南 北 海 道
(千歳線以南以西(札沼線・日高線含む))

現在、43軒掲載(うち15軒は閉店確認済)

★木古内駅(道南いさり火鉄道、JR北海道新幹線)
「キッチンキーコ」  実食日:2017/6

  新幹線開業に合わせて大きく変わった、木古内駅と、その駅前風景。駅舎が立派になったのはもちろんだが、駅前も大々的に整備され、ロータリー向かいには道の駅「みそぎの郷きこない」までオープンした。その道の駅内に、簡易的なそばを扱う「キッチンキーコ」があった。そば・うどんのほかにラーメン、ザンギ、たこ焼きにソフトクリームなどスナックフード類を多数扱う店で、イマイチ何がメインなのかが分かりにくい店。そばメニューは「みそぎそば」のみ。でも、これが350円と安いので、当サイトの掲載基準に合致する。店頭で現金先払い→呼び出し。番号札等はないので、注文メニュー名での呼び出しになる。何人か注文が重なると、ちょっと混乱しそうなシステムではある。店舗固有の座席はなく、付近の休憩ベンチなどで食べる形になる。
  麺種は未確認だが、食べてみての印象としては冷凍麺。星がたくさん見られて見た目には美味そうなのだが、そばの香りはわずかで、しかもくぐもったような艶のない香り。つゆは、やや辛めで、やや甘め。昆布出汁と思われる風味だが、カエシの甘辛さの方が勝っていて、ややのっぺり系に感じる。みそぎそば350円。面白そうな名称だが、あまり面白いものは乗らなそうな価格。結果は、いわゆるたぬきそばだった。既製の揚げ玉のトッピングだ。これ自体はどうということもない。ただ、サービストッピングされる紅白逆転ナルト(2枚)が、ポソポソとした素朴な食感ながら白身魚の風味が濃厚に感じられて美味かった。また、斜めカットのネギも、シャキシャキした歯触りが好印象。そばメニューは1種だけなのだが、うどんは「うどん」350円のほかに「カレーうどん」450円がある。ここで、2つ疑問。ひとつ、うどんにはどうして「みそぎ」が付かないのか。写真を見た限り、みそぎそばと同様に揚げ玉のトッピングのようなのだが。ふたつ、カレーうどんはそばに対応していないのか。頼めば作ってくれそうな気もするが、未確認。丼は、使い捨てのもの。七味等は受渡口にのみあり。飲み水は、休憩所内のサーバー&紙コップを利用。
  平日の午前9:30頃の利用ということで、食事客は私以外にはいなかった。先客0で、後客が3人いたけれど、3人ともソフトクリームの注文だった。オープン当初には「木古内町史上最大の賑わい」と報じられていたが、その賑わいはひと段落したようで、落ち着いている印象だった。土日とか、午後になれば、もっと賑わってくるのだろうけれど。


3 3 2 4 3 2 17
★函館駅(JR函館本線)

「みかど」  実食日:2002/8

  函館駅舎内、改札を出て右手にある店。一応そば・うどんがメインだが、焼きそばやご飯もの、かき氷まである。天ぷらそば350円はごく普通の値段だが、質はあまりよくない。カップそばに入っていそうな天ぷらである。
  それよりも、写真右手前は列車待合所になっており、ベンチに座っている人たちから丸見えというのがちょっと難点。あまり落ち着ける店ではない。

※駅舎改築に伴い、閉店していました(2005/9確認)。

2  3   3   2  2  1 13

「きそば」  実食日:2002/8

  駅舎内、改札を出て右手。上の「みかど」の真向かいにある店で、まさに函館ダービー状態である。しかし、どちらの店にもそれほど多くの客は入っていない。
  私個人としては、「みかど」よりもこちらの方が好きである。味はもちろん、おばちゃんの愛想、メニューの怪しさの点で、こちらの方が上。怪しいメニューというのは、ウニそば(430円だったかな)。私は食べなかったが、和風のつゆには以外と合うかもしれない。なお、メニューには“たぬき”がないのだが、頼めば作ってくれる。ただし、天そばと同じ値段(350円)というのは、ちょっと納得がいかないかなぁ。


※駅舎改築に伴い、閉店していました(2005/9確認)。

3   3   3   2  3   2  16
「みかど」  実食日:2010/12

  5・6番ホーム中ほどにある露出店。雪の降る日にはカウンターにまで雪が積もってしまうような場所にある。もちろん、立ち食いのみ。函館駅には4本のホームがあり、そのすべてが頭端式。コンコースを軸に、櫛形にホームが並んでいる。このような駅では、ホームよりもコンコースに店があった方が利用しやすい。ましてや、この駅はコンコースとホームの間に間仕切りがあるので、5・6番以外のホームに降り立った人々が、わざわざコンコースを経由して5・6番ホームにあるこの店を利用するとは、ちょっと考えにくい。現に、私はこの店が多くの客で賑わっているというシーンを見たことがない。
  五稜郭駅と同じ業者「みかど」の店舗だが、味覚的にはちょっと違っているように感じた。麺は、おそらく同じだろう。ネットリと、歯の裏にくっつきそうな粘着性がある茹で麺。しかし、つゆは五稜郭のものよりも甘さが際立っていて、悪く言えば市販のめんつゆのような味だった。値段は五稜郭と同じで、かけ250円、月見300円など。ネギフリーも五稜郭と同じ。


※2014/10、再食。改装して綺麗になっていますが、相変わらず立ち食いのみの露出店です(写真は左:旧、右:現)。値段が上がり、現在はかけ260円、月見320円です。また、メニューがだいぶ増え、海鮮かき揚げ500円、がごめ昆布とろろ360円、みがき鰊420円(これは従来かあるメニューだが、メニュー名が「鰊みがき」から変わっている)といったご当地系メニューもあります。反面、手軽に暖をとれる「あさり味噌汁」がなくなってしまったのが残念。実食は、がごめ昆布とろろ。函館産のがごめ昆布を使用しています。普通のとろろ昆布よりも粘りが格段に強く、箸で持ち上げると大量の粘液が一緒に持ち上がります。好き嫌いが分かれそうなメニューですが、函館らしくてよいと思います(味+1点、付+1点)。

※2015/9/27付で閉店する旨の貼り紙が出ていました。KIOSK売店も含め、ホーム上にある店舗類はすべて同日に一斉閉店するようです。風情がある店舗だったし、ご当地メニューもいろいろあったので、残念です。函館駅を含む函館市の旧市街は、寂れ方のスピードが尋常ではないですね。来年には新幹線が開業しますが、新函館北斗駅は函館駅からだいぶ遠いので、あまり挽回材料にはならないような気がします。なお、五稜郭駅の店舗は存続するようです(2015/9、確認)。

※閉店していました。建物撤去済みで、跡地には何もありません(2021/8、確認)。

3 3 3 1 4 2 16
★五稜郭駅(JR函館本線・道南いさり火鉄道)
「みかど」  実食日:2010/12

  改札外、待合室内。昭和の臭いが色濃く残る、待合室に露出した店舗。懐かしさを感じさせるとともに、ホッと一息つきたくなるような温かみを感じる店だ。客席は、厨房と向き合ったL字型椅子付きカウンターのみ。
  麺は、やや粘着質な茹で麺。つゆはかなり色が濃く、飲んでも辛い。麺・つゆとも主張が強いタイプだが、相性としては悪くないと思う。地方にしては値段が安めで、かけ250円、いか天350円など。ネギフリーは嬉しいサービス。冷水機がないのだが、飲み水は自動的に出される。空になると、「もう一杯入れましょうか?」と声がかかる。冷水機がない店では、このくらいの心配りが欲しいというか当たり前だと思うのだが、実際にここまで気を遣ってくれる店はなかなかない。


※改装していました。というか、看板と暖簾が変わっただけで内装は変わっていません(写真は左:旧、右:現)。値段が上がって、かけ260円、いか天370円になっています。海鮮かき揚げ500円が登場しています。他メニューに比べて値段が高い印象がありますが、写真を見た限りでは具だくさんで美味しそうです。なお、函館駅で販売している「がごめ昆布とろろそば」は、当駅では扱っていないようです(2014/10、確認)。

※2015/9、再食。値段等、変化ありません。えび天そば420円を試しました。えび天は、大エビ1尾。衣の厚着をしていますが、エビ自体もそこそこ大きいです。ネギも、変わらずフリーでした。

※こちらも閉店していました。跡地は、コインロッカーになっています。向かいにあったキヨスク売店は、道南いさりび鉄道の直営売店として存続しています(2021/8、確認)。

3 4 3 3 4 2 19
★倶知安駅(JR函館本線)
「清水立売商会」  実食日:2005/9

  北海道では、意外な駅に駅そばがある。倶知安はローカル線の途中駅なのだが、ホームと待合室にそれぞれ駅そばがある。倶知安はかつて胆振線(1986年廃止)とのターミナルで栄えた駅で、北海道にはこのような「路線廃止によってただの途中駅になってしまった駅」がたくさんある。このような駅には駅そばがつきもので、路線廃止後もなお頑張っているのである。ただし、昼時に行ったにもかかわらず、ホームの店舗は営業していなかった。窓越しに厨房機器が見えたので、まったくの閉店という感じではなかったが、どういう時間帯に営業しているのかよく分からない。
  北海道では、「天=ドン兵衛」という店が多いのだが、ここではマトモなかき揚げとドン兵衛の両方を備えている。「かき揚げ」はドン兵衛、「天」はマトモな天を指す(普通は逆になりそうなものだが)。値段は、「かき揚げ」が370円、「天」が380円。10円の違いなら、「天」を選択した方がいいだろう。ちなみに、かけは280円。車内持ち込み容器は20円。
  味覚的には、特にこれといった特徴はなく、平均的。私は天玉(440円)を食べたのだが、なぜか卵の白身がちょっと茹だっていて、生卵と温泉卵の中間くらいの感じになっていた。「天」は大判で、ゴボウがメイン。写真を見ると、「食べるスペースがないじゃん」と思えるかもしれないが、向かって左にテーブルが1つ出ており、ちゃんと座って食べることができる。万が一テーブルが埋まっていても、待合室の中だから、食べる場所探しに苦労することはない。


※値上げ(かけ280→300円、かき揚げ370→390円、天380→400円)していました。閉店時間が早い(14時)ので、食べるつもりならお早めに(2010/1、確認)。

※閉店していました。建物も撤去済みで、跡地には何もありません。増設テーブルだけが残っています。もともと、このテーブルはこの店のものではなかったのかもしれません。ホームの店舗もすでに撤去され、跡形もなくなっています(2014/10、確認)。

3 3 2 2 3 2 15
★手稲駅(JR函館本線)
「手稲区役所食堂」  実食日:2020/9

  駅北口から西友手稲店を経由する通路で直結している手稲区役所の2階。通路が直結しているのが2階なので、階段やエレベーターでの上り下りがなくて助かる。区役所内の食堂だが、一般客の利用OKの表示があるので対象に含める。そして実際に、一般客が大勢利用している。区役所に用事はなく、単純に食事目的でやって来る人も結構いる様子。営業時間が短い(11〜14時。13:30LO。コロナ対応かもしれない)ので、都市部にあるわりには訪問難度が高めかもしれない。食券制で、受渡・下げ膳ともセルフ。受渡のシステムがちょっと面倒。入店して食券を買ったら、厨房の端まで進んで盆を取り、その上に食券を置く。店員から番号札を渡されたら、盆は厨房前に放置して席で待つ。だから、受渡口は盆だらけになる。よくもまぁこのシステムで混乱が起きないものだ。客席は、長机タイプが基本。全部で70席くらいあるだろうか。メニューは、そば・うどんのほかラーメン、丼もの、定食がある。これらのジャンルの中でもっとも券売機のボタンの数が多いのは、そば・うどん。この手の食堂としては珍しく、そば・うどんがメイン格のメニュー構成になっている。ただし、周囲の客を見ると、定食系を食べている人の方が多かった。ザンタレ定食480円を筆頭に、定食類の方が割安感があるためだろうか。ちなみにザンタレは、タレをかけたザンギ(鶏唐揚げ)のこと。
  麺は、おそらく冷凍。エッジがなく、グニュッとした歯ごたえ。あまりそばらしい食感ではなく、香りもほとんどなかった。つゆは、やや平たい。恐らく濃縮希釈。そしてそれ以上に気になったのが、ほんのりとカレー臭が漂っていたこと。おそらく、カレーそば・うどんとその他のそば・うどんを同じ丼で提供しているのだろう。カレーの匂いは、通りいっぺんの洗浄ではなかなか落ちない。丼を別にするか、より入念に洗浄するようにした方がいいと思う。たぬき380円、かけ360円、山菜380円、月見380円、カレー380円、天460円など。かけよりも種物の方がお得な値段構成になっている。たぬきや月見はともかく、山菜やカレーが「かけ+20円」というのは、かなり珍しい設定なのではないだろうか。たぬきはおそらく既製揚げ玉だろうと踏み、実食は天にした。天は、エビ天2尾だった。それほど大きくはないが、2尾で「かけ+100円」なら、結構お得感がある。揚げ置きだけれど、レンチンしてからトッピングしていると見え、麺やつゆにしっかり馴染んでいた。麺やつゆはイマイチだけど、種物なら値段的なお得感もあってそれなりに満足できるかもしれない。箸は割り箸。
  平日11:30頃の訪問で、先客・後客とも数えきれないほど多数。満席ではないけれど、常時7〜8割くらい埋まっている感じ。70席あっての8割だから、かなりの客数だということになる。こういう格安系の食事処が周囲にあまりない街なのかな。そんな状態であるから、食券を出して番号札を受け取ってから料理が出来あがるまでには、結構な待ち時間があった。ある程度は仕方ないと思うけれど、変梃な受渡システムを改善することで多少は待ち時間も短縮できるのではないかと感じる。一考の余地ありだと思う。


2 3 1 2 3 2 13
★発寒駅(JR函館本線)
「幌加内製麺」  実食日:2020/9

  南口を出て目抜き通りを直進2分。突き当りの信号を渡ってから左折して3分。イオン札幌発寒店の3階フードコート。税別表示の店(以下の記載はすべて税別価格)でもり・かけ380円だから、微妙に当サイトの基準をオーバーしてしまうのだが、地方特例を適用して対象に含める。フードコートには、この店のほかにラーメン店と「いきなり!ステーキ」が入っている。競争相手がなかなか強力なので、それなりのレベルのものを提供しないと長続きできなそうな気配を感じる。さて、どんなものが出てくるか。ちなみに、店名には「幌加内」とあるが、幌加内産のそば粉を使用云々の表記は見当たらず。システムは、有人レジで先払い→バイブレーターで呼び出し。下げ膳セルフ。
  麺は、おそらく生麺の注文後茹で。茹で時間が短めだった(水を汲みに行っている間に出来あがった)ので、そば粉比率は高めかもしれない。つなぎが弱くて切れやすいタイプなのに少しモチッとする、不思議な食感。香りはわりとある方。つゆは、たぶんカツオと昆布のバランス派。「たぶん」としか書けないのは、注文したのがザンギそばで、ゴマ油がつゆに浸透していて分かりにくくなっていたから。ちょっとゴマ油の主張が強すぎるかな。そのザンギそばは、620円(ワカメ・カマボコ入り)。ふた口大くらいの鶏唐揚げを4個トッピングする。ふんわりした食感の衣がやや厚めで、冷凍もののレンチンを連想させる。それでも、皮なしのモモ肉は驚くほど柔らかく、印象としては悪くなかった。総じて、水準以上のレベルにはあると思う。「いきなり!ステーキ」や隣のラーメン店にくらべれば、価格面での優位性も確保されている。これで太刀打ちできるのかどうか、見ものだ。つゆの香りが分かりにくかったことだけ残念だったので、次回訪問時には山菜480円あたりを狙ってみようか。ちなみに、たぬきは580円と高値。単品価格200円のたぬきがいったいどんなものなのか、気になる。そば・うどんのほかには、丼ものやセットメニューがたくさんある。海老天丼420円やカツ丼480円あたりは、なかなか割安感がある。海老天丼にミニそばを付けたセットが、580円。麺単よりこちらの方がいいかも。七味等は受渡口にのみあり。箸はエコ箸。
  平日14:15頃の訪問で、フードコートは全体的に閑散傾向。席だけ利用の人もいない。アイドルタイムとはいえ、ちょっと寂しい光景だった。コロナ対策のパーティッションはないが、カウンタータイプの横並び席は1席おきに使用可となっており、ソーシャルディスタンスは確保されていた。


4 4 1 4 3 2 18
★桑園駅(JR函館本線・札沼線)
「北のたまゆら 桑園」  実食日:2017/6

  駅を南側に出て、ロータリーを右に回り、道路に出たら右折して2分。日帰り温泉施設「北のたまゆら 桑園」内の軽食処。温泉施設内なのだが食事のみでの利用もOK(入館料不要)なので、当サイトの掲載基準に合致する。ちなみに入浴料は銭湯料金(440円)と安いので、入浴がてら食べるのもオススメ。客席は湯上がり客の休憩所を兼ねた造りなので、席数多数。テーブル席と座敷がある。システムは、券売機で食券購入→肉声で呼び出し。
  麺は、冷凍。湯煎シーンを見たので間違いない。食べてみての印象としては、少々粘着があり、そこそこそばの香りもあるため、目撃しなければ生麺だと思い込んだかもしれない。冷凍麺としては上質な部類だろう。つゆはおそらくカツオ+昆布の出汁で、コンブの方が少し強めに出ているように感じた。甘くなくシャープな口当たりで、悪くない。かけ330円、山菜380円、海老天550円など。温泉施設内の店(今後、当サイトではこの手の店を「スパそば」と呼ぶ)としてはかなり安い方だ。そば・うどん以外にも、ラーメン、丼もの、定食、カレー、一品料理などいろいろある。気になったのは、ラーメンサラダ380円。写真を見た限り、冷やし中華に野菜をどっさり乗せたようなもの。これで380円は驚きの安さ。とんかつ定食550円も安くていいなぁ。温泉はさておき、日常使いのレストランとして考えてもたいへん重宝しそうなメニュー・値段構成だ。札幌駅の隣駅でありながら、駅前が比較的閑散としていて飲食店も少ないので、なおのこと。ちなみに、朝(7:30〜9:30)は、モーニングメニューのみの提供なので注意を。モーニングはトーストが中心で、麺類はかけそばのみの扱いになる。実食が朝イチだったので、かけそば+おにぎり(160円)でいただいた。おにぎりは何種かある中から「いくら」を選択。手づくりっぽい海苔直巻きのおにぎりで、いくらも結構たっぷり入っていて美味しかった。おにぎりにしては値段がちょっと高めだったので、ある程度期待はしていたのだが、それ以上だった。値段に臆さず、注文するべし。唐辛子は一味で、受渡口のみにあり。割り箸は竹製で、商品と一緒に一膳提供。


3 3 1 4 3 2 16
★札幌駅(JR函館本線・千歳線・札沼線、地下鉄南北線・東豊線(さっぽろ駅))
「札幌駅立売商会」  実食日:2007/9

  JRの各ホームに、駅そば店と弁当店(弁菜亭)と売店が一体化した形式の店舗が出ている。従業員は兼業ではなく、それぞれのコーナーに常駐している。私は1&2番ホームの店で実食。
  この店の麺は特徴があるというか、ちょっと違和感がある。妙にツルツルしていて、ゴムのような妙な弾力があって、しかも角のとれた丸麺。つゆはやや甘みが勝った印象だが、出汁は弱め。天が比較的まともだった(インスタントではない)のが好印象ポイントか。ボリューム面を見ると、口径の小さな丼を使っているので、一見するとえらく量が少ないように見える。食べてみるとそれほどでもなく、やや少なめという程度。かけ260円、天380円など。おにぎりもある。

※値上げ(かけ260→280円、天380→400円。値−1点)していました。店舗によって若干外観(看板等)が異なるため、3・4ホームおよび5・6ホームの店舗は別枠掲載を検討します(メニューや値段は共通しています。2010/12、確認)。

※一部メニューが値上げしています。かけは280円のままですが、天は420円になっています(2013/12、確認)。

※閉店していました。跡地は、エレベーターになっていると思われます。1・2ホームおよび3・4ホームはは閉店し、5・6ホームと7・8ホームの店舗が存続しています。当サイトの掲載基準見直しに伴い、店舗ごとの掲載とする方針を取ることにしたため、本記事は1・2ホームの店舗のものとし、閉店の扱いにします(2017/6、確認)。

2 2 2 2 3 11
「……ING」  実食日:2013/12

  地下鉄南北線の北改札を出て、JR札幌駅方面へ。短い階段を上がってすぐ左折、APIA飲食街に入ってすぐ左側。間仕切りがなく、通路にほぼ露出している店。椅子付きカウンターとテーブル席があり、席数は15くらい。夜行急行「はまなす」で札幌入りして、その足で向かうとじきに開店する(7:00開店)、ありがたい早起き店。
  麺はモッサリした食感で、ザラザラした舌触りが印象的。生麺だと思われるが、乾麺のような印象を受ける食感だ。つゆは色が濃いが、それほど塩辛いわけではない。複雑な味わいの出汁で、昆布をメインにいろいろな食材の出汁を合わせているものと推察。たぬき350円。たぬきは、スナック菓子のような揚げ玉。これといった変わりメニューはないが、かしわ(410円)があるのが北海道らしい。また、「そばバー」を標榜しており、酒類をいろいろ扱っている(ウイスキーやワインまである)ので、一杯飲み屋としても重宝しそうだ。なお、店名の読み方にちょっと悩むところだが、普通に「イング」でよいとのこと。


※値上げしていました。現在、たぬき360円、かしわ430円です(値−1点。2014/10、確認)。

※改装ではないのですが、店頭掲示のお品書き(短冊)が変わり、さらに中国語&韓国語の貼り紙も出ていて印象がだいぶ変わっているので、写真を貼ります(左:旧、右:現)。日本人スタッフが一所懸命勉強して書いたのでしょうか、ハングルの方は字体がかなり変です(一応、私には「メミルグクスウドン」と読めた)。値段等は、特段変わっていません(2018/7、確認)。

※消費10%増税に伴う値上げはなかったもようです。現在も、たぬき360円、かしわ430円です(2020/9、確認)。

4 3 1 3 3 2 16
「ちほく」  実食日:2014/10

  地下鉄東豊線の北改札を出て、左前方のエスカレーターを上がり、直進すぐ右手。エスタ大食品街に入ってすぐ。暖簾と衝立の目隠しがあるが、造りとしては間仕切りのない露出店。立ち食いカウンター一列のみで、キャパは8人くらいか。
  麺は、わりと硬質な茹で麺で、心地よい歯ごたえ。つゆは、ちょっと変わった風味がある。塩気・出汁感は弱めで、醤油というか、大豆の香りが一番目立っている。総じて、薄い。食後に物足りないと感じる薄さではなく、最初のひと口の違和感が大きい。たぬきは天かすだが、ちょっと量が少ない。たぬき370円。天は460円で、表記は「天プラ」。カタカナ表記は珍しいかも。北海道らしく、かしわ430円がある。また、納豆そばも扱っているのだが、520円という値段がちょっと腑に落ちない。かけ+単品納豆だと430円なので。ほかのメニューはすべて、既成メニュー価格と「かけ+単品」の価格が一致しているのだが、なぜか納豆だけが合わない。なにか秘密があるのだろうか。


※閉店(「弁菜亭」化)していました(2017/6、確認)。

3 3 1 3 3 1 14
「弁菜亭」  実食日:2014/10

  JR5・6番ホーム中ほど。3つ上に記載している店と同名でメニューも同じなのだが、店舗の形状が異なるため別掲載とする。札幌駅のホームには、2014年10月現在で3軒の駅そばがある。3・4ホームと7・8ホームには、駅そばと売店がタテに連なった店舗がある(微妙に看板などが違うが、同じ店と見なす)のだが、5・6ホームには駅そばと売店が横に連なった店舗がある。縦型の方が邪魔にならない(ホームが狭くならない)ように思うが、店舗位置が階段の裏だから、階段と同じ幅の店舗を設置できたということか。ちなみに、1・2ホームと9・10ホームには駅そばがない。かつてはあったが、近年閉店している。この店舗の4辺のうち、立ち食いカウンターがあるのは長辺1辺のみ。あとの3辺はそれぞれ階段・売店・従業員出入口になっていてカウンターを設けられない造りだ。したがって、キャパは3・4ホームや7・8ホームの店舗より少なく、4人くらいで満席。見たところ、3・4ホームの店舗が一番賑わっているので、このホームこそタテ型にした方がいいような気がする。
  連食していないので想像になるが、味はほかのホームと同じだろう。特に変哲のない茹で麺に、これまた大きな特徴を感じないつゆ。麺とつゆの相性はよいと思うが、とりたてて印象に残るというほどではない。たぬきなし、かけ290円、月見340円、天440円など。車内持込み容器30円の扱いがある。


※値上げしていました。現在、かけ320円、月見380円、たぬき390円、天480円です。メニューや値段は、7・8ホームの店舗と完全一致です(値−1点。2018/7、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ330円、月見390円、たぬき400円、天490円です(2020/9、確認)。

3 2 1 2 3 11
「弁菜亭」  実食日:2017/6

  地下鉄東豊線の北改札を出て左前方のエスカレーターを上ったところ。上記「ちほく」の跡地。いつの間にか、JRホームの駅そば店と同じ「弁菜亭」に変わっていた。看板も暖簾も変わっているのだけれど、この店最大の特徴と言ってもいい店頭のパーティッションが承継されているから、危うく気づかずに通り過ぎるところだった。内装は「ちほく」時代のまま。間口に対してV字型になった立ち食いカウンターのみ。
  麺は、質感のある茹で麺。丼が小さめなので、パッと見には量が極端に少ないように感じるけれど、ズシッとしたタイプの麺だということもあり、食後の満足感はまずまず得られる。つゆは、カツオ+昆布と思われる。昆布の方がやや優勢かなと感じるけれど、道北地方によくある「昆布丸かじりタイプ」ではない。東京人にも馴染みやすい味だと思う。たぬきは、小エビがたっぷり入った天かす。かき揚げなどを揚げた副産物にこれほど大量の小エビが入るとは思えないので、意図的に作った天かすである可能性が高そう。というか、買ってきているのかもしれないが。当然ながら香ばしさがとても強く、ジャンクだけど美味しい。たぬき370円。天460円・かしわ430円など値段は「ちほく」時代と変わっていない。しかし、メニューは一部入れ替わっている。納豆そばは消滅。代わって、山菜430円が登場。天ぷらは、「天プラ」表記から「天ぷら」表記に変わった。総じて、良くも悪くも癖がなくなったような印象だ。ちなみに、ホームの「弁菜亭」とはメニューも値段も異なる。メニューはこちらの方が多く、値段はホームの方が安い。味はどうなのかな。連食していないので何とも言えないが。変わったものとしては、麺の替え玉がある。最近各地でちょこちょこ見かけるようになってきているように思うのだが、需要があるのかな。個人的には、替え玉をするくらいならかけそばを買い直したくなるが。ちなみに、替え玉は200円。高いなぁ。
  昼時の12:45頃に訪問して、先客5・後客2。私が出るころ、つまり13時頃にはピークタイムが終わるようで、結構のんびり食べられた。先客のひとりが大きなキャリーバッグを足元に置いていて、隣にスペースがあるのに後続客が入れず、客同士でちょっと険悪なムードになっていた。混雑時には気をつけたいところだ。パーティッションの陰に置いておくとか、考えた方がいいと思う。


※値上げしていました。現在、たぬき390円、天480円、かしわ450円、山菜450円です。価格としては各ホームの店舗と同じになっていますが、メニューの種類はこちらの方がだいぶい多い状態が続いています(2018/7、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき400円、天490円、かしわ460円、山菜460円です(2020/9、確認)。

3 3 1 3 3 2 15
「弁菜亭」  実食日:2017/6

  JR7・8番ホームやや苗穂寄り。かつて各ホームに「弁菜亭」または「札幌駅立売商会」の露出駅そば店があった札幌駅だが、近年1・2番ホームと3・4番ホームの店舗は閉店し、5・6番ホームと7・8番ホームに残るのみになっている。ただ、一概に「弁菜亭は衰勢」というわけでもなく、改札外エスタの店舗は「ちほく」から「弁菜亭」に変わっている。衰退というよりは、再編が進んでいると見るべきだろう。7・8番ホームの店舗は、5・6番ホームの店舗とは違って完全な露出店。もちろん椅子はなく、厨房を囲む立ち食いカウンターのみとなっている。キャパは8人くらいか。3方向に立ち食いカウンターがあるので、見た目の印象よりは集客力がある。
  麺は、わりと質感のある茹で麺。特別美味いというわけではないのだが、舌触り・歯ごたえ・香りも含め、まずまず悪くない。つゆは昆布出汁が中心の味わいで、やや甘さが勝った印象。この4日前に実食しているエスタ店と、たぶん同じ麺・つゆだろうと思う。たぬきは、小エビの香りがある天かす。こういう仕様なのか、ちょっと湿気たような食感だった。エスタ店のたぬきよりもえびの密度が低かったように感じたものの、これを誤差と見れば同じものであると言えそうだ。たぬき360円。値段はエスタ店よりも10円程度安く、その代わりメニューがだいぶ絞られている。というか、エスタ店の方が後でオープンしているので、「エスタ店の方が10円程度高く、その代わりメニューが多い」と言った方がよいか。エスタ店にある替え玉は、ホームの店舗にはない。これといった変わりメニューもない。というか、間口脇に出ているお品書きと窓に貼られているお品書きで、メニューが若干違っている。たぬきは、窓ガラスに張られたお品書きにのみ記載がある。おそらく間口脇のお品書きの方が古いと思うので、たぬきは最近扱いを始めたということなのかもしれない。
  平日14:00頃の訪問で、先客2・後客0。それほど賑わっている感じではない。今思えば、3・4番ホームの店舗の方が客数が多かったような気がする。3・4番ホーム店舗の閉店は、「売れないから潰れた」ではなく駅側の事情なのだろう。駅そば店の命運が駅側(というか鉄道事業者)の事情に左右されてしまうのは珍しいことではないが、何度出くわしてもやっぱり切ない。


※値上げしていました。現在、かけ320円、月見380円、たぬき390円、天480円です。メニューや値段は、5・6ホームの店舗と完全一致です(2018/7、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ330円、月見390円、たぬき400円、天490円です。メニューは5・6番ホームの店舗と完全一致ですが、こちらの方は営業時間が長く、寄りやすいです(2020/9、確認)。

3 3 1 2 2 1 13
「そばる」  実食日:2018/7

  JR西改札を出て右、北口出口脇。駅舎の外壁に接している店で、出入口は駅舎の内側にある。2015年7月オープンの、新しい店。店名は、第一印象では「そば」の動詞化かなと思ったのだが、看板に「蕎麦&バル」と記載されていて誤解だと気づいた。「そば+ばる」で、「そばる」なのね。ここまで書けば言わずもがなだが、朝から17時までは立ち食いそばで、17時以降は立ち飲み屋に変身する二毛作店だ。食券制で、椅子なし。厨房をコの字型に取り囲む立ち食いカウンターと、壁際に少々増設された立ち食いテーブル。
  中細の麺は、冷凍。少しざらつきのある舌触りで、ホクッとした歯ごたえ。冷凍麺にしてはわりとそばの香りもある方。湯煎シーンを目撃しなければ、生麺だと思ったかもしれない。つゆは、特定の方向に突き抜けないバランス派。出汁はたぶんカツオ系+昆布系で、カツオ系の方がやや強く出ている。香りは悪くないのだが、こなれていないというか、ちょっと若い印象を受けた。そのせいもあってか、麺とつゆがイマイチ馴染んでいないように感じた。たぬきは、既製の揚げ玉。小エビ玉が混在していて味覚的には悪くないが、特段の感慨はなし。たぬき350円。かけ300円、きつね350円。最近駅ナカにオープンした店にしては、わりと安い。ただ、天(メニュー名は「海老かき揚げ」)は500円とやや高値。揚げ場は目視確認できなかったけれど、死角からパチパチと油が撥ねる音が聞こえていたので、店揚げなのだろう。それなら、たぬきも天かすで出してほしいところだが……。また、おぼろ昆布も500円と値が張る。こちらは、函館産真昆布使用とのことで、納得。とろろ昆布は比較的安いけど、おぼろは高いのでね。酒類は一部券売機にも入っているので、朝から飲むこともできる。また、ビール2杯+おつまみ2品の「せんベロセット」1000円も券売機に入っていて、15時から(土日祝は10時から)注文できる。箸はエコ箸。
  平日16:00頃の訪問で、先客2・後客1。アイドルタイムとはいえ、やや寂しい入り。17時でそばタイムが終わるくらいだから、このくらいの時間帯になるともうそば需要はあまりないのかもしれない。次回は、夜に行ってみようかな。


※閉店していました。この店舗部分だけでなく、駅舎内の北側全体で大がかりな改修工事が行われていて、仮囲いされた状態になっています。工事終了後に復活する可能性もありますが、この手の改修工事が入るとたいてい駅そばは別業態店舗に化けるので、閉店扱いにしておきます(2020/9、確認)。

3 2 2 3 3 2 15
「北海道そば 蕎麦紀行」  実食日:2020/9

  ちょっと、いやだいぶ値段が高い店だし、セルフ要素もほとんどない(一応、厨房は一部オープン)。本来なら対象にならない店だけれど、地方の駅改札内だし、せっかく食べたので、参考までに掲載しておくことにする。場所は、JR改札内コンコース。テーブルオーダーで、配膳付き。下げ膳不要で、後払い。客席は、テーブルが4人×2、椅子付きカウンターが12くらい。客席のレイアウトは、駅そばっぽさがある。
  麺は、北海道幌加内産のそば粉を使った二八そば。細麺仕立てで、挽きぐるみを謳うわりには色白。食感は、ややポソッとしていてモチモチ感はない。流行りの固い麺ではなく、素朴でそばらしい歯ごたえ。これは結構好きなタイプ。手打ちは感なし。押出製麺感もない。恐らく、店内製麺ではない。つゆは、特定の方向に突き抜けないバランス派。カツオと昆布が半々に香り、たぶんサバも入っている。それなりに洗練されていて、駅そばと考えればかなり美味い部類。ただ、値段に見合うかどうかと考えると、もう少し個性が欲しいようにも感じる。無難にまとまりすぎているような印象だ。たぬき650円。価格帯は、完全に街そば並み。実食は、函館産の真昆布を使用しているというおぼろ昆布800円(ミツバ、ワカメ、カマボコ入り)。昆布は、糸状に削ったとろろ昆布ではなく、ちゃんと面状に削ったおぼろ昆布を使っている。おぼろ昆布は機械生産できず、手作業で削っているのだそうだ。とろろ昆布にくらべて食感があるし、つゆへの干渉力がある程度制限されるのでつゆ本来の風味を確かめられるのがよい。つゆが美味しい店では、とろろ昆布よりおぼろ昆布だな。つゆが平たくて深みを出したい場合には、とろろ昆布の方がいいと思う。店名のとおり、麺にしろ出汁の材料にしろトッピングにしろ、道内産の食材が多く使われている。これだと、なかなか駅そば価格では提供できないだろう。価格がある程度高くなるのは、やむを得ないと思う。箸は個包装の割り箸(爪楊枝入り)。
  平日10:00頃の訪問で、先客1・後客4。場所がよいので、昼時を外してもそれなりに入っている。席数が決して多い店ではないし、純粋な駅そばにくらべると客の店内滞在時間が長めになるだろうから、この感じだと昼時には常時満席で行列ができるのではないだろうか。その行列を見て、諦めて、ホームの「弁菜亭」に流れる人もいるような気がする。


4 4 1 3 3 3 18
★豊浦駅(JR室蘭本線)
「ワークランドかっこう出張所」  実食日:2015/9

  まったく期待していなかった駅に、話題性豊富な店があった。場所は、2階建て駅舎の1階。改札(無人)を出て、待合室を横切った先にある。複雑な形をしたテーブル席(当サイトでは椅子付きカウンターの扱いになる)を配していて、席数は12くらい。厨房が露出していて完全にセルフサービスの造りなのだが、訪問時には配膳してくれた。下げ膳不要で、後払い制。「セミセルフ」というやつか。店名からなんとなく想像がつくと思うのだが、運営母体は社会福祉法人で、知的障害者の就労支援を目的のひとつとして運営している店。今回、調理に当たったのは健常者(おそらく社会福祉法人の職員)だったが、配膳してくれたのは知的障害があると思われる方だった。徳島駅「麺家れもん」と同じタイプの店だ。駅そばは比較的運営実務が簡単なので、確かに障害者の就労支援に適していると思う。徳島と豊浦をモデルケースとして、今後このタイプの店が各地で興ってくるかもしれない。
  麺は、冷凍だろうか。食べてみた印象としては、生か冷凍か判別しにくい感じ。調理時間から推して冷凍。少し鬆が入ったような軽めの食感で、つゆがよく乗って悪くない。つゆは、甘め。実食メニューがかしわそばだったこともあるのだろうが、脂質系の旨味が勝ったつゆだった。かしわ(鶏肉)は、皮つきのモモ肉を使用。少し筋っぽく感じられる部分もあるが、コリコリした食感も悪くない。鶏肉のほかに山菜・ワカメ・揚げ玉・紅白反転ナルト2枚がトッピングされ、とても豪華だった。というか、具材が多すぎて鶏肉が全然目立っていなかった。
  客数が見込めない駅だということもあり、値段は高め。たぬきなし、かけ450円、かしわ550円、天550円など。量が多めで、全メニューがハーフにも対応しているので、軽く食べたい場合にはハーフを選択する手もある。ハーフだと、かけ300円、かしわ350円、天350円と標準的な駅そば価格というか、むしろ安く感じる価格帯になる。代わりメニューに、鍋焼き蕎麦650円(ハーフ400円)がある。もちろん鍋焼きうどん650円(ハーフ400円)もあるのだが、メニュー名が「鍋焼きうどん(そば)」という感じではなく、それぞれ単独で表記されている。このパターンは初めて見た。また、ラーメン・ご飯物・セットメニューも豊富に揃えている。次回に試してみたいと思ったのは、ホタテコーンバターラーメン800円(ハーフ500円)。豊浦町はホタテの一大産地なので、地元らしさも出ていて◎。ホタテそばがあれば今回試したところだが、残念ながら当該メニューはない。
  常時あるサービスなのかどうかは分からないが、今回はアイスコーヒーのサービスがあった(普通に注文すると250円)。アイスコーヒー付きで量多めのかしわそばが550円なら、大満足だ。割箸は個包装で、商品と一緒に提供。ただし、箸立てにもたくさん立っている。わざわざ1膳ずつ出す必要はないようにも思えるが、これも障害者の就労教育の一環なのかもしれない。総じて、おおいに気に入った店。途中下車すると後が大変になる(列車の本数が少ないので)駅だけれど、今後も立ち寄る機会があるだろう。豊浦・東室蘭間を走る区間列車を有効に使えるような予定を組めば、食べ終えた後で長い待ち時間に苦しむようなこともなく、行きやすくなると思う。


※2017/6、再食。今回は、そばではなくラーメンメニューの中からホタテコーンバターラーメン800円をいただきました。公式取材だったのでこの場で多くは書きませんが、大粒ホタテ・コーン・バター・チャーシュー・メンマ・長ネギを、スープで煮て作ります。スープは醤油・塩・味噌から選択可。今回は味噌でいただきました。バターが溶け込んでいるのでコッテリしているかなと思いきや、意外とあっさり味です。
  なお、基本的に値段は変わっていませんが、初食記事に書いている「全メニューがハーフに対応」のサービス内容が変わり、「全メニュー100円引きでハーフに変更可」になっています。実質的に、値上げという形です。代わりに、麺類はすべて割増なしで「カレー味」にすることができるようになっていました。これは面白いサービスだと思います。
  また、初食時のアイスコーヒーサービスは終了し、代わりにセルフ形式でホットコーヒーを自由に飲めるようになっていました。これは、料理を注文しない人でも飲むことができます(空いている時なら、席のみ利用でもOK)。社会福祉法人が運営する「コミュニティ系駅そば」ならではのサービスだと言えるでしょう(付+2点)。


4 4 1 3 5 7 24
★伊達紋別駅(JR室蘭本線)
「天まで上がれ」  実食日:2014/10

  駅を出て、ロータリーを回って目抜き通りを30秒、右側。6年ほど前から存在を知っていたのだが、日や時間が合わずなかなか実食できなかった店。4回目のチャレンジで、ようやく実食できた。ポータルサイトなどでは居酒屋として掲載されているのだが、「うどん・そば」の暖簾(幟を強引に暖簾に見立てている)が掛かり、店外のお品書きの先頭にうどん350円・そば350円が記載されている。立派に駅そばだ(その他、各種ご飯ものや一品料理、酒類も扱っていて、「居酒屋」の提灯も下がっている)。店内はたいへんコアな雰囲気で、魚の干物が干してあり、臭いが充満している。よりにもよってカウンター席のほぼ真上に干さなくてもいいんじゃないかと言いたくもなるが……。客席は、厨房を囲む椅子付きカウンターが8席くらいと、座敷がある。
  麺は、生麺のようだ。ちゃんと茹でれば美味いのかもしれないが、かなり茹でがオーバーだった。つゆは、淡い。あまり香らず、存在感が薄い。そして、ぬるい。天は、市販品をレンチンして乗せる。調理の手順が、ちょっと変。麺を茹でて丼に入れてから、小鍋でつゆを沸かす。つゆを麺の上から注いで、それから天ぷらをレンジにかける。天ぷらを乗せてから、冷蔵庫に卵を取りに行く。それも、パックごと取り出して、モタモタと開封。かけそばの状態を作り上げてから天玉そばが出来上がるまでに、かなりの時間がかかってしまっている。全体的に、使っている素材は悪くないのではないかと思うのだが、オペレーションというか手際の悪さが味を落としている印象だ。サービスで煮豆とキュウリの醤油漬けが一緒に出されるのだが、これもなんだかモヤッとした味。お爺さんがひとりでやっている店なので、あまり責める気にもなれないが。
  トッピングは、すべて単品扱い。生卵50円、かき揚げ100円、海老天150円など。「天ぷら」と注文すると海老天になるので、かき揚げ希望の場合には注意。ただ、お爺さんも人が良すぎて、私はかき揚げのつもりで天ぷらと卵を注文して、実際には海老天と卵を乗せているのにかき揚げ+卵の料金をすんなりと受け取ってしまう(「50円足りないよ」と言わない)。もちろん、海老天が乗っているのを見て慌てて50円を追加で払ったわけだが。人の良さを物語るエピソードがもう一つある。食べている時に、見知らぬおばちゃんがいきなり入ってきて「爪楊枝ちょうだい」と。このおばちゃんにも、普通に爪楊枝を差し出してしまうのだ。客でもない、見ず知らずのおばちゃんなのに。決して美味くはなかったのだけれど、これは憎めない店だなー。今後伊達紋別へ行く機会があったら、また寄ってしまいそうな気がする。


1 3 1 2 4 5 16
★東室蘭駅(JR室蘭本線)
「そばの助六」  実食日:2015/9

  駅歩8分ほどかかり圏外となるエリアなのだが、地方特例&他に対象となる店がない駅ということで対象に含めることにする……と言いたいところなのだが、実はこの店で食べた後、駅に戻る途中でもう1軒発見している(時間外のため未食)。「他に対象となる店がない駅」ではなかったのだが、まぁそのあたりはファジーでいいだろう。行き方は、少々説明が面倒臭い。東口を出て目抜き通りを2分歩き、ロータリー出口を含めて2つめの信号を渡ってから左折、4つめの信号(道道919号線)を渡ってから右折して30秒。ほかほか弁当寿町店に併設された立ち食いそばコーナーで、厨房は弁当店と共通。従業員も兼務。客席は立ち食いカウンターのみで、キャパは6人くらい。口頭注文、代引き制。実はこの店、室蘭市内でのみ展開するミニチェーン。全部で4店舗あり、公式HPも上がっている。ただ、4店舗のうちいくつの店舗で立ち食いそばをやっているのかは未確認。少なくとも2店舗ではやっている様子だが。次回室蘭へ行ったときには、今回発見した未食店に加えて、「助六」全店舗調査を敢行しようと思う。いずれも、駅からそんなに遠くはないので。
  麺はオペレーション的には茹で麺のようだが、しっかりと角が立っていて若干粘着するので、生麺の茹で置きかもしれない。つゆは、北海道らしい昆布出汁強烈タイプ。やや辛めで、余韻があまりないのがちょっと特徴的。北海道の昆布出汁つゆはもっと余韻が残るパターンが多いのだが。バランス感がとれた一杯という感じではなくやや荒々しい印象を受けるものの、北海道らしさは充分に出ていて良いと思う。たぬきなし、かけ300円。天は全部で10種ほどあり、450円均一になっている。変わり種としては、噴火湾岸の街らしくホタテ天がある。コスパに鑑みても旅情に鑑みても、まずはホタテ天を食べたくなるところだ。私も、ホタテ天そばを実食。ホタテ天は、ひも付きのホタテをまるまる2粒使用。衣が多いというか、細かいたぬきを後からたくさんくっつけたような天ぷらで、見た目には巨大ドンベのように見えるのだが、2粒使っていて単品価格が150円というのはかなり良心的だと思う。次回訪問時にも、またホタテ天を選んでしまいそうな気がする。その他、トッピングのお品書きの中に「おかず80円」というのがあった。これはいったい何? 実に気になる。


※2021/8、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ350円、各種天500円です。残念ながら、ホタテ天を含むいくつかの天ぷらが終売になり、天ぷらの種類は半分ほどに減ってしまっていました。また、外観的には、暖簾が変わっています(写真は左:旧、右:現)。
  今回いただいたのは、天とじ570円。かき揚げの玉子とじをトッピングします。広島県内の「ちから」などで定番となっているメニューで、玉子とじ系のメニューが広く普及している西日本ではこれに似たものに随所で出合えるのですが、東日本では「富士そば」が得意としている程度で、珍しいと思います。玉子でとじると蛋白質の旨みが強調されるので、イノシン酸系出汁の東日本よりグルタミン酸系出汁が強い西日本のつゆの方が相性よいのかもしれませんね。カツオ出汁にも、合わないことはないですが。玉子でとじる天ぷらは、どれでも選べます。私は、かき揚げを選択。かき揚げの具材は、タマネギ、ニンジン、春菊。春菊のカットが大きめで、香りがしっかり感じられました。
  平日12:45頃の訪問で、先客2・後客2。後客は、ふたりともうどんの注文でした。そのうちのひとりが、出来あがったうどんに対して「丼が割れている」とツッコミを入れていました。すると、店員のおばちゃんは別の丼を出して、丼から丼へガバッと移して出し直し。ワイルドだなぁ。このおばちゃんもなかなかだけど、出された客は文句ひとつ言わずに食べていました。移し方というか盛りつけ方は気にならないのか、それとも諦めたのか、どっちなのでしょうか?


3 4 1 2 3 4 17
「キッチンたんぽぽ」  実食日:2017/6

  東口を出て、ロータリーを右に回り、信号を渡らずに右折してすぐ。パチンコ店「ひまわり」内。いわゆるパチそばで、建物の外側に面しているので、食事だけでの利用でも入りやすい雰囲気。食券制で、客席は椅子付きカウンター8席のみ。パチそばとしては小規模な店だ。
  麺は、冷凍庫からソリッドなものを取り出すのが見えたので冷凍麺ということになるが、食感的には生麺を連想させるものだった。しかも、ちゃんとそばの香りもある。これだから、最近の冷凍麺は食べ分けが難しい。参ったね。つゆは、カツオ系の香りが強く出ているもの。甘さ・辛さは控えめ。そこそこパンチがあるのに最後まで飽きない、パチそばのつゆとしては上々のものだ。値段は高め(地方特例を適用している)で、かけ420円、たぬき460円、かき揚げ580円など。北海道らしいかしわそば570円があったので、たぬきではなくこちらを食べてみた。かしわは鶏モモ肉(皮がほとんど付いていないもの)を使用しており、適度な歯ごたえと旨みがある。これはこれでよいか。薬味としての白ネギとは別に、斜めカットの青ネギを添えている。これにより、かしわそばというよりは「鳥南蛮そば」のようなイメージの風味になっている。そして、面白いナルトが1枚トッピングされる。単純な紅白逆転ナルトではなく、通常のナルトの外側に赤い縁どりを足したようなナルトなのだ。普通のナルト(白地に赤の渦)ではなく、紅白逆転(赤字に白の渦)でもない、第3のナルトだ。渦の部分は赤なので、通常ナルトに近いと言えなくもないが。これは実に興味深い。今後、どこでこのナルトに出会うことになるか、注視していこうと思う。そば・うどんのほかには、ラーメン・丼もの・カレーライス・定食類などがある。どれも値段的にあまりお得感はないが、写真入りメニューではカツカレー750円が美味そうに見えた。
  平日13:15くらいの訪問で、先客0・後客3。後客は、全員女性。北海道では、女性パチンカーが多いのだろうか。パチそばが女性だらけになる光景は、東京では見たことがないような気がする。


※消費10%増税を経て、だいぶ大きく値上げしていました。現在、かけ470円、たぬき590円、かき揚げ630円、カツカレー(ライス)830円です(2021/8、確認)。

4 3 1 3 3 3 17
★室蘭駅(JR室蘭本線)
「そば清」  実食日:2014/10

  駅を出てロータリーを左に回り、国道36号を左へ。最初の信号で国道を渡り、そのまま直進して路地に入る。2つ目の十字路(「かど八」の角)を左折して30秒、左側。駅から徒歩3分強くらい。乗ってきた列車の折り返し待ちの間に充分食べて戻って来られる。私が行ったときには、折り返しに約20分の猶予があり、行って食べて戻って、駅舎の写真を撮り、トイレで用を足してもまだ4分の余裕があった。立ち食いカウンターのみの素朴な店だ。
  麺は、わりと硬質な茹で麺。湯通し時間がずいぶん長かったように感じたので、水膨れになってしまうのではないかと思ったが、それでも硬質と感じた。そういう麺なのだろう。つゆは、やや甘めだが極端ではなく、大きな特徴はない。天はインスタントで、つゆに浸した瞬間に溶けてたぬき状態になる。かけ290円、具一品系は340円均一。この設定だとカレーそばが一番お得に感じるか。北海道の安いカレーそばは、かけそばに金魚(醤油入れ)に入った濃縮カレーをピュッピュとかけるだけの場合があるのだが、この店はどうだろうか。次回以降に試してみることにしよう。味はさておきだが地方にしては値段が安く、長閑でよい店だと思うのだが、店員さん(おばちゃん)に元気がなかったのがちょっと気になった。「いらっしゃい」も「ありがとう」もなしで、交わした会話は「340円」「はい」だけだった。ほかの客に対しても同様。たまたま調子が悪かっただけならいいのだが、ちょっと心配になってしまう。


2 3 2 2 3 1 13
★鷲別駅(JR室蘭本線)
「さくら」  実食日:2021/8

  駅歩7分ほどかかるのだが、他に対象となる店がない駅ということで特例を適用。行き方は、駅を出たらまず左へ。アンダーパスの道路に突き当たったら左手の階段を下りて線路を潜り、最初の信号を渡らずに右折して2分半。室蘭地方公設卸売市場の外側に建つ長屋の一角。市場の場外食堂的な位置付けだろう。もちろん、市場関係者でなくても利用できる。口頭注文の代引き制。客席は、厨房を囲むL字型立ち食いカウンター6〜7人ぶんと、壁側を向いた椅子付きカウンター4席。市場食堂ということもあり昼過ぎまでしか営業していないので、訪問難度はやや高め。グルメサイトでは営業時間が8〜15時となっているが、11:30に行っても営業していなかった。朝と昼の間に中休みがあるのかもしれない。
  麺種は未確認。食べてみての印象としては、生か冷凍かで悩む感じ。濃い紫色のルックスで美味そうに見えるのに香りがあまりない点は、冷凍を連想させる。ただ、生麺に特有のぬめりが感じられた。ちょっと判断が難しい。つゆは、かなり色が濃く(黒い丼だから分かりにくいが、水面下の麺があまり見えない状態)、見た目相応に塩気が強い。市場の場外だし、肉体労働者の利用が多いのだろうか。出汁はバランス派で、サバのようなコクも感じる。ちょっと濃いけど、方向性としては美味しい部類だ。たぬきというメニューはなく、揚げ玉がフリーで用意されている。ただし、容器が小さく内容量も少ないので、ガバッと入れるのは気まずい雰囲気。小さじ1杯程度か。存在に気づいたのが丼の返却時だったので、私は未食。各種天とは明らかに色合いが違う(揚げ玉の方がキツネ色が薄い)から、おそらく既製品。実食は、「かけそばとゲソかき揚げ」460円。ゲソかき揚げは揚げ置きで、手作り感のあるもの。サイズ小さめで、ゲソも少なめ。見た目には、ほぼ野菜かき揚げ。ただし、ゲソの香りはしっかりと感じられた。食感よりも香りを楽しむゲソかき揚げだ。変わりメニューに、とじそば390円。東室蘭駅近くの「そばの助六」にも天とじがあるから、室蘭周辺ではわりとポピュラーなメニューなのだろうか。また、ノーマルな醤油ラーメンはないのに、カレーラーメン500円の設定がある。きっと、ラーメンスープの用意がないのだろう。カレーライス470円もあるほか、カレールーは50円で単品トッピングも可能。量は少なめとのことだが、これはかなり安い設定。次回にでもぜひ試してみたい。ライス130円にカレールーをトッピングしてミニカレーにするのもよさそうだ。また、コーヒー150円やかき氷200円の扱いもあり、ちょっとしたひと休みにも利用できる店になっている。箸は割り箸。
  平日12:00頃の訪問で、先客1・後客0。昼営業の始まりとほぼ同時の入店だったので、まだ空いていた。昼の書き入れ時は、これからだろうか。コロナ対策のパーティッションなし。ただし、客席と厨房の間にビニールカーテンが張られていた。


4 3 1 3 4 3 18
★苫小牧駅(JR室蘭本線・日高本線)
「Cafe・駅」  実食日:2012/9

  改札を出て右、自由通路上にある。どこからどう見ても喫茶店なのだが、軽食を扱っており、そば・うどんもある。価格的にも、駅そば認定できる範囲内だ。客席は、テーブル席と椅子付きカウンターで、計10席ほど。
  麺は、冷凍だろうか。歯ごたえというか、弾力が非常に強い。つゆは塩気・甘みとも強く、雑味が少ないタイプで、北海道よりも東北のイメージだ。たぬきなし、天400円。変わりメニューに、ほっきそば(600円)がある。文字どおりホッキ貝をトッピングしたそば。値段が高く感じるかもしれないが、実はこれは飲み物とのセット価格になっている。アイスコーヒーが250円だから、ほっきそばは実質350円。天は実質150円という計算になる(当サイトでの評価は、「天400円、アイスコーヒーはサービス」とする)。これなら、むしろかなり安く感じる。ホッキ貝がこの街の特産のようで、そば・うどんだけでなくほっきカレー(680円)もある。ちなみに、そばメニューは、天・ほっきの他にはもり(ドリンク付き400円)があるのみ。


※2014/10、再食。値上げしていました。現在、天・もり430円、ホッキ650円です。ホッキカレーも730円になっています。内容は、特に変わっていません。ドリンク付きも変わらず。ホッキカレー(ドリンクのほかにスープも付く)も食べてみましたが、そばほどホッキの存在感が強くありません。

※閉店していました。跡地は、カレー専門店「苫小牧いぶりカレー」になっています。運営事業者は変わっていないので、正確に言えば業態変更です。そばの扱いはなくなりました。ホッキカレーは受け継がれていて、1000円です (2021/8、確認)。

3 3 1 3 7 2 19
★新札幌駅(JR千歳線、地下鉄東西線(新さっぽろ駅))
「両国」  実食日:2007/9

  JR改札を出て直進、ガラス戸の出口(2F出口)を出て右すぐ左側。駅と直結したビル内にある。
  味覚的にこれといったポイントがある店ではないが、全体的な印象はまずまず。つゆをたっぷり入れてくれるのが嬉しいところ。ただし、熱いので、食べるのにわりと時間がかかる。麺は変哲ない茹で麺。店内には大相撲の番付表(古い)が貼られており、店名も含めて東京を連想させる要素が多いが、特に関係ないとのこと。番付表ももらい物とか。かけ300円、たぬき320円など。

※値上げしていました。現在、かけ320円、たぬき350円です。変わりメニューに、ミックス天500円があります。また、北海道らしいかしわ450円、北海道ではあまり見かけない(というか関西っぽい)「とじそば」480円があります。ネギ多めは有料(50円)なので、ご注意を(値−1点、付+1点。2015/9、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。値段等、変わっていません(2017/6、確認)。

※2020/9、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ350円、たぬき380円、ミックス天550円、かしわ500円、とじ560円です(値−1点)。ネギ増しは50円で据え置きです。
  今回は、かしわそばをいただきました。麺は太めの茹で麺で、エッジがしっかり立ったタイプです。つゆは、昆布出汁主体ながら、それほど強烈なものではなく、飲みやすいスッキリ系です。トッピングは、別鍋で煮た鶏肉。モモ肉ですが旨みはそれほど強くなく、どちらかというと煮ることで染み出した出汁を楽しむタイプです。若鶏ではなく親鶏でしょうか。さほどインパクトのある味わいではありませんでしたが、美味しさがじんわりと伝わってくるタイプで、悪くないです。
  土曜10:30頃の訪問で、先客1・後客0。空いていました。にもかかわらず店員が2人体制だったのは、昼のピークタイムに向けた仕込みのためでしょう。昼時にはしっかり賑わっているのだろうと思います。


3 4 1 3 3 2 16
★新千歳空港駅(JR石勝線)
「BLUE SKY」  実食日:2009/9

  駅そばというより「空港そば」なのだが、駅舎と空港ターミナルが一体化している以上、この店も駅そばのカテゴリーで扱って問題あるまい。店舗は、空港1階の中ほど、JALのA到着口付近にある。外観は完全に土産物店なのだが、奥に喫茶コーナーがあり、そば・うどんを扱っている。店頭にも暖簾と幟が出ているので、認知は容易い。配膳付きで後払い(伝票制)の店だから、対象にするかどうかで悩んだのだが、注文から出来上がりまでの時間の早さを決め手に、対象とすることに決めた。
  一味・レンゲ・箸(箸袋入り)とともに盆に乗って配膳されるそばは、冷凍麺のような食感だった。さほど極端ではないが太さにばらつきのある乱切り麺。歯ごたえはなかなか良いが、風味はあまりない。つゆは、塩気は利いているが、全体的にはあっさりしている印象。天(かき揚げ)は、丼の口径に近い巨大サイズだ。かけ400円、天550円、冷やし山菜650円。そば・うどんのメニューはこの3種だけ。


※閉店していました。跡地は、そばコーナーのない売店「スノーショップ」になっています(2014/10、確認)。

4 3 1 4 3 3 18
★新十津川駅(JR札沼線)
「寺子屋愛光」  実食日:2018/7

  2020年5月に一部区間が廃止となる予定の、JR札沼線。その終着駅に、ちょっと面白い店がある。路線が廃止になると、その後から駅そば認定することはできなくなるので、廃止前に食べておきたくて無理やり行ってきた。場所は、駅を出て直進30秒、三叉路の角。プレハブと掘っ建て小屋をつなぎ合わせたような簡素な建物で、鉄道グッズ販売店と喫茶&軽食コーナーから成る。おばちゃんが「4年前からやっている」と言っていたので、2014年頃のオープンか。現状、札沼線の一部廃止決定を受けて鉄道ファンがそれなりに訪問しているが、その多くはグッズコーナーを覗く程度。食事需要は少ないと思われる。口頭注文、後払い。客席は、テーブル席が5人×2と椅子付きカウンター3席。ただし、テーブルの一部は荷物置き場と化していて使用できない。また、椅子付きカウンターは鉄道グッズの陳列コーナーになっていて使用できそうにない。
  食事系メニューは、そば450円・うどん450円・カレーライス450円の3種のみ。当然、そばを注文。麺は、たぶん茹で麺。ちょっと奥まったところで調理していて目視確認はできなかったのだけれど、ビリッとビニールのようなものを破る音が聞こえたので、個包装の茹で麺ではないかと思う。乱切りタイプで、わりと質感があって、思ったより悪くなかった。つゆは、なにやら複雑でよく分からない風味。調理中に厨房方面からカツオ系の香りが漂ってきたのだが、飲んでみてもあまり香らない。即席感はないのだけれど。トッピングは、鶏肉(ムネ肉スライス)、しいたけ2片、北海道らしい紅白反転ナルト、そして別盛りで揚げ玉少々。一般的な立ちそばだったら、「かしわそば」と表記するのが妥当なものか。「かしわそば」と呼ぶには鶏肉が少ないのだが。箸は割り箸で、引き出しの奥で長年眠っていたような個包装のものを商品と一緒に一膳提供。トータルの印象としては、家庭のキッチンで作るそばのような味。良く言えば家庭的。悪く言えば素人的。これを食べるためにわざわざ足を運ぶのは私くらいのものかもしれないが、近隣に飲食店などが見当たらない場所だから、「廃止前に乗っておく」という人は寄ってみてもいいかもしれない。ただ、現状で新十津川まで行くのは1日1便しかない(9:28着、10:00発)ので、ご注意を。約30分の折り返しだからサッと食べれば間に合うだろうが、おばちゃんの動きがあまり俊敏ではないので、訪問時に先客の調理中とかだと危ないかも。滝川まで歩く(1時間まではかからない)覚悟で臨むか、車やバイクで訪問するのがベターかもしれない。
  平日9:30頃の訪問(鉄道で訪問)で、飲食の方は先客0・後客0。グッズコーナーを見に来た鉄っちゃんが4人。廃止後は、どうなるのかな。閉店となると、街自体に活気がなくなってしまいそう(活気は、すでにないとも言える)。廃線跡が観光地化されて、この店も残ってくれれば、せめてもの救いになるように思う。なお、店名は「寺子屋」「寺子屋愛光」「寺小屋愛光」表記が入り乱れている。もっとも目立つ表記は看板の「寺子屋」なのだが、「愛光」にも意味がありそうなので、合理的に考えて「寺子屋愛光」を採用させていただいた。


2 3 1 3 3 3 15
★静内駅(JR日高本線)
「にしや」  実食日:2009/9

  改札を出て正面、待合所内。立ち食いカウンターのみの露出店。写真では暖簾がたたまれているが、しっかり営業中。カウンターは低すぎるので、待合所内のベンチに座って食べるのがいいだろう。
  この店の麺はかなり太く(3mm角くらい)、食べ応えがある。太麺好きな私にはちょうど良い太さだ。つゆは、残念ながらよく分からない。なぜなら、不覚にも私はこの店ではカレーそばを注文してしまったから。カレールーを乗せるだけのカレーそばだったら最初につゆだけを味見することもできたのだが、しっかりとかき混ぜて南蛮風にしてくれたので、デフォルトのつゆの味はまったく分からなくなってしまった。立地や下記「天馬」の味覚から察するに、おそらく北海道特有の強烈昆布出汁タイプだと思うのだが。かけ300円、カレー・月見・きつね350円、天420円。カレーそばがかけ+50円というのは、かなりお得な感じがする。だからこそつい出来心で注文してしまったのだ。天かす無料(フリーではなく、申告制で店側で入れる)のサービスがある。


※2015/9、再食。間口上部に新たに看板が設置されていました(写真は左:旧、右:現)。麺は、前食時と変わっていないと思います。やや太めで、少しゴワゴワする茹で麺です。今回はかしわそばを注文したので、つゆも味わうことができました。つゆは、濃いめの昆布出汁でした。北海道に特有のタイプで、昆布を丸かじりしているかのような味わいです。好き嫌いが分かれそうな感じはしますが、私は好きです。かしわそばの鶏肉は、ムネ肉を使用。注文後に小鍋で鶏肉を煮込んでトッピングします。下記「天馬」と同じオペレーションですね。つゆにやや甘みが射しているように感じたは、鶏肉の味付け由来かもしれません。包丁で切ったようなものと手で裂いたようなものが混在していました。ややパサパサしますが、小さめカットなので極端に気になるほどではありません。値段はだいぶ上がっていて、かけ340円、カレー400円、かしわ490円です。焼豚そば490円という変わりメニューがあります。天かすのサービスは廃止され、たぬき400円というメニューが登場しています。
  現在、静内駅には列車が走っていません(災害のため鵡川・様似間でバス代行輸送)。駅構内にも人の姿が少ない状態で、先客0でした。しかし、私が食べ始めると、つられるようにワラワラとやってきて賑やかに。先客0の店って、なかなか入りにくいものですよね。誰かが入るとつられて入る傾向「先客0症候群」が、ここ静内にもありそうです。ややコワモテのおじさん店主が嬉しそうに腕を振るっていた姿が印象的でした。日高本線復旧のめどが立たず(というか、JR北海道は復旧する気なし?)今後も苦境が続きそうですが、末永く頑張ってほしいと思います(値−1点、サ−1点、付+1点)。


4 3 1 1 3 3 15
「天馬」  実食日:2009/9

  改札を出て左、売店の奥。麺類のみならず定食、ハンバーガー、飲み物等を幅広く扱っている。間仕切りがないので露出店に分類される(写真では露出店には見えないが、この壁は「衝立」と解釈できるような造りになっている)のだが、客席はかなり奥まっていて通行人からは見えないようになっている。客席は、2人掛けテーブルと4人掛けテーブルで、合計20人近く収容可能。上記「にしや」よりも集客力がありそうだが、旅情を求める旅人には「にしや」の方が好まれるかもしれない。その意味では、案外うまく共存できているのか。
  この店では、有人レジで先払い(注文時払い)のシステムを採っている。東日本ではわりと珍しい。盆にそば・水・レンゲ・箸・一味が便乗した状態で出される。麺は袋麺で、ちょっと水っぽい印象。つゆは昆布出汁が強烈な北海道特有のタイプで、塩気はあまり強くない。北海道でよく見られるかしわそばに用いるかしわ(鶏肉)は、注文後に生肉を茹でていた。なかなか手が込んでいる。かけ300円、月見320円、天・かしわ400円など。

※閉店していました。跡地は、自販機&パンフレットコーナーになっています。乗降客数的に、2つの飲食店が共存するのは難しかったでしょうか(2015/9、確認)。

3 3 2 4 3 2 17
★大通駅(札幌市営地下鉄東西線・南北線・東豊線)
「ひのでそば」  実食日:2014/10

  南改札を出て右、10番出口へ続く階段の脇。立ち食いカウンターのみの露出店。昭和の面影を色濃く残した、ノスタルジックな店。衛生面や匂いなどの課題をはらむこともあり、地下に露出店があるケースは珍しい。この店も、つゆがたいへん良く香る店で、10番出口の外にまで香りが届くほど。腹が減っていなくても、吸い寄せられるように食べたくなる店だ。香りは、店前や階段上方向にはかなり流れているが、不思議と改札方面にはさほど流れていない。換気設備をしっかりすれば、地下に露出店を設置することも充分可能ということか。キャパは8人程度で、いつ行ってもだいたい写真のような「人のカーテン」状態。満席の場合は、注文してから空きができるのを待つのではなく、空きを待って食べる場所を確保してから注文した方がいい。人通りが多く、手持ち食いが困難な立地なので。
  麺は、どうということもない普通の茹で麺。つゆは、食べている間は控えめな印象だが、心地よい余韻が残る。天はうすっぺらいインスタントで、具材もほとんど入っていないもの。だが、これが麺にもつゆにもよく合う。天ぷらとして美味しいというものではなく、麺やつゆを美味しく食べるための天ぷらだ。たぬきなし、かけ290円、天390円。メニューは6種類のみで、変化球はない。変わった点としては、七味唐辛子のボトルが紐で繋がれていたということがある。貼り紙を見た限り、どうも七味を盗まれる被害に遭ったことがある様子。荷物の盗難に対する注意を喚起する貼り紙もある。札幌って、そんなに物騒な街なのだろうか。


※2018/7、出汁の香りに誘われて再食。月見そば340円をいただきました。玉子は先乗せで、白身うっすら白濁。これといってすごいワンポイントがあるわけではないのですが、古くからの駅そばファンの心をくすぐる仕上がりです。値段等変わっていませんが、ちくわそば340円が消滅して、代わりに冷やしラーメン450円が入っていました。夏季限定でしょうか?
  平日21:00頃の訪問で、先客1・後客1。昼間はたいへん混雑しているので、落ち着いて食べたいなら夜間帯がいいかもしれません。


※消費10%増税に伴う値上げはありませんでした。現在も、かけ290円、月見340円、天390円です。冷やしラーメンが終了し、ちくわ340円に戻っています。季節ごとにラインナップを少し変えているのかもしれません(2020/9、確認)。

3 3 2 1 3 4 16
「Cafe de MAX」  実食日:2018/7

  地下鉄南北線の東改札を入ってすぐ左側。セブンイレブンの並び。おぉ、地下鉄改札内に、ありますか! コーヒースタンドを連想させる店名だが、通路に露出した立ち食いカウンターの上部にはしっかりと「そばうどん」の暖簾が掛かっている。おそらく、もともとコーヒースタンドだったのが、集客力増強のためなのか、後からそば・うどんを扱うようになったのではないかと推察。現状、メニュー一覧内にドリンク類が見当たらにないので、もはや完全に鞍替えしたのかもしれない。椅子はなく、キャパも6人くらいの小型店。有人レジで先払い。
  麺は、個包装の茹で麺。ザラザラ舌触りで、ボソボソ食感。北海道では、よく出会うタイプ。湯通しをサボったかのような食感なのだが、調理手順を見たところそのような不手際はなかったので、こういう仕様なのだろう。そばの香りは、茹で麺にしてはわりとある方。つゆは、「数種類の鰹節+日高昆布」の出汁とのモニター掲示が出ている。ただ、飲んでみての印象として、さほど出汁感は強くない。むしろ、醤油の塩辛さの方が前面に出ているように感じた。出汁がよく香る「ひのでそば」と連食したから、余計にそう感じたのかもしれない。もう少し出汁を強くすることで、劇的に美味しくなりそうな気がする。かけ320円、月見370円など。たぬきというメニューはないが、冷やしたぬき370円がある。各メニューに温冷の表示があり、たぬきは基本的に温そばには対応していない模様。また、天ぷら月見470円は温のみの表示になっている。お願いすれば、対応していない方も作ってくれるかもしれないが。実食は、天420円。天は小さなかき揚げで、ゴボウの香りが全体を支配している。揚げ置きでサクサクには程遠く、あまり手作り感もないものだった。う〜ん、山菜きのこ420円あたりの方がよかったかもしれない。ご飯もののサイドメニューあり。卵かけご飯300円を「TKG」と表記するのは珍しくないが、バター醤油ごはん300円を「BSG」と表記するのは珍しい。というか、たぶんここだけ。TKGみたいに、流行るといいね。そして、そこまでやるのなら、天かすたぬき飯300円もぜひ「TTM」と表記してほしかった。
  平日21:30頃の訪問で、先客1・後客1。後客は、うら若き女性。こんな時間にひとりで立ちそばなんて、「何があったの?」と聞いてみたくなる。椅子どころか間仕切りすらない店では、あまり見ない光景であるように思うので。


※閉店していました。建物撤去済みで、跡地には何もありません(2020/9、確認)。

3 2 1 2 3 2 13
「はまなす」  実食日:2018/7

  改札外の地下1階通路。15番出口に続く階段脇。こんなところにも、ありますか! 大通駅は、なにげに駅そば密集地だ。地下に、分かっているだけでも3軒もある。地上にも未食店の心当たりがあるし。札幌地下鉄の一大ジャンクション駅にして、玄関口の札幌駅と繁華街のすすきのの中間に位置する駅だから、需要が多いのだろう。客席は、壁際の立ち食いカウンターのみ。キャパは12〜3人といったところか。出入口脇に券売機。
  麺は、注文後に茹でる生麺。とはいえ、待ち時間はそれほど長くない。細麺だから、茹で時間が短い。味覚的にこれといって大きな特徴があるわけではないのだけれど、ソツのない出来でまずまず美味い。つゆは、カツオ出汁が中心。だがそれ以上に、塩気の方が強い。即席感はなく、塩辛いが悪くはない。たぬきなし、かけ320円。麺単メニューのレパートリーはそれほど多くないのに、変わり種が結構目立つ。ハミ出る穴子天550円は、東神奈川「日栄軒」と勝負できるレベルなのかどうかが気になる。二本のせ特穴子天770円なんていうのもある。じゃがいも天410円は、北海道らしさを感じるメニューだ。実食は、貼り紙で大々的にアピールされていた、しじみ天430円。価格的にわりと安いから、「どうせかき揚げにしじみを数粒乗っけただけだろう」と高をくくっていたのだが、出てきたのはなんと単独揚げだった。要するに、バラ天。しかも、結構量が多い。正確に数えなかったが、ざっと30粒以上はあったと思う。天ぷらになっているだけに、口に入れた瞬間の臭みは皆無。それでいて、噛むほどに味が染み出てくる。磯臭さというよりはほろ苦みの方が印象的で、「大人の味覚」と言えそう。これは良いメニューだ。飲み水は、水のほかにお茶も用意あり。箸は割り箸。
  平日8:00頃の訪問で、先客1・後客3。全員サラリーマン風の男性。この時間帯は、サラリーマンの朝食需要がメインか。椅子がない店だから、一日を通して男性が中心か。いや、「ひのでそば」も「Cafe de MAX」も、立ち食いオンリーだが女性も利用している。時間帯によっては、「はまなす」にも入る女性もありそう。東京の感覚で地方を語ってはいけない。


※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。券売機も、タッチパネル式に変わっています。消費10%増税を経てやや大きく値上げしており、現在はかけ360円、しじみ天470円、じゃがいも天450円です。穴子天は、終了しているようです(2020/9、確認)。

4 4 1 3 3 3 18
「大番」  実食日:2020/9

  27番出口と直結している札幌テレビ塔の地下1階。地下道とフラットの階なので、アクセスはしやすい。値段的にちょっと高いのだが、たいへん盛りがよく記事ネタ充分ということで、対象に含める。通路を挟んで、手打ちそばの「大番 二の丸」と向かい合っている。両店の価格差は、各メニュー100円程度。「大番 二の丸」には“手打ち”の表示がある。「大番」のハイグレード版といったところか。ネーミング的には逆になりそうなものだが、そこは「大番」の方が先に開店したためなのだろう。食券制で、客席は厨房と対峙する椅子付きカウンター9席のみ。公式には15席となっているが、数えたところ9席しかなかった。コロナ対策で間引いていたのか、見えないところにも客席があったのか。
  麺は、生麺を注文後に茹でていた。ほどよくザラザラする舌触りで、ホグッとしたなかなかそばらしい歯ごたえ。妙なモチモチ感やツルツル感がない、私好みの食感。ただ、そばの香りは、それほど強くはなかった。そして、量がめちゃくちゃ多い。通常店舗の大盛りどころか、倍盛りくらいあるのではないだろうか。もちろんありがたいことだけれど、小腹満たし感覚の方は要注意だ。つゆは、カツオ出汁が前面にある。酸味はそれほどなく、こなれた味わいで美味しい。あまり北海道っぽくないというか、東京下町の立ち食いそばを連想させるような風合い。たぬき500円。ただし、今回はかしわ600円に手を出してしまったので、たぬきについては内容不明。50円で単品の扱いがあるから、追加すればよかったなと後悔している。そのかしわ(鶏肉)は、モモ肉と斜めカットの青ネギ(薬味ネギは別途乗せられる)をつゆで煮てトッピング。わりとさっぱりした味わいで、つゆに与える味覚的影響も小さかった。丼が大きく、麺が多く、ということはつゆもたっぷり。そのわりにかしわ自体は特段量が多いわけではないので、量的なパワーバランスによって影響力が小さく感じたのかもしれない。ちなみに、券売機には中盛券100円と大盛券200円のボタンがある。大盛りにするとどんなことになるのか、怖いもの見たさでボタンを押してみたい衝動に駆られる。富士山盛りみたいなことになるのだろうか。思いっきりお腹が空いている状態でないと、押す勇気は出ないだろう。そば湯ポット各席にあり。箸は割り箸。
  平日18:15頃の訪問で、先客3・後客2。後客のうちひとりは若い女性で、こんもりと山を築いたもりそばが出ても表情ひとつ変えずに食べ始めていた。札幌ガールにとっては、「大番」の盛りのよさはもはや当たり前のことなのだろうか。


4 7 1 3 3 3 21
★南郷18丁目駅(札幌市営地下鉄東西線)
「ゆで太郎」  実食日:2018/7

  駅から少し遠い。3番出口を出て右手の信号を渡り、そのままグリーンベルトのある道に入って4分、2つめの信号を渡らずに右折して30秒。店舗名は「白石本通店」。北海道から九州まで手広く店舗を展開する「ゆで太郎」。北海道の店舗としては、南一条店に次いで2店舗目の実食となる。駐車場のあるドライブインタイプの店舗で、フロアはかなり広い。客席はテーブル席ばかりで、ざっと数えたところ42席あった。ガラス張りの製麺室も備えている。
  麺は、茹で置きの様子。中細くらいの麺線。ひと昔前の東京でいうと、“都心型”と“京浜型”の中間くらいのイメージだが、どちらかというと都心型に近いだろうか。味覚的に、東京の店舗との違いは感じない。つゆは、わりと濃いめ。モヤリ感があまりなく、東京の平均的な店舗よりも私好み。タイミングの妙もあったかもしれないが。方向性としては、東京の店舗と同じ。たぬきというメニューはなく、天かすがフリーで置いてある。かけ320円、かきあげ420円、天580円など。中華そば390円や日替わりマル得セット500円、朝メニューなども含め、メニューに特段の地域性は感じられない。実食は、日替わりマル得セット。この日は、ミニ海老天丼セットだった。海老2尾のほかにナスとオクラの天ぷらも盛り込まれている。いずれもサックリした軽い仕上がりで、タレの味や量を含め、問題なく美味しかった。ちょっと気になるのは、日替わりマル得セットが4種類で月〜土のローテーションになっていた(つまり、週に2回出るメニューがある)こと。同時期の東京では、5種で月〜金のローテーションだったように思う(同時期に撮っておいた写真が手元にないので、確かではない)。タカノツメあり。そば湯ポットあり。箸はエコ箸で、受渡口付近に集約。
  祝日21:45頃の訪問で、先客1・後客1。この時間帯になると、そう賑わうことはないだろうか。日中は駐車場にたくさん立てられているのであろう幟がすでに店内にしまわれていて、一瞬「今日はもう看板か?」とさえ思えた。夜になると幟はほとんど意味をなさいものだと分かるけれど、店内にしまわれてあると客が入りにくくなるので、片づけるにしてもっと目立たないところに置いておいた方がいいと思う。


※昼間の写真に貼り替えました。消費10%増税に伴い、値上げしています。現在、かけ340円、かきあげ440円、天600円、日替わり得セット600円です(2020/9、確認)。

4 3 1 4 4 2 18
「そば大将」  実食日:2020/9

  駅からやや遠く、徒歩5分ギリギリの立地。3番出口を出て左へ5分、2つ目の信号を渡らずに右折してすぐ。店の前に駐車スペースがあるが、2台分くらいしかなく、そもそもこの店の駐車場なのかどうかも定かではない雰囲気。しかも写真のように自転車が止まっていたりするので、車では行かない方がよさそう。店内は手狭で、キャパは5人くらい。うち2席が椅子付き。あとは立ち食い。券売機はなく、口頭注文の代引き制になっている。
  麺は、ピンとまっすぐに伸びているのが印象的。生麺か、あるいは乾麺を連想させるもの。わりと重厚な食感で、香りもそこそこある。つゆは、昆布出汁前面の濃厚タイプ。北海道に特有の味覚だ。プラス、サバか何かを加えているのだろうか、香りとコクに厚みがあり、なかなか美味い。たぬきと天が500円で同額だったので、ついつい天を選択。天はおそらく冷凍もののかき揚げで、揚げ置きのレンチン。具材は、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、インゲン。ジャガイモが入っているところに北海道らしさを感じるけれど、味覚的な主張はさほど強くなかった。この天から察するに、たぬきは既製の揚げ玉かな? そのほかのメニューは、かけ400円、かしわ500円、カレーライス400円など。レパートリーは決して多くないが、トッピングに味玉150円がある。しまったなぁ、試してみるんだった。総じて、まずまず美味い部類ではあると思うので、機会があったらまた寄りたい。箸は割り箸。
  平日14:00頃の訪問で、先客1・後客0。周辺はオフィス街ではなく住宅地で、流しの客はあまり入らなそうな立地。常連客が中心の店だろうか。昼時にどのくらい入っているのかが気になる。細々とでも、長く続けてほしいと願う。


※暖簾が廃されていました(写真は左:旧、右:現)。値段等は変わっていません。駐車スペースには三角コーンが立って、ますます駐車しづらくなりました(2021/8、確認)。

4 3 1 3 3 3 17
★大谷地駅(札幌市営地下鉄東西線)
「麺屋一心」  実食日:2017/6

  駅と直結しているショッピングセンター「キャポ大谷地」の1階。連絡通路から入って左手奥でひっそりと営業している。ちょっと値段が高いのだけれど、ほかに対象となる店がない駅ということで対象に含める。かつてはほかに対象となる店があったよう(情報が寄せられていた)なのだが、それらしき場所へ行ってみたら廃墟になっていたので。テーブル席が多数あるフードコートスタイルの店舗。注文口で口頭注文、先払い→プラ板番号札で番号呼び出し。返却もセルフで、返却口は厨房から離れたところにある。
  麺は、冷凍だろうか。少し饐えたような臭いがあり、少々粘着する。つゆは、昆布が中心の出汁と思われるものの、それほど強く出ているわけではなく「北海道風」とは少し違う。カツオ系の香りはあまり感じないが、飲んだ後に少し歯がキシキシしたので、イノシン酸系の食材も使われていると思われる。あまり深みはなく、やや平たい。でも、インスタント感丸出しという感じでもない。濃縮希釈のつゆに出汁を足している、という感じだろうか。たぬきというメニューはなく、天かすがフリーで置いてある。かけ400円、かき揚げ500円など。実食は、月見そば450円。玉子は先乗せで、白身は薄く白濁。天かすはあまり風味がないタイプで、適度な油が加わることでつゆの旨味に厚みが増す。これはこれでよいと思う。天かすがあるということは、かき揚げなどの各種天は自家製店揚げということだろうか。サービストッピングに、ワカメとカマボコ2枚。東日本でカマボコを2枚乗せる店は珍しいと思う。ただ、ワカメとカマボコを廃して、かけ370円くらいにしてほしいというのが本音ではある。麺単のほかに、ご飯ものやセットメニューもある。麺単が高め設定であるだけに、この手の店では珍しい握り寿司(「生寿司」と表記)とのセット670円が魅力的に感じた。寿司は、写真を見た限り握り5貫+細巻3個。ミニ天丼セットと同じ価格なら、寿司の方に食指が動く。


※消費10%増税を経て、やや大きく値上げしていました。現在、かけ450円、かき揚げ550円、月見480円です。ちょっと苦しい価格帯になってきましたが、対象外にはしません(2020/9、確認)。

3 4 1 3 4 3 18
「交通局食堂」  実食日:2020/9

  改札外、3番出口へ続く階段の途中の踊り場と直結している札幌市交通局の地下1階(駅直結フロア)。守衛さんに呼び止められそうな雰囲気のある通路を入った先、左手。いわゆる社食なのだが、一般客利用OKの表示が出ているので対象に含める。札幌市交通局、つまり札幌市営地下鉄の運営部局の社食だから、ザックリ言うと鉄道会社の社食のようなもの。これはおおいに興味が湧くところだ。食券制で、受け渡しも返却もセルフ。客席は、4人掛けテーブルが24卓。ただし、うち一部は交通局職員専用席になっているので、席選びの際には注意を(卓上に札が出ている)。
  麺種は未確認。食べてみた印象としては、冷凍麺。エッジを感じないツルツルした舌触りで、そばの香りはあまりない。つゆは、まぁ普通。出汁はカツオ+昆布だろうか。あまり個性的ではなく、濃くも薄くもなく、印象に残りにくい味だった。たぬきは、既成の揚げ玉。ふやけやすく、麺を食べ終える頃にはつゆを吸いきってマグマのようになる。あまり好みのタイプではない。たぬき550円と、値段はだいぶ高め。かけ420円だからたぬきの単品価格が130円という計算になる。種を乗せると高くつく傾向だ。たぬきそばには揚げ玉のほかに山菜とカマボコが乗るのだが、個人的には山菜とカマボコを廃して500円以内にしてほしい。レパートリーは決して多くはなく、種物はたぬきのほかに天630円と納豆560円があるだけ。月見やきつねがなく納豆があるというメニュー構成は珍しいかもしれない。そば・うどんのほかには、ラーメンやカレー、定食類などがある。シンプルなラーメン(醤油・味噌・しお)は500円なので、たぬきそばよりも安い。定食も、ものによってはたぬきそばより安い。この店では、そば・うどんよりもラーメンや定食の方が狙い目かもしれない。ちなみに定食類は、とくとくランチ500円やびっくりランチ580円など、メニュー名からでは内容が分からないものばかり。出入口脇に定食の内容(日替わりのものが多い様子)を記した置き看板が出ているので、ここで確認してから店に入ろう。七味や箸(割箸)は、受渡口にのみあり。
  平日12:45頃の訪問で、先客20くらい・後客5くらい。ほぼ全員スーツリーマン。昼休み時間帯だから、交通局職員が多かったのかな。一般客の利用はあまり多くない様子で、私服姿だと周囲の客からじろじろ見られるような感じになる。なお、客席は4人掛けテーブルだが、訪問時には新型コロナ対策で対角の2席が間引かれて2人掛けになっていた。そのうえで、対面方向にアクリル板が設置されていた。


2 4 1 3 3 2 15
「そば道楽」  実食日:2021/8

  3番出口を出て直進2分、パチンコ店「ベガスベガス大谷地店」の外側。駅から行くと、裏手からのアクセスになる。店があるのは表側なので、建物を回り込む必要がある。建物と立体駐車場の間の狭い通路を通れば、パチンコフロアを通り抜ける必要はない。食券制で、客席はテーブル4人×6と椅子付きカウンター20席くらい。間口は狭いが店内は広く、パチそばとしては規模が大きい部類だ。
  麺は、おそらく冷凍。グニグニ食感で、そばの香りはあまりない。つゆは、出汁感がなく平たい味覚。おそらく濃縮希釈で、あまり面白みのないつゆだ。たぬきは、既製の揚げ玉。つゆに浸かるとすぐにふやけて、ブヨブヨ食感になる。総じて平均的なパチそばというのか、味覚的な特徴は乏しい一杯だった。しかし、たぬき400円という価格は、パチそばとしては安い部類。もっとも、かき揚げ570円やカレー630円などは高め設定で、たぬきだけが安い設定になっているのだが。変わり種としては、内容不明(おそらく全部乗せ系)の得そば660円というのがある。ラーメン各種あり。ご飯ものも、カレーライスに丼もの、定食類と多彩。店の人気ナンバーワンは、カツカレー(ライス)790円との表示あり。また、ミニカレー(ライス)350円もある。ミニカレーは食べてみたのだが、いかにも業務用という中辛ビーフカレーで、特段どうということもなかった。また、ご飯ものとのセットが前提で半そば200円の設定もある。いろいろあるけれど、最もお値打ち感があるのはたぬきそばかなと思う。個性的な趣向としては、1回500円で何が出るか分からない「ガチャガチャめし」がある。返品・交換不可で、出たチケットは当日限り有効。パチそばらしいと言っていいのか、なかなかのギャンブルメニューだ。必ず500円以上のものが出るようになっているとのことなので、面白半分でトライしてみるのもよさそうだ。私も、次回訪問する機会があれば、やってみるかも。七味等は受渡口に集約されており、各席にはない。箸は割り箸。
  平日15:00頃の訪問で、先客2・後客1。全員男性ひとり客だった。なお、コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていない。


2 3 1 3 3 2 14
★すすきの駅(札幌市営地下鉄南北線・札幌市電)
「SOBA NOODLE さすけ」  実食日:2010/1

  地下鉄の西改札を出て左、ポールタウン(地下街)に入って30秒、右側。フロアスペースはあまり広くないが、配置を工夫して15の椅子席を用意している。プラス、立ち食いカウンターが2〜3人分。食券制で、ベースメニューとトッピングを別々に買うシステム。
  カウンターが高く、調理シーンがよく見えなかったのだが、麺は茹で麺の食感。ただ、調理時間が結構長かったので、冷凍かもしれない。味覚的な特徴は乏しい。つゆは、北海道では珍しく鰹出汁が前面に出ているタイプ。たぬきは細かく、すぐに溶ける。ナルトをそのまま乗せるのではなく、わざわざ細かく刻んで乗せていたのが印象的だった。たぬき350円。変わりメニューというか、変わり麺に、「田舎そば・うどん」がある。かけ390円と値が張るが、ちょっと試してみたい気もする。


※閉店していました。跡地は、マッサージの「てもみん」でしょうか(2018/7、確認)。

3 3 2 3 3 1 15
「すすきの」  実食日:2020/9

  地下鉄の1番出口を出てすぐの好立地に、2019年7月にオープンした新店。年中無休&24時間営業の表示あり。訪問時にはコロナ禍のためこの限りではなさそうだったが。食後にちょっとググってみたところ、ラーメンの「山岡家」を経営する丸千代山岡家の新業態店舗だった。「山岡家」の熟成味噌ラーメンは個人的に大好きなのだが、果たして立ち食いそばの方がどうか。食券制で、客席は立ち食いカウンター一本のみ。キャパは8〜9人くらい。食券を出すと、飲み水用のコップがひとつ出てくる。冷水器付近にコップは常備されていない。コロナ対策でそうしているのか、それとも水だけ飲みに来る不届きな輩が多いのか。
  麺は、やや重めの食感で、香りはあまりない。茹で麺っぽいが、冷凍の可能性もありそう(目視確認できなかった)。つゆは、やや辛め。出汁はカツオ・昆布中心のバランス派で、特定の方向には突き抜けていない。たぬきは、小エビ香のある既製揚げ玉。総じて、大きな欠点は見当たらずバランス感もよいのだが、これといった特徴がなくイマイチ印象に残りにくい一杯だった。ラーメンとはずいぶん方向性が違うように思う。あれだけ癖の強い味噌ラーメンを提供する会社なのだから、そばももうちょっと前衛的な仕上がりでいいのではないかと思う。たぬき390円。メニューはわりとオーソドックスで、これといった変わり種は見当たらない。天は490円と高値。狙い目になりそうなのは、390円のたぬき・きつね・月見・わかめあたりだろうか。箸は割り箸。
  平日9:00頃の訪問で、先客1・後客0。朝の書き入れ時はすでに終わっていたのか、空いていた。店員も若い女性のワンオペだったから、たまたま空いていたというわけではなさそう。場所がとても良いだけに、もうちょっと入ってもよさそうな気がする。コロナが落ち着けば、もうちょっと入るのかな、そうでないと、苦しいかも。すすきのは意外と立ちそばが少ない街(隣の大通駅付近に集中している)なので、なんとか頑張ってほしいところではあるが。


※閉店していました。跡地は、餃子専門店としての「山岡家」です。業態変更ですね。ラーメン屋のサブ業態としては、立ちそばより餃子の方がしっくりきますね(2021/8、確認)。

3 3 1 3 3 2 15
「しらん」  実食日:2021/8

  地下街のポールタウンから直結しているナナイロビルの1階。ただし、連絡通路から直接この店があるフロアへは行くことができず、一度外に出てからのアクセスになる。ちょっと不便を感じる構造だ。ビル内のフロアにほぼ露出した店で、申し訳程度にオフィス用のパーティッションで仕切られている。客席は、厨房と向き合うL字型椅子付きカウンター8席のみ。精算方式は、食券制。ビルの同じフロア内にパチンコ店が入居しているので、パチそばの色合いが濃い店だろうか。だとすると、駅からだと行きにくい(パチ屋からは行きやすい)構造になっているのも理解できなくもない。
  麺は、注文後茹での生麺。薄い赤紫色で、大きめの星が散見される。とても香りが強そうな田舎そばに見えるのだが、実際に食べてみるとそこまで香らない。それでも、ホグッとした食感はそばらしくて好感が持てる。つゆは、カツオ系が主体の味覚。少し粉末っぽいイガイガ感があるので、花カツオや厚削りではなく粉末パックタイプのカツオ出汁だろうか。この店をパチそばだと捉えるのであれば、上等な部類に入ると思う。そのぶん値段は高めで、たぬき500円。この価格構成ならかしわ550円の方がお得だなと感じ、初食ながら実食はかしわそば。これも、一応北海道らしいメニューだからね。かしわは、ひと口大カットのモモ肉を長ネギと一緒につゆで煮込んだもの。だから、脂の旨みがつゆ全体に浸透して、トッピングとして美味しいというよりは丼全体を美味しくする。イメージ的には、鳥南蛮だ。これも、生肉を注文後に調理するなど、こだわりが感じられて好印象だった。他のメニューは、かけ390円、天600円、上天730円など。上天は海老天だろうか。変わりメニューというか北海道らしいメニューに、とじ500円と天とじ650円。また、うどん限定メニューとして、大通うどん390円というのがある。「温盛まぜうどん」との注釈があるから、釜揚げのようなものだろうか。ラーメンは、塩味を中心に扱う。札幌より函館のイメージだ。ノーマル500円のほか、生姜塩550円や辛獄塩600円(小辛・中辛・大辛があり、すべて同額)、とんかつ塩680円といった変わり種もある。えび天塩600円のボタンに「名物」と付記されている。味噌ラーメンは、ノーマル650円のみあり。とんかつは、ラーメンには乗せるのに、そばのトッピングとしては設定されていない。これはちょっと不思議。ご飯ものは、カレーライス400円、豚丼550円、かつ丼600円など。そばとのセットに好適なミニ丼も4種あり、220〜300円とお手頃。総じて、そば・うどんよりご飯ものやラーメンの方が割安に感じる設定だ。ただし、そばもちゃんと値段に見合ったものを出していると思う。パチそばとしてはレベル高い方だし面白味のあるメニューも多いので、また訪問する機会がありそうだ。箸は割り箸。
  平日10:00頃の訪問で、先客0・後客1。10時開店で、待っての入店だったから、先客0なのは当然。コロナ対策の個別パーティッションは設置されていないが、客席と厨房の間にはビニールカーテンが設けられていた。


4 4 1 3 3 4 19
★西15丁目駅(札幌市電)
「ゆで太郎」  実食日:2015/9

  市電通りの北側に渡って右(中央区役所方面)へ1分半、信号のある交差点(「南1西14」交差点)角。角の部分が面取りされ、そこに出入口がある。店舗名は「南一条店」。店内はたいへん広く、テーブル席と椅子付きカウンターを合わせて45席もある。テーブルは、2人掛け・4人掛け・6人掛け・8人掛け円卓とバリエーション豊富。一番奥まったところに、ガラス張りの製麺室がある。
  ここで食べる場合の最大の焦点は、なんといっても「ゆで太郎」は北海道と東京で違うのか? ということになるだろう。そして、明確な違いがあると面白いなと思っていた。しかし、結論から言うと大きな違いはなかった。都内で巡っても店舗ごとに細かな違いはあるのだから、まったく同じということではないのだが。どうやら全店舗で標準化が図られているようだ。海外(台湾)については何とも言えないが。
  麺は、生麺の注文後茹で。細麺仕立てながら、茹で加減がジャストで歯ごたえも悪くなかった。つゆは、おそらく都内の「ゆで太郎」とまったく同じもの。たぬきは粒の丸い揚げ玉だった。これは、八王子中町店や狭間店など郊外型の店舗と同じものだろう。実食は、かき揚げ丼セット500円。かき揚げは高さのあるタイプで、外側はパリパリしているのだが中は半生。揚がり具合にムラがあったのが気になった。レシピとしては西五反田2丁目店あたりと同じなのではないかと思うところだが、厨房設備が違うのか、それとも油の温度の問題なのか。たぬきなし、かけ320円に揚げ玉が入る。その他メニュー・価格は、いずれもFC型の構成だ。当然、朝そば2種各330円も健在。タカノツメあり。そば湯ポットあり。そば湯はよく香って美味しかった。箸はエコ箸。エコ箸は、都内店舗で標準使用されている黒いものではなく、茶色のものだった。材質は同じようなものか。都内店舗との一番分かりやすい違いは、エコ箸の色かもしれない。


※昼間の写真に貼り替えました。値段等大きな変化はありませんが、かけそばに自動的に揚げ玉が入るのではなく、受渡口に天かすが置いてあるパターンに変わっていると思われます(2017/6、確認)。

※閉店していました。跡地は、「ツルハドラッグ」です(2020/9、確認)。

4 3 2 4 4 2 19
★谷地頭駅(函館市電)
「谷地頭温泉」  実食日:2017/6

  谷地頭駅は、函館市電(路面電車)の終着駅。駅を出て、線路の延長線上の方向へ進み、すぐの信号を越えて最初の十字路を右折して2分、左側。温泉銭湯「谷地頭温泉」内。これまで当サイトでは、温浴施設内の簡易レストランは取り上げてこなかった。これは、対象外としていたわけではなく、単純に盲点だった。当サイトの定義で「駅以外の有料施設内にある店は対象外」としているので。ところが、実際には温浴施設内にあっても「食事のみでの利用も可」としている施設が結構あるのだ。この場合には入浴料や入館料を支払うことなく食事ができるので、当サイトの対象に含まれる。谷地頭温泉も、そのひとつなのだ。かつて市営だった時代には、食事処はなかった(2002年に訪問して確認済み)。しかし、2013年の民営化に伴って、軽食コーナーが増設された。入浴料は基本的に変わっていない(銭湯料金。銭湯料金自体が上がってはいるが)ので、民営化バンザイということになる。今後、当サイトにはこの手の店も多く登場してくることになるだろう。全国的には結構な数があると思うので、ご期待を。食券制で、半券もぎりタイプの食券をもぎって受渡し。
  麺は、細打ちながら歯ごたえがしっかりしたもので、上品という感じではないが、そばの香りもちゃんと感じられる。おそらく生麺。美味い。つゆは、甘さ・辛さともわりと控えめで、やさしい風味。カツオ系の香りが前面に出ているが、深みも感じられる。おそらく、昆布と、さらにもう一種類何かの出汁との合わせだと思う。たぬき370円(刻み海苔・紅白逆転ナルト入り)。たぬきは天かすで、デフォルトでふやけているので揚げ置き時間がちょっと長そう。これ自体はどうということもないが、つゆに適度な油を加えることで、麺とつゆがよく馴染むようになって良し。刻み海苔は、つゆの香りが分かりにくくなるので個人的には不要なのだが、まぁこれを良しとする人もいるだろうか。ナルトは、同じ紅白逆転ナルトでも、木古内駅「キッチンキーコ」のものとは少し違う。白い部分(渦を巻いている部分)の面積が、極端に狭い。この食べ比べだけで、紅白逆転ナルトが複数のメーカーで製造されていることが分かる。食感的には、ザラザラした舌触りに白身魚の風味が強く、「キッチンキーコ」のものと大差ない印象。違いは、あくまでも見た目の方にある。そばメニューは6種類で、特段変わったものはない。かき揚げやえび天は600円と高値なので、かけ300円かたぬきが狙い目になりそうだ。ひと目見てわかるほどに量が多いのもうれしい。そば以外のメニューには、ラーメンと丼ものがある。ラーメンは醤油・塩が各450円と安値。ちょっと気になったので、塩ラーメンも食べてみた。具材は、チャーシュー・メンマ・ゆで卵(半分)・ワカメ・モヤシ。モヤシの旨味が利いているのがGood。モヤシをただ乗せただけでなく、おそらく煮汁をスープに使っていると思う。スープにもモヤシ様の旨味が内包されていて、インスタントのスープだけで作ったラーメンとは一線を画す味わいに仕上がっていた。
  訪問は平日の17:30頃(この日は、朝イチで入浴して、ほかを回ってから夕方に食事だけのために再訪している)で、100台ほど駐められる駐車場は8割がた埋まっていたのものの、食事処は比較的空いていた。昼時を除けば、食事を兼ねて入浴する人はあまり多くないようだ。なお、食事処は旧大広間の一部に設けられており、大広間は現在も入浴客の休憩室としての機能を残している。ただし、一部の席は飲食専用席。ちゃんとパーティッションで区切られているので、そんなに分かりにい感じではない。


※2021/8、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ400円、えび天640円、ラーメン(醤油・塩)480円です。たぬきというメニューは消滅し、揚げ玉無料サービス(フリー)に変わっていました。したがって、各メニューの値上げ幅が結構大きいですが、揚げ玉を入れると考えればある程度相殺されます。また、かき揚げは450円に大幅値下げです。おそらく、仕様が変わっているのでしょう。外観的には、提供口に掛けられた暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。
  今回は、そばではなくご飯ものの焼肉丼640円を食べてみました。肉は、豚肉(ロース)です。タマネギ、ニンジン、ピーマンなどと一緒に炒めて嵩増しし、甘辛いタレをかけてあります。仕上げに、白ゴマを散らして紅生姜をトッピング。シメジの味噌汁と酢の物の小鉢が付きました。思っていたものとは内容がだいぶ違いました(牛肉を想像していた)が、そこそこボリュームがあり、トータルの印象としては悪くなかったです。豚ロースもやわらかく弾力があり、「三元豚なのかな?」と感じるもので美味でした。
  平日17:15頃の訪問で、先客6・後客4。コロナの影響もあって浴室はかなり空いていましたが、食事処はそれなりに賑わっていました。コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていません。


4 5 1 4 3 4 21


エリア選択ページへ戻る

駅そばトップへ戻る

inserted by FC2 system