつくと、いとも簡単にほぐれてたぬきそばになる。具材は、少なくとも見た目には皆無。だからたぬきというメニューがないのか。かけ+20円の設定だから、文句などあろうはずもない。というか、かしわやカレー、きつねも「かけ+20円」なのだが、この設定で大丈夫なのだろうか。カレーそばはいくらなんでも安すぎるような気がする。メニューについてもう少し考察を加えよう。そばメニューの変わり種としては、親子とじ450円や天とじ450円といった玉子とじ系が目につく。また、「天ぷら+玉子」を、天玉ではなく天月と称している(400円)。個性的な呼称なのだが、実はこれ、かつて上記の駅待合室内の駅そばと同じである。確認していないが、もしかしたらかつての駅ナカそば店は静のやが運営していたのではあるまいかと思ってしまった。ご飯ものは、カレーライス550円やかつ丼700円などいろいろあるが、いずれもそば・うどんに比べて割高な印象。そば1杯だけでは足りない人は、かけそばと各種ミニ丼のセット550円あたりが狙い目になるだろうか。箸は割り箸。
  日曜13:45頃の訪問で、先客0・後客0。入店時には、店員のおばちゃんは定食コーナー側で椅子に座ってこくりこくりと居眠りしていた。昼時を過ぎると、客足は極端に落ち込むのだろうか。あるいは、日曜は閑散傾向なのか。というか、昼時にどの程度需要があるのか気になる。文化財級のレトロ店なので、長く続いてほしいものだ。なお、コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていなかった。


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★江部乙駅(JR函館本線)
「福龍飯店」  実食日:2015/9

  駅からちょっと遠く8分ほどかかるのだが、他に対象店がない駅&地方&記事ネタあり店ということで特例を適用する。駅を出て直進5分、国道12号線を渡ってから右折して3分。道の駅「たきかわ」内。以前に「たきかわ」を訪問した時に、すぐ近くに「駅そば駅うどん」の看板が出ていたのを覚えていたので再訪してみたのだが、目当ての店はなかった(閉店済み?)。代わりに道の駅内のレストラン「福龍飯店」がファスト感覚のそばを提供しているのを発見した。店名から推して知れるとおり、基本的には中華料理店。居酒屋がランチタイムのみそばを扱うケースはよく見かけるが、中華料理店がそばを提供するのは珍しいパターンだ。配膳付き後払いのフルサービス店だが、一応厨房がオープンになっていることだし、グレーゾーンではあるが対象に含められるだろう。客席は、テーブル席のみ。席数多数。
  訪問は、午前10時頃。朝9〜11時はモーニング営業で、そば・うどん各350(税込378円)のみの扱い。そばには、天カスと味玉(半分)がトッピングされている。麺は生麺と思われ、星が多く見られるタイプ。そばの香りがそこそこあるが、小麦由来のモッチリ感も強い。つゆは、北海道にしては珍しくカツオ出汁が前面に出ている。嫌味にならない程度の酸味もある。天かすは、風味づけ程度の存在感。味玉は半熟というよりは固ゆでに近いのだが、味がよく染みていて美味しかった。朝営業の真っただ中の入店で、先客1・後客0と閑散。果たしてこの朝営業にどれほどの需要があるのか、ちょっと疑問ではある。まぁ、どうせランチ営業の仕込みなどで従業員がいるのだから、片手間に調理できるそば・うどんだけ提供して少しでも多くの売り上げを得ておこうという狙いだろうか。だから、従業員は基本的に厨房内にしかいない。食べ終えて支払いをする時にも、レジ前にあるベルをチーンと鳴らさないと誰も出てこない。箸はエコ箸。なお、11時以降の通常メニューの中にもそば・うどん350円(税込378円)はある。しかし、11時以降に訪れたら、この店の名物・五目あんかけ焼きそば797(税込860)円を食べたくなるだろう。やっぱり、中華屋だからね。


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★深川駅(JR函館本線・留萌本線)
「そば処深川(高橋商事)」  実食日:2010/1

  改札外、待合室内にある立ち食いカウンターのみの露出店。駅の外にも暖簾が掲げられているが食べるスペースはなく、窓口は待合室内のみ。年季の入った建物で、旅情に富む。これまでに何度か訪れてはいたのだが時間が合わず、今回ようやく実食が叶った。それだけに、思い入れが強い。
  味覚的には、色も味も濃いつゆに特徴がある。北海道特有の強烈昆布出汁というわけではなく、塩辛い系統。麺は標準的な茹で麺。開店(9時)直後に行くと、大量のネギを厨房内で刻むシーンが見られる。なかなか鮮やかな包丁捌きだ。隣に弁当や土産菓子を売る店があり、こちらも同経営。ただし、従業員は別々に配置されている。かけ280円、玉子330円、天380円、山菜400円、山菜玉子450円。表記されているメニューは、この5種類のみ。頼めば、他の組み合わせでも作ってくれるだろう。


※閉店していました。隣というか棟続きのウロコダンゴ販売店もろとも、建物撤去済みです。跡地には、待合ベンチが増設されています。ちなみに、ウロコダンゴは駅舎内にある土産物店「深川物産館」で販売が続けられています(2015/9、確認)。

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★旭川駅(JR函館本線・富良野線・石北本線・宗谷本線)

「サンレスト」  実食日:2000/7

  駅ビル待合室内。待合室外にある「サンレスト」と繋がっているように見える店で、かつては「サンレスト」として紹介していたが、内容も値段も別物だった。3〜4人が並べる程度の立ち食いカウンターのみの店。簡単なパーティションがあるので、一応人目は憚られることになっている。内容的には、量が少なく値段が高いのが特徴。“たぬき”はなく、“きつね”は390円。車内持ち込み容器(40円)があるが、ここからホームまでそばを抱えて歩くのは大変。


※写真は2007/9撮影。

※2010/1、再食。たびたび誤記訂正しますが、やはり下記「サンレスト」と同一厨房でした。待合室内の立ち食いコーナーも、店名は「サンレスト」で間違いありません(メニュー一覧に表記を確認)。ただし、値段等が異なるので、別店掲載のままとします。値段が上がっていて、現在はかけ300円、きつね390→420円になっています。

※駅舎改築に伴い、閉店していました(2012/9、確認)。

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「サンレスト」  実食日:2007/9

  改札を出て右へ30秒(駅舎内)。配膳付きの後精算の店で、しかもメニューはラーメンや各種定食など多岐に渡っているので、人によっては「駅そばではない」と考えるかもしれないが、当サイトでは(特に地方に関しては)可能な限り拡大解釈するので、値段と調理の早さを根拠にこの店もOKとする。
  この店のそばは美味しい。生だろうか、少々ざらつきがある麺は程良いコシがあり、香りも生きている。つゆは北海道風ではないが、甘めで美味。私はかしわそば(500円)を食べたのだが、かしわのようなタンパク質系の具材に合うつゆだと思う。かけというメニューは見当たらず、月見(350円)が最安メニューになっている。なお、見た目には上記「そばうどん」と厨房を共有しているようにも見えるのだが、味も値段も別もの。


※値上げ(月見350→380円、かしわ500→530円)していました(2010/1、確認)。

※駅舎改築に伴い、閉店していました(2012/9、確認)。

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「旭川駅立売」  実食日:2007/9

  2&3ホーム中ほど。飲み物の自販機と売店に挟まれていて(売店と同じ棟で、店員は兼務)見えにくく、また写真も撮りづらい場所にある。
  味覚的に、これといった特徴はない。麺に多少ニチャニチャ感があったくらいだろうか。この店では、私は列車持ち込みで買ったのだが、容器にはきちんと締まる蓋がついた(網走はラップがけだった)。この点は親切。かけ270円、月見320円、天370円、持ち込み容器40円。


※値上げ(かけ270→300円、月見320→350円、天370→400円)していまいた(値−1点。2010/1、確認)。

※駅舎改築に伴い、閉店していました。改札外に、同業者が運営する「まんざいどん」がオープンしています(2012/9、確認)。

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「旭川駅立売商会」  実食日:2012/9



  改札外、駅の正面出入口から入って左すぐのところにある。一見すると弁当売店のように見えるのだが、右の方にイートインコーナーがあり、そば・うどんを扱っている。立ち食いカウンターのみで、3〜4人で満員になってしまう小型店だ。この駅、全面的に改築され、昨年11月に全面開業したばかり。近年、駅舎改築とともに駅そばが消えるケースが多かったので、この駅についても危惧していたのだが、どうやら改札外に残ってくれた様子(ホームからは消えました)。運営業者は、かつてホームの店舗を運営していた「旭川駅立売」。
  味覚的には、これといって大きな特徴はない。麺は茹で麺で、ツルツルした舌触りは楽しいけれど香りはあまりない。つゆも標準的で、北海道らしい濃厚昆布出汁ではない。たぬき280円。地方にしては値段が安いのが嬉しいポイント。変わりメニューに、よくばりそば(420円)あり。トッピング内容は、きつね+たぬき+卵+山菜。特別なものが乗るわけではない。


※値上げしていました。現在、たぬき310円です。よくばりそばも450円に上がっています。麺は、そば・うどんのほかそうめんにも対応しています(10円増し。値−1点、付+1点。2014/10、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左から2枚目)。トッピングは基本的にすべて単品の扱いになったようで、現在はかけ290円、生卵(単)30円、かき揚げ(単)130円、牛肉煮(単)130円といったラインナップになっています(「揚げ玉」は見当たらず。値−1点。2015/9、確認)。

※2018/7、再訪。微妙に改装して、「旭川駅立売商会」のみの表示になりました(写真は右端が最新)。店名変更として対処します(「まんざいどん」→「旭川駅立売商会」)。値上げして、現在はかけ320円になっています(値−1点)。ただ、店頭に「幌加内産そば」の置き看板が出ていたので、単純値上げではなく麺がグレードアップしていると思われます。いずれ再食してみたいです。
  今回は、乗る予定の列車の発車時刻まで時間がなかったので、おにぎりを2個買って車内で食べました。各種100円。ホタテおにぎり100円にお得感があるでしょうか。ごま鮭とホタテをチョイスしました。ごま鮭は、市販っぽいフレークではなく、ちゃんとほぐし身を使っています。ホタテは、貝柱(おそらく乾燥)をほぐして甘辛く味付けをしたものが入っていました。どちらも、かなり手間がかかっています。コンビニのおにぎりよりだいぶ上質です。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ380円です。2015年の訪問記事に「トッピングはすべて単品扱い」と書いていますが、今回種物のお品書き一覧があることを確認しました。たぬき430円です。よくばりそばは終売しているもよう。あと、細かいツッコミになりますが、お品書きの隅に「そば、うどん、ラーメンはすべて同じそば釜で茹でております」との注意書きがあるのですが、お品書きの中にラーメンはありません。また、2015年の時点で扱っていたそうめんも終了しているようです。かなりオーソドックスなラインナップになりました(値−1点、付−1点。2021/8、確認)。

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「駅ナカ食堂 なの花」  実食日:2014/10

  東改札を出て直進、旭川観光物産情報センターに入って一番奥。そば・うどんに限らず、旭川ラーメンやご飯もの、各種スナックフードに酒類まで手広く扱う軽食スタンド。日本酒(旭川の地酒)や地ビールなどを扱っているので、ちょい飲みに好適な店でもある。客席は、物産情報センター内にテーブル席がたくさん出いていて、キャパは30以上ある。
  この店では、旭川市郊外の有名ブランド「江丹別そば」を駅そば価格で楽しむことができる。調理シーンを見なかった(ちょっと見えにくい)が、食感等から押出製麺の生麺と推察。太平麺で歯ごたえがよく、少し摩擦を感じる舌触りも私好みだ。つゆは色が濃く、味も濃そうな印象を受けるのだが、実際には口当たりがよく、後切れがよくサッパリしている。天(野菜天=かき揚げ)は注文後に揚げる。ややオーバー気味の揚げ方だったが、サクサク感が強調されて、そばに乗せるぶんにはこういうのもアリだと思う。かけ(「江丹別」と表記)400円、江丹別野菜天500円、江丹別きつね500円。そばメニューは以上。単品トッピングに、生卵50円と北海道産コロッケ100円がある。ちなみに、うどんは道産小麦を使用。ラーメンの方がメニュー数が多い。旭川ラーメンと言えば醤油が定石だと思うのだが、この店には「旭川ラーメンしょうゆ」「旭川ラーメンみそ」「旭川ラーメンしお」が揃っている(すべて400円。安い)。ホルモンめし300円やホルモンチャーハン450円も魅力的だが、旭川と言えば塩ホルモンなのにこの店のホルモンは醤油で味付けをしている。そば一杯だけで席を立つのが勿体なく感じる店だ。なお、箸(エコ箸)や唐辛子などは受渡口にしかないので、受渡時に取る(入れる)のを忘れずに。

※2015/9、再食。旭川ラーメンしょうゆ400円を試してみました。わりと濃厚でこってりしたスープです。麺は、細めの縮れ麺。麺とスープのバランスで言うと、若干スープの方が存在感が勝っているかなという印象があります。具材は、チャーシューとメンマ。シンプルな内容ですが、400円という値段に鑑みれば上々の出来でしょう。
  他メニューは、基本的に変わっていません。夏季だからということでしょうか、ざるそば500円の扱いがありました。ご飯物、一品料理、スナックフードなどは、だいぶ入れ替わっています……というか、ちょっとレパートリーが減ってしまった印象です。なお、初食時の記事で「ホルモンめし300円、ホルモンチャーハン450円」と書いていますが、正しくは「ホルモンめし・ホルモンチャーハンとも、フル450円、小300円」です。


※微妙に改装したと捉えていいでしょうか、上部の看板的な部分が変わっています(写真は左:旧、右:現)。店名も微妙に変わっています(「駅naka」→「駅ナカ食堂 なの花」)。かけ400円という値段は変わらず。券売機のボタンから「江丹別」の表示が消えましたが、まだ江丹別そばを使い続けているようです。天は520円に上がっています(こちらは、ボタンに「江丹別」の表示あり)。また、ラーメンは570円まで上がっていました。
  今回は2日続けて訪問して、正油ラーメン570円とチャーシューラーメン(正油)670円をいただきました。ノーマルラーメンはチャーシュー1枚、チャーシューラーメンは5枚。それだけの違いで、ベース部分は同じです。麺は、少し硬めの縮れ麺。スープには魚介系のコクを感じ、続いて豚骨の旨みがガツンと覆いかぶさるタイプです。以前に食べたときよりもやや豚骨系に寄ったスープになったでしょうか。油膜も張っています。チャーシューは、脂身の少ないロース肉。圧力をかけて調理しているのか、やわらかく、箸で簡単にホロホロとほぐせて食べやすく、美味しいです。そのほかに、メンマとホウレンソウが乗ります。総じて、やや今どきな感じになった印象。美味いことは美味いのですが、昔のあっさりした「中華そば」的なラーメンの方が良かったと感じる人もいそうです。
  1回目は、平日10:30頃の訪問で、先客0・後客3。客席が物産コーナーのフロアに露出している店なので、やや先客ゼロ症候群になりやすいかなと感じました。2回目は平日10:00頃の訪問で、先客1・後客4。オープン直後(10時オープン)にしては、まずまず入っているかなと感じました。なお、飲食ゾーンでの席だけ利用は禁止されている(貼り紙あり)ので、ご注意ください。


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「たけや食堂」  実食日:2015/9

  北口を出て、ロータリーの左側の広い歩道を進み、信号を渡ってから左へ1分。「旭川駅前ビル」の1階飲食店街内。旭川駅は駅舎が綺麗になったのに、駅のすぐ目の前の雑居ビルは昭和中期のままタイムストップ。なんだかとてもアンバランスな感じのする街になっている。個人的にはこの雑居ビルの感じが好きだし、駅舎も旧駅舎の方が旅感があって好きだった。新駅舎になってよかったことは、南側にも出口ができて、川っぺりに気持ちよいテラスが設けられたことくらいだ。話が逸れたが、「たけや食堂」は、そば・うどんを安価で提供する定食屋、といったスタンス。値段的にも注文から出来上がりまでの時間的にも、そして店の造り(オープンキッチン)的にも条件を満たしているので、対象に含めることにする。客席はテーブル席が計11席に、椅子付きカウンターが5席くらい。配膳付きで、後払い。
  麺は、ボソボソ食感。かといってプツプツ切れやすいというわけではなく、わりとしっかりつながっている。そばの香りもしっかりと感じられる。ちょっと不思議な麺。つゆは、特定の方向に偏らないバランス派だ。かけ350円、月見・肉・天・かしわ各450円。実食は、かしわそば。鶏肉は皮つきのモモ肉で、しっかりと煮込んであってやや固くなっていた。そのわりに、旨味はあまりつゆに染み出していない。ほうれん草・麩2個・焼き海苔・紅白逆転ナルトが乗る。ネギは斜めカットの白ネギ。そば・うどん以外のメニューには、ラーメン類、丼もの、定食類、酒類などいろいろ。定食系(というか、酒の肴としての単品か)は大半が「時価」になっている。ちょっと注文するのが怖い。怪しげな雰囲気満載の店だが、そばに関しては明朗会計で何ら問題なかった。このビル内には、他にも怪しげな飲食店がたくさんある。今後、旭川へ行くたびに1軒ずつ潰してみようか。そのうち痛い目に遭いそうな予感がするが。


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「味咲屋」  実食日:2021/8

  正面口を出てロータリーを左に回り、信号を渡って歩行者専用道路へ。次の信号を渡ってから左折して30秒。パチンコ店「パーラートーエーアッシュ」に併設された、そば・うどんとたい焼きが中心の軽食処。雑居ビルに組み込まれたパチンコ店で、一度ビル内に入る必要はあるが、パチンコフロアへの入口手前にこの店への入口があるので、パチンコフロアを通り抜ける必要はない。店出入口のすぐ脇に個室タイプの喫煙所があるから、食後に一服したい人は使い勝手が良いと感じるかもしれない。有人レジで口頭注文、先払い。口頭呼び出しで、受渡・返却ともセルフ。客席は、窓際の椅子付きカウンター7席と、壁側の丸テーブルが4・2・2・2で計10席。
  麺種は未確認だが、食べてみての印象としては冷凍。そばの香りはそこそこ感じられたのだが、食感が冷凍っぽかった。つゆは、特定の方向へは突き抜けないバランス派。やや平たさも感じるけれど、出汁感も多少はあって、パチそばとしてはまずまず悪くない方だと思う。パチそばにしては珍しく、たぬき450円の設定がある。たぬきは揚げ置きの天かす。メニューに天がないのに手作り感のある天かすが出てきたことはかなり意外だった。天かすだけどこかから仕入れているのだろうか。小粒ながらつゆに浸かってもサクサク感が残るもので、東京で例えれば「文殊」の天かすに近い感じ。思っていたよりも上質だった。その他のそばメニューは、かけ400円、きつね・おろし・とろろ・温玉各450円、追いガツオ梅おろし500円、カレー550円。オリジナルの変わりメニューもあるのに天がないのは不思議。うどんは、全品そばより50円安い設定。ご飯ものは、おにぎり各種100円とカレーライス450円のみ。たい焼きは、あんこ・カスタード・チョコレート各150円で、食事メニューと一緒に注文すると50円引きになる。ドリンクとたい焼きのセットも200円だから、割安設定。これはちょっとしたひと休みのお供に重宝しそうだ。
  日曜10:45頃の訪問で、先客0・後客0。この時間帯は閑散傾向か。パチ店のオープン直後だから、まだ休憩需要はないということだろうか。なお、私は最初にたぬきそばを注文したのだが、50円玉のお釣りがないとのことだったので、50円増しで温玉を追加トッピングして500円になるように調整した。ところが、食べている間に店員がどこかで両替したのか、わざわざ50円を持ってきた。結果、温玉はサービスという形になった。パチそばでこのような神対応をしてくれる店はかなり珍しいのではないだろうか。そんなこともあって、トータルの印象はなかなかよかった。なお、コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていない。


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★秩父別駅(JR留萌本線)
「お食事館」  実食日:2015/9

  駅歩7分ほどかかるのだが、地方&他に対象となる店がない駅ということで特例を適用。駅を出てひたすら左へ歩き、国道233号線の高架下をくぐって右手にある道の駅「鐘のなるまち・ちっぷべつ」内。昼時(11〜15時)のみ営業する、小さな小さなレストラン。オープンキッチンスタイルで、椅子付きカウンター8席くらいのみの店。メニューはそば・うどんが中心。道の駅のレストランというともっと大規模なものを想像しがちだが、意外とこういうこぢんまりしたレストラン(というか「食堂」の方が響きがマッチする)しかない駅も多いものだ。口頭注文の現金制で、先払い・後払いが曖昧。私は特に請求されなかったので後で払ったが、後客は先払いを要求されていた。統一してほしい部分だ。
  麺は、袋入りの茹で麺。客の前でビリッとやって湯の中へ。調理シーンを一部始終見ていたので茹で麺で間違いないのだが、食感的にはちょっと生麺を連想させる。少々粘着し、意外なほどそばの香りがしっかりとある。つゆは、カツオ・昆布の合わせ出汁か。やや酸味があり、カツオの方が少々勝っている印象だ。たぬきは店揚げ天ぷらの天かす。少々油が強めではあるが、北海道ではなかなか出会えないサクサクタイプのたぬきで好印象だった。天ぷらは海老天650円のみ。ただ、天丼600円には海老天と野菜天が乗る旨が記されている。だったら野菜天そばもやればいいのに、と思ってしまう。頼めば作ってくれるだろうか? たぬき450円、かけ400円。そば・うどんの変わりメニューは特にないが、ラーメンメニューの中にブロッコリーラーメン700円というのがある。秩父別町産のブロッコリーを練り込んだ麺なのだそうだ。ブロッコリーが町の特産なのだろうか。丼ものやちょっとしたスナックフードも扱っている。北海道らしいと感じるのは、「串ザンギ」300円。知っている人も多いと思うが、ザンギとは鶏の唐揚げの地方呼称。要するに唐揚げ串なのだが、「ザンギ」の文字列があるだけで北海道ならではのものになるのだ。


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★留萌駅(JR留萌本線)
「立喰そば」  実食日:2007/9

  改札外待合室内。駅舎の外側にも窓口があり、タクシーの運転手などが利用している。基本的に露出店だが、待合室側には特大の暖簾が掛けられているので、人目は憚れる。また、店舗の脇にテーブルが2つ出されているので、座って食べることも可能。暖簾にはいろいろな文言が書かれているのだが、どれもこれも店名とは言えないので、駅舎外側窓口の日除けに書かれていた文字列を店名と解釈させていただく。
  この店の特徴は、つゆ。北海道特有の、昆布出汁が強烈なタイプで美味しい。麺はコシのない茹で麺。天(実食はごぼう天)がインスタントではなかったのが好印象。かけ300円、ごぼう天380円。おにぎりあり。今回、4回目の留萌訪問にして、初めてこの店が開いているのを見た。聞くと、営業時間は7〜15時。2回目の訪問は12時頃だったのだが、たまたま店休日だったのだろうか。


※2014/10、再食。値上げしていました。現在、かけ330円、ごぼう天420円です。日本一の水揚げ量を誇る街だけあってにしんそばを扱っていますが、580円と高値です。試してみましたが、味は良かったです。関西のにしんそばよりも味付けが濃いめなので、魚の生臭さが苦手な人にもオススメできます。なお、現在の営業時間は7〜14時になっているようです(値−1点)。

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★富良野駅(JR根室本線・富良野線)
「圭子ちゃんの店」  実食日:2007/9

  改札出て左の待合室内。おそらく名物になっているであろう陽気なおばちゃんが最大特徴の店。なにしろ、初対面の私に携帯の写メを見せてペット(インコ)自慢をするくらいだから。こういう店、好きだな。
  そばはというと、黒々とした極太麺がポイント。食べ応え満点で、少々あるモサモサ感もむしろ好印象を受けた。つゆは特徴なし。ここではワカメそばを食べたのだが、ワカメは肉厚でたっぷり入っており、これまた好印象だった。なお、この店はもともと駅弁業者なので、弁当も販売している。ただし、観光客が少ない9月以降は、平日は扱っていない。代わりに、おにぎりを置いている(120円)。そばの値段は、かけ310円、種物は340〜360円。かけよりも種物の方が得な設定になっている。


※値上げしていました。現在は、かけ330円、種物は360〜380円となっています(値−1点。2013/12、確認)。

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★新得駅(JR根室本線・石勝線)
「生そば(せきぐち)」  実食日:2005/9

  北海道新得町は、日本一の蕎麦産地。ここの駅そばも、愛好家の間で「美味い」と評判になっている。この店は改札内外両側から食べられるようになっており、窓口は1番ホームと待合室に開いている(写真は待合室側)。単線路線が2つも乗り入れている新得駅では、到着列車が交換待ちで長時間停車することが多い。ホーム側に窓口が開いていれば、交換待ちの間にサッと食べることができるので、気が利いていると言えるだろう。
  私が実食したのは中途半端な時間帯で、列車の発着時刻からも外れていたので、先客は皆無、店番のおばちゃんもうたた寝をしていた。「ちわっ」と声をかけて起こしたとき、「あら恥ずかしい」と頬を赤らめたのが非常に印象的だった。
  肝心の味であるが、色黒の太麺で、確かに美味い。麺だけではなくつゆも美味。評判はダテではなかった。ただ、天はちょっといただけない。北海道ではこのパターンが多いのだが、ドン兵衛である。北海道では、この天が10個くらい入ったパックを売っているスーパーが結構あり、単価は70円程度。これをそのまま使っていると思われる。だから、月見と天が370円で同額という値段設定にも合点がいく。
  変わりメニューには、東日本では珍しいかしわそば(370円)がある。また、生麺の販売も行っており、300gで400円。


※2009/9、再食。値上げせずに頑張っています。かしわそばは、脂身のないささみを使用。あらかじめ味付けがされています(煮るのではなく、下茹でして漬け込んでいる?)。

※2010/1、再食。特段の変化なし。麺は、茹で置きながら手打ちです。よく頑張っています。

※2014/10、再食。消費増税に伴う値上げもなく、頑張っています。かしわを再食しましたが、内容も変わっておらず、「実質値上げ」ということもありません。これは応援したくなる店ですね。

※2018/10、再食。公式取材ではありませんが、仕事上必要で、山菜そば410円をいただきました。2014年の消費増税時には値上げしませんでしたが、その後上がったようで、現在はかけ350円、4種の種物(山菜・かしわ・月見・天)はいずれも410円です。生麺のみの販売も、450円に上がっています。山菜は、特段変わった要素のないミックス水煮です。ワラビ、ゼンマイ、姫竹、キクラゲというラインナップ。普通な感じなのですが、しっかり濃いつゆによく合っています。
  平日13:00頃の訪問で、先客0・後客1。列車の発着前後に賑わう店なので、昼時とかそういうのはあまり関係なさそうです。ちなみに、駅前の本店(立ち食い系ではない)の方はかなり混雑していました。本店でも食べてきたのですが、本店と駅とでは麺が違います。本店の方は少しモソッとする素朴な食感で、駅の方はやや歯ごたえが強くて重厚な噛み心地。値段がだいぶ違うのだから、当然と言えば当然ですね。
  隣にあったキヨスク売店は閉店し、土産物店になっています。これがプラスに働くのか、マイナスに働くのか。推移を見守りたいと思います。なお、特段改装したわけではありませんが、幟・観葉植物・お品書きが店頭に出て、ちょっと賑やかな雰囲気になっていたので、写真を貼っておきます(左:旧、右:現)。


※2021/8、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在は、380円、山菜・かしわ・月見・天各440円です。生麺販売は450円で据え置かれています。
  今回いただいたのは、月見そば。玉子は先乗せのようで、白身が全体的にうっすらと白濁していました。黄身の上の部分まで白濁していたので、玉子をめがけてつゆを注いでいるようです。麺やつゆとの相性は、問題なく良いです。というか、玉子が合わない麺やつゆには出合ったことがないように思います。どの店で食べても美味しいメニューのひとつですね。
  平日10:30頃の訪問で、先客0・後客0。この店は列車の発着に合わせて賑わうので、外れた時間帯は閑散としていることが多いです。


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★帯広駅(JR根室本線)
「豆地蔵」  実食日:2009/9

  改札外、西通り南口出口脇。テーブル席を多数擁する配膳付き後払い(伝票制)の店。麺類以外にも様々なメニューを扱っている。駅そばのカテゴリに入れて良いかどうかで悩むところだが、値段が地方特例適用範囲内だし、出来上がりまでの時間が早かったし、他に対象となる店が見当たらない駅なので、OKとする。
  麺は、ゴムのような弾力がある。冷凍だろうか。つゆは雑味がないタイプではあるが、あまり印象に残らなかった。個人的に、北海道では雑味のない上品さよりも濃厚な昆布出汁を期待してしまうためかもしれない。おにぎりや弁当類の販売コーナーを併設していて、こちらの方が賑わっている。かけ400円、月見・山菜450円、天500円。日替わりでミニ丼等とのセットメニューを用意している(680円)。日によってお得感に差があり、日曜の「ミニ豚丼+山菜そば」はお買い得な印象。逆に火曜の「ミニカレー+かけそば」、水曜の「ミニチャーハン+かけそば」は、あまり食指が動かない。なお、レシートには「サザエ帯広豆地蔵」と記載されていて、正式店名は「サザエ」であるとも受け取れるのだが、当サイトでは看板等に記載されている「豆地蔵」を店名として掲載させていただく。


※閉店していました。跡地には何も入っておらず、廃墟となっています(2013/12、確認)。

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「小もろ」  実食日:2013/12

  駅から4分ほど歩く。北口を出てロータリーを右に回り、目抜き通りの一本東(向かって右)の路地をひたすら直進、左側。なかなか有名な店で、ググるとかなりの数がヒットするので、「かじのビル1階」であることはすぐにわかるのだが、かじのビルは目抜き通りに面していて、こちら(大通り)から行くとなかなか見つからない。「かじのビルの裏手」と考えた方がいい。客席はバリエーションに富んでいて、立ち食いカウンター(まばらにスツールが置かれている)、テーブル席に加えて、座敷もある。実食は、大晦日の朝9時ごろ。周辺は歓楽街を形成しているが、開いていたのはコンビニとこの店だけ。こういう店は貴重だ。
  麺はやや太めで、質感のある丸茹で麺。つゆはどす黒く、いかにも濃そうだなと思って飲んでみると、やっぱり濃い。辛さもあるが、それ以上に甘さが際立っていた。麺との相性は、悪くない。かけ320円、種物は基本的に350円均一。かけとの価格差が30円しかないので、この店でかけを注文する手はないだろう。狙い目なのは、他店では値段が跳ね上がることが多いとろろ、カレーあたりか。北海道らしいかしわも扱っている。実食は、かしわそば。かけとの差が30円だから、肉なんてチョロチョロだろうと思っていたのだが、意外にもガッツリ盛られていた。これで350円は安い。ご飯ものはおにぎり程度だが、酒類があり、実食時にも朝っぱらから酔ってクダを巻く爺さんが居合わせた。つまみになるようなものはあるのだろうか(メニューには表記なし)。


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★釧路駅(JR根室本線・釧網本線)
「竹乃家」  実食日:2007/9

  駅を出て目抜き通り(北大通)を約7分、国道38号を越えてすぐ右側。当サイトでは基本的に「駅歩5分まで」を「駅そば」の範囲としているのだが、この店に関しては地方特例を適用する。駅舎内の「霧亭」が高くて対象外となることだし。
  長いカウンターと2人掛けテーブル席(4つか5つか)を擁するこの店、麺は乱切りで食感が楽しい。つゆは特徴ない感じ。丼いっぱいにつゆを注いでくれるため、丼を持つのが困難(こぼれるのと熱いのと)なのだが、ちゃんと盆に乗せてくれるので問題ない。かけ350円、月見・たぬき400円。変わりメニューに「親子そば」があり、私はこれを実食(500円)。「生卵+かしわ」だろうと思っていたのだが、卵は生ではなく「かきたま」だった。要するに、「親子丼の具」のようなものが乗る。この店の唯一の難点は、精算方法が曖昧だということか。私はそばと引き替えに代金を払ったのだが、出るときに「お代はもらったかしら」と言われた。先に払うときには、「払ったからね」と念を押した方がよさそう。


※閉店していました。シャッターが下りたままで、看板がはがされていました(2015/9、確認)。

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「釧祥館」  実食日:2018/7

  相対的に見て、地方の駅そばはあまり元気がない。地方の駅弁事業者も、同様にあまり元気がない。そんな中、釧路駅には駅弁事業者の駅そば店が新規にオープンした。場所は、駅を出て左、駅舎脇。2017年12月のオープンだ。そば・うどんだけでなく定食やスナックフード、さらには酒類まで提供するオールマイティな店。客席は、椅子付きカウンター9席と立ち食いカウンター5人分ほど。ただし、訪問時には立ち食いカウンターに(おそらくこれから駅ホームでワゴン販売するのであろう)駅弁が堆く積み上げられていて使用できない状態になっていた。有人レジで先払い。セルフサービスにできる造りではあるが、訪問時には配膳してくれた。
  麺種は未確認。ポソッとした食感は乾麺を連想させるが、生・茹・冷凍・乾麺のどれもあり得そうな感じ。色はグレーが濃いのだが、そばの香りはそれほど強くない。つゆは、出汁感弱めであまり深みなし。カツオ+昆布と思われるが、どちらもモヤる。決してインスタントっぽい味ではないのだが。たぬきなし、かけ320円、きつね390円、コロッケ400円など。実食は、かき揚げそば390円。かき揚げは、冷凍ものを注文後に揚げていると思われる。殻つきの海老が2尾乗っていて、香ばしい。他は、ニンジン・タマネギが中心。姿は視認できなかったが、ゴボウのような香りも感じた。麺類以外で面白そうというかご当地っぽいのは、豚丼590円とざんぎ定食590円か。ざんぎ(鶏唐揚げ)は、90円で単品の扱いもあるので、そばに乗せることもできる。
  どうしてこのタイミングでこの店がオープンしたのかを、少し考えてみる。釧路駅構内には、古くから営業する食堂「霧亭」があり、ここでそば・うどんも扱っている(値段の高いフルサービス店のため、ひとまず当サイトでは対象外としている)。近年、ラーメンやカレーライスなどを扱う軽食店「なつかし館 蔵」もオープン。ここ数年で外国人観光客の利用が飛躍的に増えた駅ではあるけれど、決して飲食需要が満たされていないために駅そば店がオープンしたというわけではなさそうに思える。釧祥館の公式HPを見ると、平成に入ってから営業拠点が短いサイクルで次々に変わっており、2017年1月に現住所(釧路駅構内)に移り、現在に至っている。これが答えだろうか。つまり、営業拠点が駅に移って、人材も食材も駅に集まるので、それならということで軽食堂も始めたと。店内の様子を見ると、どうも駅弁の調製もこの店舗内で行っていそうな様子だし、その片手間に軽食堂を運営すれば、駅弁の方も機動性をもって販売できるし、軽食堂でプラスアルファの売り上げも望める。そんな、一石二鳥の戦略なのではないかと感じた。
  平日8:00頃の訪問で、先客0・後客0。客席フロアは閑散としていたが、厨房の方は駅弁販売の準備で大忙しだった。たぶん、この店の機能は軽食堂としてだけではないと思うので、会社側としてはこのような閑散時間帯ができてもいいのだろうと思う。駅弁も駅そばも、時代の逆流に負けることなく繁栄してほしいものだ。


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★東釧路駅(JR根室本線)
「さつま屋」  実食日:2021/8

  平たく言うと、駅を出て正面の駐車場を通り抜けて道路向かい。合法的な行き方は、駅を出て右、最初の十字路を左折して1分、信号を渡ったところ。パチンコ店「ロイヤル釧路店」に併設された軽食処で、駅から歩いて食べに行く人は少ないと思われる。ただ、出入口は建物の外側にあるので、パチンコをしない人でも食べに入りやすい構造になっているのはありがたい。客席は椅子付きカウンター11席のみ。席間が広めだったので、コロナ対策で少し席を間引いてあったかもしれない。システムは食券制。受け渡し方法は、客によって番号札対応になったりおばちゃんの記憶頼みになったりしていた。注文メニューによって分けているのかもしれない。
  そばメニューは、かけ400円、かき揚げ550円、海老天650円、カレー600円の4種。実食したのは、かき揚げ。麺は、見た目にはエッジが鋭く立っている印象なのだが、食べてみるとあまり感じない。そばの香りはあまりなく、おそらく冷凍麺だろう。つゆは、最初のひと口めで、カツオ系ではなさそうな酸味を感じるもの。とろろ昆布だろうか。食べ進めるうちに舌が慣れてくるものの、第一印象でやや違和感を覚えた。天は、冷凍ものの注文後揚げ。具材は、タマネギ、ニンジン、細かくてよく分からない青菜。悪くはないが、普通すぎて印象に残らない。紅白カマボコ1枚入り。総じて、まぁパチそばだねという印象だった。そば・うどん以外のメニューは、カレーライス650円、各種ラーメン650円〜、丼もの、定食と幅広いが、そば・うどん以外はこの手の店にしては高めの印象。カツ丼は、玉子とじのものとソースかつ丼を両方扱っている。七味や箸(割箸)等は各席に用意されておらず、冷水器脇に集約。
  需要は結構ある様子。土曜13:30頃の訪問で、先客11(満席)・後客4だった。周囲には飲食店が複数入居する大型スーパーなどもあり周辺の飲食需要を独占している感じではないので、この混雑ぶりは意外だった。13:30でこの混雑だと、12時台には行列ができるのだろうか。ちょっと気になった。


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★栗山駅(JR室蘭本線)
「マミーズショップ」  実食日:2013/12

  改札を出て左、駅舎に併設されている「くりやまカルチャープラザ」内、1階の軽食コーナー。フロアに露出した造りの店で、フロア内のテーブル席を利用して食べることができる。ちなみにこのテーブル席は、食事目的以外でも利用可能。ただ座って休み、談笑をしているだけの人も多い。もともとはドリンク程度しか扱っていない店だったのだが、最近麺類を扱うようになったようで、「そば・うどんはじめました」の貼り紙が出ていた。麺類と飲み物以外では、街の名物であるコロッケや菓子類、さらにはちょっとした土産品の販売もある。
  味覚的には、昆布のダシが強烈に出ているつゆが美味しかった。醤油の味も強めに出ているので、ハッキリした味覚が好きな人に好まれそうな味わい。麺は、どうということもない茹で麺。かけ300円、月見350円、かき揚げ350円。メニューはこの3種類だけ。かき揚げは、小ぶりでインスタント風だが、具材(野菜系)は結構入っていて、サクサク感もある。ネギはフリー。店名から推して、地元の主婦たちが運営しているのかと思っていたのだが、店員はどう見ても高校生としか思えないような女の子だった。冬休みで手伝っていたのだろうか。ぎこちないながらも一生懸命な感じが心地よかった。


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★遠軽駅(JR石北本線)
「駅そば(北一そば店)」  実食日:2005/9

  建物は駅を出て左にあるが、改札内(1番ホーム)からでも食べられる。古き良き国鉄時代の面影を色濃く残している店で、カウンターの板木などは相当年季が入っている。旅情を味わうには最高の店ではないだろうか。
  この店の特徴は、昆布の味が強く出ているつゆにある。北海道では割とこのタイプのつゆを出す店が多いのだが、慣れないと「ちょっと臭い」と思うかもしれない。私個人としては、この味大好き。麺はツルツル系、天はドン兵衛。たぬきなし。値段は、かけ290円、天380円。変わりメニューには、合鴨そば(430円)、さらにスペシャルそば(卵・山菜・天・合鴨入りで590円)というのがある。合鴨は食べてみたかったなぁ。天にしたことをちょっと後悔している。
  だが、これらの諸項目より、もっとこの店を印象づける要素がある。それは、営業時間である。この店は常時開いているというわけではなく、細かく区切られているのだ。開いているのは、11:30〜14;00、18:00〜21:30、そして24:00〜25:00。この深夜営業が名物である。24:34発の夜行特急オホーツク10号に合わせているわけだ。特に冬場は、この列車に乗ってきた人にとって、この駅そばは非常にありがたい存在なのではないだろうか。この列車、遠軽では9分間の停車時間(2005/9のダイヤで)が設けられている。特急は基本的に1番ホーム発着のようなので、サッと降りてサッと食べ、サッと列車に戻るということが可能である。
  名寄本線が廃止となり、旅客も大幅に減ってしまった遠軽駅だが、なんとかこの深夜の名物を存続させて欲しいなぁと願ってやまない。応援してます。


※2009/9、再食。値上げ(かけ290→300円、天380→390円、あいがも430→450円、スペシャル590→600円)していました。外壁を塗り替えて、地味な印象の外観になっています(写真は左:旧、右:現)。営業時間の表示が消滅していました。深夜特急が廃止されているので、深夜営業はもうやっていないと思います(未確認につき、減点しないでおきます)。

※2010/1、再食。深夜営業を廃止していることを確認しました(付−2点)。営業時間が不規則なので、車で訪れる場合には列車の到着前後に合わせた方が無難です。

※2014/10、再食。消費増税に伴う値上げはなく、現在もあいがも450円を中心としたラインナップです。今回、初めてホーム側で食べてみました。ホーム側はほとんど利用者がいないようで、陽当たりも悪く寂しい雰囲気です。空間が開放的な駅外での実食をオススメします。

※2018/7、公式取材にて再食。あいがも450円と天婦羅390円を連食しました。どちらも、特段の変化はありません。合鴨の味付けも天ぷらの揚げも、自前でやっているそうです。店内ではなく、すぐ近くの自宅で調理しているとのこと。客数の少なそうな駅で、よく頑張っています。厨房スペースには絨毯が敷いてあり、ストーブなども完備して、半ば居住空間のようになっています。ホームで食べられる駅そばとしては、とりわけアットホーム感の強い店。応援したくなります。
  それから、品数は少ないですが、鉄道グッズの販売が始まっていました。駅構内のキヨスクが閉店したことに伴い、引き継いだそうです。少しでも売り上げがの足しになるといいですね。鉄道ファンがターゲットなら、グッズ+そばという一石二鳥も狙えると思いますので。


※残念ながら、店主死去に伴い閉店していました。建物はまだ残っていますが、内部はがらんどうです(2021/8、確認)。

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★北見駅(JR石北本線)

「駅そば」  実食日:2000/7

  その名も「駅そば」。まさに、このページに紹介されるために生まれてきたような店である。駅舎内のJR改札の脇にあり、改札の内外両側から食べることができる。値段は高め(天そば400円)だが、味は悪くない。“にしんそば”(450円)があるのも、北海道ならでは(東京でもあるところはあるが)。非常に小さな店で、改札内外どちらもせいぜい3人くらいしか収容できないが、この侘びしさがかえって旅情をかきたてている。私個人としては、この雰囲気は大好き。


※閉店していました。この店があった場所には、出店型の簡易駅弁販売所があります(2007/9確認)。

※跡地には、切符の販売機が設置されました。駅弁は、改札外のコンビニキヨスクで販売しているようです。駅そばの復活はありません(2021/8、確認)。

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★網走駅(JR石北本線・釧網本線)
「きそば」  実食日:2005/9

  店舗は改札内の1番ホームに建っているが、改札外側にも窓口が開いている(写真は改札外側から撮影)。改札外側窓口は、改札を出て右、待合室の外に出てコインロッカーの脇になる。網走のような地方の中心駅では、見送りなどの「改札内に入らない駅利用者」も結構多いと思われるので、外側にも窓口が開いていると便がいい。
  この店の一番の特徴は、地方にしては朝早くから営業しているということだろう。私が実食したのは朝7時頃だが、聞いたところ6時からやっているのだという。6時というと、到着便も含めてまだ始発前だ(2005/9のダイヤで)。始発が06:23発の特急オホーツク2号なので、これの乗客に照準を合わせているのだろう。
  味覚的には、麺はややモサモサしていて、湯通しが不足している印象。天は、例によってドン兵衛。新得と違って月見320円−天370円と差があるので、ここでは月見かきつね(320円)あたりを狙った方が良さそうだ。たぬきなし。

※2007/9、列車内持ち込みにて再食。特段の変化なし。列車持ち込みの場合、丼にラップをかけてくれます。

※閉店していました。建物も撤去済みです。隣の駅弁売店&軽食喫茶が残っているだけに、悔しいです。軽食喫茶で駅そばメニューも扱ってくれればいいのに……(2014/10、確認)。

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★止別駅(JR釧網本線)
「ラーメンきっさ えきばしゃ」  実食日:2018/7

  有名な駅なかラーメン店。無人駅の、旧事務室部分で営業している。あまり知られていないことだと思うのだが、実はそば・うどんの扱いもある。メニューはそれぞれ1種類ずつで、そばは「開拓そば」650円、うどんは「地北うどん」600円。値段的にもちょっと高いのだけれど、話題としてたいへん面白いので、特例適用で対象に含めることにする。配膳付きで、後払い。客席は、厨房を囲む椅子付きカウンター8席くらいとテーブル席が4人×3、加えて座敷が4人×2。
  さてさて、有名ラーメン店の駅そばはどんなものか。麺は、細めのうどんほどの太さ。そばとしては極太麺と言えるものだ。固くはないのだが、ホクッとしていて重厚な歯ごたえ。そばの香りもわりとある方。つゆは、カツオ系の出汁が前面に出ていて、その背後に昆布系の旨み出汁が垣間見える。北海道、とくに道北では昆布出汁を前面に出す店が多いので、このエリアとしてはやや変わった風味だと言えそうだ。やや辛めで、甘み少々。そこそこのパンチ力と、洗練された上品さを併せ持っているようなつゆだった。メニュー名からではまったく想像できないトッピングは、小海老入りのドンベ天、芋餅2個、ゴボウ、ナルトという内容だった。ドンベ天はつゆにほぐれやすく、食べ進めていくうちにたぬき状態になる。提供時点ですでにふやけていたので、おそらく天の上からつゆを注いでいるのだろう。最初に食べたとしてもサクサク感は望めない。芋餅は、さほどジャガイモの香りは強くなく、ちらかというと「餅」寄りのもの。ただし、餅ほどの粘り気はなく、簡単に噛み切れる。この辺りはジャガイモの特産地だから、ご当地性も感じられてたいへんよいと思う。ゴボウは、斜めにカットして炊いてある。大きめカットで食べごたえがあるが、固くはなく、また繊維が歯間に挟まるようなこともなかった。ジャガイモとゴボウは、地元産だろうか。かつてこの地に入植した人々がジャガイモとゴボウの栽培を始めたということであれば、「開拓そば」の名に深みが出る。ナルトは、白地に赤い渦の一般的なもので、北海道に特有の紅白反転タイプではない。厚切りで、しっかりと白身魚の味がするから、これはもう彩りではなくトッピングのひとつとして考えていいだろう。総じて、ガッツリした食べごたえがありつつ、優等生的な上品さもあり、なおかつご当地性も感じられ、なかなか印象深い一杯だった。この店に入るとついラーメンを食べたくなる人が多いと思うが、繰り返し訪れるのならそば・うどんを試してみる価値もある。
  14:00頃の訪問で、先客4、後客はなんだかんだで10人以上。後客がやたら多いのは、公式取材で滞在時間が長くなったためでもあるが、駅周辺の街の規模を考えたらありえないくらいの賑わいだ。観光客や駅周辺の住民のみならず、網走市など近隣の市町村から日常的に車で食べに来る人も結構多い様子だった。というか、鉄道で訪れる人はかなり少ないだろう。なにしろJR釧網本線は、上下線とも1日7便しかないローカル線。いったん降りると2時間待ちになる(タイミングによっては、最大5時間近く待つことになる)ので。鉄道での訪問を考えている場合には、時刻表をよく見て検討しよう。


※2021/8、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、開拓そば700円、地北うどん680円です。
  今回は、そばではなくラーメンの実食。味噌野菜ラーメン900円をいただきました。麺は、北海道らしい黄色い中太ちぢれ麺。歯ごたえが強く、麺自体に甘みがあるタイプです。スープは味噌ベースですが、豚骨の香りもそこそこあり、独特な味わい。ひとことで言えば、味噌豚骨ラーメンです。具材は、ハクサイとモヤシが中心。さほどてんこ盛りな感じではありませんでした。900円という価格をどう見るかは、人によって違いそうです。個人的には、この店名物のツーラーメン(980円)の方がオススメ度高いかなと思います。
  土曜17:30頃の訪問で、先客1・後客2。閉店間際の時間帯でしたが、ポツポツと客があるようです。もっとも、私以外は全員車で来ていましたが。なお、コロナ対策のパーティッションは、設置されていませんでした。


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★浜小清水駅(JR釧網本線)
「汽車ポッポ」  実食日:2014/10

  駅に併設されている道の駅「葉菜野花こしみず」内の軽食コーナー。値段が高いのだが、オープンキッチンで、店名が鉄道を意識したものであることを根拠に、特例を適用する。厨房に面した椅子付きカウンター8席がメインで、冷水器前に椅子付きカウンターが4つ増設されている。
  麺は、おそらく生。ザラザラした舌触りが心地よく、色白のわりには田舎そば風の風味がある。つゆは、オーダーごとにひとりぶんずつ小鍋で沸かす。味覚的には、甘みが強い。きつねなどを乗せると、少々くどくなりそうだ(きつねは扱っていない)。天ぷら(かき揚げ)は、注文後揚げ。小エビの香ばしさが強く主張するほか、コーンが入っているのが面白い。かけ500円、山菜600円、えび天900円。ここまではうどん・そば同額なのだが、天はうどん600円に対してそば700円。また、そばの表記がない「はなやかうどん」600円というメニューがある。店の売りは、どちらかといえばうどんなのだろう(うどんは「手打ち」との表記がある)。ご飯ものに、いくら丼がある(小500円、大800円)。小でもそこそこのボリューム感があり、女性なら小いくら丼だけで充分かもしれない。レンゲが提供されるのだが、レンゲで食べると刻み海苔が全部レンゲにくっついてしまい食べにくいので、箸で食べた方がよいと思う。


※閉店(「レストランはまなす」化)していました。運営業者も変わっていることだし、別店扱いとなります(2018/7、確認)。

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「マートフレトイ」  実食日:2015/9

  駅を出て右、駅舎と一体化した道の駅「葉菜野花こしみず」に隣接している小型食品スーパー内のそばコーナー。店頭に幟が立っていなかったら、ここでそばを食べられるとは誰も思わないだろう。厨房はスーパー内の惣菜調理場を兼ねており、客席は店内に丸テーブルが3つ、店の外にベンチテーブルが3つ。厨房内のスタッフに口頭注文し、オーダーカードを受け取る。カードをスーパーのレジへ持って行って、支払い。あとは、席で待っていれば配膳してくれる。外のベンチテーブルで食べる場合、厨房から直接受渡しができる小窓が空いているのだが、ここでの受け渡しは行われず、店員さんがスーパーの出入口を経由して運んできてくれる。個人的には、わざわざ持ってきてもらうのは恐縮してしまうので、小窓での受渡しで良いんだけどな。
  麺は、太めの茹で麺。ややゴワゴワする食感ではあるが、素朴で自然な風味はわりと好み。つゆは、薄口醤油仕立て。昆布と粉末っぽいカツオ系の合わせ出汁だと思うが、レモンの酸味(理由は後述)が強くてよく分からなかった。たぬきなし、かけ400円。変わりメニューに、レモンかけ450円、鶏チャーシュー600円。というか、メニューはこの3種類だけ。3品中2品が変わりメニューというのも、すごいね。実食は、鶏チャーシューそば。てっきりかけそばに鶏チャーシューだけが乗っているものだと思っていたのだが、しっかりとレモンの輪切りが2枚乗っていた。これが、つゆの風味をよくわからなくした犯人。というか、3品中2品にレモンが乗るのね。これもすごいというか、ある意味強気。冷やし系にレモンを合わせるのはたまに見るけど、温そばに合わせるのは珍しい。レモンの酸味とそばの相性は、決して悪くはないと思う。清涼感が増して、これはこれで美味しい。讃岐うどんの定番メニュー「すだちうどん」に通じるものがある。ただ、つゆ本来の味が分かりにくくなるのがデメリット。欲を言えば、レモンは別皿で提供するか、せめて鶏チャーシューの上に乗せる形で(直接つゆに浸からないようにして)出してほしかった。そうすれば、つゆの味を見てから「レモン+つゆ」のコラボを楽しむことができるので。鶏チャーシューは、ムネ肉を使って自家製造したもの。味覚的には悪くないが、脂身がないこともあってかなりパサつく。レモンの酸味と合わさると、なおのことパサつきが強く感じられる。パサつきを抑えるようなもうひと工夫が必要かな、と感じた。


※閉店していました。スーパー自体が閉店していて、跡地にコンビニ(セイコーマート)ができています。残念ながら、店内にそば・うどんコーナーはありませんでした(2018/7、確認)。

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「レストランはまなす」  実食日:2018/7

  駅と一体化している道の駅「葉菜野花こしみず」内。上記「汽車ポッポ」の跡地。店名変更ではなく、メニューなども一新されているほか、運営業者も変わっている。というのも、道の駅自体の指定管理業者が変わっているのだ。従来、この道の駅は比較的地味というか、あまり商売っ気がない施設だった。しかし、指定管理業者が変わってずいぶんと色気が出ている。食事処だけでなく物産館も賑やかになったし、別棟でアウトドア用品を扱う「モンベル」まで入った。昔の素朴で硬派な雰囲気も好きだったけれど、少なくとも集客力は飛躍的に増したと思う。食事処は、基本的な構造は従前と同じ。厨房の外側に椅子付きカウンターがあって、少し離れたところにテーブル席。有人レジで先払い、配膳付き、下げ膳不要。
  中太の麺は、茹で麺。少しザラザラするし舌触り。ちょうど製麺業者の搬入シーンに遭遇したのだが、麺箱に「マルサ製麺」と記載されていた。ググってみてもヒットせず。つゆは、北海道らしい濃厚昆布出汁。塩気や甘みは、さほど強くない。特大サイズの丼で供されるものの、麺もつゆも特段多いわけではない。つまり、丼が大きいだけにずいぶんと盛りが悪いように見えてしまう。つゆも飲みにくいし、場所もとるので、丼はもう少し小さい方がいいように思う。たぬき500円、かしわ600円、野菜かきあげ700円。変わりメニューいろいろあり。いずれも高いが、カツそば950円、ホタ天900円。また、小清水町特産の長芋を使った長芋とろろ650円には、ご当地感あり。実食は、高いと思いながらもホタ天そば。みなまで書かなくてもわかるだろうか、これは「ホタテ天」の意味。それほど大きくないホタテを、横に切れ目を入れて(スライスするようなイメージ)開いた状態で揚げている。これを、3粒トッピング。見た目のボリューム感はさほどなく、900円はちょっと、という気が。丼が大きいから、余計に貧相に見えてしまうのだろうと思う。また、味覚的にも、おそらく事前にホタテをボイルしていると思われ、旨み・香りがいまいちガツンとこない。臭みを消して食べやすくしたのだろうけれど、個人的にはもっと荒々しいものでよかったと思う。浅虫温泉「わさも」くらいに、味覚的にもホタテが主役でいいと思うのだ。ご飯ものやスナックフードもいろいろある。面白いというか、ちょっとした名物になっているのが、「なんだこりゃスティック」。これは、揚げ芋・揚げカマボコ・タコを一本の串に刺したもの。ジャガイモは小清水町産(ドーナツ様の衣をつけて揚げているので、中山峠名物の揚げ芋に近い)、カニ入りの揚げカマボコは網走産、タコは斜里町産。オホーツク沿岸の特産物をいっぺんに楽しめるというわけだ。ワンコインで楽しめる手持ちグルメで、そばよりもむしろこちらの方が印象深かった。タコは圧力をかけて炊いているのか、柔らかくて特に美味しかった。タコだけの串もぜひ発売してほしい。
  平日11:30頃の訪問で、先客3・後客5。なんだこりゃスティックが一番よく売れている様子だった。保温機内に作り置きがたくさんあったことだし、たまたまこの時だけということではなく、本当に一番人気なのだろうと思う。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、たぬき550円、かしわ700円、かきあげ800円、長芋とろろ750円、カツそば1000円です。ホタ天は、終了しているもよう。残念(2021/8、確認)。

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★士別駅(JR宗谷本線)
「駅そば(フーズサービスささき)」  実食日:2007/9

  待合室内にあり、ホーム側にも小さな窓口が開かれている。この場所には、かつてはキヨスクがあったのだが4〜5年前に撤退し、空いたスペースに駅そばと売店が入ったらしい。駅そばにしろ売店にしろ、「手作り」という雰囲気がプンプン漂っていて、旅情に満ちている。店員は、駅そばと売店兼務。だからだろうか、Yシャツネクタイ姿のおじさんがそばを調理する。これは極めて珍しい光景。
  そばにも、特徴が多い。麺は少々モサモサした感じで、つゆは昆布出汁が強いタイプだが遠軽や音威子府ほどではない。辛みのあるネギをたくさん乗せてくれるので、全体的に少し辛い印象になっている。天は自家製で、厨房機器を見る限りでは店揚げしている様子。これで「かけ+50円」はお得感がある。全体的にかけ(300円)よりも種物の方がお得な値段設定になっていて、カレーそばも350円。麺類ではないが、変わりメニューに「ぶうか丼」がある(420円)。夏期は扱っていないとのことで詳細は不明だが、人気メニューになっているようだ。営業時間は、「9〜18:30」との貼り紙が出ているが、同じ貼り紙の隅に「8時でも大丈夫」と書かれている。どっちなんだろう? この駅は駅寝旅行者の利用が多いのか、「電気(コンセント)無断使用禁止」との貼り紙があり、コンセントがガムテープでふさがれていたのが面白かった。


※「ぶうか丼」に、「豚卵」とのルビがふってありました。これで、なんとなく想像がつきます。値段等は、変化ありません(2010/1、確認)。

※消費増税に伴う値上げはなく、値段据え置きです。スペシャルそば420円が登場していましたが、トッピングは天ぷら・卵・きつね。特殊なものが乗るわけではありません。ぶうか丼は終了してしまったようで、ご飯ものはごはん120円(大盛り200円)だけになっています。残念。営業時間はさらに曖昧になっていて、現在は「9時頃〜17時頃」と表記されています(付−1点。2014/10、確認)。

※一部メニューを値上げしていました。かけ300円、天・きつね・月見350円は据え置きですが、カレーそばが400円に上がっています。スペシャルそばは、終売。なお、営業時間は11〜15時に変更されていました。今度は、「頃」の記載はありません(2021/8、確認)。

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★名寄駅(JR宗谷本線)
「そばと駅弁(駅弁かくだて)」  実食日:2007/9

  1番ホーム&改札外待合室内。実食(写真も)は待合室側だが、小さな受け渡し窓口があるだけで、しかも弁当などが置かれているので、その場で食べるのは困難。待合室内のベンチに座って食べるべし。それでも構わないのだが、店員とあまり話ができないのはちょっと残念な感じだ。ホーム側には、ちゃんと食べられるカウンターがある様子。
  この店のそばには、これといった特徴は感じなかった。麺は市販されている袋麺のような味。つゆも並で、北海道特有の昆布出汁強烈タイプではない。かけ270円、きつね・月見320円、天370円のみ。丼はスチロール製だが、「返却してください」との貼り紙が出ている。ゴミ収集の絡みで、駅のゴミ箱に捨てられると困るということなのだろうか。


※閉店していました。日本最北の駅弁業者という称号を持っていただけに、なおのこと残念です(2010/1、確認)。

※建物撤去というか、待合室がリニューアルされたようです。現在、この店があった場所にはロッカー(コインではない。駅側で使用しているもの)があるだけです(2021/8、確認)。

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★音威子府駅(JR宗谷本線)
「常盤軒」  実食日:2005/9

  改札出て左。2度目のチャレンジでようやく実食が叶った有名店。1933年創業の老舗である。1989年に天北線が廃止され、かつてのターミナル駅もただのローカル駅になってしまい、旅客も大幅に減ってしまったのだが、駅そばはまだまだ頑張っている。聞けば、列車の乗客だけでなく、旭川辺りからわざわざ車で食べに来る人も多いのだとか。まぁ、私も車で寄ったクチなのだが。
  この店を有名にしている最大の要因は、とにかく真っ黒な麺である。「イカスミか?」と思えるほどの黒さだが、純黒ではなく、やや赤みが射している。これが味・香りとも最高で、有名になるのも頷ける。つゆも、昆布の味が濃く出ている北海道特有のタイプで、美味。薬味にもこだわっているのか、ネギは青白両方乗る。たまたま混ざってしまったという感じではなく、きちんと盛り分けている。天がドン兵衛であることを除いて、一点の不満もない店である。値段は、かけ330円、天430円。麺(生)のみの持ち帰り販売も行っており、360円。
  営業時間は、09:30〜16:00(水曜休)となっているのだが、これはちょっと曖昧な気がする。というのは、前回立ち寄ったときには準備中で食べられなかったのだが、11:30頃だったから。寄ってみて、開いていればラッキーという観がある。万が一準備中で食べられなかった場合は、駅歩3分の道の駅「おといねっぷ」内に、同じ麺を使った蕎麦屋「麺屋一ふじ」が入っているので、こちらへ回ろう。旅情は多少削がれるけど。


※2007/9、再食。変化なく美味。おにぎりがあります(100円)。生麺の販売も継続しており、360円で約3人前入っています。つゆも販売している(300円。麺2束でつゆ1本が目安)ので、併せて購入するのがいいと思います。

※2010/1、再食。値上げして、現在はかけ350円、月見400円、天450円、天玉500円です。乗降客数の少ない駅ではありますが、乗降客の8割方がこの店で食べていきます。列車の到着前後には大変混雑します。停車時間が設けられている便が多いため、車内持ち込み(30円増し)で買っていく人もたくさんいました。

※2014/10、再食。値上げしていました。現在、かけ370円、月見420円、天470円、天玉520円です。麺のみの販売は、生400円(2人前)、乾1100円。つゆ(瓶入り)は310円です。生麺は冷凍保存が利くので、お土産にも好適です。味は、以前と変わらず。発酵しているかのごとく蕎麦の香りが濃厚で、たいへん美味しいです。なお、暖簾が変わっていました。また、お品書きなど細かいところもいろいろ変わっています(写真は左:旧、右:現)。

※2015/9、再食。値段等、変わっていません。味も変わりなく、熟成したかのようなそばの香りが強烈で、印象深い一杯です。今回天ぷらそば470円を実食したことで、めでたくこの店のメニューは完全制覇になりました。と言っても、メニューは4種類しかないのですが。訪問は13:30頃。店先のテーブルは満席で、待合室内の小上がりに腰かけて食べる人、さらには手持ち食いしながら駅舎内の「天北線資料館」を見て回る人もいて、相変わらず賑わっていました。実食後、道の駅「おといねっぷ」でもそばを食べ、駅に戻るとほどなく売り切れて店じまいしてしまいました(15時頃)。確実に食べたいのであれば、13時頃までに訪問した方がよさそうです。
  なお、この日は音威子府駅近くで野宿しました。そのため、朝5時に駅に行ってみることができました。まだ始発前だったので駅舎には入れないかなと思っていましたが、驚いたことにもう仕込みが始まっていました。駅員は誰もおらず、シャッターの締まった店内でラジオの音声とともにガッシュガッシュと何かを洗う音が聞こえていました。店主も駅舎の鍵を持っているのでしょうね。この店は9時半オープンなので、4時間半以上前から仕込みを行っているということになります。これだけ頑張っても15時には売り切れてしまうのですから、「もっと遅くまで営業してよ」というのは無理な願いなのでしょうね。温かい目で見守りましょう。店主・奥さんともだいぶご高齢ですが、少しでも長く美味しいそばを提供してほしいと思います。全メニュー制覇したとはいえ、私もまだまだ食べに行きます。

※店主死去に伴い、閉店していました。正式には2021年2月8日付ですが、2020年2月頃からコロナの影響で休業していたようです。私がそうであるように、最後の一杯を食べ逃した人も多いと思います。たいへん残念です(2021/8、確認)。

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「天北龍」  実食日:2021/8

  駅を出て線路沿いの道を右へ1分半、左側。道の駅「おといねっぷ」内。かつてこの道の駅には当サイトの掲載基準から外れるフルサービスの食事処が入っていたのだが、いつの間にか駅そばチックなセルフサービス店に生まれ変わっていた。かけ530円、月見580円、かきあげ630円と値段的に若干高いのだが、駅ナカの「常盤軒」が閉店してしまったことだし、音威子府名物の「黒いそば」を食べられる貴重な店ということで対象に含める。システムは、有人レジで先払い→番号札で呼び出し。返却セルフ。客席はテーブル席ので、4人×8。加えて、奥の方に小上がり席がある(4人×2)。
  麺は、常盤軒と同じと思われる。イカスミのように黒く、やや太めで、そばの香りが濃厚というか強烈。ボソッとした素朴な食感もインパクト大。つゆは、常盤軒とベースは同じかもしれないが、そこまで昆布出汁が強烈ではない印象も受ける。若干手が加わっているのかもしれない。実食は、かきあげそば。天は小海老入りドンベで、これまた常盤軒と同じ。小エビの乗せ方まで同じだから、まず間違いなく同じところから仕入れているのだろう。麺・つゆ・天のうち、常盤軒との違いを感じたのはつゆだけ。9割がた踏襲されていると言っていい一杯を食べることができるのはありがたいところだ。ただし、ネギの刻み方はちょっと違う。常盤軒はみじん切り、こちらは輪切りになっている。そば・うどんのほかには、ラーメンやご飯ものも扱う。ラーメンについては「常盤ラーメンと呼んでくれ」と描かれた貼り紙が出ていた。ここでも「常盤」。ただし、これは名物駅そばをリスペクトしているわけではなく、音威子府村の旧称「常盤村」に由来していると思われる。腹ペコ訪問だったので、ミニカレー350円もいただいた。ミニでもそこそこ量があり、細かくほぐれたチキンがたっぷり入っていて手作り感があって悪くなかった。箸は割り箸。
  平日13:30頃の訪問で、先客5・後客2。ひとり客やふたり連れの客が多い印象だった。4人卓だけでなく2人卓や横並び型の席があってもよさそうだと感じた。各テーブルには、対面方向にコロナ対策のパーティッションあり。常盤軒なき今となっては貴重な店なので、長く続くように応援していきたい。


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★豊富駅(JR宗谷本線)
「喫茶すてーしょん」  実食日:2021/8

  喫茶店のメニューのひとつとしてそばを扱う。本業は完全に喫茶店で、そばの値段も高めなのだが、駅ナカだし地、音威子府から南稚内まで100km以上の空白地帯になっていることだし、特例を適用する。店の場所は、改札外の待合室内。国鉄時代には貨物の扱い窓口があった場所だそう。喫茶店に生まれ変わる際に、ログハウス風に改装されている。客席は、厨房と対峙するカウンターが4席と、形や大きさが不揃いなテーブル席が20席くらい。席数としては計24くらいという計算になるが、実際に20人以上入ったら身動きが取れなくなりそう。そのくらいに、店内は手狭だ。テーブルオーダーで、後払い。
  そばメニューは、「そば」600円のみ。かけそばではなく、天かすと玉子、3枚のナルトがトッピングされる。ナルトは、3枚のうち2枚が紅白逆転タイプ。残る1枚は、紅白は逆転していないが、外側に緑色の縁があるもの。これも北海道でたまに見るナルト巻きだ。麺は、乾麺だろうか。色は黒っぽく、少し饐えたような香りがある。つゆは、市販のめんつゆをアレンジするなどして簡易的に作っていると思われる。醤油の香りが強く、やや甘め。あまり深みはない。天かすは、既製品ではなく天ぷらを揚げる際に出る副産物。天ぷらがないのに天かすがあるなんて不思議だなと思って聞いてみたら、近所の惣菜店からもらっているとのこと。あまりそばを食べる人は多くなさそうだから、ヘタに天ぷらを仕入れるとフードロスのリスクが発生する。それを避けるために、天かすだけにしているのではないだろうか。総じて、よく言えば家庭的な一杯、悪く言えば素人っぽい味。それでも、道北の厳寒の地で温かいそばを食べられるのは嬉しいではないか。
  平日14:00頃の訪問。公式取材で長居をしたので、客数はカウントしていない。カウンター席には地元の常連客が陣取り、奥の方のテーブルに旅行者風の若い男性がひとり座っていた。コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていない。


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★南稚内駅(JR宗谷本線)
「わしの食卓」  実食日:2021/8

  駅を出て目抜き通りをまっすぐ歩き、2つめの信号の右奥側角地。パチンコ店「プラスイーグル稚内店」に併設。建物の外側(駐車場側)からでも出入りできるる造りなので、パチンコフロアを経由せずに食べに行ける。ただし、駐車場は駅から見て遠いサイドになるので、外側から出入りしようとすると若干遠回りにはなる。食券制で、客席は厨房を囲むL字型カウンター10席のみ。
  麺は、冷凍(目視確認済み)。プリッとした舌触りだが歯ごたえはあまり強くなく、どちらかといえばプツプツと切れやすいタイプ。あまり冷凍麺っぽくはなく、こういう食感の茹で麺はたまに出合う。そばの香りはあまりない。つゆは、酸味があるというか、少し酸っぱい。カツオ由来の酸味ではないと思われる。何に由来しているのか、ちょっと気になる。あまり美味しいとは思えない風味だ。かけ430円、月見500円、かき揚げ570円、冷やしたぬき600円(おそらく夏季限定)。そばメニューはこの4種のみ。実食は、かき揚げそば(食券印字も店員の掛け合いも「天ぷらそば」だが、券売機のボタン表示を優先とする)。かき揚げは冷凍ものの注文後揚げ。具材は、タマネギ、ニンジン、春菊、むきエビ。エビはわりと大きく、中華丼のエビくらいのサイズ感。4尾入っていたのは良心的だと思う。冷凍ものの場合、見た目の飾り的に1尾だけ乗っけることが多いので。油は軽く、冷凍もののかき揚げとしては水準以上だ。そば・うどん以外のメニューは、ラーメン、定食、丼ものとあるが、それぞれのレパートリーは少なく、全体的に選択肢はさほど多くない。ラーメンも定食も高め設定の中、豚丼680円はわりと良心的な設定かなと感じる。もっとも、帯広豚丼の仕様を連想しての話ではあるが。食べていないので、内容は不明。箸は割り箸。
  平日12:45頃の訪問で、先客1・後客1。ただし、後客はテイクアウト。というか、イートイン仕様の定食を盆に乗せて持ち出していた。もしかしたら、パチンコ店の店員かもしれない。なお、この時は南稚内駅で17分の乗り継ぎの間を利用しての実食だった。ダッシュで行ってダッシュで食べ、ダッシュで戻ってかなりギリギリ。つゆが熱かったのが、ありがたいやら困りものやら。なお、コロナ対策のパーティッションは、設置されていなかった。


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★稚内駅(JR宗谷本線)

「そば処宗谷」  実食日:2001/9

  当然、日本最北の駅そば。改札の外、待合室内にある。駅舎の外からも食べられるようになっているのだが、改札を隔てているわけではないので、これはあまり意味がないような気がする。味の方はごくごく普通なのだが、“最北”という看板、素朴な構え、客の少ない侘びしさ、この3点は私の心をグッと惹きつけるものがある。面白いのは、そばには鳴門巻きが入るのだが、これが赤地に白の渦巻きになっている。赤がものすごく目立つので、そばが煌びやかに見える。また、200円でホットコーヒーを飲めるのだが、果たしてそばと合うのかどうか、甚だ疑問である。なお、メニューはかけ・月見・天・天玉の4種類しかない。値段は月見で320円、大盛50円増しは割と良心的か。

※ 2005/9、再食&写真再撮影。特段の変化はないが、蛇足情報を1つ。稚内は、「日本で初めてコーヒーが飲まれた場所」らしい。土産物店でも、コーヒー関連商品が目立つ。稚内名物ということで、この店でも扱っているのだろうか?

※閉店していました。駅舎が改築され、道の駅に加盟しているので、写真の郷愁溢れる雰囲気は微塵もなくなっています。残念ではありますが、人が多く活気あふれる駅に生まれ変わったので、長い目で見ればよいことだと思います(2014/10、確認)。

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「ふじ田」  実食日:2014/10

  改札を出て左、駅ビル「キタカラ」の1階(改札階)。基本的には値段の高い座そば店なのだが、一角に立ち食いコーナーが併設されている。福島駅「松月庵」と同じパターンだ。ただし、立ち食いコーナーには間仕切りがなく、土産物店内に露出している。キャパは、5人くらいか。座そばコーナーがメインなので、店員さんも座そばコーナーの客を優先的に対応する。そのため、混雑時には少々待たされることになる。乗ってきた列車の折り返し便で帰る予定の場合、間に合わない可能性も。危ないと感じた時には、30円増しでテイクアウトする手もある。
  麺は、どうということもない風味・食感。おそらく冷凍。色合いが独特で、やや赤紫色がかっているのだが、香りも風味もあまり感じなかった。つゆは、塩気・出汁感ともに控えめ。ちょっとパンチ力に欠ける印象がある。もう少し一方向に偏っていてもいいのではないかな、と感じる。かけ380円、天430円など。変わりメニューに、利尻こんぶと天かま(各480円)がある。利尻こんぶは「おぼろ昆布」とのことだったので、より謎めいている天かまを実食。天かまは、魚肉練り製品を揚げたもので、要するにさつま揚げのようなものなのだが、さつま揚げよりもだいぶ柔らかい。はんぺんとさつま揚げの中間スタンスな食感。フワフワしていて、つゆを吸ってジューシーになる。僅かだがイカが練り込まれていて、これがよいアクセントになっている。揚げ玉が一緒にトッピングされるのも嬉しい。


※2015/9、立ち食いコーナーではなく店内の椅子付きカウンターで「すりみラーメン」930円を実食。基本的に立ち食いメニューと店内メニューは完全に分かれているのですが、空いていたからでしょうか、立ち食いそば客も店内に通されていました。すりみラーメンは、ホッケのつみれをたくさんトッピングした醤油味のラーメンです。片栗粉で軽くとろみをつけてあり、なかなか美味しいです。少々値段が高いようにも感じますが、味覚的な満足度は高いものでした。立ち食いコーナーに関しては、値段・メニュー等変化ありません。

※消費10%増税を経て、少々大きく値上げしていました。現在、かけ480円、かき揚げ530円、昆布580円です。天かまは、残念ながら終売しています。また、着席コーナーのすりみラーメンも終売です。特徴あるメニューが減ってしまい、寂しいラインナップになっています(付−2点。2021/8、確認)。

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「ひとしの店」  実食日:2021/8

  駅を出て、ロータリーを右に回って道路に出る交差点の角。要するに、ロータリー入口の角。外観的になんとなくそれっぽいなと思って入ってみたが、実際には後払いのフルサービス店だった。当サイトに載せるかどうかについては、かなり悩んだ。ただ、かけ450円、月見550円といったあたりは上記「ふじ田」と変わらない価格帯。朝早く(6:30)から営業していて朝定食を設定するなど駅そばらしい一面も垣間見える。厨房もオープンだし、特例を適用することにする。客席は、厨房と向き合う椅子付きカウンター5席と、フロア中央のテーブル席4人×4。加えて、店内に入って左手に小上がり席もあるようだったが、こちらは席数を数えていない。
  いただいたのは、肉そば700円。麺は、生か冷凍かで悩む感じ。そばの香りはあまりなく、冷凍かなと思ったが、少しちぢれたルックスは生麺を連想させる。食感は、グニグニ。悪く言えばゴムのような噛みごたえで、あまりそばらしい食感ではない。つゆは、比較的ライトなもの。北海道、特に道北では、昆布丸かじり系の出汁に塩気も強めなつゆに出合うことが多いのだが、この店のつゆは出汁もやわらかいし塩気も突き抜けていない。肉そばの豚肉の旨みに上書きされて、つゆ本来の風味が分かりにくくなるくらいにやさしいテイストだった。その豚肉は、生姜焼き用のロース3枚。タマネギと一緒に焼いて(炒めて)トッピングするので、香ばしさが強い。それこそ生姜焼きがそのままトッピングされたようなイメージ(生姜の香りはない)。このタイプの肉そばは珍しいと思う。ネギは白髪ネギになっているので、肉南蛮に香ばしさを加えたような印象の一杯だった。実際、肉南蛮のつもりで出しているのかもしれない。だから、ネギはメニューごとに輪切りと白髪を使い分けているのではないかと想像する。箸は割り箸。
  平日8:00頃の訪問で、先客1・後客0。先客は、若い女性。箸をつける前にスマホでそばの写真を撮っていたので、観光客と思われる。ほぅ、こんな時間から観光客が出歩いているのか。そう思っていたのだが、よくよく考えたら稚内は利尻や礼文へのフェリーが発着する街で、フェリーターミナルは稚内駅から徒歩圏内にある。利尻行きの1便が7:15発(夏季ダイヤ)なので、6時台から動き出す観光客も珍しくないのだ。店も、船に乗る人々の朝食需要を見込んで早朝から営業しているのだろう。この店に限らず、稚内駅に併設された道の駅内の喫茶店も6時から営業している。稚内は、とても早起きな街なのだ。


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