九 州 3
(福岡以外(沖縄含む))

現在、45軒掲載(うち12軒は、閉店確認済)
★けやき台駅(JR鹿児島本線)
「ウエスト」  実食日:2017/7

  改札を出てたら右に駅を出て、駅と直結している歩道橋で国道3号線を渡る。歩道橋を降りたら右(というか後ろというか。基山駅方面)へ3分半。ローソンの隣。大きな高看板が目立つ(歩道橋上から見える)店だから、そう迷うことはないだろう。店舗名は「基山店」。福岡県との県境に近い場所で、4〜5分東へ歩けば福岡県になる。駐車場のあるドライブインタイプの店舗で、24時間営業している。配膳付き後払いの店だから、関東の「山田うどん」のような存在だ。客席は、椅子付きカウンター・テーブル・座敷と揃っていて、数え切れないというか数えるのが面倒になるほどの客席数がある。ただ、ひとり客は、たとえガラガラに空いているときであっても、椅子付きカウンターを利用するのがなんとなく暗黙のルールになっているような雰囲気。というか、ひとりの場合にはカウンターに座るのが九州男児の好みなのかもしれないが。
  「ウエストのうどんはまったくコシのないやわ麺」と聞いていたので、おそらくそばも似たようなものなのだろうと思っていたのだが、食べてみてびっくり。ピンと伸びた、歯ごたえの強いそばが出てきた。香りはさほど感じない(つゆが強すぎるせいもあるかも)から、冷凍麺だろうか。つゆは、小アジ+イリコの出汁だという(表示あり)。私はアジ出汁にあまり馴染みがないのでちょっとコメントも難しいのだが、飲んでみた印象としては大牟田駅「大牟田うどん店」のつゆをかなり濃くしたようなイメージ。キレとまろやかさが両立していて、方向性としては美味い。イリコのみの出汁とはだいぶ違う。ただし、ちょっと濃すぎる(出汁も塩気も)うえに大きな丼にたっぷり注いでくれるので、終盤に少々飽きがくる。かけ280円、丸天420円、かき揚げ450円など。ごぼう天390円とは別にごぼうかき揚げ400円がある。ごぼう天は単独揚げ、ということか。実食は、丸天そば。丸天は大判で、白身魚(タラ系かイトヨリダイか)の甘み・旨み濃厚。表面には香ばしさもあって、美味しい。大きくてかぶりつきにくいためだろうか、注文時に「丸天は切りますか?」と聞いてくる。私は切らなかったが、希望すれば十字に切ってくれる。セットメニューやサイドメニューも充実。天かす&青ネギフリー。
  あまり評判がいいとは言えない店だけど、味・ボリューム感・値段とも、問題なく満足できるものだった。やっぱり、先入観を持ってはいけないね。これなら、たくさんある店舗の虱潰しも楽しみだ。ただ、ひとつだけ残念なことが。詳しくは書かないが、異物混入があった。これにより、衛生を−2点としている。


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★鳥栖駅(JR鹿児島本線・長崎本線)
「中央軒」  実食日:2006/7

  九州の一大交通ジャンクション・鳥栖駅には、各ホームと待合室内に駅そばがある。店名はすべて「中央軒」。有名な駅弁業者の店である。私は車で訪れたので、改札外の待合室内の店舗で実食。
  九州北部の駅そばにはよくあることだが、ここでは全メニューに「かしわ」(鶏肉)が入る。甘辛く煮付けてあるので、それなりにつゆの味に影響を及ぼす。「不要な人は申し出てください」と書かれた貼り紙が出ているのは、その辺りを考慮してのことだろう。麺は均質系の茹で麺で、少しネットリ感がある。私はこの店では丸天そば(390円)を食べたのだが、ここの丸天は丼の口径とほぼ同じくらいの大きさがあり、ボリューム満点だった。そして分厚く、タコなどの具がたくさん入っていて美味しい。また、丸天を一度湯通ししてからそばの上に乗せていたのが印象的だった。つゆが冷めないように、との配慮だろうか。他のメニューの値段は、かしわ(かけに相当)290円、月見360円、ごぼ天・えび天390円など。たぬきはない。


※値上げしていました。現在、かしわ350円、月見420円、ごぼう天・えび天450円です。ホームの店舗と同じ価格設定ですね。肉(かしわ)の大盛り(60円)ができます(2015/10、確認)。

※特段改装したわけではありませんが、15年ほど経っているので写真を貼り足しておきます(左:旧、右:現)。並べて見比べると、売店の商品陳列棚がなくなっていることが分かります。簡素化されたようです。そば・うどんについては、消費10%増税を経て少々値上げしていました。現在、かしわ360円、月見430円、ごぼう天・海老天460円、かしわ肉大盛り80円です。新トッピングに、レモン80円が登場しています。これ、北海道で一度食べたことがあるメニューです。意外に美味しいと思います(2021/7、確認)。

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「中央軒」  実食日:2007/12

  5&6ホームやや久留米寄り。鳥栖駅には、全部で4軒の「中央軒」がある。改札外待合室(上記)、1&2ホーム、3&4ホーム、そしてこの5&6ホーム。改札外の店舗は他の店舗と形態が異なるので別店として扱うが、ホームの店舗はすべて同じ形態・メニュー・値段でホームが違うだけなので、同一店舗として扱う。ただし、各ホームの店舗もそれぞれ営業日・時間は異なっている。大晦日に店を開けていたのは5&6ホームの店舗(と改札外店)のみ。
  味覚的には、改札外もホームも同じ。ややモサモサした麺で、つゆは甘め。デフォルトでかしわが入り、丸天はタコ入り。値段も改札外店舗と同じで、かけ290円、月見360円、ごぼ天・エビ天・丸天各390円。


※値上げしていました。現在の値段は、かしわ320円、月見390円、ごぼう天・えび天・丸天420円です。変わりメニュー「あすぱら天そば(420円)」を発見しました。アスパラは地元産を使用しているそうです(付+1点。2008/9、確認)。

※2009/4、再食。あすぱら天そばを試してみました。見た目のハデさには欠けますが、地元産へのこだわりには共感票を入れたいと思います。

※2010/4、再食。あすぱら天そばは、季節限定商品(おおむね3〜10月取扱い)です。

※値上げしていました。現在、かしわ350円、月見390円、ごぼう天・えび天・丸天・あすぱら天450円です(2014/8、確認)。

※2014/12、再食。この時季にはあすぱら天がないので、丸天450円を実食。変わらず、タコ入りで美味。ハッキリと具材が入った丸天を提供しているのは、中央軒だけかもしれません。とても美味しいので、他の店でもマネすればいいのに、と思ってしまいます。単価が高くなってしまうからやらないのでしょうか。

※昼間の写真を撮ってきました。貼り替えようと思いましたが、10年以上経っていることだし、貼り足すことにします(左:旧、右:現)。値段等、変わっていません(2018/7、確認)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かしわ360円、月見430円、ごぼう天・えび天・丸天460円です。あすぱら天は、終了の模様。超残念です(付−2点。2020/12、確認)。

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「中央軒」  実食日:2018/7

  3・4番ホーム中ほど。上記5・6ホームの店舗と同じような造りの島式店舗。従来、同一駅に複数の店舗がある場合、構造等に顕著な違いが見られなければ同一店舗として扱ってきたのだが、近年完全に店舗ごとに記事を分ける方式に転換したため、5・6ホームの店舗とは別に記事を立てる。厨房を取り囲む客席は立ち食いのみで、キャパは7〜8人といったところ。ただ、混雑時には付近のベンチに座って食べたり、店近くで手持ち食いをすることもできそうだ。ちなみに、この他に1・2番ホームにも同様の店舗がある。構造上の違いはほとんどないのだが、よくよく注視すると見分けがつく。正面カウンター下の通気口(?)が、小さいのが5・6ホーム、大きいのが3・4ホーム、中くらいのが1・2ホーム。
  麺は、わりとグレーの濃い茹で麺。舌触りが適度にザラザラしており、つゆに馴染みやすい。個人的に好きなタイプだ。つゆは、甘めで、辛め。醤油の香りも強めに感じられる。九州では珍しいだろうか、つゆ自体の主張が強く、駅そばらしさ全開と言えるつゆ。デフォルトでかしわ(味付き鶏肉)がトッピングされるので、なおのこと甘辛さが際立っている。かけに相当する「かしわ」350円、ごぼう天450円、えび天450円など。5・6ホームで販売されているあすぱら天が、この店舗では提供していないようだ。メニュー表に白紙が上貼りされている。5・6ホームにはあることを同日確認。1・2ホームの店舗も白紙上貼り。実食は、丸天そば450円。丸天は、もしかしたら最近仕入先が変わっただろうか、丸くないイビツな形のものだった。もともとちょっとイビツな形ではあったように記憶しているが、もはや「丸」と名付けるのが不自然なレベルになっている。厚みがあり、中はハンペンのようにフワフワ。小さく刻んだイカが練り込まれているのは以前と変わらない仕様。ここは「中央軒」ならではの部分なので、変えないでほしいところだ。
  平日17:00頃の訪問で、先客0・後客1。閉店時間が18:00だから、このくらいの時間帯になるとあまり客数は多くないのだろう。腰の曲がったお婆ちゃんがひとりで店番をしていたくらいなので。あまり難しいことは言わず、いたわる気持ちをもって利用していきたい。


※現在、営業していません。まだ建物は残っており、再開の可能性が捨てきれないので閉店扱いにはしませんが、このまま閉店の可能性もありそうです。コロナの影響での休業なのかと思いきや、価格表示が消費税8%時代のままになっているので、コロナ前から休業に入っている様子です。なお、1・2番ホームの店舗(未食)も同様に休業となっていますが、こちらは価格表示が消費10%対応後のものになっています。将来的な営業再開は、こちらの方がいくらか可能性が高そうです(2020/12、確認)。

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★新鳥栖駅(JR長崎本線、九州新幹線)
「中央軒」  実食日:2011/8

  在来線の1番ホーム。ホームに露出した立ち食いカウンターのみだが、間口はわりと広い。すぐ隣が改札になっていて、改札外側にも2人ほどが食べられるカウンターがある。九州新幹線と同時に開業した駅で、私は「駅そばが設置されるとしたら新幹線の方だろう」と思っていたのだが、フタを開けてみると在来線の方に。ちょっと意外な感じがした……というか、大丈夫だろうか。将来的に、西ルートの新幹線が開業すれば、ここはあまり人通りが多くない場所になりそうな気がするのだが。
  味覚的には、鳥栖駅の「中央軒」と変わらない。黒みが強くほどよいザラザラ感がある麺に、かしわが加わってまろやかな甘みがあるつゆ。関東人にとっては、たいへん馴染みやすい味だ。しかし、すべて鳥栖駅と同じかというと、これが微妙。鳥栖駅のオリジナルメニュー「あすぱら天そば」がこの店にはなく、代わりに「親子そば」というのがある(420円)。内容は、スクランブルエッグ+かしわ。たまごが柔らかすぎず固すぎず、絶妙。つゆの味覚にも、嫌味にならない程度に干渉する。このあたりの微妙な匙加減は、駅弁業者の真骨頂と言えるだろう。一瞬、「中央軒」では全面的にあすぱら天をやめてしまったのかと思ったが、後(同日)に鳥栖駅に行ってみたところあすぱら天は「期間終了」となっている(もともと季節限定メニュー)だけで、こちらには「親子そば」はなかったので、とりあえず現時点では「親子そば」は新鳥栖オリジナルなのだと認識しておく。ほかのメニューは、鳥栖駅と同じ。月見390円など。


※値上げしていました。現在、かしわ(かけに相当)350円、月見420円、ごぼう天・丸天など450円です。親子そばは終了していました。あすぱら天450円が登場しています。鳥栖駅と同じメニュー構成になったようです(2014/8、確認)。

※2度の消費増税を経て、値上げしていました。現在、かしわ360円、月見430円、ごぼう天・丸天460円です。8%増税時には据え置き、10%増税で増税ぶんだけ上げたと思われます。あすぱら天は終了し、代わってれもん440円が登場しています(2021/7、確認)。

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★佐賀駅(JR長崎本線)
「寅ちゃんうどん」  実食日:2004/8

  改札出て直進。ショッピングモール(DEITOS東館)に入り、突き当たりを右、右側。改札から遠いだけでなく、配膳つき後精算(伝票制)の店なので、駅そばのカテゴリーに入れて良いかどうか微妙なところだが、値段的に○だし、味も○なので入れることにした。
  美味いのは、麺。たぶん冷凍だとは思うのだが、黒くて歯ごたえがあり、私好み。つゆはやはり色の薄い関西風だが、驚くほどの感動はなかった。ワンポイントとして、テーブルに「ゆずこしょう」が置いてあるのが気に入った。ゆずこしょうは宮崎の名産だが、広義にとらえれば「九州名物」でもある。特別アピールするわけでもなく、さりげなく置いてあるところが嬉しい。それから、たぬきもテーブルに置いてあり、入れ放題。だから、かけそば(カマボコ2枚入りで330円)を頼めば自動的にたぬきになる。全メニュー、うどんよりもそばの方が20円高い。つまり、かけうどんは310円。天(かき揚げ)なし、ごぼ天・丸天はともに390円。変わりメニューに「ミックスそば」というのがあるが、ショーケースを見たところ、入るのは卵・ごぼ天・肉・ワカメ。770円は少々高い気がする。


※前回訪問時からだいぶ時間が空いていることもあり、大幅に値上げしていました。現在、かけ410(うどん380)円、ゴボ天・丸天450(うどん430)円、ミックス800円(うどん同額)です。メニューによってそばとうどんの価格差が異なっているのが興味深いです。変わりメニューに、肉キムチ700円(うどん同額)が登場しています。なお、旧写真のアングルがあまりよくない(狭い通路にあるので、広角レンズがないと正面からの写真撮影が困難)ため改装しているかどうか判別できませんでしたが、14年経っているので写真を貼り足しておきます(左:旧、右:現。値−1点。2018/7、確認)。

※2021/7、再食。その前に、消費10%増税を経て値上げしていました。現在、かけ450(うどん400)円、ゴボ天・丸天500(うどん450)円、ミックス880(うどん830)円、肉キムチ780(うどん730)円です。夏季のみですが、そうめんとひやむぎの扱いがあります(ともに580円)。
  今回いただいたのは、ゴボ天そば(カマボコ2枚入り)。初食時に冷凍麺かなと思っていましたが、今回注文時に「今から茹でるので6分ほどかかります」と言われたので、生麺か乾麺のようです。ホクホクした食感で、わりと香りあります。色が初食時の印象よりも白っぽくなったような気がするので、もしかしたら麺が変わっているのかもしれません。ごぼう天は、ささがきのかき揚げタイプ。揚げ置きで、香りはさほど強くありません。悪くはないですが、九州ではもっと上質なごぼう天を出す店がたくさんあるので、この店でわざわざ選択することはないかなと感じました。フリーの天かすは、淡雪タイプ。入れすぎるとつゆを全部吸ってしまうので、注意が必要です。柚子コショウも健在でした。これはとてもありがたいです。
  平日14:30頃の訪問で、先客13・後客2。客足に波があったのは、先客のうち8人が高校生のグループだったため。それを除いても、アイドルタイムにしては入っている方かなと感じました。なお、新型コロナ対策のパーティッション等は設置されていませんが、入口脇に手指の消毒液を設置し、入店客全員に消毒を求めていました。


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★伊万里駅(JR筑肥線、松浦鉄道)
「食亭ひまわり」  実食日:2021/7

  伊万里駅は、JRと松浦鉄道とで駅舎が別棟になっている。そして両者の間には広い道路が横切っていて、横断歩道がない。歩道橋で渡って相互往来する仕組みで、当駅での乗り継ぎは決して便利とは言えない。なんでこんな意地悪な造りになってしまうのかなと、疑問に思う。どちらの駅舎にも、それぞれ店舗が入っている。JR側には、喫茶コーナーを併設した伊万里焼の展示販売店と、観光案内所。そして松浦鉄道側に当店がある。つまり、この店は松浦鉄道のユーザーにとっては便利な立地で、JRユーザーにとってはあまり使い勝手がよくない場所、ということになる。駅舎の内外両側から出入りできる造りになっているのだが、駅舎内の出入口(写真)は間口がとても狭く(塩尻駅「桔梗」に次ぐ狭さかもしれない)、目立たない。そこに店があることにすら気づかない人が多いのではないかと思う。しかし、外側はガラス張りの間口が広く、幟も複数立っていて賑やか。駅の外から利用する人の方が多そうだ。メイン客層は、客待ちタクシーの運転手だろうか。口頭注文の後払い制で、席数は17くらい。椅子付きカウンターのみで、厨房と対峙する席と壁側を向いた席がある。
  麺は、おそらく冷凍。断面偏平形で、香りはあまりない。つゆは、カツオ出汁を前面に感じるもの。塩気は控えめで、あまり深みがある感じでもなく、ひたすらあっさりのイメージ。もうすこし塩気があってもいいのかなと感じる。かけ(「素」と表記)400円、きつね・月見450円、かき揚げ500円など。実食は、月見そば(揚げ玉・ワカメ・カマボコ入り)。玉子は先乗せで、白身が白濁した状態での提供だった。月見そばにしてはつゆが少々多めに入ったようで、玉子が沈んで一瞬「あれ、たぬきそばが出てきた」と思ってしまった。揚げ玉は既製品で、特段どうということもない。ネギは青(分葱タイプ)。そば・うどん以外には、カレーライスや定食類、セットメニュー、コーヒーなどがある。あまり洒落たメニュー構成ではなく、オーソドックスだ。軽食喫茶というよりは、昔ながらの食堂といったイメージだ。訪問は夏季で、この時には冷やし中華もやっていたのだが、いわゆるラーメンはない。ざっと見て、お得感がありそうなのは、「素うどん(そば)と餃子とライス」だろうか(750円)。餃子は手作りだそうで、少々気になった。箸は半個包装の竹製割箸。
  平日10:00頃の訪問。オープンが10時なので、待っての入店。したがって、先客は0。後客も0だった。店員さんはワンオペで、昼に向けての準備で忙しそうにしており、あまり話ができなかったのが残念。昼時には賑わうのだろうか。なお、新型コロナ対策のパーティッション等は、設置されていない。


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★諫早駅(JR長崎本線・大村線、島原鉄道)
「万平」  実食日:2011/8

  駅を出て直進1分、諫早バスターミナルの2階。歩道橋からダイレクトでバスターミナルの2階へ出入りできるようになっているので、2階にある店にしてはたいへんよく目立っている。店内にはテーブル席がたくさんあり、配膳付き→後払いというシステム。値段と、オープンキッチンであることと、出来上がりまでの時間の早さを根拠に、掲載対象とする。
  麺は、長崎「ターミナルうどんコーナー」に似ている極太麺。やや黒みが薄いか。やはり、ボソボソした食感でつゆにあまり馴染まない。しかし反面、雑味のないつゆはなかなか美味しかった。色が極端に薄く、ほとんど透明に近い。たぬき360円。変わりメニューが、煮たまご400円、万平630円、弁慶630円などいろいろある。ただし、実食した煮たまごは、要するにゆで卵だった。かけは、315円と半端な値段。また、学生ミックス370円、学生セット470円など、通常よりも100円程度お得な学生限定メニューがある。これらは、外に掲示されている品書きには記載されていないので、要注意。


※価格据え置きでした。消費増税による値上げはありません。かけ315円という価格は「本体価格300円+消費税15円」だと思っていたのですが、そうではなかったのでしょうか?(2014/8、確認)

3 2 1 4 3 2 15
★浦上駅(JR長崎本線、長崎電気軌道(浦上駅前駅))
「ステーショングリル」  実食日:2004/8

  駅を出て左すぐ。プレハブの飯場のような建物で、とってつけたような感じの店。正直、外観からはあまり高い期待をしていなかった。しかし、実食してみて「駅そばは見た目によらぬもの」を実感することになった。
  何が美味いかというと、とにかくつゆ! 塩分濃度の低さでは、おそらく日本一だろう。言い得ているかどうか分からないが、「強烈にあっさり」している。普通、ここまであっさりしていると物足りなく感じるものだが、出汁がしっかりしているからだろうか、物足りなさは微塵もない。ほとんどだし汁だけで勝負している店なのである。そして、つゆだけでなく、麺もちゃんと水準以上のレベルに達している。太くて黒みが強く、やや硬めで歯ごたえ満点。
  その他にも面白い点がある。そばが出来上がると、なぜかおばちゃんは私が座っている席ではなく、奥の方の席に置く。そして一言。「こっちに座りませんか?」と。空いているのに座席を指定される駅そばなんて、初めてだ。一瞬、席ぐらい自分で決めさせてくれと思ったのだが、もう一言付け加えられた。「そこは厨房前で、湯気が熱いですから」。決して気まぐれではなく、ちゃんと客のことを思っての振る舞いなのだった。
  メニューも西日本独特で、たぬきなし、天(かき揚げ)なし。全体的に、うどんよりもそばの方が10円高い。きつねそば330円、まる天そば330円、ごぼ天そば340円。すべてカマボコ入り。なお、店名は表には記されていないが、食券に「ステーショングリル浦上店」と書かれており、これを店名と解釈した。


※大幅に値上げしています。現在は、きつね・丸天・ごぼ天すべて400円です。また、そばとうどんが同価格になっていました(値−1点。2011/8、確認)。

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★長崎駅(JR長崎本線、長崎市電(長崎駅前駅))
「ターミナルうどんコーナー」  実食日:2011/8

  駅と歩道橋で直結している県営バスターミナルの1階。この駅に掲載対象店がないのをずっと不思議に思っていたというか、ある種「納得できない」とさえ思っていたので、ようやく発見できて、ご満悦。立ち食いカウンターのみのシンプルな店で、照明がかなり暗いので、どこか陰鬱とした空気が立ちこめている。いかにも「さいはての店」という雰囲気だ。
  味覚的には、お世辞にも……というレベルだった。太さ5ミリほどもある極太麺は、見た目には美味そうだったのだが、いまいちつゆに馴染まず、ボソボソとしていて食が進まなかった。つゆは悪くない。しかし、天(実食はごぼう天)は衣が多すぎて、しかもベチャッとした食感。ごぼうが固く、アンバランス。皮を剥かず、ごぼうの強い食感を出すのは悪くない試みだと思うけれど、衣との相性が悪すぎる。かけ300円、ごぼう天450円(カマボコ2枚入り)など。変わりメニューに、青さのり(いわし天付き)450円がある。また、毎週日曜の11〜19時に限り、長崎らしくちゃんぽんと皿うどん(ともに600円)が売り出される。評価は低くなってしまったが、この場所に店があったことは素直に喜びたい。


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★佐世保駅(JR佐世保線、松浦鉄道)
「松僖軒」  実食日:2011/8

  JR改札を出て左前方向。通路の奥になっていてちょっと分かりにくい場所にある。駅弁販売コーナーを併設した店だが、麺類を食べに来る客の方が多いようだ。客席は、椅子付きカウンターとテーブル席。配膳付きで、後払い(伝票制)。
  麺は、冷凍っぽいツルツル食感。つゆはスッキリしていて飲みやすい。九州では、このような色が薄くてスッキリしたつゆが主流のようだ。実食したごぼう天(メニュー名は「ごぼー天」)は、スライスの単独揚げ。これが非常に美味しかった。店内で揚げているのか(未確認)、サクッとした食感で、衣が薄いのでごぼうの食感・風味が生きている。全メニュー、うどんよりもそばの方が高く設定されているが、その幅がメニューによってマチマチなのが不思議。たとえば、かけ335−400円、ごぼー天370−420円、きつね385−440円といった具合。5円単位の半端が出ている時点で、すでに不思議なのだが。ごぼー天そばとかけそばの差額が20円しかないというのも不思議。どんな根拠で価格を設定しているのだろうか。


※2014/7末をもって閉店してしまいました、いろいろと特徴のある店だっただけに、残念です。そば・うどんもさることながら、名物駅弁の「レモンステーキ弁当」が食べられなくなるのも残念です(2014/8、確認)。

※跡地に「匠庵」といううどん店が入っていましたが、そばの扱いはありませんでした。残念です。ただ、レモンステーキ弁当の販売が復活していたのは不幸中の幸いと言うべきでしょう(2018/7、確認)。

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★多比良町駅(島原鉄道)
「多比良港うどんコーナー」  実食日:2014/8

  実測で駅歩6分だったので厳密には圏外なのだが、特例を適用。熊本県の長洲と多比良を結ぶ有明フェリーのターミナルビル内にある軽食スタンド。長洲港にも同様の店舗があるが、こちらは長洲駅歩30分くらいかかるので圏外。基本的には土産物店内に露出した立ち食いカウンターのみだが、建物の外にテラス席があり、座って食べることもできる。テラス席は海側になるので、フェリーの出航シーンを眺めながらそばをすするという旅情たっぷりのワンシーンを楽しめる。フェリーターミナルには麺類スタンドがよく似合うと思うが、中でも多比良港は別格だと思う。
  麺は、冷凍だろう。ツルツルした舌触りで、弾力があるタイプ。つゆは、かなり複雑な風味。カツオっぽい酸味はまったくなく、かといって昆布という感じでもない。イリコか、アゴか、ブレンドなのか。あまり他店では出会わない味覚なので、新鮮で美味しい。ごぼう天は、縦スライスの単独揚げ。店内で揚げている様子はないが、衣に独特な香ばしさがあり、固すぎず柔らかすぎず、美味しい。メニューは丸天・ごぼう天など5種類で、450円均一(うどんは430円均一)。かけというメニューはない。麺類のほかにも、ホットドッグ・たこ焼き・カレー・牛丼・ピラフ・フライドポテト・ソフトクリームなど手広く扱っている。


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★島原外港駅(島原鉄道)
「島原港うどんコーナー」  実食日:2014/8

  駅を出て右へ4分、島原港フェリーターミナルビル内。島原港は多比良町港よりもターミナルビルの規模がだいぶ大きいので、ビル内の位置がちょっと分かりにくい。ビルに入って左奥の売店内にある。一見すると厨房を囲む立ち食いカウンターだけに見えるのだが、実はパーティッションの裏にテーブル席が隠れている(4人×2)。壁に囲まれて若干アウェーな雰囲気ではあるが、座って食べることもできる。
  麺は、優しい歯触りの茹で麺だ。大きな特徴は感じないが、九州のつゆには冷凍麺よりも茹で麺の方が合っていると思う。つゆには、やや甘みがある。実食は肉そば。肉はかなり細かくカットされていて、タマネギと一緒に炊いてある。牛丼の具のようなイメージ。メニューは、全部で4種類。かけ450円、月見・きつね・肉500円。例によってうどんは割安なのだが、かけ400円、月見450円、きつね・肉500円と、不思議な設定になっている。なぜ、きつねと肉だけそば・うどん同額なのだろうか。ワンコイン内におさめたかったのかな。カウンター上にゆずこしょうがあるので、ありがたく活用しよう。

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★熊本駅(JR鹿児島本線・豊肥本線、熊本市電(熊本駅前駅))

「音羽家」  実食日:2003/7

  1番線ホームのエスカレーター脇。阿蘇名物の「高菜」を使った“たかなうどん”(330円)を出す店だ。店自体は非常に素朴で、駅員が旅客に混じってうどんを啜っている姿(写真に写っているのが駅員)は旅情そのもの。
  私は天そば(330円)を食べたのだが、インゲンとニンジンがたっぷり入っていて、味も食感も見た目にもGOOD。極太の麺も美味しい。つゆにはあまり特徴がないのだが、全体的に高いレベルにあると言える。強いてケチをつけるとするなら、カウンターが若干低いことと“たぬき”がないこと。それくらいだ。

※閉店していました(2007/12確認)。九州南部は壊滅的ですね。

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「まるうまうどん」  実食日:2013/3

  新幹線の開業を契機に、熊本に駅そばが戻ってきた。店は新幹線改札脇にあり、改札内外両側から利用できる。改札内側は、入って左すぐ。外側は、新幹線口待合室内(写真)。在来線の改札内からは利用することができない。席配置は、2人掛けテーブル席が1つに、椅子付きカウンターが6席(改札外側)。改札内側はよく見えなかったが、立ち食いのみっぽい造り。システムは、食券制で配膳付き。
  麺は、駅内外を問わず九州でよく見るタイプの冷凍麺。質感があまりなく、歯ごたえというか弾力があるタイプ。つゆには独特な甘みを感じたのだが、これはおそらくトッピングに肉を乗せたからだろう。総じて、まぁまぁ美味しい部類ではあるのだが、あまり記憶に残らないというか、どこにでもありそうな味というか。かけ320円。全メニューに、ちくわ(スライス多数)とワカメがサービストッピングされる。変わりメニューに、さくら500円、辛子れんこん500円、火の国550円がある。「さくら」には、甘く炊いた馬肉が、「火の国」にはさくらと辛子れんこんの両方がトッピングされる。辛子れんこんのトッピングは初めて見たのだが、そばつゆとの相性を含め、悪くない。ベース部分の特徴があまりない店だけに、このように変わりダネを用意して特徴を出すのは良い試みだと思う。箸はエコ箸。


※値上げしていました。現在、かけ350円、さくら・辛子蓮根530円、火の国570円です。熊本のソウルフード「太平燕」を扱っていました(680円)。これは一度試さないと(付+1点。2014/8、確認)。

※2014/12、再食。熊本では学校給食にも出るというソウルフード「太平燕(タイピーエン)」680円を実食。一言でいうと、「春雨ちゃんぽん」です。鶏がらベースのあっさりちゃんぽんスープに、春雨の麺。野菜や豚肉、シーフードなどを炒めた具材を乗せます。ヘルシーかつクリーミーなコクがあり、とても美味しいです。豪快な調理シーンも見ていて楽しいので、オススメです(付+1点)。

※消費10%増税を経て、一部メニューを値上げしていました。かけ350円、辛子蓮根530円は据え置きですが、さくらは550円に、火の国は580円に、太平燕は700円に上がっています(2020/12、確認)。

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「吉祥うどん」  実食日:2014/8

  在来線改札内1番ホーム階段脇。2つ上に記載している「音羽家」の跡地。跡地といっても、「音羽家」からダイレクトにこの店に変わったわけではなく、閉店から開店までに少なくとも5年以上のブランクが空いている。「音羽家」時代と同じ、立ち食いカウンターのみの露出店。
  麺は、色白ながら甘皮のツブツブが多く見られる。美味そうなビジュアルだったのだが、香りはあまりなかった。つゆは、比較的あっさり。出汁がほどよく香るので、物足りない感じではない。九州には、薄味だけど満足できるつゆを出す店が多い。全メニュー、うどんよりもそばの方が50円高い設定。そばの価格は、かけ370円、月見420円、かき揚げ470円など。かき揚げは具材感があるが、冷蔵庫に入っていたかのように冷たかったのが残念。10秒レンチンするだけでも、印象がだいぶ変わると思う。また、グリーンピースが大量に入っているので、苦手な人は要注意。揚げ玉フリーのサービスあり。箸はエコ箸・割箸(個包装)併用。


※閉店していました。ホーム高架化に伴い旧ホーム閉鎖、旧駅舎も閉鎖され(解体待ち状態)、この店は跡形もなくなっています。既に供用開始されている高架ホームやコンコースなどに、この店は入りませんでした。残念です。というか、同じく旧ホームにあった「まるうまラーメン」も閉店し、現状では在来線改札内に飲食店が1軒もない状態になっています。殺風景すぎて、不気味な駅です。暴挙としか思えません。なお、新幹線側の駅舎はそのまま供用が続いており、上記「まるうまうどん」は何事もなかったかのように存続しています(2018/7、確認)。

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「ふく泉」  実食日:2020/12

  フルサービス店だが、価格的には駅そば並みだし、駅ナカだし厨房もオープンだし、寛永年間創業の老舗ということで記事ネタとしても魅力的なので、対象に含めてしまおう。本店は熊本市南区の、駅から遠く離れた場所にある。店舗は熊本市内に数店舗を展開。うち一部は、熊本地震を契機に別会社に委譲されている。駅ナカにあるのは、ここ「熊本駅ナカ店」のみ。場所は、改札外の土産物店街「よかもん市場」内。間仕切りのない半露出店。客席は、テーブル4×3+2×3、椅子付きカウンターが厨房前10+フロア中央8。店を出る時にレジで支払う仕組みだが、伝票などは用いない。結構多客な店舗なので、誰が何を食べたかをどうやって把握しているのか、不思議。
  麺は、生麺の注文後茹でと思われる。エッジがしっかり立ったピンそばで、食感はややモッソリしている。大粒の星が散見され、そばの香りがしっかり感じられる。少し芯が残っていて「茹でアンダーかな?」と思わせる部分もあるけれど、思いのほかそばらしいそばだった。つゆは、よく言えばバランス派。悪く言うと、方向性がハッキリしないモヤリ系。う〜ん、そばの香りが浮いてしまうなぁ。この麺に合わせるのなら、出汁にしろ塩気にしろ、もうちょっとはっきりさせた方がいいような気がする。ちょっともったいないように感じた。価格は税別表示になっている(以下の記載は税抜価格)。かけ280円、きつね390円、丸天・ごぼう天430円あたりは文句なく駅そば価格だが、それ以外の種物は値段が跳ね上がる。実食した「馬肉・牛肉ハーフ&ハーフ」は、570円。馬肉は540円、牛肉は590円。それぞれ倍盛り・特盛りがある。特盛は、肉3倍+麺1.5倍のチャレンジメニュー級(馬肉・ハーフ&ハーフ・牛肉すべて990円)。牛肉は、脂身が多いクズ肉。馬肉もスライサーにかけたかのようなクズ肉だが、筋っぽさはなく上品で食べやすかった。ハーフ&ハーフだと牛肉の風味の方が勝ってしまうので、馬肉だけにすればよかったかなと後悔。ご飯ものや定食類もあるが、価格的にあまり食指が動かない。コスパを勘案すると、ベーシックな麺単でサッと済ませるのがよさそうだ。箸は、先を紙袋で覆ったエコ箸を商品と一緒に1膳提供。
  平日12:30頃の訪問で、先客20くらい、後客が7人か8人か。客層は老若男女幅広く、とても賑わっている。隣の郷土料理店は閑古鳥が鳴いており、客数にだいぶ差があるように感じた。かなり流行っている店のようだ。今後の展開にも期待が高まる。


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★新八代駅(JR鹿児島本線、九州新幹線)
「八代茶屋」  実食日:2013/3

  新幹線改札を出て左前方(在来線乗換口方面)。入口が二重玄関のような造りになっている店で、椅子付きカウンターとテーブル席がある。
  味覚的には、業者が同じなので当然と言えば当然だが、熊本「まるうまうどん」に似ている。麺は、食感が軽くて弾力がある冷凍麺。つゆには、合わせ出汁っぽい複雑な風味がある。変わりメニューの「さくら」を扱っているのも、熊本と同じ。ただし、そのほかのメニュー構成や値段設定、サービスの設定はだいぶ異なる。まず、この店では全メニューうどんよりもそばの方が30円高い設定になっている。かけ380円(うどん350円)、月見430円(うどん400円)、さくら530円(うどん500円)など。実食は月見。卵は一度別皿に落とし、菜箸でカラザをきれいに取り除いてからトッピングしていた。ここまで丁寧な店は珍しいと思う。全メニューにちくわ(スライス3枚)とワカメをトッピングするのは熊本に同じだが、使っているちくわの種類が違っていた。また、熊本にはない変わりメニューに、いぐさうどん400円がある。これは、イグサを練り込んだ特殊うどん麺なので、そばには対応していない。サービスには、学生限定の「学生うどん」がある。かけうどん+おにぎりで、390円。多少お得ではあるが、新幹線駅の学生限定サービスに果たしてどれほど需要があるのだろうか。箸はエコ箸で、ちょっと滑りやすくて使いづらい。


※値上げというか、価格構成がちょっと変わっていました。現在、そばはうどんに対して20円増しです。これを適用していくと、かけそばは370円で値下げ、月見そば440円・さくらそば570円・いぐさうどん450円はそれぞれ値上げということになります。うどんの値段で見ると、かけは据え置き、種物やいぐさうどんはすべて値上げ、ということです。ご飯ものやセットメニューも、だいたい20円ずつ上がっています(2017/7、確認)。

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★水俣駅(肥薩おれんじ鉄道)
「カネヤマうどん」  実食日:2015/10

  駅を出て、目抜き通り(線路と垂直方向)を1分。信号(国道3号)を渡ってから左折して1分。国道沿いにある、駐車場のあるドライブインタイプの店。値段的にもちょっと高めなのだけれど、地方&他に対象となる店がない駅特例を適用する。ドライブインタイプの店だけに店内は広く、椅子付きカウンターとテーブル席に加えて座敷もある。席数は、数えきれないほど(たぶん50席以上)。配膳付きで後払い(伝票制。下げ膳も不要)だけれど、厨房はオープンになっていてセルフとしても運用できそうな造りになっている。入店して任意の席に着き、オーダーを決めたら、各席のチャイムで店員を呼び出す必要があるということ。待っていても誰もやってこないので注意を。訪問が平日の12:30頃で、店内はなかなかの混雑。先客・後客とも数えきれないくらいいた。だからということもあるのだが、注文から出来上がりまで10分ほどを要した。
  麺は、おそらく生麺。少しモサモサしていて乾麺を連想させる食感ではあるのだけれど、このような店で乾麺を使うとは思えないので。細く、少し粘着する。風味はまずまず。茹で麺と冷凍麺が多い九州では、あまり出会わないタイプの麺だ。つゆは、酸味が強烈に出ている。だが、カツオという感じではない。とろろ昆布のような風味にも感じるのだけれど、よく分からない。たぶん違うと思うけれど、黒酢でも入っているのではないかと感じるような味覚だった。黒酢のような風味は、食後の余韻としても強く残る。かなり個性的な味わいなので、好き嫌いが分かれそうに思う。個人的には、あまり好きではない部類。かけ400円、玉子450円、野菜天500円など。実食は、野菜天。天は冷凍ものの注文後揚げで、インゲンが乗っていたのがよかったものの、総じての印象としては特段の感慨はなかった。カマボコ・刻み海苔・天かすがサービストッピングされる。彩りはよいけれど、個人的にはこれらを廃して50円引きを希望。酒類がいろいろある以外にはこれといった変わりメニューは見当たらなかったが、ライスを「めし」と表記(小150円・大200円)していたのが面白かった。

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★三里木駅(JR豊肥本線)
「満天食堂」  実食日:2014/12

  駅を出て左へ3分、道路向かいのイオン菊陽店内、1階フードコート。地元の方には「サンリー菊陽」と書いた方が通りがよいだろうか。3店舗が連なっているので一応フードコートの体をなしているが、中華系の「たつみや」は2014/11に正式閉店(貼り紙あり)、軽食類の「おかずキッチン」は当分休業(貼り紙あり)ということで、営業しているのはこの店のみ。フードコートのみならず、ショッピングセンター自体にあまり活気がなく、先行きが心配になってしまう情勢だ。中途半端な時間帯だったこともあって先客はゼロで、厨房内にも人影なし。「すいませーん」と呼ぶこと数回(先に券売機で食券を買っていたので諦めるわけにもいかなかった)で、ようやく日本語の怪しい極東系外国人風の店員さん登場。
  店員不在だったこともあってお湯を沸かすところから調理を始めたとみえ、調理には5分ほどかかった。麺は、冷凍だろうか。弾力のある、九州ではよく見るタイプ。つゆは薄味だが、丸みがあって意外に美味しい。そしてなによりも驚いたのは、えび天。冷凍ものなのだろうが、注文後揚げだった。衣はやや厚めだが、アツアツでサクサク感のあるものだったのだ。盛りつけも素晴らしい。サクサクのえび天がつゆに浸かりきってしまわないよう、丼の縁に立て掛ける形で供するのだ。少々つゆに浸してもサクサク感がしぶとく残るタイプの衣なのだが、それでもつゆに浸すと味は変わる。えび天を立てることで、どの味で食べるかの決定権が客側に移るわけだ。まったく予期していなかっただけに、この繊細さにはスタンディングオベーションを送りたくなった。あと、ネギが白ネギで、しかもみじん切りだったことを補足しておく。九州では極めて珍しい例だ。かけというメニューがなく、きつねが最安で500円。えび天520円、肉520円、海老かき揚げ540円、ざる550円。そば・うどんメニューは以上。ほかに丼ものや定食、ラーメンなどいろいろある。熊本名物の太平燕もあり、500円と安い。次に行くときまで存続してくれていたら、ぜひ太平燕を食べてみよう。


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★肥後大津駅(JR豊肥本線)
「スナックプラザ弁天食堂」  実食日:2014/8

  南口を出て直進2分、イオン大津店1階スナックプラザ内。一応フードコートのスタイルをとっているが、スナックプラザ内にあるのはこの店だけ(ただし、メニューによって受渡口が異なる)。利用者も少なく(なにも食べずに席だけを利用する高校生ばかり)、先行きがちょっと心配。
  麺は、少々歯に粘着するタイプ。生麺を思わせるが、香りのなさは冷凍級。つゆはあっさりしていて、飲むぶんにはいいが麺を食べているときにちょっと物足りなく感じる。うどんを強く意識したつゆなのだろう。価格は、九州にしては珍しくそば・うどん同額。ベーシックなメニューは安いが、トッピング内容によっては値段が一気に跳ね上がる。かけ300円、月見350円(実食。カマボコ2枚入り)、ごぼう天400円。ここまではいいが、かしわ500円や肉600円はかなり高く感じる。丸天を扱っていないのが九州らしからぬ部分だ。


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★緑川駅(JR三角線)
「どんどん太郎」  実食日:2017/7

  駅からちょっと遠いが、ほかに対象となる店がない駅ということで特例を適用。駅を出て右、踏切を渡って、国道57号線も渡ってから左へ6分。弁当店「ヒライ緑川店」に併設された軽食堂。「どんどん太郎」としては、黒石駅(黒石店)以来2店舗目となる実食。ちょっと記憶が古いので、正確な食べくらべはできないのだが。システムは、食券制。注文口・受渡口・返却口はすべて同じ場所で、弁当販売の窓口とは完全に別になっている。客席は椅子付きカウンターのみで、20席ほどある。
  麺は、表面は柔らかく芯に弾力があるもの。香りはあまりない。たぶん冷凍麺だろう。つゆは、昆布出汁だろうか。魚系の出汁に共通するイノシン酸の風味が感じられなかった。九州よりは、関西エリアでよく出会うタイプの味覚。わりと淡いのだけれど、飽きのこない味で悪くない。黒石店の記事を見返しての印象としては、麺は同じだがつゆは違う(変わったのかも)ように感じる。麺に香りがないだけに、かえって違和感なくいただけた。そば・うどん同額で、かけ220円、ごぼう天320円、海老天370円など。黒石店での実食時(2011/8)より、20円程度上がっている様子だ。実食は、2011年に黒石店でも食べているごぼう天そば。ごぼう天は斜めスライスの単独揚げで、丸太の縦4つカットだった黒石店とは違うスタイルだった(経時変化の可能性もあり)。揚げたてアツアツで美味いのだが、個人的には、九州では丸太状か縦カットのごぼう天を食べたくなる。せめて、スライスがもうちょっと厚ければなぁ、という印象だ。輪切りのチクワ入り。天かすフリーのサービスあり。箸はエコ箸。
  それにしても、弁当店併設の店とは思えぬほどのメニューの多さに驚く。券売機のボタンは、63個すべてが稼働している(うちひとつは領収書ボタン)。面白そうなところとしては、山ちゃんラーメン400円、山ちゃん炒飯390円。「山ちゃんって、誰?」とツッコみたくなる。また、大江戸カツ丼500円とは別にザ・カツ丼500円があり、「大江戸は玉子とじでザの方はソースカツ丼かな?」と思いきや、ザ・カツ丼の方が東京で一般的に提供されている、玉子とじで煮込んだ「カツ丼」のようだ(写真と説明書きだけで判断)。では大江戸カツ丼は何なのかというと、トンカツを煮込まずにご飯に乗せ、半熟溶き卵をかけたもの。おいおい、これのどこが「大江戸」なんだ? とツッコみたくなる。
  平日19:15くらいの訪問で、イートインコーナーは先客1・後客1。弁当の方もわりと閑散としていて、すでに賑わう時間帯は過ぎたのかなという印象。だが、食べ終えてしばらく車の中でメモを書いていたら、ポツポツとではあるが途切れずに客がやってくる。一気にブワッと賑わうのではなく、どの時間帯にもそれなりに需要がある、という様子だ。ピークタイムとアイドルタイムの差が、少なくともオフィス街などに比べればだいぶ少ないのではないかと思う。


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★黒石駅(熊本電鉄)
「どんどん太郎」  実食日:2011/8

  駅を西側(駐輪場側)に出て直進(坂を下る)、国道387号を右折して2分、弁当店「ヒライ」内。ホームから見えるローソンの隣なので、ローソンをめがけて歩けばいい。店は半券もぎりの食券制で、実際に半券をもぎって受渡が行われる。複雑な形をした椅子付きカウンターは、全部で20席ほどある。完全に車で来る客がメインの店だが、まぁ駅から歩いて3分程度ということで。
  麺は、「いかにも冷凍」という食感・風味。妙なコシがあって、あまり香らないタイプ。つゆは、失礼を承知で言うと、カップうどんのような感じ。出汁が粉末っぽいため、そう感じるのだろう。麺もつゆも、安っぽい印象が否めない。しかしながら、単独揚げのごぼう天(メニュー名は「ごぼー天」)はなかなか美味かった。丸太状のものを縦に4つに割った(つまり、断面が扇形)ものを使っていて、歯ごたえも風味も強い。値段も安く、ごぼー天はちくわ入りで300円。かけは200円だ。おまけに、天かすフリーのサービスもある。箸はエコ箸。


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★西辛島町駅(熊本市電)
「三笠うどん」  実食日:2020/12

  熊本市の中心市街地に位置する、バスターミナルを併設したサクラマチクマモトの地下1階フードコート。旧称の「交通センター」の方が分かりやすい人もいるだろうか。駅で言うと、市電の辛島町と西辛島町のちょうど真ん中くらいのところにあるというか、この両駅間の線路がサクラマチクマモトをぐるっと回り込む形になっている。一応、歩数で計測して西辛島町の方がわずかに近かったのでこちらを最寄りとして掲載するが、辛島町のイメージの方が強い人もいることだろう。そこはご容赦を。西辛島町駅からだと、駅を出て北へ1分になる。外税方式の店(以下の記載はすべて税別価格)で、ちょっと値段が高い(かけうどん390円・かけそば440円)のだが、この辺りの中心市街地の店もある程度網羅しておきたいので、特例を適用する。注文から受渡までの流れは、讃岐うどん流に近い。麺を注文→受け取り(そばは番号札対応になる)→つゆセルフ注ぎ→セルフトッピング等を取る→有人レジ精算→フリーのネギ・天かすを追加という流れ。讃岐うどんとはつゆを注ぐタイミングが違うか。讃岐では、精算→つゆ注ぎの順番になっていることが多い。
  麺(そば)は、生麺を注文後に茹でている様子。中細でエッジが立っており、モチモチせずホクッとしたそばらしい食感。「資さんうどん」のそばにちょっと近いだろうか。そばの香りもまずまずあり、予想外にハイレベルだった。うどんより50円高い設定になっているだけのことはあるということか。つゆは、カツオ系と昆布系がともに強く主張するタイプ。鰹節は枕崎産との表示が出ている。これほど香りが強いつゆは、西日本、特に九州では珍しいように思う。天かすは少々油が強めだった。これは、容器の残量が少なかった(油が沈んでいた)ためかもしれない。タイミングによる要因が大きそうだ。実食は、かけそば440円+ゴボウ天50円+鶏から揚げ90円+おにぎり130円。麺が高いわりに、単品トッピングはずいぶん安い設定になっている。特にゴボウ天は、縦半分カット1本だけではあるものの長さが20cm以上あり、50円という設定が信じられないくらいのボリューム感。鶏から揚げもケンタッキーフライドチキンくらいの大きさがあり、モモ肉使用でジューシー。こちらも大満足だった。おにぎりはどうということもなかったけれど、総合的な満足度はなかなか高かった。ご飯もの(丼もの)もいろいろある。ミニうどん付きのセットにもでき、麺単よりもこちらの方が割安な印象。期間限定価格と銘打たれてはいたが、チキン南蛮丼+ミニうどんで640円だから、今回実食した内容よりだいぶ安くなる。次回訪問時に同じ金額で出ていたら、このパターンかな。あ、でも、そばとうどんで値段が違うから、ミニそば付きにはできないのか。うーむ、痒いところに手は届かないかぁ。飲み水(冷水器)はフードコート共通。箸はエコ箸。
  平日15:00頃の訪問。フードコートのため、先客数は把握できず。後客は3人か4人か。レジに列ができるようなことはなく、落ち着いた客数だった。アイドルタイムだからね、まぁまぁ入っている方なのではないだろうか。


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★中津駅(JR日豊本線)
「樋山路」  実食日:2004/8

  改札を出て右前方向、中津駅名店街入口脇。昨夏にギリギリオーダーストップで食べ損ない、今回意地になって食べてきた店である。
  この店は、配膳つき&伝票制後払い。余裕のあるテーブル配置といい、あまり駅そばらしくないのだが、値段と立地で要件を満たしているため、仲間に入れることにする。ただ、味の方は割とお粗末。麺が妙にボソボソしていて、乾麺を思わせる。また、九州にしては珍しく天(かき揚げ)があるのだが、これまたニチャニチャしていてイマイチだった。良かった点としては、レジ脇のテーブルに「セルフおかず(50円〜)」がたくさん並んでいたこと。「もう一品欲しい」というときに役立ちそうだ。ただし、このシステムだとついつい取りすぎてべらぼうな金額になることがあるので、要注意。お得メニューには、三点セット480円というのがある。内容はそばorうどん+ライス+おかず一品。おかずの内容が気になるところだが、「トンカツ、焼肉等」と書いてあった。味付け海苔だけ、ということはない。たぬきなし、天330円。


※閉店していました(2009/12、確認)。

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「弁慶うどん」  実食日:2013/3

  南口を出て左、ガード下。見つけてみれば、駅前のたいへん良い場所なのだが、南口を出て右手に商業施設が集中していて人々の動線からちょっと外れているため、4〜5回目の訪問でやっと存在に気づいた(最近オープン、という感じではない)。実際、常連客(それも昼間から酔客)が多いようだ。厨房を囲むL字型椅子付きカウンターのみで、椅子は15ほどあるのだが、カウンターのない場所に椅子が置かれている「デッド席」もあり、実際に機能するのは12席くらいだろうか。
  麺は冷凍と思われ、九州にしてはわりと質感がある。つゆは、全国的に見れば淡めなのだが、九州の中で見れば濃い部類。特に、塩気が強め。かけ320円。具一品系は、400円のメニューが多い。実食したごぼう天は、肉厚のささがきゴボウをかき揚げ風に揚げている。なかなか美味しい。変わりメニューに、豚軟骨500円。全メニューに、カマボコ2枚とワカメがサービストッピングされる。カマボコの、縁の赤い部分が広く、色鮮やかだったのが印象に残った。


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★大分駅(JR日豊本線・久大本線・豊肥本線)
「梅の家」  実食日:2007/12

  改札入って右前方、1番ホーム。壁面埋設型の露出店。一面だけの露出だから、間口は広いが集客力はあまり高くない。佐伯と同名店(今でもあるかどうか分からないが)で、おそらく同経営だろう。
  この店は、麺・つゆとも特徴がある。麺は妙にツルツルした食感で、個人的にはイマイチな印象。逆につゆは美味しい。少々酸味があり、柚子か何か、柑橘類を隠し味に使っていそうな感じだ。たぬき(揚げ玉)フリーのサービスがある。かけ280円、かしわ330円など。おでん各種100円。地方では珍しい値引きサービスを実施しており、毎週木曜はかけ180円、かしわ250円で食べられる。これは要注目だ。

※値上げ(かけ280→300円、かしわ330→350円など)していました(2009/12、確認)。

※駅舎改築(駅ビル解体)に伴い、閉店していました。駅ビルがなくなって、なんともつまらない駅になってしまいました。こんな暴挙に出るなんて、JR九州は何を考えているのか……。駅ビル跡地は現在サラ地になっていますが、フレスタ的なものでも建って、その中に駅そば認定できる店が入ってくれることを切に願います(2012/12、確認)。

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★佐伯駅(JR日豊本線)

「梅の家」  実食日:1999/12

  改札の外、待合室内にある駅そば。衝立はおろか暖簾すらないので、列車を待つ人々から丸見えでちょっと恥ずかしい。この店は、麺にかなり特徴がある。というのは、つるつるプニプニしていて、こんにゃくを食べているような食感なのだ。つゆは関西風の薄口醤油仕立てだが、期待していたほどの出汁は出ていない。せいぜい水準級といったところだろうか。変わりメニューに、まる天そば(360円)がある。九州の人にとっては言うまでもないかもしれないが、まる天とはさつまあげに似た揚げ物。


※閉店していました。跡地は列車待合いスペースになっています(2008/9、確認)。

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★日田駅(JR久大本線)
「大正庵」  実食日:2012/12

  駅を出て、ロータリーの向かいにある日田バスセンター内。椅子付きカウンターと座敷のある店。価格が若干高めだが、オープンキッチンの店で提供時間も早いので、地方特例を適用する。
  麺は色黒で、しっかりと香る太麺。つゆは、薄味ながらも美味しい。麺・つゆともに好きなタイプなのだが、両者の相性という点で疑問符が付くか。麺を中心に考えると、つゆが物足りない。つゆを中心に考えると、麺の主張が強すぎる。つゆの塩気をもう少し強めると、バランス感がよくなりそうに思う。全メニューうどんよりもそばの方が30円高い設定で、かけそば380円、月見480円など。変わりメニューに、鮎そば710円。この後で立ち寄った歓遊舎ひこさん駅の「麺処ふかくら庵」にもあったメニューなので、豊前地方の山間部ではポピュラーなメニューなのかもしれない。月見そばには、カマボコ2枚とおぼろ昆布、そしてイモ天が半分トッピングされる。が、正直に言うと、これらのサービストッピングを廃して400円くらいにできないかなぁ、とも思う。天かすフリーで、飲み水はお茶(温)。一味唐辛子のほか、柚子こしょう完備。ここまではなかなか好印象だったのだが、唯一、店主が厨房内でタバコを吸っていたことだけはいただけなかった。サービスは1点とさせていただく(これがなければ、4点か5点かで悩むところだった)。


※無地の暖簾に変わっていました(写真は左:旧、右:現)。前回訪問から消費増税を2度挟んでいるので、当然値上げしています。現在は、かけ420円、たまご520円になっています。今回は入店していないため、鮎そばが現存するかどうかは確認できませんでした(2021/7、確認)。

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★延岡駅(JR日豊本線)

「弁慶」  実食日:2001/8

  JR改札のすぐ隣にある駅そば。改札の内外両方から食べられるタイプだが、外側がメイン。しかし、一応内側でも座って食べられるようにはなっている。この店の素晴らしいところは、たぬきが入れ放題だということだ。“かけ”を頼めばたぬきになる。実際、ちょうど居合わせた高校生は“かけ”を頼んで、たぬきを山盛り入れていた。おばちゃんは「いつも山盛り入れては残すんだから……」と愚痴をこぼしているが、結局は嬉しそうに接客している。私は山菜そばを食べたのだが、つゆがかなり薄味なので、むしろ山菜などはよく合う。380円は、許容範囲内の高め。

※2009/12、4分の乗り継ぎだったので、列車内持ち込みで再食。バタバタしていて全メニューの値段確認を忘れましたが、値上げしていそうな気配です。今回注文したかしわは450円。天かすフリーは変わらず。わかめとカマボコ2枚が入ります。車内持ち込みの場合、容器代30円増しです。

※改装ではありませんが、掲示物がだいぶ変わっていたので写真を再撮影しました(左:旧、右:現)。値段が上がっています。現在、かけ350円、丸天・ごぼう天450円、かしわ470円です。山菜というメニューは消滅したようです。鹿児島中央「パティオ」でも扱っている豚軟骨があります(500円)。鹿児島中央よりも安い設定なので、こちらで食べる手もあります(値−1点。2014/8、確認)。

※駅改築工事に伴い、閉店していました(2015/9/30付)。結構利用回数が多かった店なので、残念です。私だけでなく、「延岡・佐伯ワープ」利用時にお世話になった18キッパーは多いはず。特急「にちりん」の車内にかしわうどん(そば)を持ち込んで食べるのは、18キッパーにとってかけがえのない贅沢なひとときでした。先客がつかえていたりしてそば・うどんが間に合わないときには、おにぎりを買って持ち込んだこともあります。すぐ隣にミニコンビニがあるのに、わざわざこちらで買っていました。改築後にどうなるかわかりませんが、旅情を味わえる駅であり続けてほしいです(2015/10、確認)。

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★財光寺駅(JR日豊本線)
「日向うどん」  実食日:2017/7

  車を走らせていて偶然見つけた店。駅を出て右(踏切渡る)へ、最初の路地を右折し、突き当りを左折。突き当り(県道)を右折して1分、右側。直線距離だと駅から200mほどなのだが、歩くとなんだかんだで5分強くらいかかる。駐車場のある店(とはいえ、狭く、比較的難易度の高い駐車場)で、駅からの徒歩ルートがちょっと複雑なので、車で訪れた方が便利な店。無人駅で、駅前がいきなり窮屈な住宅地になっているところなので。目印になるのは、県道の斜め向かいにあるセブンイレブンか。客席は、テーブル席のみ。厨房も、オープンになっているのは一部だけ。配膳付き後払い。どちらかというと、駅そばというよりは大衆そば店のイメージ。しかし、値段が安いので、対象に含めてもいいだろう。店内には漫画がたくさんあり、待ち時間は退屈しない。それも、「Dr.スランプ」とか、超懐かしい漫画が多い。
  麺種は未確認。きしめん並みの太平麺で、かなり色黒。パッと見には、音威子府そばを連想させるほど。食べてみると、乾麺っぽい食感。香りは、音威子府そばほど強烈ではない。九州の安いそば店ではよくある風味なのだけれど、極太であるだけに食べごたえがあり、結構好き。生麺の可能性もあるが、茹・冷凍はないと思う。つゆは、たぶん昆布と小魚系のブレンド。旨みと、やわらかい酸味の融合。塩気も含めてバランス感がよく、美味い。飽きないし、しっかり満足できるものだ。うどんはたぬき300円・きつね350円・ごぼう天430円と文句なしの価格帯だが、そばは100円増しになる。それでも、たぬき400円なら当サイト的に問題なし。実食は、ごぼう天そば定食630円。セット内容は、ごぼう天そば+ご飯+小鉢+お新香。ごぼう天は揚げ置きで、ささがきをかき揚げ状に仕立てている。ガチガチに固いものではなく、箸でほぐせる程度のゆるさ。悪くない。小鉢がマカロニサラダ的なものだったので、ご飯をどうやって食べようか悩んだ。結局、出汁茶漬けみたいなイメージで。生卵でも付けてくれるとありがたかったのだが。
  平日17:00頃の訪問で、先客0・後客0。まぁ、そうだろうね。この場所でこの時間帯だと、ほとんど食事需要はないと思う。昼時以外はずっとアイドルタイム、というタイプの店ではないかと思う。初老の夫婦(?)が切り盛りする店で、小学生くらいの子ども(孫か?)がフロア内を走り回って遊んでいる、すごく家庭的な雰囲気の店。東京ではまずやっていけないだろうが、旅先で出会うとホッとする店だ。末永く続けてほしい。


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★宮崎駅(JR日豊本線)

「うどん・そば」  実食日:2003/7

  日豊本線のホーム上にある、素朴な駅そば。細く固い麺はコシが弱く、ブツブツと切れる。つゆも、まぁ並。しかし、ここでは全メニューに「オマケの具」がたくさん入ってくる。カマボコが2枚。さつまあげが2枚。そして、宮崎名物の椎茸が1つ。甘く煮付けたものが入っている。私は天そば(340円)を注文したのだが、もはやどの具がメインなのか分からない状態だった。
  宮崎名物の椎茸と鹿児島名物のさつまあげが同時に楽しめる。しかも、特別な注文をしたわけではないのに。自然に入っているというところが嬉しい。地方駅そばのモデルケースとも言える店なのではないだろうか。たぬきなし。

※閉店していました。建物も既に撤去されています(2008/9、確認)。

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「三角茶屋 豊吉うどん」  実食日:2008/9



  改札を出て南方向、宮崎フレスタ内。改札から右とか左とかと言えないのは、宮崎駅の改札が2つ向き合っていて、どちらの改札を出るかによって左右が異なるため。1・2ホームから出れば右、3・4ホームから出れば左になる。余談だが、宮崎駅の駅員は、アロハシャツが制服になっている。これは非常に面白い。
  三代続く老舗(看板に記載)であるこの店は、地方にしては極端に値段が安いのが特徴。かけは190円。たぬき(天かす)は220円。トッピング一品ものは、おおむね300円以内でおさまる。首都圏はおろか、大阪界隈でも非常に安い部類に入る値段設定である。それが人気の秘密なのか、中途半端な時間帯でも結構賑わっていた。味覚的にも○。麺は極太で、歯ごたえがあって美味い。つゆはとろろ昆布のような味が前面に出ている。「天」というメニューは、九州特有の「丸天」に近いものを指す。ただし、形は丸ではなく、長方形のものを4つ切り(短冊形)にして出てくる。旅行者が分かりにくいのだろうか、券売機のボタンには「天ぷら(魚のすり身)」と表記されている。内装は清潔感に溢れ、客席も豊富。椅子付きカウンターやテーブル席の他、この手の店には珍しい座敷席まである。ホームの「うどん」(上記)が閉店してガッカリしていたが、こんな素晴らしい店があることを知り、改めて宮崎は「優秀駅そばの街だ」と痛感したのだった。なお、テイクアウトは+30円。列車内持ち込みというより、近隣オフィス街への持ち帰りとして需要がありそうだ。


※2009/12、再食。特段の変化なし。この値段で頑張っているのは、素晴らしいことだと思います。

※2015/10、再食。さすがに値上げして、現在はたぬき230円になっています。かけは190円で据え置き。頑張りますね。今回は、一番人気だという「天ぷら(さつま揚げ)+天かす」の「天か」を、うどんで食べてみました(300円)。なんだか、漫才のツッコミみたいなメニュー名ですね(「天かよ!」みたいな)。うどんは、九州らしいやわやわ麺。コシは全然ありませんが、出汁がよく絡むので、私はこういうのも嫌いではないです。天ぷらは、例によってさつま揚げを短冊形に切ったもの。旅行者が戸惑うのでしょうか、券売機のボタンには「天ぷら(魚のすり身)」と、貼り紙には「えび:海老の天ぷら、天ぷら:魚のすり身(丸天)」と注意喚起されています。丸くないから、「丸天」もまたちょっと違和感があるんですけどね。
  かき揚げは、「野菜天」というメニュー名になります(330円)。「天か」のさらに上を行くメニューとしては、「天玉か」もあります(360円)。味よし、値段よし、楽しさよしで、すばらしい店ですね。宮崎市内に7店舗あるようなので(当サイト的に対象になるのは当店舗と、特例適用で橘通店くらいか)、他の店舗にも行ってみようと思います。昭和7年創業の老舗を、これからも応援していきたいと思います(付+2点)。外観的には、置き看板が変わっていました(写真は左から2枚目)。


※2021/7、再食。その前に、この6年間でだいぶ大きく変わっています。まず、改装していました(写真は右端が最新)。この店舗単体での改装ではなく、宮崎フレスタ(→前回訪問の時点で「エキまち1丁目宮崎」に変わっていたが、店舗の改装はされていなかった)が「ひむか きらめき市場」として全面リニューアルされています。店舗の立地としては、リニューアル前と同じです。従来は駅ナカ側の開口部が1か所しかなく、入る人と出る人が交錯するような場面も見受けられたのですが、リニューアルにより壁をぶち抜いて開口部が3か所になりました。客の動線はかなりスムーズになったと思います。その一方で、駅の外側の出入口は閉鎖されました。間口は残っていてドアもあるのですが、従業員専用の出入口になっています。また、消費10%増税を経て、値上げしています。現在は、かけ240円、たぬき280円、野菜380円、天か350円、天玉か420円です(値−4点)。
  今回いただいたのは、ごぼう380円。ごぼう天は、細切りゴボウのかき揚げです。衣は、外側がカリッとしていて、中はフワッとした仕上がり。ゴボウの香ばしさは、シイタケを含むと思われる出汁との相性がとてもよく、揚げ置きでも文句なく美味しいです。この店でそばを食べるのは12年ぶりなのです(2015年の訪問時はうどん実食だった)が、この間に麺が変わったようです。2009年当時は少し幅広でツルツルする舌触りの麺でしたが、現在はやや太めの角麺になっています。つなぎが弱く、ややモソッとした歯ごたえ。素朴そのものです。
  平日10:30頃の訪問で、先客4・後客2。そばの食券を出すと、「そば? そばですね?」と念を押されました。そばよりもうどんの方が圧倒的に多く出る店なのでしょう。なお、新型コロナ対策のパーティッションは、設置されていませんでした。


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「でんすけ」  実食日:2008/9

  西口ロータリーを出てすぐの大通りを渡らずに右へ2分。モスバーガーと一体化した店舗で、外観は完全にモス。ドライブスルーの窓口側に行くと、「そばうどん」の幟が見える。ちなみに、ドライブスルーに対応しているのはモスのみで、でんすけはイートイン専門。客席はモスとほぼ共通(一部でんすけ専用席もある)。
  味覚的な特徴は、強烈な歯ごたえ(コシ)の麺にある。冷凍麺だろうか。食感を重視する人には好まれる麺かもしれない。つゆはわりと薄味。カマボコが入り、ネギは斜めカット、盆乗せ、レンゲ付き、配膳つき、パーソナル唐辛子&爪楊枝(盆に乗って出てくる)など、細かいポイントもたくさんある。丼は、大皿タイプ。冷やし系によく使われるタイプのものだ。決して食べやすいとは言えないが、見栄えは良い。特につゆを飲みにくいのが難点となるのだが、そこはレンゲでフォローということになるのだろうか。かけ300円、たぬき400円など。


※モスバーガーもろとも閉店していました。跡地は、巨大なパチンコ店「ガイア」の一部です(2013/3、確認)。

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★南宮崎駅(JR日豊本線・日南線)
「ライオン」  実食日:2015/10

  10年以上にわたって未食リストに入れっぱなしになっていた店に、ようやく行けた。場所は、駅舎1階外側。この駅は2階に改札がある橋上駅舎なので、1階外側だとあまり目立たない立地になる。そば・うどんも扱ってはいるけれど、どちらかというと定食や一品料理、喫茶メニューなどの方がメインの店。だから後回しになっていたのだが、駅舎内である以上は研究上必要なので、満を持しての訪問だ。フロアはとても広く、テーブル席4人×3と椅子付きカウンター16席を入れてもなおゆとりが感じられる。大荷物を抱えた旅行者やある程度人数の多いグループでも、安心して利用できる雰囲気だ。
  そばメニューは、そば350円とざる500円のみ。壁に貼ってあるメニューを見渡した限り、単品トッピングの設定もない。「かけそばしか食えないのか」と少し残念に思いつつ注文したのだが、出てきたそばにはミニかき揚げとゆで卵、そして花形カマボコがサービストッピングされていて賑やかだった。これで350円なら充分だね。麺は、食感的には生麺。少し粘着質で、ほどよくザラザラした舌触り。ただ、風味があまり感じられなかったので、冷凍麺の可能性もある。つゆは、いろいろな香りがあって原型がよく分からないもの。本質的には淡いつゆだと思うのだけれど、いろいろ加えているものがちょっと邪魔をしている感じだった。邪魔になった最たるものが、ミニかき揚げだ。これ、カレーの風味が付いている。おそらく、衣にカレー粉を混ぜてあるのだろう。これはこれで美味しいのだけれど、つゆの香りが分からなくなってしまったのがちょっと残念。別盛りで提供してくれたら最高だった。ゆで卵は、縦にスライスしたもの。黄身が露出しているので、つゆにどんどん溶け出す。これもまた、つゆの香りを分からなくした犯人だ。さらに、白ゴマを少々ふりかけてあり、オレンジピール(香りからして、柚子ではない。日向夏だったら嬉しいと思いつつ……)まで乗ってくる。もはや香りのカオス。もう少し的を絞った方がいいのではないか、と思う。
  そば・うどん以外で気になったメニューは、宮崎らしいチキン南蛮定食800円と椎茸丼600円、そして九州らしいチャンポン600円。チキン南蛮は、弁当としてテイクアウトもできる(600円)。また、朝限定メニューとして和朝食とモーニング(各500円)の設定があった。そばメニューは弱いけれど、それ以外に試してみたいメニューが多く、もう何回か足を運んでみたいと思う店だった。


※2021/7、再食。その前に、消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、そば380円、ざるそば550円、チキン南蛮定食880円、椎茸丼660円、チャンポン660円です(値−1点)。
  今回は、そばではなくチャンポンを食べてみました。スープはさらさらしていて「あっさり味かな?」と思いましたが、口に含むと豚骨臭が結構強いです。また、具材に豚バラを用いていることもあって、全体的にこってり感のある味覚でした。そのほかの具材は、イカ、モヤシ、ニンジン、タマネギ、竹輪、炒り玉子、花形のカマボコ、紅生姜。炒り玉子が入っているのが面白いです。私のチャンポン経験値はさほど高くないですが、炒り玉子入りのものは初めて出合いました。そう言えば、沖縄のチャンポンは、スパムや野菜を玉子でとじて炒め、ご飯にのせた丼もの料理でした。宮崎というと、立地的に長崎と沖縄の間。この辺り、地域的な相関関係があると面白いなと感じます。機会があったら、九州全土で食べくらべてみようかな。
  平日11:00頃の訪問で、先客0・後客1。この時間帯は駅周辺の人通りも少なく、店内も駅構内も街なかも閑散としていました。昼時にどのくらい賑わうのか、気になります。


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★都城駅(JR日豊本線・吉都線)
「横ちゃんうどん」  実食日:2008/9

  駅を出て左すぐ、駅舎外側に埋設された店。高い店なのか安い店なのか分かりづらい外観。店の外に品書きの一部でも出しておけば、より入りやすくなると思うのだが。実際にはちゃんと駅そば価格なので、貧乏旅行者でも安心して入ることができる。席の配置は、L字型の椅子付きカウンターと、4人掛けテーブル×2。テーブル席があると、大荷物を背負っている旅行者にとってはありがたい。
  配膳つきで後払い制のこの店、実はなかなか本格志向。麺は生か冷凍か判断がつきにくいタイプだ。程良いコシは生麺を思わせるが、風味はやや落ちて冷凍麺級。調理時間から考えれば生麺かもしれないが……。つゆは甘さ・辛さとも程良く、強い印象は残らないが無難に美味い感じ。私が実食した山かけそばは、注文後に山芋をすりおろす。なかなか良い粘りがある。カマボコ入り、たぬき(揚げ玉)フリー。かけというメニューは見当たらず、月見・わかめ300円、きつね350円、山かけ450円など。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。同色なので写真ではわかりづらいですが、真ん中に丸いマークが入ったものになっています。また、提灯が撤去されています。値上げして、現在は月見・わかめ350円、きつね400円、山かけ500円になっています。変わりメニューとしては、鍋焼きうどん600円がありました(2015/10、確認)。

※閉店していました。跡地はがらんどうで、何も入っていません。いっときテナント募集がなされていたであろう形跡が見られましたが、今は募集もない様子です(2021/7、確認)。

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★鹿児島中央駅(JR鹿児島本線・指宿枕崎線、鹿児島市電2系統(鹿児島中央駅前駅)、九州新幹線)
「パティオ」  実食日:2013/3

  新幹線改札内、コンコース。エキナカ店としては、日本最南端になる駅そば(当サイトの掲載対象店としては、最南端ではない)。喫茶・弁当・焼酎・うどんと4つの店舗が連なった「パティオ」の、向かって一番右。従業員(実食時、2名)はこの4店舗をすべて兼務しており、なかなか忙しそう。うどんコーナーには従業員がいない場合が多いのだが、券売機で食券を買っている姿を見てやってくる。客席は、厨房側を向いた椅子付きカウンター4席のみだが、他に4店舗共通と思われるテーブル席が20席ほど用意されている。
  麺は冷凍で、赤黒い色をしている。わりと風味があって美味しい。熊本や新八代と同じ業者の運営なのだが、麺は違うような気がする。つゆは、雑味がなく繊細な風味でありながら、主張はしっかりしていて美味しい。かけ360円、きつね420円など。そば・うどん同額。変わりメニューに、つけあげ470円、豚軟骨520円がある。つけあげは、見た目には普通に薩摩揚げなのだが、青魚を骨ごとすり身にしているためやや生臭さがあり、小骨がジャリジャリする。四国のじゃこ天を少し上品にしたような感じで、美味しい。豚軟骨は詳細不明だが、この後で立ち寄った中津「弁慶うどん」にもあり、「薩摩の味」として売り出されているので、鹿児島のご当地ものなのだろう。次回試してみたい。全メニューに、カマボコ2枚とワカメがサービストッピングされる。なお、唐辛子が一味でたいへん効きがいいので、入れすぎにはくれぐれも注意を。


※2014/8、再食。値上げしています。現在は、かけ380円、きつね440円、つけあげ490円、豚軟骨540円です。豚軟骨を試しました。鹿児島黒豚の軟骨肉をトロトロに煮込んだものをトッピングします。軟骨ソーキ感覚で、とても美味しいです。つけあげや豚軟骨は単品注文ができ、隣の焼酎バーとコラボしたセット(520円)もあります。ちょい飲みが楽しい店です(付+1点)。

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★財部駅(JR日豊本線)
「よいやんせ」  実食日:2015/10

  構内にもそば屋が入っている駅なのだけれど、こちらはお高い店なので対象外。対象になるのは、駅歩6分、主要地方道都城隼人線沿いにある「よいやんせ財部店」。行き方は、駅を出て直進2分、最初の信号を左折して4分ほど、右側。ガソリンスタンドがある三叉路の角なので、分かりやすいだろう。道の駅「たからべ」に行く途中でたまたま発見した。駐車場のある、ドライブインタイプの店。客席は、テーブル席が主体。看板に「シルバー アンテナショップ」と記載されていたのが気になって後で調べてみたら、曽於市のシルバー人材センターが運営しているようだ。徳島「麺家れもん」、豊浦「ワークランドかっこう出張所」と並んで、「社会福祉系駅そば」に位置づけられるだろうか。こういう店が今後全国に増えてくるようだと、この業界はますます面白いことになりそうだ。なお、店名は鹿児島弁で「寄ってって」という意味。
  麺は極太で、太さの揃っていない乱切り麺。つなぎがとても弱く、箸でつまみ上げるのも一苦労。提供される時点では長いもので20pくらいあるが、口に運ぶまでにプツプツと切れて3pくらいになってしまう。これはおそらく、手打ちだね。機械では、これほどつなぎの弱い麺は打てないはずなので。ちょっと捏ねが足りない感じは否めず、日常的に食べるものとしてはもう少し歯ごたえが欲しいと思うけれど、風味は悪くないし、旅先で食べるものとしてはなかなか印象深かった。つゆは、とろろ昆布のような風味・酸味がある。わりと辛め。まぁ、悪くない。全メニューうどんよりもそばの方が50円高い設定で、そばはかけ300円、とろろ・月見・きつね400円、えび天・肉550円。実食は、お値打ち感があったとろろそば。とろろ芋は、エアーインと表現したくなるような軽い食感。店内で、すり鉢ですりおろしているのではないかと想像する(未確認)。かまぼこ2枚&さつま揚げ2切れ入り。さらに、お新香(ゆず風味の利いたダイコン・ニンジンの浅漬け)と、郷土料理の「がね」まで付く。この価格でこれだけのものを出せるのは、社会福祉系の店ならではだろう。「がね」は、ひとことで言うなら「サツマイモ入りのかき揚げ」。ただ、衣がいわゆる天ぷら粉ではなく、沖縄のサーターアンダギーのようなイメージ。だいぶ甘い。どちらかというと、おやつ感覚のものだ。別盛りで出てくるので、そばには乗せずにそのまま食べた方がいいだろう。
  そば・うどん以外には、日替わりのセットメニューがある。火曜:天丼セット、水曜:親子丼セット、木曜:牛丼セット、金曜:かつ丼セット、土曜:おまかせ丼セットとなっている(当日変更になる可能性があるとの注意書きあり。日・月は定休日)。いずれも500円で、「フル丼+ミニそば・うどん」のセットになる。また、「がね」はテイクアウト用としての販売もある。3個入りで、150円。買っていって、列車の中でつまむのも一興だ。また、すぐ近くにある道の駅「たからべ」では、複数種類の「がね」を売っているので、食べ比べるのも楽しいのではないだろうか。


※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。引きの写真では分かりにくいかもしれませんが、店名入りの暖簾になっています。幟がたくさん立って、賑やかになりましたね。また、消費10%増税を経て値上げしています。以下の記載はすべてそばの価格(うどんは全品−50円)で、かけ330円、とろろ・月見・きつね440円、えび天・肉600円、日替わり丼セット550円、がね200円になっています(値−1点。2021/7、確認)。

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「桂庵」  実食日:2021/7

  改札を出て左、駅舎内1階。財部駅は無人駅だから改札という概念はないのだが、「改札に相当する場所」と考えていただければいいだろう。テーブルオーダーのフルサービスで、後払い(伝票制)。しかも、値段的にも高め。当サイト的にはやや苦しい部分もある店。駅そばというより、街そばがたまたま駅ナカにあったというケースとも考えられる。しかし、駅ナカで、厨房オープンで、なんといっても記事ネタが豊富にある店なので、含めてしまうことにする。天880円は完全に対象外価格だけれど、かけ440円は地方特例でぎりぎりセーフかなとも考えられるし。客席は、テーブル席が中心。2人卓と4人卓を合わせて20席ほど。プラス、ひとり客向けに厨房と対峙するカウンター席もある(10弱くらい)。
  麺は、生。自家製とのこと。中細で、色は薄いグレー。グニグニした食感で、あまりそばらしい感じではない。香りもそれほどない。つゆは、ほとんど透明と言っていいような九州スタイル。出汁はカツオが中心のようだ。エグミはあまりなく、ごくごく飲めて美味しい。私がいただいたのは、そば単ではなく天ぷら定食(1100円)。天ぷらとご飯、ハーフそば、お新香のセットだ。セットのそばには、天かすとカマボコが入っていた。天かすは揚げ置きで、色白のもの。フワッとした玉とカリッとした玉が混在していた。意図的に作るとこうはならないと思うので、純粋に副産物として出た天かすなのだろう。なぜそば単ではなく天ぷら定食にしたのか。それは、この店の定食メニューがデカ盛りで有名だからだ。これが、この店最大の記事ネタになる。天ぷらは大皿に平たく盛られて登場するのだが、パッと見には3〜4人でつついて食べる大皿料理だ。内容は、サツマイモ×4、カニカマ、白身魚、タマネギ、カボチャ、ニンジン、ナス、ピーマン、インゲン×2、シイタケ、レンコン、エビ×3、エリンギ。ひとつひとつのサイズは特別大きくはないけれど、数がこれだけ多いと成人男性でも完食がきついレベルになる。油は軽めで、衣はふんわり食感。料亭のようなカラッとした仕上がりではなく、しっとりしていてどこか懐かしい感じのする天ぷらだ。食べきれなかったぶんはパックに詰めてもらい、持ち帰ることもできる。これはありがたいサービスだ。
  この店はもともと道の駅「たからべ」近くの街なかで営業していたのだが、道の駅の駐車場を拡張する際に場所を譲り、ちょうど建て替えられて店舗スペースができた財部駅舎に移ってきたのだそうだ。街なかで営業していた頃から、デカ盛りで有名だったのだという。こうなると、他の定食メニューも気になる。次に訪問するときには、から揚げ定食かチキン南蛮定食あたりを狙ってみたい。箸は割り箸。
  公式取材にて、平日11:00前に訪問。11時オープンなので、待っての入店。だから先客は0だったのだが、11:30にはほぼ満席になった。加えて、店頭販売している手作り羊羹を買いに来る客も後を絶たない。中学生くらいのグループからガテン系作業服グループ、さらにはフルムーン風のカップルまで、客層は幅広い。駅周辺に人影は全然ないのに、この店だけおおいに賑わっている。列車は日中ほとんど便がないので、列車に乗って食べに来る人はほとんどいない(というか、ダイヤ編成上ほぼ不可能)と思われる。車か、駅周辺住民が徒歩や自転車で食べに来るパターンが多そうだ。デカ盛りで有名な店だから、遠くからこの店をめがけてやって来るマニアックなグルメ探訪人もいそうな気がする。なお、そばの単品は実食していないので、評点の「ボリューム」については便宜上3点をつけさせていただいた。定食のデカ盛りについては、「付加価値」に加点している。


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★市電郡元駅(鹿児島市電1系統・2系統)
「薩摩まんてん」  実食日:2014/8

  北側電停のすぐ脇にあるダイエー鹿児島店の2階フードコート内。かなり混雑傾向にあるフードコートで、おまけに一番手前に店があるので往来するだけの人も多く、若干混乱気味。盆を持って一列に並んで受け渡し・セルフトッピングを取る「讃岐うどんスタイル」を採用しているのは正解だと思う(麺は注文口で受け取る。レジへ進んでしまわないように注意)。たとえ長い列ができたとしても、秩序よく並ばせないと混乱を極めるだろう。価格は外税方式だが、税込でキリよくしている(詳細は後述)点にも混乱緩和の意向が見られる。
  麺は、3ミリほどの太さがある茹で麺。平打ちだからか、太さのわりに歯ごたえは弱め。つゆはスッキリ系で飲みやすく、ゆずこしょう(レジ前にある)がよく合う。天かすフリーのサービスもある。全品うどんよりもそばの方が30円高い設定。そばの税込価格は、かけ330円、きつね440円など。変わりメニューに、野菜たっぷりそば440円、薩摩地鶏田舎そば680円がある。薩摩地鶏田舎そばはちょっと高い印象だが、野菜たっぷりそばはなかなかのお値打ち感だ。ご飯ものとしては、鹿児島(本場は奄美だが)ならではの鶏飯があるが、900円と高値。また、セルフトッピングコーナーには塩麹唐揚げ(100円)があり、これがなかなか美味い。


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★奥武山公園駅(ゆいレール)
「最強食堂」  実食日:2013/7

  南口を左側に出て直進3分。そば・うどんではなく沖縄そばの店だが、沖縄県内の店に限り対象に含める。駅から近い場所にあるものの、駐車場を完備し、車で来る客が多いと思われる。店内は広く、椅子付きカウンター、テーブル席のほか座敷も完備している。沖縄そばのほかにも、定食類などを広く取り揃えている。24時間営業しているのが嬉しい。
  沖縄そばは、小180円、大450円。麺は太く厚みがあり、食べ応えがある。本土のうどんと比べると少々粉っぽいように感じるが、これは沖縄そば全般に言える特徴。つゆは、魚系のダシが利いた塩味で、濃くも薄くもなくちょうどよい。実食した軟骨ソーキそば(450円)には錦糸卵がサービストッピングされるのだが、この甘さが少々くどく感じる。そのくらいに、沖縄そばのつゆは風味が繊細であるケースが多い。薬味のネギは青で、独特な形をしたカマボコが添えられるのも沖縄そば全般の特徴だ。


※当然と言えば当然ですが、だいぶ値上げしていました。現在、沖縄そば(小)320円、(大)500円です。軟骨ソーキそばというメニューは、消滅しています。麺単よりも、500円台で結構選べる定食類の方がお得に感じる設定です。なお、特段改装はしていませんでしたが、昼間の写真を撮ってきたので、貼り替えました(2019/5、確認)。

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★県庁前駅(ゆいレール)
「三丁目そば」  実食日:2019/5

  沖縄そばの専門店だが、沖縄特例で対象に含める。場所は、東口(エレベーター)を出て、目の前の横断歩道を渡り、右斜め前に入って2分、左側。エレベーターではなく階段を降りると、ちょっと遠回りになる立地。この店舗は「2号店」で、本店はもう少し駅から離れたところにあり、2号店の方が駅に近い。本店もギリギリ徒歩圏内に入るのだが、まずは駅に近い店舗から攻めていこう。食券制で、客席は厨房を囲むL字型椅子付きカウンター。席数は10くらい。
  沖縄そばは多くの店で茹で麺を使っているのだが、この店では茹で麺(「普通麺」と表記)と生麺を両方用意している(同額)。普通麺は迅速提供、生麺だと茹で時間が5分ほどかかる。せっかくなので、珍しい生麺を選択した。太めの角麺でコシが強く、噛み切るときにキュッと音がする。かん水が入っているのか、麺自体に独特な甘みがある。もうこれは、完全に中華麺だ。美味いことは美味いのだが、これだとあまり沖縄そばらしさが感じられない。ほぼラーメン。透明感のあるスープは、魚介系の和出汁+豚骨だが、1:9くらいで豚骨が勝っている。実食メニューがなんこつソーキそばで、トッピングの豚軟骨肉から出汁が出たとも考えられるが、他店の同メニューと比べても明らかに豚スープの存在感が強い。これも、ラーメン寄りの味覚。総じて、“沖縄そば風ラーメン”の印象だった。次回は、普通麺にしようかな。一番安いメニューがなんこつソーキそばで、550円。他に、ヘルシー野菜そば580円、三枚肉そば580円、てびちそば780円、店名を冠した「三丁目そば」780円などがある。また、ライトなご飯ものとして、沖縄らしい「ジューシー」100円を用意しているのが嬉しい。なんこつソーキそばのトッピングは、ブロック状の豚軟骨肉3個と、さつま揚げのようなもの。軟骨ソーキは圧力をかけて煮てあるものと思われ、とろとろで美味い。さつま揚げは、東京で食べるものよりも柔らかく、はんぺんのような食感だった。原材料となる魚の種類が違うのか、製法が違うのか。全体的にラーメンテイストになっている中で、このさつま揚げだけ妙に和テイストなのが面白かった。ネギは青(小口)。各席に紅生姜とコーレーグースあり。箸は割り箸。
  平日20:30頃の訪問(写真は翌日撮影)で、先客0・後客0。夜は25時まで営業している店だから、夜間帯にも客は入るものと思われるが、この日は閑散としていた。飲んだ後の〆利用が多いのだとしたら、賑わうのはもう少し後か。あるいは、雨が降っていたせいもあるかもしれない。


※閉店していました。看板等がすべて外された状態になっています。本店は存続しているようです(2021/10、確認)。

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「永當蕎麦」  実食日:2021/10

  北口を出て左へ進み、信号のある交差点で道路を右に渡ってそのまま久茂地川沿いの路地に入って3分、左側角地。沖縄そばではなく、日本そばの立ち食い店。沖縄では貴重な存在だ。食券制で、客席は立ち食いカウンターのみ。複雑な形状をした立ち食いカウンターは20人くらい同時収容可能。吉野家タイプの従業員通路を囲むカウンターが、厨房から放射状に3本伸びているようなイメージだ。フロア内にデッドスペースを生まないよう工夫したということなのだろう。
  自家製を標榜する麺は、すぐに提供されたので茹で麺ということになるのだろうが、食感的には生麺を連想させるもので、生麺の茹で置きの可能性もある。自家製麺だから自前で茹でていることは間違いないので、茹でるタイミングがどこかというだけの話。歯ごたえ強めで、そばの香りもそこそこある。つゆは、甘みが強め。納豆のような熟成味を感じたのは、醤油由来だろうか。一般的な醤油ではなくたまり醤油で作ったのではないかと感じるようなものだった。ちょっと個性的というか、癖がある部類だ。私はこのような個性歓迎派だが、若干抵抗を感じる人もいるかもしれない。かけ190円。値段的には、沖縄最安値かもしれない。自家製麺の強みだろうか。種物も全般的に安く、タヌキ240円、月見240円、かき揚げ390円など。変わったところでは、チーズ290円、チーズカレー450円がある。たぬきは、副産物系の天かす。ややオーバー気味の揚げなのか、カリカリと歯に触る食感。やや油強めではあるが、香ばしさもあって悪くない。ネギは白。箸は割り箸。多少癖はあるが目立ったマイナスポイントはなく、値段に鑑みれば充分な満足度を得られる一杯。沖縄にもこのような店があったことを、素直に喜ばしく感じた。
  平日13:00頃の訪問で、先客6・後客8と好況。加えて、私が出るときに券売機のところに2人。女性客もいたし、年齢層も幅広い印象。これまでに入った沖縄の日本そば店では、もっとも賑わっている印象だった。熟成味のあるつゆはチーズとよく合いそうだし、また訪問する機会がありそうだ。


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★美栄橋駅(ゆいレール)
「そばとうどん」  実食日:2019/5

  沖縄そばではなく、日本そばを扱う立ち食い準拠の店。正式な店名は「さぬき屋」らしいのだが、店名表示を確認できなかったため、当サイト上では日除けに記載されている文字列「そばとうどん」で。場所は、南口階段を降りて右へ3分。間口が狭く奥に長い、ウナギの寝床型の店舗。観光客の利用が多いのか、店内奥の方の壁や天井には、無数の名刺などが画鋲で留められている。なんだか、JR釧網本線の北浜駅みたいな雰囲気だ。客席は、厨房と対峙する椅子付きカウンター一列のみで、席数は8。厨房と対峙してはいるけれど、厨房と客席の間にはガラス窓があり、窓を開けていても商品の受け渡しをしづらい席が生まれてしまう。他ではあまり見たことがない、ちょっと変わった造りだ。そして、カウンター下が垂直になっているというか、足が入らない造りになっているのが残念。ガバッと足を開くか、壁側に下がって座り丼を手に持って食べるかになる。
  麺は、冷凍。中太の角麺で、そばの香りはあまりないものの、歯ごたえを含め主張が強すぎず弱すぎず、バランス感は良い。つゆは、うすくち醤油仕立ての関西風。あまり雑味のない、すっきりしていてクリアなテイスト。店名から小魚系の出汁を連想していたのだが、独特の癖や丸みが感じられなかった。昆布出汁が中心ではないかと推察。讃岐よりは大阪のイメージに近い。たぬきがちょっと変わっている。天かすと既製の揚げ玉が、両方乗って出てきたのだ。このオペレーションは珍しいと思う。かけ400円、たぬき450円など、天婦羅は600円と高値。変わったところでは、納豆600円、かつ600円、五目650円などがある。また、店内に「激辛そばはじめました」の貼り紙が出ていた。個人的にはあまり関心がないが、チャレンジ精神をくすぐられた方はぜひ。替え玉150円あり。ご飯ものは、カレーライス500円と卵かけご飯(値段未確認)程度。麺単が中心のメニュー構成になっている。飲み水は薄めに作った麦茶。箸は箸先が箸袋に入った割箸。
  平日17:30頃の訪問で、先客0・後客0。表から覗き込む人はたまにいるのだが、なかなか入らない。先客ゼロ症候群どころか、先客があっても二の足を踏む人が多い様子。沖縄では貴重な立ち食い系のそば店だし、おばちゃんの接客も丁寧かつフレンドリーなので、初心者も臆さず入ろう!


※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。消費10%増税を経て、値上げしています。今回は入店していないので一部メニューのみでの確認ですが、現在はかけ450円、天650円です(2021/10、確認)。

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★牧志駅(ゆいレール)
「どん亭」  実食日:2019/5

  沖縄そばと牛丼をメインに扱う立ち食い準拠店で、日本そばの扱いはない。沖縄ならではのメニュー構成であることもあり、特例で対象に含める。場所は、東口(エレベーター)を出てすぐ目の前の信号で国際通りを渡り、右へ30秒。「那覇のメインストリート」と言ってもいい国際通り沿いではあるが、久茂地辺りのもっとも賑やかなエリアからは北に少し外れている。「国際通り安里店」という店舗名が付いているので、一応チェーン展開しているということか(ググると計3店舗ヒットする)。国際通り安里店はいかにもファスト感覚の外観で、メニュー構成もファスト的。24時間営業なのも、ファストフード店ならでは。食券制で、客席はテーブル4人×7〜8くらいと、椅子付きカウンター15席くらい。
  牛丼が沖縄そばと同格でメイン扱いになっている店なので、ものは試しということで、ミニ牛丼セット750円を食べてみた。セットメニューは、もちろん沖縄そばとのセットになる。沖縄そばの麺は、少々縮れたタイプ。やや幅広な麺で、ツルツル食感。語弊を承知で言うと、ややインスタントラーメン寄りの食感・風味だった(油揚げ麺というわけではない)。つゆは、同日連食の「三丁目そば」に比べると、だいぶカツオ系の和出汁が強い。豚骨は、トッピングの肉から多少染み出ているかなという程度で、少なくともスープには使っていないと思う。あっさりしていて飲みやすく、個人的には好き。逆に、「三丁目そば」の味覚が好きな人にとっては、少々物足りなく感じるかもしれない。沖縄そば(単品550円)のトッピングは、三枚肉(ブロック状2個)とさつま揚げのようなもの2枚。三枚肉は、やわらかいけれど、ほどよく食感を残した調理を施している。さつま揚げのようなものは、「三丁目そば」のもの以上にフワフワしていて、それこそはんぺんのような食感だった。牛丼は、味付け甘め。「吉野家」や「松屋」よりもだいぶ濃い。ミニサイズで食べるぶんには美味しいが、フルサイズだと後半に飽きがくるかも。薄切りで縮れた牛肉とタマネギを合わせて炊いている。セットには、これに加えてモヤシナムルのような小鉢が付いた。麺単メニューは、ゆし豆腐そば650円、キムチ牛肉そば700円など。ソーキそばとかてびちそばとか、伝統的な沖縄そば店には必ずあるメニューが、だいぶ落ちている。こういったメニュー構成を見ても、「なるほど、国際通り沿いだな」と感じる。つまり、内地や海外からの観光客の利用が多そうだということ。沖縄そばと牛丼以外では、カレーライスが各種ある。ノーマルなカレーライスは350円で食べられる。牛丼も390円だから、安くお腹を満たしたい場合には沖縄そばよりもご飯ものを攻めた方がいいかもしれない。箸はエコ箸。
  平日22:00頃の訪問(写真は翌日撮影)で、先客1・後客4。後客のうち3人は、中国人グループ。入店してからなかなか食券を買わず、私が食べているものを興味津々に覗き込んできた。外国人観光客にとっては、物価が高い日本ではこういう店が貴重な存在なのだろうと思う。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、沖縄そば580円、ゆし豆腐そば700円、キムチ牛肉そば750円、ミニ牛丼セット850円、カレーライス390円です。牛丼は390円で据え置かれました(2021/10、確認)。

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「田舎」  実食日:2019/5

  駅からちょっと遠い沖縄そば専門店。日本蕎麦の扱いがない店だから本来なら特例を適用することはないのだけれど、有名店なのでどうしても載せたい。込み入った場所にあるため、行き方の説明がちょっと難しい。駅を出たら、国際通りを左(西)へ。モノレールの高架下を含めて5つ目の信号(むつみ橋交差点)で、アーケードの商店街(市場中央通り)を左折。アーケード内を2分くらい進み、右手の暗い路地の奥にある。黄色い大きな高看板が市場中央通りから見えるので、路地ごとに右を覗き見ながら歩いていれば気づけるだろう。ちょっとディープな雰囲気ではあるけれど、観光客も多く訪れている有名店でおばちゃんも観光客慣れてしているので、安心して入ろう。ただし、混雑店だけに注文は迅速に。愛想のよいおばちゃんでも、入店後なかなか注文しない客に対しては、だんだん扱いがぞんざいになっていく様子だった。客席は、厨房と対峙する椅子付きカウンター6席くらいと、その背後にテーブルが2人×3。加えて、入店して右手の方に座敷のテーブル席が2人×2。口頭注文、代引き制。
  麺はあまり縮れていないタイプで、適度に摩擦があって箸でつかみやすいもの。とりわけ感慨深いわけではないが、素朴で、いかにも「昔ながら」で好感が持てる。つゆは、とてもあっさり。塩気が控えめで、最初のひと口はやや物足りなくも感じるけれど、食べ進めるごとに徐々に旨みが増してくる膨張性の味わい。台湾のスープ麺料理に通じるものがある。一杯の丼のなかに起承転結のストーリーがあり、食後の満足度は群を抜いて高かった。メニューはシンプルで、ソーキそば390円、てびちそば450円、沖縄そば450円、ネギそば300円の4種類のみ(それぞれ大盛りの設定もある)。値段がとても安いのがありがたい。それでいて、実食したソーキそばにトッピングされた豚軟骨肉は、我孫子「弥生軒」の唐揚げを彷彿とさせるほど大きかった。それが、2枚乗る。豚軟骨だから、小淵沢「丸政」のコラチャー一本を2枚乗せるようなイメージだ。しかも、柔らかさと適度な歯ごたえを兼備していて、とても美味しいときた。これで390円は安すぎる。ぜひ、豚足を乗せるてびちそばも試してみたい。さすがは人気店だけあって、今後沖縄に行くたびに寄りたいなと思える一杯だった。ネギは青(小口)。飲み水はウーロン茶(温)。箸は割り箸・エコ箸併用。
  平日10:15頃の訪問で、先客4・後客3。中途半端な時間帯でも、結構入っている。観光客だけでなく、地元住民も多く利用している様子だ。座敷はあってもセルフサービスなので、空き食器をカウンターへ戻すことを忘れずに。


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「六文」  実食日:2019/5

  駅歩7分くらいかかるのだが、沖縄では珍しい立ち食い系の日本そば店ということで対象に含める。駅を出たら、国際通りを左(西)へ。モノレールの高架下を含めて5つ目の信号(むつみ橋交差点)で、アーケードの商店街(市場中央通り)を左折。上記「田舎」の入り口をスルーして、アーケードを抜けてから2本目の路地(「陶宝堂」という骨董品店の角)を右折。突き当りを右折してすぐ右側。平たく言うと、牧志公設市場とのうれんプラザの間の路地裏にある。繁華街ではなく住宅地にポツンとある店なので、事前に情報を得ていないとなかなか発見できないだろう。店内はとても手狭で、席数は3(椅子あり)。加えて、軒先に2人掛けの丸テーブルがひとつ出ている。現金代引き制。
  麺は、やや細めながらも歯ごたえはしっかりとある冷凍麺。そばの香りはあまりなし。つゆは、関西風と言えば関西風なのだが、あまり出汁感はなく、やや平たい味。麺もつゆも、極端に悪くはないのだが、両者の相性にやや疑問符が付く。この麺にこだわるのならもう少し香りのあるつゆの方がいいだろうし、このつゆにこだわるのなら茹で麺の方がよさそう。たぬきは、おそらく店内で揚げているであろう天かす。油は軽めで、カラッとしていて上々の出来。これなら、各種天(とはいえ、天は3種類のみ)も結構美味いのではないかと期待させるものだった。たぬき330円(ナルト入り)。温泉玉子の単品トッピングが20円と安かったので、これも追加して実食。温泉玉子は、片手で激しくシェイクしてから割っていた。そのせいか、白身がグズグズになっており、つゆに拡散。黄身がわりと固めなものだから、黄身がほとんど裸同然でそばの上に乗っているようなイメージ。う〜ん、こだわりというか、白身が殻の内側にこびりつくのを防ぐ狙いなのだろうけれど、果たしてそこまで激しくシェイクする必要があったのかどうか……。メニューは、東京の駅そばとあまり変わらず、沖縄らしい変わりメニューなどはない。かけ280円、かき揚げ400円など、全体的に地方にしては結構安い設定になっている。ご飯ものは、えび天丼500円と稲荷ずし80円のみ扱う。箸は割り箸。
  平日15:00頃の訪問で、先客1・後客0。アイドルタイムだから、こんなものだろう。繁華街でもオフィス街でもない場所だから、それほど需要が多いとも思えない。自宅の一部(未確認)を改造して道楽がてらのんびり営業している、というムードが漂う店だった。


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★安里駅(ゆいレール)
「富久屋」  実食日:2019/5

  一応安里駅として掲載することにするが、牧志駅、安里駅のどちらからでも徒歩8分くらいかかる場所になる。安里駅からだと、西口を出て後方(国道330号線を南へ)へ6分、壷屋交差点を渡ってから右折して2分、左側。古めかしいショッピングビル「のうれんプラザ」の2階。たぬき480円、かけ420円と高値だが、沖縄では貴重な廉価系日本そば店ということで特例を適用して対象に含める。店名の読みは「ふくや」。店内手狭で、客席は厨房を囲む椅子付きカウンター9席がメイン。プラス、背後スペースに2人掛けテーブルがひとつ。口頭注文、後払い(先客は先払いしていた様子)。
  麺は、冷凍。すぐ近くにある牧志駅「六文」によく似た麺(同日に連食している)。もしかしたら同じものかもしれない。つゆは、酸味が強めに出ている。カツオ系の出汁由来の酸味という感じではなく、ちょっと「酸っぱい」と感じるもの。やや違和感を覚える味わいだった。実食は、かき揚げ天570円。かき揚げは注文後揚げで、結構大きい。丼の縁に立てかける形でトッピングされる。具材は、タマネギ、ニンジン、長ネギ、むきエビ。揚げるシーンを眺めたのだが、木のヘラに乗せた状態で油の海に沈め、菜箸で形を整えながら揚げていた。なかなか丁寧な仕事っぷり。ただ、やや油切れが甘く、食後に少々胸が焼けたのが残念。ワカメと菜の花がサービストッピングされ、かなり塩辛い高菜漬けの小鉢が付いた。ネギは、沖縄では珍しい太い白ネギ。飲み水は麦茶。箸は割り箸。総じての印象としては、立ちそばと街そばの中間くらいのスタンスというか、本格風を目指してはみたけれど現状では中途半端なところで止まっている、というイメージ。店頭に生花が出ていたことからまだ開店して間もないのだろうと想像できるので、これからどこまで洗練されていくかに期待したいところだ。
  平日15:30頃の訪問で、先客3・後客0。おそらく夫婦であろう男女が切り盛りしており、そのうちのおばちゃんの方が客席に出てきて、常連客と一緒にチューハイを飲み始めた。基本的には、サッと食べる速食使いもアリだが、どちらかというと常連客がおしゃべりをしながら酒を飲むようなタイプの店なのだろう。近くにある「六文」との棲み分けがはっきりして、それはそれで悪くないと思う。のうれんプラザ自体に活気がないのがやや不安なところではあるが、細々とでも長く続けてほしい。


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★首里駅(ゆいレール)
「桃どん」  実食日:2019/5

  沖縄そばとラーメン、そして丼ものやスナックフードなどを扱う簡易食堂。日本そばの扱いはないのだが、沖縄特例で対象に含める。場所は、改札を出て左側の階段(南口?)を降りてすぐ目の前。駅歩5秒の好立地にある。食券制で、店内に「すべてセルフサービスとなっております」との貼り紙が出ているが、訪問時には空いていたためか配膳してくれた。下げ膳はセルフ。客席は、2人掛けテーブル×6。カウンタータイプの席がないのが個人的にやや残念。厨房はオープンなので、造りとして駅そばっぽさは充分ある。
  沖縄そばの麺は、注文後茹での生麺だった。自家製麺とのこと。「三丁目そば」とは違い、平打ちタイプ。少し透明がかった色合いでややモチモチ感があり、どちらかというとラーメンに近い食感。つゆは、とてもあっさりしている。第一印象は牧志駅「田舎」に近いのだが、食べ進めてもさほど旨みが膨張してこない。カツオの香りが勝っているけれど、これは出汁というよりもトッピングの花かつおに由来しているかもしれない。出汁としては、豚骨が主体なのではないかと思う。沖縄そば(肉なし)450円、三枚肉沖縄そば600円。変わりメニューに、坦々沖縄そば600円、カレー沖縄そば600円。いずれも同額でラーメンに変更可。また、沖縄そば・ラーメンとも、200円で替え玉が可能。ご飯ものには、カツ丼680円、牛丼500円、カレーライス500円などオーソドックスなもののほか、やんばる風チャーハン500円、オムタコ丼390円といった謎めいたものもある。実食は、三枚肉沖縄そば。トッピングは、豚三枚肉(バラ肉)2切れと、さつま揚げのようなもの。三枚肉も自家仕込みだという。ちょっと脂身が多いので人によってはしつこく感じるかもしれない。さつま揚げのようなものには、ニンジンとゴボウが練り込まれていた。キツネ色の揚げ色が付いておらず、真っ白。揚げていないのかな。どのようにして作られているのか、不思議な食品だ。コーレーグース等の各種調味料は各席にはなく、返却口近くに置いてある。個人的に、コーレーグースは中盤の味変グッズとして使いたいので、そのタイミングで席を立つのがちょっと面倒。できれば、各席に用意してほしい。箸はエコ箸で、レンゲとともに商品と同時提供。水のほか、コーヒー(温)もフリーで提供されている。食後にひと息つけるので、これはありがたい。
  平日13:00頃の訪問で、先客0・後客0。私が食べている間に、おそらく首里城観光に来たのであろう観光客グループが数組覗きに来たが、結局入らず。2人掛けテーブルしかないのを見て立ち去っているのかも。グループで訪れている観光客には、やや使い勝手が悪いのかもしれない。4〜6人くらい座れる大きめのテーブル席をひとつ入れる手もありそうだが、それだと地元住民の普段使いをカバーしきれなくなるのだろうか。悩ましいところではあると思う。


※閉店していました。跡地は、自販機コーナー(建物内に自販機が並んでいる)になっています(2021/10、確認)。

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