中 国 2
(鳥取・島根・山口)

現在、34軒掲載(うち18軒は、閉店確認済)
★鳥取駅(JR山陰本線・因美線)

「砂丘そば」  実食日:2003/7

  山陰本線ホーム上にある、小さな駅そば。店名がいかにも鳥取らしく、旅情をかきたてられる店だ。この店は、天420円(たぬきなし)と高めなのだが、さりげなく“あごのちくわ”が2枚乗って出てくる。“あご”、つまりトビウオは山陰の名物。“あごそば”などの特殊メニューを用意するのではなく、天そばにさりげなく入っていることによって、「鳥取ではあごのちくわが入って当たり前」というほどに強く印象づけられる。なお、私が食べたのは閉店間際で、つゆが煮詰められてかなりしょっぱくなっていた。おばちゃんもそのことを分かっていたようで、「しょっぱいから、20円負けとくわ」と、10円玉2枚が返ってきた。この人情に、プラス1点!

※値上げしていました。現在は、かけ(「砂丘」と表記)340円、月見390円、たぬき(油揚げ)430円です(値−1点)。看板が新しくなっていました(写真は左:旧、右:現。2008/8、確認)。

※閉店していました。跡地は、KIOSK売店になっています。時代の流れとはいえ、ここもだいぶお世話になった店なので、残念です(2014/10、確認)。

3 3 1 2 7 5 21
「砂丘そば」  実食日:2008/8

  改札を出て右、そば店「因幡路」(この店は値段が高いので対象外)の奥を右へ30秒。ホームの「砂丘そば」(上記)と同じく、駅弁業者「アベ鳥取堂」が運営している。
  ホームの店舗同様、この店も「理想的な地方駅そば」と言えるような素晴らしい店だった。麺は、重い質感があるが舌触りはツルツルしている。つゆは出汁がよく効いていて美味しい。サービストッピングの「あごちくわ」も健在。やっぱり、これを食べないと鳥取に来た気がしない。値段は、ホーム店舗で食べた2001年時からだいぶ上がってはいるが、かけ(「砂丘」と表記)340円、月見390円、たぬき(きつね)430円で頑張っている。たぬき(そばの場合は「たぬき」、うどんの場合は「きつね」と表記)はかなり肉厚で、「薄い豆腐を揚げたもの」というイメージ。食べ応えがあって良い。天はエビ天で、別途「かき揚げ」がある。


※2009/12、再食。特段の変化なし。変わりメニューに卵とじ(430円)があります。

※2014/10、再食。駅舎内に「味のまち」という飲食店街が整備されたことに伴い、少し場所を移してリニューアルしていました。ホームの店舗を閉鎖したぶんを含んでいるのか、かなり規模が大きくなっています。テーブル席と椅子付きカウンターを擁し、計20席以上あります。値上げしていました。現在、砂丘370円、月見440円、たぬき470円、玉子とじ470円、かき揚490円、天580円です。セットメニューが3種類あります。ミニ玉子丼セット600円あたりが狙い目でしょうか。麺類単品に巻寿司110円を追加してプチセットにする手もありそうです。味覚的には特に変わっていない印象ですが、丼が大きくなり、つゆが多くなったように感じます。たぬき(関東で言う「きつね」)は、相変わらず超肉厚タイプ。つゆがよく染みて、とても美味しいです(ボ+1点)。

5 4 1 3 4 5 22
★倉吉駅(JR山陰本線)
「うどんそばの店」  実食日:2006/7

  駅を出て、ロータリーを右に回り、出口角。市街地の中心部からだいぶ離れた場所にある駅だからあまり期待していなかったのだが、人影の乏しい街並みの中で粛々と営業していた。
  この店の特徴は、色の黒い太麺。山陰らしさがよく出ている。茹で麺だが食べ応えがあり、私の好みに合っている。つゆは関西風、ネギは青。揚げ玉はフリーで、刻み海苔とカマボコ(2枚)が入るという進取な面も垣間見える。値段が少々高めなのは、絶対客数が多くなさそうな駅だけに仕方ない部分だろうか。かけ300円、月見360円、天(かき揚げ)450円。「たぬきそば」というメニューもある(450円)が、これは油揚げが乗ったもので、関東でいうところの「きつねそば」。また、「たぬきうどん」というメニューはなく、油揚げが乗ったうどんは「きつねうどん」になる。複雑だなぁ。変わりメニューには、「厚天そば」600円がある。


※閉店していました。跡地は、現在「テナント募集中」になっています。再度立ちそば店が入ってくれることを願います(2008/8、確認)。

4 2 1 3 4 3 17
★米子駅(JR山陰本線・伯備線・境線)

「米吾」  実食日:2003/7

  こちらも山陰本線ホーム上だが、改札の外からも食べられる造りになっている。というよりも、完全に外側がメイン。外側には、日本最大級といってもいいくらいの客席を擁している。内側は、暖簾が掛かっているところでの立ち食いのみ。割り箸が一本一本箸袋に入っているというのも、ちょっと変わっている。駅そばと普通の蕎麦屋の中間スタンスなのかもしれない。ちなみに、店名は、箸袋に「米吾」、暖簾に「大山そば」、窓の上に「吾左衛門」と書かれていて、どれが本物なのかよく分からない。山陰らしく、関東風の色の濃いつゆで出てくる。たぬきなし、天480円、玉子390円。ちょい高めだ。

※2009/12、再食。値段等、変化ありません。今回は改札外で食べましたが、やはり割り箸は箸袋入りでした。上記記事の「改札外側は日本最大級」の記載は、撤回します。外側も手狭で、椅子付きカウンターのみです。つゆは、やっぱり関東風でした。山菜そば(430円)を試しましたが、タケノコや人参が目立つ、変わった山菜でした。焼き海苔が2枚乗ります。

※2014/10、再食。改装していました(写真は左:旧、右:現)。また、値上げしていました。現在、玉子400円、山菜440円、天490円です。実食はなめこそば(490円)。焼き海苔が2枚添えられます。まぁ、これ自体は可もなく不可もなくといったところですが、質感のある麺と雑味のないつゆは変わらず美味しいです。なお、この店については「ホーム側では食べられない」との情報が複数寄せられていますが、そんなことはありません。食べるカウンターがないだけで、商品の受け渡しは可能です。割箸も用意されていて、ホームのベンチに座って食べられます。また、以前は改札を入って左手にも店舗がありましたが、こちらは閉店し、1店舗のみとなっています。「ホーム側では食べられない」とは、この店舗閉鎖のことを言っているのでしょうか。

※2018/10、公式取材にて再食。まず驚いたのが、店舗規模が拡張していました。隣接する空き店舗(キヨスク売店だったとのこと)の部分を編入して、客席を増設しています。従来の厨房に面した椅子付きカウンターに加え、奥のスペースに椅子付きカウンター8席とテーブル席4+2が増設です。ちょっとゆっくり過ごせる店になりました(衛+1点)。ホーム側の窓口も存続しています。
  今回は、「天ぷらそばサバ寿司二切」760円をいただきました。天は、かき揚げではなくエビ+ナス+シシトウ+カボチャの、それぞれ単独揚げ。つまり、盛り合わせです。揚げ置きですが、自社製とのこと。焼き海苔で彩りを添えています。赤紫色の太麺を含め、なかなか印象深い一杯です。サバ寿司は、肉厚の昆布でグルっと巻いてあります。ただ、味覚的に昆布がそれほど強く主張することはなく、サバの旨みがしっかり感じられます。ちょっと高い印象はある(単品だと、二切300円、一切150円。メニュー名が「吾左衛門鮓」から「サバ寿司」に変わっているが、物は同じ)のですが、名物駅弁のお試しができるという点も含め、食べてみる価値はあると思います。また、前回訪問時にはなかったメニューとして、鳥取黒毛和牛カレー850円とコーヒー200円(セルフ式。カレーとのセットだと50円引き)が登場しました。客席増設が奏功しているようです(付+1点)。
  ただ、目下駅舎改築に向けた動きがあり、将来が心配される部分もあります。新駅舎は2023年完成予定とのこと。この店がどうなるのか、動向を見守ろうと思います。


4 3 1 4 4 3 19
★松江駅(JR山陰本線)
「八雲路」  実食日:2014/10

  改札を出て直進、左側。値段が高いことを理由にこれまで対象外として未食でいたのだが、出雲市「黒崎」や亀嵩「扇屋」を対象としている以上、この店を外す理由が見当たらないので、対象に含める。配膳付き後払いの店だが、厨房は微妙に開かれている。テーブル席と椅子付きカウンターがあり、席数は22。
  この店では温かいそば、いわゆるかけ系も扱っているのだが、どうしてもこのエリアでは割子そばを食べたくなってしまう。実食は、三色割子そば820円。割子という小さな器に盛られたそばが三段重ねで登場、そこに直接冷たいつゆをかけて食べる。1段ごとにトッピングが異なり、上から山菜・なめこ・とろろの順になっている。とろろがやや濃厚ではあるが、基本的にはあっさりテイストのトッピングでまとめている。薬味は別盛りで、ネギ・もみじおろし・刻み海苔。もみじおろしがほとんど香らないし辛みもなかったのが残念。それから、つゆが少ないのも残念。美味く配分しないと2段目で使い切ってしまうおそれあり(言えば追加をくれるだろうけれど)。そして、そば湯がセットで出てくる。そば湯は香りが濃厚で好印象だった。麺は適度な歯ごたえがあり、風味も良いのだが、段ごとにあからさまに量が異なるのが気になる。目分量で適当に盛っているのではないか、と感じる。
  かけ系メニューの値段は、かけ470円、月見520円、かき揚げ770円など。三色割子のほかに、トッピングのない割子そばもあり、670円。割子の追加は1枚230円。そば以外では、松江おでんを各種扱っている。こちらは100円均一と、駅そば価格だ。あごちくわ、あまさぎ団子(あまさぎ=ワカサギ)といったご当地食材も楽しめる。「駅そば」と考えるとおでん以外は割高に感じるが、ビールでも飲みながらのんびり楽しもうと考えれば使い勝手がよい店だと思う。


3 3 1 4 3 3 17
★出雲市駅(JR山陰本線、一畑電鉄松江線(電鉄出雲市駅))
「黒崎」  実食日:2009/12

  改札を出て正面。「駅そば」と呼んだら怒られそうな、本格的なそばを出す店。一時は値段が高いことを理由に対象外と考えていたのだが、気が変わり、地方特例を適用することにした。店内はわりと広く、椅子付きカウンターとテーブル席がある。
  この店では、出雲特有の食べ方である「割子そば」が名物になっている。「割子そば」とは、分かりやすく言うと少量のそばが入った容器(この容器を「割子」と呼ぶ)を3段重ねにしたもの。冷たいつゆを直接かけて食べる。讃岐うどんの「ぶっかけ」に近いスタイルだ。硬質の歯ごたえが心地いい黒麺、ツンと鰹出汁が香るつゆ。どれをとっても一級品なのだが、やはり値段が高く、650円。また、薬味としてネギと刻み海苔ともみじおろしが各割子の中に最初から入っているのだが、個人的には薬味を別盛りにしていただけるとありがたい。薬味の存在感が強すぎるので。割子そばにトッピングを乗せた「三色割子」は、900円。

※2014/10、再食。一部メニューの値段が上がっています。現在、割子660円、三色割子は900円で据え置きです。温かいそばは釜揚げ610円、月見・山かけ・きつね660円、天870円。いずれも、味のついていないそば湯の中に麺やトッピングが入った状態で出てきます。添付のつゆを好みに合わせて自分で入れるシステムです。実食は、三色割子。トッピングは、上からウズラ月見・おろし・とろろ。松江「八雲路」に比べて、味の濃淡のコントラストがはっきりしたラインナップになっています。薬味はネギ・もみじおろし・刻み海苔で、最初から割子の中に入っています。もみじおろしがしっかりと効きます。つゆがかなり濃く、そして多いので、入れすぎに注意。最終的に半分残るくらいでちょうどいいと思います。

10 3 1 4 3 5 26
★浜田駅(JR山陰本線)

「よってけや」  実食日:2003/7

  駅そばらしからぬ外観、駅そばらしからぬ店名。しかし、メニューの主力はそば・うどん。他に、“ちゅ〜か丼”、“ぎゅ〜丼”などという寒いメニューが揃っている。
  この店を一口で評価するなら、「不味い」。何が入っているのか知らないが、つゆにシナモンのような刺激臭がある。それでいて、玉子そば450円。高ぇ〜! 厨房を覗いてみると、一般家庭用のガスレンジ、一般家庭用の冷蔵庫、独身男が愛用していそうな片手鍋。専門器具を一切使っていないのだ。これではハナから勝負にならない。もうちょっと頑張って。


※閉店していました。駅舎を改築して地平駅から橋上駅に変わっていることもあり、跡地は特定不可能です(2015/9、確認)。

1 3 1 1 3 9
★亀嵩駅(JR木次線)
「扇屋」  実食日:2009/12

  駅舎内、かつて待合室か駅事務室だったであろうと思われるスペースで営業している。100%手打ちの店で値段が高いのだが、エキナカで記事ネタが豊富なので、対象に含める。この店を対象外とすると鉄道ファンから総スカンをくらいそうだし。座席は豊富で、テーブル席に加えて座敷もある。列車の本数が少なく、急いで食べる必要がない場所ならではのゆとり空間だ。壁には一面、有名人のサイン色紙や紹介された新聞記事の切り抜きなどが飾られている。有名な店だ。また、駅ノートが店内にあるので、待ち時間の暇つぶしにも事欠かない。
  出雲市駅「黒崎」同様、この店でもいわゆる「かけ系」は扱っていない。メニューは、割子そば(680円)と釜揚げそば(680円。種物あり)、車内持ち込み可能な「弁当そば」(要事前予約で500円)のみ。釜揚げは、そば湯の中に麺が入っている状態で出され、そこに直接つゆをかけて食べる。これも、割子と並んで出雲特有の食べ方だ。他に、玉子うどんを扱っているが、どう考えてもこの店でうどんを食べるのは野暮だろう。割子そばは、出雲市「黒崎」と比べて麺の太さと色合いが異なる。こちらの方が全体的に太く、手打ちなのでややばらつきがある。色は、出雲市よりもやや白みがかっている。風味は非常に素晴らしいが、個人的には、この食べ方をするのであれば太さが揃っている方が食感がよいと感じた。まぁしかしそこは手打ちのこだわりに敬意を表するべきだろう。薬味はやはりデフォルトで乗っており、刻み海苔とネギと鰹節。出雲市同様、薬味の存在感がちょっと強いのが気になる。まぁしかしそこは郷に入っては郷に従え。出雲流の食べ方に敬意を表するべきだろう。


8 3 1 4 3 8 27
★津和野駅(JR山口線)
「駅弁くぼた」  実食日:2009/12

  改札外、待合室内。観光地とはいえ鉄道で訪れる人は少なく、閑散とした駅でよく頑張っている。露出店で立ち食いのみだが、待合室内のベンチに座って食べることもできる。
  麺は、ツルツル食感。湯通し時間が非常に長かった(1分程度)のがちょっと気になるところではあるが、茹で麺と考えていいだろう。つゆは、粉末出汁っぽい感じの味覚。メニューは、天350円、肉420円、カレー470円の3種のみ。カレーはうどんのみ表記。頼めばそばでも作ってくれると思うが。天は、オキアミが少々入っているだけの既製品。駅弁の販売もあり、こちらの方が主力だろうか。また、ホットコーヒーを250円で扱っているのだが、すぐ近くに120円の自販機があるので、利用する人がいるのかどうか疑問。あまり繁盛している様子はないけれど、なんとか頑張ってほしいなぁ。訪れたのが大雪の日だったこともあり、改札を出たときに湯気がモウモウと立ち上る店が見えると、それだけで少し暖がとれた気分になれるので。


3 3 2 2 3 1 14
★岩国駅(JR山陽本線・岩徳線)
「うどん そば ラーメン」  実食日:2006/8

  6・7番ホーム中程。「JRサービスネット広島」が運営する店だが、店名は掲げられていない。昼時なのに全然客が入っておらず、果たしていつまで存続してくれるのか、ちょっと心配になる。今のご時世、よほど乗降客が多い駅でない限り、ホームの駅そばはなかなか運営が厳しいのかもしれない。
  麺は柔らかめの茹で麺で2点級だが、純関西風のつゆがなかなか美味く、麺の弱点を相殺している。月見・天などの具一品系メニューは、肉380円を除いて340円均一。なんとも長閑だなぁと思ったのは、私が「これから鈍行で熊本まで行く」と言うと、おばちゃんが「それなら、暇つぶしに新聞か週刊誌でもやろうか?」と言ってくれたこと。もちろん売れ残り品なのだろうが、都会の駅そば店ではまずあり得ない一幕である。

※当分の間休業の貼り紙が出ていました。このまま廃業の可能性が高いと思われますが、まだ閉店扱いとはしません(2014/8、確認)。

※閉店していました。建物撤去済みで、跡地付近に階段と新コンコースを整備中です。この手の店が消えるのは、ファンとしてとても悲しいです(2017/3、確認)。

3 3 2 2 3 13
「あじあん(味庵岩国)」  実食日:2009/4

  1番ホーム&改札出て左。改札内外両側で食べられるようになっているが、メインなのは外側の方。外側にはテーブル席や座敷席まであるのに対し、内側は椅子付きカウンターが5席だけ。さらに、内側のカウンター席は厨房に面しておらず、配膳がちょっと面倒な位置にある。従業員としては、外側で食べてくれた方がありがたいのではないだろうか。
  この店はそば・うどんのほか丼ものや定食類も扱い、しかも全般的に値段が高いのだが、麺類の中でも、かけ310円、きつね・山菜・わかめ390円といった廉価メニューだけが駅そば価格に設定されている。少々豪華なメニューは、天560円など、とびっきり高い。変わりメニューにかきそば650円があるが、これも敷居が高い。かつてかきそばを出してくれた宮島口駅の駅そばが閉店してしまった現在、このメニューを扱うのは稀少な存在ではあるが。味覚的には、麺は細い冷凍、つゆはやや塩気が強め。カマボコが2枚乗る。細かい点をさらに挙げると、代金は後払いで、レシートが出る。割り箸は箸袋入り。使い捨てのお手拭きあり。経営は「味一」各店と同じJRサービスネット広島だが、使用食材はまったく異なっている。


※閉店(「まつの家」化)していました(2014/8、確認)。

3 3 1 5 3 1 16
「まつの家」  実食日:2014/8

  改札内外、上記「あじあん」の跡地にオープンした店。店内の席配置なども変わっていないようだ。配膳付き後払いというシステムも「あじあん」時代と同じ。
  「あじあん」時代と比較して、メニュー構成としてはそば・うどんが絞られ、ラーメンや定食類が充実した印象。山菜やワカメ、かきといったメニューが消滅している。代わりに、卵とじが登場。値段がだいぶ上がり、かけ370円、きつね・卵とじ470円、肉・天520円。当サイトの基準をオーバーしているが、特例を適用する。
  麺は茹で麺と思われ、特段の印象なし。つゆは色が薄く、味も薄めなのだが出汁はしっかりしていて好印象。卵とじは、お品書きに「こだわり」と記載されているのだが、ビジュアル面でややお粗末。大きな塊があり、細かい部分がつゆ全体に拡散している。私(素人)が卵とじを作るとこうなるかな、という感じ。揚げ玉を乗せ、花形のカマボコを添えるなど細部に工夫は見られるが、卵のとじ方は近鉄八尾「河内うどん」あたりに学んだ方がいいのでは? と感じる。


※駅舎改築に伴い、閉店していました。とても大きく立派な駅舎に生まれ変わりましたが、駅舎内に入っているのはコンビニと喫茶店のみで、そばの扱いはありません(2018/3、確認)。

3 3 1 4 3 2 16
★光駅(JR山陽本線)
「徳山駅弁当」  実食日:2009/12

  駅を出て左、駅舎隣接。ホームにも窓口を開けられそうな立地だが、外側からしか利用できない。立ち食いカウンター一列のみのシンプルな店。
  おそらく徳山駅や新南陽駅と同じであると思われる麺は、直径3mmほどある太丸麺。食べ応えはあるが、黒々としているわりに風味はあまりない。つゆにはこれといった特徴はない。しかし、麺との相性はよいと思う。かけ(「素」と表記)320円、天380円など。天の具材は真っ赤に着色されたオキアミのみだが、香りはよい。評点はかなり低いところに落ち着いてしまったが、それほど印象が悪かったわけではない。数値化する評価方法のアヤ。充分、立ち寄るに値する内容である。


3 2 1 2 3 11
★徳山駅(JR山陽本線・岩徳線、山陽新幹線)
「うどん杏」  実食日:2008/1

  在来線1番ホーム&改札出て左。改札内外両側から食べられる造りの店。ホーム側は立ち食いカウンターのみ、改札外側は椅子席あり。18きっぷをもっているのなら、改札外で食べた方が落ち着くかも。店名はオリジナルだが、実態は下記新南陽駅と同じ「徳山駅弁当」。よく見ると、店先に立っている幟の隅にも「徳山駅弁当」と書かれている。「うどん杏」とは、食券に印字されている。その食券は中央にミシン目が入ったタイプのものだが、半券が戻るわけではないので、意味をなしていない。
  この店最大の特徴は、「日本一」と言ってもいいくらいに太い丸麺。これだけ太い丸麺を作れる製麺機があったのか、と思うくらいだ。新南陽で食べたときにはそれほどの印象はなかった(太いことは太い、という程度)ので、違う麺を使っているのかもしれない。あるいは、新南陽で食べた2006/7以後に変わったのか。天・きつね・玉子各330円。「かけ」は「素そば」という名で扱っている。280円。麺類以外では、蒸しまん(肉まんのようなもの)を扱っている。冬場は重宝しそうだ。なお、業者名は「徳山駅弁当」だが、この店舗では弁当の販売はない。


※2009/12、再食。値上げ(素280→320円、天・玉子・きつね各330→380円。値−2点)していました。

※橋上駅舎化に伴い、閉店していました。跡地には何もありませんが、改札の廃墟が残っています。当然ながら、出入りできません(2014/10、確認)。

4 2 1 4 3 1 15
「駅一食堂とくやま」  実食日:2014/10

  改札外、南北自由通路上(在来線改札と新幹線改札の間)。橋上駅舎化に伴って、上記「うどん杏」が移転したと捉えられる店だが、山口県内の駅弁業者再編も絡んでいて店名・メニュー・業者のすべてが変わっているので、別店として掲載する。店内は「うどん杏」時代に比べて遥かに広くなり、椅子付きカウンターとテーブル席を合わせて24席ほどある。
  麺は、相変わらずの極太茹で麺。うどんほどの太さがある。個人的には食べ応えがあってよいと思う。うどんの方が優勢の地域だから、地元住民にとっても特に違和感はないだろう。しかし、東京あたりから訪れた観光客が食べると、「なにこれ? 灰色のうどん?」と違和感を覚えるかもしれない。そのくらいに、そばの風味は弱い。つゆは、かなり薄味。飲むぶんには問題ないが、麺を食べている時にだいぶ物足りない。太麺であればなおのこと、つゆにも存在感が欲しい。この店では、少々味が強いトッピングを乗せた方が満足度が上がるのではないだろうか。そばはうどんよりも全品10円高い設定(以下の表記はそばの価格)で、かけ320円、きつね380円、天390円、肉460円など。「うどん杏」時代にはかけを「素」と表記していたが、これは修正されている。既成メニューにはないのだが、鶏唐揚のトッピング(100円)がオススメっぽい。店頭でテイクアウト販売があるくらいなので。唐揚定食650円を食べる人も多く居合わせた。天はインスタントで、具材は真っ赤に着色されたオキアミのみ。箸はエコ箸。


※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、現在はかけ340円、きつね390円、天410円、肉480円になっています。きつねだけ値上げ幅が小さいのが、ちょっと不思議です。唐揚げ定食は、650円で据え置きです(2018/12、確認)。

2 3 1 4 3 2 15
★新南陽駅(JR山陽本線)
「うどん・そば」  実食日:2006/7

  改札を出て左、待合室内。駅の外側にも出入り口がある。待合室側は間口が狭くて窮屈な印象だが、駅外側は広い。徳山駅に本拠を置く駅弁業者の店だが、新南陽駅はそれほど乗降客が多いとは思えないので、徳山の隣駅だったのが幸いして店を出している、という印象だ。
  この店ではわりと太い茹で麺を用いているのだが、とにかく柔らかすぎて、コシも何もあったものではない。天もインスタント。関西風一徹のつゆが美味かったので特に減点はしないが、改良の余地はおおいにある。たぬきなし、天320円。具一品系は肉390円を除いてすべて320円で統一されている。ご飯ものはいなり寿司・おにぎり程度はあるが、いわゆる「駅弁」は扱っていない。


※運営業者が変わっていました(徳山駅弁当→小郡駅弁当)。もともと固有の店名がない店で、なおかつメニュー構成も特段変わっていないので、店名変更として扱うことにします(「徳山駅弁当」→「うどん・そば」)。「徳山駅弁当」時代の写真が手元にないため明確な比較ができないのですが、外観的にも看板が変わった程度です(掲載写真は現在のもの)。全体的に値上げしていて、現在はかけ(「素」と表記)320円、具一品系は370円〜で天380円となっています。なお、テイクアウトができますが、450円とかなり割高な設定になっていますのでご注意ください(値−2点。2018/3、確認)。

3 2 1 2 3 11
★防府駅(JR山陰本線)
「味一防府」  実食日:2008/9

  改札を出て左前方。スペースが結構広い分殺風景な印象を与える店。夕方の中途半端な時間帯だったとはいえ、4人掛けテーブル席を2つ擁している店で先客ゼロはちょっと寂しい。車で寄るには便利な立地だから、昼時には賑わうのだろうか。
  この店のそばは、麺△、つゆ○。麺は、味覚自体は決して悪くないのだが、歯の間に挟まって永久に出てこないような粘着質な感じが、個人的にはあまり好きではない。つゆは昆布出汁が強めに出ていて、薬味の青ネギによく合う。カマボコが入って、天380円。九州以外ではなかなかお目にかかれない丸天も380円で扱っている。なお、「味一」という名の駅そば店は広島・山口両県内で頻繁に見られるが、母体が同じであるかどうかは不明。広島や小野田の「味一」とは、メニューも値段も大きく異なる。経営母体は同じなのかもしれないが、駅そば巡りを楽しむ上では別店と考えていいだろう。

※値段等、変わっていません。消費増税による値上げはないようです。梅そば(380円)が登場していました(2014/8、確認)。

※閉店というと語弊がありますが、運営業者の再編成と同時に店名も変わり(「味一防府」→「味善」)、メニューや価格構成も変わっていたので、当サイト上では別店と捉え、この店は閉店として扱うことにします(2018/3、確認)。

4 3 1 3 3 1 15
「竹本家」  実食日:2014/8

  南口(港口)を出てすぐ前にそびえているイオン防府店内、1階フードコート。同名の海鮮系定食屋が並んでいて、注文口は共通になっている。フードコートなので、座席は数えきれないほどある。厨房上のお品書きにはうどんしか表記がないが、立て看板型のお品書きには「うどん・そば」と表記がある。
  麺は冷凍と思われる平麺。歯ごたえは良いのだが、ほとんど香らない。つゆもかなり淡く、ゴクリと飲むぶんにはよいのだが、麺を食べているときにかなり物足りなく感じる。香らない麺と淡いつゆを合わせるのは、どうかと。おおいに改善の余地があると思う。というか、うどんに合わせたつゆなんだろうと思う。かけ250円、月見・きつね350円、肉・梅わかめ・山菜400円(すべて税別)。実食は山菜そば。もっと味の強いメニューを食べていたら、印象が違ったかもしれない。きつねか肉あたりがオススメになるのではないだろうか。

2 3 1 4 3 3 16
「味善」  実食日:2018/3

  改札を出て左前方。上記「味一防府」の跡地。2010年に、山口県内で駅弁事業者の大合併があったのは、記憶に新しいところ。これに伴って駅そば店舗も再編成されることになった。徳山駅・新山口駅・下関駅などの駅そば店がリニューアルされている。防府駅はというと、看板を付け替えて店名が変わるという微少なリニューアルとなった。これをどう捉えるかで少々悩んだのだが、個人的に整理しやすい方法ということで、別店に変わったもの考えることにした。客席は、テーブル席が2人×2、立ち食いカウンターが7〜8人分くらい。
  麺は、やや太めの茹で麺。太いわりに食感は軽く、そばの香り少々。あまり艶のない、くぐもったような香り。殻の部分に由来していそうな香りだ。つゆは、カツオ系をまったく感じない、旨み系の出汁。丼の底に魚粉らしき沈殿がみられたので、ウルメかカタクチか、イワシ系だろう。少し甘みを注してあるものの、総じて薄味。つゆを飲まない人にとっては、少し物足りなく感じるかもしれない。たぬきなし、かけ320円、具一品系は370円〜。天400円。新山口駅「味善」にもあったレンコン天450円があるが、こちらは新山口と違ってメニュー名に「岩国」が付かない。「味一防府」時代との違いとしては、たぬき・丸天・ごぼう天が消滅し、蓮根天が登場。九州チックなメニューが一掃されているところが興味深い。値段は、メニューによって10円程度上がったり下がったりしている。価格体系が変わったと考えていい。実食は、梅そば370円(ワカメ入り)。トッピングは、大玉梅干しひとつ(種あり)。一応天日干しされたものだが、わりと歯ごたえがある。酸味はそれほど強烈ではなかった。箸はエコ箸。
  訪問は、平日の7:00。開店を待っての入店のため、先客0。後客も0だった。乗降者数は多い駅だが、新幹線どころか在来線同士の乗り換えすらない途中駅だけに、需要はそれほど多くないかもしれない。すぐ脇にセブンイレブンがあり、駅前にドドンとイオンが建っているのも、逆風になりそう。なんとか頑張ってほしいところなのだが。学割制度があり、回数券制度があり、テイクアウトにも対応。いろいろ工夫している様子がうかがえるだけに、応援したくなる。


3 2 1 3 3 3 15
★新山口駅(JR山陽本線・山口線・宇部線、山陽新幹線)
「味彩」  実食日:2006/12

  在来線改札脇にあり、1番ホーム側と改札外待合室側(写真)の両方で食べられる。メインは待合室側の方で、一列カウンターのみながら椅子を配している。品書きも、サンプル付きで掲示されている。一方のホーム側の方は立ち食いカウンターのみで、店名すら掲げられていない。僅かに足下に「コーヒー・軽食」と書かれた小さな看板が出ているだけ。品書きも店内にしかない。パッと見ただけでは、とてもそばを出す店には見えない。こうなると、匂いで嗅ぎ分けるしかない。
  ここの麺は色が黒く、ちょっと硬い感じの食感。首都圏のNRE駅そばの麺にちょっと近いだろうか。ただし、角に面を取ったような形状なので、舌触りは柔らかい。つゆは、色はわりと濃い感じだが、味覚的には純正の関西風。大判のカマボコが2枚入る。かけというメニューはなく、290円のかやくそばが最安値メニュー。その他は、具一品系は340円と350円のメニューが中心。下関「下関駅弁」に対抗しているのか、ふく天そばを扱っている。値段も「下関駅弁」と同じで450円。


※2009/12、再食。値段がだいぶ変わっています。現在は、かやくそば330円、具一品系は380円〜。ふく天そばも510円に上がっています。ちなみに、全品うどんは10円安い設定です。ふく天だけでなく、出汁やネギにも地元産へのこだわりやオリジナリティが見え(貼り紙類あり)、値上げはしたけど印象は向上しました(値−1点。付+2点)。

※駅舎改築に伴い、閉店していました。工事完了後にリニューアルオープンする予定があるようですが、立地が変わりそうなので別店と見なすことにします(2014/8、確認)。

4 3 1 4 3 4 19
「味善」  実食日:2017/3

  駅舎のリニューアル(橋上化)に伴って、待合室内(新幹線改札を出て正面にある)にオープンした。事実上上記「味彩」の移転なのだけれど、店名からメニューまでいろいろ変わっているので、別店とみなすことにする。待合室と店の間に間仕切りはなく、パーティッションで仕切られてはいるけれど、半露出店と言っていいだろう。一見するとすごく狭い店に見えるのだが、実際には向かって左手奥の方にもテーブル席があり、わりと広い。客席は、テーブル14席と椅子付きカウンター11席。セルフサービスの造りではあるが、配膳してくれた。後客にも配膳していたので、混雑時はともかく閑散時には基本的に配膳しているのだろう。
  麺は、ツルツルした食感。たぶん茹で麺。味はあまりない。大阪の「都そば」にやや近い印象を受ける。色こそちょっと違う(グレーが濃い)が。つゆは、イリコかイワシか、小魚系の出汁を思わせる風味。すっきりした中に丸みがあって、美味しい。塩加減もちょうど良い。全メニュー、うどんよりもそばの方が10円高い設定になっている。そばの値段(うどんは以下の記載より各−10円)は、かけ340円、きつね390円、天420円など。変わりメニューに、岩国れんこん天そば470円があり、これを実食。れんこん天は、東京ならレンコンに衣をつけて揚げたものを出すのだろうが、ここではさつま揚げにレンコンスライスを貼りつけたものが出てくる。ちゃんと、穴が9つ空いているのが泣かせる演出(岩国レンコンは、穴が9つあるのが特徴)。これは見た目に面白いし、食べても美味しい。やや厚めで弾力の強い薩摩揚げと、シャリシャリしたレンコン。食感のコントラストがとても楽しい。ご当地性もあって、良いメニューだと思う。考えてみれば、四国のじゃこ天も近年ではレンコンを練り込んだものなどが出ている。レンコンと魚肉練り製品の組み合わせは、いろいろな可能性を予感させる。
  酒類やつまみになりそうな一品料理(長州鶏唐揚300円など)、さらには萩夏みかんジュース230円などの喫茶メニューも充実している。いろいろなシーンで立ち寄れそうな店だ。訪問時(9:00頃)には先客1・後客3だったけれど、昼時にはもっと入るだろうし、アイドルタイムにも喫茶感覚での利用が結構あるのではないかと思う。周辺に飲食店があまり多くない駅だし、今後の展開にも期待が持てそうだ。


3 2 1 4 3 3 16
★宇部駅(JR山陽本線・宇部線)
「鬼笑亭」  実食日:2006/7

  改札出て左、待合室内。厚狭駅を本拠とする駅弁業者の出張店舗。だが、肝心の駅弁は置いておらず、そばのみの営業(おにぎり程度はある)。私が行ったときには暖簾がドアの内側に掛かっていたため、「まだ開店前なのかな」と思った(実食は9時頃)のだが、聞いてみると「6時半からやってるよ」と。どうやらこの店では、暖簾を掛ける場所にはあまり意味がないらしい。
  この店では、袋入りの茹で麺を客の前でビリッと開ける。あまり気持ちのいい光景ではないが、味覚的には悪くなかった。やや太めで食べ応えもある。カマボコとちくわが3枚ずつ入り(おばちゃんと懇意になったからおまけしてくれたのかもしれないが)、見た目にもすごく豪華な一杯である。おばちゃんに「駅そばを巡る旅をしている」と話したところ、「じゃあ、いつもより美味しく作ってやろうか」と言ってくれたのが印象に残っている。……いやいや、いつでも美味しく作ってくださいよ。たぬきなし、天330円、月見320円、肉390円。かやく290円という変わりメニューがある。


※閉店していました。跡地は、目だった改装をせずに小郡駅弁当の駅そば店になっています(店名未確認。看板から「鬼笑亭」の文字装飾が外されている)。時間外で実食できなかったので、次回訪問時の宿題になります(2017/3、確認)。

4 2 3 3 3 2 17
★小野田駅(JR山陽本線・小野田線)

「味一」  実食日:2001/8

  改札の外、待合室内にある。衝立等は一切無く待合室から丸見えだが、待合室自体が閑散としているのでそう支障はない。この店は、比較的関東風に近い、割と色の濃いつゆ。味は水準級。つゆよりも麺の方に力を入れているようで、黒く太い麺は食べ応え満点。西日本でこれだけ黒い麺を出す店は珍しいと思う。ただし、天はドン兵衛。冷水がやたらと冷たいのも印象に残った。たぬきなし、天310円。

※少し値上げしていました(天310→330円。値−1点)。他メニューには、かけ280円、山菜360円、山かけ・肉380円などがあります(2006/7確認)。

※値上げしていました。現在は、かけ300円、天350円、山菜380円、肉・山かけ400円などです。以前掲載していた写真が酷いピンボケだったので、特に改装等はしていませんが写真を貼り替えました(値−1点。2009/12、確認)。

※時間外訪問のため一部メニューのみでの確認ですが、消費増税に伴う値上げはなかったようです。天350円とは別に、かき揚げ400円があります。おそらく「天=ドンベ・かき揚げ=具だくさん」でしょう。かき揚げは、冷凍ものかな(店頭のメニュー写真を見て判断)。変わりメニューに、味一特製そば500円があります。写真を見た限りでは、内容は、天+玉+肉。旨味重視系の組み合わせメニューですね(2017/3、確認)。

※閉店していました。建物はまだ残っていますが、シャッターが閉まったままで上部の店名表示が外されています。作り物ではないリアルレトロな雰囲気が私好みの店だったので、残念です(2020/12、確認)。

4 3 2 2 3 2 16
★厚狭駅(JR山陽本線・美祢線、山陽新幹線)
「鬼笑亭」  実食日:2009/4

  正面改札を出て左。駅の外にも出入口がある。椅子付きカウンター一列だけで、キャパは8人。
  以前に宇部駅の同名店で食べたときにも感じたことだが、この店ではずいぶんと長い時間をかけて麺の湯通しをする。食べた感じからして茹で麺だと思うのだが、生麺並みの茹で方をする。それでもちゃんと歯ごたえが残るのだから、そういう麺なのだろう。黒々としていて、味は良好。つゆは、少々甘みがあるタイプ。面白いのは、カマボコが2枚入るほかに、やたら穴の大きなちくわ(スライス)が3枚乗ること。したがって、かけそばを注文してもそれなりに豪華な一杯になる。いただけないのは、調理が終わった途端におばちゃんが携帯をいじりだしたことか。せめて、見えないところでやってくれるとありがたいのだが。かけというメニューはなく、一番安いメニューが「かやく」となっている(310円)。他は、きつね340円、肉410円など。

※2009/12、再食。値段等変化ありません。そば・うどんの他に「手打ちうどん」があります(全品+40円、付+1点)。

※閉店(「ななせ」化)していました(2015/9、確認)。

4 3 2 3 3 3 18
「ななせ」  実食日:2015/9

  在来線口駅舎1階、上記「鬼笑亭」の跡地。運営していた元駅弁業者「鬼笑亭」が2014年5月に廃業したことでいったん閉店した後、7月に地元の製麺業者(三浦製麺)が後を継ぐ形で直営店を始めた。「鬼笑亭」は宇部駅にも出店していたので、こちらがどうなったのかと気になるところだが、どうやら宇部駅には小郡駅弁当が後に入ったようだ。つまり、「ななせ」はここ1店舗だけでのスタートということになる。駅弁事業者(もっとも、駅弁調製はだいぶ前にやめている)の廃業は悲しいニュースだけれど、駅そば店が受け継がれたことにホッと胸をなでおろした。席配置は「鬼笑亭」時代と変わっておらず、厨房と向き合った椅子付きカウンター8席のみ。
  麺は、ノーマルな感じの茹で麺。とりわけ美味いというわけではないが、なんだかホッとする食感・味。高得点にはならないけれど、心情的には結構嬉しい麺。つゆは、ちょっと刺激臭が気になった。中国地方にしては、比較的色の濃いつゆだ。メニューは「鬼笑亭」時代から一新されており、ほぼ「かけ」に相当する「かやく」は消滅していた。最安メニューはかけで、290円。カマボコ(2枚)と少量のとろろ昆布が乗るうえ天かすフリーのサービスがあるので、かけでも結構満足できそう。そのほかの主なメニューは、天380円、わかめ340円、肉450円など。地方にしては、わりと安い。製麺所直営だからこそできる価格設定と言えるだろうか。単品トッピングがいろいろあるのだが、「かけへのトッピングはできません」との注意書きがある。なぜだろうと思案してみると、価格が「既成メニュー>かけ+単品」になっていることに気づいた。天そば380円に対して、かけ290円+天単品80円=370円、という具合。つまり、「単品トッピング」は、種を2つ以上乗せる場合には少し割安価格で出しますよ、という意味合いなのだろう。実食は、天。これもおそらく、自社製の「サクサクごぼう天」だろう。具材ナシというわけではないが、ドンベに近い乾燥天ぷら。この天ぷらにして、天かすフリーのサービスがあるのが不思議。おそらく、ドンベとはいえ自家製天ぷらだから、工場で出た天かすを店舗に持ってきているのだろう。三浦製麺は天かす自体を商品化しているが、商品化されているものは当サイトでは「揚げ玉」と呼ばれるもので、フリーで置いてあるものとは違うのではないかと思われる(未確認)。ご飯ものは、おにぎり100円、いなりずし180円、親子丼480円、牛玉めし300円がある。カレーをすっ飛ばして親子丼・牛玉めしを扱うあたりがちょっと珍しく感じる。というか、牛玉めし300円は魅力的だ。ミニそば・うどんとのセット500円もある。次回訪問時に試したくなりそうだ。箸はエコ箸。営業時間は、7〜15時。朝は早いが店じまいも早いので、食べたい場合にはお早めの時間帯に訪問を。


※残念ながら、2016/7末付で閉店していました(張り紙あり)。跡地には、現在のところ何も入っていません。カウンターなどの固定設備はそのまま残っています。今なら居抜きで入れる状態なので、どこか入らないかな……(2017/3、確認)。

3 2 2 3 4 2 16
★小月駅(JR山陽本線)
「下関駅弁」  実食日:2006/7

  改札出て右、待合室内。すごく狭い待合室の中に、駅そばとKIOSK売店をむりやりねじ込んである。下関駅が本拠の駅弁業者の店だが、市の代表駅でもない住宅地の駅に駅そばがあるというのは感心する。山口県は駅そば文化浸透度がかなり高い。
  下関駅で一度食べている(下記参照)ので、味についてはだいたい想像がついたし、だいたい想像どおりだった。ただ、下関では食べられなかった「ふく天そば」を、遂に実食することができた。シロサバフグの一夜干しを一匹丸ごと揚げたふく天を豪快に乗せた一杯で、これは印象が強い。しかも輸入品ではなく、地元下関で水揚げされたものを使用しているという。下関駅で食べたとき(2003/7)に比べて多少値上げした(400→450円)ようであるが、それでもなおお得感が強い。ふく天の単品注文もでき、170円。これを一つ買って列車内で食べるのもまた一興だろう。たぬきなし、天350円。天も2003年当時(320円)と比べて多少値が上がっている。


※閉店していました。建物撤去済みで、跡地には何もありません。ガランとしていて寂しい待合室になっています(2018/3、確認)。

4 2 3 2 3 5 19
★新下関駅(JR山陽本線、山陽新幹線)
「下関駅弁」  実食日:2009/4

  新幹線口改札内外。この駅の新幹線口改札は在来線と新幹線の改札が並んでいるのだが、食べられるのは改札外と、在来線改札内。新幹線改札内からは食べられない。さらに言うと、メインなのは改札外で、こちらはデーブル席・カウンター含めて20人程度収容できる。一方の改札内の窓口(写真)は、お一人様専用である。もちろん、立ち食いのみ。
  味覚的には、下関駅と変わらない。つゆの清涼感が際だっていて、非常に美味しい。ただ、カマボコがフク型ではなかった(普通の紅白カマボコ)点だけが、下関駅の店舗とは異なっていた。かけ300円、かやく370円、ふく天470円などに加え、もずくそば360円が新発売されている。もずくそばは、比較的廉価に感じる価格設定だ。


※下関駅同様、業者合併統合後も存続していますが、運営業者が変わり、店舗の構造も少々変わった(改札内では食べられない造りになった)ため、別店として記事を立てます。よって、この店舗については閉店とみなします(2018/12、確認)。

5 2 2 4 3 5 21
「新下関駅うどん店」  実食日:2018/12

  新幹線口改札を出て右すぐ。上記「下関駅弁」の跡地というか、業者が変わって承継されているというか。ただし、「下関駅弁」時代には在来線改札内外両側から利用できる造りだったのに、現在は改札外側からのみ利用できる造りに変わっている。まぁ、当駅で下車する人も、在来線から新幹線に乗り換える人も、いったんは改札を出ることになるのだから、改札内窓口の必要性はさほどなかったのだろう。客席は、フロアの中央部に8人掛けの大きな島式テーブル、壁際に椅子付きカウンター4席+立ち食いカウンター6人ぶんくらい。食券はそばとうどんとでボタンが分かれており、そばの食券には白抜き文字で「そば」と印字される。おそらく、店員に対する注意喚起のためだろう。それだけうどん優勢で、そばを注文する客は少ないのだろうと想像できる。ちなみに、当サイト上での店名は、食券印字の文字列を採用している。
  麺は、個包装の茹で麺。色黒でわりとそばの香りがあるが、エッジがないので舌触りがあまりそばっぽくない。つゆは、イワシ系の出汁をストレートに利かせたもの。塩気はほどよく、飽きがこないし物足りなさもない。食後には爽やかな余韻が長く残る。私の好みにバッチリはまる味だ。一味唐辛子との相性が非常に良い。かけに相当する「並」が320円。「下関駅弁」時代の特徴的なメニューもすべて継続販売。もずく400円、かやく410円、ふく天600円。だいぶ値段は上がってしまったけれど、残っているだけでも素直にうれしい。レパートリーは下関駅の店舗とほとんど同じだが、カレーライス480円は下関にはなかったように思う。実食は、ふく天そば。「下関駅弁」時代には、下関駅ではフグ型のカマボコ、新下関駅では普通の紅白カマボコが使われていたが、いつからなのか新下関駅でもフグ型のカマボコに切り替わっていた。ふく天は、下関と同じ仕様で、シロサバフグを丸ごと一匹使ったもの。揚げ置きだけどふっくらとやわらかく、美味しい。味が淡白なので、出汁の香りをしっかりとまとってくれる。箸はエコ箸。
  平日16:00頃の訪問で、先客1・後客1。どちらもスーツリーマン。出張族かな。下関駅にくらべると観光客の利用が多くなさそうに感じる店舗。変わり種よりも定番メニューの方がよく出ているのではないかと思う。


※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。「うどん」のみだったものから「そば」が併記されたものに。そばも扱っているというアピールが少しだけ入った形です。店頭のメニュー掲示は、相変わらずうどんのみですが。なお、消費10%増税を経て、値上げしています。現在、もずく420円、かやく430円、ふく天640円です(2020/12、確認)。

5 3 1 3 3 5 20
★下関駅(JR山陽本線)

「下関駅弁」  実食日:2003/7

  本州の西の端っこで、中国地方随一のオススメ駅そばを発見。名物「ふく天そば」(400円)を擁する店が、改札を出た向かいにある。何がオススメかというと、とにかくつゆ! ここのつゆは直方「東筑軒」にも劣らない味で、出汁が素晴らしい。また、細かい点にも配慮が行き届いており、入口横に旅行者用の荷物置き場もある。これ、結構嬉しい。土地柄、旅行者の利用が多いのだろう。なお、私が行ったときには、残念ながら「ふく天」は完売済。天(320円)への切り替えを余儀なくされた。天に関しては特記事項なし。関西特有の、薄っぺらいかき揚げである。たぬきなし。

※値上げ(天320→350円、ふく天400→450円。値−1点)していました(2006/12確認)。

※値上げしていました。現在の価格は、かけ(「並」と表記)300円、かやく370円、ふく天470円です。サービストッピングのカマボコがフク型になっていました。これは面白いと思います。新メニュー「もずくそば」が発売されていました(360円)。また、箸はエコ箸に変わっていました(値−1点、付+2点。2009/4、再食確認)。

※閉店していました。跡地は、ゆめマート(スーパー)の一部になっています。少し場所を移して「味一」がオープンし、ふく天そば等の主要メニューが承継されています(業者や立地が変わっているため、別店として掲載。2014/8、確認)。

5 2 2 3 3 7 22
「下関駅弁」  実食日:2006/12

  6&7番ホーム中程。上記店と同じ経営で味も値段も同じと思われるのだが、出店地が異なり、メニューの種類にも多少違いがあるようなので、別店として扱う。ホームの店舗ではかやく350円、天350円、肉420円、ふく天450円の4種類しかない。
  味覚的には上記店とほぼ同じだから詳細は省くが、ほんのりと甘みが射したつゆは相変わらず絶品級だった。今回はかやくそばを試したが、具材は味つききざみ・味つき椎茸・卵焼き・カマボコ。カマボコはデフォルトトッピングだろうか。廉価なわりに見栄えのするメニューである。
  本当は今回もふく天そばを食べたかったのだが、15時の時点ですでに売り切れていた。人気テレビ番組「もしもツアーズ」年末スペシャルの中でこの店が紹介されて以来、急激に客が増えたのだという。実は私もこの番組が好きで観ていたのだが、武田信治の食べっぷりがまた美味そうだったからなぁ。この店舗だけではなく、上記改札外の店舗にも回ってみたのだが、こちらもやはり売り切れだった。ふくを一匹丸ごと使ったそばを450円で食べられる(番組内では車内持ち込みで470円と紹介されていた)とあれば、視聴者が食べたいと思うのも無理はないことだろう。店員のおばちゃんは感慨深げに「テレビは怖いわねぇ」と言っていた。ちなみに、ロケが行われたのは3&4番ホームの店舗だが、この日この時間には開いていなかった。なお、小月駅(上記)や長府駅(未食)の「下関駅弁」でも同額でふく天そばを扱っている。下関の各店舗で売り切れていた場合には、時間が許すのならこちらに回るといい。

※改札外店舗同様に値上げしていました。現在は、かやく370円、ふく天470円です(値−1点。2009/12、確認)。

※な、なんと! 閉店していました。……痛恨です。他の駅はともかく、ここは絶対に閉店してはいけない店だと思っていたので……。建物もすでに撤去され、ガラス張りの待合室になっています(2012/12、確認)。

5 2 2 2 3 3 17
「味一」  実食日:2014/8

  山口県内における駅弁業者合併に伴い、下関駅から一度駅そばが消滅したのだが、小郡駅弁当の駅そば「味一」となって復活した。場所は、改札を出て、短い階段を下りて左、西口出口の手前左側。立ち食いカウンターとテーブル席(4人×4)があり、ゆったりしたフロア。下関駅弁時代と同じように、大荷物を背負った旅行者に優しい造りになっている。
  業者が変わって味もメニューも変わってしまったんだろうと思ったが、基本的に下関駅弁時代の味・メニューが踏襲されたようだ。麺はやや太めの茹で麺。つゆは、色はかなり薄いのだがほどよく塩気があって美味しい。これこれ、このつゆを味わえるのが下関で途中下車する醍醐味だったのだ。メニューも、ふく天470円、かやく370円、もずく360円といった下関駅弁時代のオールスターが勢ぞろい。ふく天はシロサバフグの一夜干しを1匹まるごと使用し、ふく型のカマボコが添えられる。下関駅弁時代のままだ。かやくそばのトッピングも変わっていなかった(嬉しさのあまり、2杯食べてしまった)。変わったのはネギくらいか。アサツキから万能ネギ(分葱?)に変わっていた。箸はエコ箸。


※2014/10、再食。下関オールスターズはひととおり食べておきたくて、早々に再食しました。今回は、かやくそば370円。トッピングは玉子焼き・椎茸煮・刻み揚げ・カマボコ。以前と変わっていません。カマボコは、ふく天そばに乗せるフグ型のものではなく、紅白カマボコです。メニューによって使い分けているようです。芸が細かい。値段が安いわりに見栄えがするので、揚げ物が苦手な方には特にオススメなメニューです。

※微妙に改装していました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、現在はかやく390円、もずく380円です。ふく天は、580円まで上がってしまいました。仕入れ価格が高騰しているのでしょうか(値−1点)。
  「改装というほどではない」という声も聞こえてきそうですが、実は「弁当」の表示が消えたことに大きな意味があります。この店を運営する小郡駅弁当は駅弁事業者ですが、2015年4月に弁当事業から完全撤退しました。山口県内最後の弁当事業者だったので、これで山口県から駅弁が完全に消滅したことになります(製造元が消滅したという意味。広島駅弁当が一部の駅で弁当販売を継承しているので、山口県内で駅弁が買える駅は残っている)。駅そばが残るか、駅弁が残るか。これは地域や業者ごとに判断が異なっています。各地で頑張るしかない駅そばと、大都市部でのフェア頼みの駅弁。どちらを存続させるかの判断が分かれているのがたいへん興味深いところです(2018/3、確認)。


※値上げしていました。現在、もずく400円、かやく410円、ふく天600円です。ちなみにかけは「並」という表記で、320円です(2018/12、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、並340円、もずく420円、かやく430円、ふく天640円です(2020/12、確認)。

5 2 1 4 3 7 22
★湯田温泉駅(JR山口線)
「もへじ」  実食日:2004/8

  駅を出て左前。目抜き通り(といっても、狭い道)の角にある店。湯田温泉駅は、駅前に商店街が開けていないので、シンプルな構えでも非常に目立っている。
  この店は代金前払いながら配膳つきで、座席配置も高い蕎麦屋のようにゆったりしているので、「駅そば」というイメージからは少し離れている。しかし、たぬき350円と、値段的には完全に駅そば価格である。5分ほど待たされてから出てくるそばは、極太のヌルヌル麺が最大の特徴。美味。関西風のつゆには、このタイプの麺がよく合う。しかし、具はいただけない。既製品だが平均的なものよりも硬質で、スナック菓子を食べているような感じ。違和感がある。しかも、妙に味が強いので、繊細なつゆの風味がやや飛び気味だった。細かいサービスは、嬉しいことがいっぱい。まず、新聞あり。5分待ちなので、これはありがたい。それから、飲み水はウーロン茶。ついつい3杯も飲んでしまった。また、そばにはカマボコとナルトが入っている。どちらも珍しい具材ではないが、両方入っていることはあまりない。

※閉店していました。跡地は居酒屋です。道路の向かいに「湯田駅前うどん」がオープンしていますが、そばは扱っていません(2009/12、確認)。

3 2 2 3 4 2 16
★山口駅(JR山口線)
「しゃぼてん」  実食日:2015/9

  駅を出て右、交番の先にあるパチンコ店「テキサス」の駐車場内。山口駅へ行ったのは、駅舎内にオープンした「味一」で食べるためだったのだが、なんと年に一度の総会日に当たってしまい、臨時休業。……どんだけツイてないんだ。途方に暮れて周囲を見回したら、この店が見つかった(駅を出て右を向くと見える)。捨てる神あれば拾う神ありとは、このことか。一応看板は「うどん・そば」になっているけれど、出入口ドアにドンと表記されているのは「中華そば」。窓に掲示されたメニュー一覧には、定食類の写真を大きく掲載。パチ屋併設店にありがちな、「なんでもあり」の店だ。まぁ、そば・うどんを扱っていて価格的にも対象内なので、問題なく当サイトに掲載できる。口頭注文→代引き制で、客席はテーブル席4人×2と椅子付きカウンター9席。
  麺は、太く角ばった茹で麺。少しゴワゴワしてつゆに馴染みにくいものの、食べ応えがあってこういうのは結構好き。徳山駅弁当(今は小郡駅弁当)の麺に近い印象だ。中国地方にはこんな感じの麺で出す店が結構ある。肉そば実食のためつゆはやや甘みが勝っていたのだが、おそらく本質的にはあっさりしたつゆだろうと思う。薄口醤油ながら大豆のまろやかな旨みが感じられ、こなれた味わい。パチ屋併設店にしてはかなりレベルが高い。全国で見ても、(これまでの実食店の中では)3本の指に入る。肉は牛肉で、薄いカット。縮れがあってほどほどに脂身がある。吉野家の牛丼の肉に近い。これもジャンクだけど美味いね。かけというメニューはなく、きつね・月見・かき揚げが400円で最安メニュー。肉は450円。そば・うどんメニューは以上。ほかには、ラーメン450円、カレーライス400円、カツ丼450円、とんかつ定食600円など。全体的に、パチ屋併設店にしてはわりと安い設定だ。特にご飯ものが安い。カツカレー450円あたりはかなりお値打ちに感じる。ミニうどん200円の設定があるので、ご飯もの+ミニうどん(そばに変更できるかは未確認)のセットにして食べるのが一番満足できそうに思う。箸はエコ箸。


4 4 1 3 3 3 18
「味一やまぐち」  実食日:2017/3

  駅を出て右すぐ、駅舎の外側。駅舎内にも、ひっそりとした出入口がある。新店というほど新しくはないのだけれど、2010年4月のオープンということで、初めて当駅に降り立ったとき(2004年8月)にはなかった店だ。2015年9月に来たときには、なんと年に1度の総会日に重なってしまい、臨時休業で食べられず。総会日に店を休みにするというのは、東京ではあまり考えにくいことなのだけれど、地方ではよくあることなのだろうか。なにはともあれ、執念の再訪で実食が叶った。客席は、規則性なく配置されたテーブル席が3・3・3・2、椅子付きカウンターが4席。ただし、3人掛けテーブルは通常なら2人掛けとするような小さなテーブルに無理やり椅子を3つ置いている感じ。
  麺は、個包装の茹で麺。目撃したわけではないのだが、ビリッと袋を破く音が聞こえてきた。ツルツル系の舌触りで、同日訪問の新山口駅「味善」の麺によく似ている。つゆは、新山口「味善」とはちょっと違う印象。小魚系という感じではなく、コンブが中心なのかなと感じる。旨味の方が前面にある感じなのだ。値段は高い。かけ400円、たぬき430円、きつね500円など。全メニュー、うどんよりもそばの方が50円高い設定になっている(本記事で記載しているのは、すべてそばの価格)。面白い点としては、「天ぷらそば」および「かき揚げそば」という名のメニューがない。近しいところとしとしては、ごぼう天530円・えび天670円がある。実食は、ごぼう天そば。ごぼう天は、角材型カットのゴボウを単独揚げにしたもので、注文後に揚げる。九州に近い立地ではあるけれど、九州以外の駅でこの手のごぼう天を食べられるとは思っていなかった。繊維質の歯ごたえが強く、土の臭いもしっかりしている。一方、揚げたての衣はサクサクしていて、コーンスナックのような香ばしさがある。これはなかなか美味しい。ゴボウのカットがもう少し太ければ、ごぼう天としての歴代5本指に入ったかも。変わりメニューに、スペシャルそば950円。試してみたい気持ちはあるけれど、値段的にちょっと。単なる全部乗せ系だったらガッカリだなと思うと、手を出しづらい。ご飯ものは、むすび180円・白ごはん130円のほかに、カレーライスが3種設定されている(520円〜)。全体的に値段が高めなのがちょっと苦しいところではあるが、味は良い方なので、上記「しゃぼてん」とうまく使い分けるといいだろう。末永く共存してほしいところだ。
  気になるのは、山陽本線から外れた当駅でどのくらい需要があるのかだ。10:30頃の訪問で、先客2・後客3だった。アイドルタイムにしては、わりと入っている印象だ。しかも、後客のうち2人は、制服姿の女子中学生。それぞれ肉うどん・たぬきそばを注文し、私よりも大きな音をたててすすりこんでいた(笑)。以前に広島駅でも、制服姿の中学生がうどんをすする姿を目撃したことがある。高校生どころか中学生までもが利用するのは、中国地方ならではの特徴かもしれない。東京や大阪では、電車で通う中学生自体が少ないからなぁ。地元の若い人に支持されるのであれば、当座は心配なかろう。箸はエコ箸。


4 3 1 3 3 2 16


エリア選択ページへ戻る

駅そばトップへ戻る

inserted by FC2 system