北 東 北
(青森・岩手・秋田)

現在、74軒掲載(うち24軒は閉店確認済)
★青森駅(青い森鉄道、JR奥羽本線・津軽線)

「Men-Shop」  実食日:2000/7

  「Miniコンビ」タイプの売店と一体化した駅そばで、東北本線のホーム上にある。カウンターだけの小さな店で、あまり流行っている様子もない。列車が到着した直後だけ、客が入っているという感じだ。その特徴は、味がいまいちで量が少ない。値段は月見300円、天370円とごく普通なのだが、ちょっと物足りない。

※閉店(「そば処八甲田」化)していました。青森駅ホームの駅そばは2軒とも「そば処八甲田」になっています(2007/9確認)。

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「そば処八甲田」  実食日:2007/9

  1&2ホームと3&4ホームに1軒ずつあり、私は1&2ホームの店で実食。札幌発の夜行「はまなす」で朝5時半に到着したのだが、すでに2店とも開いていた。早起きの駅そばだ。3&4ホームの店舗は完全な露出店、1&2ホームの店は一部建物の中で食べられる造りになっている。
  この店の麺は、乱切りというほどではないが、麺の太さが揃っていない。角がとれて、ツルツルした食感に仕上がっている。つゆはノーマル。カマボコが入って、月見・きつね300円、天320円。経営はNREだが、伯養軒系駅そば特有のメニュー「三食そば」を継続していて、350円。内容はたぬき+きつね+卵。注意点は、ホームの店舗だが列車持ち込み容器を用意していないということ。発車時刻をよく確認して食券を買おう。


※値上げ(月見300→310円、きつね300→320円、天320→390円、三食350→370円)していました(2009/9、確認)。

※1&2番ホームの店舗は閉店し、3&4番ホームのみ健在です。ただし、営業時間が9:00〜になっているので、「はまなす」着では食べられません。「はまなす」利用の場合には、改札外の「八甲田」へ行きましょう(2014/1、確認)。

※閉店していました。建物もすでに撤去されています。青い森鉄道の1・2ホームは、建物の残骸のみ残っています(2014/10、確認)。

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「そば処八甲田」  実食日:2014/1

  駅中央口(東口)を出て左、駅舎の外側から出入りする形。ホームにある店舗(その後閉店している模様)と同経営。伯養軒からNREに移っていたのだが、その後また別の事業者に経営移管されている。店内は手狭で、立ち食いカウンターのみ。5〜6人でいっぱいいっぱい。
  麺は茹で麺で、太さにややばらつきがある。全体的に太めなのだが、質感は軽い。つゆは、昆布ダシが前面に出たテイスト。悪くない。たぬき320円(カマボコ入り)。伯養軒時代から続く名物「三食そば」がまだ健在(370円)。これはぜひ後世に残してほしい。丼は、赤い漆器風。開店が早く、朝6時から営業しているので、夜行急行「はまなす」で到着後すぐに食べられるのが嬉しい。


※2015/9、再食。新発売の磯のりそば410円を試してみました。トッピングは、青々とした地海苔たっぷり+揚げ玉。どうしてこの2つを組み合わせるのか、ちょっと頭をひねってしまいますが……。地海苔を乗せたら、香りがケンカする揚げ玉はいらないと思います。この店の太い麺はつゆになかなか馴染みにくいのですが、地海苔が麺とつゆを橋渡ししてくれるので、全体的な一体感が生まれます。値段的にもさほど高い印象がないので、揚げ玉さえなければオススメできます。値段は全体的に少々上がっていて、現在はたぬき340円、三食390円です。また、営業時間が変わり、現在は6:30〜。「はまなす」着では食べられなくなってしまいました。というか、その後「はまなす」が廃止されています。同列車を頻繁に使っていた私としては、とても寂しいことです。なお、写真を昼間のものに貼り替えました(値−1点)。

※改装していました。時間外訪問でしたが、一応写真を貼っておきます(左:旧、右:現)。値段は特に変わっていませんが、「三食そば」が「三色そば」という表記に変わっていました。こちらの方がイメージしやすいネーミングではありますが、「伯養軒」時代から駅そばに親しんでいる身としては、ちょっと切ないです。なお、営業時間がさらに短縮されていますので、ご注意ください。現在は、7:30〜19:30です。また、ラーメン470円は17:30で終了となります(2017/4、確認)。

※営業時間中の写真を撮ってきたので、現写真を貼り替えました。値段等、変わっていません(2018/4、確認)。

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「津軽」  実食日:2018/4

  正面口(東口)を出て右、駅舎(正確には「ラビナ青森」)の外側。2017年7月にオープンした新店。地方では趨勢と目される駅そば業界だが、ここにきて「コミュニティ系」以外の店が新たに誕生したことは、個人的にもたいへん嬉しい。立ちそばとソフトクリーム店を兼ねた店舗で、イートインスペースは立ち食いのみ。キャパは8人くらいだろうか。立ち食いカウンターがかなり低いので、私のように無駄に背が高い人は自然と手持ち食いになる。
  麺は、たぶん茹で麺。舌触りザラザラ系で、そばの香りに加えて熟成味のようなものを感じる。青森県津軽地方の立ちそばによくあるタイプだ。津軽そば450円の設定があることから、一般メニューは「津軽そば」ではないのだろうけれど、それに通じるものはある。つゆは、なにやら複雑な風味。カツオ! とか昆布! などと明快に分かるものではない。青魚系のクセも感じられるし、少し焦げを連想させるような香ばしさも感じた。地元ではともかく、東京の人間が食べると若干好き嫌いが分かれそうな風味。たぬきは既製の揚げ玉で、これといって変哲なし。たぬき350円。変わりメニューに、かきたま450円、岩のり500円、スタミナ600円。スタミナは、写真を見た限り肉系で、ラー油がかかっているようだ。天は、600円と異様に高値。津軽そばは、そば粉100%の十割そばとのこと。ご飯ものには、カレーライスがある。ミニ250円、並450円、スタミナ(肉卵乗せ)600円。
  土曜16:30頃の訪問で、先客0・後客0(ソフトクリームテイクアウト客が1)。雨天だったからということもあるかもしれないが、ちょっと寂しい入りだ。考えてみれば、すぐ近くに上記「そば処 八甲田」があるわけで、需要を二分してしまうことが懸念される。しかも、青森駅周辺はなかなかの立ちそば激戦地で、「そば処 八甲田」とこの店のほかに、現時点で把握しているだけでも未食店が3軒ある。状況は決して楽観できるものではないと思うが、少なくとも現時点で1年近くは続いているわけだし、ソフトクリームという固有の武器も持っているので、なんとか定着してほしいところだ。


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「ラウンジ センチュリー」  実食日:2018/11

  実測値で駅歩6分ほどかかったのだが、強引に誤差とみなして対象に含める。正面口を出て左前方へ。青森ベイブリッジ脇の海沿いを歩いた先にある青森観光物産館「アスパム」の1階。観光施設ということで、値段が少々高いのは目をつぶる。店内に入って左すぐに券売機。受渡口に食券を出し、番号札で呼び出し。団体客も来るであろう店だけに、客席は多数。テーブル席と椅子付きカウンターを合わせて50席くらいあるだろうか。
  麺は、舌触りザラザラ。コシがなく、プツプツ切れるタイプ。香りはほどほど。青森県の津軽地方に特有の麺ではあるが、弘前駅「アキモト」と比べる(同日に連食している)と少々ザラザラ感が強いうえ、少し弾力も感じられる。つゆは、醤油の香ばしさが最前面にある。出汁感はあまりなく、ややのぺっとした味わい。少々酸味があるから、基本的にはカツオ系の出汁なのかな。香りが飛んでしまっているというか、ややインスタント感のある味覚だけど。かけに相当する「津軽そば」が450円。野菜天580円、イカメンチフライ乗せ580円など。実食は、当然(?)青森のソウルフード・イカメンチフライを乗せたそばで(ワカメ・ナルト入り)。イカメンチフライは青森県の中でも津軽地方、とりわけ日本海沿岸の鰺ヶ沢や深浦あたりでよく目にする料理。イカをミンチにして、卵とパン粉の衣をつけて揚げたものだ。メンチカツの肉がイカになったもの、と考えればいいだろう。ただ、この店のイカメンチフライは、ミンチではなく、1センチ角くらいのぶつ切りに仕立てていた。だから、イカの食感が結構強い。胴体部分だけでなくゲソも一緒に入っているのが分かる味わいだった。これは美味しい。そばに乗せるのもいいけど、ご飯に乗せても美味しいと思う。もっと言うと、イカメンチフライだけで食べるのもアリ。お手軽な手持ちグルメになりそうだ……と思っていたら、単品の扱いもあった(3個270円)。そば・うどんのほかに、ラーメン、定食類、スナックフードなどいろいろあり。観光施設内の店だけに、気になるご当地ものも多数ある。焼き干ラーメン580円、十三湖産しじみラーメン680円、ほたてラーメン730円、ほたてフライカレー630円、イカメンチフライカレー600円、りんご餃子420円などなど。う〜ん、今後何回も繰り返し足を運ばなければならないなぁ。
  平日14:30頃の訪問で、先客0・後客7。団体客を考慮しての席数とはいえ、これだけだだっ広くてこの客数だとちょっと寂しい。賑わうのは、土日祝かな。窓の外はすぐ海辺の遊歩道になっていて、窓際の椅子付きカウンターに座って食べると結構情感がある。空いているタイミングで寂寥感に包まれて食べるのも、これはこれで悪くないのだけれど。


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★浅虫温泉駅(青い森鉄道)
「わさも」  実食日:2010/12

  駅を出て正面にある道の駅「ゆ〜さ浅虫」内にあるそばコーナー。駅の目と鼻の先なのだが、歩道橋を渡らないと行けないので、3分ほどかかる。建物の正面から入って土産物コーナーを抜けていくと、テーブルが出されたコーナーが用意されている。これとは別に、建物の外から直接入れる出入口もあり、こちらは立ち食いカウンターのみになっている。
  この店のそばは、いわゆる津軽そばだ。白っぽく、ザラザラした舌触りで、プツプツと切れやすい麺。個人的にはとりわけで好きな麺ではないのだが、津軽らしさは堪能できる。つゆは、辛め。出汁感はあまり強くない。この麺には、もう少し繊細なつゆの方が合っているように思う。かけ300円。実食はほたて天そばで、400円。ほたて天は小柱ではなく大粒ほたてを1つ丸ごと使用。これに、玉ねぎを絡めている。ほたてのヒモの部分が固くなっていたのがちょっと残念だが、食べごたえはある。天ぷらにしているだけに、ほたてからはほとんど出汁が出ない。ならばなおのこと、つゆにもう少し出汁感がほしいところだ。

※2015/8、再食。値上げして、現在はかけ320円、ほたて天ぷら420円です。訪問時には、「青森県・函館デスティネーションプレキャンペーン」開催中で、ほたて天そばが350円になっていました。というわけで、実食はやっぱりほたて天。内容は特に変わっていません。ほたて天は相変わらず美味いです。麺よりもつゆよりも、ほたて天を味わいたいメニューです。2つのせて食べたいなと思いましたが、単品追加は不可とのこと。残念。うどんの変わりメニューに、縄文うどん320円(各種種物あり)があります。聞いたところ、麺にドングリなどの粉末が練り込まれているとのことです。次回訪問時にでもと言いたいところですが、ここに来るとやっぱりほたて天そばを食べたくなってしまいます(値−1点、付+1点)。

※残念ながら、閉店していました。縄文うどん、食べてみたかったな……。現状、跡地には何も入っておらず、看板等が外された状態になっています(2021/5、確認)。

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★野辺地駅(青い森鉄道、JR大湊線)
「こけし亭(待合めん売店)」  実食日:2009/9

  改札外待合室内。立ち食いカウンターのみの露出店。改札内(改札入って右、1番ホーム)にも窓口があるのだが、改札を入って右への通路は「関係者以外立入禁止」になっているので、果たして機能しているのかどうか。店名は、看板に「こけし亭」、食券に「待合めん売店」と記載。おそらく、後者が正式店名。看板を取り替えていないだけ、と思われる。しかしながら、懐かしい「こけし亭」の看板を掲げる駅そばがまだ残っていたことに、そこはかとなく感激。もはや日本全国でここ1店のみかもしれない。
  味覚的には、これといった特徴は感じられない。麺はノーマル茹で麺、つゆは濃いめ。東北地方に特有の赤い漆器風の丼で出てくる。駅弁の販売もあり、名物の「かしわめし」も扱っている。他に、生どら(ドラ焼き)も販売している。かけ280円、たぬき320円、天390円など。


※閉店(「駅そばパクパク」化)していました。業者も変わっています。駅そばが残ったのは喜ばしいことですが、「こけし亭」ブランドの駅そばが絶滅してしまったのは少し寂しく感じます(2014/10、確認)。

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「駅そばパクパク」  実食日:2014/10

  改札外待合室内。上記「こけし亭(待合めん売店)」の跡地。看板が変わっただけではなく、業者も変わっている。「駅弁」の表示もなくなった。東北で多く見られる「脱NRE店」のひとつだ。個人的には、唯一残っていた「こけし亭」の看板がなくなってしまったことに寂しさを覚えるが、「NRE手放し→閉店」という最悪のシナリオにならなかっただけでもよかった方だ。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは3人くらい。ほとんどの客は待合室内のベンチに座って食べる。
  味は、特に変わっていない印象だ。ノーマルとしか言いようがない茹で麺に塩気控えめで出汁感が強いつゆ。たぬきが天かすだったことに少々驚く。「こけし亭」時代には揚げ玉だったような気がする(お品書きの写真では揚げ玉が乗っている)。たぬき340円、きつね360円、天400円。「こけし亭」(伯養軒)時代の定番メニュー・三食そばが健在(420円)。トッピングはきつね+たぬき+卵で、特別なものが乗るわけではないのだが、往年の鉄道ファンのためにもいつまでも残してほしいメニューだ。面白いところでは、半カレー(ライス)300円のほかに、カレールー200円というメニューがある。え? ルーだけで食べるの? これはあくまでも想像なのだが、高校生が白飯だけを持参して、カレールーを弁当として買っていくのではないだろうか。乗降客の大半が高校生という駅なので。フライドポテト100円やから揚げ100円といった安価なサイドメニューを用意しているのも、高校生を意識してのことに相違あるまい。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき360円、きつね380円、天420円、三食440円です(値−1点)。カレールーは200円で据え置かれています(2021/5、確認)。

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★三沢駅(青い森鉄道)
「とうてつ駅そば」  実食日:2007/9



  十鉄の改札と待合室を結ぶ通路にある十鉄の直営駅そば。十和田市駅にしろ三沢駅にしろ、十鉄は元気だ。構えは古く、入口の間仕切りはなんと網戸! この店があるおかげで通路がかなり狭くなっているため、写真撮影が難しい。実食は朝8時頃で、駅内外には高校生が溢れていたのだが、店内に高校生の姿はない。代わりに、中年おじさん達で賑わっている。長い椅子付き直線カウンターと、壁沿いの増設テーブル席がある。少しでも空いているスペースは客席にしようという意図が見えるのだが、場所によっては照明が当たらず薄暗かったりもする。
  味覚的には、麺はちょっとモサつく細麺で、つゆは比較的薄味。物足りないほどではなく、食べていくうちに慣れる。全体的に、水準以上のレベルにはある。地方にしては値段が安いのも利点で、かけは230円。山菜(貼り紙では「わらび」と表記)280円、天300円。変わりメニューに「スペシャル」があり、これを実食(370円)。内容は、天+卵+山菜。特別なものが入っているわけではないが、ボリュームたっぷりでお得感があった。


※2018/4、再食。十和田観光鉄道が廃止されて久しいですが、駅舎はいまだに残り、駅そばも健在です。駅舎はバスの待合所として機能しているので、そば店の利用者もまずまずある様子です(土曜14:45頃の訪問で、先客3。テイクアウト利用のため、後客はなし)。値上げして、現在はかけ300円、山菜350円(メニュー名は「わらび」→「山菜」に変更)、天400円、スペシャル470円です(値−2点)。今回は、列車の待ち時間があまりなかったこともあり、50円の味付きコンニャクを1本買い、テイクアウトしました。ちなみに味付きコンニャクは券売機に入っていないので、現金対応になります。注文を受けてからコンニャクを串に刺し、そばつゆで少し煮ます。大きさは、12×4×3cmくらい。中までしっかり味が染みているというものではないですが、お手軽手持ちグルメとして悪くないです。
  ちょっとキナ臭いのは、現在駅前でロータリーの整備工事が行われているということ。新しいロータリーにこの古い建物は似合わないし、そもそもこの旧十鉄駅舎がある場所が整備区画に含まれている可能性もありそうです。近い将来に姿を消してしまうのではないかと不安になります。なんとか残ってほしいところなのですが。というわけで、特段改装していたわけではないのに、記念に、角度を変えて写真を貼っておくことにします(写真は左から2枚目)。

※2021/5、再食。その前に、駅舎改築に伴い移転していました。かつては青い森鉄道の駅舎とは別棟の十和田観光鉄道の駅舎に入居していましたが、現在は青い森鉄道の駅舎1階に入っています(写真は右端が最新)。食券印字により、店名変更と判断します(「十鉄三沢駅そば処」→「とうてつ駅そば」)。客席は、テーブルが4・2・2・4、椅子付きカウンターが5席。ただし、このうちの椅子付きカウンター1席は補助的な造りになっています。消費10%増税時の値上げはなく、現在もかけ300円、天400円、スペシャル470円です。ラーメン500円(おにぎり1個付き)が登場しています。一方で、味付きコンニャクが終売していました。ちょっと残念。
  今回いただいたのは、天そば。天は厚みのない大判揚げ置きグズグズ系で、それほど具材感のあるものではないです。一応、千切りのタマネギとニンジンが入っています。十鉄駅舎時代と変わっていないと思われます。柔らかくブニブニした食感の麺や少し酸味のあるつゆも、おそらく従前と同じでしょう。「ザ・駅そば」のクラシカルスタイルを貫いています。箸は割り箸。
  平日7:30頃の訪問で、先客0・後客2。駅舎内は通学途中の中高生で大混雑していましたが、店内はのんびりでした。中高生が朝から食べに入るという感じではなさそうです。コロナ対策のパーティッションは、設置されていません。


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★八戸駅(青い森鉄道、JR八戸線、東北新幹線)
「そば処 はやて」  実食日:2005/9

  八戸新幹線に因んだ名の店だが、実は在来線の改札脇にある。改札内外両側から食べられる造りだ。八戸駅自体が改築されて間もないのだから、店もピカピカに新しい。比較的飾り気のない外観&内装だが、それがかえって清潔感を際立たせている。
  ここのそばは、麺は特徴のないタイプ。天はドン兵衛で味気なし。しかし、つゆは美味。インスタントっぽい固さがなく、繊細な味だった。たぬきなし、天350円、きつね420円。変わりメニューに、サンマ竜田揚げそば420円。割とお得な感じがする。


※値上げ(天350→370円、きつね420→440円)していました。さんま竜田揚げそばは、なくなってしまったようです(値−1点、付−1点。2009/9、確認)。

※価格構成が変わっていました。現在、たぬき350円、きつね380円、かき揚げ400円です。きつねを大幅値下げしているのが気になります。仕入れ先を変えたのでしょうか(値+1点。2014/10、確認))。


※暖簾が廃されていました(写真は左:旧、右:現)。写真は改札外側のものなのですが、こちら側には看板や大きなタペストリーなどもなく(小さなメニュー表が貼ってあるのみ)、幟が立っていなかったら何屋だか分からない状態になっています。暖簾、あった方がいいように思うのですが……。メニューや値段については、目立った変化はありません(2018/4、確認)。

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★本八戸駅(JR八戸線)
「ばるーん」  実食日:2009/9

  改札外のフードコート「シーガルタウン」内。フードコートの中では改札から一番近い場所で、しかも間口が広いので、存在感がある。コの字型のカウンターはすべて椅子付きで、15人ほど収容可能。そば・うどんだけでなくラーメンやご飯ものなど、簡易飲食メニューを総合的に扱っている。
  麺はポソポソした食感で、「湯通しを怠っているのでは?」と疑いたくなる感じだが、調理手順を見た限りではちゃんと湯通しはやっている様子。こういう麺なのだろう。つゆは後味がないタイプで、食べている間はいいのだが食後に物足りなさが残る。天は出来合いだが、具ナシではなく、大きめのえび2尾と細かい野菜が入っている。サービスとしては、揚げ玉無料(フリーではなく、申告制)と、学生ラーメンの設定(通常450円→学生証提示で350円)がある。


※2014/10、再食。価格は、かけ300円、月見350円、かき揚天400円です。初食記事に価格を書いていませんでしたが、消費増税前と同じです。人気ナンバー1は、ラーメン(煮干し風味)450円。変わりメニューに煎餅そば580円が登場していて、早速試しました。南部煎餅(かやき煎餅)を2枚、4つに割ったものを甘みの強いけんちん汁で煮込み(要するに、簡易版のせんべい汁を作る)、麺に注ぎ(乗せ)ます。円を描くように綺麗に煎餅を並べ、見栄えがよいです。味も、鶏のダシがよく出ていて◎。煎餅はすいとんのような食感で、つゆがよく染みています。貼り紙に「ああまあの出来栄えですよ」とありますが、「まあまあ」を「かなり」に書き換えてもいいと思います。揚げ玉無料サービス継続、学生ラーメン(から揚げ入り)も継続しています(味+1点、付+2点)。

※2018/4、再食。公式取材ではありませんが、ちょっと仕事上必要で、「ラーメン(煮干風味)」480円をいただきました。メニューポップに「一押」と注記されているものです。一見すると普通に中華そばなのですが、スープに少し生臭み(悪い意味ではない)と酸味があり、鶏ガラや野菜スープの醤油ラーメンとは異なる味わいです。ガツンとくる濃厚さはなく、食べ疲れないラーメンで好印象でした。具材は、チャーシュー・メンマ・焼き海苔・ナルトとシンプルです。
  土曜13:30頃の訪問で、先客6・後客1。メニューのラインナップを見る限りそば・うどんが中心の店ですが、ラーメンを食べている人の方が多いくらいでした。全体的に値段が上がっていて、現在、かけ330円、月見380円、かき揚天430円、煎餅620円、学生ラーメン380円です。「ラーメン(煮干風味)」も、前回訪問時から30円上がっての480円です(値−1点)。なお、外観的には、暖簾が変わっているというか、暖簾を掛ける位置が変わっています。一応写真を貼っておきます(左:旧、右:現)。


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★新青森駅(JR奥羽本線、東北新幹線)
「ブナの森」  実食日:2010/12

  新幹線改札内コンコース、在来線乗継改札付近。弁当コーナーを併設した店舗。新しい駅だけに店舗も新しく、店内も清潔感がある。客席は、椅子付きカウンターのみで、定員6。厨房スペースが広くとってあるため、客席は比較的窮屈な印象だ。
  白っぽい津軽そばが出てくるものと思っていたのだが、出てきたのは太めの黒茹で麺だった。意外というか、ちょっと残念でさえあったのだが、茹で麺にしては上々の食べ応え・香りがあった。つゆには、これといった印象なし。かけ280円。実食しためかぶそば(410円)には、おろし生姜が添えられる。しかし、これは完全に蛇足だと思う。いきなりつゆに浸かって出てくるのではなく、丼の縁に添えられるので、不要な人は最初に取り除いておくといいだろう。


※値上げしていました。たぬき320→350円、めかぶ410→420円です。三食400→420円は、青森駅「そば処 八甲田」ではメニュー名を「三色」に変更していましたが、こちらは「三食」のままです。また、青森角天のせそば500円、ほたて十万石そば550円といったご当地系変わり種が登場しています。好ましい傾向ですね(付+1点。2018/4、確認)。

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★浪岡駅(北東北)
「Cafe319」  実食日:2015/8

  改札を出て右手、駅舎に併設された青森市浪岡交流センター「あぴねす」内。間仕切りのない店舗で、店先にたくさん並べられているテーブル席で食べられる。これらのテーブル席は飲食専用ではなく、休憩で使うこともできる。訪問が夕方だったこともあって、中・高生が自習を目的に陣取っている(もっとも、大半はスマホで遊んでいるが)ことが多く、空きが少ないし、ちょっとアウェー感がある。システムは、有人レジで先払い→配膳→セルフ下げ膳。
  麺は、白っぽくザラザラした食感の、津軽地方に特有の麺だ。同日連食の藤崎「東花」よりもザラザラ感が強かった。熟成味も感じられて、美味しい。一部、束になってくっついている部分があったのが少し残念。湯通しするときに、ややほぐしが足りなかったか。つゆは、雑味のないスッキリ系。カツオ系の酸味があるものの一辺倒という感じではなく、イリコ様の香りも感じられた。昆布というか、グルタミン酸系の旨味がないのが、藤崎「東花」とは決定的に異なる部分だ。たぬきなし、かけ320円、天420円。実食は、天。天は冷凍もののレンチン。殻つきの川エビが2尾と、ニンジン・ゴボウ・タマネギのかき揚げ。さほど感慨はないが、温かい状態で出てきただけでも良かったと言うべきだろう。麺類の変わりメニューは、特になし。ほかに、ドリンクが20種以上と、パフェ・クレープなどを扱っている。食事のみならず、喫茶店感覚で利用する人が多いのだろう。箸は割箸で、商品と一緒に1膳ずつ提供。唐辛子も、瓶ごと盆に乗せて運ばれてくる。味は良い方だし、地方にしては値段も安いし、基本的には満足。だが、どこか気持ちがモヤモヤとするのは、やっぱりアウェー感のためだと思う。「飲食専用席」を設けるなど対応していただけるとありがたい。


※店名が変わっていました(「羅針盤」→「Cafe 319」)。外観は、特段変わっていません。再食していないですが、メニューや価格構成が変わっている(かけ320→360円、天420→400円など)ので、味も変わっている可能性があります。今後再食してみて、別店掲載とするかどうかを考えます(値−1点。2018/11、確認)。

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★弘前駅(JR奥羽本線、弘南鉄道黒石線)
「こぎん」  実食日:2009/9

  改札外、中央口階段下(駅舎1階)。駅舎改築とともにリニューアルされた店なのだろうか、外観も内装もピカピカに綺麗だ。椅子付きカウンターが2列あり、12、3人収容できる。
  麺は、コシなし、香り弱く、プツプツ切れる。つゆを全部飲むと、底に細切れの麺がたくさん沈没していてビックリするくらい。かけ320円、月見380円、天430円など。変わりメニューに、じゅんさい(既製メニューとしては存在せず、夏季のみ単品トッピングで扱っている。130円)がある。駅そばでは初めて見るトッピングだ。ヌルヌル食感、青い香りともに、そばとの相性は◎だ。稀少な食材だからなかなか見かけないのかもしれないが、非常に印象が良かった。真似をする店舗が出てきてもおかしくない。また、「幻の津軽そば」というメニューがあり(430円)、これは通常メニューとは麺が異なる。一晩寝かせたそばがきにそば粉を合わせて製麺し、さらにもう一晩寝かせて熟成させるのだそうだ。試してみたかったが、基本的に評価は一般メニューを対象にすることにしているので、次回以降のお楽しみに。変わったサービスとしては、当日有効のJRトクトク切符「津軽フリーパス」を提示して「幻の津軽そば」を注文すると、白神山地の天然水(ペットボトル)を1本もらえる。


※2010/1、再食。「幻の津軽そば」を試しました。ザラザラした食感で、コシは弱いです。値段相応の価値があるかどうか微妙ですが、話の種にはなるでしょう。

※店名が変わっていました(「そば処」→「こぎん」。写真は左:旧、右:現)。値段等に変化はありません(2010/12、確認)。

※2014/10、再食。値上げして、かけ350円、月見410円、天460円、幻の津軽460円になっていました。じゅんさいは、2014年は収穫量不足のため扱いがありませんでした。変わりメニューに、和風ラーメン420円があります。

※値段等、変わっていません。今年も、じゅんさいそばはありませんでした。完全にやめてしまった可能性が高そうです。残念(付−1点。2017/4、確認)。

※2018/4、再食。公式取材ではありませんが、仕事上必要で、和風ラーメン420円を食べてみました。麺は、中華麺としては珍しい茹で麺なので、調理迅速。1分と待たずに食べられます。細縮れ麺で、生麺とさほど変わらない歯ごたえ。この味で出せるのなら、駅そばラーメンにもっと茹で麺が普及してもよさそうなものです。スープはそばつゆそのものですが、粗挽きのコショウをかけることでそれなりにラーメンスープっぽくなります。トッピングは、一見するとチャーシューが3枚乗っているように見えるのですが、このうちひとつは麩。ラーメンに麩というのも、面白い取り合わせだと思います。
  平日7:30頃の訪問で、先客2・後客1。それほど賑わっている感じではありませんが、朝から需要はある様子です。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ380円、月見450円、天500円、幻の津軽490円、和風ラーメン450円です(2021/5、確認)。

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「バスターミナルそば店(且Y交そば店)」  実食日:2017/4

  激渋の立ちそばが、弘前バスターミナル内にある。駅からは少し離れており、徒歩5分ほど。城東口を出て、地下道を通リ抜けてそのまま遊歩道を進み、車道に出たところで右折、突き当りの向かい。イトーヨーカドーに隣接しているので、その高看板を目印に進めば間違いない。売店と一体型の露出店で、客席は立ち食いカウンター4人分のみ。満席時には、周辺の待合ベンチで食べることもできるだろうか。ちなみに店名は、「バスターミナルそば店」の表記が随所に見られ、配布されたサービス券の印字が「且Y交そば店」だったので、当サイトでは両方併記させていただいた。
  麺は、ツルツル食感の茹で麺。角がきれいに取れた丸麺。昔はこのような丸麺をあちこちで見かけたものだが、現在では絶滅危惧種。古くから駅そばに親しんでいる人にとっては、懐かしく感じられるだろう。モチモチ感はなく、プツプツと切れやすいタイプ。このエリアでよく見かける「津軽そば風」のものではなく、ザラザラ感も熟成味もない。つゆは、かなり黒みの強いもの。関西人は食べられないであろう黒さ。が、飲んでみるとそれほど塩辛いわけではない。「やや辛め」という程度だ。北海道、それも道北を連想させるような濃厚昆布出汁。士別駅「フードサービスささき」に近い印象だ。たぬきなし、かけ350円、野菜天450円など。これといった変わりメニューはない。ご飯ものは、おにぎり(110〜130円)とカレーライス400円がある。そのほか、たい焼き100円と、正体不明の「パンダ焼き」なるものがある(100円)。ちょいとググってみたところ、「パンダ形のたい焼き状のもの」のようだ。実食は、まいたけ天そば450円。舞茸天は揚げ置きで、かき揚げタイプではあるが芯の部分も使っていてジャクジャクとした歯ごたえを楽しめる。好みの問題だろうが、私は舞茸天にはこの歯ごたえが欲しい。ところどころに衣のダマがみられてニチャッとするマイナスポイントはあったものの、総じて悪くない。古き良き交通ターミナルの味を守り抜いている、という印象の一杯だった。点数は低くなっているが、特にレトロ好きな人にとっては充分行く価値のある店だと思う。
  鉄道駅がどんどん綺麗に生まれ変わっていく中、バスターミナルは旧態依然のところが結構多い。激渋駅そばを目指すなら、バスターミナルやフェリーターミナルを巡るという手もありそうだ。訪問は平日の14:30頃で、先客0・後客3。私が食べ始めた途端に満席になったような感じ。先客ゼロ症候群だったように感じたが、交通ターミナルのそば店は客足に波があるだろうから、たまたまこのタイミングでバスの発着が相次いだだけだったのかもしれない。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ380円、野菜天480円、まいたけ天480円、たい焼き110円、パンダ焼き110円です(2021/5、確認)。

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「アキモト」  実食日:2018/11

  城東口を出て、駅前広場内の階段を下りて地下通路を通り、地上に出たらそのまままっすぐ遊歩道へ。弘前さくらホテルの奥側の路地(遊歩道)を右に入って1分、左側にある「虹のマート」内。言葉での説明だとややこしくなるが、実際にはそれほど分かりにくい場所ではない。距離的には、駅歩4分くらい。製麺事業者が直営する店で、麺の販売がメイン。その脇っちょ(写真奥側)に、椅子付きカウンター7席のみの飲食スペースがある。口頭注文で、支払いは客席の背後にある麺販売コーナーで行う。基本的には後払い制のようだが、私はいつもの癖で先払いにした。
  麺は注文後に茹でる生麺なのだが、茹で時間はたいへん短かった。ちゃんと測っていないが、体感的には30秒くらい。そば粉比率の高さがうかがえる。コシは皆無で、ザラッとした舌触り。プツプツと切れやすい。いかにも「津軽そば」らしい一品。そばの香りは、まずまずある。つゆは、昆布出汁が中心だろうか。悪い意味ではなく、ちょっと生臭みのような香りを感じる。昆布を入念に煮出しているのか、あるいは別の出汁をブレンドすることでこういう風味になっているのか。醤油の香りは淡く、生臭みがある点を除けばどちらかというと関西を連想させるような風合いだ。かけに相当する「津軽そば」330円。トッピングは基本的に単品の扱いで、たまご50円、山菜50円、にしん160円など。天は全部で3種類ある。安い順に、ミニ天50円、パリパリ天60円、エビ天170円。天ぷらそばという既製メニューがあり、これが380円。察するに、天ぷらそばに乗せているのは「ミニ天」か。実食は、かけそば+パリパリ天。おおかたの想像どおり、小エビ入りのドンベだった。ただ、「パリパリ」を謳っているものの、わりとしっとりした食感だった。油がきつくないから、つゆの香りが分かりにくくならないのがよい。どちらかというと、添えられる刻み海苔の方が風味を邪魔しているように感じた。これはなくていいかな。変わりメニューというか気になるメニューに、まぼろしのそば410円あり。普通のそばでも「津軽」を謳っているし、津軽地方の特性を十分に堪能できるものなのだが、まぼろしのそばはさらに古来に近い方法で製麺しているものだと推測。これはいつか食べてみたいなぁ。
  平日8:45頃の訪問で、先客・後客とも0。この時間帯は、まだ「虹のマート」自体が閑散としている。賑わってくるのは、10時くらいからだろうか。もうちょっと賑わっている中で食べたいなと思える一杯だった。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、津軽350円、幻のそば430円です。和風らーめん450円の扱いもあります(2021/5、確認)。

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★藤崎駅(JR五能線)
「東花」  実食日:2015/8

  駅を出て右、地下道で線路をくぐって左前方に高看板が見えているイオン藤崎店の1階フードコート。駅歩5分ほど。ラーメンショップを標榜しているとおり、基本的にはラーメン店。しかし、そば・うどんメニューも用意がある。さほど規模の大きなフードコートではなく、3店舗で合計100席までないくらいか。
  麺は茹で麺で、この地域らしいボソボソっとした白い麺。舌触りザラザラ、コシなし。「津軽そば」を連想させるもので、たいへんよろしい。つゆは、塩気控えめであっさり味。甘さもない。グルタミン酸系の旨味ほんのりに加え、イリコのような香りがある。大きな丼にたっぷり注いでくれるのだが、難なく飲み干せる。逆に、あっさりしすぎていてあまり飲み干したいという欲が湧かない(それでも飲み干したが)。値段は高め。かけ400円、山菜・天450円。以上に加え、夏季限定と思われるざる550円がある。天はドンベ。つゆに浸って1分ほどでほぐれて拡散し、たぬきになる。具材は、ニンジンの切れっ端3片のみ。だいぶ前(2006年)の話になるが、十和田市駅「あすなろ」で食べた天ぷらに感じが似ている。お情け程度にニンジンが入っているあたりが、特に。(十和田市では入っていた)タマネギが入っていなかったので、完全に同じものということではなさそうだが。天そばには、刻み海苔と紅白逆転ナルトがサービストッピングされる。ナルトはいいとして、刻み海苔はただでさえ淡いつゆの風味を完全に支配してしまう。個人的には要らないが、つゆの香りが増してありがたいと感じる人もいるかもしれない。サービスとしては、毎週火曜には食事メニュー注文者限定で特製ぎょうざを100円で追加できる(通常280円)というものがある。完全にラーメン店の発想だ。


※2021/5、再食。その前に、消費10%増税を経て、やや大きく値上げしていました。現在、かけ450円、山菜・天520円、ざる580円です。ちなみに、ラーメンは550円〜です。
  今回いただいたのは、山菜そば。ミックス水煮の山菜は、ワラビ、フキ、キクラゲ、姫竹、ナメコで構成されていました。ちょっと薬品臭を感じたのが残念でした。ソルビン酸Kが大量に入っているのかなぁ……と。また、麺が変わったかもしれません。津軽そば風のものではなく、東京あたりで食べる茹で麺とあまり大差ないものになっています(付−1点)。
  平日17:45頃の訪問で、先客0・後客0。席だけ利用の客もなく、広大なフードコートに私ひとりポツンという状態でした。ちょっと寂しい光景ですね。なお、コロナ対策のパーティッションは、テーブルの両脇にのみあり、対面方向にはありません。


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★五所川原駅(JR五能線、津軽鉄道(津軽五所川原駅))
「美味そば」  実食日:2009/9

  駅を出て正面の弘南バスターミナル待合所内。旅行者にとっては盲点になりやすい場所にある。バスターミナル内にそば店が入っているケースも結構あるので、要チェックだ。露出店だが椅子つきで、座って食べることができる。満席時なら、待合所内のベンチに座って食べても良いだろう。
  麺はコシがなく、市販麺のような食感。つゆは塩気はあまり強くないものの妙な酸味があり、違和感を覚える。天はインスタント。大きいが、具材は干からびた千切りニンジン数本のみ。と、ここまでは減点材料が目立つのだが、メニューにはおおいに見所がある。食べていないので詳細は紹介できないが、ゆきみそば300円、じょんがらそば500円、うなぎそば600円、たちねぶたそば500円など、魅惑的な変わりメニューがすごく多いのだ。また、基本的なメニューも地方にしては値段が安く設定されている。天300円、天玉350円など。グルメ感覚で訪れるのではなく、安く腹を満たす、あるいは土産話のネタを求めて訪れるのなら、なかなか面白い店かもしれない。なお、店名は漢字で「梵殊そば」と書くらしい(情報あり)のだが、私が探した限りでは平仮名表記しか見当たらなかったので、平仮名で掲載している。


※暖簾に記載の文字列が変わっていたので、店名変更と解釈することにします(「ぼんじゅそば」→「美味そば」。写真は左:旧、右:現)。再食していないので、実態が変わっているのかどうかについては未確認ですが、メニュー構成は基本的に変わっていません。値段は少々上がり、現在は天320円、天玉370円です。ゆきみ・たちねぶた・うなぎは消滅し、なめこ350円、じょんがら500円は値段据え置きです。ソーメン250円、学生そば250円という設定があります(ともに、「ぼんじゅそば」時代からあったもの)。ご飯ものは牛丼を残して他はやめてしまったようです。メニュー数はだいぶ減ってしまいましたが、店が続いていたというだけでも感激です(2015/8、確認)。

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「でる・そーれ」  実食日:2010/12

  津軽鉄道の駅舎を出てすぐ。津軽鉄道本社屋の1階部分を利用した地域交流施設「サン・じゃらっと」内。基本的には喫茶店で、店内にはクッキーのような臭いが充満している。そばメニューは、ぼんじゅそば(420円)のみ。ほかでは、山芋で作ったすいとんをたっぷり使った津鉄汁(300円)が名物になっている。有人レジで先払い、配膳付きの店だが、オープンキッチンスタイルだし、注文から出来上がりまでの時間も2分ほどだったので、駅そば認定させていただく。
  麺は、典型的な津軽そば。白っぽく、ザラザラした舌触りで、プツプツと切れやすい。つゆを最後まで飲むと、底の方に短い麺がたくさん沈んでいるのが分かる。つゆは、口当たりがよく、余韻があまり残らないタイプ。トッピングには揚げ玉が乗っているので、たぬきそば相当と考えていいだろう。箸はエコ箸。箸袋入りで1膳ずつ提供される。この箸袋が面白く、「はしぃれメロス」と書かれている。これは、津軽鉄道が走る金木町にゆかりがある太宰治の代表作「走れメロス」と、「箸入れ」をかけているのだろう。この箸袋を持ち帰ったのは、私だけではないはずだ。

※値上げしていました。現在、ぼんじゅそば450円です。おにぎり・お新香・日替わり惣菜とのセットメニューもあり、630円。津鉄汁は400円(セット650円)になっています。津鉄汁に関しては、炊き込みご飯とのセット700円や若生おにぎりとのセット600円もあります。その他、夏季限定と思われますが、冷やしぼんじゅそば450円、とろろそば480円、冷やしごぼう麺(ごぼうを練り込んだ麺)540円、中華ざる550円という設定もありました。食事系メニューは、以前よりもだいぶ充実しているようです(2015/8、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、ぼんじゅそば495円、セット715円です。カレー南蛮605円が登場していました。津鉄汁は、440円です(2021/5、確認)。

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★鰺ヶ沢駅(JR五能線)
「鰺丸」  実食日:2018/4

  駅を出て右前方(ほぼロータリー向かい)にあるショッピングセンター「パル」内。なんとも古めかしいショッピングセンターで、その中にあるこの店もどことなく昭和臭を感じさせる造り。最近のショッピングセンターでは、ファスト系麺類店はフードコート式の構造になっていることが多い。逆に言うと、壁で囲われている麺類店はファスト系でないことが多い。その点、この店は壁で囲われていないのにあまりフードコートっぽさはなく、ファスト系ではなさそうな雰囲気なのに実際にはファスト系という、どっちつかずな雰囲気なのだ。ショッピングセンター内飲食店の歴史をひもとくにあたって、多少なりとも参考になる店のような気がする。有人レジで先払い→配膳付き→下げ膳セルフ。
  麺種は未確認。生か冷凍かで判断に迷うタイプ。細麺で、薄グレー色。星なし。そばの香りはさほど感じない。食感は、少しグニュッとする。「せんねんそば」(現在の「小粋そば」)の麺を少し細くしたようなイメージ。つゆはやや甘めで、あまり深みのない平坦な味わい。つゆ自体はどうということもないのだが、サービストッピングの刻み海苔と海藻(ワカメ&赤トサカ。赤トサカはそばのトッピングとしては珍しく、港町ならではだと思う)で海の香りを加えてあり、これはこれで悪くない。私は、温そばに刻み海苔を乗せるのをあまり好まないのだけれど、それは出汁がよく香るつゆの場合の話。あまり香りのないつゆなら、海苔などで香りを加えるのも手だと思う。たぬきなし、かけ380円、山菜480円、かき揚580円など。実食は、山菜そば。山菜はミックス水煮で、ワラビ・フキ・姫竹・キクラゲを視認。これといって特筆するようなものではない。ラーメンの方が種類多し。スープが3種類(煮干し系あっさり醤油・背脂系こってり醤油・味噌)あり、それぞれにトッピングメニューが設定されている。ただ、ノーマルなラーメンでも620円するから、あまりファスト感覚ではない。
  日曜18:00頃の訪問で、先客0・後客0。ショッピングセンター自体の客数も少なく、おそらく買い物客のピークタイムが都会よりもだいぶ早いのだろうと思う。この時間帯にファスト系飲食店が開いていただけでも奇跡的だ。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ400円、山菜500円、かき揚げ600円です。外観的には、店舗内・外を区切る仕切り柵が、天井近くまである高いものになっていました(写真は左:旧、右:現。2021/5、確認)。

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★十和田市駅(十和田観光電鉄)
「あすなろ」  実食日:2006/10

  十和田観光電鉄は、JR東北本線三沢駅から分岐している超ローカルな私鉄。十和田市駅は十和田市の代表駅ではあるが、ローカル私鉄のどん詰まり終着駅だから、まさか駅そばがあるとは思っていなかった。改札外、駅舎1階(改札は3階)に露出店の「あすなろ」があるのは、幸いにも駅ビルが街の中心ショッピング地に位置づけられているからだろう。鉄道利用者だけではなく、ショッピングついでに食べていく人も多いと思われる。店名は看板には表記されておらず、食券に印字されている。
  ここの麺はちょっと変わっていて、ちょっとぬめりのある丸麺だ。コシがなくて柔らかいタイプ。つゆは色が薄いが、塩気はむしろ少し強いくらい。個人的にはちょうどよい加減である。天はインスタントで、具はニンジンとタマネギの千切りが2本ずつだけ。「ほぼたぬき」状態だ。天そばを注文すると、麺・つゆ・天ぷら・薬味の順に盛り、最後に上から青ノリをパラパラとふりかける。他のメニューにも青ノリが入るのかどうかは、不明。たぬきなし、天300円、山菜280円。地方にしては、わりと安い値段設定である。


※店自体は存続しているようですが、十和田観光鉄道が路線廃止されてしまったため、当サイト上では閉店扱いとします(2012/5、確認)。

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★中央弘前駅(弘南鉄道大鰐線)
「どってん」  実食日:2010/12

  改札外待合室内。駅舎の外から直接店内に出入りすることもできる(写真は駅舎外から撮影)。座席配置は、厨房を向いた椅子付きカウンターと、奥に座敷がある。写真では完全にラーメン屋のように見えるが、メニューはそば・うどんとラーメンが半々、プラス定食や一品料理、酒のつまみなどがある、という感じ。当然酒類もあり、夜には居酒屋感覚で立ち寄る人も多そうだ。なお、店名の表記はどこにもなく、年越しそば売り出しの張り紙に記載されていた文字列を店名と考えさせていただいた。このほかに、店内に掲示してあるアサヒビールの認定証に「食 どってん」との記載があり、こちらが本当の店名なのかもしれない。
  麺は、いわゆる津軽そば。白く、ザラザラしていて、プツプツ切れやすい。つゆは、辛め。この麺にはもう少し繊細な味わいのつゆの方がいいと思う。メニューは、幻の津軽そば(かけに相当)400円、山菜・天500円など。実食した天ぷらそばの天ぷらは、具なし。たぬきの集合体で、つゆに浸すとバラバラにほぐれて文字どおりたぬきそばになる。そこにカマボコと刻み海苔がトッピングされるのだが、はっきり言って刻み海苔は邪魔。全体的に据えたような臭いになってしまう。あと、細かい点に難癖をつけると、飲み水が出てこないのはマイナス。また、調理を終えた後、店主が客席に出てきて、私の背後に座ってテレビを見始めたのもマイナス。落ち着かないって。ラーメンに変わりメニューが多く、古代ラーメン450円、りんごラーメン480円などは、話のタネに試してみたい。

※閉店していました。跡地はもぬけの殻で、閉店告知の貼り紙が出ています。2015/8/29付での閉店のようです。この閉店告知の貼り紙に店名が表示されていましたので、いまさらですが反映させます(「駅そば屋」→「どってん」)。跡地は、どうなるんでしょうかね。今のところ、別店が入りそうな気配はありません(2017/4、確認)。

※跡地は、ギャラリースペースになっていました。駅そばの復活がなかったどころか、飲食店ですらありません。寂しいです(2018/4、確認)。

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「そば処 吉野家」  実食日:2018/4

  首都圏では衰退傾向が止まらない「そば処 吉野家」だが、地方ではわりと健闘している(「堪えている」と言うべきか)。弘前でも頑張っていた。中央弘前駅とJR弘前駅の間、どちらの駅からも少し離れた場所にある。中央弘前の方がやや近く、徒歩5分。JR弘前からだと7分くらい。中央弘前から行く場合は、駅を出て右へ進み、道なりに左・右と曲がって中央分離帯のある道路を渡ってから左折。2つめの信号(弘前郵便局の角)を渡らずに右折して30秒。大通りに面した、駐車場のある店舗。明らかに、駅からの徒歩よりも車で立ち寄ることを想定した店だ。看板が独特で、まぁ青吉といえば青吉なのだが、青ベタではなく、格子模様を描いたちょっとお洒落なデザインになっている(出入口前の置き看板は青ベタ)。テーブル席が20席くらいと、椅子付きカウンターが12席くらい。口頭注文、配膳付きで下げ膳不要。後払い。
  麺は、押出製麺と思われる乱切りタイプの生麺。十割を謳っていて黒々としているのだが、十割のわりにはいまひとつ香りが立ちのぼってこない。食感も含め、美味い部類ではあるのだが、どうもスッキリしない。言い得ているかどうかわからないが、試合前に「ぶっ潰してやる!」などと息巻いていたボクサーが、いざ試合が始まるとあまり打ち合わずに判定勝ちを狙いにいくような、そんなイメージ。つゆは、やや甘め。出汁はカツオが中心で、香りそこそこ。これまでに実食してきた「そば処 吉野家」では天かすがフリーになっていた記憶があるのだが、この店舗では見当たらず。たぬきというメニューもない。かけ・もり390円。かき揚げは540円。ちょっと高いね。十割だから特例を適用できるのだけれど、それならもう少し風味の方を……と思ってしまう。実食は、牛丼(並盛)そばセット730円。牛丼については多くを語る必要はないだろう。東京で食べるのと特段変わらない。かつ丼とかうな重とか牛とじ重とかマグロ丼とか、初期の「そば処 吉野家」にはなかった(と思う)ご飯ものがたくさんあるが、どれも高い。この店で一番のオススメは何かと聞かれたら、牛丼単品だと答えてしまいそう。敢えてそばメニューの中から選ぶなら、いか天かキス天(ともに480円)だろうか。箸はエコ箸。
  日曜16:00頃の訪問で、先客4・後客1。ざっと見回したところ、そばを食べている人はいなかった。いつの間にか看板がオレンジ色になっていた、なんてことにならないか、心配だ。


※心配が的中してしまいました。そばの扱いを終了し、牛丼のみのオレンジ看板の店舗になっていました。当サイトでは、閉店として扱うことにします(2021/5、確認)。

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★金木駅(津軽鉄道)
「ぽっぽ家」  実食日:2010/12

  改札外、駅舎の2階で営業している食堂。テーブル席が主体で、配膳付き→後払いという、あまり駅そばらしくないシステムだが、注文から出来上がりまでの早さ、厨房に向いた椅子付きカウンターの存在、なんとか地方特例を適用できそうな価格帯、この3つを決め手に、駅そば認定することにする。
  麺は、生麺を使用しているようだ。プツプツ切れやすい津軽そばではなく、モチモチしていて舌触りも滑らかな麺。つゆは、味は薄めで、出汁感はほどよい。合わせ出汁なのか、複雑な風味がする。やや濁りがあるのも特徴だ。そばメニューは、かけ400円、月見450円、天ぷら480円の3種のみ(夏季には冷やし系メニューが追加される)。天そばのトッピングは、エビ天1尾+ナルト+わかめ。小皿のお新香が添えられる。そば以外のメニューも豊富で、中でも十三湖特産のしじみを使ったしじみラーメン(750円)が名物になっている。


※消費増税分だけ値上げしていました。現在、かけ(「津軽そば」と表記)410円、月見460円、天490円です。しじみラーメンは770円になっています。しじみを使ったメニューがだいぶ増えています。しじみ定食700円、しじみごはん210円、しじみ汁390円など。しじみごはんは、そばとセットでオーダーする手もありそうです(付+1点。2015/8、確認)。

※2018/4、再食。一部メニューを値上げしていました。そばメニューで上がったのは天だけで、500円になっています。しじみ系メニューは値上げ幅がやや大きく、しじみラーメン820円、しじみ定食750円、しじみごはん220円、しじみ汁450円になっています。
  今回は、仕事上必要でしじみラーメンをいただきました。塩味ベースのラーメンに、十三湖産のしじみを20粒ほど乗せています。スープがうっすらと乳白色に染まっていて、しじみの出汁がよく出ていることがひと目で分かります。それほど強烈なクセはないので、しじみの風味を感じつつも、違和感なく食べられます。「海鮮ラーメン」のような風味だと考えていいと思います。しじみ以外の具は、メンマ・ワカメ・ナルト。チャーシューは乗せません。たぶん、合わないのでしょう。
  日曜11:45頃の訪問で、先客9・後客6。観光地だけあって、日曜の昼時にはよく入っています。ただ、その多くは車でやって来る人々で、日曜でも列車の乗客は多くありませんでした。名物のストーブ列車以外は、それほど観光客が乗らないのでしょうか。ちょっと寂しいです。列車も駅舎もかなり古いので、レトロ好きには必見な路線です。駐車場もある店なので車でも寄りやすいけれど、ぜひ列車での訪問も検討してください。


※2021/5、再食。その前に、移転していました。現在は駅舎内ではなく、駅を出て直進2分の右側にあります(写真は左:旧、右:現)。駅外への移転は、たいてい自ら望んでのものではなく駅側の事情によるもの。ここも、移転先で聞いてみた限りでは、同様のニュアンスが感じられました。値段的には、消費10%増税に伴い、少し上がっています。現在、津軽420円、月見470円、天520円です。しじみ系のメニューは、増税に伴う値上げはなく据え置かれています。客席は、テーブル席が計16、椅子付きカウンターが8。駅ナカ時代に比べてだいぶフロアは狭くなってしまいましたが、店が残ったのは幸いと言うべきでしょう。聞いたところ、移転オープンは2021年4月9日とのこと。
  今回いただいたのは、津軽そばと、たこ焼き450円。もともとこの場所には「多古軒」というたこ焼き店があって、そこへ「ぽっぽ家」が移転合併したのかなと思われる店舗。なので、たこ焼きも食べてみたくなった次第。そばの方は、特段仕様変更していません。かけに相当する津軽そばには、ワカメとナルトが乗ります。小鉢のお新香も健在。たこ焼きは、「ちょっと値段が高いな」と思っていたら、12個も出てきました。青ノリたっぷりで、花カツオは乗せません。外も中もやわらかい、流行りのタイプではなく昔ながらの味わいでした。
  平日13:00頃の訪問で、先客2・後客0。コロナ対策の個別パー的ッションはありませんが、手指の消毒液が常備されています。


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★芦野公園駅(津軽鉄道)
「ラ・メロス(桜松軒)」  実食日:2015/8

  駅を出て左手に連なる簡易的な飲食店街の中にある。駅利用者というよりも隣接する芦野公園を訪れる人たち向けの施設で、大駐車場完備。駐車場側が正面で、駅側は裏手になる。この店は、正面には「桜松軒」の看板を掲げていて、裏口に「ラ・メロス」の看板が出ている。中でつながっていて、実質的に同じ店(メニュー・厨房は共通)だ。当サイトでは、駅側に出入口があり「そばうどん」の暖簾が掛かっている「ラ・メロス」の方を店名と解釈しつつ、誤解解消のため正面側の記載も併記しておいた。いやー、懐かしい雰囲気。昭和の頃には、観光地ごとにこの手の飲食店があったものだ。個人的には、小学生の頃によく行っていた石神井公園内の茶屋を思い出す(この茶屋は今も健在)。テイクアウト客が多いのだろうか、「桜松軒」側は間仕切りのない造りになっている。客席は、「桜松軒」側に椅子付きカウンター5席と、「ラ・メロス」側にテーブル席(一部座敷)が8席くらい。
  麺は、冷凍だろうか。質感があり、しっかりとエッジが利いたもので、「津軽そば」タイプではない。客数的に、「津軽そば」タイプの麺は置いておけない(このタイプの冷凍麺を作る業者がないと推察)ということだろうか。つゆは甘みがだいぶ強く、キレがなく口腔内いっぱいにモヤッと広がるタイプ。市販のめんつゆをベースに作っているのではないかと感じる。たぬきというメニューはなく、そばメニューはかけ(「生そば」と表記)350円と山菜450円のみ。実食は、山菜そば。山菜は特徴のない水煮ミックス山菜。刻み海苔が乗る。私は温かいそばには刻み海苔を乗せたくないと考えるクチだが、この一杯に関してはつゆがモヤッとしているので、刻み海苔のキレのある香りがありがたかった。
  そば・うどんのほかには、ラーメンがいろいろある。ノーマルラーメン450円のほか、納豆ラーメン550円、もずくラーメン550円、ねかぶラーメン550円といった変化球も。ちなみに、「ねかぶ」とは「めかぶ」の地方呼称。東北にはこう呼ぶ人が多いらしい。駅そばでは、余所者も多く利用するためだろうか、東北でも「めかぶそば」となっていることが多いが。麺類以外にも、丼もの、焼きそば、たこ焼きなどのスナックフード、コーヒーなどの喫茶メニュー、そして名物を標榜する「おやき」など、メニューは実に多岐にわたっている。観光地の店らしいなと感じる。
  注意したいのは、注文するときに「そば」と言うと、ラーメンが出てきてしまうということ(出てきてしまった)。ツッコミを入れると、「そば=中華そば」なのだという。そばを食べたい場合には、「きそば」と注文すること。圧倒的にラーメンの方がよく出る店なのだろう。


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「元祖味噌おでん」  実食日:2021/5

  駅を出て左、芦野公園駐車場内。上記「ラ・メロス」の並びにある。駐車場内には数軒の軽食店や土産物店が連なっており、その中に簡易的なそばを提供する店が2軒もある。なんと素晴らしい公園なのだろうか(ただし、今回訪問時には「ラ・メロス」は営業していなかった)。ちなみに店名は、それらしい表記が見当たらなかったので看板記載の文字列を採用しているが、おそらく正式な店名ではないだろう(正式店名は「秋食堂」と聴取)。「ラ・メロス」と同様に、昭和の残り香を色濃く感じる、渋い店。口頭注文の代引き制で、客席は建物内に15くらい(小上がり+椅子付きカウンター)、間口のすぐ外に12(6人掛けテーブル×2)。店内が結構混んでいた(しかも酔客ばかりだった)ので、私は外のテーブルでいただいた。外で食べる場合には、配膳してくれる。
  麺は、茹でか冷凍かで判別が難しい感じ。外のテーブルで待ったため調理シーンを見られず、特定できなかった。特段印象深いものではない。この地域でよく出合う「津軽そば」タイプのものでもない。つゆは、昆布出汁が中心と思われる。香りよりも旨みの方が立った味わい。若干薬品臭のようなものを感じたのだけれど、これはおそらくつゆ由来ではなくトッピングの山菜に由来したものだろう。たぬきなし、かけに相当する「きそば」350円、山菜450円、天400円など。実食した山菜そばには、ミックス水煮の山菜とワカメがトッピングされた。山菜は、フキ、ナメコ、姫竹で構成。フキの割合が非常に高かった(8割くらいはフキ)のが、珍しい部分。そば・うどんのほかは、看板に大きく記載されているみそおでん300円(10本入りと記載あり。そんなにたくさん?)、ラーメン、丼もの、かき氷にアイスクリーム、そして酒類や一品料理など幅広く扱う。ネギは白で、みじん切り。箸は割り箸。
  平日16:15頃の訪問。先客は4人で、いずれも飲み客。後客は3人で、小学生のグループ。小学生たちは店内飲食ではなく、ラムネを買って外で飲んでいた。小学生から飲み客まで、客層がとても幅広い。公園内の店舗らしい部分と言えるかもしれない。裏を返すと、そば客はあまり多くなさそうな印象だった。


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★七戸十和田駅(東北新幹線)
「待合室&お土産コーナー」  実食日:2012/5

  駅舎と棟続きになっている七戸町観光交流センターの2階。改札が2階にあり、そのまま交流センターの2階へ通じる通路があるので、ほぼ駅舎内と言っていいような場所にある。一見するとただの土産物店なのだが、その一角に喫茶コーナーがあり、そばも扱っている。客席は、椅子付きカウンターばかりで6席。
  そばメニューは、南部そば(かけに相当)350円と天ぷら(400円)のみ。麺は黒みの強い平麺で、甘皮の粒粒がたくさん見られる。だが、つゆの塩気がかなり強かったこともあり、麺の風味はあまりよくわからなかった。天はほぼ具なし(わずかに玉ねぎが入っている)で、つゆに浸すとグズグズに崩れてほぼ「たぬき」になる。盛りつけ時に、最後に青海苔をぱらぱらと振りかけるのが特徴。これは十和田市駅「あすなろ」でも見られたこと。青森県十和田地方の特徴なのかもしれない。有人レジで先払い、配膳・下げ膳はセルフサービス。割り箸は1膳ずつ、商品と一緒に渡される。箸先を紙ナプキンで包んでいるあたりが、いわゆる「駅そば」というよりも「喫茶コーナー」なんだなと感じる部分。喫茶メニューはいろいろあり、ご当地バーガーの「七戸バーガー」も扱っている。


※南部350円、消費増税に伴う値上げはありません。店頭メニューのみでの確認ですが、天ぷらは見当たりませんでした。代わりに、冷やしとろろ500円がありました。季節によって入れ替わるのかもしれません。ちなみに、七戸バーガーは400円です(2015/8、確認)。

※閉店していました。跡地には「KEY'S CAFE」という喫茶コーナーが入りましたが、扱うのは洋風カフェメニューだけで、そばはありません(2021/5、確認)。

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「物産館そばコーナー」  実食日:2021/5

  南口を出て左へ4分、道の駅「しちのへ」内。この駅には、メインレストランとは別に簡易的なそばコーナーがふたつも入っている。そのうちのひとつがこちら。食券制で、立ち食いに準ずるスタイルをとる。一応店内に専用席がある(テーブル席2+4)けれど、利用者の多くは店舗外の共用休憩席を使っている様子。こちらは、テーブル席多数。ちなみに、もう1店舗は、JA婦人部が営む手打ちそばコーナー。若干値段が高めだけれど、簡便性は駅そば的なので、当サイトの対象に含められそう。ただし、今回は時間外で食べられなかったので、いずれ再訪ということで。
  麺は、断面偏平形でやわらかめ。茹で麺と思われる。そばの香りは、あまりない。つゆは、どちらかという淡麗系。関西風というほどではないが、色が薄い。それでいて、塩気はほどよくある。出汁はバランス派で、醤油の香りとのバランス感もよい。総じて、突出したワンポイントはないものの、ソツなく食べられるという感じ。かけ(メニュー名は「きそば」)380円、月見440円、とろろ440円など。たぬきというメニューがなかったので、実食したのはかき揚げそば500円。天は揚げ置きのグズグズ系だが、具だくさんで手作り感のあるものだったのが好印象。タマネギ、ニンジン、細かすぎてよく分からない青菜で構成。すべてのメニューに山菜がサービストッピングされるようで、かき揚げそばにも入っていた。ミックス山菜は、ワラビ、フキ、姫竹で構成。サービストッピングにしてはわりと量があり、「かき揚げ山菜そば」を謳ってもよさそうなくらいだった。そば・うどん以外のメニューは、おにぎり、炊込みご飯、おでんに加えて、ソフトクリーム&ジェラートが各種ある。そばソフト250円を扱うあたりが、そば店のソフトクリームらしくて好感度し。箸は割り箸。
  平日9:30頃の訪問で、先客2・後客1。この時間帯はメインレストランも手打ちそばコーナーも営業しておらず、食事を確保できるのはここだけ。その意味でも、9時から営業してくれるのはありがたい。本音を言えば7時くらいからやってほしいところだけれど、道の駅自体の営業時間との兼ね合いもあるから、仕方ないところだろう。


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★いわて沼宮内駅(IGRいわて銀河鉄道、東北新幹線)
「ファーストフードいっぷく」  実食日:2007/9

  西口方面駅舎1階(改札は3階)。ピカピカに綺麗な駅舎にはあまりそぐわない、ゴチャゴチャした印象の店。しかし、この「ゴチャゴチャ」にこそセールスポイントがある。露出店だが、駅舎が広く、簡易テーブルがあちこちに出されているので、ゆったり食べることはできる。人目も少ないので、あまり気にならない。学校帰りの高校生のたまり場になりそうな雰囲気の店である。
  そばは、一見してボリュームが不足しており、1杯で満腹にしようという考えは甘い。味覚的には、麺は冷凍を思わせる丸太麺で、つゆはおぼろ昆布から出汁をとったような味。関西風を意識しているのかもしれないが、ちょっと異質。良くも悪くも「独創的」な味に仕上がっている。もう少し塩気を強めれば化けそうな感じがするのだが。メニューは、かけ250円、月見300円、天320円、ざる300円の4種のみ。
  「ゴチャゴチャ」は、そばうどん以外にもいろいろなメニューを扱っているから。ソフトクリーム、クレープ、餅、ゆで卵、今川焼、ラーメン、カレーライス、餃子、ドリンク類など。ホームの駅そばくらいの広さしかない厨房で、よくもまぁこれだけ手を広げられるものだと感心する。逆に言うと、そばだけで経営が続くほどの客数がないのだろう。


※閉店していました。かつて簡易テーブルがたくさん置いてあったエリアに仮囲いが施され、店舗があった部分に簡易テーブルが移されています。仮囲いの部分には何かできるのでしょうか。なお、駅舎1階の軽食店「ダイニングYAYA」で、そば・うどんを扱っているようです(2010/1、確認)。

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「ダイニングYAYA」  実食日:2018/4

  改札外、西口側駅舎1階。店名といい雰囲気といい、あまり駅そばっぽくない店なのだが、駅そばに準ずると認められる価格帯(特例適用範囲内)でそば・うどんを提供している。もっとも、そば・うどんのほかにラーメン・定食類・パスタ・サンドイッチに飲み物まで手広く扱い、さらに酒類やつまみとなるような一品料理まで扱う「なんでも食堂」なのだが。それでも、そば・うどんを早く安く提供し、厨房もオープンなので、当サイトの掲載基準に合致する。客席は、テーブル席が6・4・4。厨房と対峙する椅子付きカウンターが6席。配膳付きで、後払い制。
  麺種は未確認。色黒で、断面偏平形。この色合いにしてあまり香らないから、たぶん冷凍だろう。つゆは、色が薄め。出汁も昆布が中心なのだが、どうも「関西風」とは一線を画す味わい。カツオ出汁という感じではないのに、中程度の酸味があるのがその原因だろうか。何だろう? とろろ昆布かな? さらに、私が注文した天ぷらそばには刻み海苔がサービストッピングされたので、なおのことつゆの香りがカオス的だった。天は揚げ置かれたかき揚げで、おそらく店内では揚げていないと思う。買ってきた(あるいは、別の場所で揚げた)ものを冷蔵庫で保管してレンチンしたような食感・風味(未確認です)。かけ400円、月見450円、天500円など。面白いのは、岩手町名物の焼きうどん(ひき肉そぼろがけ、スープ付きで750円)を扱っていることか。注文後に焼くのかな。次回はこれにチャレンジしてみようか。
  訪問は、土曜の9:45頃。先客・後客とも0だった。当駅は日本一乗降者数が少ない新幹線駅として有名だから、中途半端な時間帯にそんなにたくさん客が入るとは思えない。おそらく、夕方以降の飲み客が店の売上を支えているのだろう。それでも朝から営業しているのは、上記「ファーストフードいっぷく」が閉店して駅ナカの飲食店がほかにないためと、キヨスクの撤退でこの店が売店機能を引き継いでいる(店頭で菓子などを販売している)という側面もあるのだろう。店の存続のためにも、夜の飲み客に頑張ってほしいところだ。というか、他人任せにしないで、私も当駅を訪れたときには多少なりともお金を落とすようにしないと。


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★滝沢駅(IGRいわて銀河鉄道)
「銀河」  実食日:2018/4

  改札外、待合室内。駅の外側からも出入りできる。昼はそば・うどん、夜は串焼き居酒屋になる二毛作店。IGRいわて銀河鉄道直営の飲食店として、2015年6月にオープン。IGRはこのような旅客輸送以外の部門にも力を入れていて、青山駅にも2018年11月にイタリアンレストラン「ビストロ銀河」をオープンしている。地方鉄道はどこも旅客輸送だけではジリ貧になるだろうから、こういう取り組みは結構重要だと思う。ぜひ、他社にも見習ってほしい。口頭注文、代引き制。客席は、2人掛けテーブル席が4つのみ。コンパクトな店だ。
  麺は、未確認だが印象としては冷凍。グニュッとした食感で、香りはあまりない。つゆは、濃縮希釈だろうか。あまり深みのない、平たい味。少々酸味が感じられるものの、カツオ系の香りは感じない。たぬきは、既製の揚げ玉で、特記事項なし。総じてフードコート系そばみたいな感じで、これといってプッシュするような要素のない一杯。しかし、この駅の構内でそばを気軽に食べられるというだけで万々歳だ。たぬき450円。ちょっと高いなと思ったのだが、揚げ玉のほかに大根おろしも入っていて、いなり寿司が1個サービスされることを加味すれば、むしろ安い。いなり寿司は、店内で手作りしていると思われる。香ばしい白ゴマを混ぜた酢飯をやさしい味付けの油揚げで包み、巾着のように口を閉じてある。機械製のいなり寿司にありがちな、シャリがギュッと固まったようなものではなく、フワッと柔らかい。そばよりもいなり寿司の方が美味しかったくらいだ。出てきたときには「大根おろしといなり寿司はいらないから、350円にしてよ」と思ったのだが、食後には印象が変わった。いなり付きでOKです。そば・うどん共通のメニューは5種類で、ほかにぶっかけうどん350円と、オリジナルメニューの「ぎんがじゃじゃ」550円がある。盛岡に近い街ということで「じゃじゃ麺」なのはわかるのだが、写真を見ると何やら黄色いタレがかかっていて、パスタのカルボナーラを連想させるルックス。店員さんに聞いてみたところ、盛岡のじゃじゃ麺に欠かせない「ちーたんたん」を、最初からかけているのだそうだ。盛岡じゃじゃ麺のちーたんたんは、麺を食べ終えてから作るイメージがある。麺と一緒に食べて、美味しいのだろうか? その答えを知るには、食べてみるしかない。次回訪問時の実食メニューは、まず間違いなくこれになるだろう。スタンプカード制度あり。有効期限なしで、1食につき1つ押印。スタンプが10個たまると、次回訪問時にそば・うどん(種物も可)1杯サービス。
  訪問は土曜の11:00頃で、先客1・後客0。先客は、滝沢駅の駅員さん(窓口担当)だった。毎日食べれば、スタンプカードもすぐにいっぱいになるんだろうなぁ……などと、変なところで羨ましく思ってしまったのだった。


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★青山駅(IGRいわて銀河鉄道)
「半田屋」  実食日:2019/4

  盛岡からひと駅、IGRいわて銀河鉄道の本社屋を兼ねた青山駅は、やや複雑な構造になっている。母屋があるのは、西側の青山南口。しかし、ここから出るとこの店には行きにくい。一番近いのは、東側のマイナーな上堂口。盛岡方面から行くと、跨線橋を渡ってから改札を出る形になる。他にも青山北口と前九年口、計4つの出口があるので、注意を。上堂口を出たら、直進。踏切端で右折して、すぐ左折。住宅街を縫うように抜けて、県道220号線を左折。するとすぐに国道4号線(盛岡バイパス)に出る。この交差点の角から2軒目(盛岡バイパス沿い)が当店。駅歩7分くらい。住宅街内で右へ左へ曲がるため迷いやすいので、やや遠くなるけど分かりやすいルートも書いておく。踏切端で右折したらまっすぐ歩き、突き当りを左折。すると5分ほどで盛岡バイパスに出られる。こちらから行くと、駅歩10分ほどになる。店舗名は「盛岡上堂店」で、現状で岩手県内にある4店舗中、北上店(柳原駅が最寄り)とこの店舗が当サイトの掲載対象(特例適用可能)になる。駐車場のあるドライブインタイプの店舗で、24時間営業。セルフチョイス式の激安食堂で、決してそば・うどんがメインというわけではないけれど、安価でそばを食べることもできる。仙台市内や関東エリアの店舗で多く導入されている半セルフレジ(客がレジスターに現金を投入する)ではなく、現金をスタッフに手渡すタイプの有人レジで先払いになっている。
  今回は2日続けての訪問。1回目は、かけそば210円+ちくわ天80円+生姜焼き157円+ハムサラダ130円+ミニめし100円+ケーキ130円。計807円。麺は、茹で麺か冷凍麺か、判別が難しいもの。歯ごたえ・香りとも、あまり強くない。つゆは、うすくち醤油仕立てだった。出汁はカツオ系が中心だが、エグミ・酸味はほとんどなく、淡麗な印象。どちらかというと、塩気で食わせるタイプだ。まぁ、値段を考えれば悪くない。ちくわ天は、揚げ置き時間が長かったのか、冷めて硬くなっていた。店内にセルフ式の電子レンジがあるので、温めればよかったかも。生姜焼きは、脂身の多いバラ肉を使用。旨み濃厚で、ご飯が進む。ロースではないので生姜焼きっぽさはあまりないが、料理としては美味しい。ハムサラダは、千切りキャベツを中心に、ツナやゆで卵まで配されており、130円なら上々の内容。ドレッシングは多種揃っていて、セルフ式。白飯は、ミニでも結構量がある。旅館で出るような小さめの茶碗に山盛りくらい。これで100円は安い。ケーキは、スポンジがスカスカしていていかにも安っぽいもの。どうってことないものだけれど、こういうちょっとしたデザートが用意されているのは嬉しい。
  2回目は、豚汁うどん280円+ごぼうサラダ100円+酢豚150円+ミニめし100円=630円。豚汁うどんは想像をはるかに上回るボリューム感で、具だくさん。これ、東京で食べたら700円くらい取られそう。しっかり煮込まれていて具材がスープになじんでいて、味覚的にも上々。豚汁としての美味さとうどんとしての美味さを両立できている。これは驚異的な安さだ。酢豚は、やや味が濃いめ。ひと口大にカットされた豚肉は10個以上入っていて、これも激安感がある。ごぼうサラダは、ささがきのゴボウをゴママヨネーズで和えたもの。千切りタイプのごぼうサラダよりもゴボウの風味が強く、なかなか私好みだった。総じて、ほどほどに美味く、結構量があり、値段が激安。こういう店は、ぜひ身近な場所にも欲しい。関東に進出した店舗は苦戦傾向だけれど。地代が高い場所では成り立たないタイプの店かもしれない。ぜひ、郊外の埼玉や千葉あたりの駅チカに店舗を出してほしい。
  1回目は平日23:30頃の訪問で、先客7・後客4(写真は翌朝撮影)。2回目は翌平日20:30頃の訪問で、先客13・後客7。ほどよく入ってはいるが、フロアが広く席も豊富(ざっと数えて、テーブル・椅子付きカウンター併せて56席)なので、混雑感は皆無。落ち着いて食べられた。セルフチョイス式だから出来上がり待ちが長くなることもなく、オーダー調理で番号札対応になるそば・うどんも、惣菜をレンジで温めている間に出来あがる。サッと食べるもよし、ちょっとゆっくり過ごすもよし。いろいろな使い方ができる、ありがたい店だ。


※2021/5、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ220円です。
  今回いただいたのは、そばではなくラーメンが中心。味噌ラーメン350円+ミニめし100円+ツナマヨコロッケ100円+ごぼうサラダ100円で。この手のセルフ食堂では品数を増やすと金額が跳ね上がる傾向があるのですが、「半田屋」ではこれだけ食べても合計650円です。味噌ラーメンの具材がモヤシだけだとか、作り置き惣菜のレンチンはセルフだとか、つっこみどころはたくさんあるのですが、それでも「低料金でお腹いっぱい」を優先的に考えるならたいへんありがたい存在です。特に、ご飯はミニでも「富士そば」のかつ丼くらいはあるので、安くお腹を満たすならご飯を中心にするのがいいと思います。
  平日23:00頃の訪問で、先客5・後客1。さすがにこの時間帯になると空いていて(雨天だったせいもあるかも)のんびり食べられます。基本24時間営業ですが、コロナ禍に入ってから終夜営業しない日も設定されているようです。客席の個別パーティッションは、設置されていません。


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★盛岡駅(JR東北本線・山田線・田沢湖線、IGRいわて銀河鉄道、東北・秋田・八戸新幹線)
「はやて」  実食日:2010/1



  JR南口改札を出て右へ30秒、駅舎の2階にある店。立ち食いがメインだが壁に沿って椅子付きカウンター席も用意されている。店舗名は「南口店」。
  麺は、北上から盛岡にかけてのNRE系店では同じものを使っている様子。すなわち、乱切りと言うほどではないけれど太さの揃っていない茹で麺。つゆは店舗ごとに少々ばらつきがあるようで、北上「はやて」のような物足りなさは感じなかった。個性的な面としては、薬味におろし生姜を用意しているということがある。メニューによっては、少し加えると爽快感が増して美味しくなるのだそうだ。かけ280円、月見340円、きつね360円など。そばに対応する変わりメニューはないけれど、じゃじゃ麺(440円)や冷麺(夏季のみ)など、ご当地麺を扱っているのが面白い。なお、同駅1階にも同名店がある(店舗名は「フェザン店」)のだが、メニュー等が一部異なっているため、別店として扱う。


※値上げしていました。現在、かけ300円、月見360円、きつね380円です。じゃじゃ麺は460円になっています。9月の訪問でしたが、冷麺はありませんでした。変わりメニューに、冷やしのっけそば480円がありました。麺単よりも、セットメニューにお得感があります。内容不明のサービスセットは、ワンコインの500円。カレーセットでも520円で食べられます。内容不明の「定食」440円もあり。外観的には、暖簾が廃されていました(写真は左から2枚目。2015/9、確認)。

※2018/4、再食。券売機がタッチパネル式になっていたので、一応写真を貼っておきます(左から3枚目)。値段等、目立った変化はありません。メニューも、ミニ丼の種類が増えた程度で、大きな変化はありません。ちなみに、前回「内容不明」と書いていた「定食」には写真が添えられて、「たぬきそば+ご飯+生卵+お新香」であることが判明しました。思っていたよりもお得感のあるものでした。これは写真を出して正解だと思います。
  今回は、以前から気になっていたじゃじゃ麺460円を食べてみました。麺はうどん麺を使い、肉味噌・千切りキュウリ・紅生姜・ネギをトッピングします。つゆはないので、最初に全部しっかり混ぜ合わせてから食べます。味覚的には、肉味噌の豚肉と紅生姜の相性が良く、豚の生姜焼きのような風味が漂います。ネギと味噌の相性も良いので、麺がちょっと安っぽいことを除けば、悪くないです。ただ、残念なのは盛岡のじゃじゃ麺には必須とも言える「ちーたんたん」の用意がないこと。卵があるのだから、「もどき」であっても近しいものが作れそうに思うのですが……。一考の余地ありだと思います。
  訪問は、土曜の7:30頃。フェザンにオープンした「蕎麦にはち」の翌日に実食。「蕎麦にはち」がおおいに賑わっていたので、こちらは閑散としているのではないかと心配していたのですが、先客1・後客5とそれなりに入っていました。こちらの方が多少なりとも安いし、フロアがゆったりしているので、狭いところで窮屈に食べるよりものんびり食べたい人はこちらまで足を延ばすのかもしれません。ちょっとホッとしました。


※2019/4、再食。まず、改装していました(写真は右端が最新)。変わったのは外回りだけで、内装は特段変わっていません。メニューや値段等にも、目立った変化はありません。
  今回は、県産山菜そば490円を食べてみました。トッピングされる山菜は、長さ5cmくらい、太さ1cmくらいのフキが主体。珍しい構成でした。そのほかに、ワラビ、姫竹、ウドが入っています。ウドは栽培ものの白いものではなく、深緑で香りの強い山ウド。水煮でも、なかなか香りがよいです。フキもしっかり香り、全体的に香りの強い内容で印象に残りました。山菜そばはあまり個性が出にくいメニューだと思っていましたが、これは革新的。山菜そばとしては、暫定全国1位に躍り出ました。値段的に特段割高感もないので、ぜひオススメしたいです。
  平日8:00頃の訪問で、先客2・後客1。朝の需要はこのくらいでしょうか。立地的要因もあって、下記「蕎麦にはち」より空いている印象です。「蕎麦にはち」が混んでいるタイミングで落ち着いて食べたいなら、こちらへ回るのも手です。


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「はやて」  実食日:2012/12

  改札外、東口側駅舎1階、おでんせ土産館の北側。駅舎の内外両側に出入口がある(写真は駅舎内の出入口)。店舗名は「フェザン店」。立ち食いカウンターのみの店で、キャパは12〜13人といったところか。
  麺は、乱切りの茹で麺。上記「南口店」と同じ麺だろう。つゆはやや甘めで美味しい。かけ280円、月見330円、きつね(「大きつね」と表記)340円など。「南口店」とは、若干ラインナップや価格設定が異なるようだ。変わりメニューというか、変わり麺に「じゃじゃ麺」440円がある。冷麺は見当たらなかった。実食が冬場だったからかもしれないが、「南口店」実食時には冬場でも扱っていた。今回は「南口店」を覗かなかったので、経年変化の可能性もあるが。丼は、東北らしい赤い漆器風。


※相変わらず、南口店とはメニューが少々異なっています(運営業者も異なる)。南口店にはないたぬきがあります(350円)。他メニューは少々値上げしていて、かけ300円、月見350円、きつね380円(表記が「大きつね」から「きつね」に変わっている)です。おそらく伯養軒時代の名残であろう三食そば420円も健在です。外観的には、暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現。2015/9、確認)。

※閉店(「蕎麦にはち」化)していました(2018/1、確認)。

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「蕎麦にはち」  実食日:2018/1

  北口出口脇、上記「はやて」(フェザン店)の跡地。2017年7月のオープン。店名だけでなく業態もガラリと変わったのだが、運営会社はNREのまま。これまで盛岡駅には「はやて」という名の駅そば店が2軒あって、それぞれ運営業者が異なるという変な体制だった。そのモヤモヤ感が解消された形になる。出入口が駅舎内と外側にある造りなど、基本的な構造は「はやて」時代と同じ。ただし、一部の席に椅子が配されるなど、内装は少々変更されている。客席は、椅子付きカウンター6席+立ち食いカウンター13人分くらい。食券制で、券売機の位置がちょっと微妙。券売機に3人以上の行列ができると、店内の動線がかなり遮られてしまう。フロアが狭い店だけに、券売機を外に出せればベストなのだが。
  味覚的に、「はやて」時代とはまったくの別物になっている。麺は、注文後茹で(押出製麺)の二八そば。やや幅広の麺で、薄いグレー色。少しボソッとする食感。つなぎがあまり強くない。そばの香りはまずまずある。ちょっと残念に感じたのは、麺が2〜3本くっついて束になったようなところがあったこと。押し出した先の茹で釜が小さいか、あるいは箸などで泳がせるのをサボったか。つゆは、比較的あっさりした中に、醤油のコクというか大豆そのもののような風味を内包している。パンチ力はないが、飲み干しやすいつゆだと思う。たぬきは、やや油強めの天かす。総じて「はやて」時代よりもだいぶ本格志向になっているだけに、値段も少々高めになった。たぬき420円、かけ350円、かき揚480円など。変わりメニューに、ワカメ+メカブ+とろろの「三陸そば」550円、北上コロッケそば530円。午前10時まで限定の朝メニューがあり、これがかなりお得な設定。実食した朝そば360円は、たぬき+生卵+ワカメという内容。普通にトッピングを単品追加すると600円になる内容だから、半値に近い設定だ。もっとも、ワカメは少量だけど。ちなみにワカメは三陸産で、乾燥水戻しではあるが、ハリハリした食感は良い。この他にも、ミニそば+ミニご飯(鮭ご飯or明太子ご飯)で380円という設定がある。メニューに関して個人的にちょっと寂しかったのは、「三食そば」がなくなってしまったということ。これで、伯養軒時代の名残と呼べるようなものが完全に消えてしまったわけで、昭和の頃から駅そばに親しんでいる人にとってはちょっと切ないのではないかと思う。そば湯ポットあり。唐辛子は一味。箸はエコ箸。
  7時開店のところ7:01に訪問。先客1・後客5と盛況だった。女性を含め、皆さん立ち食いカウンターで食べている。座って食べたのは、私だけだった。


※2018/4、早速再食。ミニかつ丼セット680円を、せいろでいただきました。せいろそばは、温そばに比べて食感が強調され、重厚なホグッとした歯ごたえを楽しめます。そばの香りも濃厚に感じられ、とても美味しいです。時折、星の部分がカリッと歯に触るところで、好き嫌いが分かれそうな気はしますが。ワサビも練りものではない本生で、よく香ります。一方、かつ丼は少々残念なものでした。玉子とじの塩梅は悪くないのですが、カツの肉が薄く、旨みが足りません。刻み海苔が散らしてあるので、香りに紛れてなおのこと肉の存在感が弱くなっています。味付けに問題はないし、一緒に玉子でとじるタマネギの食感も悪くないので、勿体ないですね。トンカツだけ変えればかなり印象が良くなりそうです。
  今回は、平日21:30頃の訪問で、先客7・後客9でした。閉店近い(22:00閉店)時間帯だというのに、よく入っています。23時まで営業しても収益が見込めそうですが、フェザンとしての決まりごとなのでしょうか。これだけ流行ると、南口の「はやて」の動向が心配になってきます。

※2019/4、再食。気になっていた三陸そば550円を食べてみました。トッピングはワカメ・メカブ・とろろで、ワカメとメカブは三陸産。とろろは青森県産とのこと。三陸産のワカメは肉厚で歯ごたえが強く、輸入ものの乾燥カットワカメとはまるっきり違います(もっとも、この店で使っているのもカットワカメだと思いますが)。とろろとメカブはつゆに拡散しやすいので、つゆを飲まない人にとってはやや勿体ない系のメニューになりそう。つゆ完飲派にオススメしたいメニューです。値段的にやや高い気はするものの、トッピングをすべて北東北産で揃えた点は素直に評価したいです。
  平日18:00頃の訪問で、先客2・後客2。夜のピークにはまだ少し早い時間帯なのか、わりと空いていました。


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★花巻駅(JR東北本線・釜石線)
「そば処 花巻」  実食日:2008/4

  改札を出て左のフードコートの一番奥。座席はフードコート共通のスペースになるのだが、フードコート内に同居しているのはアイスクリーム店とパン屋なので、ほぼ駅そばのための座席と言っていいだろうか。酒類やおつまみも扱っているので、夜に簡易居酒屋として利用する手もある。ホーム側にも窓口が開いているので、ホームで食べることもできそうだ。かつてこの場所には「こけし亭」があったと記憶しているのだが、伯養軒が倒産してNREが経営を引き継ぎ、改装して構えも店名も「いかにもNRE!」という感じになってしまっている。「こけし亭」時代に1回食べておきたかったというのが本音だ。
  麺は太めの茹で麺で、「乱切り」というほどではないが太さにややばらつきが見られる。まずまず美味しい。しかし、一方のつゆは薄くていけない。もう少し塩気がほしい。月見330円、きつね340円など。変わりメニューには賢治そば(たぬき+きつね+温泉卵+山菜+ナルト2枚で470円)のほか、学割そば(330円)がある。かけ270円よりも高い設定なので、何かトッピングが乗ると思うのだが、食べていないので詳細は分からない。なにしろ私は学生ではないので。


※値上げ(かけ270→280円、きつね340→350円など)していました。学割そばも340円になっています(2009/9、確認)。

※2010/1、再食。「賢治そば」を試しました。まぁ、まぁ。トッピングのせいもあって、全体的に甘めな味覚です。弁当も販売していて、「賢治弁当」があります(840円)。

※値上げしていました。現在、かけ300円、月見360円、きつね370円、賢治530円です。学割そばは終了し、ご飯ものや弁当類が増えています(賢治弁当は950円に値上げ)。花の巻寿司420円あたりは、ちょっと気になる存在です(値−1点。2018/1、確認)。

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★北上駅(JR東北本線・北上線、東北新幹線)
「こけし茶屋」  実食日:2005/9

  在来線西口改札の外、待合室内にある。東北の各駅に「こけし亭」という店がよく見られるが、この「こけし茶屋」はそのグレードアップ版といったところだろうか。そば・うどんはもちろん、飲み物や定食類も豊富に揃えており、様々な用途で使えそうである。
  ただ、値段的に若干「こけし亭」よりも高いのだろうか、天(メニュー名は「野菜かき揚げ」)は410円だった(2002/8の時点では、「こけし亭」では370円)。連食していないので、味覚的に異なるのかどうかはちょっと判断がつかない。さほど大きな差はないと思われるが。たぬきなし、かけ270円。変わりメニューに、大揚そば(430円)というのがある。
  なお、店舗入口は駅舎の外側にもある。改札を隔てているわけではないので、鉄道利用者にとってはそれほど意味のあることとは思えないのだが、車でちょっと寄って食べるには便利かもしれない。


※閉店(「はやて」化)していました(2010/1、確認)。

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「はやて」  実食日:2010/1

  西口改札外、待合室内。上記「こけし茶屋」の跡地。「こけし茶屋」時代は店内食スタイルだったのだが、「はやて」になって露出店に変わった。一応、待合室とは暖簾で区切られた椅子席が4つほどあるのだが、ここを利用する人はほとんどいない。冬場は寒いためかもしれない。利用者の多くは、待合室に露出した立ち食いカウンターか、待合室内のベンチで食べている。
  味覚的には、乱切りと言うほどではないが太さが揃っていない茹で麺に、薄いというか浅いという感じのつゆ。麺は比較的好みだが、つゆはちょっと物足りない。値段構成は「こけし茶屋」時代とは大きく変わっていて、かけ280円、天390円。今回実食した玉子そば(340円)には焼き海苔が1枚入っていた。変わりメニューは特にないが、ラーメン・牛丼・カレーライスも扱っている。


※値上げしていました。現在、かけ300円、玉子360円、天420円です。そばメニューはオーソドックスなのですが、それ以外のメニューに面白味があります。ラーメン類は、ラーメン420円のほかに和風400円・みそ530円・ホルモン480円・海の幸580円と揃っています。海の幸ラーメンは、海老やイカなどではなく海藻類がたっぷりトッピングされるようです(和風とホルモン以外は、2010年の時点であったメニュー)。また、海鮮丼450円があります(2010年時点ではなかったメニュー)。値段的にも、ちょっと魅力的に感じます(付+3点。2017/4、確認)。

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「あじさい」  実食日:2013/12

  新幹線改札内コンコース。コンコースに露出した立ち食いカウンターがメインだが、ガラス張りの待合室内にも受渡口があり、待合室内のベンチに座って食べることもできる。というか、券売機はコンコース側にあり、コンコース側で食券を出しても、おばちゃんに「待合室内でどうぞ」と言われ、商品は待合室内の受渡口から出てくる。12月の寒い朝だったから、気を利かして温かい待合室内を勧めたのだろう。
  麺は太めで、太さに少々ばらつきのある茹で麺。質感があって、個人的には好み。つゆは雑味が少なく、甘さ・辛さともちょうどよい加減。赤い漆器風の丼で提供されるのが東北らしくて良い。かけ260円、かき揚げ天390円など。在来線待合室の「はやて」とともに、旧NREの店舗だが、その後組織再編でNREからは分離している様子。2店間でメニュー構成は若干異なっている(「はやて」の方がレパートリーが多い)が、同経営であると推察。味については、連食していないので推量の域を出ないが、麺に関しては同一であると思う。


※値上げしていました。現在、かけ300円、かき揚天420円です(値−1点。2018/1、確認)。

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「ごはんどき」  実食日:2019/4

  東口を出て、ロータリーを右に回り、道路に出たら右へ。すぐの突き当りを左折し、またすぐ先の突き当りを右折して2分、右側。パチンコ店「マルハン北上店」の外側。いわゆるパチそばだが、パチンコ店内からは直接出入りできない造りになっている。パチ客が利用するためには、一度建物の外に出て、外壁沿いに歩いてのアクセスになる。不満が出ないのだろうか。パチンコをやらない私にとっては、騒々しい店内の音がシャットアウトされるのでありがたいが。客席は厨房を囲むL字型椅子付きカウンターのみで、20席ほど。
  麺は、おそらく冷凍。細めで、そばの香りは微かにという程度。「ごはんどき」というと、最近は東京のチェーン「そば助」とのコラボをアピールしている店舗を多く見かけているのだが、ここではそのような表示が見当たらなかった。店舗ごとに違うのか、それとも期間が終了したということなのか。つゆは、うすくち醤油ベースだった。特段出汁が香るという感じではなく、塩気もどちらかというと控えめ。甘みが少々あるけれど、ややモヤッとした印象が否めない。それでも、ベタッと平たい甘だるさがないだけでも、パチそばとしては悪くない部類。たぬきなし、かき揚げ530円、きつね460円など。天ぷらおろしに「おすすめ」マークがついていたが、680円と高値。オススメするのはいいけれど、ちょっと煩わしさも感じる。というのも、入店して券売機前に立ったときに、店員がわざわざ私のそばまで寄ってきて「天ぷらおろしがオススメです」と声をかけてきたのだ。悪気はないのかもしれないけれど、私は自力でじっくり選びたいので、放っておいてほしい派。こうやっておせっかいされると、かえって食べたくなくなる。実食は、かき揚げそば。かき揚げは冷凍ものの注文後揚げと思われる。ややオーバー気味の揚げだったが、個人的にはアンダー美味よりはオーバー気味の方が好き。カリッとしていて、香ばしさが強い。そば・うどんのほかにも、ラーメン、丼もの、定食類などいろいろあり。全体的に値段が高い印象だけれど、ミニそば120円やチャーハン250円、唐揚げ+ごはん310円などメインディッシュとセットにすることが前提になるものをうまく取り入れれば、それなりにお得に食べられそうだ。箸はエコ箸。
  平日11:04の訪問(11時開店)で、先客0・後客2。私がこの日の一番客だろうか。北上駅には駅構内にそば店が2店舗あるから、なかなかここまで足を伸ばす機会は多くないだろうが、ご飯ものやセット系を食べたくなった時のために、頭の片隅に留めておいてもいいかもしれない。


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★水沢駅(JR東北本線)
「はやて」  実食日:2010/9

  改札外、待合室内。待合室に露出する形で営業している。カウンターでの立ち食いもできるが、待合室内のテーブルが一部利用可というか、「はやて」用の座席になっている(割箸や七味などが置かれている)。
  麺は太めで、太さに少々のばらつきがある茹で麺。悪くない。ただ、つゆの味が薄いというか、奥行きがないというか。サッパリした印象。もう少し甘みや出汁感があってもいいのかな、という気がする。ご飯ものやラーメンなども扱っているが、これといった変わりメニューはない。メニューにももう一工夫欲しいというのが本音か。かけ290円、天370円など。


※値上げしていました。現在、かけ310円、かき揚げ390円です。ラーメンにおでん、肉まん、酒類にコーヒーなど、いろいろあります(値−1点、付+1点。2018/1、確認)。

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★平泉駅(JR東北本線)
「平泉待合そば」  実食日:2006/10

  改札出て右、待合室内。テーブル席がたくさんあるが、売店の陳列棚が僅かに衝立状になっているだけで、基本的には露出店である。この衝立状の売店は駅そばと同経営だが、隣にあるKIOSK型売店は別経営になっている様子。話好きのおばちゃんを含め、アットホームな雰囲気に満ちている店である。
  麺は、太めの茹で麺。柔らかくてコシがなく、太めなのに「食べ応えがある」という感じではない。つゆも塩気が薄く、ちょっと物足りない感じ。立地上、年輩客が多いと思われる(平泉は中尊寺の最寄り駅)から、意図的に麺を柔らかく、塩分を控えめにしているのかもしれない。ここでは山菜なめこそば(390円)を食べたのだが、山菜(塩水漬け)がしょっぱく感じるくらい、つゆは薄い。我々の世代にとっては、もう少し濃い方がいい。なお、山菜なめこそばには、なめこは3つくらいしか入っていない。ほぼ「山菜そば」である。他のメニューは、かけ270円、きつね・月見300円、天370円など。


※閉店していました。売店部分と合わせて、KIOSK化しています(2010/9、確認)。

※駅舎がリニューアルされ、「KIOSK」が「NEW DAYS」に変わりました。いずれにしても、駅そばの復活はありません(2019/4、確認)。

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★一ノ関駅(JR東北本線・大船渡線、東北新幹線)
「生そば(あべちう)」  実食日:2007/9

  1番ホーム中ほど。普通、こういう場所にある駅そばは改札外からも利用できるようになっているものだが、この店は改札外側には窓口がない。駅弁業者の店で駅弁も販売しているが、看板の隅に「NRE」の文字列を認めた。ここにもNREの資本が入っている様子。
  この店のそばは、コシがなくてすぐ切れる麺。そして、微妙に刺激臭がある。実食はとろろそば(380円)で、刺激臭があったのが麺なのかつゆなのかとろろなのか、よく分からない。かけ270円、天370円などのほかラーメン(400円)もあり、ラーメンに限り学割制度がある(320円)。

※値上げ(かけ270→290円、天370→380円など)していました(2009/9、確認)。

※2014/1、再食。価格等、変化ありません。乗り継ぎ時間が短い場合でも食べられる「みそこんにゃく」(1本100円)も扱っています。

※値上げしていました。現在、かけ300円、天400円、ラーメン430円、学割ラーメン350円です(値−1点。2017/4、確認)。

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「菜のはな」  実食日:2011/7

  西口改札外、待合室内。駅弁店を併設しているので「NREかな?」と思ったら、やはりそうだった。店舗は待合室に露出していて食べるスペースはほとんどないに等しいのだが、待合室内に巨大なテーブルが出されていて、そこでのんびり食べることができる。仮にテーブルが埋まっていたとしても、待合ベンチで食べることもできるだろう。
  麺は、茹で麺。太く、微妙に乱切り。悪くない。つゆは、醤油の味が強めに出ているタイプ。東北らしく、漆器風(イミテーション)の赤い丼で供される。たぬきなし、かけ290円、天370円など。


※値上げしていました。現在、かけ310円、かき揚げ天390円です。変わりメニューに、黄金そば470円があります。「きつね+山菜+ゆで卵」のそばに、きなこ餅がセットになるようです。具材やきな粉の色合いからの命名でしょうか。個人的には、当地の名物である「えび餅」とのセットで食べてみたいところです(2015/9、確認)。

※2018/1、再食。値段等、変わっていません。仕事の関係であちこちでラーメンを食べなければならず、めかぶラーメン550円をいただきました。醤油ラーメンにメカブをトッピングした、見た目にはとてもシンプルな一杯です。ただ、スープのベースが豚骨を利かせたコッテリ仕様なので、味覚的にはかなりの変化球であるように感じました。メカブの香りが一瞬だけ口腔内を漂い、すぐに豚骨が上書きします。それでいて、食後の余韻はメカブ。まぁ面白いことは面白いのですが、相性としては鶏ガラか野菜系スープのあっさり醤油ラーメンの方がよいのではないかなと感じました。

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「芽吹き屋」  実食日:2019/4

  在来線側の西口を出て左、駅舎外側。基本的には、一ノ関名物の餅を中心とした簡易的な郷土料理店。メニューは甘味系が多いから、和風喫茶的な色合いが濃い。しかし、力餅そば600円をはじめ、そば・うどんメニューがいろいろあり、値段的にもギリギリ対象に含められるかなというレベルなので、地方&駅舎内ということで特例を適用してしまう。個人的には、値段よりもフルサービス&後払いで厨房クローズという点がやや微妙かなと感じるところではあるけれど。客席は、テーブル席が4人×4、椅子付きカウンターが4。
  厨房クローズということもあり、麺種は不明。そばの香りはあまりなし。見た目に丸麺ではないが、エッジが欠けた感じの舌触り。少し粉っぽさを感じさせるような噛み心地。冷凍麺かな。つゆは、出汁はさほど香らず、やや平たい味。総じて、フルサービスの店としてはやや残念な味だが、駅そばと考えればまぁ水準級だろうか。実食は、力餅そば。トッピングは、丸餅1個+きつね(三角形2枚)+刻み海苔。別皿で玉子焼きと細かく刻んだ野菜の醤油漬け「のっけ漬け」が添えられる。餅は、甘みがあってとても美味しい。そして、とてもよく伸びる。名物を謳うだけのことはあり、なかなか印象的なものだった。個人的には、他の地域にはない「エビ餅」を乗せてくれたらなおよかったな、と感じた(エビ餅は、単品も含めてメニューになし)。きつねは、極めて薄味。つゆに香りがないタイプだから、刻み海苔で香りを演出する工夫は悪くないだろう。他メニューは、かけ410円、きつね470円、野菜かき揚げ520円など。変わりメニューに、わかめかつおどり700円、三元豚の生姜焼き和え700円。餅料理としては、餅グラタン750円が看板メニューになっている。ちょっと気になるね。箸はエコ箸。
  平日13:00頃の訪問で、先客4・後客4。2人連れ以上のグループ客が多い様子で、ひとり客は私だけだった。駅そば感覚でも利用できるけれど、少し時間を使ってゆったり利用する人が多い印象だった。速食するなら待合室内に「菜のはな」があるのだから、むしろちょっとゆっくりできるところが売りなのかもしれない。


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★新花巻駅(JR釜石線、東北新幹線)

「うどんそば」  実食日:2003/4

  新花巻駅は在来線と新幹線の駅舎がちょっと離れており、在来線の方は完全な田舎駅。駅そばは新幹線の駅舎、改札を出てすぐ左にある。値段はやや高めで、天420円。味は並、量は少なめ。それほどレベルが高いとは思えない。唯一印象に残ったのは、制服姿の駅員さんが隣で食べていたということ。東京近郊の駅そばではちょっと考えられない光景だ。
  なお、変わりメニューに“賢治そば”がある。さすがは宮沢賢治のホームタウン。

※閉店していました。一帯がガラリと様変わりしていて、少し場所を変えて「イーハトーブの里」がオープンしています(2011/7、確認)。

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「イーハトーブの里」  実食日:2011/7

  新幹線改札を出て右手にあるNRE店。建物はわりと大きいのだが、厨房が広くて客席は手狭。駅弁販売窓口もあるので、一層手狭な印象が強くなっている。どちらかというと、弁当販売の方がメインなのだろうか。
  麺は微妙に乱切りの茹で麺で、一ノ関「菜のはな」と同じではないかと思われる。つゆは平均的なタイプで、一ノ関と同じであるかどうかは量りかねた。つゆは、同じマテリアルを使っていても出来が異なることが多いので。丼は赤い漆器風で、かなり大きなものを使用しているため、かえって中身が少なく見えてしまう(実際には並量はある)。かけ280円、天420円など。変わりメニューに、賢治そば580円、花巻そば590円、合鴨そば650円がある。花巻そばは、特厚(3センチほど)の油揚げとエビ天がトッピングされる。油揚げはたいへん美味しかったのだが、不思議と「きつね」というメニューがない。油揚げだけを乗せたそばを用意してほしいところだ。全体的に、かけに比べて種物がかなり高い印象が否めない。一番お得感があるのは、かけそばか、比内地鶏親子丼セット650円か。比内地鶏親子丼の単品注文ができないのも辛い。何かと不自由の多いメニュー設定になっているように感じられたのが残念だった。


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★釜石駅(JR釜石線・山田線、三陸鉄道リアス線)

「こけし亭」  実食日:2002/8

  JR改札と三陸鉄道改札の中間にある店。椅子席はないが、側にベンチがたくさんあるので、丼を持ちながらではあるが、一応座って食べることはできる。私が食べたのは朝イチだったが、周囲に飲食店がないからか、かなり賑わっていた。おばちゃんがテンパッてしまうほどだ。ここの特徴は、三陸地方らしい変わりメニューがあるということ。三陸帆立そば(400円)には、甘く煮付けた帆立3匹プラスめかぶが入る。400円は結構お値打ちなのではないだろうか。三陸リアスラーメンは500円、天そば370円、“たぬき”はない。

※閉店していました。跡地は自販機コーナーになっています。待合室内に、新たに「そば処 釜石」がオープンしています(2009/9、確認)。

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「そば処 釜石」  実食日:2010/9

  JR改札外、待合室内。上記「こけし亭」とは異なる場所にオープンしている。待合室との間仕切りはなく、半露出する形の立ち食いカウンターのみ。待合室内の座席を利用して食べることもできそうだ。
  「こけし亭」時代に名物になっていた帆立そばが、業者代わりした今も健在(420円)。これを試してみた。トッピングは、大粒ホタテ1つと、めかぶ。「こけし亭」時代には味付けされたホタテが乗っていた記憶があるが、現在は水煮を使用。それなりに出汁も出ていると思うのだが、それ以上にめかぶの風味が前面に出ている。なかなか心地よい味覚だ。ただ、つゆの甘みが強すぎて、若干磯の香りとケンカしていたような気もする。麺はこれといった特徴のない茹で麺。たぬき320円。他の変わりメニューとしては、リアスラーメン(500円)がある。これも、「こけし亭」から受け継がれたメニューだ。


※2011/7、再食。特段の変化なし。3月の東日本大震災で津波を被りましたが、見事に復活しています。

※2014/6、再食。値段が上がっています。現在は、たぬき340円です。帆立そばは450円、リアスラーメンは550円に上がっています。また、震災後に新規発売された海鮮ラーメン680円があります。値段は高めですが、駅そばで出すラーメンとは思えない具材感で、この店の良い特徴になっていると思います(値−1点、付+1点)。


※2021/5、再食。前回の訪問は消費税5%の時代で、その後2度にわたって消費増税があったこともあり、だいぶ値上げしていました、現在、たぬき400円、リアスラーメン650円です(値−1点)。帆立そばと海鮮ラーメンは、残念ながら終了していました(付−1点)。代わって、ラガーラーメン650円というラーメンメニューが登場しています。釜石はラグビーが盛んな街なので、そこに由来するネーミングでしょう。
  今回いただいたのは、そのラガーラーメン。ベースは味噌で、ピリ辛仕立てです。トッピングは、モヤシ、ワカメ、メンマ、チャーシュー。ノーマルなみそラーメン(600円)と同じ具材を乗せるようです。ピリ辛と言っても、それほど刺激的な辛さではなく、辛いものがあまり得意ではない人でも大丈夫なレベルです。逆に言うと、辛いもの好きにはやや物足りないかも。市内の道の駅にもあったメニューなので、ご当地ラーメンとして普及促進が図られているものかもしれません。
  平日12:15頃の訪問で、先客1・後客4。昼時でも、行列ができるようなことにはならないようです。店内の立ち食いカウンターで食べる人はほとんどおらず、皆さん待合室内のテーブル席を利用していました。コロナ対策のパーティッション等は、ありません。


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★区界駅(JR山田線)
「区界高原ファーストフード」  実食日:2015/8

  駅を出て、正面の国道106号線を渡って右へ2分。道の駅「区界高原」内。間仕切りのない店だが、客席(椅子付きカウンター)部分にはすだれの目隠しが掛かっている。半露出店と言っていいだろうか。椅子付きカウンター7席と、立ち食いカウンター5人分くらい。返却口が、左手奥のちょっと分かりにくい場所にある。食券制の店で、そば・うどんのほかにラーメンや各種スナックフードを取り揃えている。
  麺は生麺だろうか。乱切りタイプで、太さだけでなく長さも揃っていない。短いものは2センチくらいしかない。ボソボソした食感が連想されるビジュアルだが、歯ごたえ・舌触り・風味は茹で麺のような感じだった。つゆはかなり甘かったのだが、これは実食が肉そばだった(煮汁が染みていた)ためと思われる。もとの味がちょっと分かりにくかった。肉は牛肉で、脂身の多い細切れ肉。クズ肉なのだろうが、ファストフード感覚のそばにはよく合うと思う。ちなみに、東日本では肉そばには豚肉を使うことのほうが多い。この店で牛肉を使っているのは、地域性ということではなく道の駅「区界高原」が牛肉を前面にアピールする施設だからだろう。道の駅の愛称は、「ビーフビレッヂ区界」だ。たぬきなし、かけ310円、天410円、肉510円。変わりメニューに、キムチそば410円。また、そばつゆ+中華麺の「道の駅そば」310円がある。ラーメンは、醤油450円・旨辛500円・磯650円の3種類。岩手県沿岸部のラーメン店では磯ラーメンが定番だが、この場所はだいぶ内陸部なので、やや微妙。スナックフードの中では、しそりんごソフトクリーム280円が気になる存在だ。


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★宮古駅(JR山田線、三陸鉄道リアス線)
「駅そば(KIOSK)」  実食日:2009/9

  改札を出て右、待合室を突っ切ってトイレ方面の出口を出て左すぐ。朝のラッシュ時間帯のみ使用される臨時改札を出てすぐの場所なので、朝に限ってはすごく良い立地である。日中は改札や駅を出た時点で見えない場所になるので、旅行者などにはなかなか認知されにくい場所かもしれない。立ち食いカウンターのみの露出店。
  この店では、麺はそば・うどん・そうめんの3種類を用意している。そばはコシのない細茹で麺で、プツプツと切れやすい。風味も弱いので、それこそ「そうめん」のような食感だった。つゆは、塩気は充分にあるのだが、出汁が弱く、淡泊な印象。かけ290円、月見330円、天390円など。私が注文したえび天そば(390円)は、えびが大きく、なかなか好印象だった。駅そばのえび天そばは、甘えびサイズに衣の十二単を着せるのが定石だが、この店は比較的良心的だ。野菜天と同じ値段なら、えび天の方がお得感がある。なお、店頭に「周辺がよごれますので、残ったどんぶりの汁はまき散らさないで、そのまま返却してください」との注意書きがあるのだが、まき散らす人がいるのだろうか。東京の人間としては、まったく考えられないことなのだが。


※消費増税分だけ値上げしていました。現在、かけ300円、玉子340円、野菜天400円、えび天400円です。そば・うどん・そうめんという3種の麺類に対応しているのは、以前と変わらず。持ち帰り(お土産として)用の麺・つゆのセットを販売しています。また、おしるこや郷土料理の「あずきばっとう」の販売もあります。閉店時間が早い(営業時間は6:30〜14時)ので、朝食か昼食での利用でどうぞ(付+1点。2015/8、確認)。

※2021/5、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ(「そば」と表記)310円、玉子350円、野菜天410円、えび天410円です。麺は、相変わらずそば・うどん・そうめんの三択になっています。あずきばっとう(300円)も健在ですが、聞いてみたところその場で食べる仕様ではなくお土産用だそうです。
  今回いただいたのは、そうめん。トッピングは、前回訪問時にはなかったように思う「宮コロッケ」で(付+1点)。麺は、油を使って伸ばしているようで、ツルツルした食感でした。極細ですが、箸で持ち上げただけで切れてしまうようなことはなく、しっかりつながっています。宮コロッケは、いわば魚肉コロッケ。九州では「ギョロッケ」と呼ばれることが多いタイプのもので、細かく刻んだカマボコにワカメとタマネギを合わせ、パン粉の衣をつけて揚げています。弾力があって、面白い食感。サイズもなかなか大きく、単品価格150円の設定にはお得感があります。
  平日8:15頃の訪問で、先客2・後客2。駅周辺に朝から営業している飲食店がないためか、なんだかんだで途切れることなく客が入っています。一定の需要がある様子で、安心しました。コロナ対策のパーティッション等は、設置されていません。


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「フードオアシス満彩」  実食日:2015/8

  駅を出て左前方(三鉄の場合は駅を出て正面)にあるショッピングセンター「キャトル宮古」の4階。フードコート形式ではないレストラン街の一角にある。券売機で食券を買うと自動的に厨房にオーダーが通るシステムを導入している。配膳・下げ膳は、セルフ。店内は広く、テーブル席と椅子付きカウンターが多数(合計50席以上)。ファミレスっぽい内装の店で「駅そば」というムードではないが、システムと値段、そして出来上がりまでの早さから当サイトの掲載基準を満たすと考える。なお、店名については、当サイトでは看板に記載の文字列を採用しているが、食券にはひらがなで「ふーどおあしす満彩」と印字されている。
  麺は生麺と思われ、少々ぬめりがある。歯ごたえ・風味とも、まずまずといった印象。つゆは、カツオと昆布のブレンドか。酸味が少なく余韻が完全に昆布なので、どちらかというと昆布の方が勝っている印象。たぬきは細かい天かすで、ゾル化するタイプ。量が少なめなので、つゆを完全に吸ってしまうようなことはなく、さほど気にはならなかった。たぬき400円(水菜・カマボコ入り)。ひとつ難点だと感じたのは、丼が縁から底まで全体的に熱くなるタイプのもので、持ちにくかったということ。それ以外は、これといった欠点はなく、ソツなく利用できる感じだ。席数が多くて長居ができるタイプの店なので、列車の待ち時間がちょっと長いときなどに喫茶店感覚で利用するとよいかもしれない。駅舎内の上記「駅そば(KIOSK)」では5分で食べ終わってしまい、時間をつぶせないので。


※消費10%増税に伴う値上げはありませんでした。現在も、たぬき400円です。そば・うどんのほかにも、ラーメン、丼もの、定食類、喫茶などいろいろあります。ドリンクバー200円もあるので、時間がガバッと空いてしまったときにも便利な店です(2021/5、確認)。

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「楽屋」  実食日:2021/5

  駅を出て左、自由通路で線路を渡り、左前にあるパチンコ店「WINS宮古」内。駅の裏手で、従来は大きく迂回しなければたどり着けないエリアだったのだが、2019年に自由通路が完成したおかげでこの辺りも徒歩圏内に入った。駅のすぐ裏(自由通路で直結)に市役所があるから、基本的には市役所を訪問する人たちの便宜を図っての自由通路建設なのだろう。この店は、駅から見てパチンコ店の裏側にある。パチンコ店のメインエントランスも裏側。自由通路ができる前からあったパチンコ店なんだろうなと想像できる造りだ。この店はいわゆるパチそばだが、十割そばを売りにしており、平均的なパチそばに比べるとだいぶ期待値が高い。さてさて、どんなそばをいただけるのか。食券制で、客席は厨房と対峙する椅子付きカウンター8席のみ。
  麺は、更科と田舎の2種類があり、選べる。私は田舎を選択。客席から見えるところで、押出式で製麺していた。つまり、生麺茹でたて。わりと太めで、断面偏平形。グレーが濃く、大粒の星がたくさん見られる。香りは、十割のフレーズから考えるといくぶん物足りない感じだが、食感は少しモサ感があってそばらしいもの。パチそばとしてはかなりハイレベルな部類だろう。製麺機のアタッチメントを変えるだけで太さを自由自在に変えられるだろうから、更科は白っぽい細麺なのではないかと推察。つゆは、いまいち特徴に乏しいものだった。カツオ由来のものとは少し方向性が違うように感じる酸味あり。唐辛子との相性が良いようで、一味(七味は用意されていない)を振りかけるとサバ出汁のようなコクが生まれる。温そばで食べるのなら、一味をかけることを推奨したい。たぬき500円。この手の店としては値段が高い印象だが、十割そばということで許容。たぬきは、揚げ置きの天かす。やや油強めだが、手作り感があるのは良いと思う。各種天も店内で揚げていそうだ。そのほかのメニューは、かけ450円、かき揚げ600円、きつね500円など。うどんは扱わない。代わりにと言っていいのか、中華そばがある(550円)。ご飯ものは、丼もの3種。そばとのセットが前提になるのは、ミニかき揚げ丼250円だけ。親子丼やカツ丼もミニサイズを設定してくれるとありがたいようにも思う。総じて、パチそばとしては上々の出来。つゆよりも麺の方に重きが置かれているように感じたので、再度訪問する機会があればもり系を試してみようかなと思う。
  平日16:45頃の訪問で、先客2・後客0。客席にコロナ対策の個別パーティッションはないが、席間がずいぶん広くとられていた。コロナ前には、もっと席数が多かったのかなと思う。いや、もともとこの席数なのかも。というのも、客席と厨房の間にわりと高いパーティッションがあって、席と席の間の部分だけ切れていてそこから商品受渡しや丼の返却ができるような造りになっているから。こういう造り付けの設備はコロナ対策として一朝一夕で設けられるものではないと思うので。


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★大槌駅(三陸鉄道リアス線)
「大光そば」  実食日:2021/5

  東日本大震災で壊滅的な打撃を受けたエリアに、復興のシンボルとも言えるような立ちそばがオープンしている。場所は、駅を出て直進、突き当り(国道45号線)を渡ってから右へ4分。駅から歩いて5分前後という立地だ。建物はプレハブ小屋で、玄関先に上屋のあるテラスのようなスペースを増設。客席は、建物内に立ち食いカウンター6〜7人分くらい、テラス部分に立ち食いテーブル3人分くらい。椅子席はないが、テラスにはテーブルのないベンチがある(基本的には、満席時の待合ベンチだろう)ので、手持ち食いなら座って食べることもできる。精算方法は、食券制。
  麺は、茹で麺っぽい食感なのだが、ずいぶんと時間をかけて湯通ししていたから、冷凍か生の可能性もある(目視確認できず)。大きな茹で釜がるのに、わざわざ小鍋で湯を沸かして麺を投入していた。大釜をずっと火にかけているとランニングコストがかさむので、アイドルタイムはこのスタイルにしているのかもしれない。つゆは、味の方向性があまりはっきりしないモヤリ系。市販の麺つゆっぽさも感じる。こちらも、小鍋でひとりぶん沸かしていた。たぬきなし、かけ280円、天380円。面白いメニューとしては、「海そば」と「山そば」がある(ともに500円)。内容は確認していないが、単品トッピングのラインナップから推して、「海」はメカブやワカメが乗りそう。「山」は分からない。山菜やキノコといった単品がないので。また、肉そば400円は、鶏と豚がある。どちらにしても、ずいぶん安い設定になっているなと感じる。また、全てのメニューで、麺はそば・うどんのほかに中華麺も選択可。上越の「かけ中か」的な食べ方ができる(中華スープのラーメンはない)。ご飯ものは、単品はなく、そば・うどんとのセットのみ。かきあげ丼セット500円など、いずれもお得感のある内容。実食したのは、天玉そば450円。天は揚げ置きのかき揚げで、小ぶりながらも手作り感のあるもの。具材は、タマネギ、長ネギ、サツマイモ。玉子は後乗せでの対応だった。総じて、味覚的に特段秀でているということではない。しかし、釜石・宮古間では貴重な立ち食いそばということになるし、鉄道でも車でも寄りやすい(駐車場あり)場所なので、末永く続いてほしいと思う。箸はエコ箸。
  平日13:45頃の訪問で、先客0・後客0。この時間帯はアイドルタイムの様子。また、天が最後のひとつだったので、この後の時間帯にもそれほど繁忙することはなさそう。朝・昼が書き入れ時だろうか。なお、コロナ対策のパーティッション等はない。


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★雫石駅(JR田沢湖線、秋田新幹線)
「こびりっ子」  実食日:2011/7

  改札外、待合室の脇。そば・うどんの他にも様々なスナックフードを扱う店。立ち食いカウンターと椅子付きカウンターがあり、ゆったりした席配置になっている。
  麺は乱切り。プツプツと切れやすく、歯ごたえはあまりない。コシを重視する人には好まれないかもしれないが、香りはまずまずある。つゆは、やや一本調子で淡泊な味わい。天は自家製で美味。かけ+50円ならお買い得だ。かけ300円、天350円、山菜350円、エビ天400円。そばメニューはこの4種類のみ。他では、あねっこバーガー350円、山賊チキンバーガー380円、雫石ハンバーガー500円を「はみ出すバーガー三兄弟」として名物を謳っている。実際、そばとバーガーをセットで注文する人が多いようだ。次回は私も試してみたい。


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★久慈駅(JR八戸線、三陸鉄道リアス線)
「三陸リアス亭」  実食日:2009/9

  三陸鉄道の改札外、待合室内。露出店で、一応2〜3人分の立ち食いカウンターがあるのだが、あまりにも低すぎて食べにくいため、大半の人が待合室内のベンチに座って食べることになるだろう。おにぎりや弁当(名物の「うに弁当」があり、厨房内で盛りつけている)も扱っていて、客の多くはテイクアウト品を購入していく。そばを食べる人は多くない様子だ。
  あまり人気のないそばであるが、味覚的にはなかなかのものだった。麺は極太の平麺で、食べ応え充分。つゆは、味は濃いのだが雑味が少なく、飲みやすい。かけ290円、月見350円など、麺類メニューは7種。変わりメニューに、ほたてそば480円がある。ほたては4つ(半分にスライスしてあるので、2匹分)乗り、見た目の豪華さはなかなかのもの。東京でよく見るほたてに比べてベロ(生殖巣)が格段に大きく、見た目に圧倒される(赤いので、全部メスであるようだ)。煮付けてあるものではなくボイルしてあるだけのものを使用しているので、食べる前には「生臭いのでは?」と思っていたが、食べてみると違和感はない。むしろ、そばつゆとの相性はかなり良好であるように感じた。

※改装ということではありませんが、店頭に「うに弁当」の幟が出てちょっと賑やかなムードになっていたので、写真を貼っておきます(左:旧、右:現)。前食時からだいぶ時間が経っていることもあり、値上げしています。現在、かけ310円、月見360円、ほたて500円です。消費増税を2度挟んでいると考えれば、値上げ幅は僅少ですね。ちなみに、うに弁当は1570円です(2021/5、確認)。

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「そば処(あじさい)」  実食日:2009/9

  JR改札外待合室内。露出店で、立ち食いカウンター一列のみ。上記「三陸リアス亭」に比べるとそこそこ利用者があるようで、絶えず1人か2人くらいは客がいる、という状況だ。いずれにしても、JR・三鉄合わせても1時間に1本くらいしか列車が発着しない駅に2軒の駅そばが共存しているというのは、意外であり、嬉しくもある。
  「三陸リアス亭」に比べると、この店のそばは、ベースの部分では特徴に乏しい。麺は「普通」としか形容できない茹で麺で、つゆはやや濃いめ。どこにでもあるメニューを注文していたら、なかなか記事にするのが難しい味覚だ。しかし、この店には変わりメニューの「こはくそば」があった。ここ岩手県久慈市は、日本で唯一の琥珀の産地として知られ、駅そばもそこにヒントを得たメニューを開発したというわけだ。もちろん、琥珀がそのままそばに入っているわけではない。視覚的に琥珀を連想させる具材をトッピングしているのだ。乗せられるのは、茸の水煮と干し菊の千切り。茸はアミタケなど天然の地物を使用している。そのため、色合いが黒っぽい。これに、干し菊の黄色が加わることで、琥珀が日光を浴びてキラキラ輝いている様に模しているのだろう。干し菊は、香りがつゆ全体に広がるので、苦手な人は要注意。値段は、たぬき330円、こはく410円など。


※2010/1、再食。特段の変化なし。

※2014/10、再食。駅舎がリニューアルされ、店舗も改装していました(写真は左:旧、右:現)。値段が少々上がっています。現在、たぬき350円、琥珀420円です。琥珀は、従前は平仮名表記でしたが漢字表記に変わっています。新たに、まめぶinそば460円が発売されていました。琥珀そばに、久慈を代表する郷土料理「まめぶ」を追加したものです。まめぶとは、クルミと黒砂糖を団子の皮で包んだもの。甘さと香ばしさが独特です。味覚的に賛否が分かれそうな気もしますが、話題性は十分です(味+1点、付+1点)。

※残念ながら、閉店していました。構造物撤去済みで、跡地には何もありません。ベンチを増設するでもなく、ガランとしていて寂しいです(2021/5、確認)。

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★新田老駅(三陸鉄道リアス線)
「ファーストフード」  実食日:2021/5

  駅を出て左、ガードを潜る手前で右折して道なりに2分。右手にある5段ほどの階段を上がって国道45号線に出たら、これを渡って左へ1分。道の駅「たろう」内。道の駅たろうは、かつては駅からも集落からも遠く離れた内陸部にあったのだが、2016年7月に東日本大震災からの復興拠点として旧田老町(現宮古市)の中心部へ移転した。これにより、駅から徒歩圏内に入り、当サイトの掲載対象となった。店は、母屋から独立した建物で、プレハブのような簡素な造り。建物内は厨房のみで、客席は店舗前の広場、つまり野ざらしの場所にある。一部の席には上屋がついているが、その席と店舗の間は屋根が切れているから、本降りの雨だと利用しにくいかもしれない。
  麺は、冷凍だろうか。乱切りタイプで、グニュッとした歯ごたえ。赤紫色をしていて、そばの香りはまずまずある。ちなみにうどんは、細麺と太麺を用意していて選べるようになっている。つゆは、醤油の香りが最前面にあるタイプ。出汁感はあまりなく、食べ進めるほどに平たく感じるようになっていく。かけ350円。たぬきというメニューはなく、わかめ400円に揚げ玉が入る旨の記載あり。「道の駅そば」としては、結構安い設定だ。実食したのは、えび天そば470円。えび天は、出来合い(冷凍?)のものをベースに、店内で揚げる際に衣を付け足したような感じ。だから、衣が二層になっている。外側の衣はサクッとしていて、内側の衣はしっとり。まぁ、出来合いをそのまま出すのではなく店内でひと手間加えていることは、個人的には評価したいポイントだ。そば・うどんの他には、フライドポテトやフランクフルトといった手軽なスナックフード(それぞれ200円、120円。安い!)に加えて、2種類の玉子焼きがある。「甘みあり」と、「甘みなし」。値段は同じで、小200円、大700円。価格差がとても大きいのは、サイズの差も大きい(大は4倍サイズになる)ため。そういえば。えび天そばにも玉子焼きがひと切れ乗っていた(あと、カマボコが1枚)。青ノリを混ぜ込んだものだったから、写真で見ると「甘みなし」の方だ。玉子焼きが、この店の名物格なのだろう。考えてみれば、えび天を店内で揚げて、玉子焼きまで乗せて470円というのは、たいへん良心的だ。丼はスチロール製で、使い捨て(店頭に専用ゴミ箱と食べ残し入れがある)。箸は割り箸。
  平日10:15頃の訪問で、先客1・後客0。平日の午前中は、閑散傾向か。客席に新型コロナ対策のパーティッションはないが、受渡口に消毒液が常備されていた。


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★水沢江刺駅(東北新幹線)
「そば処」  実食日:2008/4

  改札を出て直進、左側(駅の正面出入口脇)。店名は食券に書いてあると思われるのだが、見忘れたので看板に書かれている文字列を採用させていただいた。立ち食いカウンターのみの露出店。割と閑散としている駅なので、立って食べていると背中に寂寥感を覚えそうで、店から少し離れてベンチに座って食べてしまった。
  この店は、「NREの経営かな?」と思わせる。というのは、麺が花巻「そば処 花巻」(NRE経営)に酷似しているから。若干太さにばらつきのある太い茹で麺。ただし、つゆは異なるようで、こちらのつゆは辛めで、特に醤油の味が強く出ているように感じた。かけ290円、天370円など。変わりメニューに「長英そば」(めかぶ+温泉卵+とろろ)があるが、570円はいかにも高い。


※値上げしていました。現在、かけ310円、かき揚天390円、長英600円です。海老天が610円と鬼高い設定になっています。どんな海老が乗るのでしょうか。変わりものとしては、めかぶラーメン580円があります。芦野公園「ラ・メロス」にもあったメニューですね。東北、特に岩手県では「磯ラーメン」を扱う店が多いですが、それに近いポジションでしょうか。なお、かつてはNREの店舗でしたが、現在はJR東北総合サービスに移管されています。同社の公式HP上では「水沢江刺バルーン」として掲載されていますが、当サイトでは現地表示を優先させる方針なので、当サイト上での店名は「そば処」です(値−1点。2015/8、確認)。

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★大館駅(JR奥羽本線・花輪線)
「秋北食堂」  実食日:2017/4

  駅を出て、ロータリーを突っ切って目抜き通りを直進(左にカーブしている)2分、左側。秋北バスの駅前バス乗り場内。秋北バスの本社が入るビルの1階で、ビル内にはその他にバスのチケット売り場や待合室も組み込まれている。ビルの外側と内側(待合室内)に、それぞれ店への出入口がある(写真は待合室側の出入口)。店内はわりと広く、テーブル席が4人×6、椅子付きカウンターが6席。券売機で食券を買い、厨房で鉛筆のような形をしたプラ板番号札と交換して、番号で呼び出し。ひとことで言うと、なんだか学食のような雰囲気。
  麺は、中太の茹で麺。そばの香りはあまりない。いたってノーマル。つゆは、カツオ・昆布のバランス派。たぶん雑味が少ないタイプなのではないかと思うが、実食メニューがつゆの味を変えやすいものだったこともあって、詳細な分析が難しかった。醤油のコクあり。ほどよい余韻もある。結構好き。たぬきなし、かけ350円、天420円など。そば・うどんのみならず、ラーメン、定食、丼ものなどメニューは多彩。野菜煮込みうどん500円とか馬肉定食650円とか、変わったものも結構ある。テイクアウト容器50円もあり。実食は、とりもつそば450円。そばメニューだけでなく一品料理としても存在(300円・小150円)し、定食にもなっている(650円)ことから、この店のイチオシであろうと判断した。鳥もつと言えば、山梨県の甲府が有名。この店の鳥もつは、甲府のものに比べて味付けが薄め。ドロッとした感じがなく、タレがなくなるまで煮詰めたような感じではない。生姜と一緒に煮てあり、サッパリしたものだった。そして、甲府の鳥もつ煮には欠かせないキンカン(生む前の卵黄)が入っていない。ドロッとしたタレでないということは、鳥もつの形がそのまんま現れるということでもあり、見た目にはちょっとグロさを感じる。焼き鳥のレバーみたいな形をしたピースもあるけれど、それ以上にイソギンチャクみたいな形をしたピースが目立つ。食べてみると、レバー型のピースはプリプリ食感で臭みがなく美味しい。イソギンチャク型のピースは多少パサつき、レバーのような血腥さが若干ある。両方合わせて、ひと口大にカットしたものが40個くらいトッピングされていて、たいへんなボリューム感。ただ、味付けがくどくないので、多くても飽きない。血腥さが大丈夫な人であれば、最後まで美味しく食べられるだろう。値段的にも意外と高くないので、一度試してみる価値があると思う。
  平日13:30頃の訪問で、先客は10人以上、後客7。とても賑わっている。大館駅の待合室よりも賑やかなのではないかと感じるくらいだ。駅周辺に食事処が少ない(大館市の中心市街地は駅から少し離れている)から、バス利用者以外の客も多いようだ。客層は老若男女入り交ざっている。総じて、麺類よりも定食類の方が多く売れているように感じた。良い店ですね。できればこの雰囲気の店が大館駅構内に欲しいところだけれど。


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★鷹ノ巣駅(JR奥羽本線、秋田内陸縦貫鉄道)

「こけし亭」  実食日:2003/4

  JR駅の待合室内にある駅そば。比較的寂れた駅にあって、異彩を放つ絢爛さがある。店内は非常に狭く、4人掛けのテーブル席も無理矢理ねじ込んだという印象が拭えない。まぁ、待合室内にあるわけだから、席不足はそれほど問題になることもないだろうが。
  味としては、並。別に悪くはないが、これといったインパクトもない。変わりメニューに“三食そば(380円)”があるが、玉子・たぬき・山菜と、オーソドックスなトッピングで出てくる。たぬきなし、天370円。

※閉店しています(2009/4、リニューアル時確認)。

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「エキナカショップ 7to7」  実食日:2012/12

  JRの駅を出て右すぐ。駅舎と同棟なのだが、駅の外を経由しないと行けない。これ不便。駅舎内に出入口を設けてくれれば、便利になるし、認知度も高まると思うのだが。JR1番ホームにも小さな窓口があり、商品の受け渡しができるようになっている。しかし、窓口の直下にベンチがあるのがちょっと。ベンチに座って食べていると、後から来る客の受け渡しができなくなる配置だ。ベンチを少し脇にずらすとか、できないものだろうか。鷹ノ巣駅は、待合室内にあった「こけし亭」が閉店して以来駅そば空位の時代が続いていたが、今年7月にこの店がオープンし、待望の駅そば復活となった。飲食だけでは運営が厳しいようで、土産物店を兼ねた店舗になっている。客席は、3人掛け丸テーブルが3つと、4人掛けテーブルが1つ。ただし、4人掛けテーブルは冷水ポット&コップ置き場になっているので、客席としてはあまり機能しなさそうだ。
  味覚的には、特にどうということもない。麺は、コンニャクのような食感で、見た目にもコンニャクのように透明がかっている。つゆも、当たり障りのない感じ。天はドン兵衛で、つゆに浸すとすぐにばらける。具材は川エビ1尾のみ。しかし、ひとつだけ特記すべき要素がある。それは、月見そばの卵。月見と言いながら温泉玉子なのだが、これには比内地鶏の卵を使用している。実食してみたのだが、とにかく黄身の粘り気が強く、味も濃厚。かけ300円に対して月見450円と高いのだが、試す価値は十分。麺類メニューはかけ、月見、天ぷら(450円)、天ぷら月見の4種だけなのだが、天ぷら月見にすると500円と割安になる。麺類のほかには、各種スナックフードを扱っていて、こちらの方が値段的にお得感がある。フライドポテト120円(山盛り180円、メガ盛り250円)あたりは、列車待合時間つぶしの友に好適だろう。また、学割制度があり、学生証提示で麺類は全品50円引き、各種スナックフードも20〜30円引きとなる。


※閉店していました。跡地は観光案内所になっています。観光案内所を残す(もともと、「7to7」は観光協会が運営する店)のなら、軽食を扱うこともできたのではないかと思うのですが……。町おこしの起爆剤として期待していた店だったので、残念です(2014/10、確認)。

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★土崎駅(JR奥羽本線)
「土崎待合めん売店」  実食日:2008/4

  改札を出て右、待合室の奥にある、昔ながらの露出店。経営はNREだが、変に改装せずに古い構えのままで営業している。秋田県は日本でも有数の「駅そば衰退県」だが、逆風の中でなんとか頑張っている。でこぼこしたステンレス製のカウンターが、涙を誘う。列車利用者よりも、車で食べに来る人が多い印象。土崎駅は駅前のスペースが広く、比較的車を停めやすいためだろうか。かく言う私も車で寄ったクチだ。
  味覚的には、これといった特徴はない。麺は普通に茹で麺、つゆはやや辛め。かけ250円、たぬき300円、天350円。天とは別に「野菜天ぷら」(370円。券売機にはないので、かけを買って現金で120円払う)がある。食べていないので正確には分からないが、おそらく、天はインスタント、野菜天ぷらは自家製かき揚げだろう。変わりメニューにめかぶそば(380円)があるが、それ以上に「懐かしの食堂車カレー」(レトルトカレー。持ち帰り専門)の販売の方が気になった。結構売れているようだ。


※閉店(「港ばやし」化)していました。店名が変わっただけでなく、内・外装ともリニューアルして業者も変わっています(2014/10、確認)。

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「港ばやし」  実食日:2014/10

  改札を出て右、待合室内。立地的には上記「土崎待合めん売店」時代と変わっていないのだが、駅舎内がリニューアルされて待合室に露出する形になっている。大きな暖簾の目隠しがあるので、衆人環視という感じではなく、利用しやすい。綺麗にリニューアルされた立ち食いカウンターのみだが、待合室内のベンチで食べることもできるだろう。「土崎待合めん売店」時代はNRE店舗だったが、業者が変わっている(現在はジェイアールアトリス)。
  麺は、これといった特徴のない茹で麺。つゆは、やや塩気が強めではあるが、雑味がないタイプで悪くない。新潟県あたりでよく出会うタイプ。かけ260円、たぬき310円、天380円。実食したのは、きのこ390円。シメジ・ヒラタケ・山ナメコに加え、得体の知れない黒っぽいキノコも入っていて、食感の変化が楽しい。赤い漆器風の丼で出てくるのも、東北らしくて好印象。残念ながら、「土崎待合めん売店」時代の名物「懐かしの食堂車カレー」がなくなってしまっていた(非NRE化の副作用か)が、決して市街地が発達しているわけでもないこの駅に駅そばが残ってくれただけで大満足だ。


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★秋田駅(JR奥羽本線・羽越本線、秋田新幹線)

「TASTY KIOSK」  実食日:2002/8

  ターミナル駅である秋田駅にはたくさんのホームが列をなしているが、そのそれぞれのホーム上に、キヨスク一体型の駅そばがある。その名が「TASTY KIOSK」なのだから、経営母体が一緒なのだろう。私が実食したのは、3・4番線ホームの店。カウンターだけの寂れた店で、午後7時の段階で早くも店じまいの準備をしていた。味は、麺が柔らかすぎる。麩を食べているような感覚で、歯ごたえがまったくない。天も、完璧インスタント。カップそばによく入っているヤツだ。


※閉店していました(2009/9、確認)。

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「駅そば しらかみ庵」  実食日:2017/4

  ホームの駅そば店が閉店して以来しばらく駅そば空位となっていた秋田駅に、待望の新店がオープンした。場所は、中央改札を出て右前方。3月10日オープンとのことで、訪問が4/18だから、約1か月経過しているということになる。そろそろオペレーションもこなれてくる、良いタイミングだ。逆に、オープン当初の物珍しさでやって来る客がしっかりと根付くか離れていくかが分かれてくる時期でもある。その意味では、13:15くらいの訪問でほぼ満席(後客も10人以上)で安心した。しばし店頭に立って眺めてみると、駅利用者の多くがいったん立ち止まってメニュー表を眺めるのだが、そのうちの比較的年輩の人たちは店内へ入り、比較的若い人は入らずに立ち去る傾向があるように見受けた。若い人にも食べてほしいんだけどな……。これは、駅そば店が全国的に抱える課題でもあると思う。なかなか規模の大きな店で、客席はテーブル席が2人×5、椅子付きカウンターが10席あまり。
  麺は、生麺の茹でたて提供だった。ただ、茹でが客数に追いついていない様子で、ほぼ常時茹での状態だったので、デフォルトがどのようなオペレーションなのかはよく分からず。時短のためだろうか、自動湯切り器を導入している。風味・食感的には、それほど大きな感動はなく、まぁ並といったところ。生麺らしい食感というわけではない。つゆは、ほどよくカツオ出汁が香る。雑味のないスッキリ系で、余韻もある。ガツンとくる味わいではないが、なかなかの満足度。たぬきなし、かけ290円、かき揚げ390円など。変わりメニューというか、ご当地的なメニューがいくつかある。白神ネギを白髪でトッピングするねぎそば370円、白神豚を使用した肉そば500円など。かき揚げの野菜も地元産とのこと。また、普通のうどんのほかに稲庭うどん(温600円・冷650円)がある。駅そばとしてはちょっと高い価格帯になるが、旅行者には喜ばれるのではないかと思う。白神ネギは、単品の扱いもある(80円)。セットメニュー3種あり。アルコール類の扱いもある(17:00〜限定)。実食は、ねぎそば。白神ネギは柔らかい食感で、とげとげしい辛みがなく、むしろ甘みがあるのが特徴だと感じた。ただ、鰹節を和えてあったのが、個人的にはちょっと余計な演出かなと感じた。白神ネギ自体の味が分かりにくくなるので。
  先に書いたようにほぼ満席の状態だったわけで、とても繁盛しているのかなと、最初は思った。が、食べているうちにちょっと別の事情もありそうだと感じるようになった。客の多くは、ホームに駅そばがあった時代によく食べていたのであろう高齢者。だから、食券を買うのも食べるのも時間がかかる。食べ終わってからも、すぐには席を立たない人が多い。要するに、回転があまりよくないのだ。だから、すごく流行っていそうに見えても、一日を通してみればそれほど客数は多くないのかもしれない。この店舗は席数がそれなりに多いからこの回転率でもやっていけるかもしれないが、ホームの吹きさらし立ち食い店が閉店したのも、なんとなく頷ける光景だった。今後は若年層を取り込むための工夫が必要になりそうに思う。券売機前に高齢者が群がっていると、それを見た若い人はほとんど立ち去ってしまう(なかなか券売機が空かず、待ちきれなくなる)だろうから、たとえば券売機を2台並べるだけでも効果があるのではないかと思う。あるいは、高齢者が敬遠しがちな立ち食いカウンターを設けるという手もあるだろう。いろいろ工夫して、秋田駅の名物店として定着してくれることを願いたい。


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★横手駅(JR奥羽本線・北上線)

「キッチンはくよう」  実食日:1999/9

  改札脇にある、割と大きな店。改札内外から食べられるが、メインは外の方。椅子席も20近くある。私はここでは五目ラーメンを食べたので、そばに関しては詳細が分からないのだが、五目ラーメンは味も良かったし、とにかくボリュームがすごかった。500円ならまぁ安いと言える。なぜかアイスコーヒーがついてきたし。今度行くときにはそばを食べてくるので、今後、多少評価が変わるかもしれない。評点は五目ラーメンを基準にしているので、あくまでも参考程度に。


※閉店していました(2006/10確認)。

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「忠ちゃん」  実食日:2012/12

  駅東口を出て、目抜き通りを1分、左手にある横手バスターミナルの中を突っ切って右30秒。三叉路の角にある店。駅そばというよりも酒がメインになりそうな雰囲気の店で、当サイトの掲載対象にできるかどうか、グレーゾーンにある。しかし、昼はそば・うどん・ラーメンのみの扱いで、建物の側面にドンと「そば うどん」の看板が出ていることから、掲載対象とする。客席は椅子付きカウンターのみで、15席ほど。が、カウンター上に新聞や衣服などが散乱していたり、壁の飾り物が邪魔になったりして、実際には10席くらいしか機能していない。
  麺は茹で麺で、特筆すべき要素はない。つゆは、かなり味が濃い。塩辛さ・甘さともに濃い。完飲するには、水が不可欠。その水は、2リットルペットボトルのものが客席の随所に置かれている。かけ350円(ナルト入り)。トッピングは単品で追加するシステムで、卵・きつね・かき揚げ等が70円、エビ天が120円。実食時には、かき揚げと卵を注文したのだが、かき揚げが切れており、イカ天ならできるとのことでイカ天に変更。ただし、イカ天はお品書きに記載されていない(100円だった)。独特な雰囲気があり、なんだか謎めいた店だ。


※閉店していました。跡地は「じいじ亭」という飲食店ですが、洋食が中心で、そば・うどんの扱いはありません(2017/4、確認)。

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★岩城みなと駅(JR羽越本線)
「道の駅カフェ」  実食日:2015/8

  駅を出て右、地下道で線路をくぐって、国道7号線に出たら左、側道を降りて右、道の駅「岩城」内。駅から歩いて4分ほど。駅を出た時点で、右手に巨大な風車が見えるので、それをめがけて歩いて行けばいい。基本的にスナックフードのテイクアウトがメインの施設で、間仕切りのない露出店。一応、建物の脇っちょに椅子付きカウンターが6席ある。ただ、この席に座って食べていると、他の客の注文時にやや邪魔になる位置関係。店頭に簡易的なテーブル席が4人×2卓出ているので、こちらで食べたほうがいいかもしれない。なお、店名については、「道の駅カフェ」のほかに「ピロティ」「バーガーショップ岩城」などいろいろな表記が入り乱れている。個人的には「ピロティ」で載せたかったが、公式HPに掲載されていた「道の駅カフェ」を正規と判断する。窓口には基本的に店員がいないので、ベルで呼び出して注文する。注文すると、店員はピシャッと窓を閉め、どこかへ行ってしまう。要するに、調理場がバックヤードにあるということだ。窓口付近にはテイクアウト販売品がたくさん並んでいて手狭だから、やむを得ない処置か。
  そばメニューは、かけ350円と天480円のみ。実食は、天。麺は、歯ごたえが強くて香りがありないもの。おそらく冷凍だろう。つゆは、グルタミン酸系の旨味が勝ったタイプ。イノシン酸系の酸味も少々ある。これで甘味が強いと途中で飽きるところだが、幸いにもさほど甘味は勝っていない。天は、冷凍ものの注文後揚げか。ニンジン・タマネギが主体のかき揚げだ。箸立てや冷水器などはなく、割箸・飲み水は商品と一緒に提供される。唐辛子もなく、言わないとくれない。まぁ、そば・うどんの注文客は少ないのだろう。そば・うどんのほかには、ご当地バーガーの本荘ハムフライバーガー300円をはじめ、スナックフードがいろいろ。プラムソフトクリーム300円も名物のようだ。こういうご当地系スナックフードが多いあたりは、道の駅らしい部分だと思う。

※2017/4、再食。とはいっても、そばではなく、以前から気になっていたご当地グルメ・本荘ハムフライバーガーの実食です。注文後に調理するので少々時間がかかりますが、アツアツの状態で食べられるのが嬉しいところ。ふっくらしたバンズに、レタス・本荘ハムフライ・ピクルス・オニオンスライス・トマトを挟んだご当地バーガーです。ソースはタルタル。野菜を多く使っているので、かなりヘルシーな印象。ハムフライは、味覚的には野菜やタルタルソースにやや押され気味ですが、カリッとくる衣の歯触りが印象的でした。なお、店舗は一部微妙に改装されているため、写真を貼ります(写真は左:旧、右:現)。また、そば・うどんの値段は変わっていませんが、本荘ハムフライバーガーは350円に上がっていました。

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★羽後岩谷駅(JR羽越本線)
「亀」  実食日:2015/8

  改札を出て、自由通路「ぽぽろーど」で線路を渡り、左手。ラーメン店・土産物店と同居した「はーとぽーと館」内。道の駅「おおうち」の外れ。こんなところにこの手の店があったとは。鉄道で羽後岩谷駅を訪れても、車で「おおうち」を訪れても、なかなか見つかりにくい場所ではないかと思う。だが地元民の認知度は高いようで、昼時ということもあって結構利用者が多かった。スーツ姿・ガテン系・ファミリーなど、ニーズの層が厚い。厨房前の椅子付きカウンター5席くらいと、フードコート的にフロア内にあるテーブル席14席。
  麺は、茹で麺だろうか。あまり味のないタイプ。つゆは、少々酸味があり、モヤッと口の中にはびこるような甘さがある。悪く言うと、締まりのない味。たぬきなし、かけ390円、かき揚げ500円(揚げ玉・ナルト入り)。実食はかき揚げで、天はお好み焼き風のもの。中心部がゴワゴワしていて粉っぽく、具材は細かくカットされていてあまり存在感がない。一番強く感じた風味は「饐えた風味」だった。変わりメニューに、ホルモンそば520円あり。かき揚げよりもこちらを実食してみたかったのだが、残念ながら訪問時(12:45頃)には売り切れていた。セットメニューの用意もあり、卵かけごはんとかけそば・うどんがセットになるCセット500円は、麺単が高め設定であるだけにそこそこコスパがよさそうに感じる。ミニホルモン丼やミニカレーとのセットだと700円に跳ね上がり、あまりお得感はない。箸はエコ箸で、1膳ずつ提供。


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★仁賀保駅(JR羽越本線)
「まめ家」  実食日:2015/8

  改札外、待合室内。以前にこの駅を訪れた時にはこの店があった記憶はないので、新しい店だろう。駅そば絶滅が危惧される秋田県において、これは期待の新星か。手造り感満載の外観で、ほのぼのとした雰囲気。そば・うどんのほかにラーメン・牛丼・サンドイッチ・おにぎり・味噌汁・コーンスープ・コーヒーまで扱っており、地元住民の社交場的な存在を匂わせている。居合わせた地元のおばちゃんは、「おにぎりが美味しい」と絶賛していた。東京に出ていった息子が帰省した時には、この店のおにぎりを食べさせたいのだという。待合室内に露出した店だが、厨房周りの立ち食いカウンターのほか、列車待合客用ではないこの店専用テーブル席が2人×2卓用意されている。
  調理シーンを見なかったのだが、食感的には生麺を連想させる麺。角がしっかり立っていて、嫌味に感じない程度に歯に粘着する。風味があまりないので、冷凍麺かもしれない。つゆは、たいへんあっさり。少々酸味があるものの、カツオという感じではない。イリコかウルメか、小魚系が中心だと思う。序盤は物足りなく感じるものの、中盤から終盤にかけてじわじわと美味しく感じるようになる。たぬきは、つゆに浸すとふやけてブヨブヨになる揚げ玉。たぬき350円(ワカメ入り)。そば・うどんメニューは、レギュラーとしてはかけ300円・月見350円・たぬき350円の3種のみ。夏季限定で、ざる420円がある。おにぎりは、各種100円。地元のおばちゃんの賛辞を聞いたからには食べてみようかと思ったが、この日は駅そばではない麺店を含めて6杯連食だったため、腹具合を考慮して自重。次回にでも。箸はエコ箸。


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★鹿角花輪駅(JR花輪線)
「そば処エヌアールイー」  実食日:2006/10

  改札出て左、待合室内。露出店だが、待合室内にテーブルつきベンチあり(写真参照)。生木のテーブルで、心静かに食べられる環境である。かつては「伯養軒」だったと思われる店だが、ご存じのとおり伯養軒は倒産し、NREみちのくが経営を引き継いでいる。
  この店では太麺を使っているのだが、茹で麺か冷凍麺かちょっと判断しにくい感じだった。調理時間から考えてたぶん茹で麺だと思うのだが、冷凍麺レベルの食感があった。適度なコシの中にそばらしいモサモサ感もあり、味覚的にはまずまずな印象。花形をしたカマボコが1枚入り、彩りも鮮やか。たぬき310円。ここでは「三食そば」というものを食べた(350円)のだが、具材はたぬき・きつね・玉子で、変わったものが入っているというわけではなかった。このメニューは、旧伯養軒系の数店舗で用意しているのだが、店によって入る具材が異なるのが面白いところだ。


※2013/12、再食。値段が上がっていました。現在、たぬき330円、三食370円です。味覚面では、特に変化はないようです(値−1点)。

※閉店していました。構造物はすべて撤去され、跡地には何もありません。単純に待合室が広くなっただけです(2021/5、確認)。

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「そば処」  実食日:2015/8

  駅からちょっと遠く7分ほどかかるが、興味深い店なので特例適用。駅を出て目抜き通りを進んで、国道281号線を右折してひたすら直進、右側。道の駅「かづの」内。店内に椅子付きカウンターが7席あるほか、店の外がテラス状になっていて、そこに4人掛けテーブルが3つ出ている。テラス席を利用する人が多いようで、私もテラス席で実食。日除けが付いているので、夏場でも直射日光を浴びることがなく、快適に利用できる。むしろ、風が通るぶんテラスの方が涼しくて気持ちよい。
  麺は、あまり味がしない茹で麺で、どうということもない。面白いのは、つゆ。薄口醤油仕立てで、昆布出汁。塩気強め。これはもう、完全なる関西風だ。それも、関東によくある「色が薄いだけのなんちゃって関西風」ではなく、しっかりと味を再現されている。東北らしく赤い漆器風の丼で提供されるため色合いがちょっと判別しにくいのだが、透明度はだいぶ高い。味は悪くないが、麺の味気なさがちょっと目立った。うどんの方がより合うかもしれない。彩りのカマボコを2枚乗せるあたりも、関西っぽい。そういえば、暖簾に記載された文字列も「うどんそば」だ(間口上部には「そばうどん」の記載があり、これを店名と解釈している)。かけ350円、天450円、めかぶ450円など。たぬきは400円だが、ちょっと目立たないところに記載があるため見逃してしまい、月見400円を実食。ご飯ものは、玉子かけ御飯150円やトロロ御飯150円程度。そばとのセット用か。ソフトクリームの扱いがあるのが道の駅らしい部分で、中でも「北限の桃ソフトクリーム」350円は少々興味を惹かれた。私は、駅そばのみならずご当地ソフトクリームも探訪しているので。

※同じ建物内で微妙に移転し、改装していました。かつては建物の東側にありましたが、現在は南側です(写真は左:旧、右:現)。また、看板に記載の文字列が変わっていたので、店名変更(「そばうどん」→「そば処」)として扱います。現写真は営業時間外のものなので、追って営業中に再訪して撮り直そうと思います。いつになるやらわかりませんが……。また、消費10%増税を経て値上げしており、現在はかけ400円、月見450円、かき揚げ550円になっています。たぬきは、少なくとも店頭表示からは消えています。ご当地メニューとして、比内地鶏そば700円が出ていました(付+1点)。これはぜひ一度試してみたいです(2021/5、確認)。

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★十和田南駅(JR花輪線)
「待合室(KIOSK)」  実食日:2006/10

  全国的に珍しい平地にあるスイッチバック駅、十和田南。鹿角市の中心部からはちょっと外れたところにあり、利用者もそれほど多いとは思えない駅。駅そばがあるとは期待していなかったのだが、改札を出て左の待合室内にKIOSK経営の店があった。感激である。露出店だが、待合室内にはテーブルつきのベンチがあるので、落ちついて食べることができる。店名は掲げられておらず(「そば処」とさえ書かれていない)、食券制でもないのだが、財産票の店舗名欄に「待合室」とだけ書かれていたので、これを店名と解釈する。以前は駅外にも窓口があったような造りだが、現在は閉鎖されている。
  麺は太く平たい茹で麺で、柔らかくてコシがないタイプ。東北にはこのタイプの麺がわりと多い。つゆは味は薄めなのだが出汁はしっかりしており、悪くない。天がインスタントだったのはちょっと残念なところだが、とにかく客数が少ない駅だから、保存性を考えると仕方ない部分だろう。駅そばの隣にはKIOSK売店があり、おばちゃんは兼務。そうしないと採算が合わないのだろう。かけ270円、天350円、天玉390円。ラーメンもある。


※閉店していました。売店もろとも閉店したようです(2012/12、確認)。

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★阿仁合駅(秋田内陸縦貫鉄道)
「こぐま亭」  実食日:2008/4

  改札を出て右、売店の奥。まさか内陸線の途中駅に駅そばがあるとは思っていなかったので、感激もひとしおだ。しかも、この土地ならではの特徴をたっぷり滲ませた、すばらしい店だった。
  麺とつゆも、美味い。麺は角のない丸麺だが、独特なぬめりがあってツルツルした食感が楽しい。つゆは甘口で、肉系のトッピングによく合う。かけ290円、天370円などのオーソドックスなメニューもあるのだが、この店ではぜひ名物の「馬肉」を使ったメニューを試したい。肉そば・うどん(馬肉使用、450円)、馬肉ラーメン(500円)、馬肉丼(520円)、馬肉煮込み(500円)などをチョイスしよう。さほど臭みのある肉ではないし、コトコト煮込んであって柔らかいので、違和感なく喉を通る。ガッツリ食べる腹がない人には、半馬肉丼もある(280円)。オーソドックスなそばとセットにする手もある。他にも、またたびラーメン(480円)、内陸線うどん(山芋を使った特殊な麺のうどん。馬肉とゆで卵が入る)などの気になるメニューが目白押し。ここで一杯のそばを食べるだけで、阿仁マタギの気分を楽しめること請け合いだ。
  JRではないから、青春18きっぷでは行けないのが残念。JRの駅だったら、この辺りを通るたびに途中下車したいくらいだ。ストライクど真ん中、大好きなタイプの店。


※2010/1、再食。「内陸線うどん」を試しました。特殊な麺ではありますが、食べてみての違和感はまったくありません。歯ごたえが強烈に強いうどん、という感じ。また、馬肉煮込み(小)も試しました。小でも、かなりのボリューム感です。非常に美味いのですが、一人で大を注文すると飽きるかもしれません。

※店名はそのままに、そばを扱わない飲食店に変わっていました。当サイト上では閉店の扱いとします。お気に入り店だっただけに残念ですが、「馬肉シチュー」がかなり美味そうでした(2015/8、確認)。

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