東 海 2
(愛知JR)

現在、30軒掲載(うち9軒は、閉店確認済)
★豊橋駅(JR東海道本線・飯田線、名鉄名古屋本線、豊橋鉄道渥美線(新豊橋駅)・市内線(豊橋駅前駅)、東海道新幹線)

「壺屋」  実食日:2006/12



  JR在来線改札内コンコース。受け渡し窓口が極端に狭いのだが、食べるスペースは豊富にある。ただ、カウンターが低すぎて、私のような背の高い人間だけではなく平均的な身長の人でも手持ち食いを強いられる。まさか身長1mほどの小学生が主たる客層というわけでもないんだろうから、もう少し高くしてもいいのではないか。
  味覚的には、鷲津や豊川の「壺屋」と大差ない。刻み揚げとカマボコが入る特徴も、健在。鷲津のようにフリーではなく、店側で適量入れてくれる。鷲津や豊川に比べてカマボコが大きかったような気もするが、これが店舗による違いなのかここ一年間で変わったことなのか、不明。値段もかけ300円、天400円と、鷲津や豊川よりも高かった。店舗による違いなのか最近値上げした結果なのかは不明。

※2007/12、再食。山かけ(400円)は、パック入りをブチュ〜っと絞り出すタイプ。天やカレー(ともに400円)の方がオススメです。

※2008/8、カレーそばを再食。大型ブロック肉が2つ入っていて食べごたえがありました。カレーそばにも青ネギ・カマボコ・刻み揚げが入ります。

※2012/3、再食。特段の変化なし。

※暖簾が変わっていました(写真は左から2枚目)。値上げして、かけ310円、天410円になっています。山かけ・カレーも410円です(値−1点。2014/8、確認)。

※2015/4、再食。丼が大きなプラスチック製のものに変わり、従来よりもつゆを多めに入れてくれるようになりました。風情という点ではちょっと残念ですが、この店は厨房と客席が少々離れていてそこそこの距離を持ち運ばなければならないので、持ちやすくなってよかったと感じる人が多いかもしれません。味や値段は、特に変わっていません(ボ+1点)。

※改装工事のため、一時閉店していました。工事終了後に再開する予定なので、閉店扱いにはしません(2015/8、確認)。

※2015/12、再食。改装工事が終わり、装い新たに復活していました(写真は左から3枚目)。場所はほとんど動いていませんが、改札内コンコースに「フードテラス」という、ちょっとしたフードコートのようなものが整備され、その中にあります。フードコート様に見えますが、実は客席エリアが各店舗ごとに決まっていて、コーヒーショップと「壺屋」とラーメン屋が、相互不可侵になっています。つまり、コーヒーショップ側の席でそばを食べていると怒られる、ということ。このシステムだと、グループで来てそれぞれ食べたいものが別れた場合に、ちょっと不便ですね。一部だけでもいいので、共用席を設けてほしいものです。
  値段は、少し上がっています。そば・うどん・きしめん各330円、天・山かけ・カレー各440円になっています。実食は、ちょっとわけあって、うどん。味覚的には、リニューアル前と変わっていません。刻み揚げのサービストッピングも健在です。
  変わりメニューに、ひやむぎ380円、ポンポコラーメン480円、ミニどて丼220円などがあります。メニューはずいぶん多彩になりました。ちなみに、ポンポコラーメンは、愛知県三河地方で親しまれているご当地インスタントラーメン。スーパーなどで売られているのは乾麺ですが、「壺屋」では生麺を使っているそうです。なかなかレアかも。酒類もあり、お得なほろ酔いセット500円の設定もあります。早速、試してみました。ほろ酔いセットは、生ビール+どて煮+枝豆という内容でした。これで500円ならお得感があります。どて煮の味がだいぶ濃いので、生ビールをおかわりしたくなること請け合いです。
  その他、ちょっと面白いワンポイントとして、回数券制度が導入されました。1000円で1100円分使えるのですが、よくある「かけそば回数券」とは違って、どのメニューにも使えます。当然、使っていくうちに端数が生じてきます。そこで、10円券・30円券・50円券・100円券を買い足せるようになっています。ちょっと複雑なシステムではありますが、うまく使えば結構お得です(付+2点)。


※2017/3、再食。前食時に気になった、ポンポコラーメン480円を食べてみました。ポンポコラーメンは、豊橋市に隣接する豊川市にある製粉業者が作っているもので、豊川・豊橋・田原の各市以外ではほとんどお目にかかれない商品です。有名なのは乾麺ですが、この店では生麺を使用しています。
  麺は、強く縮れた細麺。細いわりに歯ごたえが強く、噛み切るときに「キュッ」と音がします。スープは、少し濁りのある醤油味。よくある鶏ガラスープだと思いますが、醤油がちょっと特徴的かもしれません。やや熟成味を感じ、淡麗という感じではありません。トッピングは、チャーシュー・メンマ・焼き海苔・カマボコ2枚。ナルトではなくカマボコを乗せるあたりが「壺屋」らしいですね。480円という値段がやや微妙なところではありますが、ローカルラーメンが好きな方は一度試してみてもいいかもしれません。


※2019/3、再食。まず、場所が移転していました。小さなフードコートから出て、改札内コンコースへ。飯田線ホームから階段を上がったところにあります(写真は右端が最新)。改札外からも利用できる造りになって、利便性が高まりました。内外どちらにも椅子はなく、完全立ち食いです。改札内側の方が、ちょっとだけ広いでしょうか。値上げして、現在はかけ350円、天・山かけ・カレー各470円、ポンポコラーメン500円です。ほろ酔いセットは、500円で据え置かれています。
  今回は、新メニューのふわふわちくわそば470円を食べてみました。トッピングは、ちくわスライスたっぷりです。食感的にカブるためでしょうか、このメニューには刻み揚げが乗りません。ちょっとやわらかくてメニュー名どおりにふわふわした食感の竹輪。面白いことは面白いですが、コスパ的には天やカレーの方がよさそう。細かい特記事項としては、ネギが変わっていました。青の、いわゆる細ネギではなく、白ネギの葉の部分かなと思えるものになっていました。これはちょっと残念な変化です。
  平日16:30頃の訪問で、先客・後客とも多数。改札内外両側に対応しなければならないので、店員さんがかなり忙しそうでした。それは分かるのですが、店員同士でちょっと揉めている様子も感じられたのが残念。かなり負担増になっていると思われるので、もうひとり必要かもしれません。


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★蒲郡駅(JR東海道本線、名鉄蒲郡線)
「壺屋」  実食日:2008/8

  JR改札を出て左、ベルマート(コンビニ)の隣。壺屋は豊橋本拠の駅弁業者だが、近隣諸駅にも駅そば店を出している。蒲郡がその西限になるだろうか。
  駅そばにも「壺屋らしさ」を全面に出してくるこのチェーン、蒲郡店も他の各店同様に、きざみ揚げをサービストッピングする、カマボコを2枚乗せるといった工夫を凝らし、なかなか印象的な一杯を作りあげている。麺は並の茹で麺、見た目に辛そうな色具合のつゆは、飲んでみるとやはり辛い。ボリュームは若干欠ける。丼が小さく、きざみ揚げをけっこう沢山乗せてくれるので、天そばを注文しても天そばなのかきざみそばなのか見た目に分からなくなる。かけ300円、天・山かけ・カレー400円。壺屋名物のいなり寿司は、7個480円(バラ売りだと1個80円)。


※2015/3、再食。消費増税分だけ値段が上がり、現在はかけ310円、天・山かけ・カレー410円です。稲荷ずしは、バラ売りは1個80円で据え置かれていますが、7個入りの折詰は520円に上がっています。また、券売機には入っていませんが、ラーメン410円の扱いがあります。実食は、かけきしめん。麺はうどんよりも歯ごたえが強いでしょうか。単純に太さの問題かもしれませんが。つゆの飛沫が飛び散りやすいので、白いシャツなどを着ている時には要注意かも。そばと同じように、刻み揚げてんこ盛りです。

※消費10%増税を経て、少々大きく値上げしていました。現在、かけ360円、天・山かけ510円、カレーライス530円です。前回訪問時の記録の「カレー410円」は、カレーそばとカレーライス両方に当てはまるのですが、今回は入店していないのでカレーそばが健在であるかどうかは未確認です(店頭に表示なし)。カレーライスがあるのなら継続されていると思いますが、値段が天そばと同じなのかカレーライスと同じなのかが気になります。ラーメンについても店頭に表示なく、現況不明。稲荷ずしは、1個90円に上がっています(2021/8、確認)。

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「元祖麺めん」  実食日:2015/3

  南口ロータリーの向かいにある「アピタ蒲郡店」の2階フードコート内。わりと活気のあるフードコートの中で、愛知県の雄「寿がきや」が圧倒的な人気を集めている。強いね。「元祖麺めん」は、そこそこというくらいの利用率。お品書きを見ると「地方にしては安い設定だな」と感じるのだが、外税方式なので支払額は表示額よりもちょっと高くなる(以下の記載は、すべて税込額)。受渡し方法は、有人レジで先払い→バイブレーターで呼び出し。
  麺は細めで、冷凍を思わせる食感・風味。いい感じに黒っぽい色をしているのだが、そばの香りはあまりないので、意図的な着色と思われる。つゆは、ちょっと甘みがどぎつい。旨みを演出しようとしすぎている印象を受ける。首都圏の「立ち飲み日高」のつゆをさらに甘くしたような感じで、完飲しようとすると飽きがくる。実食は、野菜かき揚げ421円。天は、冷凍ものを店揚げしている様子。タマネギ・ニンジンのほかにグリーンピースとジャガイモが入っていた。冷凍かき揚げには高確率でグリーンピースが入っているのだが、これはどうしてだろうか? 私は嫌いではないけれど、好き嫌いがかなり分かれる食材なので、不思議に感じる。彩りということか。他メニューの値段は、わかめ313円、きつね税込345円など。変わりメニューは特になく、メニュー数自体も少ない。各メニューの表記方法がちょっと面白い。ざるは「そば・うどん」、わかめやきつねは「うどん・そば」、野菜かき揚げやカレーは「うどん」のみの表記(実際にはそばにも対応している)。箸はエコ箸。


※閉店していました。跡地に入った「風まつり」も似たようなコンセプトの店ですが、そばの扱いはざるのみなので、いったん保留扱いとします(2021/8、確認)。

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★刈谷駅(JR東海道本線、名鉄三河線)
「まつもと家」  実食日:2017/8

  南口とペデストリアンデッキで直結している「みなくる刈谷」の1階フードコート。フードコート内には、唐揚げ・そばうどん等の「まつもと家」、たこ焼きの「さくら家」、ラーメンの「スガキヤ」が入っているのだが、どうも「さくら家」と「スガキヤ」がかなり強いようで、「まつもと家」の場所だけコロコロとテナントが変わっている様子、フードコート入口脇のフロアガイドを見ても、「まつもと家」のところだけテプラが何重にも貼られている(=何度もテナントが替わっているということ)のだ。実際、「まつもと家」は2017/8/9オープンの新店なのだが、あまり賑わっている様子ではなかった。今後の奮起に期待したいところだ。
  麺は、生か冷凍かで判断に迷う感じ。歯ごたえが強くてそこそこそばの香りもあり、舌触りと色合いは異なるものの、全体の印象としては東村山「秩父そば」の麺に近い(「秩父そば」は冷凍麺)。つゆは、甘みが前面に出ているもの。たぶん昆布出汁。出汁というか、煮物用の昆布を煮出したような感じの味。甘みが強いからそう感じるのだろうか。そば・うどんメニューは、かけ380円(メニュー名は「そば」「うどん」)のみ。ワカメとカマボコ2枚入り。強いてトッピングを乗せるとすると、唐揚げになるか。というかこの店は、メインが唐揚げ。単品は背の高いカップに入って、6個入りで450円。ちょっと高いが、味は悪くない。揚げたてなのでやや油が強いものの、ジューシーで美味しい。私は6個のうち5個をそばに乗せ、1個だけそのまま食べた。ただ、このやり方だと計830円になってしまうのが辛いところ。それなら、700円からある定食類に手を出した方がいいように思う。なお、750円の親子丼セットとかつ丼セットは、どちらもそば・うどんとのセットではなく唐揚げとのセットになるので注意を。


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★金山駅(JR東海道本線・中央本線、名鉄名古屋本線、名古屋市営地下鉄名城線・名港線)
「金山庵」  実食日:2006/8

  名鉄の3・4番ホーム名古屋寄りにある店。同名店が1・2番ホームにもある。鉄面皮店主(?)の店であるが、味覚的にはホームの駅そばとしては最高峰とも言えるほど美味なものだった。
  その秘密は、なんと言っても生麺使用の注文後茹でという一点に尽きる。そのため、3分待ちということにもなってしまう。ホームの店はわりと「時間勝負」という側面があるから、茹で置き麺も用意した方がいいかなとも思うところだが、少なくとも私が食べたときには茹で置き麺はなかった。つゆも美味で、名古屋圏で多く見られる塩気が控えめで出汁が強いタイプ。デフォルトトッピングとして半裁のきつねと刻み海苔が乗るのだが、海苔が邪魔に感じるくらいに麺・つゆの完成度が高かった。麺はそば・うどんの他、きしめんも選択可。たぬきなし、かけ350円、玉子・きつね400円、天450円。季節限定の変わりメニューに「ころきしめん」「ころうどん」というのがある(ともに450円)が、「ころそば」という表記はなかった。詳細は不明だが、他の客が食べていたのを見た限りでは、冷やし系のようである。また、一品料理も多数揃っており、串カツ120円やどて煮200円などは名古屋圏らしいメニューである。


※「ころ」とは、「冷やし」の意味です(2009/4、サイトリニューアル時確認)。中京圏オリジナルの呼称ですね。

※閉店していました。1・2ホームの店舗は現在廃墟、3・4ホームの店舗は「かどや」として駅麺が承継されています(別店として掲載。2014/8、確認)。

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「文花そば」  実食日:2014/3

  JR&名鉄の駅舎(金山総合駅)の北側にほぼ隣接しているアスナル金山の1階、タクシー乗り場前。間口がたいへん広い店なのだが、駅側から行くとちょっと奥まったエリアにあり、あまり目立たない。客待ちタクシーの運転手にとっては、たいへんありがたい立地かもしれない。店内には椅子付きカウンターが10席ほどあるだけだが、店の外にテーブルが出され、そこでも食べることができる。ますます、タクシー運転手に優しい造りだ。受渡のシステムは、オンデマンド方式。店の外に出ている券売機で食券を買った時点で、厨房にオーダーが通っている。そのため、食券を買った後でモタモタしていると、とっくに出来上がっていてのびてしまった、ということにもなりかねない。特に昼時には混雑が激しいので、もう少し受渡口を広く確保する工夫があるといいかな、と思う。商品を持って受渡口を離れるのも大変なほどに、狭いので。
  麺は、生麺の茹で置き。ザラザラした舌触りと、変に粘着しない歯切れの良さが心地よい。つゆにはこれといった特徴がない感じだが、麺の良さを殺さないつゆではあると思う。たぬき360円。中京圏の店としては、クオリティのわりに安い方だろう。ネギフリーのサービスも嬉しい。そば湯ポットも完備。なかなかよく香る、美味しいそば湯だった。オペレーション面で若干改善の余地がありそうだが、全体的にクオリティの高い、良い店だと思う。


※2016/1、再食。値上げして、現在はたぬき400円になっています。中京圏スタンダードな価格になってきました。今回は、もりそば320円を。この麺なら、もり系との相性が良いのではないかと考えての選択です。しかし、結果的には、麺の香りはそこそこ良かったものの、つゆが甘辛すぎて、ちょっとアンバランスな感じがしました。そば湯を少し飲んでみましたが、ほどよく白濁しているわりに香りはイマイチ。全体的なバランス感は、温そばの方がよさそうです。

※値上げしていました。現在、もり350円、たぬき430円です。あまり目立たない立地で多客が望めなさそうだから、致し方ないですかね。店の存続を第一に考えていただければと思います(値−1点。2019/2、確認)。

※閉店していました。跡地は、「88」という煮干しラーメンの店になっています。この目立たない場所では、薄利多売型の飲食店は難しかったでしょうか(2021/8、確認)。

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「かどや」  実食日:2014/8

  名鉄3・4番ホーム名古屋寄り。2つ上に記載している「金山庵」の跡地。改装されているが、基本的な造りは「金山庵」時代と同じ。立ち食いカウンターだけのシンプルな店だ。「金山庵」のレベルがたいへん高かっただけに、どんなそばが出てくるかワクワクする。
  しかし、結論としては、ちょっと私の舌には合わないものだった。麺とつゆの相性がよくない。麺は冷凍で、歯ごたえは強めだがあまり味がないタイプ。つゆは、とてもあっさりしている。麺もつゆも淡い感じなので、全体的に物足りない印象になってしまう。麺はそば・うどん・きしめんの三択で、すべて同額。かけ380円、きつね460円、かき揚げ480円など。「ころうどん」「ころきしめん」はあるが、「ころそば」はない(かけ系と同額)。これといった変わりメニューがなく、麺類が高め傾向なので、どちらかというと酒類やおでん(各種130円)に食指が動く。内容不明の生ビールセット520円(扱いは16:00〜)も、麺類単品価格と比較すると割安に感じる。箸はエコ箸。

※大幅に値上げしていました。現在、かけそば550円、きしめん500円です。うどんの扱いは終了したもよう。種ものも含め、きしめんよりそばの方が50円高い設定です。きつねそばは630円、かき揚げそばは650円になっています(2021/5、確認)。

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★尾頭橋駅(JR東海道本線)
「めしや食堂」  実食日:2019/2

  駅を出て左、3本目の路地(ホテル「リブマックス」脇の一方通行入口)を右に入って3分、最初の信号(尾頭橋西交差点)を渡ってから左折して30秒の角地。駅歩5分くらい。わりとゴミゴミしたところにある店だが、裏手に駐車場が確保されている。どちらかというと、駅よりも道路に依存している店か。麺類だけでなくご飯ものや一品料理を幅広く扱うセルフ形式の店で、イメージとしては仙台の「半田屋」に近い。ただ、そば・うどんも廉価で扱っているので、当サイトの掲載対象となる。システムも「半田屋」に似ており、惣菜類も含めてセルフチョイスして、有人レジで精算。下げ膳もセルフになっている。ただし、そばについては注文後に冷凍麺を湯煎するためなのか、番号札対応(配膳してくれる)になっている。客席は、テーブル席と椅子付きカウンターを合わせて50席余り。フロアはそれほど広くなく、客席密度を上げることでキャパを増やしている印象。
  麺には、そばの香りはあまりなかった。色味や太さ、食感などにもこれといった特徴がなく、「普通」としか言えないような麺。つゆは、昆布出汁の関西風仕立てだった。そばよりもうどんの方がメイン格だからだろうか。カツオ系の香りはまったくない。「キッチンオリジン」のうどんのような、無難系の味覚。値段は安い。かけそばは195円で食べられる。しかも、天かすととろろ昆布のサービストッピングが乗っている。量もそれなりにあるので、とにかく安価で腹を満たしたいときには重宝するだろう。実食は、かけそば+コンニャクとちくわのピリ辛炒め(87円)+豆腐サラダ(108円)+イワシ天(76円)。イワシ天は、そばに乗せて実食。揚げ置きで冷めていた(セルフの電子レンジあり)が、柔らかい尻尾まで含めてすべて食べられる。小鉢やサラダも安く、全部合わせてもワンコイン範囲内(466円)だった。「半田屋」に勝るとも劣らないコストパフォーマンスだ。箸はエコ箸。
  平日14:00頃の訪問で、先客11・後客3。客足に波があるのは、そろそろ昼の繁忙時間帯が終わろうかというタイミングだったからだろう。こういうタイミングではよくあることなのだが、返却口に10人分以上の空き食器が溜まっていて、自分の空き食器の置き場確保が大変(他人の食器の間隔を詰めてスペースを空ける)だった。廉価提供を優先させた結果、スタッフ不足でこういうところが行き届かなくなっているのだと思う。こういう不便さを、呑める人と呑めない人がいると思う。呑めない人にとっては、いくら安くてもこの店の評価は高くならない。呑める人は、「安い!」と喜ぶ。人によって、評価が大きく分かれそうだ。私は比較的大丈夫な方だし、不便さの理由が理解できる(少なくとも怠惰ではない)ので、「衛生」の減点は微小にとどめたい。


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「ゆたかうどん」  実食日:2019/8

  駅歩5分ほどかかる。駅を出て左へ進み、右側最初の路地を入ってひたすら直進。高速下をくぐって、堀川を越えたところの信号を渡らずに左折して30秒。店名は「うどん」となっているが、そばもやや割高にて扱っている(うどんをベースに、そば40円増し、ラーメン30円増し、きしめん100円増し)。かけそば400円(カマボコ入り)と全体的にやや高めだし、外観的にも街そばの雰囲気なのだけれど、厨房はオープンだし、強引に対象に含められると判断した。客席は、テーブル席が4・4・2、椅子付きカウンターが13席。配膳はしてくれるが、返却はセルフ。代金は後払い(伝票制)。
  麺(そば)は、注文後に茹でる生麺だった。ニチッとした歯ごたえで、香りは少々という程度。東京の立ちそばでも、これに似た麺を出す店が結構ありそう。つゆは、うすくち醤油仕立てだった。ただし、出汁が名古屋らしいカツオ一辺倒のもので酸味も結構強いので、あまり関西風というテイストではない。「どんどん庵」の赤つゆからエグミを割り引いたような風合い。麺とつゆの相性は悪くなく、名古屋らしさも感じられて、総合的な印象はまずまずよかった。天かすはフリーで置いてある。揚げ置きでサクサク感はないものの、適度な香ばしさと旨みがあり、つゆに浸かってふやけても美味しく食べられるタイプだ。針のように細長い形状の粒が目立つのだが、どういう揚げ方なのだろうか。かけ以外のメニュー(以下に記載する価格は、麺種の記載がないものについてはそばの価格)は、かき揚げ530円、天(おそらく海老天)630円、ざる500円など。変わったところでは、カツおろし720円なんていうのがある。ご飯ものやセットメニューも豊富だが、割安感はあまりない。私は、空腹訪問だったこともあり、味噌カツ丼とかけそばのセット(900円)をいただいた。味噌カツ丼は、ご飯の上に千切りキャベツを敷き、その上に味噌ダレを少なめにかけ、一番上に揚げたてのトンカツ。トンカツの上からかける味噌ダレは、別皿で提供される。衣のパン粉が粗いので、ザクッとした食感が楽しかった。揚げたてだから、肉もジューシーだ。味覚的には上々だけど、値段的にちょっと高いか。ちなみに、味噌カツ丼のほかにノーマルカツ丼もある。ただし、店頭に「当店のカツ丼は煮込みません」と表示されているように、玉子とじのものではないのでご注意を。ソースカツ丼的なやつだろうか。私はご当地感を出すために味噌カツ丼のセットにしたが、駅そば的な価格帯で済ませるなら、「かき揚げ天+サラダ+ご飯」のセット(麺+280円)にするのがいいか。これなら、600円台でセットメニューを食べられる計算になるので。また、オリジナルスパイスで名物を謳っているカレーうどん580円も気になる存在だ。箸は割り箸。
  平日13:00頃の訪問で、先客2・後客4。昼のピークは過ぎていたこともあり、落ち着いて食べられる入り具合だった。中京圏は平均的に駅そばが高いことだし、このくらい落ち着けるならここまで足を伸ばす手もあると思う。雰囲気的にも私好みなので、個人的にまた寄る機会がありそうだ。


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★名古屋駅(JR東海道本線・中央本線・関西本線、名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅)、近鉄名古屋線(近鉄名古屋駅)、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線、名古屋市営地下鉄東山線・桜通線、東海道新幹線)
「麺亭かきつばた」  実食日:2005/8



  JR1・2番ホーム。名古屋周辺には名物きしめん専門の「駅そばもどき」があり、ここもきしめんオンリーかなと思ったのだが、ちゃんとそば・うどんをメインにしていた(きしめんもある)。つゆも、きしめん用の甘いものではなく、かなり薄味になっている。この店のたぬきに強い味があったため、つゆそのものの味はよく分からなかったほどだ。
  麺は、かなり細くてツルツルしている。歯ごたえ・風味とも今一歩という感じで、つゆ同様物足りなさを感じた。たぬきだけ味が強いのはなぜだろう? 麺類以外では、おでんもやっているのだが、名古屋風のみそ仕立てではなく、東京風のおでんだった。愛・地球博開催期間限定メニューとして、天むすもあった。別に期間限定にしなくてもいいのではないか、と思うのだが。たぬき360円。

※そばの値段に変化はありませんが、うどん&きしめんは全品そばよりも10円安い設定になっていることを確認しました(2009/12、確認)。

※改装していました(写真は左から2枚目)。値上げして、現在はたぬき380円になっています。相変わらず、うどん・きしめんは全品10円安い設定です(2018/12、確認)。


※改装していました(写真は右端が最新)。そして、どうしたことか、消費10%増税を経たらなぜか値下げしていました。現在、たぬき350円です。うどんときしめんは終売して、麺類は基本的にそばのみ(中華そば400円はある)になっています。値下げというよりは、メニュー構成が大幅に変わったと見るべきでしょうか。変わりメニューに豚天500円があるほか、平日11〜15時限定の日替わりワンコインセット500円もあります。全体的に「住よし」よりもだいぶ安い価格帯なので、駅そばとして有名な「住よし」へのこだわりがないのならこちらを選択する手もありそうです(値+1点。2019/10、確認)。

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「さぬき家」  実食日:2006/12

  名鉄4番ホーム(知立方面)中程。階段の脇に隠れるような立地だが、間口が広くて目立つ店である。
  店名から推して知れるように、この店では讃岐セルフうどんのスタイルをとっている。すなわち、盆を持ってカウンターに並び、基本メニュー(「かけ」など)を注文して受け取り、トッピングの並んだカウンターから自分で好きな物を乗せ、最後に有人レジで支払うシステムだ。値段は、かけ320円、月見360円、おろし380円、きつねだと400円になる。少々高めの設定だ。麺は、乱切り麺。しかし、最近の冷凍麺に見られるような極端なばらつきはなく、細い麺と太い麺の差は倍までないくらい。つゆは名古屋圏特有の出汁の強いもので、私好み。たぬきとネギが入れ放題になっている。


※閉店していました(2014/8、確認)。

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「どえりゃあ亭」  実食日:2009/1

  JR在来線3・4番ホーム中ほど。立ち食いカウンター一本だけの店だが利用者は多く、狭い厨房に店員が2人詰めていた。
  この店最大の利点は、値段だろうか。かけ200円は、全体的に高めの店が多い駅だけにずば抜けて安く感じる。種物は、300円のメニューが中心。カレーだけ400円。麺はそば・きしめんからの選択で、うどんはない。そばは冷凍か生か判別が難しいタイプで、独特なぬめりがあり、適度なコシがあるが芯はモサモサと粉っぽい。つゆは色が薄く、どちらかというと関西テイスト。もともと折衷タイプの店が多いエリアだから、ハッキリと「関西風だ」と言い切ることはできないが。全メニューにカマボコが入る。月見そばには揚げ玉が入ったが、これは全品ではなく月見だけだと思われる。麺類以外にも多様な商品を扱っており、カレーライス300円はかなりお値打ち。一品料理やおでんもある。味噌カツ200円は旅行者に喜ばれるかも。


※閉店していました。建物撤去済みです。在来線の3・4番ホームは回送列車の発着が多く、ホームが閑散傾向にあります。金山方の「住よし」は残っていますが、駅そばの立地としてあまり良くないのかもしれません(2016/3、確認)。

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「名代きしめん」  実食日:2009/12

  名古屋駅のJR在来線ホームには、全部で9軒の駅そば店が群雄割拠している。このうち、ホーム金山寄りにある5軒は、すべて「名代きしめん」の看板を掲げ、同じと思われる商品(食べていない以上断定はできない)を同じ値段で扱っている。全部同一店と見なして掲載するのでいいかなぁとも思うのだが、看板の隅や財産票を見ると会社名が違っていたりするし、5&6番ホームの店舗だけ露出店になっているなど微妙な違いがあるので、対処は今後検討することにしたい。ひとまず、今回は5&6番ホームの店舗で実食。
  実は、この店では、つい誘惑に駆られてきしめんを食べてしまったので、そばについては正当な評価ができない。きしめんは、ほどよいコシがあってなかなか美味かった印象。ちなみにこの店には、「うどん」はない。麺はそばorきしめんの選択になる。メニューとしては、「名古屋コーチンそば」に面白味がある。840円と、駅そばとしてはあり得ないほど高価なシロモノだが、極上の話の種になるだろう。一般的なメニューは、かけ340円、玉子390円、わかめ410円など。びっくりイカ天500円やチャーシュー530円などがあることから推して、看板には「東海キヨスク」と記載してあっても、実態は「J.T.S」と同じであると考えていいように感じる。

※微妙に移動して店舗改装、店名も変わっていました。味は変わっていませんが、内外観・店名・場所が全部いっぺんに変わっているので別店扱いとし、この店舗は閉店と考えます。また、管理会社も変わっている(JTS→東海キヨスク)と思われます。唯一の露出店がなくなってしまい、少々残念です(2015/8、確認)。

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「駅そば千成」  実食日:2013/8

  JRの広小路口改札を出て左、左。かつて「晨光庵」という店があった(この店は、価格が高く対象外としていた)場所だと思われる。相変わらず価格は対象外となる高め設定なのだが、店名に「駅そば」と冠されたことで意識の高揚を感じ取ることができたので、対象に含めることにした。客席は立ち食いカウンターがメインで、スツールがまばらに3つ置かれている。キャパは15人くらいだろうか。券売機で食券を買って受渡口に出すと、番号札(プラ板)と引き換え、番号で呼び出して受け渡すシステム。
  麺は生で、食感に特徴がある。角がしっかりと立っていて、凛とした存在感がある。店内に飲食店営業許可証のほかに麺類製造業許可証も掲示されているので、店内で製麺していると思われる(押出製麺?)。つゆは色がかなり薄く、関西風と言っていいだろう。デフォルトでおぼろ昆布がトッピングされているので、味覚的にも関西を思わせる。メニューの種類はそれほど多くないのだが、変わりメニューの比率が高く、面白みがある。実食は、鶏ねぎそば(450円)。蒸し鶏とネギ増量のトッピング内容。他にも、エビ天や温泉玉子などを乗せた千成そば(550円)、各種つけそば、中華麺を使用した黄金そば(420円)などが揃っている。つゆのみならず、黄金そばの存在を見ても、やはり関西寄りの店だと言える。朝10時まで限定の朝食限定セット(400円)もお得感があり、試してみたいメニューだ。

※券売機が変わって、ボタンがだいぶ増えました。それに伴ってなのかどうかは分かりませんが、メニューもだいぶ入れ替わっています。上記の鶏ねぎそばと千成そばは、終了しています。黄金そばは継続していますが、450円に値上げされています。かけ350円、きつね450円などは、据え置きです。かき揚げそばは480→500円に値上げ。一部メニューが値上げということですね。また、以前は扱っていなかったたぬきそばが登場し、400円です。朝食セットは400円で据え置き。内容は、「たぬきそば+いなり1個」です。いなり1個ぶんだけお得という計算になります。ご飯ものとしては、名古屋名物「天むす」110円が登場しました。麺単とのセットにすると、10円割引きの設定になります。これは一度試してみたいです(付+1点。2016/3、確認)。

※閉店(「よもだそば」化)していました(2018/3、確認)。

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「名代きしめん(きしめん住よし)」  実食日:2014/8

  在来線1・2番ホーム尾頭橋寄り。厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみ。2つ上に記載している「名代きしめん」と同じメニューを同じ価格で扱う店だが、店舗の造りが違う(間仕切りのある・なし)ので別店として扱う。この他、3・4ホームと7・8ホーム、9・10ホームにも同タイプの店舗がある。看板にKIOSKのマークがあり、JTSではなくキヨスクが運営する店舗であることが分かるのだが、JTS店舗もキヨスク店舗も実態は「住よし」である(「住よし」は構内営業権を持たないため二次業者として出店している)ことから、この違いについては特に言及しないことにした。
  麺(そば)は冷凍だろうか、歯ごたえは強いが香らないタイプ。つゆは甘みが強め。きしめんの方が圧倒的に優位の店だから、そばはそれほど印象的な味覚ではない。なお、麺はそばorきしめんの二択で、うどんはない。7・8番ホームの店舗の壁には「酒・ビール・うどん・生そば」とあり、「うどん」の部分に紙をかぶせてあるので、かつてはうどんも扱っていたと思われる。かけ350円、玉子400円、きつね420円。かき揚げが520円と高値。変わりメニューに、名古屋コーチン870円、にしん620円、みそ620円がある。「みそ」はきしめん向けなのだろうが、一応そばにも対応している。酒類やつまみもいろいろ扱っているので、夕方以降は半立ち飲み屋状態になるのかもしれない。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ360円、玉子入り410円、きつね430円、かき揚げ530円、名古屋コーチン890円、みそ640円です(2019/10、確認)。

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「きしめん住よし」  実食日:2015/8

  JR在来線5・6番ホーム尾頭橋寄り。上記「名代きしめん」のほぼ跡地。微妙に場所が動いて、階段の裏手にある。「名代きしめん」と味は同じなのだが、外観と店名と場所が同時に変わり、管理会社も変わっていると思われる(JTS→東海キヨスク)ので、別店と見なすことにする。名古屋駅の駅そばの大半は、実質的に「住よし」。しかし、店名(看板など)に「住よし」の文字列が表示されることはこれまでなかった(貼り紙は出ていたが)。ここにきて急に公式表示されるようになったのは、どういう風の吹き回しだろうか。管理業者が変わった(東海キヨスクの公式HPには掲載がないが、店舗にkioskのロゴ掲示あり)ためだろうか。ちょっと不思議。「名代きしめん」時代には、5・6ホームの店舗は唯一の露出店だったのだが、店内で食べる形式に変わっている。風情という点では、ちょっと残念。椅子席はなく、立ち食いカウンター7〜8人分のみ。
  麺は、他ホームの「名代きしめん」と同様にそば・きしめんの二択。きしめんの注文客が圧倒的に多い。そばは冷凍のようで、若干歯に粘着して生麺を思わせる部分もある。つゆはカツオ出汁が強く甘みも少々勝ったタイプで、他ホームの店舗と同じだろう。かけ(単にきしめん・そばと表示)350円、玉子入り400円、かき揚げ520円、名古屋コーチン870円。たぬきは450円と高値だが、これは玉子も入るため。玉子なしで、たぬきだけというわけにはいかないのだろうか。実食は、かき揚げそば。かき揚げは、冷凍ものの注文後揚げ。わりと大きなサイズ(芝エビくらい)のエビがゴロゴロと入っていて、食べごたえあり。タマネギのシャキシャキ食感は失われているものの油がきついと感じることもなく、冷凍かき揚げとしてはかなりハイレベルだった。変わりメニューに、みそ620円あり。完全にきしめん用のメニューだが、一応そばにも対応している。また、酒類やつまみも各種あり、ちょい飲みもできる。どて270円あたりは、一度試してみたいサイドメニューだ。1点だけ注意を。この店舗に限ったことではなく名古屋駅ホームの“実質住よし駅そば”全体に言えることなのだが、飲み水のコップが紙コップなので、水を汲んで長時間置いておくとヘナヘナになり、軽く持っただけでグシャッと潰れてしまう。混雑時などに、待っている間に先に水を汲み置く場合などには少々注意が必要だ。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき(玉子入り)460円、かけ360円、玉子入り410円、かき揚げ530円、名古屋コーチン890円、みそ640円、どて煮280円です(2019/10、確認)。

※2021/5、再食。公式取材ではありませんが、仕事上必要で名古屋コーチンそばをいただきました。以前に別店舗で食べたときと比べて、変わったのはネギだけです。ネギは、白髪ネギから普通の薬味ネギに変わっています。固い青ネギです(白ネギの葉の部分かもしれない)。名古屋コーチンの肉は、変わらずレトルト加工されたもの。5枚を一列に綺麗に並べ、見栄えよく仕上げていました。話の種としては最上級のメニューなので、一度は食べてみるのがいいでしょう。逆に言うと、一度でいいかなという気もしますが。
  平日18:00頃の訪問で、先客2・後客2。客席には、個別パーティッションが導入されています。飲み水のコップは、使い捨ての紙コップ。これはコロナ以前から導入されてきたもので、コロナ対応ということではありません。


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「麺亭 憩」  実食日:2016/3

  JR在来線5・6番ホーム枇杷島寄り。JTSの店舗だが、メニュー体系を見た限り、実質的には「住よし」なのかなと感じる店舗。うどんがなく、麺はそば・きしめんの二択。金山方の「住よし」に比べて、麺単メニューがちょっと少なく、代わりに酒類や一品料理が多く揃っている。椅子はなく、厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみ。キャパは8人くらいか。
  麺は、冷凍。ちょっとゴワゴワした食感で、少し粘着する。つゆは、甘みのないカツオ一徹の風味。「赤だし」に通じる味わいがあり、これをひと口すするだけで「あぁ、実質住よしなんだな」とわかる。かけ350円、玉子入り400円、かき揚げ520円。「住よし」名物の名古屋コーチンは、扱いがない。麺単の変わりメニューとしては、みそ620円、すきやき風620円がある。実食は、玉子入りそば。生卵は、後乗せだった。白身が完全に透明な状態で提供される。これは関東流のオペレーションだ。関東っぽさがあり、名古屋っぽさもあり、にしん入り620円を扱うなど関西っぽさも匂わせている店舗。さすが、東西の真ん中。酒類いろいろあり。うまく工夫すれば、500円でちょい飲みができる価格設定。私は500円持っていたらそばを食べたくなってしまうタチなのだが、世間的にはちょい飲み需要もかなりありそうだ。
  なお、飲み水のコップは「住よし」と同様に紙コップになっている。出来上がり待ちの間に水を汲んでおくと、食べ終わる頃にはふやけて持ちづらくなるので注意を。厨房奥にガラスのコップがたくさんあるが、これは酒類用だ。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ360円、玉子入り410円、かき揚げ530円、みそ640円です。「住よし」と同様の値上げですが、やっぱり名古屋コーチンは扱っていません。メニューが一部異なっています(2019/10、確認)。

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「名代きしめん(きしめん住よし)」  実食日:2016/8

  JR在来線10・11番ホーム尾頭橋寄り(階段裏)。ホームに対して縦方向に設置された店舗で、1・2番ホームと同じパターンだ。客席は立ち食いカウンターのみで、キャパは12人くらい。店舗は、10番線側が表に、11番線側が裏面になる造り。この造りに、少し独自の考察を加えてみたい。名古屋駅10番線は、中央線の長連結列車が発着する。一方の11番線は、2・3両編成の関西本線。短い列車は店舗前まで列車がかからず、こちらからの集客はあまり見込めない。集客が見込める中央線側に表を向けているという推察が成り立つ。1・2番ホームの店舗が2番線側に表を向けているのも、同じ理屈が当てはまる。1番線は東海道線上りの各駅停車で、短い編成。2番線は東海道線上りの快速列車で、長い連結なのだ。これはあくまでも仮説のひとつで、単に駅の中央に表を向けているだけという可能性もあるのだけれど。こういうところに考察を加えるのも、なかなか面白いものである。
  味覚的には、他ホームの店舗と変わらない印象。麺はずいぶん長いこと湯煎していた。未確認だが、おそらく冷凍麺だろう。少しネットリとした歯触りで、わりとハッキリとそばの味がする麺。つゆはカツオ出汁が強烈で、甘みはない。塩辛さもわりと控えめ。ゴクゴク飲めて美味しいのだけれど、麺(そば)との相性はちょっとイマイチ。きしめんの方が合うと思う。そばには、もう少し塩気を足した方が合いそうだ。メニューや値段も、他ホームの店舗と大差はない。酒類やつまみの種類が少し多いか少ないか、といった程度の違いだ。麺はそば・きしめんの選択で、うどんは扱っていない。かけ340円、玉子入り400円、たぬき(玉子入り)450円、かき揚げ520円など。変わりメニューに、名古屋コーチン870円、みそ(玉子入り)620円など。他店舗で見たことがないワンコイン500円というメニューがあるのだが、これは経時変化だと思われる(他店舗で同日確認はしていない)。「在来限定」の表示があるので、新幹線ホームの店舗では扱っていないと思われる。実食は、きつねそば420円。きつねは長方形の大判1枚で、薄っぺらいもの。個人的には厚みがあってフワフワしたものの方が好きなのだけれど、味付けが優しかったのが好印象だった。やたら甘辛すぎるのは、あまり好きではないので。飲み水は、例によって紙コップで。長く置いておくとふやけて飲みづらくなるので、ガラスかプラスチックを希望。その方が、ゴミが減って経営にも地球にもやさしい。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき(玉子入り)460円、かけ360円、玉子入り410円、きつね430円、かき揚げ530円、名古屋コーチン890円、みそ640円です。ワンコインは500円で据え置き。なお、これは他ホームの店舗にもあるメニューでした(2019/10、確認)。

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「名代きしめん(きしめん住よし)」  実食日:2017/3

  JR在来線7・8番ホーム尾頭橋寄り。7・8番ホームは中央本線だから尾頭橋は停まらないので、金山寄りと言った方がいいか。当駅在来線ホームには、1番線から11番線までのすべてのホームの尾頭橋寄りに「住よし」がある(12・13番線にはない)。5・6番線の店舗だけが近年改装されてちょっと異彩を放っているが、基本的に同じ味。ちなみに、名古屋駅には9番線がない(線路はあるがホームがない)。だから、1番線から11番線までで5店舗、ということになる(1・2、3・4、5・6、7.8、10・11)。5店舗のうち、券売機が店の外に出ているのは、3・4番線の店舗と、ここ。メニュー選びでじっくり悩みたい場合には、この2店舗のどちらかを訪問するといいだろう。店に入ってしまって、おばちゃんに「何しましょ?」と声をかけられると、あまり時間をかけて悩めない空気感になるので。客席は、厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみ。キャパは10人くらいか。
  麺は、冷凍麺。弾力があって、コシはあまりない。少し饐えた臭いがしたので、冷凍保存の状態があまりよくなかったかもしれない。なにしろそばよりも圧倒的にきしめんの方が有名な店だから、郷に入っては郷に従えで、この店ではきしめんをオーダーするのが吉ということか。つゆは名古屋らしいエグ味を伴うカツオ出汁だが、タイミングの問題だろうか、以前よりも(他店舗よりも?)少し淡かったような気がする。単なる「たぬき」というメニューはなく、天かすを食べたい場合には玉子入りになる(450円)。天かすは、あまり風味がないので、何かの天ぷらを揚げた際に出る副産物としての天かすではないように思う。意図的に作られたものではないかと推察。というか、この店のかき揚げは冷凍ものなので、揚げる際に天かすはほとんど出ないだろう。海老天やイカ天を揚げた際の天かすという可能性はあるが(これらはまだ食べたことがないので、天かすが出るようなものなのかどうか分からない)。生卵は、後乗せだった。白身はほぼ透明。
  値段は全体的に高めで、かけ350円、かき揚げ520円、きつね420円など。変わりメニューに、名古屋コーチン870円。値は張るけれど、名古屋らしさは満点なので、一度は食べておきたいメニューだ。調理シーンは見ない方がいいと思うけれど(名古屋コーチンはレトルト)。みそきしめん・そば620円も面白い。それこそ、そばよりもきしめんに合わせた方がいいだろう。また、「在来限定」と銘打たれたワンコインきしめん・そばというメニューがあった(500円)。写真を見た限り、内容は何かの天ぷら(サイズ小さめ)+生卵+花かつおか。天ぷら系メニューはすべて500円超えなので、お得と言えばお得。ご飯ものはいなり(2個100円)だけで、酒類やつまみ系メニューの方が充実している。日本酒260円×2杯+どて270円+いわしフライ210円で、1000円ピッタリ。これはなかなか魅力的だ。平日15:30頃の訪問で、先客1・後客1。ともにスーツ姿のサラリーマン風だったのだけれど、2人ともこんな時間から日本酒(熱燗)を呷っていた。この場末感がたまらなく愛おしいと感じるのは、私だけではないだろう。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ360円、玉子入り410円、きつね430円、かき揚げ530円、名古屋コーチン890円です。飲み系メニューは、日本酒は270円に、どては280円にそれぞれ値上げし、いわしフライは210円で据え置かれています。また、ワンコイン(そば・きしめん)も500円で据え置きです(2019/10、確認)。

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「よもだそば」  実食日:2018/3

  JRの広小路口改札を出て左、左。上記「駅そば千成」の跡地。東京の名店「よもだそば」が、よもやの名古屋進出。もしかして各地に進出を始めたのかなと思いきや、今のところ東京以外では名古屋駅のこの店舗だけ。なんでまた遠く離れた名古屋なのだろうかという疑問は残るが、名古屋は立ちそば文化があまり浸透していない地域だから、有力店の進出が起爆剤になるかもしれない。店内の基本的な造りは「駅そば千成」時代と変わっていないが、従来立ち食いメインだったのがすべて椅子席になっている。計18席。
  麺は、注文後に茹でる自家製生麺。黒みの強い細麺で、「コシがある」という感じではなく均質系の麺。近年なぜか流行っている固い麺ではなく、不自然なモチモチ感もなく、そばらしい食感だと言える。香りもしっかりと感じられ、つゆを全部飲み干した後に残る余韻も、出汁よりもそばの香りの方が強かった。つゆは、カツオ出汁が前面にあるもの。少々エグ味も出ているが、どぎつくはない。むしろ、カツオ出汁を強めに取る傾向がある名古屋に合った味覚なのではないかと感じる。このエグ味が意図的に出しているものだとしたら、称賛に値すると思う。たぬきは、粉雪タイプの天かす。ゾル化するので、つゆの風味を純粋に楽しみたい場合には別メニューを推奨。自家製麺使用で名古屋の業者から仕入れるわけではないので、輸送コストがかかるのだろうか、東京の店舗よりは少し高い設定になっており、たぬき400円。名古屋は青ネギ圏だが、東京から進出してきた店ということもあるのか、乗っていたのは白ネギだった。東京の店舗と同じく、変わりメニューいろいろあり。ニラ天470円、ハムカツ500円、山盛りもやし500円、チーズ470円、そして名物の「岩下の新生姜天」520円。また、スパイシーなインドカレーも健在。メニュー名は「よもだカレーライス」で、600円。半カレーは320円だ。
  平日15:00頃の訪問で、先客4・後客8。アイドルタイムなのに、よく入っている。客層も幅広いし、名古屋市民の間ではこの手の店が渇望されていたのではないかと感じる。金山の「文花そば」とともに、名古屋に本格志向の立ちそば文化を広めていってくれそうな期待感を覚える。今後の店舗展開、さらにはライバル企業も動き出すのではないかと思うので、街全体の動向推移を注視していきたい。


※2019/10、公式取材にて再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき410円、ニラ天480円、ハムカツ530円、チーズ480円、岩下の新生姜天540円、よもだカレーライス620円、半カレー330円です。山盛りもやしは、「山盛りもやしたぬきがけ」にメニュー名を変更して、520円になっています。また、外観的には、暖簾が廃されていました(写真は左:旧、右:現)。
  今回は、ニラ天玉520円と半カレーを実食。ニラ天の仕様は、東京の店舗と変わらない印象でした。ニラだけで構成したかき揚げです。結構香りが強いので、好きな人はハマりそうな味覚。ちょっとニラの繊維が歯間に挟まりやすいのが難点と言えば難点ですが、味覚的には問題なしです。生卵との相性も良いですね。カレーも、東京の店舗と同じく本格的なインドカレーの趣です。ただ、そばつゆを入れているのか、ドライなスパイス感だけでなくまろやかさも感じます。チキンがゴロッと入っていて、半サイズでも食べごたえがあります。
  公式取材で長時間滞在になったため、先客・後客数は数えず。訪問が平日14:00というアイドルタイムだったこともあり、比較的空いている印象でした。


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「どんどん庵」  実食日:2019/3

  店舗名は「名駅西店」で、名古屋駅から徒歩圏内という、JRユーザーでも寄りやすい場所にある。太閤通口側、エスカ地下街のE7出口を出て、右へ。最初の信号を渡ってから左折し、次の信号を過ぎてすぐの路地(チサンインホテルの角)を右に入って1分半、左側角地。駐車場のない、市街型店舗だ。システムは、例によって讃岐うどんスタイルに近いもの。入店したら右奥に進み、盆を取り、陳列されている麺を取って自分で湯煎。そばは陳列されていない場合も多いので、その際は口頭で注文する。その後、セルフチョイス惣菜やトッピングなどを自由に取り、有人レジで精算。精算後に、自分でつゆを注ぐ。ボタンを押すとつゆが出てくるサーバーがあるのだが、これが銭湯の蛇口のように固いボタンなので、微調整がやや難しい。こぼさないよう注意したい。客席は、かなり多い。椅子付きカウンターやテーブルに加えて、座敷まで備わっていた。計70席くらいあっただろうか。駐車場のない店舗で座敷を用意するのは、珍しいパターンのように思う。
  麺は、生だろうか。口頭注文してだいぶ経ってからタイマーが鳴り、その後すすいでいる様子だった。ただ、そばの香りはさほどない。食感も含めて、冷凍っぽい印象を受ける麺。つゆは、赤・白から選択できる。セルフ注ぎなので、両方をブレンドして「ロゼ」にすることもできる。今回は、赤を選択。わりと色が濃いが、はっきりした関東風という感じではない。東西折衷くらい。塩気強めで、カツオ出汁強烈でえぐみを伴う。名古屋周辺では珍しくないタイプだけれど、全国的に見るとかなり特異なものなので、好き嫌いが分かれるかもしれない。今回いただいたものの価格は、かけそば(並)300円、春菊天110円、山菜110円、おにぎり130円。春菊天は、扇形に開いた姿揚げ。揚げ置きで、香りはそれほど強くなかった。山菜は、どこにでもありそうな感じのミックス水煮。ワラビ、キクラゲ、エノキ、姫竹で構成。おにぎりは、数種類ある中から「しぐれ」を選択。これは、アサリのしぐれ煮が入ったおにぎり。三重県桑名市周辺の名物だ。ちょっと高いけど、味覚的にはなかなか美味しかった。そのほかのメニューのなかでは、店舗限定の「定食セット」250円が気になった。アジフライorメンチカツ、千切りキャベツ、ご飯、お新香がセットになっており、ご飯は無料で大盛りにできる。かけそばとセットにして550円だから、結構お得感がありそうに思う。ネギはフリー。箸はエコ箸。
  平日15:00頃の訪問で、先客3・後客0。席数の多い店舗だけに、この客数だとだいぶ寂しい印象。アイドルタイムの真っただ中だから仕方ないと分かっているけれど、ガッツリ食事だけでなく、小腹満たしや喫茶感覚でも利用できるメニュー(スイーツなど)が充実しているとなおいいのかな、と感じた。


※消費10増税を経て、値上げしていました。現在、かけ310円です。きしめんも310円ですが、うどんは290円。うどんだけ少し安い設定になっています(2021/5、確認)。

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「よもだそば」  実食日:2021/5

  「よもだそば」の名古屋2号店がオープンした。店舗名は「名古屋サンロード店」で、オープン日は2021年3月18日。上記「名古屋うまいもん通り広小路口店」の経営が軌道に乗り、順調に推移しているということか。場所は、店舗名のとおり名駅地下街のサンロードにある。たいへん人通りの多い場所なので、こちらも期待大だ。おまけに、通路の斜向かいには同社が経営する喫茶店「Cafeよもだ」までオープンしている。名古屋での事業展開は、今後もさらに拡張していきそうな気配だ。客席は、壁際の椅子付きカウンター13席、フロア中央に立ち食いカウンター4人分くらい。精算方法は、食券制。
  迅速提供だったので、麺は茹で置いている(あるいは、見込み茹で)と思われる。黒々としていてホクッとした歯ごたえは、東京の店舗と変わらないクオリティ。そばの香りも、しっかり感じられる。濃いめで、最初のひと口でガツンと訴えかけるつゆも、上々だ。たぬきは、粒の細かい天かす。ゾル化傾向ではあるが、適量だったのでつゆを全部吸ってしまうようなことはなかった。たぬき自体の味がどうのというより、麺とつゆの橋渡し役に徹しているような印象だった。たぬき410円。岩下の新生姜天540円、チーズ480円、よもだカレーライス620円といった、このチェーンならではの特殊メニューも健在。メニューや値段は、基本的に「名古屋うまいもん通り広小路口店」と変わらないが、券売機の配置が全然違っており、完全照合は面倒なのでやっていない。期せずして少々の違いが発生している可能性もありそう。だから、普段「名古屋うまいもん通り広小路口店」で食べ慣れている人がたまにこちらに来ると、食べたいメニューのボタンを探すのに少し手間取るかもしれない。箸はエコ箸。
  平日18:30頃の訪問で、先客5・後客1。そんなに混んでいる印象ではなかったが、若い女性のひとり客もあり、支持層の幅が広そうだった。なお、一部の椅子付きカウンターを除いて、個別パーティッションが設置されている。ただし、可動式なので、実効性はあまり高くないかもしれない。


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「名代きしめん(住よし)」  実食日:2021/8

  名古屋駅JR在来線ホームの尾頭橋寄りにある5軒の「名代きしめん(住よし)」のうち、唯一当サイトで未掲載になっていたのが3・4番ホームのこの店舗。おそらく実食は済んでいると思うのだが、かつて5軒をひとまとめにして掲載していたのを近年店舗ごとの掲載に方針変更したため、この店舗については未掲載状態になっていた。満を持しての実食・掲載だ。客席は、立ち食いカウンターのみ。厨房を囲むL字型カウンター+壁際のカウンター。合わせて10人くらい並べそうな造りだが、コロナ禍の今はパーティッションで区切られているためキャパは7人となっている。食券制で、券売機は店舗の外にある。個人的にはこれがありがたい。店内にあると入店しないとメニューを確認できないから、じっくり品定めをしづらいし、フォローイングリサーチもやりにくい。
  他店舗と同じく、麺は冷凍。冷凍にしてはそれなりにそばの香りがある麺だと思うけれど、キュンと上品に香るのではなく少しくぐもったような香り。つゆは、強烈に香るカツオ出汁が最大の特徴。メニューによっては花カツオがトッピングされるのでもっと香るのだが、トッピングされないメニューでもかなり香りが強い。色は濃い目で、東か西かで言うと明確に東だ。この辺りでよく出合う、東西折衷タイプのつゆとはだいぶ違う。麺はそば・きしめんの選択で、うどんは扱いがない。たぬき(玉子入り)460円、かけ360円、かき揚げ530円など。みそ640円や名古屋コーチン890円といったオリジナルメニューも健在。実食したのは、お得感のあるワンコインそば500円。トッピングは、エビ天+温玉。エビ天は冷凍出来合いだしさほど大きくはないのだが、注文後揚げでプリプリしており、味覚的には上々。温玉は小さめ。Sサイズの卵だろうか。温玉としては、やや固ゆで気味か。つゆに浸かっても白身がほぐれず、割っても黄身が流れるようなことはなく、トッピングとして食べやすかった。この内容で500円だと、海老天580円を注文する人がいるのかどうか疑問に思えてくる。2尾乗るとはいえ、ワンコインの方がだいぶ魅力的に映る。飲み水用のコップは使い捨ての紙コップ。箸は割り箸。
  平日13:45頃の訪問で、先客1・後客2。ホームの店舗だから、タイミングによってかなり客足に波がありそうだ。なお、この店舗には空調が入っていなかった。8月の猛暑日にクーラーなしで温そばを食べるのは、少しきつい。設備がないのかたまたま具合が悪かったのかは分からないけど、私自身よりもむしろ店員さんが気の毒だった。


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★尾張一宮駅(JR東海道本線、名鉄名古屋本線(名鉄一宮駅))
「麺亭かきつばた」  実食日:2006/8

  改札内コンコース、ホームからの階段下、改札からの階段上。名古屋を中心に展開しているチェーン店。とはいえ、店舗によって個性があるので、あまりチェーン店という感じはない。尾張一宮の店舗は、一杯飲み屋のような雰囲気が漂っている。夕刻には、店内にはほろ酔い客がたくさん屯していた。
  この店は、つゆをなみなみと注いでくれたのが印象的だった。カウンターから外れたところに椅子席が少々あるのだが、そこまで持ち運ぶのがしんどいくらいにたくさん入れてくれた。味覚的にも、東西折衷な感じ(出汁は鰹だと思う)で、美味。麺は普通の茹で麺だが、角がしっかり立っているので歯ごたえはいい。そば・うどんの他、きしめんも選択可(同一料金)。ネギは青だが、白い部分も使っている。焼き色のついたカマボコが1枚入るのが特徴的。また、関西圏ではないのに、帰り際に「おおきに」と挨拶されたことが印象に残った。たぬきなし、かけ290円、きつね340円、天370円。


※閉店(コンビニ化)していました(2008/8、確認)。

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★豊川駅(JR飯田線)
「壺屋」  実食日:2005/12

  改札出て左、駅を出て(西口)左、ロータリー沿い。豊橋を中心に店舗を展開している駅弁店で、静岡・愛知両県内に数店舗を構えている。実食は、鷲津に続いて、2軒目。
  味覚的には、鷲津の「壺屋」と同じ。材料等は同じものを用いていると思われる。異なるのは、サービス面。鷲津ではカマボコ・刻み揚げ・ネギがフリートッピングとして置いてあったのだが、ここではデフォルトで入ってくる。カマボコを3枚入れてくれるなど、結構大盤振る舞いという印象だった。メニューは鷲津よりも多岐にわたり、カレーうどん・カレーライスなどもある。例によって、麺はそば・うどん・きしめんの三択。東日本(そばつゆの境界線・関ヶ原から見ればこの辺りは東)の駅そばで「刻み揚げ」を用いるのは珍しいのだが、考えてみれば「壺屋」はもともと「いなり寿司」で有名な駅弁店。豊川稲荷にあやかっているという部分もあるだろうし、別に不思議に思う必要などなかった。たぬきなし、天390円。なお、名鉄の豊川稲荷駅も徒歩30秒ほどの場所にある。


※2017/8、再食。値上げしていました。現在、天440円です。また、特段改装したわけではないのですが、間口脇に自販機が1台増設されて、若干雰囲気が変わっているので、写真を貼り足すことにします(左:旧、右:現)。今回は、カレーそば440円をいただきました。かけそばの上にカレールーを乗せるタイプですが、つゆが少なめでルーたっぷりなので、混ぜてもあまりサラサラしません。どちらかというと、マグマのようにドロドロ。カレーは中辛でスパイス感もありますが、タマネギの甘みも出ていてマイルドな印象もあります。バランスのよいカレーだと思います。麺は普通の茹で麺。例によって、刻み揚げとたっぷりの青ネギトッピングです。刻み揚げとカレーの相性も、結構いいですね。刻み揚げを、主食に近い感覚で食べられます。
  平日の11:45頃の訪問で、先客3・後客2。店舗規模(キャパは7〜8人程度)から考えれば、まずまずではないでしょうか。思っていたよりも入っている印象でした。なお、飲み水は冷水のほかにウーロン茶(常温)もあります(ボ+1点、値−1点)。


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★新城駅(JR飯田線)
「鞍馬」  実食日:2017/4

  駅からの直線距離は結構近いのだが、裏手になるため、道のりだと少々遠い。駅を出て左へ3分、県道(センターラインのある道路)を渡らずに左折して2分(ガードを潜る)、左側にそびえるピアゴ新城店の1階フードコート。値段的にちょっと高めなのだが、ほかに対象となる店がなさそうな駅だし、高いと言っても名古屋駅ホームの「住よし」に近い価格帯なので、特例を適用してもいいだろう。フードコート内にある店舗は「鞍馬」と、名古屋の雄「スガキヤ」。一騎打ちの様相だ。ただ、この対戦では、客数では「スガキヤ」の方が圧倒的に勝っている。「スガキヤ」、強いな。
  麺は、食感的には茹で麺っぽいのだけれど、茹で麺にしては調理時間がかかりすぎ。つゆに少々濁りがみられたことだし、生麺と推定しておく。乱切りタイプというか、3種類の太さの麺が混在している。香りはそれほど感じない。つゆは、うすくち醤油を使った透明度の高いものだった。だが、完全なカツオ出汁なので、味覚的にはあまり「関西風」という感じはしない。「どんどん庵」の白つゆを少し塩辛くしたような感じ。カツオがかなり強く、酸味・えぐ味も出ているのだが、中京圏らしい風味と表現することもできる。外税方式(以下の記載はすべて税抜き価格)で、たぬきなし、かけ370円、山菜470円、天(海老天2尾)630円など。変わりメニューには、もち天520円がある。東京でたまに見かける「揚げ餅」に近いか。ご飯ものやセットメニューも、豊富ではないが一応ある。実食は、山菜そば。山菜は量が少なめで、軸の長いナメコが入っていたのが特徴と言えば特徴。カマボコ2枚入り。ネギは青。嬉しいサービスとしては、麺・丼の大盛り無料(申告制)がある。黙っていると並盛りになるのだが、並盛りでも量は多めだった。また、毎月11・19・20・30日は「感謝デー」で、次回有効のクーポン券を配布している。訪問が11日だったので私にも100円引き券4枚つづりのクーポン券が配布された。飲食500円につき1枚使用可能。だから、グループで訪問してまとめて会計すれば、それなりに利用価値がありそう。穂波グループ全店で使用できる。箸はエコ箸で、受渡口にあり。


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★緒川駅(JR武豊線)
「天麺」  実食日:2017/8

  駅を東(改札出て左)側に出て右前方向、イオンモール東浦のエンジョイライフ館の中を通り抜けて、スクランブル交差点を斜めに渡った先、イオンモール東浦の2階フードコート。フードコートの中では、もっとも駅から近いブースになる。場所的には、すごく良いところなのではないか。有人レジで先払い→バイブレーターで呼び出し。
  麺は、たぶん冷凍。やや饐えたような臭いがあったが、歯ごたえ・舌触りは悪くない。つゆは、カツオ出汁一辺倒の名古屋らしいもの。酸味が強いので好き嫌いが分かれそうな味ではあるが、エグ味は軽め。方向性としては「どんどん庵」の赤に似ているが、それよりもだいぶやさしい。妙に大きく、平たい丼(イメージ的には「皿」と書きたくなるもの)に盛りつける。つゆの少ない冷やしがデフォルトなのかな。個人的には、この形状だとつゆが飲みにくいし、そもそも持ち運びにくいので、あまり好きでないというか、フードコート向きではないと思う。この丼で出すのなら配膳してほしいというのが本音。値段は高め。かけというメニューは見当たらず、カマボコ2枚入りで、きつね486円。天は702円まで跳ね上がり、店名を冠した天麺そばに至っては853円と殺人的。ラーメンの扱いもあり、ノーマル「らーめん」は637円とまずまずだが、チャーシュー麺は1069円と4ケタに突入。全体的に乗せもの価格が高い傾向にあるので、ベーシックなメニューを選んだ方がよさそう。あるいは、セットメニューか。天丼セット810円も、東京の感覚で考えればだいぶ高いけれど、もともと立ち食い価格が高い傾向にある中京圏ではなんとか及第点か。ただし、ミニ天丼は本当にミニサイズ。「ハーフ」どころではないので、そこでだけ留意を。天ぷらは、エビ・カボチャ・オクラの3種盛り。少し甘みがあって、もろみの旨みも感じられるタレは美味かった。冷水器はフードコート共通。箸はエコ箸。


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★千種駅(JR中央本線、名古屋市営地下鉄東山線)
「J.T.S」  実食日:2007/8

  JRホームやや大曽根寄り。丼や窓に「名代きしめん 住よし」と書かれているのは、旧店名なのだろうか。
  この店は、注文後に店揚げしている自家製天が魅力的。ホームで天を店揚げする駅そば店はなかなか珍しい。それを確認する前に月見そば(ハーフサイズのきつね入りで390円)を注文してしまったのが悔やまれる。全体的に値段が高めだから、ついつい安いメニューを選んでしまったわけだ。店の外に食券販売機があるタイプの店の、落とし穴か。味覚的には、名古屋圏らしい強烈な鰹出汁に薄い塩っ気のつゆが印象的。麺は「そばorうどん」ではなく、「そばorきしめん」。他のメニューは、かけ340円、天500円、天玉550円など。全体的に高い中で、いか天450円は少々お得感があるか。変わりメニューには、「とん汁そば」および「チャーシューそば」(ともに530円)がある。


※2009/12、再食。豚汁そばは消滅していました(付−1点)。チャーシューそばは健在です。イカ天は、「びっくりイカ天」と名を変え、値段も上がっています(450→500円)。

※値上げしていました。現在、かけ350円、かき揚げ520円です。かき揚げ玉子570円です。変わりメニューに、みそ(玉子入り)620円、すきやき風(玉子入り)620円があります。チャーシューは消滅、びっくりイカ天は普通の「イカ天」に変わっていますが、520円という値段から考えて、内容は変わっていないのではないかと推察。酒類や一品料理が多数あります。そば・きしめんより、立ち飲み屋としての需要の方が多いのかもしれません(付+1点。2016/1、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ360円、かき揚げ530円、みそ(玉子入り)640円です。いか天は終売です(2019/10、確認)。

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★大曽根駅(JR中央本線、名鉄瀬戸線、名古屋市営地下鉄名城線、ゆとりーとライン)
「かどや」  実食日:2008/1

  JRと名鉄を結ぶ連絡通路上にある店。名鉄系列のチェーン店で、名鉄沿線に数店舗展開している。麺類だけではなくおでんや一品料理、酒類も扱っているのが特徴で、実食時(1/3)には初詣帰りらしい人々でごった返していた。「これぞ大衆酒場!」という臭いがプンプン漂ってくる店である。
  そばの味は特記するほどのものではないのだが、つゆが関西風だったことに強い衝撃を覚えた。私の記憶が確かなら、関東風・関西風の境界線は関ヶ原で、この辺りは関東風エリア(とは言っても名古屋周辺はちょっと特殊であるが)のはずなのだ。他の「かどや」でどのようなつゆが供されているのか、試さなければ。全メニューそば・うどんのほかにきしめんにも対応。全品カマボコ入り。かけ350円、月見400円、天・山菜450円など。きつね(400円)は「志の田」と表記。街なかそば店ではまれに見かけるが、駅そばでは初めて見た表記法だ。

※大幅に値上げしていました。現在、かけ430円、きつね500円、かき揚げ530円です。駅そばとしてはギリギリの価格になってしまいました。外観的には、看板と暖簾が変わっています(写真は左:旧、右:現。2016/1、確認)。

※閉店していました。名鉄高架下のほぼ全域が工事中で、仮囲いの状態になっています。工事終了後に復活する可能性もゼロではありませんが、他駅における昨今の傾向に鑑みて望みは薄いと考え、閉店扱いにします(2019/10、確認)。

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★新守山駅(JR中央本線)
「ごはんどき」  実食日:2017/7

  まさか名古屋でお侍ちゃんの顔を見ることになるとは思わなかった。場所は、駅を出て左、すぐの信号を左折してガードをくぐり、最初の路地を左斜め前に入ったところにあるパチンコ店「マルハン新守山駅前店」内。ラーメンの「てんがら」とセットで、フードコート風になっている。いわゆるパチそばだ。かけ430円と高いのだが、地方&他に対象となる店がない駅特例を適用。食券制で、自動オーダーシステム。買った食券は持ったまま席で待つ。もう店に入る前から気になっていたのだが、東京の新進系立ちそばチェーン「そば助」のトレードマークになっている侍風の顔写真がでかでかと貼り出されている。なんで名古屋で、しかも「ごはんどき」で? と思ったら、期間限定で監修メニューを提供しているとのことだった。どこまでが監修メニューなのかが分かりにくかったのだが、私が食べたかき揚げそば(530円)もほとんど色のついていない透明なつゆだったので、この期間中はそば・うどん系の全メニューが「そば助」監修のものになっていると思われる。
  麺は生だが、東京の「そば助」のうち十割そばの店舗で提供している押出製麺のものではなさそう。そばの香りも、そこまではない。「そば助」のなかでも、駅ナカで展開する「すたんどそば助」の方に近いか。つゆは、醤油も入っていそうな味わい。カツオ系の香りはなく、昆布など旨み系の出汁が中心だ。「そば助」が売りにする「究極の塩出汁」とはちょっと違うか。まぁ、悪くはない。かき揚げは、アツアツなのにタマネギの食感が損なわれていたことから推して、冷凍ものの注文後揚げ。これも「そば助」のものとはだいぶ違うのだが、再現は困難だっただろうか。箸はエコ箸。「そば助」の全店舗に置いてある「ニンニラ」は、見当たらない。ちょっと残念。これも、多店舗を抱える「ごはんどき」では再現するのが難しかったか。「ごま唐辛子」も、見当たらず。卓上の「おすすめメニュー案内」にごま唐辛子を入れて云々の記載があるのだけれど。受渡口にあったのかな。途中で味を変えるためのものなので、受渡口ではなく各席に置いておいてほしい。
  訪問は平日の昼時(12:30頃)で、先客4・後客3。パチそばは必ずしも昼時がピークになるとは限らないのだが、席数からするとちょっと寂しいようにも思う。きっと、土日はもっと賑わうんだろうな。


※2021/8、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ450円、かき揚げ590円です。今回は、そばではなくラーメンの「白でんがら」をいただきました。ベーシックなラーメンメニューで、650円です。提供されたのは、背脂が少々浮いた豚骨ラーメンです。見た目には結構ドロドロしているのですが、飲んでみると意外とサラッとしています。獣臭さも控えめで、万人受けしそうな味覚でした。逆に、コアな豚骨ラーメンファンにとっては少々物足りなく感じるのではないかと思います。トッピングは、大判の豚バラチャーシューとメンマ。色の変化も薬味のネギくらいで、味も見た目もとてもシンプルです。チャーシューが美味いので、総じて悪くはないですただ、パチンコ店で食べるなら580円くらいを希望します。
  平日15:30頃の訪問で、先客3・後客1。コロナ対策で、各席にパーティッションが設置されていました。テーブル席は椅子が半分撤去され、対面着座ができないようになっています。


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