甲信越1
(山梨・長野)

現在、79軒掲載(うち36軒は、閉店確認済)
★大月駅(JR中央本線、富士急行)
「大月かいじ」  実食日:2004/8

  JRの改札を出て右すぐだが、改札内からでも食べられる。昔はこの場所に「桂」という屋号の店があったように記憶しているのだが、どうやらリニューアルしたようだ。昔の方が「雰囲気」はよかったような気がするが、「桂」で食べていない以上、味は較べようがない。
  今の店は、細くてザラザラとした麺を出す。これ自体は悪くないが、つゆの味が薄いのが若干マイナス。たぬき330円(ワカメ入り)。ご飯ものも用意してあり、漬物3種(福神漬け・柴漬け・キューリの微塵のやつ)がフリーになっているのが嬉しい。そばをメインにして、仕上げにご飯を、というスタイルが頭に思い浮かぶ。


※看板等は変わっていませんが、店名(食券印字)&業者が変わっていたため、閉店扱いとします(2010/1、確認)。

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「NRE」  実食日:2010/4

  JR改札内外、上記「大月かいじ」の跡地。跡地というか、外観・内装は変わっておらず、業者と店名が変わっただけ(もちろんメニューや味も変わっている)。店名は食券に記載。店内フロアはそれほど広くないが、テーブル席と椅子付きカウンターを多数配置している。デッドスペースが少なくなるように苦心した跡がうかがえる席配置だ。改札内・外の境界は簡単なバリケードのみ。仕組みを知らない人(特に外国人が多い)は平気でバリケードを突破しようとするのだが、もちろん店員さんに咎められる。
  この店のそばは、麺の食感が独特。調理時間は短かったが、生麺なのかな。コシというか弾力というか粘性というか、他ではあまり経験した記憶のない食感だ。少なくとも、首都圏の他のNRE系店とはまったく異なる。つゆはやや塩辛め。たぬき350円。山菜340円にお得感あり。変わりメニューに、かつそば500円。カツ丼の具が乗る。東京駅「ぐる麺」の二番煎じっぽいが、新幹線改札内以外では初お目見えかも。箸はエコ箸。また、富士吉田へ続く富士急行の接続駅であることもあり、「吉田うどん」を扱っている。370円とそれほど高くないので、一度試す価値はある。すり種(炒め唐辛子)も用意されている。


※閉店(「清流そば」化)していました(2015/1、確認)。

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「清流そば」  実食日:2015/1

  JR改札内外両側。上記「NRE」の跡地。内装はほぼ変わっていないと思われ、席配置は改札内側にテーブル席が計10、改札外側にテーブル席と椅子付きカウンターが計11席。4人卓があるのは改札内側のみ。この配置を見ると、グループ客は改札内から、単身客は改札外から多く利用するのだということがうかがえる。
  味覚的には、NREスタンダードに変わっている。つゆがあまり乗らない茹で麺に、固さの残るつゆ。首都圏のNRE茹で麺店よりもさらにつゆ乗りが悪いように感じた。湯通し加減の問題だろうか。たぬき340円ということで値段は下がったようだが、残念ながら味の方も低下した印象を受ける。吉田うどん470円が残った(こちらはだいぶ値段が上がったが)のが救いか。箸はエコ箸。


※閉店(「いろり庵きらく」化)していました(2016/12、確認)。

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「いろり庵きらく」  実食日:2016/12

  JR改札内・外。上記「清流そば」の跡地。2016年12月8日に生まれ変わった新店(訪問は12月19日)。客席配置は「清流そば」時代と変わっておらず、改札内(ホームから出入り)がテーブル席8・椅子付きカウンター2、改札外(駅舎外から出入り)がテーブル席6・椅子付きカウンター5。パーティッションで改札内・外が区切られている。近年、NRE駅そばは生麺化の傾向が顕著になっているが、その多くはコンコースや駅舎外側の店舗。ホームから出入りできる「いろり庵きらく」は珍しい(柏駅という前例はあるが)。朝7:30のオープンなので、青春18きっぷなどで都心部を始発で出て大月に着くと、まだ開いていない。以前は始発からの乗り継ぎで食べられたような記憶があるのだが、少しオープン時間が遅くなっただろうか。7:30になるのを待って入店したので、私がこの日の一番客。後客は2人だった。
  麺は、茹で置きでの対応。一番客でも茹で置きになるのだから、常に茹で置いているのだろう。嫌な粘着はなく、悪くない出来。近年改良したと思われる麺で、安定感が出てきている。つゆは、最初のひと口めにほのかなカツオの香りを感じたのだが、ふた口め以降は感じなくなった。意図的にカツオを強めているわけではなく、きらくスタンダードだと思う。たぬきは、朝イチだったこともあって揚げ置き時間が短く、サクサク感があって好印象。比較的粒が大きく、つゆに浸かってもゾル化しにくいのもありがたかった。たぬき370円。メニューや値段は、都内の店舗と同一。店舗限定っぽいものは特に見当たらず。お得な朝メニューがあり、朝イチでの実食だから当然注文。3種の設定の中でダントツにコスパがよさそうな朝食セット(明太子)380円を。かけそばではなくたぬきそばとのセットになるところが嬉しい。セットのご飯は、刻み海苔とチューブから絞り出した明太子を乗せただけの簡素なもの。だけど、これが結構美味い。メイン格にはなりえないものだけれど、セットのご飯としてはこれで文句なし。店舗数をどんどん増やしている「いろり庵きらく」は、レベルが上がってきたし、安定感も出てきた。あとはつゆのモヤリ感が解消されれば、「味4点」も見えてきそうだ。美味しくなるのは良いのだけれど、個人的には茹で麺店時代に名物になっていた吉田うどんが消滅してしまったことが残念でならない。地域の特色は、著しく失われてしまった。そば湯ポット(というか急須)あり。箸はエコ箸。


※値上げしていました。現在、たぬき390円です(2019/3、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、たぬき400円です(2021/9、確認)。

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★石和温泉駅(JR中央本線)
「あじさい茶屋」  実食日:2004/11

  駅を出て左すぐ。ホーム側にも窓口が開いているが、外側の方がメインの造りになっている。
  それにしても、こんなところにまで「あじさい茶屋」が進出しているとは、正直驚いた。1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)限定のチェーンだと思っていた。味は、いつもどおりの「あじさい茶屋」。主たるチェーン展開域から外れているため、味も違うかなと期待していたのだが、都内の「あじさい茶屋」と変わらない。たぬき320円。


※閉店していました(2010/3、確認)。

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「ナノカコート」  実食日:2015/1

  駅を出てロータリーの向かいにそびえているイオン石和店1階フードコート。イオン石和店は数年前(サティ時代)に一度訪れていて、その時にはこの店はなかったように記憶している。見落とすような店ではないので、イオン化してからオープンしたのではないかと推察。だいぶ高めの価格設定なのだが、他に対象となる店がない駅ということで、地方特例を適用する。一応フードコート形式にはなっているのだが、店は基本的にこの1軒のみ。ただ、注文内容によって受渡口が異なる。クレープなどはフードコート入口で注文・受渡。食事系はレジで支払って番号札をもらい、奥で呼び出して受渡。レシートに「ラーメンとん太」と印字されていることから、どこにも表記はないものの実質的には「とん太」であると思われる。そばを扱っているのが若干不思議な感じがするが。実食は14時頃で、店内閑散。う〜む、大丈夫だろうか。
  麺は、かなり極端な乱切り麺。太いものは7ミリくらいあり、細いもので2ミリくらい。食感が楽しく、またそれなりに風味もあってよい。残念なのはつゆで、ちょっと刺激臭がある。つゆを飲むときには感じないのだが、麺をすすり込むときにホワンと漂う。防腐剤なのかな。花かつおフリーのサービスがあるので、大量投入して臭いを中和するとよいかもしれない。かけ420円、きつね520円、海鮮かき揚げ620円。実食はきつね。きつねは「赤いきつね」のようにふんわりと柔らかいタイプ。安っぽさは否めないが、味覚的にはこれはこれで悪くない。実質「とん太」(くどいようだが、あくまでも推察で裏は取っていない)だけに、ラーメンも各種揃っている。が、こちらもショッピングセンター内のフードコートにしては高めの設定。箸はエコ箸。


※閉店していました。フードコート自体が閉鎖され、ベンチがたくさん置かれているだけの休憩所になっています(2021/3、確認)。

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★酒折駅(JR中央本線)
「そば一」  実食日:2017/1

  駅を出て、目抜き通りを1分、左側。国道411号線に出るちょっと手前にある。「酒折駅前店」という店舗名が表示されているので、ほかにも店舗があるのかなと思ってググってみたのだがヒットしない。言わずもがなだが、NREの「そばいち」とは無関係。乗降客数のあまり多くなさそうなこの駅で薄利多売型の飲食店がやっていけるものなのかと不安になるのだが、実は国道411号線を左折した先に山梨学院大学がある。学生の需要が結構あるのかもしれない。客席は、壁側を向いた立ち食いカウンターのみ(壁に折りたたみ椅子がたくさん立てかけてあったので、座って食べることもできるのだろう)。キャパは10人くらいか。なお、店名については、店内外に「そば一」表記と「そばいち」表記が入り乱れている。当サイトでは、間口上部の看板に表示されている「そば一」を店名とみなしている。
  この店の最大の特徴は、値段の安さにある。かけそばは、なんと180円だ。月見230円、天でも280円で食べられる。これは立ち食いそば価格というよりも学食価格だ。やっぱり、主たる客層が学生なのだろう。麺は、質感があって少しボソッとする茹で麺。意外にもと言っては失礼だが、そばの香りがそれなりに感じられ、悪くない。つゆは、醤油のコクがあまりない淡麗系。丼が黒いため色合いが見にくいのだけれど、うすくち醤油かもしれない。出汁はさほど香らず。実食は、天そば。天ぷら(かき揚げ)は揚げ置きで、しなっとしたもの。具材はタマネギ・ニンジン・インゲン。綺麗な正円形をしていて見た目には冷凍ものを連想させるのだけれど、食べてみた印象としては自家製の揚げ置き。リングを使用して揚げているのだろうか。麺は、そば・うどん・支那そばからの選択。支那そばだと、「黄そば」のような感じになるのだろうか。変わりメニューに、つけそば(麺2玉使用)350円、まぜそば(麺2玉使用)420円。ご飯ものも充実のラインナップ。かき揚げ丼は250円なので、かけそばと合わせても430円で食べられる。これはお値打ちだ。店名を冠した「そばいちセット」というセットメニューもあり、490円。内容は、かけ+絶品肉そぼろ丼。これも安い。その他では、棒アイス60円の扱いがあるのが興味深い。やっぱり、学生がターゲットなのだと再認識させられる。スタンプカード制度あり。1食につき1つ押印で、5つたまる毎にかけor卵かけごはんサービス。20個たまると、さらにトッピングをひとつサービス。つまり、20回通えば、累計でかけそば4杯とトッピングひとつがサービスになるということ。有効期間が3か月と短いので旅人にはハードルが高いが、日々当駅を利用している山梨学院大生にとっては見逃せないサービスだろう。


※閉店していました。跡地には「SHIKISAI」という飲食店が入り、「うどん・そば」の表示もあるのですが、入って注文したら「そばは、今はやっていない」とのことでした。コロナ対応で、テイクアウトが中心になっている様子です。コロナが落ち着いたら、もう一度行ってみようと思います(2021/3、確認)。

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★甲府駅(JR中央本線・身延線)

「みたけそば」  実食日:1999/12

  改札の脇にある素朴な店。つゆはかなり濃い色をしているが、見た目ほど毒々しい味ではない。ここの人気メニューは、“おでんそば”。値段は忘れたが、確か350円だったと思う。これは、数種類あるおでん種の中から好みのものを一品選んでトッピングするもの。おでんのつゆとそばつゆが混ざり合って、マイルドな味になる。


※閉店(「あじさい茶屋」化)していました(2005/9確認)。

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「あじさい茶屋」  実食日:2005/9

  2&3番ホーム。以前(1995頃)には、この場所に真っ黒な太麺を出す駅そばがあったのだが、この10年の間に「あじさい茶屋」化していた。あじさい茶屋、着々と勢力範囲を拡大していっている印象だ。
  しかし、ここの「あじさい茶屋」は、首都圏で見る店舗とはちょっと異なっていた。麺やつゆに大きな違いは感じなかったのだが、たぬきそば(320円)にたっぷりの鰹節と刻み海苔が乗るのだ。それから、車内持ち込み容器(20円)を扱っているあたりも、首都圏の店舗とは異なっている。鰹節というのは、つゆの味を劇的に変化させるもので、少なくともこのつゆは鰹節によってかなり味が良くなっていると思う。
  なお、改札外にあった「みたけそば」(上記)も「あじさい茶屋」化しており、1番ホームにも「あじさい茶屋」がある。甲府駅は、完全にこのチェーンの手に落ちた。

※閉店(「そば処 甲州」化)していました(2008/8、確認)。「そば処 甲州」も、経営はNREです。

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「そば処 みたけ」  実食日:2008/9

  改札を出て右。甲府の駅そば情勢はめまぐるしく変遷しており、目が離せない。改札外店舗の場合、かつては改札を出て左に「みたけそば」(2つ上参照)があったのだが、改札出て右に場所を移して「あじさい茶屋」になり、さらに「そば処 みたけ」に変わった。ただ、経営はNREなので、「みたけ」に戻ったのではなく、単に店名が変わったと考えた方が的を射ているだろうか。ちなみに、食券には「甲府みたけそば」と印字されているのだが、看板に記載されている文字列の方を店名と解釈させていただいている。
  麺はあじさい仕様の茹で麺だが、つゆは角がなくマイルドで美味かった。サービストッピングの刻み海苔と鰹節が利いているのだろうか。たぬき320円。メニューや値段はあじさい茶屋に準じている。清流そば450円があるから、国立や昭島の「清流そば」に準じていると言った方が的確か。「みたけそば」時代の名物おでんそばも継承している(320円)。


※値段等変化ありませんが、名物の「おでんそば」が「さつまあげそば」という名に変わっていました。要するに、おでん種を選べなくなった、ということのようです。これは痛恨ですね(付−1点)。

※閉店していました。改札内に「そば処甲州」がオープンしています(2013/10、確認)。

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「そば処 甲州」  実食日:2009/1

  2・3番ホーム中ほど、2つ上に記載している「あじさい茶屋」の跡地。経営は変わらずNREだが、内容には若干の変化が見られる。
  麺は「あじさい茶屋」時代と同じであると思われる。北戸田仕様(都内近郊のNRE店舗で用いられる麺)かと思いきや、どうも食感が異なる。若干ぬめりがあり、北戸田仕様の麺よりも舌触り・喉ごしが滑らかだ。麺のばんじゅうが見えない位置にあって詳しくは確認できなかったが、どうも袋麺っぽい。どこの工場で製造しているのか、気になるところだ。また、「あじさい茶屋」時代にあった刻み海苔トッピングは、消滅していた。改札外の「そば処 みたけ」では見られたのだが。メニュー及び値段は、都内近郊の「あじさい茶屋」に準拠している。変わりメニューには、甲府オリジナルの「特製甲州そば」があり、490円。写真を見た限りでは「山菜+きつね+温泉玉子」で、特に変わったトッピングは乗らないように思えたのだが、実は山菜が「きのこ山菜」になっている。これはプラス評価できる要素だ。加えて、麺は1.5玉。また、「みたけ」同様におでんそば(320円)を扱っている。トッピングは、さつまあげ・玉子・コンニャク・厚揚げ・ちくわの5種から選択。おでんの単品注文もできる(すべて80円)。さらに、これまた「みたけ」同様になるのだが、「清流そば」も扱っている。なかなか面白味のある店だ。なお、上記「あじさい茶屋」の項で「1番ホームにもあじさい茶屋がある」と書いているが、この店舗は消滅(「NEW DAYS」化)していた。


※閉店していました(2009/12、確認)。

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「そば処甲州」  実食日:2013/10

  改札内コンコース、コンビニと同棟になっている店舗。ここ数年、当駅の駅そばはコロコロと場所が変わっているのだが、果たしてここが安住の地となるのだろうか。客席はテーブル席(4人×2)と、椅子付きカウンター6席。
  麺は茹で麺で、都内で食べるNREスタンダードに比べるとちょっと柔らかいように感じた。が、これは湯通し加減の違いかもしれない。つゆは、都内で食べるNREスタンダードに比べるとやや薄いように感じた。が、これは希釈率や煮詰まり具合の差かもしれない。皮肉なことかもしれないが、トータルでは都内で食べるNREスタンダードよりも麺がつゆによく馴染んでいるように感じた。たぬき320円。メニューは、都内のNRE系列店に準拠。季節限定メニューも同一のものを用意している。「みたけ」時代に名物になっていたおでんそばは、扱っていなかった。


※値上げしていました。現在、たぬき340円です(値−1点。2014/9、確認)。

※閉店(「いろり庵きらく」化)していました(2016/3、確認)。

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「丸政」  実食日:2013/10

  北口を出て、ペデストリアンデッキでロータリーを渡り、道路を渡ってすぐ。ファミリーマートの隣にある。小淵沢に本拠を置く駅弁業者の出張店舗だ。全国的にジリ貧状態にある駅弁業者の中で、「丸政」は元気だ。ただ、エキナカでは営業権をとれなかったのだろうか、エキチカで営業している。店内は結構広く、立ち食いカウンター10人分程度に加え、テーブル席が4つ(すべて4人掛け)ある。
  麺は、極太の茹で麺で食べ応え十分。つゆはやや淡めで、心地よい甘みがある。一概には言えないが、小淵沢駅で食べるものとは味が違うように感じる。かけ290円、月見340円、きつね370円など。各種天は自家製店揚げと思われ、カウンターに現物が並んでいる。既成メニューとしてでなく、追加トッピングとして乗せてもらうことができる。たぬきというメニューはないが、天かすはネギとともに立ち食いカウンターに置いてあり、自由に入れることができる。他にもいろいろと魅力的なサービスがある。まず、かけ系のそばは、すべて大盛り無料(もり系&冷やし系は100円)。また、日常的に利用する人にとってありがたいスタンプカード制度がある。小淵沢駅や富士見駅のような風情はないが、都会的で洗練された「丸政」も、これはこれでいいものだ。


※かけは290円で据え置きですが、種物が値上げされていました。現在、月見350円、きつね390円です。麺は、そば・うどん・黄そばの3択です。かけ系大盛り無料は継続されています。冷は、変わらず100円増しです(2015/1、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ330円、月見380円、きつね420円です。麺の3択制および温麺の大盛り無料は継続されています(値−1点。2021/3、確認)。

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「いろり庵きらく」  実食日:2016/3

  改札内コンコース。上記「そば処甲州」の跡地。ほぅ、ここも「きらく」になりましたか。内外装ともリニューアルされており、客席はテーブル2人×3と椅子付きカウンター11席。
  タイミングによるかもしれないが、訪問時には麺を注文後に茹でるオペレーションをとっていた。都内の店舗では時間帯を問わず茹で置きが主流であるだけに、ちょっと新鮮。食感・香りとも、まずまず。つゆはマシン注ぎで、立地的にカツオを強めたタイプになっているのかなと予想した(中央線沿線の店舗はカツオを強める傾向があるので)のだけれど、実際にはオーソドックスだった。というか、たまたまかもしれないが、他店舗よりもちょっと淡いように感じた。方向性がはっきりしないモヤッとした味覚。「上品」のつもりなのかもしれないけれど、印象としては決して上品ではない。たぬきは、天かす。油切れは悪くないのだけれど、ところどころに極端に焦げた玉が混ざっていたのが残念。焦げすぎた玉は、丁寧に取り除いてほしい。たぬき370円。麺単の変わりメニューは、特になし(都内店舗と同じと思われる季節限定メニューがある)。セットメニューの中に「ミニとろたく丼セット」というものがあったのだが、これは他店舗にもあっただろうか? 比較的近い時期に食べた取手と下総中山の券売機写真を見返しても、このメニューは入っていない。返却口付近にそば湯ポットあり。箸はエコ箸。
  ひとつ、細かいところで指摘を。受渡口の場所が分かりにくいというか、遠い。食券を買って、出して、席を確保して待って、呼び出されて取りに行くと、動く距離がいたずらに長くなるような造りになっているのだ。食券を出して、そのまま受渡口で待てばそう問題にならないのだが、注文後茹でだとそれも辛い。客席から近い位置にある返却口と、場所を逆にした方がいいのではないかと感じた。あるいは、食券受付は今の場所でいいとして、商品提供口を返却口の脇あたりに新設するか。21時過ぎでも先客3・後客3とそれなりに入っていた店舗だから、今の構造だと、昼時など多客時間帯に動線が入り乱れて混乱をきたしそうな気がする。


※昼間の写真に貼り替えました。値段等、変わっていません(2017/4、確認)。

※値上げしていました。現在、たぬき390円です(2019/3、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき400円です(2021/3、確認)。

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「丸政」  実食日:2017/1

  南口を出てロータリーを左に回り、目抜き通りに入ってすぐ。北口に続いて、2016年12月にオープンした新店。駅弁業者の駅そばは全国的にあまり勢いがないが、丸政は元気だ。エキナカだけでなく駅周辺にも店舗を展開している。全国の駅弁事業者が再興を考えるにあたって、ヒントになる部分が多々あると思う。店内はわりと狭く、立ち食いカウンターのみの造り。キャパは10人くらいだろうか。セルフで選択するトッピングなどが多数用意されていて、「半讃岐うどんスタイル」とでも言いたくなるシステム。甲府北口や韮崎などと同じタイプの店だ。
  麺は、太平の茹で麺。わりとそばの香りがある。平麺仕立てなので、太いわりに歯ごたえというか質感はそれほど強くない。つゆは、やや甘め。色がわりと薄いけれど、関西風という感じではない。かけ290円、月見350円、きつね390円など。麺は、そば・うどん・黄そば(中華麺)からの選択。温メニューに限り、麺大盛り無料。既製メニューも悪くないが、多種多様なセルフトッピングがこの店の真骨頂。しかも、この店舗は他店舗よりもセルフトッピングの種類が多い様子。変わったところとしては、出汁巻き玉子天100円、ちくわサラダ天90円、ハムカツ100円、ハム玉子天120円、高野豆腐天110円、オーシャンキング天160円、ジャンボかき揚げ160円(これとは別に、通常のかき揚げに相当する「駅そば天」80円がある)など、目移りしてしまうほどのラインナップ。楽しいけれど、あれもこれもと欲張ると結構な金額になってしまうので、そこは気をつけて。
  今回は朝イチ(7:50頃)の訪問だったので、セルフトッピングはまだ5〜6種のみの用意だった。その中から、山賊揚げハーフ80円と豚バラ軟骨天120円をチョイス。これで充分なボリューム感になるのだけれど、どうやら私が取った豚バラ軟骨天が規格よりもちょっと小さいものだったようで、もうひとつサービスしてくれた。山賊揚げは、ハーフでも充分大きい。居酒屋などで出てくる唐揚げと比較すると、2つぶんくらいありそう。衣がカリッとしていて美味い。豚バラ軟骨天は、もはや丸政の名物にもなっているコラチャーそばに使うコラチャー(「コラーゲンチャーシュー」の略)を天ぷらにしたもの。旨味濃厚でとろけるような舌触りに、衣のサクサク感が加わる。これも美味い。ただ、2つ食べるとさすがにちょっと飽きてくる。サービスの気持ちは嬉しいけど、固辞するべきだったか。とにかくサービスが充実していて、天かすフリー、スタンプカード制度などもある。「490円の客にこんなにサービスして大丈夫?」と言いたくなるほどだ。くれぐれも、無理のない範囲でお願いします。箸はエコ箸。


※閉店していました。跡地は、金沢カレーとタピオカドリンクの店です(2021/3、確認)。

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★韮崎駅(JR中央本線)
「丸政」  実食日:2014/3

  改札を出て左、待合室内。駅舎の外側からでも出入りできる造りになっている。昨年10月オープンの新店。小淵沢の駅弁業者が営む店。駅弁業者は全国的に衰退が進んでいるが、丸政は甲府に続いて韮崎にも出店するなど、ずいぶん元気だ。甲府と同じく讃岐うどんスタイルの店で、有人レジでベースメニューを口頭注文し、天ぷらなどのトッピングやおにぎりなどはセルフで追加し、精算するシステム。客席は、2人掛けテーブルが主体。全部で8卓ある。また、奥の方には座敷もあり、こちらは4人卓が2つ。ゆっくりと時間をかけて談笑しながら食べられる店だ。
  麺は、太い平麺。質感があり、食べ応え抜群。これは甲府と同じ麺だろう。つゆはやや甘めで、味は濃い。武骨な麺には、濃いめのつゆがよく合う。たぬき(揚げ玉)とネギはフリー。かけ290円、月見340円、きつね370円など。変わりメニューに、コラチャーそばがある。これは「コラーゲンチャーシュー」の略で、トロトロに煮込んだチャーシューをトッピングする。沖縄の軟骨ソーキに近い。そばとの相性も良く、たいへん美味しい。ボリューム感のわりに価格が安く、ノーマル(半分サイズ)390円、丼の口径に近いサイズの「一本乗せ」でも420円。これは自信を持ってオススメできる。また、麺はそば・うどんのほかに「黄そば」も用意(同額)。お得なセットメニュー「モーニングセット」や「ディナーセット」もある。また、かけ系のそばは全品大盛り無料。サービスが全体的にすごいことになっている。箸はエコ箸。
  韮崎駅は、かつてほぼ同じ場所に駅そばがあった(未食のまま閉店)のだが、閉店して以来長きにわたって空位状態が続いていた。駅周辺の街も、寂れる一方だった。しかし近年、駅前に大きなショッピングモールができ、エキナカに丸政ができ、駅前広場が整備され、活気を取り戻しつつある。今後の展開にさらなる期待をしつつ、「サービスは無理のない範囲で」と、少し心配になってしまう。


※2014/5、再食。消費増税に伴う値上げはありません。頑張っています。黄そば(そばと同額)を試しました。コシのある縮れ麺を使用しているので、姫路の「えきそば」よりもよりラーメンに近い印象です。

※2015/11、再食。コラチャー一本のせを、黄そばでいただいてみました。そばと合わせても美味しいトッピングですが、ラーメンの方がさらによく合うのではないかと考えて。でも、結論から言うと、つゆがそばのものなので、そば・黄そばとも相性レベルは同じくらいですね。問題なく美味しいですが、「100点満点」という相性ではありません。とはいえ、このボリューム感(しかも、麺大盛り無料&天かす・ネギフリー&スタンプカード制度あり)で420円ですから、腹ペコ庶民にとってこの上なく強い味方であることは間違いないです。
  新作メニューがいろいろ増えています。にしんそば650円、牛すきそば650円。ちょっと高い印象はありますが、麺大盛り無料であることを加味すれば、価格に見合う満足を得られるでしょう。私は、もう少し廉価なメニューを数多く食べたいですが。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ330円、月見380円、きつね420円です。値上げ幅がやや大きめですが、消費8%増税時に値段を据え置いたということもあるので、やむを得ないでしょう(値−1点。2021/3、確認)。

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★長坂駅(JR中央本線)
「丸政」  実食日:2016/12

  駅を出て左すぐ、駅舎に隣接。小淵沢の駅弁業者「丸政」の駅そば店で、2016年2月オープンの新店。いや、厳密には「復活」と言った方がいいかもしれない。かつてこの場所には「丸政」の駅そばがあり、それが一度閉店というか業態変更してラーメン屋になっていたのだが、このほど駅そばに戻った。餅は餅屋ということか、「丸政」にはラーメンより駅そばの方が似合う。一度業態変更したということは、乗降者数があまり多くない当駅での駅そば運営が難しいということではあったと思うのだが、韮崎や甲府などに店舗を広げ勢いのある今ならやっていけると踏んだのだろうか。私としては、嬉しい限りだ。店内は手狭で、椅子付きカウンター9席が基本。加えて、立ち食いできそうなスペースが2人分くらいある。
  味覚的には、他駅の店舗と変わらない印象。太平の茹で麺で、わりとツルツルした舌触り。そばの香りもそこそこあり、茹で麺としては美味い部類だ。つゆは、やや甘め。くどい感じではなく、飲みやすい。メニューや値段は、甲府駅や韮崎駅の店舗に準拠か。かけ290円、天400円、きつね350円などで、温そばは大盛り無料。そば・うどんのほかに「黄そば」を選べるのも各駅共通。たぬきというメニューはなく、天かすがフリーで置いてある。意図的に作ったかのような形をした天かすで、やや油強めなので入れすぎに注意。変わりメニューがいろいろある。名物の山賊(特大の鶏唐揚げ)420円、コラチャー(コラーゲンチャーシューの略)420円あたりはお馴染みだが、甲府や韮崎で見た記憶がないメニューとしてチャーシュー700円やジン唐480円もある。肉系のオリジナルメニューが目立つ。
  実食は、謎めき度ナンバーワンのジン唐そば。これは「ジンギスカン唐揚げ」の略で、羊肉を使った唐揚げをトッピングする。山賊とは違ってひと口大サイズの唐揚げをたくさんトッピングするので、大口を開ける必要がなく、食べやすい。食べてみての印象としては、パサつきはまったくなくジューシー。マトンではなくラムだろうか。羊肉に特有の臭みがあるので、好き嫌いが分かれそうなメニューではある。この臭みは馬肉にも通じるものだから、小淵沢駅の店舗で馬肉そばを扱う「丸政」らしいメニューであると言えそうだ。次回訪問時には別メニューを食べると思うけれど、話題性は申し分なく、一度試してみる価値はありそう。
  訪問が12:30頃だったこともあり、先客が7人と賑わっていた。昼時でも2〜3人じゃないかなと思っていただけに、「えっ! こんなに入るんだ!」とびっくりした。ただし、後客は0。昼時で、なおかつ列車の到着後というタイミングだったから混雑していたのかな。手狭な店なので、先客が7人いると若干窮屈(空席があっても人口密度がとても高く感じられる)。ゆったり食べたいなら、列車で到着してから、コンビニ等に寄って少し時間をずらして訪問する手もあると思う。どうせ、この駅で途中下車をしたら次の列車まで30分くらいは空くだろうから。箸はエコ箸。


※店頭メニューでは表記が残っていますが、「ジン唐」は終了しているとのことです(2018/4、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ330円、天430円、きつね420円、コラチャー450円、山賊480円です(値−1点)。ジン唐とチャーシューは、メニュー表から削除されていました(2021/3、確認)。

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★小淵沢駅(JR中央本線・小海線)
「観音生そば」  実食日:2007/9



  改札出て左、待合室内。富士見「入笠駅そば」や小淵沢2&3ホーム「そばうどん」と同じく、駅弁業者「丸政」が経営する店。野沢菜天そばや馬肉そばといった丸政オリジナルのメニューも健在。ただ、富士見でやっていたサービス券の配布はなかった。
  この店のそばは美味しかった。麺は硬質の歯ごたえが心地いい乱切り麺。極端な太−細ではなく、太いものは細いものの倍くらいか。つゆはほんのりと甘みが射しているのがポイントで、強烈な印象が残るタイプではないが完成度が高い。昨年8月の時点での富士見「入笠駅そば」とはまったくの別物に感じた。かけ260円、月見310円、天360円などの他、季節限定メニューに「きのこおろしそば」(400円)があった。

※暖簾が変わっていました(写真は左から2枚目)。値上げして、かけ290円、玉子350円、天400円になっていました。メニューはホームの店舗と同じ(表記は若干異なる)ようで、野沢菜天400円、山賊420円、桜肉480円といった変わりメニューもあります(値−1点。2014/9、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左から3枚目)。写真では「観音生そば」の表記が外れたように見えますが、写真では写っていない側面に表記が残っているので、当サイト上での店名は据え置きます。お客さんがおらず寂しい感じがしますが、これは閉店間際の時間帯だったからです。昼間は、以前にも増して賑わっています(ホームの店舗が閉店したこともあり)。この店舗も、新駅舎のオープンとともに消える(移転・リニューアルする)可能性が高いですので、立ち食い露出店の風情を楽しむならお早めに訪問を(2016/3、確認)。

※特段の変化はありませんが、前回の写真が客0で寂しいので、賑わっているシーンを貼っておきます(右端が最新)。もうじき新駅舎が完成してこの店舗も移転することになり、これが見納めになる可能性が高いので、記念に(2016/12、確認)。

※2017/3、再食。新駅舎の完成とともに移転する予定の店なので、おそらくこれが移転前の最後の一杯。野沢菜天そば400円をいただきました。細かく刻んだ野沢菜だけを使ってかき揚げに仕立てた天ぷらで、以前に食べたときにはかなりしょっぱかったのですが、今回はちゃんと塩が抜けていました。だいぶ誤差があるようなので、塩抜きは自前でやっているということでしょうか。ちゃんと塩が抜けていれば、独特の青い香りが際立って、結構美味しいです。天かすのサービスあり。基本的には注文時に聞いてきてくれますが、天ぷら系のオーダーだと聞いてくれないようです(先客には聞いたが、私には聞かず)。まぁ、必要ないですからね。
  11:00頃というアイドルタイムの訪問でしたが、先客5・後客2と賑わっていました。エキナカ店舗は、比較的時間帯による波が少ないですね。反面、列車発着前後には賑わうものの、発着の合間には客足が途絶えるのだろうと思います(サ+1点)。

※駅舎移転に伴い、閉店していました。新駅舎には、2階に改めて「丸政」がオープンしています。同じ業者の店ですが、いろいろと変わっている部分が多いので、別店として扱うことにします(2017/12、確認)。

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「そばうどん(丸政)」  実食日:2009/12

  1・2ホーム中ほど。雑貨売店と同棟のログハウス風の建物で、なかなかいい味を出している。そばコーナーの客席は露出カウンターのみで、キャパは2人。非常にコンパクトな店である。改札外にも上記「観音生そば」がある(同業者の店です)し、ここで食べる人は少ないのだろうと想像できる。どちらかというと、車内持ち込みで食べる人が多そうだ。
  この店のそばには、麺もつゆも標準的で、これといった特徴は感じられなかった。しかし、薬味(唐辛子)が変わっている。普通の七味もあるのだが、それとは別に「練り唐辛子」なるものを常備している。鷹の爪を粉末状にして油で和えたもの、だろうか。イメージで言うと、ラー油と豆板醤の中間スタンス。これが非常に美味かった。辛みは非常に強いのだが、同時にマイルドさもあり、心地よい刺激が口腔内全体に広がる。特に小淵沢名物ということでもなさそう(検索すると沖縄名物としてヒットする)なのだが、駅そばとしては小淵沢の個性発揮と言えるだろう。かけ290円、きつね370円、天400円。丸政オリジナルの変わりメニュー・野沢菜天そば(400円)と馬肉そば(「肉(桜肉)」と表記。470円)も健在。


※2014/9、再食。暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。馬肉そば480円を試しました。肉がホロホロと割ける食感が独特で、臭みもなく美味しいです。つゆがかなり甘辛くなるので、濃い味が好きな方には特におすすめです。値上げして、かけ290円、きつね390円、天400円になっています。桜肉も480円に上がっていますが、なぜか野沢菜天は400円で据え置かれています。巨大鶏か揚げをトッピングする山賊そばは、420円です。

※な、な、なんと、閉店していました。新駅舎建設に伴って、跡地は階段になるようです。たいへん思い入れの強い店舗だったので、超残念です(2016/3、確認)。

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「丸政」  実食日:2017/12

  2017年7月に運用開始された新駅舎の2階改札外。その奥に待合室があり、待合室に出入りする人がお尻をかすめていくような狭い場所にオープンした。旧駅舎時代と同じ業者で、事実上の移転なのだが、移転前と比べていろいろ変わっているところがあるので、別店として記事を立てることにする。新店舗には「観音生そば」の表示はなく、「丸政」のみの表示。厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみで、キャパは7〜8人くらい。列車発着前後にはかなり混雑(土曜17:15頃の訪問で、先客10・後客5。写真では空いているように見えるが、これは空くのを待って撮ったからで、私が食べている間はほぼ常時満席状態だった)し、カウンターには収まりきらずに待合室内で食べる人の姿も目につく。すごいね、駅自体は閑散とした印象なのに、ここだけ黒山の人だかりができている。夕方になると駅近くの飲食店がだいたい終了しているから、なおのこと集中するのかもしれない。これだけ客数があると、おばちゃんひとりでの対応はなかなか大変だと思う。待ち時間が少々長くなるけれど、むしろその間に食べ終えて出ていく人がいて、ちょうどよくカウンターが回転する。本当はもう少しスペースを広くとって、店員2人態勢でやれればベストだったのだろうが。発車時間が迫っている場合には、待ち人数を数えてから食券を買うようにした方がよさそうだ。
  麺は、個包装の茹で麺で、移転前と同じもの。舌触りツルツルで、コシというか、妙なモチモチ感はない。つゆは、ほんのり香るカツオ出汁。やや甘め。たぬきなし、かけ290円、天400円。メニューは、移転前よりもだいぶ増えている。丸政らしいものとしては、山賊420円、馬肉480円、野沢菜天400円、コラーゲンたっぷり軟骨焼き豚420円が勢揃い。「コラーゲン〜」は、「コラチャー」の愛称で親しまれるもので、トロトロに煮込んだ豚バラ軟骨肉をトッピングする。昔というか他店舗では「ハーフ」と「一本のせ」があったのだけれど、ここでは「一本のせ」に相当するもののみ扱う。今回は、約半分が売切れランプ点灯であまり選択の余地がなく、素直に天そばを実食。天は揚げ置きだが、サクサク感(というか、サクサクとカリカリの中間くらい)が残っていて悪くなかった。具材は、タマネギ・ニンジン。そば・うどんのほかに、、旧駅舎時代にはなかった「黄そば」がある。新聞や土産用の「生信玄餅」の販売もあり、これらも食券と同じ券売機で券を買う仕組みになっている。
  移転して2階になったことで、利用者が減ってしまうかなと危惧していたのだけれど、むしろ以前にも増して賑わっている印象だった。やっぱりこの駅には、朝から夜までいつでも気軽に食べられる駅そばが欠かせない。まずは順調な滑り出しでひと安心だ。箸はエコ箸。

※2018/4、公式取材にて再食。コラーゲンたっぷり軟骨焼き豚そば420円をいただきました。韮崎店で「コラチャー一本乗せ」として販売されていたメニューですね。小淵沢店では「コラチャー」の表記はありません。また、韮崎店にあった「ハーフ」の扱いもありません。丼からはみ出さんばかりの軟骨豚肉をズドンと乗せた一杯で、肉祭り気分を楽しめます。店内調理ではありませんが、温めてから乗せるので、麺やつゆによくなじみます。味覚的にも、少し甘めのつゆとのマッチングが良く、違和感なく美味しいです。ボリュームがあるうえ旨みがかなり強いので、ガッツリ空腹のタイミングでないと終盤に飽きてくるかもしれませんが。
  公式取材ということであちこち写真を撮りまくっていたので、後客寄りつかず、先客0・後客0でした。毎度のことながら、取材中は客足が伸びなくなることを申し訳なく思います。


※2021/3、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ330円、天430円、山賊480円、馬肉510円、野沢菜天430円、豚バラ軟骨450円です。
  今回実食したのは、月見380円。玉子は先乗せで、白身がうっすらと白濁凝固した状態で提供されました。ただ、サービストッピングの天かすやネギも先に乗せていたので、特段「玉子を先に乗せる」という意識があるかどうかは微妙です。ちなみに天かすは、乗せるかどうかを聞いてきてくれます。カリッとサクッとした天かすの食感に卵黄の旨みが相まって、とても美味しいです。
  日曜9:45頃の訪問で、先客0・後客2。後客はともに男性ひとり客で、どうも私につられて入ったような感じ。先客ゼロ症候群気味だったかもしれません。客席に個別パーティッションはなく、コロナ対策は消毒液が置いてある程度です。


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★善光寺駅(JR身延線)
「奈良屋」  実食日:2015/1

  駅を出て右、国道411号を渡って右(ガード潜る)へ30秒。国道を渡るときにカーブで見通しが悪いので、よ〜く注意して。無人駅から徒歩2分ほどで、周辺には長閑な住宅地が広がっているエリアでそば屋などありそうにない場所なのだが、製麺所直営の立ちそばが営業している。製麺所と同じフロアで食べることになるので、運がよければ大迫力の製麺シーンを眺めながら食べることができる。階上は住居スペースのようだ。立ち食いカウンターのみで、キャパは5〜6人。店前の路肩が少し広くなっているので、車で食べに寄る人がちょこちょことあるようだ(写真にも横付け車両が写り込んでいる)。現金先払い制。
  麺は、今どき珍しいと感じる、柔らかい茹で麺。そばとしてはどうということもないが、昭和中期から立ちそばに馴染んでいる人にとっては嬉しい味覚だろう。つゆは、塩気が強いタイプ。個人的には、この麺に合わせるにはもっと甘みがあった方がいいように感じる。天はドンベで、デフォルトだとやたら固い。つゆを含ませて、柔らかくして食べるタイプだ。天290円と、製麺所直営ならではの安価設定が嬉しい。既成メニューの種類は少ないのだが、それとは別にカウンター上に単品トッピングが並んでいて、各自で追加することができる。こう書くと「さぬきうどんスタイル」を連想するかもしれないが、まるで違う。セルフトッピングは天ぷら等ではなく、きつね・生卵・刻み海苔などだから。きつねは個包装されたタイプで、50円。刻み海苔も個包装で、10円。
  なお、麺は卸しがメインだが、小売りもしている。店内入って右手には保冷ケースがあり、中華麺なども販売しているようだ(これは店内で製麺していないのではないかと推察)。まぁなにしろ雰囲気がかなりコアなので、味は二の次と考えて、社会科見学感覚で一度訪れてみることをオススメしたい。


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「江戸一」  実食日:2021/3

  駅を出て国道411号線を左(東)へ進み、最初の信号を越えて次の横断歩道のところで右折して3分、左側。濁川を渡る橋の少し手前。2階建てのテラスハウスのような建物の1階部分に入っている。国道からの入り口には信号がないのだが、ここはわりと交通量の多い道。駅から少し離れている(徒歩5分ほど)ということもあり、駐車場のある店舗になっている。実際、駅から歩いて食べに行く人は少なく、車や自転車などで食べに寄る人の方が多いのだろう。口頭注文の代引き制で、客席は厨房をL字型に囲む椅子付きカウンター14席のみ。
  麺は、あまり特徴を感じない茹で麺。特段どうということもないのだが、こういう「ザ・立ちそば」的な麺は今や珍しい存在になってきているので、懐かしさを覚えて悪くない。つゆは、塩気控えめ。醤油の香りと出汁の奥行きで訴えるタイプだ。カツオ系の香りが前面にあり、酸味も感じるけれど、一辺倒という感じではなく複数のレイヤーがある。なかなか美味い。そして、地方にしては値段がずいぶん安い。たぬき210円。かけは、なんと180円で食べられる。より多くの客数を確保できそうな東京でも、この価格設定はなかなかお目にかかれないだろう。たぬきそば1杯だけで出るのはちょっと気が引けるほど安いので、今回はイカ天丼300円とともにいただいた(最初はかき揚げ丼260円を注文したが、かき揚げが切れていたのでこちらに変更)。たぬきは、揚げ置きの天かす。タイミングの妙なのかやや湿気ていたけれど、気持ち揚げオーバー気味の玉とアンダー気味の玉が混在していて、いろいろな香りがあって悪くなかった。いかにも副産物という感じの天かすだ。一方のイカ天丼は、値段が値段なのであまり期待していなかったのだが、イカ天だけでなくカボチャ天も一緒に乗っていてそれなりにボリューム感があった。さらに、天かすを上から散らしている。タレの味がちょっと独特で、酒(ミリン?)っぽい香りが介在していた。これだけ食べて、510円。「かけ+ライス+かき揚げ」でセットメニューに見立てれば、なんと360円であがってしまう。東京では、ちょっと高めの店ならかけそば並みだ。こういう店は、大切にしていきたいね。箸は割り箸。
  日曜15:45頃の訪問で、先客0・後客5。後客は、2人連れと3人連れ。駐車場のある店だから、こういったグループ客が結構入る。このあたりが強みになるだろうか。余談だが、この店を訪問するのは、実はこれが2回目。1回目は、店休日で空振りだった。地方へ行って空振りすると結構精神的なダメージが大きいものだが、この店については空振りしても楽しみがあるというか、話のネタを拾える(敢えてこの場では詳細を書かない)。これも店主の優しさやユーモアセンスの表れなのだと考えて、「付加価値」を1点加点してある。


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★身延駅(JR身延線)
「玉屋」  実食日:2005/9

  いかに日蓮宗総本山の久遠寺を抱えているとはいえ、所詮はローカル線の途中駅。まさか駅そばがあるとは思っていなかった。しかも、改札内外両側から食べられる立派な造りである。私が乗った列車は身延駅で20分の交換待ち停車をしたのだが、このように身延で停車時間を設定している列車が多いのだろうか。それならば、一度列車を降りてそばを食べ、また列車に戻るという通過客も結構いるのかもしれない。
  ここのそばは黒い乱切り麺。それほど極端な乱切りではないが、太さは揃っていない。見るからに「田舎そば」という感じで、旅情をかきたてられる。それから、薬味が青ネギだったことにちょっと驚いた。青白の境界線は山梨・静岡県境だと思っていたので(身延は山梨県)。かけ250円、月見300円、天340円。割と安い印象だ。弁当の販売も行っている。


※2010/1、再食。値上げ(かけ250→270円、玉子300→320円、天340→360円)していました。

※閉店(「名物 身延そば(富陽軒)」化)していました。「富陽軒」が後を継いでくれたおかげで、店が残りました。感謝感謝です(2017/1、確認)。

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「身延そば(富陽軒)」  実食日:2017/1

  改札内外(外側がメイン)、上記「玉屋」の跡地。看板を付け替えてはあるが、目だった改装はせずにそのまま引き継いだ形になったため、古き良き駅そばの風情が残された。構内業者→構内業者という、前例の少ない交替劇だ。それにしても、富陽軒はよくぞこのあまり客数が多くないであろう駅の店舗を引き継いだものだ。その心意気に胸を打たれた。だから、5〜6人並べる立ち食いカウンターが蟻の入る隙間もないほどに埋まっているシーンを見て、他人事とは思えないほど嬉しく感じた。
  麺は、太くて黒っぽい茹で麺。微妙に太さが外っていない。見た目には小淵沢「丸政」の麺に似ている印象を受けるが、歯ごたえがやや弱いか。そばの香りも「丸政」ほどには感じない。たぶん「丸政」の麺とは別物だと思うし、富士駅の「富陽軒」とも別の麺なのではないかと思う(富士駅「富陽軒」の実食歴が古いので、確信は持てない)。つゆは、色が濃く、甘めのもの。昆布出汁が中心と思われるが、カツオ系の風味も時折垣間見える。酸味が強くないので、本鰹ではなく宗田だろう。バランス感がよく、飽きのこない味。たぬきなし、かけ290円、月見330円、きつね340円、野菜かきあげ380円。そばメニューは4種類のみ。列車内持込み容器30円があるほか、麺の替え玉ができる(100円)。酒類の扱いあり。また、「駅弁」ではない簡易的な弁当の販売もある(400円。安い!)。「玉屋」時代から変わったところといえば、野菜かきあげが注文後揚げになったということ。冷凍ものではあるが、アツアツをいただける。三島駅在来線上りホームの「桃中軒」と同じスタイルだ。具材はニンジン・インゲン・タマネギ、そしてジャガイモが入っていた。注文後揚げのため少々時間がかかるので、発車間際(あるいは、停車時間利用)に食べる場合には注意を。発着前後には極端に賑わい、余計に時間がかかるので。後客のためにも、列車発車間際に野菜かき揚げそばを注文するのは避けた方がいいように思う。それから、ネギが白に変わっていた。これにより、ネギの青・白の境界線が引き直されることになった。
  昼時、12:30頃の訪問だったこともあり、先客3・後客5で満席に。この駅には、近くにコンビニ等がないこともあり、手軽に食事を確保できる店としてそれなりに需要がある様子だ。とはいえ、列車の発着がない時間帯は閑散としている。改めて、「富陽軒」がこの駅の店舗を引き継いだことが謎めかしく思えてくる。ここから先は邪推になるが、実質的には「玉屋」時代の従業員がそのまま運営に当たっているのではないかと思う。麺をはじめとした大半の食材の仕入れ先も、「玉屋」時代から変わっていないと思う。「富陽軒」は、いわば構内営業の名義を継承したということなのではないかと。富士宮駅の富士宮やきそば店という前例もあることだし(似て非なるケースで、しかもこの店はその後閉店しているが)。いろいろと興味深いので、いずれ公式に取材して真相を確かめてみたいものだ。


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★富士見駅(JR中央本線)

「入笠駅そば(丸政)」  実食日:2003/8

  こんな田舎駅にも駅そばがあるとは、さすがそば処信州。しかし、入笠山登山の起点となる駅なので観光客が多く、1日平均130食、夏休みには300食売れる日もあるのだとか。結構いい商売になるかも。味の方は、麺は既製品(ビニールに入っているやつ)だが、乱切り風の極太麺で食べ応えがある。つゆも、比較的塩分が強いが、ちょうど汗をかいたあとだったからか、妙に気持ちよかった。たぬきなし、天370円。変わりメニューに肉味噌そば350円。

※肉味噌そばは取扱終了していました。代わりに、変わりメニューの野沢菜天370円、馬肉440円を発見しました。野沢菜天は塩漬け野沢菜のかきあげ、馬肉は甘く煮付けたものが入ります。また、麺はやや太めの平茹麺になり(味−2点)、若干改装・店名変更(「入笠生そば」→「入笠駅そば」)したようです。窓口は、駅舎外(写真)と、待合室内にあります。ちなみに「丸政」は、小淵沢の駅弁屋さんです(写真は左:旧、右:現。2006/8、再食確認)。

※値上げしていました。現在、かけ290円、天400円、野沢菜天400円、山賊420円、肉(馬肉)480円です(2015/4、確認)。

※2015/12、再食。値段等、変わっていません。今回は、山賊420円を実食。唐揚げは、相変わらず特大です。我孫子「弥生軒」の唐揚げとタメ張るレベルです。実際、もも肉の切り分け方が同じような感じなのではないかと思います。クリスピーな衣といい、醤油系の下味のつけ方といい、レシピも我孫子「弥生軒」と近似していそうです。そばつゆとの相性も良く、とても美味しいです。ただし、ボリューム感がありますので、連食にはあまり向かないかも。この日は6軒連食しましたが、この最初の1杯がボディブローになって、終盤にちょっと堪えました。

※2021/7、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ330円、天430円、野沢菜天430円、山賊480円、肉(馬肉)510円です。山賊だけ、少々値上げ幅が大きくなっています(値−1点)。
  今回いただいたのは、割安感のある舞茸天430円。安めの設定なのであまり期待していなかったのですが、揚げ置きで少し固くなっていたとはいえブロック状の舞茸天が2つトッピングされ、なかなかボリューミーでした。好みはそれぞれだと思いますが、私は舞茸天はかき揚げタイプよりもブロック状の方が断然いいと思います。
  平日11:45頃の訪問で、先客3・後客3。昼食需要は結構ある様子です。駅前にコンビニなどが見当たらないこともあるかもしれませんが、車で乗りつけて食べに来る人もいます。駅前が広くて車を止めやすいという点も、奏功しているかもしれませんね。


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★茅野駅(JR中央本線)
「白樺」  実食日:2006/7

  改札外待合室内。色鮮やかな暖簾、本物の藁を葺いた屋根。ちょっと飾りもののような構えという感じのする店である。昔(7年くらい前か)は同じ場所にもっと地味な駅そば(店名は「信州そば」だったように思う)があったのだがどうやら改装されたようである。KIOSKの経営で、「信州そば」もKIOSKなので、テナント替わりということではないと思う。
  この店の麺は、冷凍の乱切り麺。最近、地方ではこの麺をよく見るようになってきている。香りは弱いが、歯ごたえは○。つゆは、長野県の駅そばにありがちな、やや辛めのタイプ。改札外の店だが、列車持ち込み用の容器(20円)を用意している。たぬきなし、かけ280円、月見320円、天360円、山菜390円、天玉400円、天玉山菜510円。信州限定のそばキティ(根付け)も販売している。


※2010/3、再食。待合室がガラス張りになったため、手狭な印象になっています。狭いのに多客なので、食べる場所の確保が大変です。値段等変化なし。変わりメニューに、野沢菜わさび昆布そば(370円)があります(付+1点)。

※2016/3、再食。麺は並(冷凍)・特上(生)の2種になっていました。今回は、きのこそば(並)420円を実食。使われているキノコは、ヒラタケとナメコでした。塩尻とは異なっています(塩尻ではシメジのみだった)。尤も、塩尻できのこそばを食べたのは2012年なので、経時変化の可能性もありますが。シメジより、ヒラタケ&ナメコの方が山っぽくて風情がありますね。値上げして、現在はかけ290円、月見330円、かき揚げ370円、山菜410円、かき揚げ玉子410円、かき揚げ山菜玉子530円、野沢菜わさび昆布390円(以上すべて並。特上は40円増し)になっています。外観的には、暖簾が変わっています(側面の暖簾を正面に掛け替えただけかも。写真は左:旧、右:現)。ガラス張りの待合室のせいで、ちょっと窮屈な感じになっています。この場所にガラス張りの待合室、必要あるのかな。待合客から「そばの臭いが嫌だ」とのクレームでも付いたのでしょうか?(味−1点、ボ+1点、値−1点)

※2021/7、再食。その前に、消費10%増税を経て、値上げしていました。また、麺の特上が消滅しています。現在、かけ300円、月見350円、かき揚げ410円、山菜440円、かき揚げ玉子460円、かき揚げ山菜玉子600円、きのこ460円、野沢菜わさび昆布430円です。
  今回いただいたのは、かき揚げそば。かき揚げは揚げ置きで、フワフワ食感。衣が多めですが、具ナシというわけではなく、タマネギ、ニンジン、ゴボウ、春菊と思われる細かい青菜が入っています。麺やつゆとの一体感があって、駅そばの天としては悪くないです。
  平日11:00頃の訪問で、先客1・後客0。訪問時にちょうど保健所(?)の検査が入っていて、立ち食いカウンターが使えない状態でした。先客は、店頭で手持ち食い。私は、ガラス張りの待合室内でいただきました。


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★上諏訪駅(JR中央本線)

店名不詳  実食日:1995/8

  1番線ホームの改札のすぐ近くにある。かなり古い記憶なのだが、食べる席がなく、客は皆丼を持ち歩いては食べていたように覚えている。また、350円の天そばを食べようとして1万円を出したら、「お釣りがない」といって一度断られたのを覚えている。味は覚えていないので、可も不可もなかったのだろう。


※閉店(喫茶店化)していました(2005/9確認)。

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「そば千」  実食日:2012/12

  駅を出て右、線路沿いの路地に入って30秒、デイリーヤマザキ上諏訪駅前店内。コンビニ内店舗ということもあって、24時間営業している。専門の店員(名入のTシャツを着ている)がいるものの、不在時(夜間等)にはコンビニの店員が対応する。イートインコーナーは手狭で、椅子付きカウンター4席と、立ち食いカウンターがせいぜい2人分くらい。コンビニ商品のイートインコーナーも兼ねているので、グループ客が陣取っていると後続客はお手上げという状態だ。観光地だけに、そういうタイミングもありそうな気がする。
  麺は、乱切り麺。長野県内のJR系駅そばでよく見る冷凍麺に近い印象だが、こちらの方が若干歯切れがよいようにも感じた。別の麺だと思う。つゆはあまり奥行きがなく、悪く言うと市販のめんつゆのような風味。かけ330円、月見370円、天420円など。全メニュー、そばよりもうどんの方が20円高く設定されている。逆のパターンは西日本でよく見かけるが、うどんを高く設定する店は珍しいと思う。ネギは斜めカットで、たっぷり乗せてくれる。箸はエコ箸。


※閉店していました。デイリーストア自体が閉店して、跡地はファミリーマートになっています。ファミリーマート店内に、そばコーナーはありません(2016/3、確認)。

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★岡谷駅(JR中央本線・飯田線)
「ゆいそば」  実食日:2017/12

  駅からちょっと遠く、ビル内通り抜けという荒業を使っても6分ほどかかるのだが、他に対象となる店がない駅特例を適用する。正面出口を出て右、「ララオカヤ」の中を通り抜け、信号を渡って直進。突き当りに聳える「イルフ食品館」の中を通り抜けて、交差点を対角に渡って左へ30秒。目印は、隣接する「ほっともっと」。専用駐車場のある店で、車で訪れる人の方が多い店だ。食券制で、番号札を介して呼び出し。客席は、テーブル席が2人×2、椅子付きカウンターが14。規則性なく配置されていて、どことなく雑然とした造り。この店は、2016年3月にオープンした新店で、オープン直後から情報を得ていたのだが、営業時間が短い(現在は11:30〜14:30)のと、定休日がコロコロ変わっている(現在は木曜休。土日祝のみ営業という時期もあった)ため、これまで空振り続きだった。今回が4回目のトライになる。ようやく、実食できた。
  麺は、乱切りタイプ。長野県内でよく出会うもので、少し歯ごたえ強め。おそらく冷凍麺だろう。つゆは、のっぺりしている平坦な味。あまり香らず、あまり深みもない。ここまでは、どうということもない印象。しかし、注文後に揚げているかき揚げはなかなか良かった。かけ330円に対してかき揚げ480円と高値だけあって、タマネギなどが中心となる中に殻つきエビが5尾も入っていて、とても香ばしい仕上がり。芝エビくらいのサイズ感で、食べごたえ十分。揚げたてだから殻も噛み砕きやすく、ベッタリと歯ぐきにひっついてイライラすることもない。そして、そばを注文すると、小さな巻寿司(具材は玉子焼きのみ)がひとつとお新香(カブの千枚漬け)少々に、小さな紙カップで作られたコーヒーゼリーが付いてくる。コーヒーゼリーには、ご丁寧にホイップクリームまでトッピングされている。手作りなのかな。これらを廃して値段を安くという考え方もあるだろうが、手作り品ならむしろ歓迎したい。
  訪問は、土曜の12:30頃。先客7・後客4と賑わっていた。客層も幅広く、需要はありそうだ。おばちゃん二人での対応で、どことなく給食を連想させる部分もある。麺・つゆ以外は個性に満ち溢れているので、再訪価値ありだと思う。長く続けてほしい店だ。


※閉店していました。跡地は、テイクアウト海鮮丼の「丼丸」です(2021/7、確認)。

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★塩尻駅(JR中央本線・篠ノ井線)
「信州そば(KIOSK)」  実食日:2006/8

  改札を出て左の待合室内。改札内からでも食べられる(改札入って右、階段上)が、これはあくまでもおまけの窓口。メインは待合室側である。露出店だが、待合室自体がガラス張りで冷房も効いているので、夏場でも快適に食べられる。
  ここのそばは全国どこにでもありそうな茹で麺で、これといった特徴はない。加えて、おばちゃんが注文に追われて多忙きわまりないため、若干湯通しが不足していてボソボソした食感になっていた。つゆが辛さ・甘さ・出汁のバランスがよくて美味かったので、特に減点はしないが。たぬきなし、かけ280円、玉子320円、天360円。変わりメニューに、葉わさびそば400円。見た目には貧相だが、鼻にツンとくる辛さが心地いい一品。これを食べる場合には、唐辛子は振らない方がいい。
  なお、この駅にはかつてはホームにも駅そば店があったのだが、その後閉店し、現在は待合室の1店のみとなっている。また、改札外の駅舎1階(改札は2階)にも「ほっとして ざわ」という蕎麦屋があるが、値段が高く、駅そばとは言えない。


※閉店(「桔梗」化)していました(2012/8、確認)。

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「桔梗」  実食日:2012/8

  改札外待合室内。上記「信州そば」の跡地。単に「改装しただけ」と考えられなくもないが、店名も値段も変わっているので、別店として扱う。「信州そば」時代同様に、立ち食いカウンターのみで待合室に露出しているのだが、改装して大きな暖簾が掛けられ、少々の目隠し効果はある。また、改札内の窓口も健在で、相変わらず巨漢出入り禁止の狭さ。「日本一間口の狭い駅そば」と言えるかもしれない。
  麺は、乱切りの冷凍麺に変わっていた。長野県内の駅そばでよく見かけるタイプで、歯ごたえはなかなか良い。つゆは、口当たりはすっきりしているが、飲むと甘さを強く感じる。かけ280円、かき揚げ360円など。長野県内特有のネギそば(310円)や葉わさびそば(400円)、野沢菜わさび昆布そば(380円)も健在。


※2015/1、再食。値上げしていました。現在、かけ290円、かき揚げ370円、ネギ320円、野沢菜わさび昆布390円、安曇野葉わさび(葉わさびから微妙にメニュー名変更)420円です。「日本一狭い」で有名な、改札内窓口で実食しました。立ち食いカウンター2人分くらいで、激狭です。1畳分までありません。出入口脇に、「満席の場合は、改札口で申し出て待合室側へ」との貼り紙が出ています。無札で改札を通らせてくれるようです。かつてJR京葉線の稲毛海岸駅で同じ趣旨の貼り紙を見たことがあります(その後駅そば店が閉店しているので、現存しない)が、エキナカ店舗で無札での改札通り抜けOKを公言するのは、極めて稀なケースです。

※2015/12、改札内で再食。値段等、変わっていません。安曇野葉わさびそば420円を実食。かけそばに葉わさびのおひたしを乗せただけのシンプルなメニューですが、青臭さと辛みのコンビネーションがよく、十分満足できる内容です。なお、改札内と改札外で券売機が違っており、メニュー数は改札外の方がだいぶ多いです。どうしても改札を出たくない、あるいは「なにがなんでも日本一狭いと噂の改札内で食べてやる」といった事情がないのなら、改札外で食べた方がよさそうです。「券売機のボタンが多いと迷って決められない」という場合には、あえてボタンの少ない改札内で食べる手もありますが。

※2016/3、再食。今回も、改札内での実食です。2人で入って、占領してしまいました。外側の方が落ち着いて食べられるとわかっているのに、ついつい内側で食べてしまいます。今回は、野沢菜わさび昆布そば390円を。味覚的には、前食時と変わっていません。なお、この店舗には「特上」がありません。改札内だけ扱っていないのかと思っていましたが、改札外の券売機にも入っていませんでした。

※2017/3、再食。今回は、待合室側でかき揚げそば370円をいただきました。かき揚げは、衣がフワッ・ニチャッとするお好み焼きタイプ。小エビがよく香ります。なお、この店には長野県内の駅そばによくある「特上」がありません。しかし今回、信州限定もりそば580円というメニューが登場していました。石臼挽きのそば粉で打ったそばだそうです。これは、ぜひ次回にでも食べてみようと思います(付+1点)。

※2018/4、再食。待合室側で、以前から気になっていた「信州限定もりそば」を食べようと思って寄ったのですが、新発売の「信州鹿肉そば」680円が目に留まり、浮気しました。トッピングは、鹿肉+山菜です。鹿肉はレトルト加工されたものを湯煎してから開封。醤油ベースの味付けになっています。ひと口大の肉が4切れで、ボリューム感はさほどありません。基本的にパサパサ系の肉で獣臭が少々ありますが、味付けとレトルト加工(おそらく、圧力調理されている)もあって、やわらかく食べやすかったです。臭みのレベルとしては、コンビーフくらいです。存在感としては、姫竹の食感が強い山菜の方が目立っていたくらいでした。鹿肉だけでは見た目に寂しいから山菜を入れているのかもしれませんが、主役を食ってしまっていました。
  平日16:30頃の訪問で、先客5・後客3。待合室内のベンチに座って食べている人もおり、なかなか賑わっています。改札内側の方は、先・後客とも0の様子でした。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ300円、かき揚げ410円、ねぎ3500円、野沢菜わさび昆布430円、安曇野葉わさび460円、信州鹿肉710円、信州限定もり620円です。なお、運営事業者が松本駅「駅そば榑木川」と同様に「榑木野」に変わっていますが、この店舗については店名、メニュー、麺やつゆの仕様などがすべて従前のまま引き継がれています。そのため、同一店とみなすことにします(2021/9、確認)。

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★広丘駅(JR篠ノ井線)
「福寿そば」  実食日:2013/3

  短歌の里口(西口)階段を下りて正面。ロータリー沿いにある店。店頭には「酒処とんぼ」「永楽」「麺処福寿そば」と3つの店名が表記されているのだが、おそらく「酒処とんぼ」と「麺処福寿そば」を合わせて「永楽」という店名なのだろう(同経営と思われる)。当サイトでは、「麺処福寿そば」を店名とする。入って右側が「麺処福寿そば」で、椅子付きカウンター6席のみ。入って左側は「酒処とんぼ」で、テーブル席がいくつかある。実食時(13時ごろ)には、「麺処福寿そば」のみの営業だった。
  店に入って出てきたのが、ヒョウ柄の服を着た、キャバクラが似合いそうなケバケバしい女の子だったこともあり、味にはあまり期待していなかったのだが、これが意外に美味しかった。麺は乱切りの冷凍麺。県内のJR系駅そばで乱切り冷凍麺がよく出てくるが、それよりも色(黒み)が薄く、縮れているように見える。おそらく、別の麺だろう。つゆは色が薄く、上品な味わい。「関西風か?」と思うような色合いなのだが、味の方向性は関東寄り。かけ280円、天360円など。私はきのこそば400円を実食したのだが、きのこは量も種類も申し分なく、インパクトのある一杯だった。「きのこそば」カテゴリとしては、御花畑「秩父そば」にも勝るとも劣らないレベル。これだったら、隣の塩尻駅でシメジだけのきのこそばを食べるよりも、ひと駅足を延ばしてこちらに寄った方がいい。まぁ、塩尻には塩尻の良さがあるのだけれど。なお、ヒョウ柄の女の子だが、第一印象に反して、言葉づかいや所作は「馬鹿」をつけてもいいくらいに丁寧だった。何の問題もない優良店員です。


※閉店していました。建物はそのまま残っていますが、併設されていた居酒屋もろとも閉店し、廃墟状態になっています(2016/12、確認)。

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「ピーコック」  実食日:2016/12

  東口を出てロータリーを回り、国道19号線を渡ってから左へ3分。ショッピングセンター「コミュニティマーケットプレイス・ギャザ」の1階フードコート内。「塩尻店」という店舗名が付いている。新潟県長岡市に本社があるチェーン店で、青森県から福井県にかけての広い範囲に店舗を展開している。たこ焼きや焼きそばなどのスナックフードを中心としつつ一部店舗でそば・うどんを扱うというスタイルは「一口茶屋」に近いけれど、「一口茶屋」よりも麺類を扱う店舗の割合が高い。ベーシックブランド「ピーコック」のほかに「稲穂」「福麦亭」といったブランドの店舗でもそば・うどんを扱う。有人レジで口頭注文して、先払い。席で待っていれば配膳してくれる。
  冷凍食品事業を主業とする会社が運営する店舗だけあって、麺はいかにも冷凍という食感だった。ただ、冷凍麺にしてはそばの香りがあり、悪くない。艶のない、ちょっとくぐもったような香りではあるけれど。つゆは、甘く辛いもの。食後に舌がビリビリと痺れる。連食はもちろん、完飲もためらわれるレベルだ。ここまでどぎつくすることはないように思うのだが。たぬきなし、かけ330円、かき揚げ490円、月見380円など。実食は、山菜そば480円(ワカメ・カマボコ入り)。山菜は、輪切りの姫竹がたくさん入っているミックス水煮で、姫竹のほかにはワラビ・ゼンマイ・キクラゲ・ナメコ・エノキタケが入っていた。山菜も、一見個性などなさそうに見えて、実は結構違いがあるものだ。
  そば・うどん以外にも多様なメニューを扱う。ラーメンの種類が多く、新潟醤油ラーメン500円が看板メニューになっている。新潟本拠のチェーンらしい部分だ。割り箸は1膳ずつの提供で、個包装タイプ。七味は振り出し容器ごと商品と一緒に提供。冷水器はフードコート共通で、紙コップ。


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★村井駅(JR篠ノ井線)
「イイダヤ軒」  実食日:2006/10

  駅を出て右前。駅舎とは別棟であるが、粗末なロータリーの駅寄りなので、駅の敷地内なのだろう。だから、これは私のように拡大解釈をせずとも、誰が見ても「駅そば」の範疇に入る。L字カウンター一本だが比較的ゆったりとしており、和風で好感が持てる内装の店だ。こんなマニアックな途中駅で駅そばが採算をとれるのかと心配になるところだが、中途半端な時間帯に先客が2人入っていたから、利用者は結構いるのだろう。さすがはそば処・信州である。
  ここのそばは、柔らかくてコシがない茹で麺を使用している。すぐにプツプツと切れるタイプなので、食べ終わると丼の底に麺の切れっぱしがたくさん沈んでいる。つゆはやや辛めながら、美味。私はここではきのこそば(380円)を食べたのだが、山なめこやフクロ茸、その他得体の知れない珍しい種類のきのこ(すべて水煮)がたくさん入っていて面白かった。たぬきなし、かけ280円。天は360円だが、別途かき揚げ430円がある。この違いは確認していないが、察するに「出来合い−自家製」ということなのだろう。


※2016/8、再食。値段が少々上がっていて、現在はかけ300円、天380円、かき揚げ450円です。実食は、天。前食時と同じ太めの茹で麺で、見た目には固そうに見えるのですが、実際にはコシがなくプツプツと切れるタイプです。素朴でいいですね。昔はこの手の麺はあまり好きではなかったのですが、冷凍麺を使う店が多くなってあまり出会えなくなっているので、今ではむしろ新鮮で好きです。つゆは、昆布を中心に、おそらくサバであろう独特な風味が垣間見えます。
  10:30頃の訪問で、先客1・後客3。閑散時間帯としてはまずまずの入りでしょうか。それほど乗降客数が多くなさそうな駅で、よく頑張っています。外観的に大きな変化はありませんが、どうやら冷暖房が入ったようで、上部に室外機が取り付けられました。一応、写真を貼っておきます(左:旧、右:現)


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★南松本駅(JR篠ノ井線)
「イイダヤ軒」  実食日:2008/8

  駅舎を出て左すぐ。駅舎の外にある独立型店舗。さほど乗降客数の多い駅ではないのだが、昼時を中心に結構賑わっている。送迎用駐車場に面しているのが幸いしているのか、列車利用者よりも車で食べにくる人が多い印象だ。
  村井駅で食べたことがある「イイダヤ軒」、麺はやや太めの茹で麺。食感が重く、ズッシリと腹の中で存在感を主張する質感がある。つゆは甘め。村井駅で実食したきのこそばと山菜そばは季節限定なのか、この時期には扱っていなかった(「売切」表示)。他のメニューは、かけ280円、天360円、玉子320円など。天とは別に「かきあげ」があり、430円と値が張る。天はインスタント、かきあげは店揚げなのだろうか。麺類以外では、おにぎりやアルコール類を扱う。おにぎりは限定数があり、毎日梅4個、明太子など8個、みそ漬けなど10個と決まっている。どうして梅が少ないのかは謎。加点材料となるサービスとしては、地方では珍しいネギフリーがある。肉厚に刻んでいて、存在感抜群のネギだ。入れすぎると全体的に辛くなるので、要注意。


※2018/12、再食。値上げしていました。現在、かけ300円、玉子340円、天380円です。今回は、玉子そばをいただきました。重厚な質感のある茹で麺に、少し甘みを注したつゆの組み合わせ。ベース部分の味は変わっていないです。麺もつゆも私好みなのですが、両者の相性が微妙というか、麺とつゆがイマイチ馴染んでいないような印象を受けました。卵は先乗せで、白身白濁。
  平日17:30頃の訪問で、先客5・後客0。決して列車の本数が多い区間とは言えず、乗換駅ではないから乗降者のほぼ全員が改札を出入りする駅。駅前の市街地が特段発達しているわけでもありません。列車の発着前後に著しく混雑する傾向が出やすい立地条件です。村井駅の店舗と並んで、この駅でよく店が続いているなぁと感心します。村井も南松本も、特急は通過する駅です。


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★松本駅(JR篠ノ井線・大糸線、松本電鉄)

「信州そば処」  実食日:2003/7

  JR篠ノ井線のホームにある、小型店。信濃大町「TASTY KIOSK」(下記)とメニューや値段が似ており、同系列の臭いがする。味やサービスなどに特徴はないのだが、たった一つ、挨拶の仕方が強く印象に残った。食べ終わった後、普通は「ありがとうございました」と言われるのに、ここでは「お気をつけて」と言われたのである。私が余所者であることを見抜いたのか、観光客が多い土地柄そうなるのか分からないが、変わっていることは確かだ。たぬきなし、天360円。信濃大町同様に、ヘルシー玄米天330円がある。

※閉店(「NEW DAYS」化?)していました(2009/1、確認)。

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「信州坊主」  実食日:2009/1

  1番ホーム、階段下というか、階段脇というか。階段に隠れるような立地なので、ホームにあるわりにはあまり目立たない店。コンパクトながらカウンター配置に工夫の跡が見られ、10人くらいは同時に食べられる。
  この店では、どうやら生麺を使用しているようだ。食感はボソボソしていてあまり好感度が高くないのだが、風味はよい。ちゃんとそばの味がする。変わりメニューに葉わさびそば(410円)とネギそば(320円)がある。この2つのメニューは、長野県内の駅そば店ではわりとよく目にする。同系列の店が多いのかな。ネギそばは、要は「かけそばネギ多め」。多めと言うより、超たっぷりと言った方が適しているか。すなわち、この店では「ネギ多め」のオーダーは通用しそうにない。他メニューは、かけ290円、天370円など。

※2010/4、再食。値段等変化なし。飲み水にはお茶(温・冷)もあります。また、そば湯のサービスがあります。ホームでそば湯を提供する駅そば店は稀少です(付+2点)。

※閉店(「山野草」化)していました。味覚的には大きくは変わっていないと思いますが、メニューが少々入れ替わり、麺も生・茹を選択できる(生の方が40円高い)ようになっているので、別店扱いとします(2013/8、確認)。

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「信州生そば」  実食日:2009/12

  6・7番ホームの北よりの端っこ、この駅の中でもおよそ人通りが多いとは思えない場所にある。6・7ホームというのは、大糸線と松本電鉄なのでねぇ。せめて、階段の近くにするとか、できなかったのかな。しかし、ちょうど下校時刻だったこともあり、地元の高校生などを中心に結構賑わっていた。店内は狭く、椅子付きカウンターが4人分だけ。この他、厨房の外周部分にホームに露出した立ち食いカウンターがある。大人は店内、高校生は露出カウンターと、綺麗に色分けされていたのが面白かった(もちろん、そう義務づけられているわけではない)。
  味覚的には、食感が楽しい乱切り麺に、味が濃いつゆ。悪くない取り合わせだ。特につゆは、濃いと言っても単純に「辛い」のではなく、深みがある。変わりメニューに長野県内の駅そば恒例の「葉わさびそば」(400円)がある。私はこれを試してみたのだが、以前に塩尻で実食したときに比べて、葉わさびの量が格段に多かった。量ったわけではないが、印象としては3〜4倍。ツンとわさびの辛さが漂うが、辛すぎて食べられないということはない。むしろ、味の濃いつゆにはちょうどよいアクセントになるだろう。かけ280円、天360円など。ラーメン(320円)もあり、高校生によく売れているようだ。


※消費増税ぶんだけ値上げしていました。現在、かけ290円、天(かき揚げ)370円、安曇野葉わさび420円です。0番ホームの「山野草」と同日訪問で、そば・うどんについてはメニュー・値段とも一致しています。こちらの店舗でも、40円増しで「特上」にできるようになっています(付+1点)。ただし、サイドメニューがちょっと違っています。こちらにあって「山野草」にないのは、ラーメン330円(ほか種物2品)とアイスクリーム110円です。客層が違うんでしょうね。ラインナップから想像するに、「山野草」はサラリーマンや観光客が、こちらは地元の高校生などの利用が多いのではないかと想像されます(2015/12、確認)。

※塩尻駅「桔梗」にもあった「信州限定もりそば」580円が登場していました。ただし、「信州鹿肉そば」はなく、「桔梗」にはない「鹿肉入りおやき」160円が出ていますので、「桔梗」とまったく同じになったわけではなさそうです。ラーメンの扱いは終了。そばメニューの値段は基本的に変わっていませんが、とろろが絡むものだけ値上げしています。とろろ410→440円、特上とろろ450→480円、特上とろろ山菜570→600円、特上とろろ山菜玉子610→640円、とろろ単品120→150円です。仕入れ値が上がったのでしょうか(2018/4、確認)。

※一部メニューを値上げしていました。現在、天380円、鹿肉入りおやき190円、特上とろろ490円、特上とろろ山菜620円、特上とろろ山菜玉子670円です。かけ・信州限定もり・とろろ単品・アイスクリームは、値段据え置きです(2019/3、確認)。

※閉店していました。建物はまだ残っていますが、看板やメニュー表などはすべて外されています。この店舗は、立地的にちょっと苦しかったですね(2021/9、確認)。

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「イイダヤ軒」  実食日:2013/3



  お城口(東口)を出て左、横断歩道を渡った先にあるホテル「飯田屋」の1階。南松本・村井にも店舗があるミニチェーン店で、これまでその正体をずっと謎に思っていたのだが、この店舗を見つけたことでその謎が解けた。ホテルが経営母体でしたか。客席は椅子付きカウンターのみで、厨房をぐるりと囲む形で15席ほどある。駅前にありながら、人々の動線からちょっと外れた方角になるためか、ほぼ地元住民しか利用していない様子。
  麺は茹で麺で、ボソボソモッサリした食感が特徴的。素朴ながら、なかなか美味しい。つゆは、完飲派の私にとってはちょうどよい濃さ。塩気があまり強くないので、つゆを飲まない人にとっては物足りなく感じるかもしれない。かけ280円、天360円など。天のほかに「かき揚げ」があるのだが、天も「どん兵衛」というわけではない。「天=配送品、かき揚げ=自家製」ということなのだろうか。


※日除けが新調されていました(写真は左から2枚目)。値上げして、現在はかけ300円、天380円になっています。メニューがだいぶ増えたようで、たぬきも登場しています(330円)。また、130円で麺の替え玉もできます(付+1点。2016/12、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、たぬき340円、天400円、替え玉150円です。かけは300円で据え置かれています。外観的には、暖簾が変わっていました。一瞬色褪せただけのようにも見えますが、サイズが少し大きく(長く)なっています。また、窓の部分に店名表示が出ました。ここに、「大正9年創業」と記載されています。創業当時からそば屋をやっていたかどうかは確認できていませんが、全国でも指折り級の老舗である可能性が浮上しています(写真は右端が最新。2021/9、確認)。

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「山野草」  実食日:2013/8

  0番ホーム階段下。3つ上に記載している「信州坊主」の跡地。跡地というか、「店名変更」に近いのだが、同時に麺が変わっている(生麺・冷凍麺併用のマルチ店になった)ので、別店扱いとする。内装も、「信州坊主」時代と変わっておらず、立ち食い専門。
  麺は、冷凍麺がデフォルトで、40円増しで「特上」と称する生麺にランクアップできる。長野県内でよく見かけるシステムだが、全国的には珍しいパターンだ。長野県の特徴と言うことができるだろう。「早く安く」を求める人と、味(本格度)を求める人が、ほぼ同数存在する地域なのかもしれない。つゆは、やや濃いめでアクが少ないタイプ。たぬきなし、天360円、きのこ400円など。葉わさびそば(厳密には「安曇野葉わさびそば)400円や野沢菜わさび昆布そば380円も健在。おもしろかったのは、受渡口に主だったメニューの写真が掲示されているのだが、英語表記が併記されていたこと。近年では、外国人観光客の駅そば利用が増えているらしい。


※2015/12、再食。消費増税ぶんだけ値上げしていました。現在、天(かき揚げ)370円、きのこ420円、安曇野葉わさび420円、野沢菜わさび昆布390円です。特上への割増は、40円のまま。外観的には、暖簾が変わっています(写真は左:旧、右:現)。「信州そば」の看板が撤去され、貼り紙類も少なくなり、良く言えばすっきりした印象に、悪く言えば寂しい雰囲気になっています。
  今回は、特上もりそば430円に、単品きのこ130円を追加しました。麺は生麺ですが、より正確に言うと「冷凍生麺」です。茹でる前のルックスは、並(冷凍麺)とあまり変わりません。茹でた後で、冷水で締めます(かけ系の場合は締めた後で再度湯煎する)。6割そばだそうで、そばの香りもしっかりと立っていました。冷凍工程を経ても、6割だとこのくらい香るんですね。きのこは、もりつゆの中に直接イン。事前に入れていいかどうか聞いてきてくれますが、「別皿で」と注文すると、タッパーのまま出てくるようです(同行者が安曇野葉わさびで試し済み)。
  6・7番ホームの「信州生そば」と同日訪問で、そば・うどんについてはメニュー・値段とも一致しています。ただし、サイドメニューがちょっと違っています。こちらにあって「信州生そば」にないのは、焼おにぎり110円です。


※閉店(「駅そば榑木川」化)していました。「駅そば榑木川」は、別事業者の運営です。メニューはほとんど踏襲されていますが、麺もつゆも別物です(2021/9、確認)。

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「こすげ亭」  実食日:2014/3

  お城口を出て右にロータリーを回り、道路向かいのアリオ松本(バスターミナル)地下1階フードコート内。長野の雄・小菅亭は、このようなフードコート内店舗もいくつか出店している。バスターミナルを兼ねた商業施設であるという点において、性格的にも駅そばに通じるものがある。
  この店では生麺を注文後に茹でるため、混雑時には少々待ち時間が長くなる。1人につき2分くらい、5人待ちだと10分くらいかかることもある。わりと客数も多いようなので、少し時間に余裕をもって訪れるといい。その麺は、硬質で、プツプツと噛み切るときの食感が楽しい。香りもしっかりしている。ややすすぎがアンダーだったのか、つゆに濁りがあり、つゆ自体にもそば湯のような香りがあった。カツオ系の出汁の香りも濃厚で、食後5分くらいは余韻が残る。総じて、美味しい一杯だった。たぬき300円、きのこ450円など。きのこそばには、山なめこやフクロダケ、ヒラタケ、他にも得体のしれないきのこが計5種類くらい入っている。いずれも、首都圏ではあまり見かけないものばかりで、山里ならではの雰囲気を楽しめる。粗い大根おろしが一緒にトッピングされるのも印象深い。メニューの種類は決して多くないのだが、鶏なんばん400円やにしん560円といった、ちょっと目先を変えたものもある。反面、きつねがない。そば湯ポットあり。箸はエコ箸。


※たぬきはかけと同額の290円に値下げされていました。ただし、ほかのメニューは軒並み値上げです。現在、きのこ480円、とり南蛮450円です。にしんそばは終了していました。きつねが登場しています(450円)。麺2玉使用のざるそばは、かつては「アルプスざる」という面白いメニュー名でしたが、現在は「ざる特盛」と普通になっています。ちょっと残念ですが、値段が580円から500円に大幅値下げされているのは嬉しいポイントです(付−1点。2016/12、確認)。

※閉店していました。フードコートが全面リニューアルされ、現在は「はなまるうどん」が入っています(2021/9、確認)。

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「小木曽製粉所」  実食日:2015/12

  値段的にいかにも苦しいのだけれど、立ち食いであることとほぼ駅に隣接という立地であること、セルフサービスの造り(オープン厨房)であること、提供までの時間が早いこと、そして地粉(長野県木曽産そば粉)使用というこだわりがあって農林水産省から食糧産業局長賞を受賞しており、研究上必要と認められることを理由に、特別に対象に含める。場所は、東口を出て右。駅舎に隣接して建っている長屋状の飲食店街の端っこ(駅側)。店内に椅子はなく、完全立ち食いでキャパは10人くらい(公式サイトでは12席)。
  この店は、システムがちょっと変わっていて、慣れないとちょっと戸惑う。麺は、ざる・大ざる・かけ・冷かけの4種類(冷かけは冬季中止)。それぞれ色分けされたプラ板が用意されてあり、食べたいものを取って、トレーに乗せる。麺は完全注文後茹で。そばが出来上がるまで、トレーを持ったままじっと待つ。受け取ったら、つゆをポットから注ぎ、セルフトッピングを各自チョイス。有人レジで支払いを済ませ、最後に薬味などをセルフで取る。セルフ讃岐うどんのシステムに近いが、色分けされたプラ板がちょっと煩雑。せめて閑散時くらいは口頭注文にしてくれるとありがたいのだが。
  当サイト的にはかけを食べて他店と比較した方がよいのだろうけれど、わけあって今回はもりを実食。麺は木祖村産(季節によって変わるとのこと)のそば粉で打ったもので、やや透明がかっていて星がたくさん見られる。ひと口すすると、そばの香りが麺を伝ってせり上がってくるように感じられ、とても美味しい。食感的に十割ではないと思うのだけれど、ヘタな十割よりもよっぽど鮮やかに香る。麺だけなら8点級だ。ところが、つゆがとても残念だった。不味いというわけではないのだけれど、甘すぎるのだ。せっかくの香り良い麺が、つゆにつけることで全然香らなくなってしまう。これ、つゆにつけずに麺だけで食べた方がよっぽど美味しい。なんでこんなに甘くしちゃったのかな。残念の一語に尽きる。
  ざる・大ざる・かけ・冷かけ、すべて540円均一。コスパ的に考えれば、大ざるがベストなのは言うまでもない。いずれにしても当サイト的には規格外の価格なので、美味いことは美味いのだけれど、総合的な印象はランクイン級とまではいかなかった(つゆが変われば話は別だが)。そば湯ポットあり。飲み水はほうじ茶。箸はエコ箸。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、ざる・中ざる・大ざる・かけ・冷かけ、すべて550円です。かけや冷やかけの中盛り・大盛りは均一料金ではない(それぞれ660円、770円)ので、ご注意ください(2021/9、確認)。

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「駅そば榑木川」  実食日:2021/9

  0番ホーム階段下。上記「山野草」の跡地に、2021年4月にオープンした新店。メニューの多くは「山野草」のものが踏襲されているが、味覚的にはまったくの別もの。運営業者も変わっている。店舗を運営するのは、松本市内で手打ちそば店を展開し、松本駅舎東口外側1階にも店舗を構える「榑木野」。手打ちそば店が、初めて挑戦する駅そば業態ということになる。鉄道系の事業者から鉄道資本が入っていない事業者への転換で、言ってみれば駅そばの“民営化”だ。近年、このような駅そば民営化の傾向が全国で見られる。それを象徴するのが、東京の「文殊」と大阪の「若菜そば」、そして長野の「榑木川」ということになろう。駅そばを研究するうえで考察材料がとても多く、駅そばファンなら絶対に食べておきたい店のひとつである。システムは食券制で、客席は立ち食い席のみ。キャパは、10人ぐらいだろうか。
  麺は、冷凍。ただし、一般的な冷凍麺ではなく、冷凍生麺を使っている。一般的な冷凍麺は、工場で茹でた後に冷凍して出荷し、各店舗では湯煎して解凍するだけで食べられる。一方の冷凍生麺は、茹でる前の生そばを冷凍して出荷し、各店舗では解凍と茹での工程を続けて行うことになる。冷凍生麺の利点は、冷凍茹で麺よりそばの香りや食感がしっかり再現できるということ。それでいて、冷凍茹で麺に匹敵する保存性を併せ持つ。いいことづくめの麺種だと言えるだろう。しかし、冷凍生麺はあまり普及しておらず、私が確認した中では駅そばで使っている店はここ以外にない。なぜ他店が使わないかというと、技術的に難しいからだ。凍った生麺を茹で釜に投入すると、麺がほぐれずに全部くっついて団子状になってしまうのだ。解凍の工程と茹での工程を完全に分離すれば克服できそうだが。それだと店舗内でのオペレーションが難しくなってしまう。だから、これまで冷凍生麺はほとんど駅そばでは使われることがなかった。しかし、そのデメリットを店員さん曰く「自社独自開発」した冷凍生麺により克服したとのこと。実際に調理工程を見学させてもらったのだが、ソリッドな冷凍麺を直接茹で釜に投入し、タイマーをセットして、ゆっくり泳がせながら2分ほど茹でていた。茹で時間が短いのは、そば粉比率が高いため。そば粉8割(しかも石臼挽きとのこと)の二八で仕立てている。手打ちそば店の矜持の表れだろうか。食べて見ての印象は、ザラザラと摩擦を感じる舌触りにホグッとしたそばらしい噛みごたえ。そばの香りもしっかり感じられる。流行りの麺とは少し方向性が違い、少し荒々しいような気がするけれど、個人的にはとても美味しいと感じた。一方のつゆは、甘めの仕立てになっている。出汁感もあることはあるが、甘みの方が際立っている印象。麺のクオリティから考えると、もう少し改善の余地があるかもしれない。これだけこだわっているわりに、値段はさほど高いとは感じない設定になっている。「山野草」時代よりは上がっているけれど、かけ350円、きつね450円、天470円だ。「山野草」時代の特徴的なメニューである野沢菜わさび昆布500円やきのこ500円も健在(安曇野葉わさびはメニュー落ち)。実食は、野沢菜わさび昆布そば。トッピングは、野沢菜と葉ワサビと昆布を細かく刻んで塩漬けにしたもので、「山野草」時代と変わっていない印象。シャキシャキ感とネバネバ感の対照的なコンビネーションが楽しい。長野県に行くと無性に食べたくなるメニューのひとつなので、これを残してくれたのはありがたい。箸は割り箸。
  土曜13:45頃の訪問で、先客2・後客4。この他に、私が入る寸前に4人グループが出ていった。昼時をだいぶ過ぎた時間帯にしては、結構入っていた方なのではないかと思う。民営化、手打ちそば店の運営、二八そば、そして冷凍生麺。注目すべき要素がとても多い店なので、ますますの発展に期待したい。この店がうまく軌道に乗るようなら、今後各地で街そば店が駅そばの運営に名乗りを挙げるようになるかもしれない。そうすれば、駅そば業界全体が活気づくのではないかと期待しているところである。なお、新型コロナ対策の個別パーティッションは、設置されていない。


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★明科駅(JR篠ノ井線)
「ぽっぽ舎」  実食日:2006/10

  待合室内&駅を出て右すぐ(写真は待合室内の出入口)。一杯飲み屋を兼ねたような店で、メニューは酒類や一品料理などを含め、多岐にわたる。一人でやっている店でこれだけのメニューをこなすのは大変だと思う。
  麺は、わりと長く茹でていたから生麺なのかと思ったが、食感的には茹で麺だった。あるいは、冷凍か。ちょっと判断に迷う麺だ。つゆは、これといった特徴はない感じ。具材(メニュー)にはいろいろな工夫が見られる。中でも、「当店おすすめ!」と冠された「とうじそば」(450円)はすごい。具材は、覚えているだけでも白菜・大根・人参・里芋・ちくわ・なめこ・油揚げ(きざみ)・天かす。文字どおり盛りだくさんで、丼に小山が築かれた状態で出てくる。味の方も、○。一見ミスマッチな感じだが、ちゃんとそばつゆに合う具材をチョイスしてある。また、飲み水は麦茶になっているし、出来上がりを待っている間にシメジの醤油漬けが出される(居酒屋で言うところの「お通し」だが、別途料金を請求されることはない)など、サービスにも工夫を凝らしてある。マイナーな駅に駅そばがあること自体感激ものなのだが、それがこのような特徴のある店なら、なおのこと嬉しくなる。応援したい店だ。他のメニューの値段は、かけ280円、たぬき・月見330円、山菜380円、天400円など。


※閉店していました。跡地はそのまま残っていますが、看板・貼り紙等すべて外されています。貴重な独立系駅そばだっただけに、残念です(2015/8、確認)。

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★篠ノ井駅(JR篠ノ井線・信越本線、しなの鉄道)
「TASTY KIOSK」  実食日:2005/5

  改札を出て右すぐ。地方の駅そばに多い「小型券売機」のある、シンプルな店。中途半端な時間だったからということもあるかもしれないが、全然客がおらず、駅自体人が少ない印象だった。その割に(あるいは、「だから」かも)、この店のおばちゃんは話好きで、話が長い。まぁ、駅そばのおばちゃんとの会話も、一人旅の楽しみの一つではあるのだけど。
  肝心のそばは、極めてノーマル。可も不可もない。たぬきなし、天360円。このチェーンでよく見る「ヘルシー玄米天そば」は、見当たらなかった。


※2010/12、再食。特に変わった印象はありませんが、ねぎそば310円、野沢菜わさび昆布そば370円などが追加されていることから、茅野・塩尻・松本・信濃大町と同系であると推察できます。食券に「塩尻駅そば」と印字されていた(当然ながら、これは店名とは解釈しません)のも、その裏付けになりそうです。なぜか、葉わさびそばは扱っていませんでした。

※閉店(「あんず」化)していました(2014/9、確認)。

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「あんず」  実食日:2014/9

  改札を出て右前、上記「TASTY KIOSK」の跡地。看板が変わっただけという見方もできなくはないが、麺も変わっていることから、別店として掲載する。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは5人程度。すぐ隣にガラス張りの待合室が新設されたため、待合室に持ち込んで食べる人も多いようだ。券売機も、タッチパネル式になっている。
  麺は、生(「特上」と表記)と茹で(「駅そば」と表記)の2種類を扱っている。特上の方が、40円高い。特上は生麺なので、出来上がりまでに3分かかる。「駅そば」は、券売機の2か所に「30秒」「1分」と異なる表記がある。実際には30秒くらいだった。茹で麺のわりに硬質でザラザラ感があり、なかなか美味しかった。つゆは、雑味が少ないタイプでこれまた美味。ガツンとくる印象力はないのだが、総じて水準以上の出来栄えにあると思う。たぬきなし、かけ290円、かき揚げ370円など。変わりメニューに、ネギ320円、野沢菜わさび昆布390円。葉わさびそばは扱っていない。


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★長野駅(JR信越本線・飯山線、長野電鉄長野線、北陸新幹線)
「信州蕎麦処 しなの」  実食日:2007/9



  長野駅の駅そばといえば「小菅亭」が有名なのだが、6&7ホームでは「しなのエンタープライズ」が経営する店が頑張っている。本当は「小菅亭」で食べたかったのだが、朝7時の時点では開いていなかった(新幹線ホームの店舗は開いていたが)ので、こちらで。
  おばちゃんが言うには、「この店の売りはつゆ」とのこと。確かに、飲みやすいつゆではあった。さほど印象に残るものではなかったが。麺は平打ちだが、コシがなく、今一歩という感じ。ただ、きのこそば(ワカメ入り440円)のきのこはボリューム感があってよかった。かけ280円、天360円など。持ち込み容器20円は良心的。


※2014/9、再食。今回もきのこそばを食べました。シメジ・山なめこ・フクロダケ・ヒラタケというラインナップで、変わらず心地よいボリューム感です。特に、ヒラタケの大きさが目を惹きました。手のひらに近い大きさがあります。価格は変わっておらず、消費増税に伴う値上げはありません。券売機のお釣り返却ボタンの脇に「お釣り! お釣り! このボタン!」と書かれていたのが印象的でした。分からない人が多いんでしょうね。なお、看板が変わり、暖簾が新たに掛けられていたほか、カウンター下にテキストが入ったりいろいろ変わっているので、写真を貼ります(左:旧、右:現)。個人的にも、圧倒的に現在の佇まいの方が好きです。店名表記等があえて楷書っぽい手書き風の書体になっている点が、特に私好みです。

※2015/12、再食。値段等、変わっていません。今回は、月見そば320円を実食。卵は先乗せで、卵の上からアツアツのつゆを注ぐオペレーションです。関東よりも、関西に多いパターンですね。白身部分がほどよく凝固して美味しいのですが、ちょっと拡散してつゆ本来の風味が損なわれるのがマイナスポイント。なかなか完璧な月見そばには出会えないものです。

※暖簾が変わっていました(写真は右端が最新)。値段等、変わっていません。2007年から一度も値上げしていないんですね。頭が下がります(2017/4、確認)。

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「しなの」  実食日:2009/1

  長野電鉄の改札を出て右、「千石・末広町方面出口」の階段下奥。うらぶれた飲食店街の入口にある。大きな暖簾が目隠しになっているだけで、基本的に通路に露出している店。立ち食いカウンター1本のみで、キャパは5人くらいだろうか。
  麺にはこれといった特徴がないのだが、つゆは結構個性的で、甘みがかなり強い。好む人と嫌う人に別れそうな印象。大皿タイプの丼にたっぷり注がれるので、好む人はハマるだろうし、嫌う人はうんざりするかも。メニューは、かけ280円、月見330円、天360円、山菜400円、肉420円の5種のみ。なお、長野駅には分かっているだけでもあと3軒の未食店がある。さすがはそば処信州の県都、素晴らしい駅だ。


※値上げしていました。現在、かけ300円、月見350円、天ぷら380円、山菜420円、肉450円です。変わりメニューのトロチーズそばが登場していました(410円)。怖いもの見たさで、次回訪問時にでも。また、100円で麺の替え玉ができます(付+2点。2014/9、確認)。

※店の外に掲げられているメニューのみでの確認ですが、トロチーズそばはなくなっていました。そのほかは、値段等変わっていません(付−1点。2015/12、確認)。

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「裾花郷」  実食日:2010/12

  JR在来線3・4・5番ホーム中ほど、階段裏。立ち食いカウンターのみの露出店。正式店名は「長野駅3ホームそば店」なのだが、それではあまりに味気ないので、暖簾に記載されている文字列「裾花郷」を店名と解釈させていただく。
  麺は、乱切りの冷凍。つゆはこれといって特徴はないが、無難にまとまっている印象。総じて、茅野・塩尻・松本・信濃大町など、長野県内の駅そばにありがちな味覚と言っていい(おそらく、同じ業者なのだろう)。それを裏付ける材料として、メニューにネギそば310円、野沢菜わさび昆布そば370円、葉わさびそば400円の存在がある。この3点セットは、長野県内の旧キヨスク系駅そばのスタンダードメニューなのだ。今回実食したのは、きのこそば(400円)。使用しているのは、山なめこ。軸の部分は切り捨て、傘の部分だけをトッピングしている。ちょっと勿体ない。ただ、乗せる際に、傘が裏返しにならないように気を遣っていたのは、見た目にも気を遣うこだわりとして評価したい。なお、この店では卵は温泉玉子になっている。生卵希望の場合は申し出る必要があるので、要注意。

※値上げしていました。現在、ネギ320円、野沢菜わさび昆布390円、安曇野葉わさび420円(「葉わさび」から若干メニュー名が変わっている)、きのこ420円などです。麺は、生(特上と表記)・並(おそらく冷凍)から選べるようになっていました。特上は、全メニュー40円増しです(2014/9、確認)。

※改装して、露出店ではなくなっていました(写真は左:旧、右:現)。長野駅ホームの店舗としては初の、建物の中で食べるスタイルの店舗になっています。個人的には露出店の風情が好きなのですが、抵抗を感じる方もいるかもしれないので、1店舗くらいはこのスタイルになってもいいのかなと感じています。なお、看板には「信州のそば」と表示されていますが、下部に「裾花郷」表記も残っているので、店名は不変とします。メニューや値段は、季節変動と思われる部分以外は変わっていません(2016/4、確認)。

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「小菅亭」  実食日:2011/10

  改札外の待合室内。駅の規模のわりに待合室が狭く、またこの店の利用者もかなり多いので、ごった返している印象。厨房を囲む立ち食いカウンターのみの店だが、食べるスペースが圧倒的に不足していて、多くの人が待合室内のベンチで食べている。
  これだけ混雑しているにもかかわらず、麺は生麺を使用。数人分まとめて茹でているようではあるが、タイミングによっては3分くらい待つ。比較的細い麺で歯ごたえはそこそこだが、生麺らしい香りはある。つゆは、鰹出汁の香りが強く、また塩気も強め。全体的に、主張の強いつゆ。かけ290円、月見330円、天370円など。生麺使用だからか、全メニューうどんよりもそばの方が10円高い設定になっている。葉わさびそば(410円)や野沢菜わさび昆布そば(370円)があるところから推して、茅野・塩尻・松本・信濃大町と同系か。なお、この店では玉子はすべて温泉玉子になっている。


※駅ビル解体に伴い、閉店していました。再建後に復活することを祈りましょう(2014/3、確認)。

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「水芭蕉」  実食日:2014/3

  東口の駅舎1階外側から出入りする造りの店。厨房を囲むコの字型椅子付きカウンターのみで、席数は15くらい。フロアはだいぶ広く、客席の背後スペースが広く確保されている。バス乗り場前という立地であることから、荷物の大きな旅行者の利用が多いことを見越しての設計だろうか。昨年9月にオープンした新店だ。
  この店は、松本「山野草」や塩尻「桔梗」、信濃大町「カタクリの花」と同系列であると思われる。メニュー構成や味覚が類似している。麺は乱切りの冷凍麺で、強めの歯ごたえが心地いい。ちなみに、麺は並と上があり、上は生麺(40円増し)。並でも十分美味いので、当たり外れのありそうな上よりも、並の方に食指が動く。つゆは、やや濃いめで美味しい。たぬきなし、かけ290円、きのこ410円、月見330円、天370円など。この系列店のオリジナルメニュー・安曇野葉わさびそば410円と野沢菜わさび昆布そば400円も健在。個人的には、松前漬けのようなネバネバが癖になる野沢菜わさび昆布が一押し。青味・辛味・甘みのバランスがよい。あまり見栄えがしないのが難点ではあるが。


※値上げしていました。現在、ネギ330円、野沢菜わさび昆布400円、安曇野葉わさび430円です。ホームの「裾花郷」と同系統の店ですが、こちらの方が全メニュー10円高い設定になっています。座席があるため(席料?)でしょうか。また、麺を選べるのもホームと同じシステムですが、こちらは生麺の表記が「上」(ホームの「裾花郷」は「特上」と表記)です(2014/9、確認)。

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「ナカジマ会館」  実食日:2015/4

  JR在来線・しなの鉄道の集合改札を出て正面。駅ビル「MIDORI」とともにオープンした新店。長野駅改札外というと、かつて待合室内にあった人気店「小菅亭」が閉店して寂しい状況になっていたので、業者は違うけれどこの場所にオープンしたのは朗報だ。ナカジマ会館はかつて駅弁業者として長野駅に君臨し駅そば店も営んでいたが、その後撤退し、現在は不動産業に専念している。そのナカジマ会館の駅そばが復活……と言いたいところなのだけれど、実はこの店はナカジマ会館の運営ではない。この辺りの顛末を書くと長くなりすぎるので割愛する(店内掲示を見てください)が、要するに「味を復刻した」ということだ。客席は立ち食いカウンターのみで、キャパは20人くらい。店内には大きな券売機があるが、稼働しているボタンは4つだけ。今後順次メニューを増やしていくのだろうと推察。
  麺は、生麺の茹で置き。厨房内のオペレーションを見て茹で麺だと判断する人が多いのではないかと思うのだが、客席からは見えないバックグラウンドで生麺を茹でている。つなぎが弱くボソボソした食感で、切れやすい麺。個人的には小麦のモチモチ感が勝った麺よりもこのタイプの方が好きだが、好き嫌いが分かれそうな印象も受ける。つゆは昆布出汁がメインの優しい味わい。旨み系の余韻が長く続く。ひと口で満足するような、ガツンとくる感じはない。私は好きだが、これまた好き嫌いが分かれそうな予感がする。たぬきというメニューがなかったので、天390円を実食。天ぷらはフワフワ系で、つゆに溶けやすいもの。天ぷらの上からつゆを注ぎ、意図的に柔らかくしているようだ。大判だが油は軽く、胃にもたれるようなことはない。まぁ、これはこれで。現状、そのほかのメニューはかけ310円・月見350円・天たま420円のみ。ちょっと寂しいが、レパートリーに関しては今後の展開に期待。箸はエコ箸。


※メニューがちょっと増えていました。きつねワカメそば370円は、岩手県産のワカメを使用。信州きのこそば430円は、長野県中条村産のナメコと中野市産のシメジなどを使っているとのことです。ご当地系メニューが誕生して、嬉しい限り。この日はお腹がいっぱいだったのでスルーしましたが、少なくとも「信州きのこそば」は近いうちに実食したいと思います。そのほかのメニューは、値段等変わっていません(付+1点。2015/12、確認)。

※2016/4、再食。前回訪問時に気になった信州きのこそば430円を試しました。中条産のナメコと中野産のシメジ、いいですね。シメジの食感が特によく、噛むと「ジャクッジャクッ」と音がします。菌繊維がしっかりしているんですね。とても美味しくいただけました。
  なお、初食記事で麺は「生麺の茹で置き」と判断していますが、バックヤードで茹でた後、番重内にひと玉ずつ小分けして詰めて厨房内に運んでいることを目視確認したので、当サイトでの定義に鑑みて「茹で麺」と考えることにします。まぁ、そんなにこだわる必要はないことかもしれませんが。


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「信州そば店」  実食日:2015/12

  新幹線上り(13・14番)ホーム中ほど。看板等が掲げられておらず、暖簾も「そば」のみの記載。さて、店名をどうしようかと思っていたら、食券に「信州そば店」と印字されていた。当サイトではこれを店名に採用。ちなみに、七味の振り出し容器には「新幹線ホーム店」とのテプラ貼りがあった。また、ここ数年毎年開催されている「信州駅そばキャンペーン」(2015年以降はより広域の「スキです。駅そばキャンペーン」に転換)のパンフレットには、「新幹線そば店」と記載。正式店名はこちらだろうか。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは6〜7人くらい。ちょっと古めかしい感じのタッチパネル式券売機が導入されている。
  麺は、やや質感のある茹で麺。少しざらつきのあるタイプで、おそらく「小菅亭」のものではないかと思う。つゆは、だいぶ雑味を感じるもの。カツオの香りは感じず、昆布が主体ではないかと思うのだけれど、雑味の干渉が強くてよく分からなかった。つゆは、在来ホームの「信州蕎麦処 しなの」に近い味だ。長野県内の駅そばが面白いのは、運営会社が違っていても味が同じだったり、逆に運営会社が同じでも店舗によって味が違っていたりする。おそらく、各運営会社は独自に麺やつゆを作っておらず、手近なところから仕入れているからこのような現象が起こるのではないかと思う。さらに言うと、近年になって経営移管された店舗がいくつかあり、移管後も同じ仕入れを続けている(であろうと思われる)ため、同じ業者でも店舗ごとに味が違っているのだと思う。たぬきは、フワフワ系の天かす。これといって特徴は感じなかった。たぬき380円(小松菜入り)。変わりメニューがいろいろ。野沢菜わさび風味そば400円は、長野県内のJR系駅そばでよく見る「安曇野葉わさびそば」や「野沢菜わさび昆布そば」とどのくらい違うのかが気になる。信州なめこそば430円は、「ナカジマ会館」の信州きのこそばとの違いが気になる。そして、玉子からめてそば390円にいたっては、この辺りではこの店にしかないであろうメニューだ。玉子とじのようなものだろうか。新幹線改札内だけになかなか訪問機会は多くならないだろうが、もう何回か足を運んでみないと、この店について語りつくすことは難しそうだ。


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「りんどう」  実食日:2016/4

  北陸新幹線下り(11・12番)ホーム中ほど。上記13・14番ホームの「信州そば店」と平行の位置関係にある。いや〜、長野駅は駅そばの宝庫だ。名古屋駅の方が店舗数は多いのだけれど、店舗ごとの個性を加味すれば長野駅の方が巡り甲斐がある。「日本一駅そば探訪が楽しい駅」と言っても過言ではないかもしれない。しかも、どの店舗を覗いても、結構にぎわっている。他地域で駅そばを営む業者が参考にできそうな部分が多々あると思う。厨房を囲む露出立ち食いカウンターのみで、キャパは6人くらい。新幹線の発着前後だけ著しく混雑し、中間タイミングでは閑散としている。ホーム駅そばらしい客足の波がある。券売機は、やや古めかしいタッチパネル式が稼働中。これは、ほぼ長野県内でしか見ない券売機なのだけれど、長野県内では運営会社の垣根を越えて導入されている。興味深い。なお、店名は暖簾の表記を採用。七味(八幡屋礒五郎)の容器には「新幹線そば店」表記のテプラが貼られているが、これは店名とは考えないことにしている。
  麺は、冷凍の乱切りタイプ。県内のJR系駅そばのスタンダードだ。歯ごたえがよく、風味はさほどない。県内JR系駅そばにありがちな「特上(生麺)」は扱っていない。厨房設備の問題だろうか。つゆは、雑味の少ないスッキリ系。アドレスト長野のスタンダードか。長野駅には、同じような麺を使っていても店舗によってつゆが違うということもあるので、同じメニューで食べ比べるのも楽しいだろう。たぬきなし、かけ310円、かき揚げ390円、ネギ340円、野沢菜わさび昆布410円、安曇野葉わさび440円。在来改札内の「福寿草」と同じ価格設定だが、在来ホームの「裾花郷」よりやや高い設定になっている。この辺りは、運営会社の違いもある(「裾花郷」は長鉄開発)ので何とも言えない部分。
  実食は、安曇野葉わさびそば。他店舗や他駅で食べる同メニューと、トッピングは変わらない。見た目にはちょっと貧相なのだけれど、つんと鼻を突く辛みが抜群の存在感を発揮する。つゆに浮かべておくだけで全体にじんわりと辛みが広がる。「八幡屋礒五郎」には敬意を表しているが、このメニューに関しては七味を振らずに食べた方が良いと思う。


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「福寿草」  実食日:2017/4

  JR在来線改札内、2・3番ホームから階段を上がったところの待合室内。長い暖簾が目隠しになっているだけで、待合室に露出した造り。間口は広いのだが奥行きがなく、客席は椅子付きカウンター6席のみ。うち4席は厨房側を向いていて、残りの2席は厨房に背を向けて窓側を向いた席になっている。まぁ、待合室内のベンチが肘掛代わりに荷物置き場があるタイプで、丼やコップを置けるので、満席時には待合ベンチで食べることもできるだろう。
  麺は、注文後に茹でる生麺だ。長野県内に多くある「並=冷凍麺・特上=生麺」のパターンではなく、すべて生麺での対応。細めで、少し縮れが見られる。この縮れがちょっと曲者で、ツルツルッと気持ちよく啜ることができず、やや違和感のある食感になっている。風味は悪くないのだが。つゆは、カツオ出汁の香りと醤油の香ばしさが強く出たもの。券売機近くに「そば・つゆは小菅亭」との表示が出ているから、駅改装前の頃に改札外の待合室にあった「小菅亭」(上記参照)が、駅舎改装に伴って移転してきたと考えればいいだろうか。直接的な運営会社は変わっているかもしれないが。塩加減はやや辛目で、甘さはあまりない。塩分がちょっと強そうなのが気がかりではあるが、味覚的には好みだ。かけ310円、かき揚げ390円、月見350円など。長野県内の駅そばでよく見かける安曇野葉わさび440円・野沢菜わさび昆布410円・ネギ340円に加え、野沢菜わさび昆布玉子450円という既製メニューもある。ちょっと名称が長ったらしいので、たとえば店名を冠して「福寿そば」などと名付けてもよさそうな気がする。そして、この店一番の見どころは、一覧形式のお品書きには記載されていない(別途小さな貼り紙が出ている)季節のかき揚げ100円があるということだ。この時期なら、当然山菜系ということで、「フキノトウとマメのかき揚げ」が出ていた。これが100円なら、注文しない手はない。というわけで、実食は山菜そば430円+季節のかき揚げ。山菜は、ワラビ・ゼンマイ・ナメコ・エノキのミックス水煮。まぁ、良くもなく悪くもなく。季節のかき揚げは別盛りにして、半分はそのまま、もう半分をそばに乗せていただいた。リングを使って揚げているであろう高さのある正円形の天ぷらで、揚げ置き時間が長めなのかサクサク感はなし。肝心のフキノトウも、見た目には結構たっぷり入っているのだが、あまり香り・苦味がなかった。あく抜きをしているのかな。個人的にはもうちょっとほろっと苦みが走った方が好みなのだが、それだと好き嫌いが分かれてしまうだろうか。反面、マメ(=枝豆?)は、見た目にはフキノトウほど入っていないのに、食感が強く、むしろフキノトウよりも存在感があった。あぁ、フキノトウだけの天ぷらを食べたいなぁ。
  今回は、訪問した時間帯があまりよくなかったかもしれない。21時閉店のところ訪問したのが20:50だから、季節のかき揚げもたまたま売れ残っていたという感じで、揚げ置き時間がかなり長かったのだろう。今度は、もう少し早い時間に訪問して、揚げ置き時間の短い状態で「季節のかき揚げ」を食べてみたい。なお、この時間でも先客2・後客1と、駆け込み需要がそれなりにある様子だった。この時間帯にはホームの店舗が全部閉まっているので、ここに集中するのだろう。最後の砦、というわけだ。列車待合客がほとんどいない、ガランとした待合室に、ずるずるとそばをすする音が響く。この侘びしさは、駅そばならではだねぇ。


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★黒姫駅(JR信越本線)
「TASTY KIOSK」  実食日:2006/10

  改札外待合室内。ホーム側にもカウンターがあったのでホームでも食べられるようだが、単路線の途中駅ではホームで食べる人はほとんどいない様子。この日は大雨の影響で列車が大幅に遅れていたため、待合室内に登山客などがごった返し、駅そばも大賑わいだった。
  頻繁に目にするKIOSK駅そばだが、この店にはちょっと特徴がある。麺は地方でありがちな乱切り冷凍麺(味は○)、つゆもそれほど特徴は感じなかったが、独自のサービスがあったのだ。それは、蒸した山栗と大根の醤油漬けの食べ放題。店としてのサービスというより、従業員が個人的に振る舞っているものかもしれない。特に山栗は季節限定であるはずだが、どちらも好評で、中にはそばを注文せず、タダで栗だけ食べている人もいたほど。それを快くOKする、実に心優しい駅そば店である。土地柄、この駅は外国人の利用者が多いのだが、彼らは箸を巧く使えないためか、そばを食べる人はほとんどいない。が、漬物の方は外国人にも大人気で、素手でつまんでは食べていたのが実に印象的だった。たぬきなし、かけ280円、玉子320円、天360円。なお、この店のなめこそば(400円)のなめこは、東京でよく目にするものではなく、傘が平たく、大きい山なめこ。自然味に富んでいる。

※閉店(「黒姫駅そば」化)していました(2015/4、確認)。

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「黒姫駅そば」  実食日:2015/4

  待合室内、上記「TASTY KIOSK」の跡地。ホーム側の窓口も、まだ生きている様子。乗換駅でもないこの駅で、ホーム側で食べるのはよほどのマニアだけなのではないだろうか、と思うけれど。待合室側は綺麗に改装されているのだが、ホーム側は「TASTY KIOSK」時代のままでロゴもそのまま残っているので、逆にマニアはホームで食べたいと考えるかもしれない。隣接するKIOSK売店は閉店しており、3セク化で承継されたのは駅そば店だけ、ということになる。逆のケースはよく見るけれど、このパターンは珍しいと思う。カウンターのキャパはせいぜい2人くらいで、皆待合室の古めかしいストーブを囲むベンチに座って食べている。
  麺は、幅広の冷凍麺。風味はあまりないものの、歯触りがよい。つゆには、やや薬品臭あり。「TASTY KIOSK」時代には感じなかった刺激なので、つゆも別物に変わっていると思われる。どことなく、長野駅「信州蕎麦処 しなの」のつゆに風味が近い。たぬきというメニューはなく、かけ290円、月見330円、かき揚げ370円など。長野県内でちょいちょい出会う、おそらく生麺を使用するのであろう「特上」の設定がある(40円増し)。この設定からは「安曇野葉わさびそば」や「野沢菜わさび昆布そば」が連想されるが、これらのご当地系メニューは扱っていない。一方では、ラーメン330円を扱っている。鴨ラーメン500円の設定まである。また、テイクアウトも可能(20円増し)。あらゆる角度から見て、県内他駅の駅そばと似ているようで非なる、という感じだ。この店にとって3セク化(ついでに言えば、新幹線開業も)は逆風になっていると思うけれど、なんとか頑張ってほしい。点数は低くなってしまったが、力いっぱい応援したい店だ。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ330円、月見370円、かき揚げ440円です。上田駅では終売していた「特上」が、こちらでは健在。しかも、並との価格差が30円になっていました。一方、ラーメンは終了しています(値−1点。2021/7、確認)。

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★野辺山駅(JR小海線)
「野辺山観光案内所」  実食日:2006/8

  駅を出て右すぐ。野辺山はローカル単路線駅だから、駅舎は小さく、構内には一切の店舗がない。しかし、JR最高所にある駅だし、八ヶ岳観光の拠点にもなっている観光地なので、駅周りには土産物店や飲食店が固まっている。そんな中、駅のすぐ隣にあるのが野辺山観光案内所。ここは主にその名のとおり観光案内やレンタサイクルなどを扱う場所なのだが、片手間に軽食堂を営んでおり、そば・うどんも扱っている。晴天日には店先にオープンカフェ風にテーブルが出されるようだが、実食日は雨天だったので、屋内の狭いスペースにテーブルが3つあるだけの縮小営業だった。麺類のメニューは山菜・天・冷やし(すべて500円)のみ。他に、丼もの、カレーライス、飲み物を扱っている。厳密には「駅そば」とは呼べない店かもしれないが、地方、特に観光地ではわりと基準を甘くしているので、この店も含めることにする。
  この店のそばは列車持ち込み用の使い捨て容器で出され(これが「駅そば」に含める決め手となった)、見た目には陳腐な印象を受けるのだが、味覚的にはなかなか優れていた。恐らく冷凍だと思うが、乱切りで歯ごたえがいい。つゆも、若干甘みが勝った印象で○。私は山菜そばを食べたのだが、正体不明のキノコなども入っており、面白かった。


※メニューのラインナップは変わっていませんが、天だけが600円に上がっていました(他は500円で据え置き。2014/5、確認)。

※2021/3、再食。その前に、少々メニューが変わっていました。現在のラインナップは、月見400円が最安で、きつね500円、トロロ・肉・かき揚げが600円です。ご飯ものはなくなっています。以前から踏襲されているメニューはかき揚げのみですが、この値段は変わっていません。前回訪問は消費税が5%の時代なので、8%増税時にも10%増税時にも単純な値上げは行わなかった模様です。また、客席も少々変更。テーブル席は廃され、立ち食いカウンター4人分のみになっています。観光案内所の窓口で注文すると、窓口スタッフがエプロンをかけて奥へ入り、調理をします。
  今回は、一番安い月見そば(ワカメ入り)を実食。麺は、乱切りではなく太めの角麺に変わっていました。厨房が奥まっているのでオペレーションは見えませんでしたが、食感や風味から冷凍と推察。つゆはさほど深みのないタイプです。玉子は、白身の白濁具合やつゆの温度、配膳までに要する時間から推して、たぶん後乗せです。丼が使い捨てのものなのは、以前と変わっていません。
  日曜11:30頃の訪問で、先客0・後客0。冬場はスキー客が通りかかるくらいで、基本的には閑散期なのでしょう。列車を乗降する人も、駅周辺を歩く人も、まばらでした。周辺の土産物店などもシャッターが下りているところが多く、寂しいというか物悲しいムード。なお、外観的に上部採光窓などディテールがリニューアルされていたので、写真を貼っておくことにします(左:旧、右:現)。


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「高原そば」  実食日:2006/8

  駅を出て左斜め前、「菊本おみやげ店」内。土産物店の一角に設けられたそば処で、おばちゃんが一人でやっている小さな店だが、テーブル椅子席を20ほど擁している。「土産物店の休憩所」という要素もあるのだろう。上記「野辺山観光案内所」と同様、「駅そば」と呼べるかどうか微妙なところであるが、形態としては純然たるセルフサービス。「野辺山観光案内所」よりは「駅そば」と呼ぶに相応しい。
  ここも「野辺山観光案内所」と同様に冷凍麺を使っているのだが、麺は異なる。乱切りではなく、細麺。歯ごたえは「野辺山観光案内所」に比べ、大きく劣る。そのぶん値段的には割安になっており、かけ350円、月見400円、山菜450円である。
  ちょっと印象を悪くしたのは、衛生面か。厨房内が雑然としており、シンクには食べ終わった器が未洗浄のまま山のように積まれていたし、全体につゆや山菜の水煮の水などがこぼれている。忙しいのは分かるが、もう少し清潔に保てないものか。このおばちゃん、注文を覚えるのも苦手なようで、注文を逐一紙切れに書きとどめていたのが印象的だった。


※値上げしていました。現在、かけ400円、月見450円、山菜500円になっています。飲み物やソフトクリームなども扱っていて、ぶどう100%ジュースあたりは面白そうです(付+1点。2014/5、確認)。

※閉店していました。土産物店自体が冬季休業中だったのですが、昼前にシャッターが開いたので中を確認できました。そばコーナーは、ソフトクリームとドリンクのみを扱うスタンドになっていました(2021/3、確認)。

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★佐久平駅(JR小海線、北陸新幹線)
「カフェ グレ猫」  実食日:2016/4

  値段的にちょっと高いのだが、駅舎内&地方&他に対象店がない駅ということで、特例を適用する。場所は、駅舎の蓼科口側1階。そば・うどんも扱う喫茶コーナーという印象。一応パーティッションで駅舎内フロアとは仕切られているのだが、ちゃんとした間仕切りはなく、フードコートのようなレイアウトになっている。客席は、テーブル・椅子付きカウンター合わせて51席。こんなにたくさん席があって、需要はどうなんだろうか(訪問時には、先客・後客合わせて4〜5人といったところだった)。有人レジで先払い→番号札で呼び出し。精算システム的にも、フードコートを連想させる。気になるのは、店名。「グレ猫」とは、「やさぐれた猫」ということでいいのだろうか。随所に、サングラスを斜めに掛けて、キャンディのようなものを咥えた猫が描かれている。う〜む、80年代に流行った「なめ猫」を思い出してしまった。懐かしいね。
  喫茶コーナーがついでに出しているようなそばだし、雰囲気的にもあまり期待していなかったのだけれど、そこはそば処信州。まずまず満足させてくれる一杯が登場した。麺は、注文後に茹でる生麺。3種類の太さが混合する乱切りタイプで、多少粘着したけれどそばの香りがしっかりと感じられた。つゆは、甘め。甘みが強くて出汁の按配はよく分からなかった。カツオ+昆布のようにも感じるけれど、ちょっと違うような気もする。もう少しやさしい調味で出汁を際立たせた方が、個人的には好み。かけ500円、かき揚げ・山菜・月見各600円。そばメニューは以上。実食は、かき揚げそば。かき揚げは揚げ置きのヘナヘナタイプ。まぁ、こんなもんか。他の麺類メニューとしては、うどん・ラーメン・じゃじゃ麺などがある。そば・中華麺の合い盛り「二色ざる」、そば・うどん・中華麺の合い盛り「三色ざる」もある。会津高原尾瀬口「恋路茶屋」の名物メニュー「三種合体麺」のざるバージョンか。麺がよく見えるぶん、こちらの方が被写体としては映えるかもしれない。
  味覚的には、麺がわりと私好みだったということもあってそこそこ満足できた。ただ、一点だけ気になったことがある。それは、厨房内での店員同士の私的談笑。女子高生バイト風の店員だったからあまり洗練された対応を求めるのも酷かもしれないが、ちょっと漏れ聞こえてくる笑い声が大きいし、品がなさすぎた。喫茶が中心の店なのだから、静かにくつろぎたい客が多いはず。まったく喋るなとまでは言わないので、少しだけ気を使っていただければと思う。本記事においては、「衛生」を−1点とさせていただいた。


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★小諸駅(JR小海線、しなの鉄道)
「ひしや」  実食日:2007/9

  2&3番ホーム(しなの鉄道)中ほど(階段降りて前方)。品数の少ない売店を兼ねていて、アイスを買っていく高校生が目につく店。そばを食べる人はあまり多くなさそうな印象だ。
  調理時間から考えて、この店の麺は茹で麺だと思うのだが、その割には程良いザラザラ感があり、麺自体に甘みがあり、非常に美味しかった。つゆも、甘さ・辛さ・出汁のバランスがよく、飲みやすい。なにげに完成度が高く、ホームの店舗に限って考えればかなり上位にランクする店だと思う。おばちゃんのサービス精神も見逃せない。私は玉子そば(340円)を食べたのだが、なぜか天玉そばが出てきた。曰く「天はサービス」。実食が17:30頃で閉店が近かったからなのか、それともたまたま形が悪くて売り物にならない天があったからなのか分からないが、とにかく嬉しかった。こういう突発的なサービスがあり得るのも、非チェーン駅そばならではの魅力だ。いつもあるサービスではないだろうから、ここでは「付加価値」に1点加えさせていただいた。他のメニューは、かけ300円、きつね380円、天400円など。持ち込み容器は20円。


※閉店していました。建物撤去済みです。雰囲気の良い店だったので、残念です。駅前の同名の手打ちそば店は存続していますが、こちらは値段が高く、当サイトでは対象外です(2016/4、確認)。

※駅前の手打ちそば店も閉店し、「ひしや」の名は完全に消えました。跡地はテナント募集中になっています。寂しい限りです(2017/6、確認)。

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「駅前のそば・うどん屋さん.」  実食日:2016/4

  駅を出て右前方へ1分、目抜き通り沿いにある。駅からすぐ近くで、間口が広くて目立つのだけれど、不思議とあまり話題にのぼることがない店。ネット情報も少ないし、雑誌等に掲載されているのを見たこともない。私はというと、実は10年以上前に発見していて(当時は店名が違っていた)、長らく未食リストに入れっぱなしになっていた。2011年4月にようやく食べに訪れたものの、昼時に行ったのに営業していなかった。もうとっくに閉店済みで、廃墟状態なのかなとも思ったのだけれど、今回念のためにもう一度チャレンジしてみたら営業していた(月曜休で、営業時間は6〜17時とのこと)。客席は、厨房を囲む椅子付きカウンター6席と、4人掛けテーブルひとつ。食券制をとっている。
  麺は、少々不自然なツルツル感のあるものだった。生麺でないことはすぐにわかるのだが、茹で麺か冷凍麺かでちょっと悩む感じ。そばの香りはあまり感じない。つゆは、出てくると同時にカツオの香りがつんと鼻を突く。ただ、カツオ一辺倒という感じではなく、深みがある。カツオ+昆布という感じでもないし、サバか何かが入っているかもしれない。少々歯がキシキシするけれど、風味自体はとても好きだ。たぬきなし、かけ300円、天380円。関西以外では珍しいきざみ320円があったので、きざみそばを実食。刻み揚げは、極薄カットのフワフワジューシー系。貝塚駅「満居人」の刻み揚げから味付けを差し引いたような感じで、とても美味しい。しかも、たっぷり乗せてくれる。これで「かけ+20円」なら、絶対にお得だ。その他には、角煮そば500円という変わりメニューもある。箸はエコ箸。箸立てにたくさん立っているのに、商品と一緒に一膳渡される。
  訪問は昼前の11:50くらいで、先客1・後客0。決して賑わっているという感じではない。ホームの「ひしや」が閉店してライバルがいなくなったぶん、需要はこちらに回って来そうに思うところだが。外からしばらく観察してみると、おおかたの観光客は駅前の手打ち「ひしや」の方に流れている。こちらもそんなに入りづらい雰囲気ではないと思うのだけれど、どういうわけか入らない。そうこうしているうちに、駅周辺エリアの中で、この店の前は最もと言ってもいいくらい人通りが少ないことに気づいた。目抜き通りの向かい側の方が、歩行者が圧倒的に多いのだ。たった1回の観察で結論づけることはできないけれど、歩行者の動線がこの店にとって不利に働いているのではないかと感じた。愛想のよいおじさんがひとりでやっている店。味も雰囲気も悪くないのでね、なんとか頑張ってほしいところだ。


※食べログで掲載保留扱いになっていたので気になって寄ってみましたが、元気に営業中でした。値段等、変わっていません(2017/6、確認)。

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★伊那市駅(JR飯田線)
「伊那谷駅弁」  実食日:2006/5

  改札外待合室内&1番ホーム。改札内外両側から食べられる造りだが、外側の方がメイン。どちらにも椅子席はなく、立ち食いのみ。もっとも、ベンチはホームにも待合室にもあるので、どうしても座って食べたい場合には、それも可能。
  この店の味覚的な特徴は、歯ごたえのよい冷凍麺。保存が利いて生麺に近い食感を得られる冷凍麺は、駅そばの救世主になっていると思う。つゆは色黒タイプだが、「やや辛」程度で、それほどどぎつい味ではない。ネギは青白混ざっている感じ(どちらかといえば青)。そば以外では、信州名物の五平餅を扱っているのが特徴か。3本285円のパックが基本だが、1本からのバラ売りもしてくれる。たぬきなし、天370円。おにぎりやいなり寿司、幕の内弁当(740円)などというものも扱っている。そんな中、そばの値段と照らし合わせると、カレーライス380円にちょっとお得感がありそうだ。

※閉店していました。構造上、駅舎とは別棟の建物だったのか、店舗部分だけが綺麗になくなっています(2015/5、確認)。

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★駒ヶ根駅(JR飯田線)
「レモン」  実食日:2006/5

  改札を出て右に「にしこま」という駅そば店があるのだが、私が行ったときにはシャッターが降りており、「そば・うどんはレモンにあります」との貼り紙が出ていた。「にしこま」の開店前だった(訪問時間は10:00頃)のか、経営統合(閉店)されたのか、ちょっと分からない。少なくとも私が訪れたときには、駅を出て左すぐのところにある軽食喫茶「レモン」が駅そばを兼ねていた。基本的に喫茶店なので、決して広い店ではないがちゃんとテーブル席もある。
  この店も、伊那市「伊那谷駅弁」と同様に冷凍麺を使用している。裏はとっていないが、同じ麺なのではないだろうか。見た目・食感・味とも、同一に感じた。異なるのは、具材(天)だ。たまたま冷蔵庫での保存時間がちょっと長かったのか、冷蔵庫独特のあまりよくない臭気を帯びていた。たぬきなし、天370円。
  特記事項をいくつか。この店、看板には「9時半開店」と書かれているのだが、10時に行ってもまだお湯が沸いていなかった。朝イチで食べに来る客は少ないらしく、実質的な開店時間は10時過ぎである。それから、小さいながらも1番ホームにも窓口が開いており、ホームで食べることもできる。が、おばちゃんに聞いたところ、ホームで食べる人はほとんどおらず、ホーム側の受け渡し窓口は「開かずの扉」に近い状態なのだとか。メニューは、そば・うどんは種類が少ない(3〜4種)が、飲み物は豊富に揃っている。食事系では、伊那名物の「ソースカツ丼」(650円)を扱っていたのが印象的だった。

※閉店していました。跡地はシャッターが下りている状態で、看板等すべて外されています(2015/5、確認)。

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★豊科駅(JR大糸線)
「ピーコック」  実食日:2017/4

  駅前にある「駅そば文ちゃん」で食べるつもりで当駅を訪れたのだがやっていなかったので、仕方なく駅付近をブラブラしていたらこの店が見つかった。場所は、駅出て目抜き通りを直進5分、右手のイオン豊科店1階フードコート内。フードコートと言っても、入っているのはマクドナルドとこの店だけ。客数も少なく(18:00頃の訪問で、2店合わせて先客1・後客2)、ちょっと寂しい印象を受ける。券売機で食券を買うと自動でオーダーが通り、券を持ったまま席で待機していれば配膳してくれる。下げ膳はセルフ。
  麺は、おそらく冷凍。ちょっと鬆が入ったようなフカフカ食感で、わりと色黒だがあまり香りがない。つゆは、甘く出汁があまり香らない。ベタッと平たい味。総じて、インスタント感がかなり表に出てしまっている一杯だった。かけ330円、月見380円、かき揚げ430円など。ラーメン・カレー・丼もの・スナックフード・各種ドリンクなどいろいろあり。特徴的なのは、フライドポテト。スティック状の「クリスピーポテト」と、丸く形を整えた「ちびまるポテト」がある。どちらもSサイズは190円と安いので、そばのお供にも良いかもしれない。個人的にもフライドポテトは大好物なので、クリスピーポテトのLサイズ(390円)をそばと一緒に注文した。そばに乗っけて「なんちゃんてポテそば」にしようかと思った(つゆの味が平たいことは事前になんとなく想像がついたので、いっそ大きく味を変えようかと思った)のだが、このポテトはそばに乗せるにはあまり向かないものだった。外のカリカリ感と中のフワフワ感のコントラストが楽しいポテトなので、つゆに浸して食感が失われてしまうのが勿体ないのだ。そばに合わせるなら「ちびまるポテト」の方が良いのではないだろうか。飲み水・レンゲ・七味は、商品と一緒に配膳される。箸は個包装(名入れ)の割り箸。


※閉店(「ちどりや」化)していました(2021/9、確認)。

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「ちどりや」  実食日:2021/9

  駅出て目抜き通りを直進5分、右手のイオン豊科店1階フードコート内。上記「ピーコック」の跡地のうち、半分。もう半分は、韓国発のチキン専門店「クリスピーチキン&トマト」になっている。食券制で、券売機は「ちどりや」専用のもの。メニューは、ラーメン、そば・うどん。もともとはご飯ものもやっていたようだが、コロナ禍に入ってご飯ものの提供を中止している。営業時間も11〜15時に短縮(もともとは11〜19時)されており、コロナの影響が色濃く出ている様子がうかがえる。
  麺は、おそらく冷凍。乱切りタイプで、そばの香りはほとんど感じない。「ピーコック」時代も冷凍麺だったが、その当時とは別の麺。どちらかというと、長野県内のJR系駅そばの冷凍麺に近い印象。「信州そば」の謳い文句を鵜呑みにすると、だいぶがっかりすることになるかもしれない。つゆは、薄味というか、はっきりしないモヤッとした味。イメージとしては、業務用の濃縮つゆをラーメンスープで割ったような感じ。極端に不味くはないのだけれど、違和感はかなりある。たぬきは既製の揚げ玉で、どうということもないものだった。たぬき520円と、値段は高め。かけに相当する「信州そば」が490円、月見540円、天640円。そばメニューは以上の4種。うどんは、全粒粉を使っているとの表示あり。ラーメンは650円〜で、こちらもやや高い印象だ。総じて、胸を張って値段に見合うとは言い切れない内容だが、大糸線内では貴重な店だから、大事に使っていきたい。箸は割り箸。
  土曜12:15頃の訪問。フードコートのため、客数は数えていない。半分くらいのテーブルが埋まっている感じだった。各テーブルとも、もともとは4人掛けだが、コロナ対策で椅子を間引いてあり、2人掛けになっている。その上で、アクリルのパーティッションも設置されていた。コロナ対策としては、なかなか念が入っている方だ。


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★信濃大町駅(JR大糸線)

「TASTY KIOSK」  実食日:2000/7

  待合室内にある小さな駅そば。信濃大町駅は立山黒部アルペンルートの玄関口なので、休日ともなれば待合室内は大荷物を背負った登山客でごった返す。もちろん、その中には丼片手の人もいるわけで、それなりに繁盛しているようだ。この店には、ヘルシー玄米天そばという怪しいメニューがある。カリカリッと香ばしい天ぷらはたぬきに似た食感。玄米とつゆとの相性も、決して悪くはない。たぬきなし、天360円。


※閉店(「カタクリの花」化)していました(2009/1、確認)。

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「カタクリの花」  実食日:2009/1

  1番ホーム&待合室内。上記「TASTY KIOSK」の跡地。暖簾の色といい店構えの雰囲気といい、茅野駅「白樺」とよく似ている。おそらく、同系だろう。KIOSKから別のJR系列会社に移管したということだろうか。立ち食いカウンターは5人分ほどであるが、列車発着前後にはかなり賑わうため、待合室内の椅子に座って食べる人も多い。一方のホーム側の窓口は、ほとんど利用する人がいない。
  麺は、冷凍を思わせるシコシコ食感の乱切り。風味はあまり強くないが、食感は生麺の松本駅「信州坊主」よりもむしろ好み。メニューは「信州坊主」とほぼ同じだが、生麺でないぶん、全メニューが10円安い設定になっている。すなわち、かけ280円、天360円、葉わさび400円、ネギ310円。「TASTY KIOSK」時代に変わりメニューとして扱っていたヘルシー玄米天そばは消滅してしまったようだ。


※麺が選べるようになっていました(生・茹)。生麺は「特上」と表記されています。特上は各メニュー40円増し。茹の価格は変わっていません。ランチタイムと夕方の間に休憩時間があるので、食べに行くときには要注意です(付+1点。2012/3、確認)。

※微妙に改装し、華やかな雰囲気になっていました(写真は左:旧、右:現)。壁際の立ち食いカウンターが撤去され、厨房に向いた立ち食いカウンターだけになっています。値上げして、かけ290円(特上330円)、かき揚げ370円(特上410円)、安曇野葉わさび420円(特上460円)になっています。長野県の駅そばとしては珍しいでしょうか、ラーメンを扱っています。かけラーメン330円、かき揚げラーメン410円、鴨ラーメン500円です(値−1点、付+1点。2015/8、確認)。

※閉店(「駅そば榑木川」化)していました(2021/9、確認)。

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「駅そば榑木川」  実食日:2021/9

  改札外、待合室内。上記「カタクリの花」の跡地に、松本駅に続いて2021年7月にオープン。完全に跡地で、ホーム側にも受渡可能に見える窓口があるのだが、「改札を出て券売機にてご注文ください」との記載がある。どうやら、ホーム側では食べられなくなってしまった模様(食券を買ってから改札を入れば食べられるかも?)。厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみで、キャパは6人くらい。「カタクリの花」時代に比べて暖簾が短くなっており、待合室内から丸見えの構造になっている。
  麺やつゆは、松本駅の店舗と同じ。麺は自社開発したという冷凍生麺で、二八仕立て。そばの香りがしっかり感じられて、歯ごたえもよく、たいへん美味しい。注文後茹での形になるが、茹で時間は2分ほどと短いので、待ち時間はさほど気にならなかった。つゆも、松本駅と同様に甘めの仕立てになっている。ただ、実食メニューが松本とは違ったこともあり、松本よりはカツオ系の出汁感が強く感じられた。この店では、あまり甘みのないトッピングを選んだ方が正解かもしれない。メニューや値段も松本と同じ。たぬきなし、かけ350円、かき揚げ470円、きのこ500円、野沢菜わさび昆布500円など。実食は、かき揚げそば。天は、自家製か冷凍ものの店揚げかで悩むようなもの。味覚的には冷凍ものを連想させるのだが、ややいびつな形状が判断を鈍らせた。具材は、タマネギ、ニンジン、インゲン。麺ほどにはこだわりを感じないものだった。学生は、学生証提示で麺大盛りが無料になる。このサービス、果たして松本にもあっただろうか。ちょっと確認できていない。箸は割り箸。
  平日10:45頃の訪問で、先客1・後客2。全員男性ひとり客。手に余裕がありそうだったこともあって店員さんにいろいろ聞いてみたのだが、甘めのつゆは客の間で賛否が分かれている様子。将来的には、味を変える可能性もあるかなと感じた。なお、新型コロナ対策のパーティッションは、設置されていない。


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★海ノ口駅(JR大糸線)
「Yショップ ニシ」  実食日:2015/8

  駅を出て、目の前の国道157号線を渡って右へ4分。コンビニ(ヤマザキYショップ)内のそばコーナー。コンビニと言っても都会ほどの品揃えはなく、置いてある商品は飲み物とお菓子程度。JR大糸線の車内からよく見えるし大きな看板も出ているので、鉄道旅行者の間でも認知度は高そう。しかし実際にはサイクリングの休憩ポイントという色合いが濃く、利用者比率としては「鉄道<車<自転車」という構図になっている。一方で、この店は某アニメの作中に登場しており(皆まで書くと長くなるので、詳細は割愛。ググってください)、アニメファンの間でも認知度が高い。街から遠く離れたこの場所でこの手の店が成り立つからには相応の理由があるのだろうと思っていたが、やはりちょっと特殊な付加価値のある店だった。私が入店した時には、チャリダーたちがテーブルで談笑していて店員さんが不在、厨房の奥の方を覗きこんでいたら慌ててテーブル席から飛んできた。どうやら、チャリダーたちと一緒になっておしゃべりしていたようだ。私服なので、お客さんなのかと思った。峠の茶屋のようでもあり。ゲストハウスのようでもあり。独特な雰囲気に満ちた空間だ。席数は、レジ脇テーブル・厨房前椅子付きカウンター・店奥の大テーブルを全部合わせると17席ほどある。
  麺は、乱切りタイプのもの。たぶん冷凍。歯ごたえが強いタイプで、県内のJR系駅そば店で提供しているものによく似ている。しかし、つゆはだいぶ違う。JR系の各店よりも甘みがだいぶ強い。深みもあって美味しいのだが、余韻があまりないのがちょっと惜しい感じ。値段は高く、かけ400円、山菜530円など。変わりメニューに、葉わさびそば600円・風紋そば650円・小石のうどん620円がある。風紋そばは山菜+目玉焼き、小石のうどんはカレー+目玉焼き。生卵でも茹で卵でも温玉でもなく、目玉焼きを乗せる。これはとても珍しいというか、他店では見たことがないトッピングだ。今さらながら、試さなかったことをだいぶ後悔している。総じて価格は当サイト的にアウトな帯域だが、話題性が豊富なのでもちろん特例を適用。実食は、山菜そば。山菜は普通のミックス水煮山菜で、特に面白味はなかった。この店では、味覚的にどうこうというよりも旅の途中の独特な雰囲気を楽しむことに主眼を置くといいだろう。なにしろ店員さん(若い女性)がタメ語で気さくに接してくれるのがいい。店を出る時にも「お気をつけて」と、旅人前提の挨拶を投げかけてくれる。私は、たとえ品揃えがよくなくても、バイト対応のコンビニよりこちらの雰囲気の方が好きだ。そばを食べるのではなく、買い物が目的だとしても。


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★北小谷駅(JR大糸線)
「やまや」  実食日:2015/8

  他に対象店がない駅ということで特例を適用することにするが、駅からちょっと遠く8分ほどかかる。駅を出て左へしばらく歩き、橋を渡ってすぐの路地を右折してひたすら直進、右側。道の駅「小谷」内。プレハブ造りで庇は波板という簡素な造りの店舗。基本的に立ち食い。店舗の脇に折りたたみ式のベンチとビールケースが置いてあるので、ここなら座って食べることもできるのだが、テーブルがないので手持ち食いになる。見ていると、立ち食いカウンターで食べる人は少数派で、ベンチやビールケースに座って食べる人の方が圧倒的に多い。道の駅内だから車やバイクで訪れる人が多いのだが、車で来る人は館内の正規のレストランへ入り、ライダーはこの店で済ませるという傾向がみられる。とても興味深い。
  麺は、やたらと歯ごたえの強い冷凍麺。味はあまりない。つゆは昆布出汁がメインで、比較的あっさりしている。値段は高め。かけ400円、月見・山菜500円、天550円など。レパートリーは少なめで、変わりメニューは特にない。実食は、山菜そば。山菜は、水煮ではなく塩漬けだった。塩気だけでなく、微妙に酸味もある。塩気と酸味がつゆの味をだいぶ変えてしまうので、つゆ本来の味を楽しむという意味ではあまりオススメではない。ネギ・揚げ玉フリーのサービスあり。飲み水は薄い麦茶。テイクアウトに対応しており、容器代10円別途必要。味やメニューなどにこれといって特徴があるわけではないのだが、ビールケースに座って食べるというラフなスタイルを目の当たりにして、食べずにはいられない魔力的なものを感じる人もいるかもしれない。


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★飯山駅(JR飯山線、北陸新幹線)
「なの花」  実食日:2015/8

  北陸新幹線開業に合わせてオープンした店で、千曲川口側の駅舎1階、ニューデイズの隣にある。ちょっと奥まった場所で分かりにくいが、さほどゴミゴミしていない駅なので、千曲川口をウロウロしていればすぐに見つかるだろう。コンパクトな造りで、客席は椅子付きカウンター6席のみ。椅子と椅子の間隔が広いので、間に入って立ち食いすることもできそうだ。「富士そば」だったら10席くらい詰め込みそうなスペース感。
  メニューは、アドレスト長野の駅そばらしいラインナップ。麺は並(冷凍茹)と特上(冷凍生)が用意されている。特上の方が40円高い設定。並と特上とで丼を使い分けているので、他の客が食べているのが並なのか特上なのか、すぐに分かってしまう。実食は、並。乱切りタイプの麺で、そばの香りはさほど感じないが、食感が良い。弾力があるわけではなく、妙に固いわけでもなく、自然さを残した歯ごたえ。冷凍麺としてはかなり上位にランクされる麺だと思う。つゆは、これまたアドレスト長野スタンダードと言ってもいいような、雑味の少ないスッキリ系。やや辛めではあるが、無理なく飲み干せる。たぬきというメニューはなく、かけ300円、かき揚げ380円(ともに並の価格)。どういうわけか、山菜460円ときのこ470円は特上のみの対応になっている。アドレスト長野駅そばでお馴染みの、野沢菜わさび昆布400円(並)が健在だが、安曇野葉わさびは扱っていない。代わりに、店舗オリジナルと思われる「なの花そば」420円(並)という設定があった。もちろん、これを実食。内容は、菜の花を中心にエノキタケ・ナメコをミックスしたものをトッピング。提供時にはトッピングの量が少なく見えたのだが、箸でほぐしてみるとそれなりに量があった。とびきりというほどでもないのだが、それなりに満足できる内容だ。盛りつけで損をしているように感じるので、もう少し華やかに見えるように盛りつけてみてはいかがだろうか。


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★森宮野原駅(JR飯山線)
「喫茶ふきのとう」  実食日:2016/4

  改札外、駅舎内。駅そばというよりは売店を兼ねた喫茶処なのだが、厨房を囲む椅子付きカウンターでパッとそばを食べることもできる(ほかにテーブル席もある)。配膳付きで、後払い。値段的にだいぶ高いのだけれど、駅舎内&厨房オープン&地方&他に対象となる店がない駅ということで、特例適用。ちなみに、店への出入口は、改札脇と駅舎外側の2か所にある(写真は駅舎外側)。12:30頃の訪問で、先客・後客とも0。駅前には観光客がちらほらとみられたが、車でやって来る人ばかりで、列車を乗り降りする人は少ないようである。車で来る人は、たいてい「日本最高積雪地点の碑」が目当て。昭和20年に、積雪7.85メートルを記録したという。実際にその高さにラインが引かれているのだけれど、駅舎の2階部分まですっぽりと埋まり、見えるのは屋根だけになってしまうような高さだ(駅舎は2階建て)。
  客数が少ないこともあるのだろう、そばは注文を受けてから調理を開始。そのため、少々時間がかかる。5分を越えたかもしれないが、時間を計り忘れたということで目をつぶる。麺はプリプリとした食感で、モチモチ感が皆無。ちょっと「へぎそば」を連想させる食感だが、見た目に「ふのり」の色合いは出ていない。乾麺だろうか。つゆは、自然な風合いでとても優しい味。カツオ出汁は感じず、昆布とキノコ系の合わせ出汁なのではないかと推察。しつこいようだが、値段は高い。ざる670円、きのこ760円。そばメニューは以上。温そばはきのこ蕎麦だけなので、自動的に実食もきのこ蕎麦になった。使用するキノコは、傘の平たい山ナメコ。具だくさんという感じではないけれど、山里の雰囲気は実感できる。ネギはみじん切り。総じて、とても優しく素朴な一杯で、ジャンク感はまるっきりなかった。駅そばらしくはないけれど、美味しい。
  そば以外では、郷土料理の「あんぼ」を扱っている。あんぼとは、ひと言でいうと「米粉を使ったおやき」。新潟県の津南地方が有名で、県境をまたいですぐの森宮野原駅周辺でも古くから食されているという。ちなみに「森宮野原」という駅名は合成駅名で、分解すると「森・宮野原」になる。このうち「森」は長野県の地名、「宮野原」は新潟県の地名。まさに、国境の駅なのだ。あんぼも実際にいただいてみた。焼きたてを2個(緑:小豆・白:大根菜)に、漬物とお茶が付いて520円。小豆の方は、まぁ想像どおりの味。粒あんがたっぷり入っていて、「甘すぎるものが苦手」な私は一瞥して辟易したのだが、食べてみるとさほど甘くなく、生地のヨモギの香りで中和される部分もあって抵抗なく食べきることができた。大根菜は、野沢菜おやきに近い。味付けは薄めで、青臭さを殺さないようにしている。個人的には、こちらの方が好みだ。どちらも、そばと同様に優しく素朴な味。おやきに似ているけれど、米粉を使っているぶんモチッとしつつも少しパサつきがある。これはこれで美味しい。やっぱり素朴系で、囲炉裏端で食べてみたい一品だった。


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★軽井沢駅(しなの鉄道、北陸新幹線)
「おぎのや」  実食日:2006/10



  しなの鉄道の待合室内。新幹線改札を出て左の自由通路上にも窓口がある。横川駅の駅弁店が経営する店で、新幹線よりも在来線(しなの鉄道:旧JR信越本線)寄りに店があるのは上田駅に同じ。在来線の駅弁店だから、在来線に執着があるのだろうか。
  例によって生麺注文後茹でのこの店、実に美味しい。加えて、つゆは出汁とかえしを別々に用意しており、だからなのか、鰹出汁の風味が実によく効いている。駅そばでここまで凝る店はきわめて珍しいだろう。さすがは天下のおぎのや、あっぱれである。たぬきなし、かけ350円、玉子400円、天450円。


※2014/9、再食。改装というか、店のあちこちに「駅そば発祥の地」の掲示が出ていました(写真は左から2枚目)。よくよく見ると、さらに面白いことになっているのですが、諸事情によりこの場での詳述は避けます。関心のある方は見に行ってみてください。また、暖簾も変わっています。値段が上がり、現在はかけ370円、玉子420円、天470円です。横川駅とは価格設定が違うんですね(付+3点)。

※2016/3、再食。前回と同じく、天470円の実食です。味・値段等、特段変わっていませんでした。ちょっと気になったのが、メニュー。横川駅とは値段が違うということは前食記事で書きましたが、よくよく見るとメニューのラインナップも微妙に違っています。軽井沢には、横川にはない山菜そば420円があります。

※2018/11、公式取材にて再食。まず、改装していました(写真は右端が最新)。「駅そば発祥地」の表示がなくなってしまったのが残念です。なお、上部看板に「しなの屋」とありますが、これは店名ではないとのことなので、店名変更とはみなしません(「おぎのや」表示も残っているので)。
  今回は、横川駅にはないメニューの山菜そば420円をいただきました。特段変哲ないミックス水煮ですが、カツオ出汁がよく利いたつゆとの相性は良いです。そのつゆは、かつてはカエシとつゆを注文後に合わせていたのですが、現在は出汁入りのカエシとお湯を合わせているとのこと。ややマイナーチェンジしています(付−3点)。
  平日14:00頃の訪問で、先・後客多数。数えようと思えば数えられる人数でしたが、公式取材のため数えている余裕がありませんでした。たいへん賑わっています。店内に大きなカメラが入っていてもこれだけ客が入るのだから、普段はもっと入っているのではないかと思います。


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★上田駅(しなの鉄道、上田交通、北陸新幹線)
「おぎのや」  実食日:2005/5

  上田交通線の改札を出て正面。「峠の釜飯」で有名な駅弁店「おぎのや」の駅そばが出店していた。「おぎのや」の本家は横川だから、かなり広い範囲で店を出していることになる。さすがは駅弁フェスティバルなどで毎回1位をとる有名店である。
  駅弁店のそばとはいえ、やはり全国1位のプライドか、ここでは生麺を使用している。駅外の立ち食い店では生麺使用の店も結構あるが、いわゆる「駅そば」で生麺を使っているケースは極めて珍しい。普通は、「速さが売り」と考える世界だから。そばのメニューは、かけ・玉子・山菜・天のみ。立ち食いでもいいし、併設されている待合室内で座って食べることもできる。もちろん、名物駅弁「峠の釜飯」も売っている(900円)。そばは若干高めで、天450円。生麺使用に免じて、許容範囲内とするか。


※閉店していました。跡地は、コインロッカーになっています(2016/4、確認)。

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「そば処 ちくま」  実食日:2006/4

  お城口階段を下りて右、新幹線改札方面へ続くショッピングモールに入ってすぐ右側。一見すると高い店で、実際にも生麺を使った高いそば(天600円など)が主体の店。が、その中で3種類だけ「駅そば」を扱っており、これが当サイトの駅そばカテゴリーに該当するため、採りあげることにする。もちろん、評価は「駅そば」で行う。
  味覚的な印象を言うと、麺はポソポソしていて、つゆはかなりあっさり系。少々物足りない感じがした。反面、天(かき揚げ)は自家製店揚げで、高いそばにも駅そばにも同じものを使っており、美味。細かいことを言うと、高いそばと駅そばで器が別になっている(高:黒、駅:緑)。これだと、一目で「あ、あいつは安いそば食ってるぞ」と分かってしまう。駅メニューの値段は、駅かけ290円、駅玉子330円、駅天370円。この値段構成だと、天の単品が80円という計算になり、これはお得なような気がする。なお、高いそばはそれなりに美味い(こちらも実食済み)が、近くに上記「おぎのや」があり、そちらの方が安くてお得。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。茹で麺のものを「駅そば」と表記する手法から、生麺のものを「特上」と表記するスタイルに変わっています。値段が少し上がっていて、現在はかけ300円、月見340円、かき揚げ380円です(全メニュー、特上は40円増し)。長野県内各駅のJR系駅そばに準拠したスタイルに変わった、ということですね。味も変わっていると思われますが、再食していないので評点は据え置きます(2016/4、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ310円、月見360円、かき揚げ420円です。塩尻「桔梗」で実食経験のある信州鹿肉720円が登場していました。なお、「特上」は終了しています(値−1点。2021/7、確認)。

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★戸倉駅(しなの鉄道)
「かかし」  実食日:2011/10

  改札外、待合室内。ホーム側にも小さな窓口が開いていて、商品の受け渡しができるようになっているが、利用者はほとんどいない様子。露出店で、厨房を囲む立ち食いカウンターがメインだが、まばらに椅子が5つ置かれているほか、待合室内のベンチで食べることもできる。
  麺は、乱切り。適度な歯ごたえが心地いい。つゆは、色は濃いものの辛さ・甘さはあまり強くなく、飲みやすい。鰹出汁がよく香る。かけ300円、種物は400円〜。実食はきのこそば(450円)。きのこの種類が多く、フクロダケなど都会ではあまり出回らないものも散見され、楽しい。小鉢(お新香)のサービスが付くのも嬉しいワンポイント。店頭では自家製惣菜などの販売もあり、家庭的な雰囲気が旅情を誘う。7:30〜14(ラストオーダー13:40)と営業時間が短く、週2日程度休みがある(曜日制だが、月によって曜日が変わる)ので、寄りたい場合には注意。私も、3回目のチャレンジでようやくありつくことができた。


※値上げしていました。現在、かけ350円、天450円、きのこ500円です(2014/9、確認)。

※2017/4、再食。値段等、変わっていません。今回は、天ぷらそば450円を実食です。味覚的にも、前食時と特段印象は変わっていません。麺は乱切りタイプの茹で麺で、つゆは醤油のコクを強く感じるもの。初食時と比べて今回の方が少し色が濃くなっているように感じましたが、まぁ誤差の範囲内でしょう。天ぷらは、おそらく自家製と思われる揚げ置きのヘナヘナ食感のもの。これが特段美味いというわけではないのですが、麺やつゆとの相性が良いと思います。小鉢のサービスも健在です。今回は、リンゴのシロップ漬けが付きました。甘すぎず、家庭的なやさしい味。やわらかく、酸味もしっかり抜けていて、とても美味しくいただきました。
  ひとつだけ明確な変化が見られたとすれば、ネギです。初食時には明らかな白ネギでしたが、今回は明らかな青ネギでした。太さ的に九条ネギほどなので、たまたま白ネギの青い部分が入ったという感じには見えませんでした。しかも、安価な冷凍ネギという感じではないです。ちょっと気になる変化です。
  次回以降に実食してみたい変わりメニューがいくつかあります。馬肉そば750円に、もつうどん650円。どちらも少々値が張りますが、特に手書きの貼り紙でオススメしている馬肉そばは、一度試してみたいところです(付+1点)。
  今回はちょうど昼時の訪問になったのですが、先客1・後客2と落ち着いた客数でした。個人経営でないと続けられないであろう、長閑な店です。このような店が駅ナカにあるのはたいへん珍しいパターンなので、大事に守っていかないといけませんね。

※消費10%増税に伴う値上げはありませんでした。現在も、かけ350円、天450円、きのこ500円です。1500円と高価な「かかしスペシャル」があります。全部乗せ系で、天・玉・山菜・キノコ・とろろ・馬肉・モツ・ワカメがトッピングされます。単品合計より500円お得な設定とのことです(2021/7、確認)。

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★権堂駅(長野電鉄長野線)
「こすげ亭」  実食日:2011/10

  地下道で駅と直結しているイトーヨーカドー長野店のB1Fフードコート内。間口がたいへん広く、フードコートの共有テーブル席のほかに厨房に向いた椅子付きカウンター席もある。フロア面積が広いためテーブルの配置もゆったりしていて好印象。
  大きな釜で注文後に茹でる生麺は、ややぬめりがあるタイプ。つゆは、かなり塩気が勝っている。しかも量が多いので、私のように完飲をポリシーとする人にとっては試練の一杯となる。店名から推して長野駅構内の「小菅亭」と同業者であると思われるのだが、食べてみた感覚としては別物だ。ボリュームも、こちらの店舗の方が格段に多い。たぬき350円。変わりメニューに、エビ番町520円、富士山盛り500円などがある。ただでさえ量が多いので、「富士山盛り」がどの程度のボリューム感で出てくるのか、興味が湧く。箸はエコ箸。


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★須坂駅(長野電鉄長野線)
「ポッポ」  実食日:2017/4

  値段的にちょっと高いのだが、個人的に興味深い点があったので「研究上必要」とみなし、特例適用で掲載する。場所は、駅を出て左すぐのイオン須坂店1階フードコート。かなりくたびれた印象のフードコートで、イオンらしくないなと思っていたら、ここはかつて「ジャスコ須坂店」だったことが判明。2008年に閉店して、イオンが後継。各フロアの基本的な構造は、ジャスコ時代のままなのだろう。そして気になるのが、店名。このようなショッピングセンターのフードコートで「ポッポ」というと、まずイトーヨーカドーが連想される。しかし、ヨーカドーの「ポッポ」とは店名表記の書体や色合いが異なるし、そもそもヨーカドーの「ポッポ」はそばを扱っていない。イトーヨ-カドーとイオン(あるいはジャスコ)との間にも関連性はない、というか超ライバルだし、これは別物だと考えていいだろう。ここから先は想像になるが、ヨーカドーの「ポッポ」は、おそらくトレードマークの「鳩」から連想された店名。これに対してイオン須坂店の「ポッポ」は、汽車ポッポから想起された店名ではないかと思う。駅前型の店舗なので。加賀温泉駅前のアビオシティ内にある「味ポッポ」と同じ発想だ。超ライバル関係にある事業者の店舗が、別々の発想から出発して、結果的に同じ店名になってしまったわけだ(あくまでも推察で、裏取りはしていません)。これがとても興味深かった。
  麺種は確認していないが、食べてみての実感としては生麺の注文後茹で。ただ、オペレーションの部分でだいぶ自滅しているような印象だった。乱切り風で、香りはまずまずあるのだが、ぬめりが強く、食感ニチャニチャ。麺が複雑に絡み合い、ある部分はくっつき合い、うまくほぐれない。茹で釜の中での泳がせ不足であるうえ、茹で加減も間違っていると思う。これだったら、冷凍麺の方がいい。つゆは、最初のひと口で強烈な酸味を感じたのだが、カツオという感じではない。あるいは、濃縮希釈でカツオの香りが飛んで、酸味だけが残っているのかもしれないが。ふた口め以降は徐々に慣れてくるものの、饐えたような臭いに加えて重だるい甘みもあり、途中で飽きてくる。うどんよりもそばの方が高い設定で、かき揚げうどん550円・そば620円。信州だからということで生そばにこだわった結果なのだろうけれど、かえって印象を落としてしまっていた。かき揚げは冷凍ものの揚げ置きと思われる。端の方が少々サクッとはするのだが、全体的にはフワニチャ食感。こちらもイマイチ。長野県にはもっと美味しい駅そば店がたくさんあるので、わざわざこの店で食べる必要はないかなと感じた。というか、この店にはポッポラーメン300円や各種スナックフードなどそば・うどんよりもお得に感じる設定のメニューがたくさんあるので、それらをチョイスした方がよさそうだ。ちなみに、ポッポラーメンは16時以降は200円になる。これは安い! 16時というと高校生の下校時刻に当たるわけで、おそらくそこを意識しての設定だろう。地方では、高校生が鉄道利用者に占める割合がとても高いので、高校生を意識したサービス(学割とか、廉価メニュー設定とか)を導入する駅そば店が多い。フライドポテト150円とかも、高校生にとっては嬉しい価格帯だろう。当サイトでの評価は低くなってしまったが、ちゃんと存在意義はある店だと思う。


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