四 国
(徳島・香川・愛媛・高知)

現在、38軒掲載(うち6軒は、閉店確認済)
★徳島駅(JR高徳線・牟岐線)
「かけはし」  実食日:2008/10

  1&2番ホーム(階段下)。壁に沿った椅子付きカウンターでゆっくり食べられる店で、四国では珍しくそばとうどんを同額で出す。
  麺は、冷凍っぽい食感・味。つゆはかなり甘かったが、これはおそらく肉そばをチョイスしたためだろう(肉汁やタレが滲み出る)。1枚乗るカマボコに模様(風景?)が練り込まれているのが面白い。かけ300円、きつね350円、肉450円など。じゃこ天(400円)は、注文後に揚げるというこだわりの一品。天系は、かき揚げ400円と天ぷら450円がある。おそらく、かき揚げはインスタント、天ぷらは自家製なのだろう。

※閉店していました。階段下に造りつけの建物は、そのまま放置されています(2012/12、確認)。

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「麺家れもん」  実食日:2012/12

  改札を入って右手、2番ホームにある。2011年12月にオープンした新店。地域の社会福祉法人が知的障害者の就労支援の一環として運営する、ちょっと異色な店。かつて同じホームに上記「かけはし」があったが、跡地ではない。椅子付きカウンターのみで、席数は8。ただ、8人入ってしまったら身動きが取れなくなるであろうと思えるくらい、フロアは狭い。半券もぎりタイプの食券制で、実際にもぎって受け渡しが行われる。
  この店のそばは、伝統的にこの地域で食されている「祖谷そば」を忠実に再現したもの。麺は太く短く、箸で持ち上げただけでプツプツと切れてしまう。若干食べにくさを感じる部分もあるが、この素朴さが「祖谷そば」らしくて、個人的には○。阿波池田「ちゃみせ」のように平打ちではなく、断面が正円に近い麺なので、よりモッサリ感が強い。香りも豊かだ。つゆは、かなりの薄味。飲む分には美味しいが、麺の香りに若干負けている印象がある。祖谷(かけに相当)350円(刻み揚げ・カマボコ入り)。これとは別に、粗挽き昔そば(400円)というものがある。詳細未確認だが、麺が違うと思われる。全体的にそばよりもうどんの方が安いのは、四国ではお約束。かけうどんは200円と安い。メニューはそれほど多くないのだが、変わり種が目立つ。ねぎあんかけ、五目あんかけ、梅おろし、和風ラーメンなど。一方で、月見などのオーソドックスなメニューがだいぶ端折られている。薬味には、七味・一味のほか、柚子こしょうとネギ油を完備。ネギ油は和風ラーメン用だろうか。


※2014/8、再食。味覚的には大きな変化はありません。値段が上がり、メニュー名もいろいろ変わっていました。かつての祖谷そばは「祖谷仕立て蕎麦」と名を変えて、380円になっています。メニュー名変更の背景には、登録商標の問題などいろいろ大人の事情があるようです。粗挽き昔そばは「特撰十割そば」になり、530円。かけうどんは250円です。和風らーめん300円と梅おろし480円は健在ですが、ねぎあんかけ・五目あんかけは終了しています。祖谷仕立てには徳島県三好産の玄そばを100%使用して二八で打ち、特撰十割には徳島県祖谷産の玄そばを100%使用しています。改札内の店なので、乗車券か入場券がないと食べることができません(改札で頼んでも入れてもらえないそうです)が、毎週月・水・金曜(祝日を除く)の11:30〜13:00に、ケータリングカー「麺家れもん号」による駅前販売があります。そば400円と少々割高設定ですが、話題性抜群なので一度試してみたいものです(付+2点)。

※2018/3、再食。値上げしていました。現在、祖谷仕立て430円、かけうどん300円、梅おろし530円です。和風らーめんは終了していますが、ねぎあんかけは復活しました(うどん450円・そば530円)。また、ケータリングカーでの駅前販売は終了しています。
  今回は、新たに加わったメニューのそば米ぞうすい530円を食べてみました。挽かずに粒のまま使う蕎麦の実を米に見立てた雑炊です。具材は、サトイモ・ニンジン・椎茸・コンニャク、そして阿波尾鶏。薄味なのですが阿波尾鶏の旨みがよく出ていて、なかなか贅沢な旨みを楽しめます。そばの香りとのマッチングも良いです。そばの実を挽くところから自前でやっている店ならではのメニューでしょう。
  10:00の開店を待っての入店だったこともあり、先客0(私がこの日の一番客)。後客も0だったのはちょっと寂しいですが、昼時には賑わってくれるのだろうと思います。私も、応援していきます。


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★佐古駅(JR高徳線・徳島線)
「とば作」  実食日:2018/3

  駅を左(南)側に出てすぐの大きな交差点を対角に渡り、右へ20秒。徳島県内に数店舗を構えるミニチェーン店で、基本的にはセルフうどんだが、そばも扱っている。チェーン店とはいえ店舗数は少ないし、雰囲気的にもチェーン店っぽさは皆無だ。システムは、讃岐うどんスタイル。入ってすぐ右手に、丼に入ってラップをかけた状態の茹で麺が並んでいるので、好きなものを取って、セルフで湯通し。次にセルフトッピングやサイドメニューなどをチョイスし、有人レジで精算。最後にセルフでつゆを注ぎ、薬味を乗せ、奥の客席へ。つゆは寸胴ではなく、コックを倒すとジョロジョロと注がれるタンクタイプ。薬味は、ネギだけでなく花かつおも用意されている。客席は、テーブル席が4人×4、椅子付きカウンターが12席。間口右手にテイクアウト専用窓口を併設している。
  そばがある以上は、当然そばを選択。トッピングには、丸天と玉子天を合わせた。麺は、細うどんほどの太さがある。祖谷そば風ということだろうか。祖谷そばほど色黒ではないのだが。少しネットリする食感で、そばの香りもまずまずある。食べごたえもあって、なかなか私好みの麺だ。つゆは、イリコ+昆布の出汁だろうか。少し濁りがみられる。味見をする前に花かつおを乗せてしまったこともあり、ちょっと解析しにくかった。丸天は、九州のそれようなさつま揚げ様のものではなく、おそらく自家製のドンベ。ほぅ、徳島ではこれを「丸天」と呼ぶのか。これに近い表記としては、三ノ宮駅(兵庫県)近くの「松屋」で実質ドンベを「丸天ぷら」と表記していた例がある。興味深い相似点だ。「とば作」の丸天は、パリパリに固いが、つゆに浸かるとふやけやすい。だから、パリッと食べたい場合にはそばの上には乗せない方がいいだろう。玉子天は、半熟玉子をひとつまるごと天ぷらにしたもの。黄身がギリギリ流れ出ないくらいの、絶妙な半熟加減。美味しい。かけ(小)200円で、そば・うどん同額。値段も安い(小といっても、ボリューム感に難はない)。丸天100円、玉子天100円。総じて、とても良い店。早急に全店舗を訪問してみたくなった。
  平日10:30頃の訪問で、先客1・後客1。昼のピーク前のアイドルタイムだから、こんなものだろう。後客は食べるのがとても速い人で、私よりも先に食べ終えて出ていった。おそらくこの人だけでなく、この手の店を利用する人は多くが速食なのだろうと思う。四国ではいつでもどの店でも感じることなので。


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★阿波池田駅(JR土讃線・徳島線)
「ちゃみせ」  実食日:2005/8

  駅を出て左すぐ。駅に隣接している。配膳つき&後精算&有人レジ(レシートも出る)&高めの店なので、「駅そば」のカテゴリーに入れられるかどうか微妙なところだが、四国は頭数が少ないので、含めることにする。
  四国というとうどんが前面に出る。そばよりもうどんの方が値段を安く設定している店も多い。ここも例に漏れずなのだが、100円の差があるというのは前代未聞。かけに相当する「祖谷そば」は400円、かけうどんは300円。具が入るとさらに高くなり、きつねそば450円、天は550円である。
  味覚的には、ポソポソしていて、箸で持っただけで切れてしまう幅広麺に特徴がある。あまりいい意味での「特徴」ではないが。それから、花の模様が入った綺麗なカマボコが乗るのも特徴か。
  どうでもいいことかもしれないが、私の後ろの席で、私を乗せてきた列車の運転手がうどんを啜っていたのが妙に印象的だった。定食や飲み物も豊富に揃えており、駅そばと言うよりは駅前定食屋といった風情である。土産物も売っている。

※2009/12、再食。値上げ(祖谷400→430円、きつね450→480円、天550→580円)していました。うどんも、全品30円ずつ上がっています。単品メニューが高いだけに、祖谷そば定食680円にお得感がありました。カマボコは、普通の赤板になっていました。今回は昼時だったこともあってかなり賑わっていましたが、やっぱり制服姿の駅員さんの姿がありました。

※改装というか、貼り紙や置物類が増え、賑やかな印象になりました(写真は左:旧、右:現)。一時期店頭に等身大の人形が置かれていたことから、多くの人に「人形の店」と呼ばれ親しまれていましたが、その人形は撤去されています。ちょっと残念。各メニューとも、値上げしています。現在、祖谷470円、きつね540円、天650円です。うどんも、かけ370円に上がっています。祖谷そば定食は、760円。これとは別に、「祖谷そば+ちりめんごはん+お新香」の祖谷そばセット680円があります(2014/8、確認)。

※閉店していました。跡地は、セブンイレブンです。ここは結構思い入れがある店だったので、たいへん残念です(2018/3、確認)。

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★大歩危駅(JR土讃線)
「お立ち喰い処(歩危マート2号店)」  実食日:2018/3

  駅を出て、目の前の一本道(坂を上る)を1分、左側。まさかこの駅にこの手の店があるとは思っていなかったので、邂逅して感激! 道路の右側にスーパーというか日用食料品店の「歩危マート1号店」、左側に土産店+軽食堂の「歩危マート2号店」が対峙している。観光客の利用が多い駅だから、店もある程度観光客を意識したもののようだ。ちなみに店名の「歩危」は「ぼけ」と読み、駅名の読みも「おおぼけ」。隣には小歩危(こぼけ)駅がある。カタカナで「大ボケ・小ボケ」と表記すると、なんだか漫才みたいでちょっと面白くなる。脱線御免。客席は、店内にテーブル席が4人×2。間口右手の窓口のところにカウンターが3人分ほどあり、ここで立ち食いも可能。店頭のお品書きに「食券を買ってください」と記載されているが、券売機などはなく、代引きでの対応だった。
  麺種は不明だが、食べてみた印象としては乾麺を連想させる。ポソポソした食感。まぁ、全挽粉を高い割合で使う祖谷そばは概してこういう食感だから、特段驚くようなことはない。阿波池田「ちゃみせ」や徳島「麺家れもん」の麺よりももっとつなぎが弱く、提供された時点の長さを保って食べるのは至難の業。かなり好き嫌いが分かれると思うのだが、個人的には祖谷そばらしくて良いと思う。香りもしっかり感じられるし。つゆは、イリコ出汁が中心。爽やかで、かつ丸みのある味。上品さと野趣を兼ね備えた味わいで、美味しい。七味より一味の方が合うだろう。メニューは少なく、そばは祖谷そば400円(大盛り600円)のみ。確か「祖谷そば」の表記は商標登録されていたはずだが、大丈夫なのだろうか。トッピングは、甘辛く炊いた椎茸少々+刻み揚げ少々+カマボコ2枚。他に、うどん350円(大盛り450円)、ぼけあげ(揚げ豆腐のようなもの)350円、祖谷とうふ(冷奴)300円、ぼけ祖谷汁(けんちん汁みたいなもの?)500円を提供。飲み水はお茶(温)。客席フロアに石臼が置いてあり、客が自ら茶葉を挽いて抹茶を作り、飲むことができる。これは面白い趣向。ちょっと飲み方にコツが要るのだが。ガバッと飲むと喉がイガイガになるので、お湯を少なめに入れたら軽く茶碗をゆすって、上澄みの部分を飲むようなイメージ。お湯が多いと、ゆすっても抹茶が溶けないので注意を。
  平日14:30頃の訪問で、先客0・後客0。1号店の方にはちょこちょこと観光客や地元住民が入っていたが、2号店は閑散としていた。だからということもあるのだろうか、4人いるおばちゃん店員がとても世話焼きで、お茶の淹れ方なども手取り足取り教えてくれた。アットホームな雰囲気で、旅情もある。もちろん味も悪くないのだけれど、それ以前に雰囲気で「また来よう!」と思わせる店だ。


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★高松駅(JR予讃線・高徳線)
「さぬき麺業本店」  実食日:2001/3

  うどん専門店なので、厳密には「駅そば」ではないのだが、讃岐うどんはことのほかお気に入りなので、これも駅そばカテゴリーに入れることにする。高松駅から徒歩3分の兵庫街商店街(アーケード)には、3軒のセルフうどん店がある。そのうち、もっとも駅から近いのがここ。驚くべきはとにかく値段、かけうどんはなんと150円である。味ももちろん最高。高松市街に多いセルフ店の中では衛生面も良好な方なので、誰でも気軽に入れそうだ。うどん以外にも肉じゃが(120円)やお浸し(80円)などの一品料理が豊富なので、バランスを考えた食事も可能。一品料理をうどんにトッピングする手もある。

※閉店(「はなまるうどん」化)していました(2008/10、確認)。

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「こんぴらや」  実食日:2001/3

  これまたうどん専門のセルフ店。上記の「讃岐麺業本店」から50mと離れていない場所にある。ここの麺はとにかくコシが強くて、はっきり言ってサルでもその違いが分かる。照明も明るくて入りやすい店だが、人員が足りないのか、テーブルはつゆで汚れていたりしてあまり綺麗ではない。しかし、厨房で職人がうどんを打つ姿をライヴで見られるのは素晴らしい。観光客向けの店ではないが、観光を兼ねて食事ができる。ここで食べれば、「高松に来た」という実感が湧くこと間違いなし。ここもかけうどんは150円。高松名物のしょうゆうどん(冷たい麺に大根おろしを乗せ、特製しょうゆをかけて食べる)は220円。

※前回訪問から10年以上経っているので当然と言えば当然ですが、値上げしていました。げんざい、かけは小180円・中240円・大280円、しょうゆうどんは小250円・大350円です。変わりメニューとしては、釜明太うどん410円、明太子マヨネーズうどん小320円・大420円があります。暖簾が片方外れれた(写真は左:旧、右:現)のは、入口専用・出口専用になった、ということでしょうか(値−1点。2014/8、確認)。

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「さぬき一番」  実食日:2001/3

  「こんぴらや」の斜め向かいにあるうどん専門店。こちらはセルフではなく配膳つきなので、ますます「駅そば」から離れてしまうのだが、値段を考えれば「駅そば」に入れても問題ないだろう。ここは、上記の2店と比べるとやや高く、かけうどん170円(それでもメチャ安)。170円で配膳までやって採算が合うのか心配になってしまう。しかも、かけうどんには削り節が山盛り入っている。ここの麺は、上記の2店に比べるとややコシが弱く、麺の外側から芯までがほぼ同じ固さになっている。やはり厨房では頑固そうな職人が黙々とうどんを打っており、観光気分もたっぷりと味わえる。厨房から客席までの距離が近いので、ややをもすればうどん粉が飛んでくるのではないかと冷や冷やするくらいだ。この店でかけうどん1杯食べて出てくるのはちょっと気の毒だな。もう少しお金を置いてきてあげないと。


※閉店していました(2008/10、確認)。

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「連絡船うどん」  実食日:2008/10

  改札内外両側から利用できる。内側は改札入って右、頭端式ホームの付け根。外側は駅を一度出て左、左(ミスタードーナツの脇を入っていく)。内外両側とも立ち食いカウンターのみ。キャパは内側の方が大きい。うどん専門店だが、四国はそばを扱う店が少ないこともあり、例外的に対象とする。
  麺は、讃岐特有の太麺で、やや透明がかった乳白色。コシが非常に強く、美味しい。つゆはほとんど透明と言っていいほど色が薄い。塩加減がちょうどよく、気持ちよく飲み干せる。かけ320円、きつね370円など。四国名物のじゃこ天うどんもあり、470円。じゃこ天は本場宇和地方のものに劣らないジューシーさで、美味。

※改装ということではありませんが、暖簾が外され、店頭に屋台形式のテーブルが出されていました(写真は左:旧、右:現)。メニューや価格が変わっています。じゃこ天うどんが終了していました。これはショック! どういうわけか、かけの値段は下がっています。現在、280円。ただし、種物は上がっていて、きつね・月見・鳴門わかめは390円です(2014/8、確認)。

※2016/3、再食。値段等、変わっていません。じゃこ天は、既製メニューには入っていませんが、「天ぷら各種150円」の中に入っていました。ホッと胸をなでおろしました。単品天ぷらの中には、観音寺ちくわの天ぷらも入っています。こちらも、興味が湧きます。
  今回は、肉ぶっかけ(並)520円をいただきました。肉は牛肉で、薄めの味付け。大根おろしとおろし生姜が一緒にトッピングされます。味覚的には、鉄板ですね。不味いわけがない組み合わせです。これといった大きな特徴がある味わいではありませんでしたが、安心感のある一杯です。ちなみに、麺は店内で茹でています(見込み茹で)。さすが高松、駅うどんでも茹で麺は使わないんですね。なお、今回はボリューム的に並量あると感じたので、「ボ+1点」としています。


※メニューによって値段が上下し、なおかつメニューがだいぶ絞られていました。メニュー体系が変わったと捉えてよさそうです。現在、きつね400円、肉ぶっかけ500円です。券売機からは、かけが消えています。月見、鳴門わかめ、じゃこ天も消滅。メニューは温うどん4種・冷うどん3種・期間限定1種のみです。ちょっと寂しい展開です(付−2点。2018/3、確認)。

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「めりけんや」  実食日:2009/12

  駅を出て右、道路向かい。こう書くとすごく近そうだが、駅の外一帯は広場になっているので、1分くらいかかる。そばは扱わないうどん専門店。店内は広く、座席も豊富。物産展示のコーナーもあり、観光客の利用を意識している様子が窺える。店のシステムは、讃岐流。入ってすぐのカウンターでベースメニューを注文し、受け取る。受渡口の脇にネギや天かすなどが置いてあるので、セルフサービスで。次いで左へずれて、トッピングや一品ものなど好きな商品を取り、うどんに乗せるもよし、小皿に取るもよし。レジで精算して、好きな席で食べる。
  味覚的には、うどんの麺がかなり固く、歯の弱い人には向かないと思われる。個人的にはこの歯ごたえは嫌いではないが。かけ(小)190円、肉(小)360円など。小のほかに中と大があるが、小でちょうど1玉分くらいありそうなので、値段・ボリュームの評価は小を対象とする。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、現在はかけ(小)210円、肉(小)430円になっています。全体的に、種物の値上げ幅が大きいです(値−1点。2016/3、確認)。

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★坂出駅(JR予讃線・瀬戸大橋線)
「どん」  実食日:2016/3

  北口を出て、タクシープールの向かいにあるイオン坂出店の1階フードコート内。うどんのみの扱いで、そばはない。時間的な問題もあったのかもしれないが、閑散としていて寂しいフードコート。時折、高校生がやって来ては何も食べずに席だけ利用している。フードコート店舗でも、システムは讃岐うどんスタイル。麺口頭注文→フリーのネギ・天かす→セルフトッピング→セルフおでん→セルフおにぎり等→レジ精算という流れ。閑散時だったからかもしれないが、麺の茹でからレジ打ちまで、全部おじさん(店主?)がひとりで対応していた。ちょっと変わっているなと思ったのは、厨房に向かって右→左という流れになっていること。多くの店では左→右だ。これは珍しいのではないかと思う。一瞬、「左利き用の店?」と思ってしまった。厨房の造り的に、こうするしかなかったのだろうか。
  夕方(16:45頃)の訪問とあって麺が玉切れ寸前だったようで、「あまり状態のよくない麺しか残っていない」との条件付きで注文を受けてもらった。かけ(小)250円にセルフおでんを2品(牛すじ130円と玉子コンニャク100円)を追加。私の計算では480円になるのだが、なぜか会計は330円。加えて、ちくわ天(通常100円)を1本サービスしてくれた。それだけ、残念な麺があてがわれてしまったということだろう。これだけサービスをしてもなお店主は平謝りだった。いったいどれだけ不味い麺なのだろうかと、ちょっと怖くなった。しかし、食べてみるとそこまで悪くはなかった。少し扁平形をした麺(おそらく手打ち)はあまりコシがなく、短く切れている麺も見られた。確かに、ベストな状態にはほど遠いのだろう。でも、出血サービスをして、なおかつ平身低頭謝罪するほどではなかったのではないかと思う。ちくわ天サービスだけでよかったのではないかと思うところだが、これが職人魂というやつか。讃岐うどんに携わる職人の誇りを感じた瞬間だった。つゆは、端麗なイリコ出汁。こちらは問題なく美味しかった。おでんは、すべて串に刺さった状態になっており、特製の味噌をつけて食べる。関東ではなかなかお目にかかれない牛すじが美味いね。今回もそれなりに満足できたのだけれど、店主の対応を見て、次回はベストな状態の麺を出せるタイミングで食べに訪れてみたいと感じた。


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★本山駅(JR予讃線)
「駅のうどんや」  実食日:2009/9

  無人駅の駅舎内にある店。結構有名なのだろうか、店内には有名人のサイン色紙などが飾られている。訪問時には先客ゼロだったが座席数が多く、30人くらい収容可能。グループ客の需要が多そうな座席配置だ。うどん専門店でそばは扱っていないのだが、四国特例を適用して掲載対象とする。
  この店のシステムは、麺類メニューはオーダー制(配膳付き)、サブメニューはセルフ形式になっている。サブメニューは、種類はさほど多くないが、結構お買い得な掘り出し物がある。たとえば、天ぷら盛り合わせ(カボチャ・オクラ・ナス・春菊)が90円とか。変に麺類メニューで凝ったものを注文するよりも、かけうどんにセルフおかずを追加した方が遙かに満足度が高くなる。なにしろかけうどんは200円なので、天ぷら盛り合わせを追加してうどんに乗せると、豪華な各種天うどんが290円で食べられてしまうのだ。一般的な既製メニューは、月見280円、きつね330円など。変わりメニューに、巣ごもり玉子うどん280円。もはやメニュー名からは内容がまったく想像できない。ちなみに、麺は完全手打ちで、厨房内に手打ち台がある。揚げ玉フリーのサービスあり。

※2015/10、再食。といってもうどんではなく、ばらずし220円とおにぎり160円のテイクアウト実食です。閉店間際だったし、ちょいと先を急いでいたので、車を走らせながら食べられるものをテイクアウトしました。どちらも、パック詰めしてくれます。売れ残り品ですから、味はそれなりというか、少し饐えていました。うどんは、かけは200円で据え置きですが、きつねは350円に上がっていました。巣ごもり玉子は280円で据え置きです。ざっと見た感じ、上がったのはきつねだけですね。お得な感じがするのは、ぶっかけ大根おろし280円でしょうか。外観的には、暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。

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★箕浦駅(JR予讃線)
「西端手打 上戸」  実食日:2016/3

  駅を出て左すぐ。駅舎(といっても、無人の貨車駅)に隣接している。車窓からバッチリ見える店であり、長らく未食リストに入っていた。ようやく回収。この辺りは列車の本数が少なく、途中下車すると後が大変になる。おまけに営業時間が短い(15時まで)ので、なんとなく後回しになっていたのだ。箕浦駅は、すぐ前が国道11号線になっている。そして、駅前にはわりと広い路側帯が設けられている(本来、駅への送迎用だろう)こともあり、車で食べに寄る人が多い。専用駐車場もあるのだけれど、トラックなどは駐車場に入れないので、路側帯に横付けしている車の方が多い。ちょうど昼時(12:00頃)の訪問だったこともあり、店頭に行列ができるほどの賑わいだった(写真では行列がないが、これは行列がはけてから撮ったもの。次の列車までだいぶ時間があったので、行列がはけるのを待つ余裕があった。12:30を過ぎると、波が落ち着くようだ)。客席は椅子付きカウンターのみで、20席ほど。ちなみに、店名に冠されている「西端」とは、香川県の西端という意味。箕浦駅から西へ進むと、ほどなく愛媛県に入る。
  システムは、典型的な讃岐うどんスタイル。入ってすぐの有人窓口で麺を口頭注文し、受け取ってからセルフで湯通し。セルフでつゆを注ぎ、ネギ・天かすなどをセルフで乗せ、セルフトッピングを取る。最後に、有人レジで支払い。お好みでおろし生姜などを加えるのだが、生姜をおろすのもセルフ。各席におろしがねと生の生姜がコロンと置いてある。店に入ってからレジに至るまでのスペースがとても狭いので、ちょっと難易度が高い上級者向けの店か。モタモタすると後ろがつかえてしまう(追い越しができない)ので。麺の注文に1〜2秒のタイムラグが生じるだけで、店員や後続客からのプレッシャーを感じる。ある程度讃岐うどんのシステムに慣れて、流れに乗れるようになってから行くか、不慣れであれば昼時を外して行った方がいいかもしれない。ただし、麺が売り切れ次第閉店となるので、午後に行く場合には注意を。
  麺は、太さが揃っていない手打ち麺。「乱切り」と呼べるほどのばらつきがある。ややザラザラした舌ざわりで、コシが強い。「上品」という感じではなく、野武士のように荒々しく、とても重厚感のある麺だ。つゆはイリコ出汁が強く出ていて、少しクセを感じる。麺のイメージに合った、これまた野武士のようなつゆ。八栗口「とんぼ」と連食したのだが、同じ讃岐うどんでも店によってこれほど違うものなのかと、ちょっと驚いた。かけ小(1玉)200円、中(2玉)300円、大(3玉)380円。そばの扱いはない。トッピングは、天ぷら100円、きつね110円、温泉たまご60円など。白天120円という謎のトッピングもある。今回は、きつねを選択。ひと噛みで自家製だとわかる、やさしい味付け。子供時分に好きだったきつねも、最近は「味が強すぎる」と感じることが多くてあまり食べないメニューになっているのだが、これだったら毎日でも食べられる。「とんぼ」のきつねほどではないが、厚みがあるタイプでジューシー。とても美味しい。
  麺からトッピングから、さらには従業員のキャラに至るまで、とにかく野武士系の店。レジ係はおばちゃんだからさほど違和感がなかったけれど、麺の受渡担当は、(おそらくバイトの)ジャージ姿の女子高生。幼い顔をして、チャキチャキと手際よく注文をさばく。その合間に、たびたび常連客から下ネタトークの振りが入るのだけれど、笑顔で軽く受け流している。オジサン顔負けの受け答えに、私は圧倒されっぱなしだった。これも、人気の秘訣かもしれない。15時までの店だから、平日はいないだろうけど(訪問時は春休み期間)。なお、日曜は店休日。スーパーJKに会いに行きたい人もいるかもしれないので、念のため。東京では、たいてい若い女性店員はバイトライクな対応になる。これだけキャラの立った若い女性店員には、なかなかお目にかかれない。


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★栗林駅(JR高徳線)
「雅や」  実食日:2014/8

  改札外、階段下(ガード下)にあるうどん専門店。かなり評判の良い店のようで、混雑が激しい。列車の乗客ではなく近隣の住民が自転車でやってくるパターンが多い。そのため、店先には常に自転車が散乱している。店に入って右手に注文口とセルフトッピングコーナーがあり、左手に客席がある。客席は、テーブル席10席と椅子付きカウンター10席。昼時を除けば、行列ができるほどではないが、入れ代わり立ち代わりで常に半分以上が埋まっているという感じ。
  麺は大きな釜で茹で、縄を編んだような特大の手網で揚げる。このシーンを見ただけで「この店は美味いに違いない」と感じるのだが、食べてみるとやっぱり美味かった。流行りの固い麺ではなく、本当の意味でのコシがある麺だ。太さにばらつきがあり、微妙にまっすぐではないので、手打ちしているのだろう。つゆには、少々酸味があり、カツオ系の出汁を前面に感じる風味だ。同日に食べた瓦町「花のれん」とはだいぶ香りが違う。酸味にはくどさがないので、最後の一滴まで美味しく飲める。トッピングには、籠盛りの野菜天ぷらがオススメ。イモ天×2・ニンジン天・ナス天・カボチャ天・インゲン天と盛りだくさんで130円。ひとつひとつのサイズもそこそこ大きいので、大満足だ。値段は「花のれん」よりも少々高く、かけ270円。生醤油うどん260円の方が安く設定されている。つゆがないぶんだけ安いということだろうか。変わりメニューには、明太ぶっかけ390円、ラー油ぶっかけ420円、キーマカレーうどん490円がある。同日に訪問調査した高松駅「こんぴらや」にも明太子を使ったメニューがあったが、これが流行りなのだろうか。追々、試してみたい。


※これはびっくり、値下げしていました。現在、かけ240円、生醤油230円です。店頭掲示のみでの確認につき、変わりメニューについては確認できず。単品トッピングに、レモン20円があります。すだちうどんに近いイメージでしょうか。朝うどん280円の設定がありましたが、6:30〜8:30限定では、旅人にとってはちょっとハードルが高いです。内容は、かけor生醤油+かしわ天orちくわ天です(値+1点。2016/3、確認)。

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★八栗口駅(JR高徳線)
「とんぼ」  実食日:2012/12

  駅を出て、線路と平行している道路(国道11号)を渡り、右へ2分。国道沿いにあるドライブインタイプの店だが、駅から徒歩圏内ということで対象に含める。琴電の大町駅からでも徒歩圏内(3分くらい)。国道を渡らずに済むぶん、大町駅からの方が行きやすいかもしれない。店内はたいへん広く、数えきれないほどのテーブル席と、座敷まである。四国のこの手の店にしては珍しく、うどんだけでなくそばも扱っている。
  システムは、いわゆる讃岐うどんスタイル。店に入って、まず一番奥まで行って盆を取り、最初にトッピングやサイドメニューを任意に選択する。次に、麺を選択して、レジで支払い。オーソドックスな麺(かけうどん、かけそばなど)選択した場合には、精算後に客が自分で麺を湯通しし、つゆを注ぎ、薬味を乗せる。特殊メニューは、店員が盛りつける。セルフで行う作業がかなり多いのだが、香川県内ではこれが当たり前。客が自分でネギを刻む店まであるほどだ。だからそれはいいのだが、どうも動線が逆だな、という観が否めない。手前から奥に向かって進んでいくシステムにすればいいのに、一番奥まで行って、手前に戻りながら進めていくルートになっているのだ。レジを店の奥の方に置きたくなかったのだろうか。まぁ、フロアが広い店なので、動線が入り乱れていても特に混乱することはないのだが。
  麺(そば)は太く黒く、やや粘着質なタイプ。悪くない。つゆは、セルフで注ぐものについては詳細不明。なぜなら、興味本位で変わりメニューの「しっぽくそば」を注文したのだが、これには専用のつゆが用いられたため。しっぽくそばとは、根菜を中心とした野菜の炊き合わせを、煮汁ごと麺にぶっかけたもの。香川県内のセルフうどん店では、扱う店が結構ある。たいへんなボリューム感で、しかも野菜の旨味がよくしみ出ていて、美味しかった。味付け(塩気)はかなり薄いのだが、物足りなさはまったくなかった。確認できた具材は、大根・人参・里芋・油揚げ・椎茸・鶏肉。かつて長野県の明科駅「ぽっぽ舎」で提供していた「とうじそば」に近いメニューだが、煮汁をそのままそばつゆにしているという点で異なる。これで300円は激安! 価格は全体的に激安で、かけは180円(うどん150円)。各種トッピングも、とにかくデカい。私が食べたゲソ天(100円)は、「これ、大王イカですか?」と言いたくなるサイズだった。丼に収まりきらない。薬味のネギと、天かすはフリー。今後、四国へ行くたびにこの店に寄ることになるかもしれない。お気に入りです。


※2016/3、再食。値上げしていました。現在、かけうどん180円、かけそば200円です。今回は、うどんをいただきました。かけうどん+きつね揚げ(半分)+イイダコ天で、340円。う〜む、安い。うどんは太さの揃っていない手打ち麺で、流行りの「固い麺」ではなく、やさしい自然なコシガあります。舌ざわりはツルツルしていて、とても上品。まろやかで雑味がなく、バランス感の良いつゆです。きつね揚げは厚みがあるタイプで、出汁をよく吸い、これまた美味。くどい味付けではないので、出汁の風味を損なうことなくいただけます。イイダコ天は、2匹を串に刺したもの。軽く塩味がついていました。みずみずしく、ちょっとした珍しさもあって、こちらも大満足でした。特大サイズのゲソ天との対比もまた、面白いです(味+1点、値−2点、付+1点)。

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★讃岐津田駅(JR高徳線)
「松原うどん」  実食日:2015/10

  駅歩7分くらいかかるのだが、地方特例で掲載対象とする。ほかに対象となる店がない駅というつもりで食べたのだけれど、実はこの後もっと駅に近いところでもう一軒セルフうどん店を発見している(時間外につき未食)。まぁ、そのへんはファジーでいいでしょう。行き方は、駅を出て直進、信号(国道11号線)を渡ってから右折して6分、道の駅「津田の松原」内。この道の駅にはいわゆるレストランがなく、食事処はこのセルフうどん店のみ。黎明期に開業した道の駅にありがちな、小規模施設だ(「津田の松原」は、香川県で2番目に古い道の駅)。店に入って左手に注文口があり、トレーを取ってから口頭でベースとなる麺を注文する。うどんのみで、そばはない。麺を受け取ったら右へ移動して、セルフトッピングを皿に取る。そして、レジで精算。標準的なセルフうどんスタイルだけれど、麺の受け取りがセルフトッピングの前になる店と後になる店があるから、初めて入る讃岐うどん店は若干緊張する。混雑時にオロオロしていると、後ろからどつかれそうな雰囲気があるのでね。麺の受け取りがどのタイミングになるのかを見極めてから入店したいというのが、個人的な本音。だから、ガラス越しに店内が見えるとありがたい(この店はブラインドが下りていて見えにくい)。客席は、テーブル席が2人×3、椅子付きカウンターが15席くらい。昼時は外れていた(11時頃)のにとても混雑が激しく(先客・後客とも10人以上)、ちゃんと数えられなかった。
  麺は、讃岐うどんとしては細めで、コシも思ったほど強くなかった。ツルツルと喉に流し込めるうどんだ。つゆは淡麗タイプで、余韻もあまりない。だが、塩気も出汁もほどよく、一定の満足感は得られる。じっくりと味わって食べるというより、一気にがっつきたくなるタイプのうどんだ。かけ小(=1玉)200円、大(=2玉)300円。ぶっかけ・冷やし・ざるは、それぞれ小290円・大390円。店頭の置き看板では「今月のオススメ」としてカレーうどんが推されていて、小360円・大460円。コスパでは、かけ(大)がベストか。いろいろあるトッピングの中から、今回はインゲン天90円とカボチャコロッケ60円を選択。インゲン天は、3本を衣でくっつけたもの。サクサク感はなく、フワフワした食感。まぁ、まぁ。カボチャコロッケも特段感激するようなものではなかったけれど、低価格が嬉しい。サービスとしては、ネギフリー(大匙2杯までとの注意書きあり)・天かすフリーがある。天かすには青ノリ風味があって、なかなか良かった。ただ、入れすぎるとつゆの香りが分からなくなるので、適量にとどめるのがよいだろう。飲み水は、冷水のほかに麦茶(冷)もある。コップに入った状態で、レジ脇に並んでいる。広い駐車場がある店にしては全体的に安い価格設定なので、鉄道利用者よりもバイク乗りに好適な店なのではないだろうか(もちろん車でもよい)。おでんも各種あったので、次回訪問時にでも試してみたい。

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★瓦町駅(琴平高松電鉄琴平線・長尾線・志度線)
「花のれん」  実食日:2014/8

  駅を出て、ロータリーを左に回ってすぐ(ロータリー沿い)にあるうどん専門店。駅のすぐ近くでありながら、ペデストリアンデッキに隠れていて目立たない場所にある。いかにも昔ながらのセルフうどんという店構えで、流行りの固い麺ではなく本来のコシがある麺を楽しめそうな外観。外から店内が見えないので、旅行者は少々入りづらい雰囲気を感じるかもしれない。店内は意外に広く、テーブル席が4人×4、椅子付きカウンターが12席ある。店に入ってすぐに注文口があり、ここで麺類を口頭注文。すぐ脇に陳列されている天ぷらなどを各自小皿に取り、レジで一緒に精算。讃岐うどん特有の精算システムだが、店に入ってから精算までのスペースがとても狭いのが気になる。混雑時に、これでちゃんと客をさばけるのだろうか(たぶん、さばききれずに表に行列ができるのだろう)。
  期待どおりに、麺はとても美味しかった。半透明というか、乳白色をした麺で、ほどよいコシがある。太さ(厚さ)にばらつきがあるので、本物の手打ち麺だと思われる。あっさりめのつゆもたいへん美味しいのだが、少しぬるかったのが残念。猛暑日だったから、気を利かせて少しぬるめにしたのだろうか。かけうどんは、小150円・大200円。小だと、少し軽めの印象(評点は、小でつけている)。自動的に揚げ玉が入っている。トッピングは、ナス天80円など安めで、ナス天は特大サイズで美味しい。瓦町や片原町の界隈には、まだまだこの手の店がたくさんあると思われる。今後の探訪が楽しみだ。


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★滝宮駅(琴平高松電鉄琴平線)
「綾川町うどん会館」  実食日:2015/10

  駅からちょっと遠く、5分を少し超える。しかも、そばを扱わないうどん専門店。しかし、地方&他に対象となる店がない駅&研究上必要な店特例を適用して、掲載対象に含める。駅を出て直進、踏切端を右折して4分ほど、小川を渡ってすぐの路地を右に入って2分、左側。道の駅「滝宮」内。着席して、フロア係が注文を取りに来て、配膳。下げ膳不要で退店時にレジで支払い。厨房も隔離されている(打ち場はガラス越しに見学できる)。セルフ要素はほとんどない(わずかにセルフ形式のサイドメニューがある程度)のだが、価格的に対象内だし、この店は讃岐うどん(≒四国の駅そば事情)を研究するうえでどうしても必要なのだ。滝宮は讃岐うどん発祥の地でもあることだし。
  完全手打ちのうどんを売りにする店で、麺は太さにバラツキのある乱切り麺だった。意図的な乱切りではないかもしれないが、手打ちの証といったところか。讃岐うどんらしくとても長い麺で、箸で完全に持ち上げるには立ち上がらなければならないほど。長いものは1mくらいあるだろうか。コシが強く、小麦の甘みがしっかりと感じられてとても美味しい。漂白されたような真っ白麺ではなく、微妙に黄色がかっている麺。これこそ、県産小麦使用の証だ。真っ白な讃岐うどんは、ほとんど輸入小麦で打ったもの。国産(特に香川県産)小麦を使うと、少し黄色がかった麺に仕上がる。星の数ほどのうどん店がある香川県でも、実は100%県産小麦を使っている店はごくわずか。手打ち店も含め、讃岐うどんの90%以上がオーストラリア産の混合小麦で作られているのが実情だ。この店を当サイトで取り上げる必要があるのは、県産小麦と輸入小麦の違いを知っておく必要があるためなのだ。色だけでなく、甘み・香ばしさにも違いがある。輸入小麦にも甘みはあるけれど、県産小麦(さぬきの夢2000)の方が強く深いし、なんといっても香ばしさがある。両者を並べて食べ比べれば、子供でも違いが分かるだろう。
  実食は、すだちうどん400円と、天ざるうどん760円。温・冷両方食べておきたかったので。すだちうどんは、かけうどんにすだちの輪切りをたくさん乗せたもの。首都圏のセルフうどん店でも見かけるメニューだけれど、半分に切ったすだちを絞るタイプが多く、そのままドーンと乗せるものは少ない。絞るよりも乗せた方が、徐々に味が変わっていくのが楽しめてよい。出汁は、讃岐うどんらしいイリコ主体で、カツオを加えてありそうな風味。爽やかでとても美味しい。一方、ざるうどんのつゆはカツオの方が前面に出ていて、イリコを加えてあるという印象だった。天ぷらは、美味しいけれど研究する上ではどうということもなく、ざるうどん400円でもよかったかなと感じた。他の主なメニューは、かけ300円、生醤油390円、釜揚げ420円など。1玉100円で替え玉可能。これは安い。朝の時間帯は一部メニューが100円引きになるサービスもあるので、うまく工夫すればかなりお得に利用できる。タイムサービス適用時間帯に行って、「ざるうどん+替え玉」を400円でいただくのが一番お得だろうか。
  讃岐うどんを知るうえで、とても勉強になる店。決して輸入小麦で打ったうどんを否定するわけではないのだけれど、違いを知っておくということはとても大事だと思う。


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★新居浜駅(JR予讃線)
「かけはし」  実食日:2009/9

  駅を出て左、ロータリー沿いというか、駅に隣接というか。駅舎とは別棟になっている店で、配膳付き後払い(伝票制)。純粋な駅そばではなく、街なかそば店(というか、簡易居酒屋か)との中間スタンスの店。値段と早さでOKと判断する。客席は、椅子付きカウンターが10ほどと、2人掛けテーブル、4人掛けテーブルがそれぞれ2つずつ。オーダーメニューの他に、セルフおでんとセルフいなり寿司のコーナーがある。
  そばは、麺は冷凍ではないかと思われる。すなわち、コシとも弾力とも言えないような歯ごたえがあり、風味はあまりない。つゆはあっさりしていて、トッピングの影響を受けやすいタイプ。どんなトッピングを乗せるかによって、全体の味覚が大きく変わる。全メニュー、うどんよりもそばの方が30円高く設定されているのは、四国ならでは。たぬきなし、かけそば360円、きつねそば450円など。かき揚げそば530円は、西日本にしては珍しくエビたっぷりの良質かき揚げが乗る。変わりメニューに、おうごんうどんがある(そば非対応。380円)写真を見た限りでは、釜玉うどんとしょうゆうどんが合併したような感じだ。


※駅前再開発工事に伴い、閉店していました。現在はサラ地ですが、工事完了後に復活してくれることを期待します(2012/12、確認)。

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★伊予西条駅(JR予讃線)
「ゆう庵」  実食日:2004/8

  改札を出て左前方。完全にうどんがメインの店だが、そばもやっている。ただし、全体的にそばはうどんより20円ほど高い。西日本ではこのような店も決して珍しくはない。
  ここのそばは、太いシコシコ麺。味は悪くない。関西風のつゆによく合う麺を使っていると思う。しかし、肝心のつゆが今一歩。味が弱く、麺が生かされない感じだ。値段は、かけ320円(うどん300円)、天は480円(うどん460円)と、高値。たぬきというメニューはないが、よくよく見ればカウンター上に置いてあり、入れ放題。だから、たぬきそばも320円という計算になる。全メニューカマボコ入り。愛媛県らしく、変わりメニューに「じゃこ天うどん」(420円)があるが、メニューを見る限りこれだけ「そば」がない。たぶん、頼めば作ってくれるとは思うが。


※値上げしていました。現在は、かけ340(うどん320)円、かきあげ480(うどん460円)円です。天540(うどん520円)円はエビ天。じゃこ天そばの表記がありました(480円。うどん460円)。うどんのみ対応のメニューには、湯だめうどん(470円)があります(値−2点、付+1点。2009/9、確認)。

※閉店していました。跡地は、セブンイレブンの一部です。四国は、鉄道利用者自体がかなり少ないので、県庁所在地など大都市部以外は厳しいですね(2017/7、確認)。

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★壬生川駅(JR予讃線)
「かめやうどん」  実食日:2020/11

  松山駅近くにある同名店の系列店が、旧東予市(現西条市の一部)の中心部に位置する壬生川駅近くにもある。駅名の読み方は、「にゅうがわ」。店の場所は、駅を出てロータリーを右に回り、信号を渡ってから右折して2分。2階建てのテナントビルの1階にあり、道路に面したテナント物件なので分かりやすい。テナントビル共用の駐車場あり。実際、徒歩客よりも車客の方が多い印象だった。客席はテーブル席が主体で、2人掛け・4人掛け・6人掛けがある。計30席弱くらい。加えて、厨房と対峙する椅子付きカウンターが3席だけある。基本的に、テーブルオーダーの後払い(伝票制)。だが、厨房はオープンで、完全セルフにしようと思えばできる構造だ。
  四国では、メニューにじゃこ天があるとつい注文したくなる。したがって、ここでもじゃこ天そば500円の実食。ちなみに、そばとうどんは同額の設定。麺は、生か冷凍かで判断に迷うタイプ。そばの香りはそこそこあるものの、食感が冷凍チック。つゆは、四国にしてはやや甘めの仕様。そう言えば、今治の「二葉」や「八兵衛」も甘めの仕様だった。この辺りではうどんつゆに少し甘みを射すのが特徴なのだろうか。甘さがあるなかでも、イリコ出汁の旨みや醤油の香りも立っており、平たくは感じない。しっかり奥行きのある味わいに仕上がっていた。じゃこ天は、1枚を4つに切ってトッピング。松山の「かめや」とは明らかに別もの。長方形で、見た目には今治「八兵衛」に似ているが、食感も風味も違う。食感はややフワフワしていて白身魚が多く配合されていそうなのだが、青魚の風味もしっかり感じられた。個人的にはもう少し歯ごたえがあった方が好みなのだが、まぁ悪くはない。カマボコ2枚がサービストッピング(これも松山の店舗とは仕様が異なる。松山ではチクワの輪切り3切れだった)されるほか、なぜかインゲン天1本と輪切りのナス天が一緒に乗ってきた。しかも、揚げたて。つゆに浸かりながら、ジュワジュワと音をたてる状態で提供。これは嬉しいサプライズだ。さらに、なぜかアイスコーヒーまでサービスで付いてきた。これで松山の店舗のじゃこ天そばよりも安いのだから、驚きだ。他メニューは、かけ400円、たぬき450円、かきあげ600円など。ラーメン、丼もの、カレーライス、定食類もある。玉子かけごはん200円あたりを、そばと一緒に注文するのもよさそうだ。
  平日13:45頃の訪問で、先客4・後客0。先客は全員男性。空いていてよかったのだけれど、店内に若干タバコの煙臭が漂っていたことだけマイナス。飲み屋じゃないんだから、外にスタンド灰皿をひとつ置いておくくらいにして、店内は完全禁煙でいいと思う。「衛生」を−1点とさせていただく。


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★今治駅(JR予讃線)
「二葉」  実食日:2012/12

  改札を出て左すぐ。改札の真脇にある店で、改札内からでも利用できそうな立地なのだが、出入口は改札外にしかない。また、駅舎の外側にも出入口があるのだが、どういうわけかこの時には閉鎖されていた。駅弁売店と一体化した店舗で、厨房に向いた椅子付きカウンターと、壁側を向いた椅子付きカウンターがある。席数は約20。
  四国らしく、そばよりもうどんがメインの店で、そばは全品うどんよりも50円高い設定。そばを注文すると、「そば?」と念を押される。これもお約束。その麺は、冷凍だろうか。色こそ黒味が強いのだが、ほとんど香らない。着色しているのかな。つゆは、やや甘みが強い。全体的に、不味くはないがあまり印象に残らない一杯だった。値段は高く、かけそば400円、きつね470円、じゃこ天580円など。当サイトの基準を外れる価格帯だが、地方特例を適用。変わりメニューもいくつかあるが、値段が跳ね上がる傾向あり。駅弁業者らしく、ご飯ものもいろいろある。鯛めし(400円)などは比較的リーズナブルだ。また、レジ脇にセルフ形式のおでんコーナーがあり、全品100円。これもわりとリーズナブルに感じる。システムは、厨房外の有人レジで先払い→配膳。


※大幅に値上げしていました。現在、かけうどん400円・そば480円、きつねうどん470円・そば550円、じゃこ天うどん580円、そば660円です。そばとうどんの差が80円に開いた(従来は50円だった)のはなぜなんでしょうね。おかげで、そばの値上げ幅がとてつもなく大きく感じます。鯛めしは450円に、おでんは120円になっています(2014/8、確認)。

※2020/11、公式取材にて再食。まず、消費10%増税を経て、少し大きく値上げしていました。現在、かけうどん450円・そば530円、きつねうどん500円・そば580円、じゃこ天うどん680円・そば760円、鯛めし500円、おでん130円です。ちょっと駅そば価格の枠を出てしまった印象が拭えませんが、四国では貴重な駅弁事業者の飲食店なので、なんとか頑張ってほしいところです。
  今回まずいただいたのは、じゃこ天うどん。うどんの麺は、冷凍です。以前は手打ちしていたとのこと。手打ち時代に一度食べてみたかったですね。つゆは以前と変わらず甘みが強いタイプで、イリコの出汁もしっかり感じられます。どちらかというと、麺よりもつゆを楽しみたい一杯です。じゃこ天は、小判型のものを斜めに切ってトッピング。そうそう、これですよ、これ。じゃこ天はこの小判型じゃないと。青魚の風味と小骨のジャリジャリ感がしっかりあり、美味しいじゃこ天でした。食感も適度にふんわりしていて、適度に歯ごたえもあります。たぶんこのじゃこ天は、機械製造ではなく手作りです。次に、駅弁の小分けメニューである鯛押し寿司も食べてみました。3貫で500円なので決して安くはないですが、駅弁として買うと1400円になる代物なので、ちょいお試しには好適です。シャリとネタの間に大葉を挟んでいて、淡白な旨みの鯛に爽やかな香りを加えていました。
  公式取材で少々長居したので、客数は数えず。でも、率直に言って、空いていました。コロナの影響がモロに出ている印象です。今治駅はしまなみ海道サイクリングの拠点として賑わい、駅前にはサイクルステーションがあるのですが、そちらも地元の高校生のたまり場になっているだけでサイクリストは皆無でした。早くコロナが終息しないと、街全体が廃れてしまいそうな予感がします。なお、店内の客席には、テーブル・椅子付きカウンターとも個別パーティッションが設置されています。


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「八兵衛」  実食日:2020/11

  西口から目抜き通りをまっすぐ2分、左側。宿泊も可能な温泉入浴施設「しまなみの湯 喜助の宿」に併設された食事処。ただし、施設の外側からも利用することができ、もちろん食事のみでの入店OK。したがって、当サイトの掲載基準に合致する。「しまなみの湯 喜助の宿」は、松山駅近くの「キスケの湯」と同系列。「キスケの湯」にも施設内外両側から利用できる「かめやうどん」があるので、それと同じパターンだ。食事だけで利用できるのはありがたいし、外側から出入りできる造りになっているのもことさらありがたい。テーブルオーダーの後払い制でセルフ要素は乏しいのだが、かけ400円という価格に鑑みて対象に含める。四国にしては珍しく、そば・うどんが同額設定。かけうどん400円と考えると高いけれど、かけそば400円は四国に限って考えればそう高い部類でもない。客席は、温泉施設の内側と外側で別々になっている。私はこの日「しまなみの湯 喜助の宿」に宿泊したので、内側から利用。内側は、テーブル席多数。
  麺種は未確認。細麺。少しザラザラする食感は生麺か乾麺を連想させる。しかし、黒みが強いわりにあまり香らないあたりは、冷凍を連想させる。つゆは、出汁感弱め(カツオ系を少し感じる)で甘みがあるので、やや平たく感じる。褒め言葉を探せば「まろやか」ということになるかもしれないが、まろやかと形容するほどには立体感がない。実食メニューは、じゃこ天600円(カマボコ2枚・ワカメ入り)。じゃこ天は、本場の南予地方ではまず見ることがない長方形のものを切らずに2枚乗せていた。だから、ボリューム感は結構ある。しかし、見た目の印象どおりに青魚の風味が弱く、都会向けの上品な味覚だった。これが好きな人もいるかもしれないが、本来じゃこ天はこういう味ではないということだけは明言しておく。うどん・そばメニューは、かけを含めて全部で5種類。他にも、丼もの、カレー、定食などいろいろある。また、酒類やつまみも豊富で、飲み屋としても機能する。温泉施設内の店だから、風呂上がりにビールをキュッと……というニーズも多いのだろう。私も、そばを食べた後で、いよかんハイボール、きよみハイボール、今治せんざんき、たこ明太、と次々に注文。Gotoトラベル適用だと館内飲食が1000円引きになるキャンペーンをやっていたもので、つい。今治せんざんきは、要するに鶏唐揚げ。北海道のザンギと同類の地方呼称だと考えていいだろう。個人的には、これもそばのトッピングにして「今治せんざんきそば」を売り出せばいいのに、と思ってしまうところだ。箸は個包装の割り箸。
  平日21:00頃の訪問で、館内側は先客3・後客2。館内から外側客席は見えないので、席数・客数とも不明。夜のピークはもう過ぎたのか、それともコロナの影響なのか、空いている印象だった。そういえば、この日宿泊利用していたのも私を含めて2人だけだった。共用スペースをほぼ独占できて、快適やら寂しいやら。なお、宿泊または休憩を伴うプランで入館して「八兵衛」を利用する場合には、リストバンドを用いての退館時精算になる。現金を持ち歩かなくていいのはありがたいが、リアルタイムでいくら使ったかが把握しづらい。ドリンクやつまみ系メニューはあまり安くないので、長居する場合には注意を。


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★三津浜駅(JR予讃線)
「多磨屋」  実食日:2020/11

  無人駅の駅舎内で営むうどん店。そばの扱いもあるが、うどんよりも高い設定になっている。それは四国ではよくあることだから特段驚かないが、そばとうどんの差額が110円もあるのは珍しい。だから、かけうどん390円は駅そば認定できる価格だが、かけそば500円は苦しい。どう攻略しようかと悩むところだが、とりあえずはそばを食べてみることにした。テーブルオーダーのフルサービス。後払い。客席は、テーブルが2人卓と4人卓を合わせて14席、椅子付きカウンターが7席。無人駅の駅舎内店舗にしては、わりと広い。
  そばの麺は、おそらく生。中太でエッジがしっかり立ったもので、少しザラザラする舌触り。ホクッとした歯ごたえにそばの香りもほどよくあり、とてもバランス感のよい麺だと感じた。インパクトは強くないのだけれど、不自然な要素が見当たらないというか、好みが分かれにくそうな印象だ。つゆは、最初はカツオ系の香りが立っているが、中盤以降は小魚系(おそらくイリコ)のまろやかな旨みが優位になる。塩気はあまりなく、どちらかというとあっさりした味覚だ。たぬきは、「エビ天かす」というメニュー名になる。さぞや小エビの香りが濃厚な天かすなのだろうと思いきや、特段エビの香りはなかった。小エビ入りということではなく、エビ天を揚げたときに出た天かすという意味なのだろうか。ちょっと謎。中粒だけれどつゆに浸かるとゾル化するタイプで、あまりサクサクしない。麺に絡めて食べるぶんには悪くないけど、丼全体の中での存在感はあまり強くなかった。そのエビ天かすは、うどん480円に対してそば590円(ワカメ・カマボコ入り)。じゃこ天は、うどん600円そば710円。やはり、総じてそばは高値である印象がつきまとう。基本的にうどんの方がメインの店だし、次回はうどんを食べてみることにしよう。セットメニューもいろいろあるが、天丼セット(うどん)860円が最安で、全体的に高い印象。やっぱり、コスパはうどんの麺単がベストだろう。ネギは青(万能タイプ)。
  平日13:30頃の訪問で、先客10・後客0。客足にかなりの波があるように感じたのは、ちょうど上下線の列車が当駅で交換した後での訪問だったためだろうか。コロナ対策のパーティッションは、テーブル席にはなく、椅子付きカウンターにはある。また、店入口脇には、手指の消毒液も設置されていた。


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★松山駅(JR予讃線・伊予鉄道市内線(松山駅前駅))

「かけはし」  実食日:2001/9

  JR改札を入ってすぐ脇にある、小さな店。改札の外からでも食べられるようになっており、どちらかというと外の方がメイン。写真は、改札の中から撮影した。ここでは、宇和島名物の“じゃこ天”を使ったじゃこ天そば(400円)を味わえる。じゃこ天は場所によって当たり外れがあるのだが、ここのは当たり。ジューシーな小魚のうまみがぎっしり詰まっている。たぬきなし、月見300円。なお、写真には写っていないが、駅そばの隣には揚げたてのじゃこ天を売る店もある。1枚110円で、列車内に持ち込みできるよう紙袋に入れてくれる。オススメ。

※2009/9、再食。値上げ(じゃこ天そば400→460円。値−2点)していました。じゃこ天単品も、現在は140円です。改札外側には、椅子席がたくさんあります(衛+1点)。

※2014/8、再食。改装していました(写真はホーム側で、左:旧、右:現)。改装前の方が新しいように見えるのは、板塀が色褪せたためでしょうか。内装も変わっていると思います。改札外側に椅子付きカウンターが増設されているようです。値段が少し上がり、現在はじゃこ天480円です。じゃこ天単品も150円になっています。味は変わっていないと思います。じゃこ天は、変わらず揚げたてで美味しいです。

※2014/12、再食。湯だめうどん400円を試してみました木製の大きなタライに湯を張り、その中に麺が入った状態で提供されます。薬味は生姜で、つけつゆで食べます。たいへん美味しいですが、食べ進めるうちにつゆがどんどん薄くなってしまうのが難点。食べ方が下手なだけかもしれませんが、継ぎ足し用のつゆがあるといいなと感じました。

※2017/7、再食。値上げして、現在はじゃこ天520(うどんは500)円になっています。じゃこ天単品は170円です。
  今回は、公式取材ではありませんが、仕事上必要で、中華そば500円をチョイスしました。うどんつゆをベースに鶏ガラを足した、色の薄いスープです。麺は、細いのに歯ごたえが強いストレート麺。トッピングは、豚ばら肉・天かす・ワカメ・カマボコ。豚肉は、肉そば(570円・うどん550円)に使うものとは別物のようで、味をつけていない「豚しゃぶ」の状態でトッピングします。麺・つゆ・トッピングのすべてが、他駅の「駅そばラーメン」ではあまり見ないものになっています。特徴があって、良いと思います。
  平日18時頃の訪問で、先客1・後客4。席数からすると、やや寂しい入り。じゃこ天の実演販売コーナーにも全然客が来ている様子がなく、ちょっと心配です。日中はもっと賑わっているといいのですが。


※2020/11、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、じゃこ天570円(うどん550円)、肉600円(うどん580円)、中華そば530円です。
  冬季限定でしょうか、鍋焼きうどんが3種類出ていたので、じゃこ天鍋焼きうどん680円を食べてみました。アルミ製の鍋で煮込んで、鍋のまま提供されます。具材は、じゃこ天、生卵、玉子、ワカメ、カマボコ。じゃこ天は、1枚まるごと切らずに煮込んでいます。玉子は後から落としているのか、白身がある程度凝固しているだけで黄身は完全に生の状態でした。煮込むことでつゆが少し煮詰まるうえ、じゃこ天の塩分も染み出るので、全体的に塩気を強く感じます。熱いと塩味を感じやすくなるということもあるかもしれませんが。塩気が少し勝ちすぎるので、旨みである程度上書きする肉入りの松山風鍋焼きうどん620円の方がバランス感はよいかもしれません。
  平日19:00頃の訪問で、先客2・後客1(改札外側のみでカウント)。空いていました。時間帯の妙もあるかもしれませんが、じゃこ天の実演販売コーナーにも全然客が来ていない様子。コロナの影響が色濃く出ているように感じました。各メニューのテイクアウト販売やちょい飲みセット(生ビール+じゃこ天で550円。これは魅力的!)、日替わりランチセット(この日はかけうどん+ミニカレーで500円。お得!)などあの手この手で工夫しているようですが、苦境打開の決め手にはなっていない様子です。コロナが終息するまで持ちこたえてくれるといいのですが。


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「かめや」  実食日:2017/7

  JR松山駅よりも伊予鉄道市内線の松山駅前駅の方が最寄りになる店。当サイトでは両駅を同一とみなしているので、松山駅として掲載。JR駅からで案内を。駅を出て左にロータリーを回り、ロータリー出口交差点の向かいにある総合アミューズメントビル「キスケBOX」の1階。まさかこのような立地に立ちそば店があるとは思っていなかった。同ビルには日帰り温泉「キスケの湯」が入っていて、こちらの取材で訪れてたまたま見つけた。実はこの店、厨房の裏側は「キスケの湯」の食堂になっている。「キスケの湯」内の食堂はメニューが異なるが、そば・うどんも注文可。温泉に入るのなら、中で食べる手もあるだろう。外側は、椅子付きカウンターのみで17席くらい。食券制になっている。
  麺種は不明。うどんは客席から見える位置で湯通しするので茹で麺だと分かるのだが、そばは奥まったところで調理している。たぶん、茹で麺ではないのだろう。生か、冷凍か、乾か。細く柔らかめで、食感・風味的には冷凍っぽい。つゆは甘め。ひと口飲んで「甘っ!」と口に出てしまうくらい。出汁は丸みのあるタイプで、イリコが中心だけど一辺倒ではない。昆布も入っているだろうか。甘みが強いので、ちょっと分かりにくいのだが。ちなみに、うどんはつゆが別(翌日に再訪・実食済み)。そばつゆは、寸胴からすくって注ぐ。うどんつゆは、サーバーで注ぐ。うどんつゆはあまり甘くなく、カツオとイリコが半々に香る。四国というか、中四国九州らしい味。個人的には、そばもうどんのつゆで作ってほしいというのが本音(評点はそばつゆでつけている。うどんつゆなら+1点になっていただろう)。そばもうどんも、つゆはたっぷり注いでくれる。かけ340円。券売機のボタンは、「かけそば340円」以外は全部うどん仕様になっている。値段は同じなので、わざわざ「かけ+単品トッピング」で食券を買わなくても、たとえばかき揚げうどん500円の食券を買って、出すときに「そばで」と言えば対応してくれるだろう。
  1回目の実食は、じゃこ天そば500円。じゃこ天は、青魚の香りは濃厚でよいのだが、食感はやや都会的。フワフワとやわらかく、あまりジャリジャリ感もなかった。サイズも、ちょっと小さめ。斜めカットの竹輪が3切れ入る。これが結構美味いものだった。翌日は、天ぷらうどん550円を実食。天は海老天2尾。タッパーに入っている揚げ置きだが、意外にもサクサク感が残っていて好印象だった。エビ自体も、プリプリしていて美味い部類だ。妙に色白な天かす(揚げアンダー?)がカウンター上に置いてあり、フリーになっている。飲み水は、紙コップで。
  1回目は平日17:30頃の訪問で、先客2・後客1。私も含めて、おじさんばかり。2回目は平日18:30頃で、先客5・後客7。前日とはうって変わって大盛況だった。たまたまの可能性もあるけれど、この1時間でこれだけ客数に差が出るのは、おそらく仕事帰りに寄る人が多いということなのだろう。両日とも、客はほとんど全員男性のひとり客だ。松山駅には「かけはし」という横綱が君臨しているわけだが、実は「キスケBOX」は松山駅構内よりも多いのではないかというくらいに、賑わっている。温泉だけでなく、ゲームセンターとかボーリング場とか、いろいろあるから。そもそも松山市の中心駅は、伊予鉄道の松山市駅。松山駅は「玄関口」という感じで、そんなに賑やかでない。駅そばの客数としても、「かけはし」より「かめや」の方が多いのではないかと思う。いずれにしても、「どちらに入るか」という選択肢があるのはありがたいことだ。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ380円、かき揚げ540円、じゃこ天540円です(2020/11、確認)。

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「大介うどん」  実食日:2020/11

  駅からちょっと離れた駐車場付きのロードサイド店なので、駅から歩いて食べに行く人はほとんどいないと思われる。しかし、このチェーンもどこかで取り上げておきたいと思っていた。というのも、「大介うどん」は埼玉の「山田うどん」や静岡の「スマル亭」などと同列の、愛媛ローカルチェーンだから。本店格の高串店は宇和島市にあるから、愛媛県内でもどちらかというと南予寄りのローカルチェーンだ。今回実食した松山フライブルク店は、松山駅の裏手、フライブルク通り(国道196号線)沿いにある。ちなみにこの通りの名は、松山市とドイツ・フライブルク市が姉妹都市提携関係にあることに由来する。行き方は、少々複雑。駅を出てロータリーを左に回り、「ハルビン」という中華屋の脇(車が入れない路地)を左へ。突き当り(焼肉店があるところ)を左折し、踏切を渡ってひたすら直進。フライブルク通りに出る直前で、民家と畑の間の小径を左に折れて少し近道をし、フライブルク通りに出てすぐの角地。駅歩5分を少し超えるかもしれない。讃岐うどんスタイルのセルフ店(同額にてそばの扱いもあるが、この時には売り切れていた)なのだが、麺の取り方がちょっと変わっている。玉単位ではなく、丼単位なのだ。つまり、丼に入る範囲内で何玉でも盛れるということ。小丼(350円)の場合、3玉までが推奨されている。ただし、この店の1玉は平均的な店よりも少ない(「ボリューム」の評点は1玉で付け、「サービス」に加点している)。だから、3玉盛っても実質的には2玉ぶんくらいだろう。湯通しはセルフ。セルフトッピングを取った後、有人レジで精算。つゆは、精算時に店側で注ぎ入れる。客席は、テーブル席と椅子付きカウンターが主体で、ロードサイド店らしく小上がりもある(4人卓×2)。全部で60席くらいあるだろうか。なかなか規模の大きな店舗だ。
  麺(うどん)は、食感・風味ともあまり特徴がない。冷凍を思わせるもの。ハッキリ言ってしまうと、やや残念。しかし、つゆはなかなか美味い。イリコ出汁がしっかり感じられ、まろやか。ネギは青で、おそらく冷凍もの。あまり香らないし、ちょっと固い。そのネギと天かすはセルフで入れる方式になっているのだが、実は有料(ともに10円)なので注意を。天かすは、つゆに浸かった瞬間にゾル化する淡雪タイプだった。天ぷら系のトッピングを乗せるのなら、わざわざ10円払ってこの天かすを乗せる必要はないだろう。私は、小丼に麺を2玉盛り、ゴボウかき揚げ110円を追加した。ゴボウかき揚げは、千切りのゴボウとニンジンのかき揚げ。揚げ置き時間が長いようで、固くなっていた。ゴボウが歯間に挟まって、なかなか取れない。つゆがぬるくなるのを覚悟のうえで、しばらくつゆに浸してから食べた方がよさそうだ。う〜ん、つゆだけは美味いのだが、それ以外についてはもうひとつ私の好みには合わない内容だった。次回訪問時には、かけそば+ご飯ものにしようかな。箸は割り箸。
  平日18:00頃の訪問(写真は前日の昼間に撮影)で、先客0・後客0。こんなに規模の大きな店がこの客数で、大丈夫? 麺の湯通しがセルフの店は、コロナの影響がかなり大きく出るような気がする。常連客が付いている土着店ならまだしも、流し客がメインのロードサイド型チェーン店ならなおのこと。ちょっと先行きが心配だ。


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★八幡浜駅(JR予讃線)
「駅なか浜っこ産直市」  実食日:2014/8

  そばは扱わず、うどんと八幡浜チャンポンをメインとする店。駅を出て左すぐ(駅舎外側)にある。農産物などを販売コーナーが手前にあり、奥の方に厨房とテーブル席がある。
  ここでは、つい浮気して八幡浜チャンポンを食べたので、評点については「参考」ということで。八幡浜チャンポンは近年ぐいぐいと知名度を上げてきているご当地グルメ。長崎ちゃんぽんと麺・具は類似しているのだが、スープがまったくの別物。とんこつ系ではなく、和風の醤油味だ。うどん出汁に近い感じがするが、もっと味が強く、けんちん汁のようなイメージ。イリコ出汁が強い。具材も含め、あまり肉肉している感じはなく、あっさり系。コッテリ系が苦手な人にオススメなのは言うまでもないが、豚肉がたっぷり入っていて旨味があるので、コテコテ派でもそれなりに満足できると思う。価格は550円。具材たっぷりなので、安く感じる。うどんは、じゃこ天450円など。他に、ジャージャー麺550円、焼きそば500円、じゃこ天カレー550円などがある。どのメニューも概ね500円前後で上下の幅が少ない。価格を気にせずフィーリングでメニューを選ぼう。


※2014/12、再食。じゃこ天うどん450円を食べたので、こちらの評点を上書きしました。さぬきうどんとは明確に異なる、柔らかいタイプの麺です。じゃこ天は歯ごたえが強く風味も濃い、南予地方ならではのものでした。

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★出目駅(JR予土線)
「彩り茶屋」  実食日:2015/10

  駅を出て左、突き当り(国道441号線)を左、踏切を渡って突き当り(国道381号線)を右、突き当りの信号向かいにある道の駅「広見森の三角ぼうし」内。駅歩、5分くらい。今回は、ちょっと不備の多い記事になってしまうが、ご容赦を。まず、外観写真撮り忘れ。これは痛恨。ひとまず建物入口前にある、「ふるさと創生1億円」で建てられたご当地キャラ像の写真を載せておく。早々に再訪(といっても、なかなか行きにくい場所)して、撮ってくるつもり。道の駅のレストランで、四国にあるこの手の店にしては珍しくうどんメニューがそばにも対応してしている。もちろん、駅そば価格。客席はテーブル席主体で、座敷もある。食券制で、セルフサービス。券売機で買うと自動的に厨房にオーダーが通るシステムなので、買った食券を持ったまま自席で呼ばれるのを待っていればよい。
  そばに対応していて、しかもそば・うどん同額ということで、絶対にそばを食べなければならないケースなのに、ここではキジ米粉ラーメン980円を食べてしまった。私の著書をすべて読んでいる方なら、事情を察してくれるだろうか。この後「虹の森公園まつの」でもうどんを食べなければならなかったため、同店連食はできなかったのだ。そのため、今回のところはそばの味についてコメントすることができない。なるべく早く再訪しますのでね、暖かく見守っていただければ。キジ米粉ラーメンは、淡い塩・醤油混合味のスープに米粉で作った幅広の麺を合わせ、雉肉をたっぷりトップピグしたもの。スープはとても薄味で、ゴボウの風味が強く出ている。具材にも少しだけゴボウが使われているけれど、これの出汁だとは思えない。おそらく、スープとしてゴボウを煮出している。素朴だけれど、ある意味とても斬新な味覚だ。幅広麺は、米粉だけあって少しボソボソしている。かん水のモチモチ感はないので、ラーメンというよりはきしめんに近いか。そして、レアな雉肉。これはなかなか美味しかった。肉自体は淡泊なのだけれど、肉と皮の間に濃厚な脂があって、パサパサ感がだいぶ抑えられるのがよい。旨みも充分にあるし、鶏で言うとムネ肉とモモ肉のいいとこどり、という感じ。レアメニューだけに値段がかなり高くなってしまうけれど、1回くらいは試してもいいメニューだと思う。なお、味と量の評点はキジ米粉ラーメンで付けているので、今回のところはご参考程度ということで。
  ちなみに、そばメニューの値段は、かけ250円、山菜380円、月見420円など。天は680円と、かなり高値。というか、かけに対して種物が全体的に高い。かけと月見の差が170円も開いているのが、とても謎。ご当地系としてはじゃこ天そば650円がある。これもちょっと高い印象だ。一番コスパがよいのは、かけそばかな。親子丼440円のミニサイズでもあれば、かけそばと組み合わせてお得なセットにできそうだが、そういう小回りの利くご飯ものはない。


※2017/7、再食。まず、外観写真を撮ってきました。値上げというか、メニュー構成が変わっていて、ちょっと当サイトの掲載対象となるかどうかも微妙な感じになっています。そばは扱い終了し、うどんのみです。値段は、きつね500円、天680円、じゃこ天680円など。キジ米粉ラーメンも終了し、あまり特徴のない店になってしまいました。システムは変わらず、自動オーダーの食券制です。
  今回は、天ぷらうどんを実食。麺は、おそらく冷凍。前日実食の松山「かめや」のうどんによく似た食感。つゆは、口当たりはカツオで、後からイリコ様の香りが追いかけてきます。天はかき揚げではなく、エビ天2尾+カボチャ+ナス+焼き海苔+大葉。こういう盛り合わせ系の天ぷらうどんを出しているあたりも、当サイトの掲載基準的には微妙です。味は悪くないのですが。エビはあまり大きくはないですが、プリッとしていて鮮度良し。
  営業時間も大幅に短縮されていて、ちょっと苦境にあるのかなと感じさせる部分が多くありました。訪問は12:30頃で、先客が10人以上入っていて決して客がついていないわけではないのですが。道の駅は、大半が赤字ですからね。舵取りが難しい部分もあるのかもしれません(値−1点、付−2点)。


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★西衣山駅(伊予鉄道高浜線)
「うどん坊」  実食日:2020/11

  こんなところにブックマーク級の名店が潜んでいようとは。こういう邂逅があるから、旅はやめられない。場所は、駅を出て左、すぐの突き当たりの信号を渡ってから右折して30秒。駅歩1分という好立地だが、駅自体の利用者があまり多くない。駐車場を備えた店だし、おそらく徒歩客よりも車客の方がメインなのではないだろうか。店内はわりと広い。客席は、フロア中央にテーブルが4人×5、両サイドにそれぞれ小上がりの座敷があり、合わせて18席くらい。テーブルオーダーで、配膳してくれる。下げ膳は不要で、後払い。いわばフルサービスの形式だが、厨房はオープンでセルフサービスにしようと思えばできる造りになっている。
  この店の最大の特徴は、麺にある。暖簾に「手打」と記載されていることからうどんは手打ちだと想像できたのだが、なんとそばも手打ちだった。厨房内に打ち場があり、ガラス越しに見学できる。うどんほどの太さがある極太麺で、微妙に太さが揃っていない。エッジがしっかり立っていることから、包丁切りであることが分かる。太いわりに食感はあまり強くなく、ソフト麺みたいな印象。そばの香りもさほどない。それでも、他の店では味わえないオリジナリティが感じられるのがいい。つゆは、ひと口飲んだだけで分かる濃いめのイリコ出汁。まろやかで、かつ淡麗さもある。そして、時折つんと突き上げる酸味を帯びた旨みが深みを演出している。基本的にはうどん向きのつゆだと思うが、そばにも問題なく合う。かけ300円、天かす350円、カレー450円など。この3品がいわゆる駅そば価格で、その他の種物は結構高い。天(おそらくエビ天)は650円、山かけは700円もする。メニューは慎重に選びたい構成だ。実食は、天かすそば。天かすは、なんと揚げたてでの提供だった。サクサク食感で、つゆに浸かるとわりとふやけやすいが、香ばしさもあるからふやけてもそれなりに美味しい。そして、なぜかちくわ天(縦半分カット1本)が入っていた。これで350円は、安すぎる! ネギは青(小口)。飲み水は麦茶。うどん・そば以外には、おむすび100円とおでん80円程度……かと思いきや、焼きめし(小盛り400円、中盛り500円、大盛り550円)がある。隣テーブルの先客が食べていて気になったので、私も小盛りを追加注文した。出てきたのは、決してパラパラとは言えないチャーハン。やや油まみれでベトッとしている。その正体は、ひと口食べてすぐにわかった。炒め油が、ラードなのだ。玉子もたっぷり使っているから、旨みと旨みの掛け算でとても濃厚な味わいだった。毎日食べたら飽きそうだが、たまに猛烈に食べたくなる味覚かもしれない。これは良い店を見つけたなぁ。ちょっと行きにくい場所ではあるけれど、次回はカレーうどんあたりを狙ってみようかな。
  平日12:30頃の訪問で、先客2・後客2。昼時でも、極端に混雑している印象ではなかった。この客数で、麺を手打ちして、この価格。これで商売が成り立っているのが不思議だ。酒類の提供があるけれど、営業は16時までだからさほど酒で稼いているとも思えない。こうなると、あまり安いメニューばかり狙ったのでは罪な気がしてくる。やっぱり次回は、天ぷらうどんにしようかな。


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★古泉駅(伊予鉄道郡中線)
「めんた」  実食日:2017/7

  うどん専門店です。四国特例適用物件につき、ご容赦を。駅を出て右(小さなロータリーがある方)へ道なりに4分、突き当りのショッピングセンター「エミフルMASAKI」の2階フードコート内。首都圏でもよくあるタイプのフードコート型うどん店なのだけれど、せっかく食べたので掲載。システムは讃岐うどん流で、@盆と小皿を取って、注文口で麺を注文。A麺を受け取ってから、セルフトッピングを取る。B有人レジで支払い。C天かすなどフリートッピングをお好みで追加、という流れ。
  中央部に直線的な溝のある麺なので、手打ちではないのかなと思ったのだが、太さは微妙にばらついている。コシがあるという感じではなく、均質な麺。逆に、機械製麺では作りにくそうな麺だ。手打ちなのかな(「手打ち」の表示は見当たらず)。つゆは、カツオ感はなく、イリコが中心。ちょっとパンチ力に欠ける味わいではあるが、食べ進めるうちに美味しいと感じるようになっていく。悪くない。かけ280円。実食は、かけうどん+じゃこカツ(130円)+かしわ天(100円)。じゃこカツは、じゃこ天のカツではなく、いわしハンバーグみたいなものをカツにしている。やわらかく、青魚臭あり。悪くはないが、個人的にはじゃこ天の方が好き。かしわ天は、皮付きのモモ肉を使用。我孫子「弥生軒」ほどではないが、結構でかい。100円なら安いと思う。ただ、旨みがかなり勝っているし脂ギッシュなので、途中でやや飽きてくる。2/3くらいの大きさでよかったかなと感じた。特段変わった既製メニューはなし。箸はエコ箸。
  総じて、悪くはないのだけれど、高松あたりの街なかセルフうどんより値段が高いし、個性もそんなに強くない。ショッピングセンター内だから車で寄るには便利(駐車場が広いという意味)だが、歩いて回るなら街なかの個人系の店に行った方がいいか。今回は車だったので、たいへんありがたい存在だと感じた。


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★薊野駅(JR土讃線)
「ごはんどき」  実食日:2021/10

  駅を出て右へ3分、右側。パチンコ店「マルハン高知一宮」内。パチンコフロアを通らずに食べに行ける造りだが、駅から見て遠いサイドにあるため、駅に近い方の出入口から建物内に入ると、パチンコフロア経由になる。食券制で、客席は厨房を囲むL字型の椅子付きカウンターのみ。席数は、訪問時には13だったが、背後スペースに椅子がいくつか並んでいたことから推して、コロナ対策で少し席を間引いていたと思われる。
  麺は、おそらく冷凍。細めで、意外と言っては失礼だが、そばの香りはわりとある。艶のある上品な香りではなくくぐもったような香りではあるが。つゆは、東か西かで言えば西風ということになるが、四国にしては赤い色が強め。「ごはんどき」のつゆはもっと黄色っぽいイメージなのだが、地域による違いがあるのか、それとも過去には「そば助」とのコラボをやっていたりしたので経時変化なのか。ちょっと分からない。出汁感はあまりなく、パチそばらしい平たい味。ネギは青(万能タイプ)。かけ450円、きつね490円、かき揚げ590円、ざる490円。そば・うどんメニューは、この4種。いただいたのは、きつねそば。きつねは長方形1枚だが、いわゆる油揚げ1枚ではなくやや小さめになっている。わりとふっくらした仕上がりで、歯がキシキシすることなく想定していたより美味しかった。そば・うどん以外には、ラーメン、丼もの、定食類などいろいろあり。そばとミニ丼のセットメニューはないが、ミニそば200円の設定がある。訪問時にはキャンペーンで4種のメニューが半額で提供されており、醤油ラーメンごはんセットが400円、生姜焼き定食が450円だった。この設定だと、そば・うどんを注文する人はほとんどいないのではないだろうか。箸は割り箸。
  日曜17:30頃の訪問で、先客1・後客0。このくらいの時間帯には、パチそばは空いていることが多い。中休みにする店もあるくらいだ。賑わってくるのは、もう少し後だろう。なお、各席にコロナ対策の個別パーティッションが設置されている。席間もとても広いし、対策はかなり念入りに行っているようだ。なお、駅名は(特に首都圏在住者は)「あざみの」と読みたくなるところだが、正しくは「あぞうの」。難読駅である。


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★高知駅(JR土讃線、とさでん交通桟橋線)
「COCOCHIコーヒー」  実食日:2021/7

  改札を出て右、待合所の脇。2008年に駅が改築された後にオープンした店だが、まったくの新規というわけでもない。旧駅舎内で営業していたうどん店と軽食喫茶店が合併して、新駅舎に入った形だ。駅舎改築と同時に駅ナカ店舗が姿を消すことは、珍しくない。一方、新駅舎改築後に元の鞘に戻れる確率は、そう高くない。合併という形ではあっても新駅舎にこの店が入れたのは、JRの系列会社(ステーションクリエイト高知)が運営する店舗だったからだろう。外観・内観に加えて、テーブルオーダーのシステムも含め、基本的には喫茶店の色合いが濃い。しかし、メニューにはうどんや牛丼などの大衆食堂的なものも多くある。きつねうどんが520円だから、簡易的な駅うどんと見るにはやや高いのだが、駅ナカ店舗ということもあって対象に含めておく。フロアはウナギの寝床的な細長い構造で、客席はテーブルと椅子付きカウンターがある。
  うどんの麺は、おそらく冷凍。讃岐ほどではないが、高知にしてはわりとコシというか歯ごたえがある方だ。まぁ、強烈なファンを作らない代わりに万人受けするタイプの麺だろう。つゆは、イリコ出汁中心。まろやかではあるが、塩気がやや強めなので少し尖った感じもする。いただいたのは、店名を冠したココチうどん630円。トッピングは、刻み揚げ、アオサノリ、柚子皮、カマボコ2枚。アオサと柚子は、高知県産のものを使用とのこと。アオサは、乾燥ものだろう。針のような形状をしているのが印象的で、シャリシャリした食感。香りよりも食感の方に特徴を感じた。香りという点では、柚子皮の方が影響力強し。まぁ、見た目にはさほど豪華ではないけれど、ご当地感があって食感や香りにも特徴があるので、これはこれでいいのではないかと思う。箸は、半個包装の割り箸。うどん以外のメニューは、牛丼610円、ハヤシライス630円、パスタ各種730円など。飲みものでは、カプチーノの泡の上にコーヒーパウダーで坂本龍馬の肖像を描き出した龍馬カプチーノ500円が面白い。写真映えはピカイチなので、旅行者の間で好評を博しそうだ。
  平日10:00頃の訪問。公式取材で少々長居をしたこともあり、客数は数えず。駅周辺に飲食店がない(駅前広場がとても広い)ためか、中途半端な時間帯でもわりと途切れずに客が出入りしていた。ただ、うどんを注文する人はほとんどおらず、ホットコーヒーのみの客が多い様子だった。食事メニューが出るのは、昼時に限られるのかもしれない。また、龍馬カプチーノも、地元住民が日常的に注文することはない様子だった。


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★のいち駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)
「つるつる」  実食日:2021/7

  西口を出て南がたの道路向かい、「フジグラン野市」の1階フードコート。階段の上り下りがなく、しかも建物の駅側で、建物の外から直接フードコートに入れる造り。駅から寄りやすいのがありがたい。フードコートには4店舗入っていて、「銀だこ」が少し離れている他は3店舗が横並びになっている。この店はそのうちの真ん中。向かって左はビビンバの「ミョンドンヤ」、右は「annie」というクレープ店。そばは扱わないうどん店舗だが、四国特例で対象に含める。ラーメンの扱いがあるのは、フードコート内にラーメン店がないためだろうか。それなら、そばもやってくれればいいのに。一応讃岐うどんを謳ってはいるのだが、セルフトッピングの讃岐スタイルではなく、既製メニューを有人レジで口頭注文するシステム。受け渡しは、バイブレーターで呼び出して行う。
  麺は、讃岐を標榜するわりには柔らかめ。高知県内のうどんは讃岐ほど固くない店が多いから、地域迎合ということだろうか。おそらく冷凍麺。断面長方形で、長辺の中央に溝があるタイプ。機械打ちだろう。つゆは、高知県内では比較的珍しいだろうか、イリコ中心の出汁だった。ここは讃岐流ということか。さほど深みがある感じではなかったけれど、すっきりしていて飲みやすく、好き嫌いがあまり別れなそうなつゆだと感じた。かけ350円、天500円、肉500円など。実食は、肉うどん。肉は牛肉で、メニュー表の写真では脂身の少ない赤味肉が使われているっぽかったが、実際には脂身の多いクズ肉だった。まぁ、廉価系うどんにはこちらの方が味覚的に合っていると思うけど。写真の見栄えを気にしすぎではないかと思う。ネギは青(万能ねぎタイプ)。箸は個包装の割り箸。箸袋に「フジファミリーフーズ」と印字されていたことから、フジ(フジグランの運営会社)の系列会社が運営していると思われる。ついでに言うと、この店と「ミョンドンヤ」は厨房がつながっていて、従業員が兼務している。また、レシートには「annie」の割引クーポンが付いていた。以上から考察するに、横並びの3店舗はすべてフジファミリーフーズの経営なのではないかと思う。少し離れている「銀だこ」だけが別経営ではないだろうか。
  平日11:00頃の訪問で、フードコート全体の着席率は10%くらい。午前中は買い物客が少ないから、昼まではこんな感じなのだろう。フードコート店舗は、街なか店舗とは客足の波形が違うと思う。


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★夜須駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)
「たこ焼き はかせ」  実食日:2021/7

  高架のホームから長い階段を下りて右前方。この駅には、厳密に言うと駅舎が存在しないのだが、この店が入っている建物には待合室があり、トイレも隣接していることから、駅舎に類似する機能を有する。ほぼほぼ駅舎内と言っていいような場所だ。この店は、基本的にはテイクアウトスタイルのたこ焼き店。四国には、意外に思えるほどこのような路傍のたこ焼きスタンドが多い。その多くはテイクアウト専門だが、中には少々の客席を設けてイートインできるようになっている店もある。そして、イートイン対応の店ではうどんの提供もあることが多い。この店も、まさにこのタイプ。たまたま待合室に併設されていたということもあるのか、うどんを提供しており店頭に「うどん」の幟も立っている。当サイトでは、駅チカにあればこの手の店も対象に含まれる。ちなみに、飲食可能な席は建物内だけでなく、線路の高架下にも簡易的なテーブルがたくさん並んでいる。日陰で風通しがよいので、特に夏場はこちらでひと休みしつつ食べる人が多いようだ。かき氷の扱いもあるので、制服姿の女子高生たちの溜まり場のようになっていた。
  うどんメニューは、うどん430円とカレーうどん530円のみ。トッピングになりそうな単品メニューは、唐揚げ100円とフライドポテト150円くらい。天ぷら類はない。こういった手軽なスナックフードがあるのも、高校生にとってはありがたいところだろう。注文したのは、うどん。てっきりトッピングなしのかけうどんだと思っていたのだが、出来あがったのは揚げ玉・さつま揚げ・ワカメ・花形のカマボコ(2枚)入りでなかなか賑やかなうどんだった。麺は、やわらかめで優しい食感。冷凍だと思うが、食感的には茹で麺を連想させるもの。つゆは、醤油の香りが強め。濃縮希釈と思われる。たこ焼き店のサイドメニューだから、出汁がどうのというところまではこだわっていないのだろう。揚げ玉は既製品で、さつま揚げは丸いものを十字にカットして、2枚使用(つまり、1/2枚分)。極めて簡易的なものではあるけれど、これだけ具だくさんで、全体的なボリューム感もあって430円ならまずまず悪くないと思う。七味唐辛子は商品と一緒に瓶ごと提供。箸は半個包装の割り箸。
 ついでに、たこ焼き(10個390円)とかき氷(ハワイアンブルー小100円)も食べてみた。たこ焼きは、しっとりしていて中がクリーミーなタイプ。10個入りを注文したのだが、「ひとつハンパがあった」とのことで11個入っていた。ちょっと得をした気分。かき氷は、小なのに一般的な店の並盛りよりもだいぶ多いくらいある。これで100円は安いなぁ。デカ盛りで有名な店なのだろうか。女子高生たちが群がるのも頷ける。大(200円)がどのくらいのボリューム感になるのか、気になる。また、東京では一般的に「ブルーハワイ」と呼ばれるフレーバーが「ハワイアンブルー」になっていたのも少し気になった。地域呼称があるのだろうか。氷はシルキーな口当たりで、上品。安かろう悪かろうではないので、超オススメだ。
  平日12:30頃の訪問。たこ焼きのテイクアウト客やかき氷目当ての女子高生は次々にやって来るが、うどんを食べていたのは私だけだった。カレーライスやサンドイッチなどもあるのだが、需要はたこ焼きとかき氷が大多数を占めているようだ。


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★田野駅(土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線)
「田野駅屋」  実食日:2015/10

  駅に隣接というかほぼ併設されている道の駅「田野駅屋」内。フードコートのような形式になった食事処で、四国のこの手の店にしては珍しくうどんだけでなくそばメニューも置いている。値段的にだいぶ高めではあるが、サンプル数確保のために特例を適用することにする。「食券売場」と書かれたところで口頭注文、プラ板の番号札を受け取ったら、席で待っていれば配膳してくれるシステム。
  麺は、そばの香りがそこそこあるのだが、たぶん冷凍だと思う。ズッシリとした、重い食感。つゆは、昆布とイリコの出汁と思われる。色は薄いのだけれど、四国にしては珍しく甘みを注してある。砂糖か味醂か、あるいはめんつゆを使って味を調えていそうだ。うどんにはあまり合わなそうな味覚なのだが、わざわざ変えて作っているのだろうか。一度うどんを食べてみないと何とも言えない。そばメニューは、かけに相当する「日本そば」500円と、天ぷらそば650円、ざるそば600円のみ。天に関してはそば・うどん同額なのだけれど、わかめうどん・きつねうどんはともに450円で「日本そば」よりも安いことから、そばには対応していないのだろう。ちょっとよく分からない価格設定だ。実食は、天。天ぷらはエビ天+ナス天。エビ天はなかなか大きなサイズで、衣もそんなに厚くなかった。良心的。ナス天は小さなひとかけらだけ。まぁ、彩り程度の立ち位置なのだろう。加えて、紅白カマボコが1枚乗る。変わりメニューには、ラーメン600円のほかに和風ラーメン600円がある。おそらく、うどんつゆ+中華麺の一杯だろう。ご飯ものはいくつかあるが、セットメニューはない。ご飯ものの中では、土日祝限りの販売だが、グッチ雄三さんがプロデュースしたという「あなたのピラフ」700円が面白そう。訪問が平日だったので試せなかったけれど。次回訪問時にでもと言いたいところだけれど、その前にうどんを食べてみないとね。その次に和風ラーメン。ピラフは、だいぶ先になりそうだ。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、日本そば550円、天ぷらそば700円、ざるそば650円、わかめうどん・きつねうどん500円です(2021/7、確認)。

※2021/10、再食。高知県東部の香南市に特有の「ちゅうにち」について考察すべく、香南市と同じく高知県東部に位置するこの駅でもゆず皮入り和風ラーメン650円を食べてみました。香南のちゅうにちは具材にも出汁にもちりめん(シラス)を使うのが特徴なのですが、こちらではシラスは使っていないようで、中華麺に一般的なうどんつゆという組み合わせでした。全国各地に見られる中華麺+和出汁の組み合わせですが、少し甘みのある関西風のうどんつゆなので、塩気が強い姫路の「えきそば」や直江津の「かけ中か」などとは大きく異なる味わいでした。これまでに食べたことがあるものの中では、東京の西日暮里「しすせそ」の裏麺が一番近かったように思います。具材は、チャーシュー、モヤシ、ワカメ、カマボコ、柚子皮。どちらかというとラーメン寄りです。コショウを振れば完全にラーメンとして美味しく食べられそうです。七味を振れば、ややうどん寄りになるでしょうか。
  日曜11:00頃の訪問で、先客3・後客0。私の後で3人入ってきたものの、何も注文せず水だけ飲んで出ていきました。客席は道の駅の休憩所を兼ねているようで、水だけ飲んでいく行為も特段規制していないようです。


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★北内駅(とさでん交通伊野線)
「ごはん家(レストパークいの)」  実食日:2021/7

  駅を出て西へ1分。北内駅は路面電車の電停なので、ホームが千鳥配置になっていてそれぞれに出入口があるため、「出て右(または左)」という説明の仕方が難しい。まぁ、店は路面電車が走る国道33号線に面していて距離的にも近いので、そう迷うことはないだろう。規模の大きな農産物直売所に併設された軽食堂で、四国のこの手の店としては珍しく、うどんだけでなくそばも扱う。また、和麺のほかにラーメン、焼きそば、丼もの、定食など手広く手掛けており、さまざまな需要に応えられそうな店だ。鍋焼きラーメン610円を扱うあたりにご当地感があるのだが、宮崎名物のチキン南蛮定食760円があったり、ナポリタン550円が鉄板に薄焼き玉子を敷く名古屋スタイルになっていたりするあたり、無国籍な印象も受ける。システムは食券制で、客席はフードコート形式。
  そばの麺は、食べてみての印象としては生麺(確認はしていない)。冷凍っぽさもあるけれど、冷凍にしては香りがあるし、生麺に特有のぬめりも少し感じられた。つゆは、薄口醤油仕立ての関西風ではあるけれど、四国に多いイリコ出汁前面のものではない。昆布中心なのではないかと推察。たぬきなし、かけ350円、きつね460円。ハーフ190円の設定があるので、ご飯ものにハーフそばを追加する手もありそうだ。私の注文は、きつねそば(ワカメ入り)にちりめん丼(小)210円を追加。きつねは、直角二等辺三角形1枚。正方形を対角線で切ったのかと思いきや、どこにも切り口がない。もともと三角形に作られた油揚げのようだ。ふっくらしていて出汁をがよく染みるので、なかなか美味しかった。ちりめん丼は、ご飯の量は想定通りだったけれど、ちりめん(しらす干し)がかなりボリューミーで嬉しい誤算。ちりめんと白ゴマを和え、上から大根おろしと刻み大葉を乗せる。大葉の香りがよいアクセントになっていてとても美味しかった。残念だったのは、ちりめん丼専用の甘辛いタレが受渡口脇にしか置かれていなかったこと。フードコート形式だから致し方ないのだが、一見客は味の加減が分からないので、各席にあって足し算でタレを追加していけるといいなと感じた。箸は割り箸。
  平日15:30頃の訪問で、先客5・後客2。席数から考えるとかなり空いている印象だったが、この中途半端な時間帯でもこれだけ需要があることの方が特筆すべきかもしれない。なお、コロナ対策のパーティッションは、テーブル席にはない。横並びのカウンタータイプの椅子席には、1〜2人分ごとに設置されていた。


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★とさでん伊野駅(とさでん交通伊野線)
「ごはん家いの」  実食日:2021/7

  駅を出て右へ30秒、左側。スーパーマーケット「サニーマート伊野店」を中心としたショッピングセンター「サニーアクシスいの」の1階。建物内の駅寄りにあるのがありがたい。隣の伊野駅前駅や、JRの伊野駅からでも徒歩圏内。フードコートっぽい造りではあるが、単独店舗での運営。店名から推して知れるように、北内駅最寄りの「ごはん家(レストパークいの)」と同系列の店。メニューも大半が共通しているようだが、こちらには鍋焼きラーメンがない。その代わり、揚げ物系トッピングの種類が多い。天ぷらよりも鶏唐揚げの方が名物格になっている様子だ。察するに、「レストパークいの」はある程度観光客が入ることを想定しているけれど、こちらは地元住民の普段使いを想定しているのかな、と。客席は椅子付きカウンターとテーブルが主体で、テーブル席の一部はファミレス感覚のボックスシートになっている。速食もよし、ゆったり歓談しながら食べるもよし。マルチに使えそうな店だ。ショッピングセンター内店舗にしては珍しく朝7時から営業しているから、朝食にも使える。朝限定のメニューもある様子だ。精算・受渡のシステムは、有人レジにて先払い→バイブレーターで呼び出し。
  いただいたのは、かけそば+鶏唐揚げ2個。麺は、食感的にも風味的にも、やっぱり生っぽい。四国で食べる廉価系そばとしては、香りがだいぶある方だ。つゆは、イリコ中心ではなく昆布中心と思われる風味。鶏唐揚げはそれほど大きくはない。ゴルフボールとテニスボールの中間くらいか。モモ肉使用だから旨みたっぷりだし、揚げたてを提供してくれたのでアツアツジューシーで美味しかった。衣をカリッと仕上げているのも、食感にアクセントが生まれて好印象。総じて満足できたのだが、唯一残念だったのは、そばが先に出来上がって、唐揚げは後から提供(席まで持ってきてくれた)になったこと。同時出しできるくらいにオペレーションが洗練されれば、もっと印象が高まると思う。かけ350円(ワカメ・カマボコ入り)、単品鶏唐揚げ1個70円。ハーフそば190円の設定あり。
  平日18:00頃の訪問で、先客2・後客7。席数から考えると空いている印象だが、思っていたよりは需要があるんだなと感じた。唐揚げが美味しかったので、次回訪問する機会があればぜひ唐揚げ定食700円あたりを狙ってみたい。


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★篠原駅(とさでん交通後免線)
「ごめん」  実食日:2021/10

  駅を出て右(東)へ3分、左側。ロードサイドのセルフうどん店がたまたま路面電車の電停近くにあったパターンだが、当サイトではこれも掲載対象になる。また、うどんのみでそばの扱いはないのだが、四国特例で対象に含める。店名は、店がある南国市の中心市街の地名「後免」に由来しているのだろう。決して「不味くて御免」という意味合いではないと思う。ロードサイド店だけあって店内はわりと広く、客席はテーブル30席くらいと椅子付きカウンター15席くらい。テーブル席の方が多いのも、ロードサイド店らしい部分だ。車で訪れる客が多いということは、グループ客が多いということでもあるので。システムは平均的な讃岐スタイル。入店してすぐのところに麺の注文口があり、口頭注文。麺を受け取ってから奥へ進み、セルフ式のトッピングを好きなだけ取り、有人レジで支払い。ちなみに、セルフトッピングコーナーにはトングが用意されていない。備え付けの割箸を使って取り、その箸をそのまま席まで持って行って、使って食べる仕様だ。これは、四国のセルフうどん店ではさほど珍しくないスタイル。
  麺は、微妙に太さが揃っておらず、手打ちを思わせるもの。ただ、歯ごたえは機械打ちっぽくもあった。まぁまぁ美味しい部類だと思う。つゆは、昆布とイリコのブレンド出汁と推察。若干生臭みがあるのは、少し昆布を煮出しすぎているためだろうか(あるいは、イリコ由来かも)。多少好き嫌いが分かれるかもしれないが、それほど強烈なわけではない。天かす・ネギ(万能タイプの青)・ワカメがフリーで、かけ(小)300円。高松あたりにくらべると高めの設定だが、高知では平均的な価格帯か。ちなみに天かすは、トングか何かを使って天ぷら粉だけを油の海へ落としたような形状。副産物ではなく、意図的に作ったものと見受けた。変わりメニューに、アサリ600円(小)、肉みそラー油580円(小)。ご飯ものも手広く扱っており、定食もある。ただし、ロースかつ定食1100円など、値段は高め。セルフうどん店で1000円以上の定食系メニューを設定して、注文する人がいるのだろうか……。私が実食したのは、かけ(小)+ジャンボ鶏天160円+おにぎり100円。鶏天は、ジャンボといっても我孫子「弥生軒」の半分くらい。ムネ肉使用で、さっぱりしている。おにぎりは、ふりかけを混ぜ込んだごはんをラップで包んで三角形に握ったもの。サイズは小さめだしチープなものだけれど、手作り感があるのは嬉しい。この手の店でパラシュート包装のおにぎりが出てくると、どんなに具だくさんでも興醒めしてしまう。それだったら、具ナシの塩むすびでも、手作りの方がいい。総じて、さほど大きな特徴を感じる店ではなかったけれど、逆に目立った欠点もなく、無難に美味しく食べられる店だと感じた。
  日曜15:30頃の訪問で、先客0・後客4。アイドルタイムではあるが、ちょっと空きすぎているような気がした。周辺に競合店などはあまりないし、もうちょっと入ってもよさそうに思う。その一方で、四国のセルフうどん店の多くが14時か15時で店じまいにしてしまう理由もわかったような気がする。


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