東京・私鉄7
(京成各線)

現在、22軒掲載(うち11軒は、閉店確認済)
★京成上野駅(京成本線) ※上野駅は、東京・山手線2に別途掲載。
「富士そば」  実食日:2010/4



  すぐ北に上野駅、すぐ南に上野広小路駅があり、京成上野駅が最寄りとなる範囲が極めて狭いのだが、まぁこの駅最寄りで掲載して問題ないであろうと思われる場所に1軒あった。駅を出て、中央通りを南(上野広小路方面)へ30秒。地下駐車場C6出口の真ん前。店舗名は「しのばず店」。すぐ近くにある上野広小路店とは対照的に小規模な店舗で、椅子付きカウンターがメインながら10人入ると身動きがとれなくなる。
 この店舗の麺は、中平生麺の茹で置き。茹で置きのわりには歯ごたえは悪くなかった。ただ、たぬきの吸水性能が際立っていて、食べ始めたときにすでにゾル化していたのはびっくり。つゆ、ほとんどなくなります。たぬき350円(ワカメ入り)。そば湯ポットあり。各種ミニ丼とのセットメニューが500円に設定されているのは、そば単品が比較的高めなだけに、お得に感じる。


※値上げしていました。現在、たぬき380円、セットものは520円〜です。常夜そば430円あり。店舗オリジナルではありませんが、扱う店舗はごく一部です。ミニ炭火焼き鳥丼セット540円やミニ豚ネギ玉丼セット550円も、あまり見かけないような気がします。24時間営業で、朝そば・夕そば各310円、朝納豆定食360円の設定があります(値−1点。2015/11、確認)。

※値上げしていました。現在、たぬき390円です。常夜440円、ミニ炭火焼き鳥丼セット550円、朝・夕そば各320円、朝納豆定食370円です。ミニ豚ねぎ玉丼セットは終了。このほか、おろし410円やなめこおろし460円も終了しています。結構、入れ替わりが激しいですね(2016/2、確認)。

※暖簾デザインが変わっていました。富士山ロゴになっています(写真は左から2枚目)。メニューはちょこちょこ入れ替わっていますが、特記すべき新メニューは出ていません(2018/6、確認)。

※紅生姜ちくわ天450円が登場していました(2019/4、確認)。

※遂に、看板が変わりました(写真は右端が最新)。これで、初期型の看板は絶滅と思われます。ちょっと残念です。ぶっとい書体が、結構好きだったもので。そば(麺)も変わっていて、乱切りタイプになりました。そして、消費10%増税に伴い値上げして、現在はたぬき410円になっています(2020/5、確認)。

※再値上げしていました。現在、たぬき440円です。また、変わりメニューとして、紅いか天440円が登場していました(2022/2、確認)。

※再度値上げしていました。現在、たぬき460円です。紅いか天は、終了しています(2022/6、確認)。

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※日暮里駅は、山手線2に掲載。
★新三河島駅(京成本線)
「えちご」  実食日:2004/1

  駅を出て、明治通りを西(左)へ2分、信号のある交差点の角にある。非常にメニューが豊富で、「立ち食いそば屋」というよりはちょっとした「定食屋」といった方が似合っている。しかし、メニューの中心はそば・うどんだし、セルフサービスで値段も安い。文句なく駅そばのカテゴリーに入れられる。
  ここの特徴は、味の薄い白麺とちょっと癖のあるつゆ。特に、つゆは好き嫌いが別れるかもしれない。ちょっと鼻を突く刺激臭がある。
  それにしても、駅から若干離れていてあまり客も入りそうにない立地なのに、たぬきを270円で提供してくれるとは、感服。客が少なければ単価を上げるのが定石なのだが。これが下町人情なのかな。なお、定食類は550〜600円程度。どちらかというと、麺類の単品の方がお得な気がする。

※閉店(「笠丸そば」化)していました(2009/10、確認)。

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「笠丸そば」  実食日:2009/10

  駅を出て、明治通りを西(左)へ2分、冠新道入口の交差点角。上記「えちご」の跡地。見た感じ、中が広そうに思えるのだが、椅子付きカウンター10席のみ。券売機の裏に1席だけ隠れているのが面白い。食券に「はながさ」と印字されているのだが、もしかして上福岡駅の「はながさ」と同系なのだろうか。
  そばは、美味い。質感のある歯ごたえの麺が私好み。わりと太く、やや扁平形。つゆはやや辛め。具(たぬき)はカリッと香ばしい天かす。おそらく、この店は天ぷらも美味いのではないか、と連想できる。細かいワンポイントとしては、七味と一味を両方常備していて、好みで焙煎ゴマをふりかけることもできる。たぬき320円(ワカメ入り)ならば、定期的に足を運んでもいいかなと思える内容だった。


※閉店していました。跡地は、いったんは「冠そば」として承継されましたが、現在はイタリアンレストランになっています(2014/12、確認)。

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「かみむら」  実食日:2012/5

  駅を出て右後方(ガード沿いの藍染川通りに入る)へ20秒、左側。宝くじ売り場が併設されている、珍しい立ちそば店。客席は厨房に対峙した椅子付きカウンターのみで、10席ほど。入口を入って右手に2階へ上がる階段があるが、2階席があるわけではなく、店主(?)の居住スペースになっている。
  雰囲気から、なんとなく「六文」に近いそばが出てくるんじゃないかと勝手に想像していたのだが、全然違った。麺は硬質な歯ごたえでなかなか美味。反面、つゆはあまり印象がない。不味いわけではないし、味が薄いわけでもないのだが、麺の存在感が強いだけに目立たない。各種天は自家製で、たぬきも当然具材が混入した天かす。たぬき300円。麺類単品にも高い印象はないのだが、それ以上に定食類の安さが光っている。天ぷら定食400円などは、ぜひ一度試してみたい価格帯だ。


※値上げしていました。現在、たぬき320円です(2017/1、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。風で端に寄ってしまっているため分かりにくいですが、紺地に白文字で「そばうどん」と染め抜いた暖簾です。入店していないため全メニューの値段は見ることができませんでしたが、基本的に変わっていないようです(2018/1、確認)。

※従来掲載していた写真では暖簾が端に寄っていてよく見えなかったので、現写真を撮り直してきました。値段等、変わっていません(2018/11、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき340円です(値−1点。2020/2、確認)。

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※町屋駅は、地下鉄5に掲載。
★千住大橋駅(京成本線)
「花ぞの亭」  実食日:2009/5

  改札を出て直進10秒、左側。飲食店が5〜6軒連なっているだけの「フードプラザ大橋」内にある。入口上部に掲げられた看板に「さぬきうどん」と大書きされていることから分かるように、明らかにうどんメインの店。しかし、ほとんどのメニューがそばにも対応しているので、対象に含める。椅子付きカウンターのみで、キャパは10人くらいか。
  麺は冷凍で、ツルツル食感。コシも程良くある。悪くない。つゆはわりと濃いめだが、味覚的には結構好み。お高い街なか蕎麦店でもよくこういうつゆが出てくるように思う。ただ、ちょっと熱すぎるのがマイナスポイントか。天は自家製で、小エビと言うには大きすぎるエビが2尾入っていた。また、グリンピースが入っていたのも特徴か。変わりメニューに、三色そば600円、たらいそば420円。「たらいうどん」は讃岐うどんでは基本中の基本メニューだが、そばにも対応しているのが面白い。

※一般メニューの調査を忘れていました。たぬき320円、天370円です(2011/4、確認)。

※閉店していました。看板等すべてとり外れされ、シャッターが下り、2013年末閉店の旨の貼り紙が出ています。周辺を見渡すと、ほぼシャッター通りになっています。元気なのは、セブンイレブンだけ。ひとり勝ち状態で、もはや商店街としての機能は失われています(2014/12、確認)。

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「そば信」  実食日:2015/2

  改札を出て、左(北)側に駅を出てそのまままっすぐ路地に入ってすぐ右側。昭和の雰囲気を色濃く残した、ノスタルジックな店。日除けの、空調の室外機がある部分に(おそらく手作業で)穴をあけているあたりを見るだけでも、人情味を感じる。14時に店を閉めてしまうため、これまでなかなか実食できなかった。ちょうど昼時に訪れたのだが、5〜6人入れる(立ち食いカウンターのみ)店内にはだいたい常時2〜3人がいるというくらいの客数。斜め向かいにある有名なラーメン店に客を奪われていると見るべきなのか、そのラーメン店の行列を見て諦めた客がこちらに流れてきていると見るべきなのか。
  麺は、やや偏平形をした茹で麺。少々粘着するタイプだ。つゆは、塩気が強め。茹で麺との相性は悪くないが、おそらく生麺には合わないつゆだろう。たぬきはふわふわ食感の天かす。春菊の香りがあって好印象だった。たぬき330円。変わりメニューは特になく、メニュー数も少なめ。だいぶご高齢のお婆ちゃんがひとりで店番している店だから、あまり複雑なものを用意することはできないのだろう。そのお婆ちゃん、少々耳が遠くて動作も機敏とは言い難いのだが、麺の湯切り時の手首スナップだけは目を見張るほどキレキレだった。こういうのを「老練」と呼ぶのだろう。積み重ねられた年月の重みが、腕の一振りに垣間見えた。狭い店内の隅々までに、「チャッチャッ」と小気味よい音が響く。この湯切り音に癒やし効果を感じてしまった私は、病気だろうか。南口に大型商業施設「ポンテポルタ」がオープンして、さらにロータリーも整備中。人々の動線が劇的に変わりつつある駅で先行きは厳しいかもしれないが、1日でも長く店を続けてほしい。応援しています。


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★京成関屋駅(京成本線)

「冨士三屋」  実食日:2003/9

  改札を出て、右側。東武伊勢崎線の牛田駅方面の路地にある店。構えといい内装といい、昭和を偲ばせる造りで、初めて訪れたのに懐かしさを感じた。厨房も客のスペースも広いのだが、客はそれほど入っていない。混むのは昼時に限られるのかな。
  この店は、まず麺が太い。そして、ボリュームが多い。丼は並サイズだし、つゆも並量なのだが、麺がやたらたくさん入っている。桜エビがたっぷり入ったたぬきも香ばしく、好感が持てる。点数としては高くならないが、個人的には気に入った店である。たぬき310円。ちなみに、東武線牛田駅からも徒歩1分。


※2007/3、再食。麺たっぷりの印象はなくなっていました(ボ−1点)。天も310円で、出来合いだけど小エビたっぷりで味覚的には○。つゆは昆布出汁が前面に出ている感じでした。

※2011/4、再食。再び、麺たっぷりの印象になっていました(ボ+1点)。前回がたまたまだったのでしょうか? ただし、値段が上がっています(たぬき・天とも310→350円。値−1点)。

※改装していました(写真は左:旧、右:現)。日除けを張り替えたのはいいとして、のっぺらぼうはちょっと寂しい気がします。以前のシャープな感じの方が好きでした。店名の記載が消えましたが、暖簾の隅に記載がある(暖簾も新調されています)ため、店名はそのままです。値上げして、現在はたぬき370円(天も同額)になっています。客数は以前に比べてだいぶ減った印象がありますが、個人的に好きな店なので、頑張ってほしいです(値−1点。2015/2、確認)。

※閉店していました。建物はまだそのまま残っていますが、シャッターが閉まったままで、閉店告知の貼り紙が出ています。2018年1月末付での閉店です。結構実食回数の多かった店なので、残念です。跡地、どうなるんでしょうかね。気になります(2018/2、確認)。

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「雑賀屋」  実食日:2018/6

  駅を出て左前すぐ。上記「冨士見屋」の跡地。長らく頑張っていた「冨士見屋」が突然(ではないのかもしれないが、私には前触れが感じられなかった)閉店して、どうなってしまうのだろうかと案じていたところに、立ちそばを後継する店が現れてひと安心だ。ちなみに店名は「さいかや」と読む。もともとこの長屋状店舗群の中で焼鳥・もつ焼き店を営んでいる店なので、いわば業務拡張の形だ。内外装はだいぶリニューアルされているものの、厨房と客席の配置などは「冨士見屋」時代と特段変わっていない。立ち食いカウンターのみで、キャパは10人くらい。食券制が導入されている。
  味は、「冨士見屋」時代から刷新されている。麺は、注文後に茹でる生麺。縮れのみられる細麺で、決して上品ではないものの、そばの香りはしっかり感じられる。貼り紙によると、国産そば粉を使っているとのこと。つゆは、中程度の酸味を伴うもので、ひと口でカツオ中心だと分かる。貼り紙によると、本鰹・サバ・日高昆布のブレンドとのこと。サバはあまり感じなかったが。酸味はあるけれどエグ味はあまりなく、わりと飲みやすい。たぬきは、揚げ置きの天かす。多少湿気ていたが、ほどよく香ばしく、まずまず。たぬき360円。変わりメニューがいろいろある。気になったところとしては、雑賀煮込みそば580円、椎茸そば420円、にらそば500円。また、単品トッピングにハムカツ120円がある。ご飯ものも充実。店頭の置き看板ではかつ丼500円を推しているのに、なぜか券売機に入っていない。口頭注文メニューもいくつかあるようだ。個人的には、本業派生メニューと思しき雑賀もつ煮込み丼500円を一度試してみたい。
  この日は公式取材を3件詰め込んでいて、腹を空かしておかなければならなかったのだが、関屋→牛田の乗り換えついでに見つけてしまったので、平日13:00頃に実食。先客5・後客4で、女性ひとり客の姿もあった。完全立ち食いなのにねぇ。今年3月オープンということで、すでにオープンから3カ月以上経っているので、「オープン直後の賑わいだけで、尻すぼみ」ということにはならなそうだ。この場所には、やっぱり立ちそばが必要なんだな。


※2018/11、再食。なんとなんと、たぬき350円に値下げしていました。たぬき玉子も420→410円に下がっています(値+1点)。他メニューは変わっていないので、天かすの価格が変わったということでしょうか。あるいは、当初の見込みほど売れなくて、廃棄が大量に出てしまったため値下げしたとかかもしれません。いずれにしても、たぬきを食べる機会が多い私にとっては、たいへん喜ばしいことです。また、メニューがだいぶ入れ替わっています。雑賀煮込みと椎茸は終了。にらそばは「特製にらそば」という名に変わり、580円に上がっています。新たに登場しているのは、比内地鶏中華そば580円をはじめ3種あるラーメン。気になるところですが、まずはそばメニューを攻めていかねば。
  というわけで、今回はかき揚げそば390円をいただきました。かき揚げは注文後にフリーハンドで揚げています。いびつな球形なのですが、私はきっちり丸いかき揚げよりこの方が好きです。具材はタマネギが8割。ほかに、サツマイモ・インゲン・ニンジン・小エビを確認。サツマイモは細く小さいカット(カラムーチョみたいな感じ)で、全体が甘ったるくならないよう配慮していると思われます。タマネギは、素材のシャキシャキ感を活かした火入れ具合。中心部の火の通りが若干甘かったかなという印象はありましたが、総じて良い出来だと思います。
  平日14:00頃の訪問で、先客3・後客3。全員男性のひとり客でした。なお、内外観に特段の変化はありませんが、建物の外にテーブル席が増設されていたので、一応写真を貼っておきます(左:旧、右:現)。その必要があるくらい客数が多いと考えられます。素晴らしいことです。


※2021/2、再食。消費10%増税を経て、値段だけでなくいろいろ大きく変わっていました。まず、たぬきは380円に、かき揚げは420円に値上げです(値−1点)。特製にらそばと比内地鶏中華そばは、それぞれ中華にらそば600円、比内地鶏魚介中華そば500円に置き替わっています。そして、煮込みそばが復活(520円)。さらに、もっとも大きな変化として、極上太麺が登場しました。つまり、そばは麺が2種類あるということ。通常麺との価格差はメニューによって多少異なりますが、基本的には100円増し。そして、この店では鶏唐揚げを「極上唐揚げ」と表記しているので、少々ややこしいことになっています。極上唐揚げそば450円は通常麺、唐揚げ極上太麺そば550円は極上太麺です。ちょっと、ネーミングを再考した方がいいかもしれないですね。また、つゆを関西風に変更できるようになりました(50円増し)。
  今回は、通常麺のかけそば310円+春菊天130円+鶏天ハーフ80円で。春菊天は、注文後揚げのかき揚げタイプでした。衣が薄く、青々としています。高さが5cmほどもあり、具材のカットも大きめなので、食べごたえ充分。鶏天も、平均的な店のものと同じくらいのサイズ感で、とてもハーフとは思えないものでした。モモ肉使用で、ジューシーで旨味たっぷり。これをひとつトッピングするだけでも、充分満足できそうです。どうやらこの店は、トッピングが全体的にボリューミーなようです。かけそばよりも種物の方がお得感あり、と言えそうです。次回は、極上太麺にチャレンジしてみようかな。
  平日15:30頃の訪問で、先客1・後客2。新型コロナ対策のパーティッションなどは特段設置されていません。それでも、コロナの影響でテイクアウト需要が増しているのか、店頭で弁当類のワゴン販売が行われていました。


※2021/8、再食。極上太麺を試してみました。「唐揚げ1個鶏天1個」で、550円。ちなみに極上太麺のかけは、420円です。公式情報としては、通常麺は1.3mm、極上太麺は5mmだそうです。ただし、厚みはなく、きしめんのような形状をしています。少しちぢれていることもあって喉ごしはあまりよくないのですが、そばの香りははっきり感じられます。歯ごたえも当然強いので、固めの食感やそばの香りが好きな人に好まれそうです。私も太麺好きなのでなかなか良いと感じたのですが、通常麺との価格差が結構あるので、次回食べる時には通常麺を選ぶかなと思います。唐揚げと鶏天は、ともになかなか大きいです。我孫子サイズとまではいきませんが、その半分くらいはあります。唐揚げは醤油系の下味が結構強く、塩辛いです。塩気を控えたい方は、鶏天を選択した方がいいでしょう。
  平日16:30頃の訪問で、先客2・後客0。空いていました。客席に個別パーティッションはありませんが、厨房と客席の間にビニールカーテンが設置されています。店内のテレビでは、当店がテレビで紹介された時の映像を延々と流しています。気持ちは分からないでもないですが、無限ループはちょっとくどいかも……。普通の番組を流してほしいです。


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★堀切菖蒲園駅(京成本線)
「会津」  実食日:2020/2

  実測値で駅歩9分。当サイト的にはかなり苦しい立地だが、非チェーン店だし、他に対象となる店がなさそうな駅でもあるので、無理やり対象に含めちゃう。ほぼ一本道なので、行き方は簡単。駅を出て、目の前の広い道を右へひたすら歩けばいい。ちなみに、JR常磐線の綾瀬駅からでも徒歩約9分。実測値で、30mくらい堀切菖蒲園の方が近かったという程度で、ほぼ両駅の中間点にある。店内手狭で、椅子付きカウンター4席。店名については、日除けに記載された文字列を採用。食券印字は「会津そば」になっている。
  麺は、中細の茹で麺。少しポソッとする素朴な食感。そばの香りはボチボチ。つゆは、口当たりは淡麗だが、丸みのある余韻が残るため物足りなさは感じない。塩気控えめ、醤油の香りも控えめ。たぬきは、揚げ置きの天かす。フワフワ食感。主張力は決して強くないけど、麺とつゆの橋渡し役としては過不足なく、悪くない。たぬき350円。メニュー構成はオーソドックスで、麺単にこれといった変わり種はない。が、3種類しかない(おにぎりを除く)ご飯ものの中にしらす丼があるところに、こだわりというか独自性を感じる。ただ、この値段がちょっと不可解。単品280円に対してセットが650円と割高なのだ。かけそばとのセットではない、ということだろうか。唐辛子は一味。箸は割り箸。
  土曜14:30頃の訪問で、先客0・後客1。アイドルタイムということもあり、空いていた。後客は徒歩での来店だったが、路肩を広くとった道路沿いにあるので、車やバイクで寄る人の方が多そうだなと感じた。平日は24時間営業しているようだから、深夜帯にはタクシー運転手のオアシスになるのではないだろうか。


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★お花茶屋駅(京成本線)
「とんとん丸」  実食日:2004/3

  下町の素朴な駅で、意外な伏兵を発見した。改札を出て左前の階段を下り、直進してすぐの路地を左、右側。言葉で説明すると面倒そうだが、実際はそれほど込み入った場所ではない。改札歩1分くらいだ。
  まずはそばについて語っておくと、300円のたぬきにはどういうわけかナス天が入ってくる。ナスが嫌いな人、要注意。私にとっては嬉しい限りだが。麺は、歯の裏にくっつきそうなネットリタイプ。プラスにもマイナスにもならない。
  ここまででも充分に印象に残るのだが、この店のすごさはここからにある。実は、そば以外のメニューが怖いくらいに安い(そばも、ナス天が入ることを考えれば十分安いのだが)のだ。例を挙げると、ラーメン200円、塩ラーメン200円、タンメン300円、焼きそば200円、チャーハン250円、カレーライス250円、餃子150円など。こんな値段、今どきあり得ない。セットメニューもお得感があり、イカ天丼セット(そばorうどん)は480円。こういう店が生活圏外にあることが非常に恨めしい。そばの味自体は水準級なのだが、全体的な印象からすればかなり上のランクに入ってくる。なにしろ、「点数が高くならないタイプ」の店でありながら24点まで獲得してくるのだから。

※閉店しています(2009/4、サイトリニューアル時確認)。

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★青砥駅(京成本線・押上線)
「青砥そば」  実食日:2006/5

  青砥駅は3階建てで、1階が改札、2階が1・2番ホーム(上り線)、3階が3・4番ホーム(下り線)となっている。このうち、駅そばがあるのは2階部分の1・2番ホーム。混雑する場所を避けるよう配慮されているのか、高砂寄りのやや寂しげな場所にポツンと建っている。それでも、列車が到着するたびに、結構賑わう。私鉄ホームの駅そば自体珍しいし、特に非チェーン店となると、都内ではここと北千住の「夢や」くらいなのではないだろうか。貴重品である。
  味としては、歯の裏にくっつきそうなネットリ感のある麺に特徴がある。加点材料でも減点材料でもない感じだが、人によって印象が分かれるかもしれない。たぬき320円。具1品系メニューは天(360円)を除いて320円均一。山菜あたりにお得感がある。評価は、数値化するとこうなってしまうのだが、それほど印象が悪かったわけではない。


※2013/7、再食。値段がだいぶ上がっていて、現在はたぬき370円です。私鉄では珍しいホーム上の島式独立店舗なので、店が続いていてくれただけで嬉しいです(値−2点)。

※2018/6、再食。わけあって、日を変えて2回再食しています。値上げして、たぬき390円になっています。具一品系の価格が統一ではなくなっていて、月見370円からきつね420円まで、ばらつきがあります。
  実食は、2回とも山菜そば390円。山菜はワラビ・ゼンマイ・エノキ・キクラゲ・姫竹・ナメコのミックス水煮。麺は少しザラッとする茹で麺で、つゆは甘辛ストロング系です。外観的には、建物自体には特段変化ありませんが、まるで神社の狛犬のように間口両脇に並んでいた公衆電話が撤去されています(写真は左:旧、右:現)。時代の変遷を物語っていますね。

※2019/10、再食。海外旅行からの帰りに、成田から直行というか途中下車して寄りました。値上げして、現在はたぬき420円、天460円、月見390円、山菜420円です。
  実食は、天そば。相変わらずセメントのような鮮やかなグレー色の麺に、しっかり甘辛いつゆ。「ザ・駅そば」の味わいです。2週間ほど海外に行っていてこの味に飢えていたので、ひときわ美味しく感じました。天は、殻つきエビが一尾入ったもので、冷凍ものの揚げ置きと思われます。以前とはちょっと仕様が変わったように思います(以前はもっと薄くて大判なものだった)。
  平日13:00頃の訪問で、先客2・後客1。全員男性ひとり客。この客数で、ほぼ満席です。この日は雨天だったのですが、雨が降ると駅なかで食事を済ませようと考える人が多くなるのかもしれません。雨は、駅そと飲食店にとっては大敵ですが、駅なか飲食店にとってはむしろ味方になりそうです。


※閉店(「三松」化)していました。この店が閉店したことは残念ですが、後継店舗が入り、貴重な私鉄ホームの駅そばが残ったのは、なによりの救いです(2021/3、確認)。

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「三松」  実食日:2021/3

  1・2番ホーム(2階)のやや高砂寄り。上記「青砥そば」の跡地に、今年2月にオープンした。建物は「青砥そば」時代のものをそのまま流用している(おそらくこの場所に新たな建物を建てて駅そばを営業するのは無理)が、側面の意匠などが微妙にリニューアルされている。客席も、少しだけ増設。それでも、立ち食いカウンターのみで、キャパは4人。券売機はなく、口頭注文の代引き制。
  麺は、生麺の茹で置きと思われる。茹で麺っぽさも少々あるけれど、質感から考えて生麺だろう。中太の角麺で、目立った特徴は感じないが、簡易的なそばとしては充分。つゆは、「三松」にしてはわりとあっさりしているように感じた。それほど他店舗での実食回数が多いわけではないからはっきりとは言えないのだけれど、もうちょっと濃いイメージを抱いていた。「つゆは店内製」の貼り紙があったから、多少はブレがあるのかもしれない。甘さはあまりない。カツオ中心ながらも突出はせず、バランスのとれた出汁の風合いはなかなか好み。たぬきというメニューはなく、単品トッピングでの扱いになる。揚げ置きの天かすで、ふわふわ食感。香ばしさの中に紅生姜の香りが介在していた。かけ340円、単品たぬき80円。今回はこれに生卵60円を追加しての実食。玉子は先乗せで、白身はうっすらと白濁していた。変わりメニューに、しいたけ490円。出汁に使ったものであろう大ぶりな椎茸を、ゴロッとまるごとトッピングする。写真入りのメニュー表では、3個乗っていた。店の名物格になっていることだし、そのうち食べないと。また、「柴又店一番人気」と添え書きされたラーメン470円も試してみたい。ネギ増しは有料(50円)。丼はズッシリとした陶製のもので、どこかで見たことがデザインだなと思って帰宅後に手持ちの写真を漁ってみたら、京急系の「えきめんや」の丼にそっくりだった。同じものかもしれない。偶然だろうけど。というか、「えきめんや」の丼は汎用のものだったのか。箸は割り箸。
  日曜13:15頃の訪問で、先客3・後客1。うち先客のひとりは、若い女性。カウンターには、ひとりぶんごとにアクリル板のパーティッションあり。これがなければ、5人まで入れるかもしれない。総括すると、店員さんにもう少し愛想があるとなお良いと感じる部分はあるけれど、味覚的には悪くない。「三松」としては駅ナカ初出店でもあることだし、張り切って、しかも長く続けてほしい。また成田からの帰りがけにでも、ふらっと寄ろう。


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★京成高砂駅(京成本線・金町線)
「新角」  実食日:2004/10

  改札を出て左の階段を降り直進、すぐの路地を左、すぐ右側。一列カウンターだけの小さな店。
  同名店が有楽町駅(山手線)にあるのだが、関連性は不明。ただ、味は割と似ている気がする。つまり、かなり塩辛い。麺はツルツル系、天は具が細かくてフカフカしているが、悪くない。変わりメニューに、「べに天そば(340円)」というのがある。なんと、紅生姜の天ぷらだそうで。かき揚げにも若干の紅生姜が見られたが、これはちょっと勇気がいるなぁ。たぬきは300円。


※値上げしていました。現在、たぬき350円です。増税対応にしては値上げ幅が大きいですが、この間にたぬき330円だった時代があるので、単純値上げ+増税値上げの2段階値上げです。べに天そばは410円です。変わりメニュー「にん天そば」440円が登場しています。にん天とは、ニンニク入りのかき揚げです。べに天・にん天とも、有楽町にはないメニューです。ラーメンが名物になっているのは、有楽町と同じ。にん天ラーメン560円は、味覚的にベストマッチしそうな想像が湧きます(値−1点、付+1点。2015/2、確認)。

※値上げしていました。現在、たぬき360円です。「べに天」は、カッコ書きで「紅生姜」と付記され、430円。「にん天」は「にんにく入りかき揚げ」に名を変えて、460円です。にんにく入りかき揚げラーメンは590円になっています(値−1点。2018/3、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき380円です。紅天は、紅しょうが天の表記になり、450円。にんにく入りかき揚げは500円、にんにく入りかき揚げラーメンは630円です(2020/12、確認)。

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「都そば」  実食日:2006/12

  3&4番ホーム、階段下。階段と柱に挟まれているため、店の出入り口が側面にしかなく、同ホーム上にいると目立たない店。むしろ、1&2番ホームから見た方が存在感がある。狭いスペースでどうにか頑張っている店だから、規模は小さいし立ち食いのみ(椅子が1つカウンター下にあったが、引っぱり出すと明らかに迷惑になる狭さ)だし、メニューも少ない。しかしそれでも、私鉄のホーム上駅そばは守り通さねばならない貴重な文化遺産である。味のない茹で麺は決してほめられたものではないが、ここではむしろ水準レベルにあるつゆをほめておくことにしよう。たぬきなし、天350円。麺類以外では、いなり寿司(2個140円)がある。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。新写真が逆サイドから撮影したものなので比較しづらいですが、ご容赦を。近年、京成構内の都そばが次々と「越後そば」化していますが、ここは都が踏ん張っています。セマルの看板を掲げていますが、関西では見たことがないタイプのものです。値上げして、天400円になっています。天玉を「スタミナ」と表記しているところがセマルらしくて泣けます。評点はかなり低くなってしまいましたが、私鉄ホームの駅そばは絶滅危惧種なので、なんとか頑張ってほしいです(値−2点。2015/2、確認)。

※値上げしていました。現在、天430円です(2018/3、確認)。

※2019/9、再食。海外旅行(成田)から帰る途中に寄りました。1週間ほどご無沙汰していたので、恋しくなってしまいまして。まず、少々値上げしていました。現在、天440円です。今回は、スタミナ520円を実食しました。実質的には天玉そばです。さすがは関西出身チェーンだけあって、「天玉」ではなく「スタミナ」表記ですね。初食から13年ほど経っているので、当時の記憶は曖昧(写真もない)。天が変わったかどうかについては明言できません。ただ、リングを使って揚げているであろう正円形の天は高さが4センチほどあり、質量が大きいです。2006年時点でこのサイズ感の天を提供していたら、おそらく強く印象に残っているはずですので、変わっているのだろうと思います。カットの細かい野菜類のほかに、川エビサイズの殻つきエビが2尾入っていました。麺・つゆは、初食時の印象と変わりません。麺は、味がないというよりはつゆがあまり乗らないというイメージです。
  平日13:00頃の訪問で、先客1・後客1。この時間帯にしては、利用者少ないです。電車の発着のタイミングに合わせて混雑するでしょうから、たまたま切れ間だったということも考えられますが。昼どきよりも、朝や帰宅時間帯の方が書き入れ時なのかもしれません。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、天450円、スタミナ530円です(2020/12、確認)。

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※押上駅は、地下鉄7に掲載。
★立石駅(京成押上線)
「譽家」  実食日:2005/4

  改札を出て直進、右の階段を下りて直進、踏切端。間口が広い割に奥行きが狭く、やや窮屈な感じのする店。まぁ、混雑時間を外せば問題ないのだけど。この店に関しては、書きたいことがたくさんある。まず、320円のたぬきには小松菜とワカメが入る。具(たぬき)にもゴボウやニンジンなどがたくさん入っていて、豪華絢爛。これだけでも立派なのだが、さらに「おろしニンニク」が入れ放題になっている。そばつゆとニンニクの相性については賛否両論あるところだと思うが、私は幼少期からそばにニンニクを入れて食べる習慣があったので、これは嬉しいの一言。嫌いな人は入れなければいいだけの話だから。最近はおろしニンニクを用意している駅そばが少なくなってしまって、寂しい限りである。ただし、ニンニクはちょっとでも入れるとまるで別のつゆになってしまう。私がデフォルトのままで味を見てからニンニクを入れたのは言うまでもない。もう1点、そばつゆが2種類あるということも書き加えておきたい。「しょうゆ味」と「塩味」がある。デフォルトだとしょうゆ味になるのだが、塩味の方もちょっと気になる。「関西風」ということなのだろうか。いずれにしても、こういう創意工夫を凝らしている地元店には是非とも頑張っていただきたいものである。

※閉店していました。個性のある店だったので、残念です(2012/11、確認)。

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「都そば」  実食日:2005/10

  改札を出て直進、切符売り場の隣。京成沿線でお馴染みのチェーンである。
  味覚的には、特にこれといった特徴はない。麺もつゆも、平均的。天はフワフワしていて、若干落ち目か。細かい難癖をつけるとするなら、冷水機の出が非常に悪い。おばちゃんに突っ込んでみたところ、「毎度ながら、悪いんです」とのこと。直そうよ。たぬきなし、天340円、きつね310円。


※閉店していました。跡地も駅そばで、「越後そば」になっています(2013/7、確認)。

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「与作」  実食日:2008/6

  改札を出て直進、右の階段を下りて後方すぐ。看板には「定食」、暖簾には「そばうどん」と書かれている。位置付けとしては、「立ちそばメニューも扱う定食屋」といったところだろうか。昼時を外しても結構賑わっていて、そば・うどんを食べる人、定食を食べる人、一杯引っかけている人などがゴッチャになっている。昭和の臭いがプンプン漂っている、貴重な店だ。
  そばの味は、お世辞にも「こりゃ美味い!」と言えるようなものではない。味のない茹で麺、深みがなくやたら醤油の味が強いつゆ。加点材料としては、天の種類が豊富だということがある。そして、安い。かけ270円、たぬき320円は標準的だが、天も320円というのはお得感がある。しかも、ワカメ入り。おばちゃんの愛想もいいし、味を度外視して通い詰めてみたい店だ。


※消費増税に伴う値上げはなく、たぬき320円で据え置かれています。さらに、現在創業35周年記念セール中で、11〜17時にタイムサービスを実施しています。サービスタイム中は、かけ220円・たぬき270円・天270円(つまり、全品50円引き)で食べることができます。鍋焼きそば・うどん450円(サービスタイムは400円)、味噌煮込みそば・うどん450円(サービスタイムは400円)なんていう変わり種もあります。夜間のちょい飲みも、17〜21時はタイムサービス適用で飲み物全品100円引きです。もともと安い設定だけに、めちゃくちゃお得に感じます(酎ハイ310→210円など)。なお、今回は夜間訪問でしたが、暖簾にまで短冊が掛けられるなど昼間とはだいぶ雰囲気が違っているので、写真を貼っておきます(左:昼、右:夜。付+3点。2016/12、確認)。

※建物が解体され、跡地は更地になっていました。閉店したのかと思ってググってみると、移転したとの情報あり。現在は、線路の反対側で営業しているようです。移転先でそばを扱っているかどうかは未確認。近々確認しに行ってきます(2018/2、確認)。

※移転先を見てきました。線路の反対側、踏切からまっすぐ南へ歩いて奥戸街道に出るちょっと手前の右手です。残念ながら、麺類は味噌煮込みうどんと鍋焼きうどんだけでした。閉店として扱います(2020/12、確認)。

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「仲見世そば」  実食日:2012/11

  南口を出て、メインのアーケード商店街(駅前通商店街)と並行している「仲見世通り」に入り、すぐ右側。「仲見世通り」は狭い路地なので見落としやすいのだが、特に駅付近は活気があり、人も多い。雑多な商店街によくあるパターンだが、各商店が商品を路上にまで広げているため、なおのこと通路が狭くなっている。だから、店舗の写真を撮るのもひと苦労だ。店は小さく、椅子付きカウンター5席のみ。スペース的には8人くらい並べそうに見えるが、椅子が5つしかない。立ち食いするにはカウンターが低すぎる。もっと椅子を増やしたらいいのではないかと思うのだが、まぁ、5席あれば充分なのだろうか。
  麺は茹で麺で、やや扁平形。柔らかく、歯ごたえがまるでない。つゆは、やや甘みが強い。私が自宅で作るそばのつゆに味覚が近いような気がする。要するに、めんつゆっぽい。各種天は自家製でたぬきも天かすなのだが、残念ながら湿気ていた。揚げ置き時間がかなり長いと思われる。総じて、「本格度」という点では褒める要素が見当たらないのだが、ジャンクフードとして食べればこれもまた良し。ヨチヨチ歩きのおばあちゃんが独りで店番している店だから、どちらかというと「人情を食べに行く」という感覚で利用するのがいいだろう。たぬき320円。


※2016/12、再食。消費増税に伴う値上げはなく、たぬき320円・天340円で据え置かれています。実食は、天。麺は古めかしい木箱に入っている茹で麺で、これまたレトロな大釜で湯通し。高齢者に優しい、柔らかめの食感です。印象は変わっていません。湯通しだけにこの釜を使うというのはちょっと勿体なさすぎるので、もしかしたら生麺の超長時間茹で置きなのかも。つゆは、薬缶から注ぎます。甘く、カツオ出汁が勝った味。不味くはないのだけれど、ちょっとくどいというか、途中で飽きがくる味でした。天はふわふわ弾力系。お好み焼きとパンケーキを合わせたような食感。時折カリッとくる部分もあり、面白いです。例によって足の悪いよちよちお婆ちゃんがひとりで店番。この雰囲気は、味にも勝る魅力があると思います(付+2点)。

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「越後そば」  実食日:2013/7

  改札を出て直進、右手。3つ上に記載している「都そば」の跡地。厨房の配置は「都そば」時代と変わっていないが、内外装とも綺麗にリフォームされている。椅子付きカウンター8席のみの小型店。
  「越後そば」は、店舗によって麺に出来栄えがだいぶ異なる(モノが違うというより、調理の差のような気がする)のだが、この店舗はたいへん歯ごたえがよく、美味しかった。茹でたてに当たったからということもあるだろうが、それ以上に大きいのは、茹で上げた麺をすすぐときに常温の水道水ではなく氷水を使っているということ。芯までキュッと締まって、良い歯ごたえが得られる。良い工夫だと思う。つゆは甘めで、大きな丼にたっぷり注いでくれる。たぬき340円。このチェーンではたぬきそばにワカメを入れるのが常だと思っていたが、この時には入らなかった。時節がら、冷やしメニューが充実していて、中にはツナマヨおろしそば(480円)などという変わりメニューもあった。また、モーニング限定のお得メニューの設定があるほか、感謝ウィーク立石そば(280円)というものもある。ただし、どのタイミングで設定されているか詳細不明の「感謝ウィーク」期間中しか食べられないもののようだ。


※値上げしていました。現在、たぬき360円です。ツナマヨおろしは終了し、「感謝ウィーク立石」は「感謝フェア立石」と名を変えて320円になっています。レギュラーメニューの中にも「立石そば」があり、420円。フェア中は100円引きになる、ということでしょうか。写真を見た限り、立石そばの内容は「きつね+たぬき+山菜」のようです(値−1点。2016/12、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき370円、立石430円です。値上げしたとはいえ、他店舗に比べるとかなり安い設定です。売価は、賃料に比例して店舗ごとに変えているのでしょうか(2020/12、確認)。

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「ラッキー」  実食日:2018/12

  南口を出て、メインのアーケード商店街(駅前通商店街)と並行している「仲見世通り」に入り1分、右側。上記「仲見世そば」のすぐ近くに、2018年9月にオープンした新店。新店ながら、新しさをまったく感じさせない外観。よく見ると、コンパネ製の壁やカウンターなどは、新しいのだけれど素人が日曜大工でこしらえた(店主の自作なのではないかと思う)ような意匠なのだ。椅子はなく立ち食いカウンターのみで、キャパも3〜4人と狭い。
  麺は、オペレーションとしては茹で麺。ただ、食べてみての印象は乾麺を連想させる、少し粉っぽさが残る食感だ。茹で麺の湯通しアンダーの可能性もあるか。お手製コンパネカウンターの高さが絶妙で、微妙に店主の手元が見えない造りになっている(もっとも、そのような意図はなかったろうと思うが)ので、特定できなかった。つゆは、酸味の少ないカツオ出汁で、やや辛め。変なクセはなく、雰囲気的にもっとどぎついのが出てくるかなと思っていただけに、拍子抜けした。方向性としては悪くないと思う。小鍋を使って、ひとり分ずつ沸かしている。寸胴をずっと火にかけておくほどの客数はないのだろうと推察。たぬきは、やや色黒な天かす。気持ち揚げオーバー気味で、香ばしくて美味しい。うむ、天ぷらを揚げる際に出る副産物としてのたぬきは、こうでないと。各種天は自家製と考えてよさそうだ。かけ300円で、各種トッピングは基本的に単品扱い。たぬき・きつねがそれぞれ30円、かき揚げやコロッケなどが50円。トッピング価格が全体的に安い設定なので、たくさん乗せれば乗せるほどお得感が増すように思う。天玉コロッケきつねそばでも、480円で食べられる。唯一既製メニューの扱いになっているのが、肉そば420円。「塩味」と併記されていることから、つゆが違うのではないかと推察。今回は、かけそばにたぬきと生卵をトッピング(300+30+50=380円)。卵は先乗せか後乗せか分からず(手元が見えなかった)。白身は透明だったが、つゆがわりとぬるかったので先乗せでもあまり白濁しなさそう。また、卵が割れてしまっていたのだが、初老の店主はちゃんと「割れちゃったんだけど、いい?」と聞いてきてくれた。当たり前のように思うかもしれないが、実はこれをちゃんとやれる店は決して多くない。しれっと黙って割れた月見そばを出す店の方が多いくらいなのだ。こういうところで印象を落とすのは勿体ないので、詫びのひと言は必要不可欠だと思う。
  訪問は、土曜の15:30頃。先客・後客とも0。決して人通りが多い場所ではなく、それでいてすぐ近くに競合店がある立地。この場所で午後の中休みなく通し営業している。以下の記載は、すべて取材に基づくものではなく想像になるが、あえて書いておきたい。おそらくこの店は、テナントではなく自己所有物件なのだろう。そして、店主ひとりでの運営。その店主が、おそらく年金を受給しているであろう年恰好。自己所有物件で、従業員を使わず、ガツガツ利益を生まなくてもよい境遇。この3つが揃わないと、なかなか続かない店だと思う。自分自身の老後人生設計を考えるうえで、おおいに参考になった。


※閉店していました。う〜ん、続きませんねぇ。跡地は「匠」という名の店になっていますが、訪問時には営業しておらず詳細は確認できませんでした。立ちそばではなさそうな雰囲気です。ラーメン屋風の意匠です(2020/12、確認)。

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★柴又駅(京成金町線)
「新華」  実食日:2003/11



  改札を出て正面、「寅さん像」を越えたところにある。ラーメン屋のような店名だが、れっきとした立ち食いそば(ラーメンもある)。「これぞ下町の立ち食いそば!」とばかりの粗末な外観で、下町を知らない人が見たら廃屋と思うかもしれない。椅子席はもちろんないし、わけの分からない箱(踏み台?)に座って、丼を手に持って食べている人もいた。しかし、私が食べたときには、若い女性客もいた。これにはびっくり。店主もまた、バリバリの江戸っ子である。最初のうちはムスッと無愛想なのだが、食べ終わって「ごっそさん」と店を出ると、びっくりするような大声で「どーもー! ありやとやしたー!」と声がかかる。まず、この雰囲気で1点獲得。
  しかし、そばの方は今一歩。麺が妙につるつるしていて、食感が変なのだ。寒天が入ってるの? と思ってしまう。つゆも、ちょっと塩っ気が強い。汗をかいた後に食べてそう思うくらいだから。たぬき280円。


※日除けがリニューアルされていました。暖簾も新しくなっている(同タイプだが、文言の並びが微妙に違っている)ようです(写真は左:旧、右:現)。初心者を寄せつけない雰囲気はだいぶ薄れたと思いますが、まだまだ昭和の臭いが色濃く残っています(2014/2、確認)。

※値段等に特段の変化はありませんが、新たに店頭にテーブルが出されていたので、一応写真を貼っておきます(右端が最新。2017/2、確認)。

※大幅に値上げしていました。現在、たぬき360円です(値−3点)。ラーメンにも力が入っている店で、トッピングものがいろいろ設定されています。メンチラーメン530円は珍しくて面白いですね(付+1点。2018/12、確認)。

※駅前再開発に伴い、閉店していました。貼り紙が出ていて、工事終了後に「三松」として営業を再開する予定とのことです。「新華」と「三松」は、同系。ガラッと変わることなく、昔ながらの立ちそばとして復活してくれるといいですね。同系ですが、明確に店名が異なるため別店扱いとするので、「新華」は閉店として扱います(2019/4、確認)。

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「三松」  実食日:2021/8

  改札を出て右前。この駅は「改札を出る=駅を出る」の構造なので、改札からすぐ近くなのだけれど駅舎の外になる。とはいえ、この場所はおそらく駅の敷地内。広義の駅ナカといえなくもない場所になる。もともと駅前広場のファーサイドにあった上記「新華」が、ニアサイドに移って、店名も変わって再出発した、というイメージだ。オープンは、2021年6月。再開発に伴って新築された建物なのだが、店内にはどういうわけか昭和臭が立ち込めている。ちなみに、再開発前にこの店があった広場のファーサイドには、ファンリーマートがオープンしている。口頭注文の代引き制で、客席は4人掛けテーブル×2と、立ち食いカウンターが8人分くらい。店員さんは初老の男性(タイミングによるだろうが)で、決して俊敏とは言えない動作。手打ち式のレジスターを使っていることもあり、注文してから出来上がるまでに意外と時間がかかっていた。食券制を導入した方がよいような気もするのだが……。
  麺は、ゴワゴワした食感的には茹で麺っぽいのだが、タイマーを使って茹でていたから生麺なのかもしれない。そばの香りは、ほんのりというレベル。つゆは、椎茸をトッピングしたせいもあるかもしれないが、椎茸の香りが前面に感じられた。黒みが強い色合いで、かなりどぎついような先入観を覚えるのだけれど、飲んでみるとそれほど塩辛くはない。濃いことは濃いが、塩辛いというよりはコクが深いという感じ。たぬきは、揚げ置きの天かすでフワフワ食感。ややオーバー気味の揚げでキツネ色が濃く、香ばしさがある。加えて、紅生姜、ゲソ、小エビなどいろいろな香りがあり、味覚的にはなかなか好み。もう少しサクサク感があれば理想的なたぬきになるのになぁ……と、食感だけ少し残念だった。かけ320円。たぬきという既製メニューはなく、単品扱いで80円。これに、当店名物の椎茸130円を追加トッピングして実食。椎茸は、おそらく出汁取りに使った後のもの。大ぶりのものを甘辛く煮付けて、切らずにまるごと3個乗せる。プリッとした歯ごたえにジュワッと煮汁が染みだす食感がたまらない。椎茸自体の旨みもほどよく残っており、麺やつゆとのマッチングも上々だ。そば・うどんのほかに、ラーメンやご飯ものもある。ラーメンも当店名物なので、次回訪問時にでも試してみたい。麺大盛りだけでなく、「スープ大」という設定があるのも面白い。
  平日14:30頃の訪問で、先客0・後客3。全員男性ひとり客。コロナのせいもあって周辺を歩く観光客が少なく、駅前再開発の真価はまだ発揮されていない様子。コロナが落ち着いたら、観光客も戻って、この店ももう少し忙しくなるだろうか。再開発で駅前広場がかなり狭くなり、歩行者が滞留できるような場所がなくなっているので、この店の前あたりで立ち止まる人が続出して、店に出入りしづらくなるのではないか。それが、心配の種といえば種。


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※京成金町駅は、常磐線2に掲載(金町駅)。


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