東 海 1
(静岡)

現在、46軒掲載(うち13軒は、閉店確認済)
★熱海駅(JR東海道本線・伊東線、東海道新幹線)
「東華軒」  実食日:2005/8

  4・5ホーム(東海道本線上り)。暖簾すらない露出店で、いかにも「昔ながらの駅そば」という感じの店である。東海道本線は上り・下りとも熱海止まりまたは熱海始発の列車が多いため、わりと常時客が入っているようだ。
  この店にはたぬきというメニューはない。私は天(330円)を食べたのだが、大判で見た目には豪華だが、食べてみると粉っぽかった。薬味は白ネギで、ここが白ネギ領域の南西端になる。

※閉店(「熱海そば」化)していました(2009/1、確認)。

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「生そば処」  実食日:2007/10

  1番ホーム湯河原寄り。熱海駅は「東華軒」だけかと思っていたのだが、他に1軒、東海圏でお馴染みの「ジャパントラベルサービス(J.T.S)」が運営する店があった。
  この店は、ホームの駅そば店にしてはなかなかボリュームがあって、好印象だった。麺はやや硬質の茹で麺で、可不可なし。つゆは、飲むと香らず、麺を食べるときにほんのりと香る鰹出汁。ワカメが大量に入るのが嬉しいポイント。私はここでは月見そば(310円)を食べたのだが、ほとんど「月見わかめそば」と言ってもいいくらいの量だった。たぬきは330円。丼を返却した際、店員が「サンキュ」と言ったのが印象に残った。駅そば店ではあまり聞かれない言い回しだ。


※値上げ(たぬき330→340円)していました(2009/12、確認)。

※閉店(「爽亭」化)していました。業者は同じで、外観も大きくは変わっていないので「店名変更」と見ることもできますが、メニューや価格がだいぶ変わっているので別店として扱うことにします(2014/8、確認)。

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「熱海そば」  実食日:2009/3

  JR在来線4・5ホーム。2つ上に記載している「東華軒」の跡地。業者が変わり、店舗内で食べるスタイルになっている。店内は手狭で、立ち食いカウンターのみ。
  NRE店舗で、麺にはこれといった特徴は感じられない。首都圏の「あじさい茶屋」の麺と同じだろうか。つゆは鰹出汁がよく香っている。北戸田スタンダードと同じであるかどうか判断に迷うが、悪い味ではなかった。値段は首都圏店舗よりも若干高く、たぬき350円。変わりメニューにはんぺんそばがある(400円)。「はんぺん」といっても、真っ白な座布団のようなものが乗るのではなく、イメージ的には「つみれ」。軽く素揚げしてあり、歯ごたえも風味もなかなかよい。山芋が少量乗せられるのもポイントだ。NRE化することに若干の抵抗を感じたけれど、店舗オリジナルのメニューを用意していてくれたのは嬉しかった。

※たぬきの値段は変わっていませんが、はんぺんそばは420円になっています(2009/12、確認)。

※たぬきの値段は変わっていませんが、はんぺんそばは「黒はんぺんそば」と名を変え、450円に上がっていました(2013/8、確認)。

※2014/9、再食。黒はんぺんそばを試しました。内容は改称前の「はんぺんそば」と変わっていません。旅行者の間で「はんぺん=黒はんぺん」と結びつきにくかったため改称したのでしょうか。大きな写真が掲示されているので「はんぺん」のままでもよかったように思います。黒はんぺんは変わらず450円ですが、他のメニューが値上げされていました。たぬきは、現在370円です(値−1点)。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。看板も変わっているように見えるかもしれませんが、これはたぶん色褪せただけです。値段等、変化ありません(2018/1、確認)。

※閉店していました(2019/1/10付)。結構需要はありそうな店だったんですけどね。熱海での東海道線の乗り継ぎ時間がどんどん短くなってきているので、そのあたりの影響が出ているのかもしれません。今のところ、建物はまだ残っています。併設されていた弁当売店もろともの閉店ですが、コンコースの弁当売店は存続しています(2019/3、確認)。

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「爽亭」  実食日:2014/8



  1番ホーム小田原寄り。2つ上に記載している「生そば処」の跡地。というか、店の造りはまったく変わっていないので店名変更と考えることもできるのだが、メニュー構成や価格が変わっている(単純な値上げでなく、メニューによって上がったり下がったりしている)ので、別店として扱う。客席は、L字型立ち食いカウンターのみ。キャパは5〜6人といったところだが、大きなキャリーバッグを店内に連れ込む人が目立つので、3人くらいでスペースが全部埋まってしまうことが多い。
  麺は、冷凍だ。平麺で、ややネットリしている。生麺に近い食感だ。つゆは、ちょっと深みに欠ける。たぬき330円(ワカメ入り)。変わりメニューに、冷やし椎茸470円。「温かい椎茸」は見当たらなかった。細かい点で面白かったのは、受け渡しのシステムだ。食券制なのだが、食券を買ってカウンター上に出し、商品が出来上がると、食券に領収印を押して返してくる。領収書、のようなものが最終的に客の手元に残るわけだ。領収書を欲しがる客が多かったのだろうか。


※暖簾が廃されていました(写真は左から2枚目)。ほとんどのメニューは値段等変わっていませんが。そば屋のカレー(そば)だけ470→480円に上がっています。また、新メニューが登場しています。ピリ辛肉ミンチ480円は都内の「爽亭」でも見かけますが、おそらく店舗限定と思われる「熱海そば」480円が出ています。券売機ボタンにプリントされた写真を見た限り、海藻系っぽいです。奇しくも4・5番ホームの店名と同じメニュー名になっていて、ちょっとややこしい感じです。「海岸そば」とか、別の名称にできなかったものでしょうか(2018/1、確認)。

※2019/10、再食。その前に、消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、たぬき370円、そば屋のカレー490円、熱海490円です(値−1点)。ピリ辛肉ミンチは、終了しています。今回は、公式取材ではありませんが、仕事上必要で熱海そばを食べてみました。トッピングは、生海苔と釜揚げシラスでした。もちろん、都内の「爽亭」にはないメニューです。ネギも、白髪様にカットした青ネギになります。生海苔は、都内の店舗でも提供している豚肉生姜そばに使うものと同じでしょうか。冷凍ものだと思いますが、よく香ります。シラスにも青ネギにも香りがあるので、総じて香りの強い一杯に仕上がっています。食後の余韻も、出汁より海の香りです。ワンコインで食べられるのなら、上々の内容かなと思います。4・5ホームの「熱海そば」が閉店して、熱海駅ではご当地っぽい駅そばが食べられなくなってしまったと思っていただけに、これはありがたいです。なお、食券にスタンプを押してサービス券になる制度は、終了しています。
  平日17:00頃の訪問で、先客1・後客2。ちょうどホームにリゾート列車が停車しているタイミングでしたが、リゾート列車に乗る人はあまり駅そばには目を向けないのか、空いていました。なお、このタイミングで店舗が全面改装されていました(写真は右端が最新)。内装もリニューアルしていますが、椅子は置かれず。立ち食いカウンターのみで、キャパは6人くらいです。


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★三島駅(JR東海道本線、伊豆箱根鉄道、東海道新幹線)

「生そば処」  実食日:2003/6

  JR改札を出てすぐ右にある駅そばは、とにかく素朴。写真で見る限りではどノーマルだが、一歩店内に入れば侘びしさが充満している。椅子席などあるはずもなく、木製のカウンターもいつバキッといってもおかしくない。5人も入れば満員御礼である。メニューもそば・うどんしかない。たぬきは360円と、やや高め。味覚的な特徴としては、つゆがかなり塩辛い。塩辛いが、出汁がしっかりしているので、不快な塩辛さではない。このタイプの店は、どうしてもトータル点数は低くなってしまうが、個人的には好きなタイプの店である。

※2007/7、再訪(再食せず)。経営が「ジャパントラベルサービス(JTS)」であることを確認しました。

※値上げ(たぬき360→380円)していました。暖簾等、外観にも若干の変化があります(写真は左:旧、右:現。2009/12、確認)。


※閉店(「爽亭」化)していました。業者は同じですが、内外観も一新されているので、別店として扱います(2015/3、確認)。

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「名物 三島そば」  実食日:2007/7



  伊豆箱根鉄道改札脇で、改札内外両側から食べることができる。伊豆箱根鉄道の直営店。改札内の窓口は吹きっさらしの立ち食い専門、改札外側には椅子席もあり、一応パテーションで仕切られている。
  この店では生麺を使用しており、茹で時間も4分と長め(店員談)。よほど食べ応えのあるそばが出てくるのだろうと期待していたのだが、実際には茹で麺級の歯ごたえだった。4分待たせてこの麺というのは、少し残念な感じがする。もっと早く茹で上がる麺でもこの味は出せるように思う。かけ260円、天420円。変わりメニューに、静岡らしい「桜えび天そば」(500円)があるが、聞くと「地物(生)を使用しているため、5/31までしか扱っていない」とのこと。他に、椎茸そばという変わりメニューもある(350円)。たぬきは、既製メニューでは310円だが、かけそばに揚げ玉のトッピング(30円)を乗せると290円。20円の差額はどこで生じているのだろうか。ちなみに、ネギは青。麺のみの販売もある(3食400円)。


※2009/12、再食。値段は変化ありません。外観的には、暖簾等が変わっています(写真は左から2枚目)。念願の桜えび天そばを食べることができました。香ばしさが◎です。また、今回はなかなか歯ごたえのいい麺が出てきました。茹で方の違いなのでしょうか(味+1点)。

※2018/4、公式取材で再食。まず、店名が変わっていました。事実上店名なしの「伊豆箱根三島駅売店」から直接「名物 三島そば」に変わったのではなく、間に「いずっぱこ駅そば」という名だった時代もあります。微妙に改装(写真は右端が最新)し、メニューや値段も少々変わり、実は味を左右する部分についても少々変化があったのですが、運営業者は同一で、もともと実質名無しだった店に店名が付いたパターンなので、同一店(店名変更)として扱います。
  公式取材ということで、名物メニューの椎茸そば400円を実食。記録に残すのは初めてですが、実は再食メニューです。再食。かなり大きなサイズの椎茸をスライスして醤油ベースの味付けを施しており、「伊豆箱根三島駅売店」時代との違いは特段ありません。値段は上がったものの、変わらず美味しいです。麺も、注文後に茹でる生麺で歯ごたえよし。そば湯ポットもあります。変わったのは、ネギ。なんと、白ネギになっていました。困るなぁ。「白・青の境界線は丹那トンネル」と提唱している私としては、ここは青ネギで出してもらわないと。また、伊豆長岡や修善寺(同じ業者が運営する駅そば店がある)はどうなんだろうかという疑問が湧き、再訪の必要が生じてしまいました。場合によっては、ネギの境界を引き直さなければならないかもしれません。三島は「桃中軒」が青ネギなのでいいとしても、伊豆箱根鉄道が飛び地的に白ネギ圏に入る可能性が出てきています。なお、その他メニューについては、かき揚げ470円に値上げしているほか、かけ・たぬき・桜えび天は終了しています。代わりに、みしまコロッケ(単品120円、そば400円)、そば屋のラーメン360円、フライドポテト180円が登場しています。麺大盛り券(120円)で、フライドポテトも大盛り(倍量)にできます。かけそばがないのが痛いですが、そばに乗せれば簡易ポテそばにアレンジすることもできます。学割制度があり、学生証の提示で麺大盛りまたは温泉玉子がサービスになります。

※残念ながら、閉店していました。跡地には何もありませんが、少し場所を移して簡易的な豚骨ラーメン店(夜は飲み屋になる二毛作店)がオープンしています(2021/4、確認)。

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「桃中軒」  実食日:2012/3

  JR在来線ホーム中ほど。上り・下りそれぞれのホームに、同じタイプの露出店がある(実食は上りホーム)。両店とも扱うメニューや値段が同じなので同一店と見なすが、営業時間が異なっている。
  味覚的には、あまり味のない茹で麺に、やや甘めのつゆ。昔ながらの立ちそば、という感じだ。面白いのは、サービストッピングされるナルト。店頭に掲げられている写真を見ると、メニューによってナルトが乗る・乗らないがあるだけでなく、ナルトの枚数にも違いがある。試しに、写真でナルトが4枚乗っている山菜そばを注文してみたら、本当にナルトが4枚乗って出てきた。すべて写真どおりだとすると、かけやきつねは3枚、天ぷらには乗らないということになる。この使い分けはたいへん興味深い。かけ250円、山菜290円、天360円など。ネギは青ネギ。


※消費増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ260円、山菜300円、天330円です。写真を見た限り、ナルトの数は3枚で統一されたようです(2014/9、確認)。

※値上げしていました。現在、かけ280円、山菜320円です。「かき揚げは注文後揚げ」との貼り紙があり、「海老と野菜のかきあげそば」は450円と高値です(2015/3、確認)。

※2016/3、再食。謹んで、注文後揚げの「海老と野菜のかきあげそば」450円をいただきました。かき揚げは、冷凍ものです。乗せる時に「ジュジュジュ〜」と音がするほどにアツアツなのですが、個人的には冷凍もののかき揚げに特有の「余裕のない具材詰め込み感」があまり好きではありません。値頃感も勘案すると、揚げ置きの従来型天ぷらの方が好きです。ホームの島式店舗では、この辺りが限界なのかもしれませんね。ちなみに、この店舗では複数枚のナルトが乗ることがひとつの特徴になっていますが、「海老と野菜のかきあげそば」にはナルトが乗りません。ちょっと寂しいです。なお、この記事は便宜上、上り(3・4番)ホームのものとします。下り(1・2番)ホームの店舗については、次回実食時に別途記事を立てます。

※2019/6、公式取材にて再食。みしまコロッケそば410円をいただきました。みしまコロッケは店内揚げで、揚げたてまたは揚げたてに近い状態でトッピングされます(付+1点)。メークインを使ったコロッケなので、タネがやや黄色がかっていて、しっとりクリーミーです。サクッとした衣との食感のコントラストが心地よいです。牛肉ではなく、鶏肉のミンチ入り。サッパリした旨みなので主張が強すぎず、ジャガイモの風味を存分に楽しめました。ちなみに、ナルトは3枚でした。みしまコロッケ単品130円のみでの注文も可能なので、そばを食べる時間がない場合にはこれだけ買って車内に持ち込む手もありそう。手軽なワンハンドグルメとして重宝しそうです。なお、店舗が改装されていました(写真は左:旧、右:現)。改装と言っても、カウンター周りの化粧板を張り替えた程度ですが、暖色系の色合いになってだいぶ印象が変わっています。
  公式取材で長居になったため、先・後客数は数えず。ピークタイムを外しての訪問だった(平日14:00頃)ためさほど賑わっている感じではありませんでしたが、列車の発着前後にはそれなりに立ち寄る人がいました。海老と野菜のかき揚げそばが、圧倒的によく売れている様子でした。


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「桃中軒」  実食日:2014/9

  新幹線ホーム7号車付近。ピカッと綺麗な店舗で、間仕切りのある立ち食い専門店だ。同名店が在来線ホームにもあるが、メニューや値段が異なっている。
  連食していないので確かではないが、在来線ホームの店舗とは麺も違うかもしれない。太さが3ミリほどある太角の茹で麺だ。食べ応えがあっていいのだが、ややつゆに馴染みにくい。湯通し時間をもう少し長くした方がいいような気がする。つゆには独特な甘みがあるが、しつこい感じではなく飲みやすい。たぬきなし、かけ300円、天400円。変わりメニューがたくさんある。しいたけ400円、さくらえびのかき揚げ500円、しらすのかき揚げ470円。また、単品メニューで「みしまコロッケ」がある(130円)ので、これを乗せればコロッケそばにできる。実食は、しらすのかき揚げ。見た目にはあまり目立たないのだが、食べてみると硬質な歯触りがかなり際立つ。揚げてあるからだろうか、あまり海の香りはしないのだが、食感が楽しいメニューだ。


※2014/12、再食。桜えびかき揚げ500円を試しました。ワンコインの桜えびかき揚げとしては悪くないのですが、ボリューム感を出そうと、桜えび以外の具材を使いすぎているのがちょっと勿体なく感じました。天ぷら自体はもっと小さくてもいいので、「全体の半分以上が桜エビ」という天ぷらにした方が印象が上がると思います。

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「爽亭」  実食日:2015/3

  JR在来線南口改札を出て右すぐ。上記「生そば処」の跡地。近年熱海も「爽亭」に変わっており、JTSの駅そばは「爽亭」のブランドで統一されつつあるようだ。店名が変わっただけではなく内装も一新されていて、「生そば処」時代には入口から見て横向きに立ち食いカウンターがあったのに対し、現在は縦に配置。厨房側と壁側に平行に配置され、10人くらい入れる。
  麺も「生そば処」時代とは変わっていて、冷凍と思われる。やや粘着するタイプ。つゆは、カツオ出汁が特に鼻に香る。深みはあまりないのだが、最初のひと口で「美味い!」と感じるので、駅そばとしてはこれでよいと思う。たぬきは、香ばしさが強い揚げ玉。つゆとの相性良し。高校生の利用が多いためだろうか、丼が大きく、量が少し多めになっているように感じた。たぬき340円(ワカメ入り)。小さな店にしては変わりメニューがいろいろある。きしめん310円は、名古屋「住よし」の麺を使用。各種トッピングにも対応し、「住よし」よりもだいぶ安い設定。ソースカツ丼セット600円があるあたりにも、名古屋色を感じる。一方では茶そば470円や桜えび山菜480円があるあたり、静岡色も強い。このチェーン特有の、食券にスタンプを押して返却→3枚集めると卵1個無料というサービスも健在。三島は、なかなかの激戦区。「生そば処」時代には、列強の中ではちょっと個性が弱いように感じていたが、ここにきて対抗できそうな態勢が整ってきた。今後の展開が楽しみだ。


※2015/8、再食。今回はそばではなく、ソースカツ丼470円を実食しました。キャベツの千切りを敷いたタイプのソースかつ丼で、ソースはウスターではなく中濃ソースでした。トンカツは4つに切り、うち1切れを立てて盛り付けるなど、駅そばとは思えないほど凝っています。薄っぺらい肉を使う店ではできない演出ですね。肉の厚さは1cmほどで、プラス衣が結構厚く、パッと見にはかなりの厚さがあります。味覚的には、まぁこんなものかと。揚げたてではないのでアツアツサクサクという感じではありませんが、ワンコインのソースかつ丼としてはまぁ及第点だと思います。

※微妙に改装していました(写真は左:旧、右:現)。壁の一部が窓になったことで、店内の様子がよく見えるようになりました。鬱々とした雰囲気が薄らいで、入りやすくなったのではないかと思います。値段等に、これといった変化はありません(2018/1、確認)。

※2021/4、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、たぬき360円、茶そば480円、ソースカツ丼480円です。桜えび山菜は、少なくとも店頭のメニュー表からは消えています。
  今回は、新たに登場したご当地メニューの「長泉あしたかつそば」460円を食べてみました。というか、これがあるのを見つけて衝動的に入った感じです。トッピングは、愛鷹牛を使ったメンチカツです。「愛鷹牛メンチカツ」を略して「あしたかつ」なんですね。「明日勝つ」の意味も込められているのかな。揚げ置きで、肉厚なわりにふんわりとした食感。ワンコインのご当地メニューとしては、コンセプトは悪くないと思いますが、ルックスも含めてバズりそうな感じではありません。みしまコロッケの方が受け入れられやすいかなという印象でした。
  平日8:00頃の訪問で、先客2・後客2。コロナ対策のパーティッションは、厨房側の立ち食いカウンターにはなく、壁側の立ち食いカウンターのみにあります。厨房と客席の間には、ビニールカーテンが設置されていました。


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「桃中軒」  実食日:2018/1

  JR在来線1・2番ホーム中ほど。3・4番ホームの店舗と並行の位置関係にある。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは5人程度。券売機はなく、口頭注文の代引き制。実はこの店舗、今回が初食ではない。従来、当サイトでは1・2番ホームの店舗と3・4番ホームの店舗を「同じ店」として掲載してきた。しかし近年、完全に店舗ごとに記事を立てるよう方針を変更したため、便宜上今回を初食として記事を立てる。ご了承を。3・4番ホームの店舗とは看板のデザインや建物の形状なども若干異なる。しかし、それらの外観的なことよりも、店内にフライヤーが入っているかどうかが最大の違いだ。1・2番ホームの店舗には入っておらず、3・4番ホームの店舗には入っている。つまり、天ぷらは「1・2番ホーム=揚げ置き、3・4番ホーム=揚げたて」ということになる。「それなら絶対に3・4番ホームで食べた方がいい」という意見も聞こえてきそうだが、値段も違う(揚げ置き店:350円、揚げたて店:450円)ので一概にそうとも言い切れない。なお、現状では、三島・沼津・御殿場に計6店舗ある「桃中軒」のうち、三島駅の3・4番ホームと御殿場駅の店舗にフライヤーが入っていて、揚げたてを提供している。どちらもおおむね好評なようなので、今後他店舗にも拡散していく可能性がありそうだ。
  麺は、わりと質感の軽い茹で麺。連食した沼津駅1・2番ホームの店舗と同じだろう。つゆは、沼津駅よりも少し塩辛かったように感じたが、誤差の範囲内か。桃中軒の特徴である甘みもしっかり利かせているのだけれど、塩辛さの方が強く感じられた。たぬきなし、かけ280円、きつね330円、天350円。変わりメニューに、みしまコロッケそば410円あり。実食は、きつねそば。きつねは、小さめの正方形で、薄いもの。ボリューム感は乏しいが、味付けはやさしく、歯がキシキシしないのがありがたい。ナルト3枚入り。掲示されたメニュー写真では2枚なのだが、現在は全メニュー3枚で統一されているもよう。ただし、天ぷらそばにはナルトが乗らない。三島コロッケそばの写真には、ナルトではなくカマボコが乗っている。実際にカマボコが乗るのだろうか。これも一度食べてみないと。また、桜えびかき揚げそば480円の設定がある。ざっと見て回ったところ、この設定があるのは三島駅新幹線ホームと在来線1・2番ホームの店舗だけのようだ。店舗ごとに少しずつ違いがあって、面白い。
  訪問は平日の13:30頃。先客0・後客0と寂しい状況だった。ホームの店舗だから、客足には波がありそう。列車の発着前後には、きっとこの店舗にも人だかりができるのだろう。

※閉店していました。建物撤去済みです。駅の規模に比して店舗数が多すぎたでしょうか。こちらの店舗の方がレトロ感というか郷愁があって私好みでした。残念ではありますが、店舗が残った3・4番ホームへ回りましょう(2019/6、確認)。

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★沼津駅(JR東海道本線・御殿場線)
「桃中軒」  実食日:2007/8

  3・4番ホーム中ほど。1・2ホーム中ほどにも同名店があるが、午前9時の時点では3・4ホームの店舗しか開いていない。また、「桃中軒」は本来駅弁業者で、駅そば店でも駅弁を扱っているのだが、午前9時の時点ではまだ準備ができていない。そば・うどんのみの営業になる。
  この店の麺は、太めの茹で麺。角がしっかり立っていて、食感は悪くない。つゆは、色は薄めだが意外と甘みが強い。ネギは青で、冷凍もの。天そばを注文すると、まず天をつゆの寸胴の中に放り込んでから調理するのが面白い。天を温めているのだろうか。ナルトが2枚入るのだが、これは全メニューに入るのかどうか怪しい。たぬきなし、かけ250円、天320円、月見290円、きつね300円。メニューはこの4種のみ。


※少々値上げしています。現在、かけ260円、天330円、月見300円、きつね310円です。トッピングのバリエーションにみしまコロッケが追加されています。みしまコロッケそばは390円です(付+1点。2014/9、確認)。

※値上げしていました。現在、かけ280円、天350円、月見320円、きつね330円、みしまコロッケ410円です。改装ということではありませんが、看板に「創業明治24年」との表示が加わっていましたので、写真を貼ります(左:旧、右:現)。創業当時からそばをやっていたわけではないので、解釈には注意が必要です(2015/3、確認)。

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「ぷらっと亭」  実食日:2009/1

  南口を出て、ロータリーを左から回り、一方通行出口を入って10秒左側。駅を出たら、左前方に見えるイーオン(英会話学校)を目指して歩くといい(イーオンがいつまで存続するか、責任は持てないが)。立ち食いカウンターと椅子付きカウンターが1本ずつあり、全部で10人くらいは収容できるだろうか。
  この店は食券制だが、麺とトッピングを別々に買うシステムになっている。麺はそば・うどんそれぞれ太麺・細麺、温・冷から選択。値段は温が全品300円、冷は320円。この他に「ごっつい太麺」(120円増し)というのがあるが、試していないので詳細は不明。トッピングは全部で13種類あり、値段は50〜160円と幅広い。変わったところでは、味付け卵70円、刻み椎茸80円、桜えびかき揚げ160円などがある。野菜天ぷらは90円で、5種類ある中から好きなものを2種選択できる仕組み。私が試したのはそば太麺+桜えびかき揚げ。麺はうどんのような太さの平麺。きしめんを少し細くしたような感じ。味覚的には大きな特徴はないが、歯ごたえ充分で食後に満足感が得られた。つゆは、あまり深みのないタイプ。カマボコが入り、ネギは青白を別々に盛る。これはなかなか珍しい。かなり特徴の多い店だが、「桃中軒」の貼り紙が店内の随所に見られることから、直営かどうかは分からないが、少なくとも関連会社であることは確かだろう。


※閉店していました。跡地は、不動産仲介店です(2015/3、確認)。

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「桃中軒」  実食日:2018/1

  1・2番ホームやや三島寄り。3・4番ホームの店舗よりも三島方に寄っていて、短い編成の列車はかからない位置になる。営業時間が3・4ホームの店舗よりも短く(11〜16時)、朝イチで東京を出て沼津に着くと、まだ開いていない。だから、3・4番ホームの店舗よりもやや訪問難度が高いと言える。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは6〜7人くらい。建物の大きさも、3・4番ホームの店舗より少し小さい。
  麺は、軽い食感の茹で麺。富士駅「富陽軒」と連食したのだが、富陽軒よりも質感が弱く、茹で麺らしい茹で麺。舌触りは、わりとツルツル。つゆは、わりと淡いけれど、甘みがしっかり利いている。出汁よりも甘みの方が前面にあるタイプだ。たぬきなし、かけ280円、天350円、きつね330円など。メニューは3・4番ホームと共通。変わりメニューに、箱根西麓産のメークインを使った「みしまコロッケそば」410円。実食は、月見そば320円。玉子は先乗せで、白身少々白濁。ナルトが3枚乗る。「桃中軒」のナルトは、かつてはメニューによって枚数が異なっていたのだが、現在は3枚が標準になっているようだ。ただし、天にはナルトを乗せない。これ不思議。
  訪問は平日の13:00頃で、先客0・後客1。線路越しに見える3・4番ホームの店舗には、人だかりができていた。だからといって1・2番ホームがいつも空いているというわけではなく、ホームの店舗だから、列車の発着に合わせて客足にかなり波があるということだ。


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★片浜駅(JR東海道本線)
「スマル亭」  実食日:2017/6

  南口を出て線路と垂直方向に歩き、突き当りを右折。最初の十字路を左折した先の突き当り(千本通り)を左折してすぐ左側。曲がる回数が多いので文章にすると行き方がすごく面倒臭く感じるかもしれないが、とにかく千本通りに出てしまえば分かりやすい場所。駅歩5分を少し超えるだろうか(実測値で5分半)。駐車場のあるドライブインタイプの店舗。店舗名は、「沼津千本通り店」。客席は長テーブルが主体で、計16席。プラス、受渡口付近での立ち食いも可能か(3〜4人くらい並べそう)。さらに、店の外にも丸太椅子が配された大テーブルが出ている(8〜9席くらい)。ただし、訪問時には雨天だったので、椅子もテーブルもずぶ濡れ状態だった。
  麺種は未確認。ぬめりが感じられるあたりは生麺っぽいのだけれど、香りがあまりないので冷凍の可能性が高そう。強い歯ごたえも、冷凍麺を連想させる。つゆは、昆布出汁強烈タイプ。北海道の駅そばに通じる味わいがある。私は結構好きなのだけれど、首都圏在住者にはあまり馴染みがなさそうな味覚なので、好き嫌いが分かれるかもしれない。大きな丼にたっぷり入れてくれるのだけれど、ちょっと飲みにくい形状の丼。たぬき370円、かけ300円など。静岡らしいメニューとして、桜海老天550円と桜海老唐揚げ500円がある。桜海老天は以前にどこかの店舗で食べたことがあるので、今回は桜海老唐揚げにチャレンジ。これは、桜海老をかき揚げ状にはせず、薄い衣を付けて単独で揚げたもの。「ばら天」と表現すれば分かりやすいだろうか。麺・つゆとの一体感が演出されるし、海老の香りもしっかりと感じられて、美味しい。味覚的には申し分ないのだが、桜海老天に比べてボリューム感はだいぶ劣る。「桜海老を食べたいけどかき揚げはちょっと重いなぁ」という時に注文するとよいかもしれない。
  平日11:30頃の訪問で、先客4・後客4。車で寄る人が多い店なので、雨天の影響はあまりなさそうだ。営業系のスーツサラリーマンより作業服系の男性の方が多かったのは、近隣に工場などが多い沼津市西部の臨海地域ならではと言えるかもしれない。


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★吉原駅(JR東海道本線、岳南鉄道)
「隠れ家 万福」  実食日:2017/6

  南口を出て左へ4分、左側。県道との交差点の北東側角地。駐車場(5〜6台分くらい)のある店で、どちらかというと車で訪れる人の方が多そうな店。近隣に製紙工場などがたくさんあるので、そこに勤める人々の昼食需要がメインだろうか。岳南原田「めん太郎」と似た性格の店なのではないかと推察。厨房を囲むL字型椅子付きカウンター8席ほどがメインで、店の外にも4〜6人くらい座れそうなテーブル席が出ている。しかも、外の席は日除けテント付きなので、雨天でも安心して利用できる。こういうものがあるということは、やはりピーク時(昼時)に極端に混雑する傾向にあるということだろう。口頭注文で、代引き制。おばちゃんはなかなか個性的で、客が入ってくると「おかえりなさい」と、食べ終えて出て行くときには「行ってらっしゃい」と声をかける。
  麺は、あまり味のない茹で麺。「普通」としか言いようがないもの。でも、悪くはない。つゆは、わりと甘め。昆布様の旨味を感じるが、最初のひと口で酸味も感じる。カツオ系+昆布、だろうか。甘さが勝って、あまりよく分からなかった。たぬきなし、かけ300円。トッピングはすべて単品扱いで、50円・100円・120円・130円の4タイプがある。お得そうなのは、きつね・山菜・おろし各50円、エビかき揚げ130円あたりか。ササミ天130円があるのが興味深い。というのは、先ほど「性格が似ている」と書いた岳南原田「めん太郎」の名物がササミ天だから。県民性というか、地域性があるのかもしれない。午前10〜11時限定のモーニング350円の設定あり。内容は、きつねそば(うどん)+おにぎり。通常価格だと450円なので、100円引きということになる。1時間しか適用時間がないのが辛いところではあるが、この時間帯に訪れるチャンスがあるのなら、頭の片隅に置いておくといいだろう。今回は、やさいかきあげ130円と生卵50円をトッピング。やさいかきあげは、揚げ置き。厨房内に揚げ場が見当たらないので、仕入れているか、自宅など別の場所で揚げているかのどちらか。生卵は先乗せだったが、つゆがぬるかったので、白身は完全に透明な状態で提供された。たっぷり乗せてくれるネギは、見事に青。青ネギの中でも青い部分しか使っていない、という感じ。スライス椎茸を煮付けたものと天かすがサービストッピングされる(入れるかどうか聞いてきてくれる)。静岡県、特に伊豆半島や駿東地方は、椎茸の特産地。地域性が感じられて、ありがたい限りだ。アットホームな雰囲気も良いし、長く続けてほしい店だ。


※閉店していました。跡地は、中古自動車店になっています(2020/1、確認)。

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★富士駅(JR東海道本線・身延線)
「富陽軒」  実食日:2006/9

  1&2ホーム(身延線)中程。人が多い東海道本線のホームに設置してくれればいいものを、なぜわざわざこんな場所に店を構えているのか、ちょっと首をひねりたくなる。当然と言っては失礼だが、先客はゼロ、閑古鳥が鳴く有様だった。メニューも、そば・うどんは月見(290円)と天(320円)だけ(他にいなり寿司や助六などがある)。ちょっと寂しい。
  味覚的にも、これといったプラス材料はなかった。麺は柔らかくてコシがない。つゆは並。天にはタコが入っていて食感が良かったが、揚げ置き保存時間が長いようで、冷たくなっていた。当然ながら、ネギは青。


※値上げ(月見290→320円、天320→350円。値−1点)していました。よく見たら、かけ(280円)ときつね(330円)もありました(2009/12、確認)。

※少々値上げしていました。かけ290円、月見330円、きつね340円と、基本的には消費増税に伴う10円だけの値上げですが、天は一気に400円まで上がっています。店頭に「揚げたてかき揚げあります」の表示が出ていたので、自家製天ぷらに変わったということかもしれません(2014/9、確認)。

※2018/1、再食。値段等、変わっていません。今回は、軽く月見そば330円で。玉子は先乗せで、白身少々白濁でした。麺が変わったでしょうか、やや太めの茹で麺にはズッシリした質感があり、結構私好みでした(味+1点)。つゆは昆布出汁が中心で、少々生臭みが出ていました。やや煮出しすぎかもしれませんが、静岡県内でお馴染みの「スマル亭」もこんな感じの風味なので、これがこの辺りのスタンダードなのかもしれません。替え玉100円あり。天は、冷凍ものの注文後揚げになった様子です(付+1点)。
  日曜の8:30頃の訪問で、先客0・後客3でした。後客の3人は、いずれも私より先に店の近くでウロウロしていて、私が注文したのを見てぞろぞろと集まってきました。典型的な先客ゼロ症候群ですね。この店舗では、(特に冬場は)客がいない時には窓を閉めて、店員さんが奥に引っ込んでいる(座っている)ことが多いので、食べようかなと思って接近しても「あれ? 今はダメ(不在)なのかな?」と思われてしまうことがありそうに思います。ずっと立っているのは大変だと思いますが、せめて見える位置にいてほしいです。


※2020/8、再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ320円、月見360円、きつね370円、かき揚げ430円です(値−1点)。
  今回は、きつね370円をいただきました。きつねは、正方形に近い形状×2枚。油揚げを半分に切って、2枚とも乗せたようなイメージです。色が黒ずんでいて見た目にはあまり美しくはないのですが、熟成味があってなかなか美味しいです。手仕込み感のあるきつねで、これはオススメできます。あと、ネギが白ネギになっていました。う〜ん、ここが白ネギになると、ちょっと白・青の境界線がぼやけてきます。研究目線で考えると、青のままにしてほしかったかなと感じます。
  日曜12:00頃の訪問で、先客0・後客1。昼時にしてはずいぶん空いていますね。ちょっと心配になります。発着する列車の少ない身延線ホームにある店なので、昼時よりも列車の発着前後の方が多客になる立地だとは思いますが。なんとか応援したいところではあります。


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★草薙駅(JR東海道本線)
「スマル亭」  実食日:2016/3

  駅から少し遠く、国道1号線沿いにある。店舗名は、「弥生町店」。駐車場のあるドライブインタイプの店舗で、完全に駅よりも国道1号線に依存する店舗。だが、駅歩6分ほどの立地にあるので、他に対象となる店がない駅として特例を適用する。駅からの行き方は、ちょっと文字での説明が難しい。駅を出て、鈴与ビルを回り込んで右へ3分、最初の信号を右折して2分半、国道1号線を渡って右へ30秒。24時間営業している。客席は、6人掛けのテーブル席が2つと、椅子付きカウンターが5席。大学時代からちょこちょこと利用していた、スマル亭。私にとっては、「静岡へ来たぞ!」と実感するランドマークだ。国1を走っていると、静岡県に入ってまず「テンジンヤ」(弁当店)が目につくようになり、次に「スマル亭」、それから「あさひや」(弁当店+イートイン。最近見かけないような気がする)、「サークルK」(コンビニ。その後全国区になった)、「かまどや」(弁当店。これも現在は全国区か)の順に移り変わる。夜間営業のチェーン店の変遷にも、旅情を感じたものだ。
  麺は、少々ぬめりがあり、中心部に芯を感じる食感。香りもまずまずある。生麺だろうか。調理が早かったので、冷凍の可能性もあるが(厨房内に茹で置き麺は見当たらなかった)。つゆは、昆布に由来するモヤッとした風味が感じられる。「箱根そば」に通じる味わいだが、「箱根そば」ほど甘くはない。サバを加えているかもしれない。たぬき370円なのだけれど、天かすはフリーで置いてある。かけ320円を注文すれば、たぬきそばにできる。わざわざたぬきそばを注文する人はあまりいないのではないかと思う。実食は、かき揚げ丼セット700円。かき揚げは揚げ置きで、おそらくレンチンで温めている。上からかけるタレがとても甘い。ミニ丼の量がやや少なめなので、麺単に比べて少し割高な印象だ。かき揚げ丼単品も500円と高め設定なので、スマル亭では麺単でサクッと済ませた方がいいかもしれない。変わりメニューというかご当地メニューに、しらす天500円、桜えび天550円。セットものでは、運ちゃん定食500円、スマル亭食(「スマル定食」ではない)500円など、字面からでは内容が想像できないメニューが多い。
  19:30頃の訪問で、先客3・後客0。この時間帯には、ドライバー需要はあまり多くないのかもしれない。国道1号線は、近年快適な静清バイパスができて快速通過できるようになっているので、以前に比べて店前を走るトラックなども激減していると思われる。現在この場所で24時間営業していて経営が成り立つのだろうかと、少し心配。かく言う私も、最近はバイパスで静岡県内を快速通過する機会が多く、スマル亭のみならず先に掲げた「テンジンヤ」「あさひや」などの看板を見る機会が少なくなっていることに、少し寂しさを覚える。利便性と旅情は、往々にして相反してしまうものだ。


※昼間の写真に貼り替えました。値段等、変わっていません。草薙駅が大幅にリニューアルされ、駅北口(学園口)が開設されたことによって、少し近くなりました。北口を出て左、ガードに沿って遊歩道を歩き、車道に出たら右折して3分、歩道橋で旧国道1号線を渡って左へ30秒です。駅歩5分強くらい。旧国道1号沿いにはサレジオ学園があり、また常葉大の静岡草薙キャンパスも建設中なので、学生需要を見込んでの北口開設でしょう。常葉大静岡草薙キャンパスがオープンすれば、多くの大学生が「スマル亭」を利用するようになるかもしれません。いや、キャンパス内に学食があるかな? 駅とキャンパスの間ではなく、駅から見てキャンパスの先に「スマル亭」という形になるのが少々辛いところですね。

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★東静岡駅(JR東海道本線)
「鐘庵」  実食日:2021/9

  南口を出てロータリーを左に回ってそのまま直進3分。突き当りにあるパチンコ店「スーパーコンコルド」の外側にあり、店舗名は「コンコルド店」。駅から見てパチンコ店の裏側になるので、パチンコフロアを通り抜けるのが一番手っ取り早い。静岡県内ではお馴染みのローカルチェーン店だが、パチンコ店併設の店舗は初めて見た。当サイトでは駅から遠い店舗を対象外としているため全店舗を見て回っているわけではないのだが、レアな存在であることは間違いないだろう。他店舗と同じく、食券制ではなく口頭注文の先払い制。食券制ではないパチそばというのも、結構珍しいと思う。受渡・返却はセルフ。客席は、三方の壁に沿って椅子付きカウンターが巡らされている(計25席)ほか、フロア中央にテーブル席(4人×2)もある。
  麺種は未確認。食感的には乾麺を連想させるようなモソモソ感があるのだが、乾麺ではないだろう。冷凍か、生か。そばの香りがしっかり感じられるので、生麺ではないかと推察しておく。全体的に見れば薄いグレーなのだが星が多く見られ、時折シャリッと歯に触る。この点は少し好き嫌いが分かれるかもしれない。つゆは、昆布出汁中心の仕立て。色合いは東西折衷くらいだが、カエシの概念がありそうな味覚なので、どちらかといえば関東風か。カツオ系の香りがないだけにややモヤッとした味覚に感じられるが、美味しい部類ではあると思う。かけ360円。既製の麺単メニューは、のり540円、桜えび720円など、ご当地感はあるけれど高めの設定。安く済ませるなら、かけそばにおろしか生卵(ともに60円)あたりを加えるのがよいだろうか。ネギは青(小口タイプ)。ご飯ものは、麺とのセットが前提になりそうなミニ丼4種。一番安いサーモン丼で380円、最も高いかき揚げ丼が460円。いずれも、単品のみで注文した場合には50円増しになる。実食したのは、かけそば+炙り焼肉丼440円。肉はカットの細かい牛肉で、仕上げに青ネギを散らす。味覚的には悪くないが、440円という値段を考えると少々ボリュームに難があると言えそう。このボリューム感なら、380円くらいでお願いしたいところだ。そばの丼が大きく、つゆをたっぷり入れてくれてボリューミーに感じるだけに、なおさらギャップがあるように感じる。あと、タイミングの妙もあると思うが、店員の覇気のなさがとても気になった。愛想を振りまけばよいというものではないと思うけれど、こちらのオーダーが通ったのかどうかも分からないような無気力接客はよくないと思う。この点をもって、「サービス」を−2点としている。
  平日18:45頃の訪問で、先客4・後客0。パチンコフロアは結構賑わっていたが、この時間帯の食事需要は多くなさそうな印象だ。コロナ対策のパーティッションは、ところどころにあり。グループ客への配慮と思われる。


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★静岡駅(JR東海道本線、東海道新幹線)
「富士見そば(東海軒)」  実食日:2006/8

  JR在来線1・2番ホーム(上り線)中程。昔ながらの露出店。
  一週間ほど関西圏に逗留した帰りがけに食べたからだろうか、とにかくつゆの色の濃さが印象に残った店である。しかし、見た目ほど味はどぎつくなく、すんなりと全部飲み干せる。全体的に、水準級のレベルにはあると思う。麺は普通の茹で麺で並、ネギは青(浅葱)。かけ250円、たぬき・きつね280円、天・温玉310円。なお、3・4番ホーム(下り線)にも同名店があるが、営業時間が微妙に異なる(下り線の方が遅くまでやっている)ようだ。


※値上げ(かけ250→280円、たぬき280→310円。値−1点)していました(2009/3、確認)。

※2010/10、再食。味が変わったかどうか、自信はありませんが、再食時の印象としてはざらつきのある茹で麺にあまり深みのないつゆ、でした。値段等に変更点はありません。

※2015/3、再食。フカフカとした軽い食感の袋入り茹で麺。たぶん前食時と同じ麺なのでしょうが、湯通し加減とか、季節によっても若干印象は変わるものなのでしょう。つゆは、カツオ出汁と醤油の香りがガツンと香りました。こちらも、前食時とはちょっと印象が違っていましたが、誤差or季節的要因かと思われます。少々値上げして、現在はたぬき320円です。かけは290円に、天(かき揚げ)は360円に上がっています。変わりメニューに、豚キムチ500円、チーズ420円、菜の花450円、桜エビあられ揚げ500円があり、いろいろ試してみたくなります。また、ラーメン(400円)の扱いもあります。そば・うどん・ラーメンとも替え玉が可能(100円)です(付+3点)。

※値上げしていました。現在、たぬき340円です。かけは310円に、かき揚げは380円に上がっています。豚キムチ・菜の花は終了し、チーズは440円。桜エビあられ揚げは520円まで上がってしまいました。ラーメンは400円で据え置きです。替え玉も、ラーメンは100円で据え置きですが、そば・うどんは110円に上がっています。なお、従来は上り・下りの区別なく掲載していましたが、サイトの運営方針変更に伴い、本記事は便宜上上りホーム(1・2番線)の店舗のものとします。下りホーム(3・4番線)については、別途記事を立てます。また、この運営方針変更に伴い、写真も今回貼り替えています(従来掲載していた写真は下りホームのものだったため)。ご了承ください(値−1点。2016/9、確認)。

※2018/3、公式取材で再食。以前から気になっていた、チーズそば440円をいただくことができました。トッピングは、天かす+とろけるモッツァレラチーズです。タバスコが添えられるので、味を変えながら食べ進められます。チーズは麺に絡めて食べるのがベストでしょうか。チーズが丼にこびりつきがちなので、麺がたくさん残っているうち、つまり序盤が勝負です。一度丼にこびりついたチーズは、二度とはがれないと思った方がいいです。味覚的には文句なく美味しいので、あとはこびりつきの打開策があるといいなと思うところです。なお、券売機が新調されていますが、メニューや値段に大きな変化はありません(写真は貼りません)。

※2020/8、再食。公式取材ではありませんが、仕事上必要でラーメン460円をいただきました。かなり色の黒い醤油スープのラーメンで、モチモチしないツルツル食感の麺が特徴的な一杯でした。見た目に味が濃そうなスープは、実際に飲んでみるとそれほど塩辛くはありません。深いコクが感じられたので、たまり醤油を使っているのではないかと思います。やや和風チックな味覚です。ベースはそばつゆかも。トッピングは、チャーシュー、メンマ、ワカメ、ナルト。ネギは青。まぁ、ホームで食べるワンコインのラーメンとしては、上出来です。
  日曜11:30頃の訪問で、先客1・後客0。立ち食いカウンターにパーティッションはありませんが、ところどころに「使用禁止」の貼り紙があり、客同士の間隔が保たれるよう工夫されています。また、箸立てはカウンター上に出さず、割箸を1膳ずつ提供していました。なお、消費10%増税に伴い、値上げしています。現在、かけ320円、たぬき350円、かき揚げ390円、チーズ450円です。


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「富士見そば(東海軒)」  実食日:2016/9

  在来線下り(3・4番)ホーム中ほど。上りホームの店舗と同じ「東海軒」の店舗がある。設置された時期が違うのだろうか、外観が少々異なっている。営業時間も異なり、下りホームの方が少し遅くまで開いている(30分違い)。メニュー・値段は完全一致。立ち食いカウンターのみの露出店で、キャパは5〜6人。
  麺は、柔らかめの個包装茹で麺(うどん・ラーメンも個包装)。断面がちょっと扁平形をしており、少しザラザラ感あり。歯ごたえは弱いんだけど、舌触りが好き。つゆは、カツオと昆布がバランスよく香る。酸味がやや強めで、粉末出汁のような風味も感じる。たぬきは、やや湿気り気味の天かす。ホームの露出店では、こういうたぬきが出てくるのは珍しいような気がする。たぬき340円。変わりメニューに、桜エビあられ揚げ520円、チーズ440円、牛肉生姜510円、天おろし440円、キムチラーメン490円。ホームでこれだけ前衛的なメニューを揃えている店も、他はなかなかないだろう。麺の替え玉もできる。そば・うどんは110円、ラーメンは100円。
  なお、従来当サイトではホームごとに記事を分けることをしてこなかったため、上記上りホームの記事内に実は下りホームでの実食履歴が含まれている。下りホームでの実食はこれが初めてではないのだが、サイト運営方針の変更に伴って記事を立てているため、便宜上今回を初食として記事を立てさせていただいた。複雑で分かりにくくなってしまっているが、ご了承ください(写真も貼り替えています。本記事の写真は、2006/8撮影)。幸いにもメニュー・値段が完全一致なので、そう大きく混乱することはないだろうから。


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「鐘庵」  実食日:2017/7

  北口を出て、地下通路で旧国道1号を渡り、H出口を出てすぐ。店舗名は「静岡駅前店」。旧国道1号を隔てているのがややネックではあるが、とても分かりやすい場所にある。狭い間口から入って、階段を下った先の地下1階になる。店内はわりと広く、テーブル席が2人×4と、椅子付きカウンターが16席くらい。「鐘庵」にも、このような駅前型の店舗があったとは知らなかった。静岡のチェーンとして2大勢力を築いている「鐘庵」と「スマル亭」は、どちらも駐車場を備えた郊外ロードサイド型店舗のイメージが強い。そういえば、両チェーンともかつて都内に店舗を出していた時期があり、それはどちらも駅前型だった。どこまで行っても性格が似ているなぁ。ライバル意識が強いのだろうか。
  麺は、細く、少し粘着するタイプ。あまりそばの香りはしないが、冷凍麺を連想させる食感ではない。おそらく、生麺。つゆは、わりと平たかった。昆布中心であることは確かだが、「スマル亭」のようにガツンと香るものではなく、かといって関西風のように上品に仕上げているわけでもない。平たいうえに少し甘みを差しているので、ちょっとモヤッとしているように感じられる。かけ350円。かけそばは文句なく駅そば価格なのだが、トッピングを乗せたりセットメニューにしたりすると値段が跳ね上がるので、注意が必要。オススメは、かけか、おろしそば400円。今回は、極端に腹ペコだったので、Wどんぶり(サーモン丼)とそばのセットで注文。会計は、駅そばとは思えない1150円になってしまった。これ、メニュー表の表記の仕方がよくないなぁ。よく見なかった私が悪いのだけれど、800円の表示の方が目立つように書いてあるので。800円は、あくまでも「Wどんぶり」の価格。そばとのセットだと、350円プラスになるわけだ。「Wどんぶり」といっても、デフォルトがミニ丼だから、そんなに量が多いわけではない。1150円分食べて、しかもお腹いっぱいにならなかったのが、かなり悔しかった。かけそば+おにぎり(100円)+静岡おでん(100円〜)くらいにしておけばよかった。
  訪問は平日の19:00頃で、先客5・後客3だった。女性のひとり客が目立つ。わりとゆったり食べられるので、入りやすいのかな。レディースセット(玉子とじのミニ丼3種のなかからひとつ選択+半そばで、700円。ミニ丼を桜えびとじ玉丼にすると800円)という設定もあることだし。ちなみに、レディースセットは「男性の方もどうぞ」となっている。それなら、メニュー名を変えて欲しいのだが。「レディースセットをください」と注文するのを恥ずかしがる男性もいると思うので。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ360円です。おろしそばという既製メニューは、少なくとも外の掲示からはなくなっています。ただし、おろしの単品はあり、60円。かけそばに合わせると、420円になる計算です。店舗限定のご飯ものがいくつかあります(以前からあった)。牛すじおでんとじ玉丼750円、揚げたて桜えびのとじ玉丼880円など4種類。全部玉子とじものです。面白いですが、値段的にちょっと手を出しづらいところ。いずれも、同額でミニ丼とそばのセットにできるので、狙うならセットの方でしょうか(2020/1、確認)。

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「スマル亭」  実食日:2018/3

  駅歩5分のところに、ドライブインタイプのイメージが強い「スマル亭」の静岡店がある。駐車場のない、駅前型の店舗。行き方の説明が、ちょっと難しい。北口を出て左、ロータリー出口交差点のひとつ西側の信号を右折して両替町通りへ。風俗街を抜け、グリーンベルトのある道(青葉町通り)を渡ってすぐ左側。ひとことで済ませるなら、駅から見て両替町風俗街のすぐ先。静鉄の新静岡駅からでも同じくらいの距離感で、どちらを最寄りとするかで少々悩む立地だ。立ち食いカウンターのみの小型店舗で、キャパは10人くらい。食券制。
  麺は、冷凍だろうか。ツルツルした舌触りで、わりと重厚な歯ごたえ。そばの香りはさほど感じない。つゆは、昆布出汁が中心。昆布を丸かじりしているかのような風味。こいくち醤油を使っているためだろうか、関西よりも北海道を連想させる味覚だった。たぬきは、揚げ置きの天かす。湿気ていてあまりサクサク感はない。油はしっかり切れていて、小エビ香あり。まずまず。ネギは青(根深ネギの葉の部分っぽい)。たぬき370円。訪問が朝だったので、たぬきそばではなくモーニング350円を選択。モーニングは5種類あり、350円均一。かけ+炊込みごはん、たぬき+炊込みごはん、月見+炊込みごはん、ちくわ天、かき揚げ。この選択肢なら、たぬき+炊込みごはんか月見+炊込みごはんがお得だろう。私は、たぬき+炊込みごはんを選択。炊込みごはんは、目に見える具材はひじきだけなのだが、食べてみるとシソ(ゆかり)の香りがする不思議なものだった。味覚的には、悪くない。ちなみに、炊込みごはんは通常120円なので、モーニングだと370+120−350で140円お得という計算になる。桜えび天・しらす天各550円を筆頭に、静岡らしい変わりメニューがいろいろあるのだが、いずれも割高な印象。ご飯ものやセットメニューも高め。朝なら間違いなくモーニングがお得で、それ以外の時間帯ならかけ320円かたぬき・月見各370円あたりが狙い目になるだろう。ネギ増しは有料(50円)なので、ご注意を。箸はエコ箸。
  訪問は平日の8:30頃で、先客0・後客1。朝のピークがひと段落ついたタイミングだったと思われ、空いていた。なお、この店は店内禁煙だが、加熱式タバコはOKになっている(専用灰皿まで置いてある)。紙巻きタバコと加熱式タバコを一緒くたに捉える風潮がある中で、こういう飲食店は珍しいと思う。


※閉店していました。看板や店内設備がすべて撤去されており、内部にはなぜかマネキンがたくさん並んでいました。跡地はアパレル系の店になるのでしょうか(2020/1、確認)。

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「そば処 長澤」  実食日:2020/1

  北口地下道のK6出口を出て、すぐの路地を左折して30秒、最初の路地を右折して左側の2軒目。表通りには面しておらず、やや込み入った場所にある。価格的にちょっと高いのだが、本格手打ちそばを提供(手打ちの立ち食い店は静岡初との表示あり)ということで特例を適用。食券制で、配膳・下げ膳ともセルフ。客席はカウンタータイプで、全部で14ある。このうち、椅子があるのは11。あとの3席は立ち食い。椅子ありコーナーと立ち食いコーナーに分かれているのではなく、椅子がところどころ歯抜けになったようなイメージ。不思議な客席配置になっている。椅子がないところは使用できない、ということではない。現に、立って食べている人もいた。
  麺は、乱切り。“乱切りタイプ”ではなく、本物の乱切り。なるほど、ひと目で手打ちだと分かる麺だ。歯ごたえはホクホク系で、不自然なモチモチ感はないそばらしい食感。“そば”ではなく“蕎麦”と書きたくなる。そば粉比率がだいぶ高そうなのだが、そのわりにはしっかりつながっていて食べやすい。かなりハイレベルな麺だ。つゆは、カツオ系と昆布系のバランス派。特定の方向には突き抜けておらず、インパクトはないものの好みが分かれにくいつゆだと思う。たぬき480円。駅そばと考えればかなり高いけれど、内容から考えればとてつもなく安い。ただ、登山後の腹ペコ訪問だったこともあって、今回はランチタイム限定のそばミニ丼セット(ミニ野菜かきあげ丼セット)を実食したので、たぬきについては内容不明。かき揚げは、だいぶオーバー気味の揚げ方だった。キツネ色が濃く、パリパリした食感。天ぷらというよりは、スナック菓子みたいな。そばの完成度から考えると、これはちょっと意外だった。ちなみに、そばミニ丼セットのミニ丼は、7種類から選べる。う〜ん、静岡らしいミニしらす丼あたりにしておけばよかったな。ネギは青。そば湯ポット受渡口にあり。箸はエコ箸。
  平日13:30頃の訪問で、先客1・後客6。先客は私が外でメニュー表を眺めている間に入ったので、もし私がサクッと入っていれば先客0・後客7になるところだった。この客足の波は、何に起因しているのだろうか? 先客が少なかったのがたまたまなのか、後客が多かったのがたまたまなのか。昼の営業が14時までだから、駆け込み需要ということなのだろうか。よくわからん。


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★藤枝駅(JR東海道本線)
「ごはんどき」  実食日:2021/4

  南口を出てロータリーを左に回り、信号を渡ってから左折。最初の信号を右折してから最初の路地(信号なし)を左に入って右側。パチンコ店「マルハン藤枝駅南店」内。エントランスホールに店への出入口があるので、パチンコフロアを通らずに食べに行けるのがありがたい。また、出入口のすぐ脇に喫煙所があるから、食後の一服が欠かせないヘビースモーカーにとってもありがたい造りなのではないだろうか。食券制で、客席はテーブル席2人×6と厨房と向かい合う椅子付きカウンター10席くらい。フロアの中央に飲み物の自販機がドンと鎮座していて、飲み物を買うためだけに出入りする人も少なくなさそう。もっと出入口に近いところに置いてくれればいいのに、と思ってしまう。
  麺は、おそらく冷凍。グニグニした食感で、そばの香りはあまりない。まぁ、どうということもない麺。つゆは、やや関西チックな味わい。ほどよく塩気があるので、そばに合わせてもさほど違和感はない。七味よりも一味の方が合いそうな味覚だ。たぬきなし、かけ430円、きつね470円、かき揚げ570円など。クオリティのわりにちょっと高いのだけれど、ほかに対象となる店がない駅でもあるので、よしとしよう。実食は、きつねそば。きつねは長方形1枚で、結構ボリューミー。味付け薄めで歯がキシキシしないし、厚みはあまりないけれど食感はふっくらしていてジューシー。わりと私好みではある。そば・うどん以外にもいろいろ揃っているが、基本的に値段が高い。そんな中、週末限定提供のワンコイン(500円)シリーズが目を惹く。生姜焼き定食は通常900円だから、400円もお得という計算になる。カツ丼やカツカレーも280円お得。そばメニューはワンコインシリーズに入っていないので、週末に行くのなら麺類よりもワンコインシリーズのご飯ものを狙うべきだろう。個人的にはこの駅で乗降する機会はさほどないだろうけど、週末だったら18きっぷ旅の帰りがけにでもまた寄ってもいいかな。……と言いつつ、静岡駅の「富士見そば」へ流れそうな予感がするが。ネギは青(万能ねぎタイプ)。箸はエコ箸。
  平日17:15頃の訪問で、先客0・後客1。後客はパチンコ店のホールスタッフだったから、実質的には後客0とも言える。空いていた。缶ジュースだけ買って休むこともできるのだから、もうちょっと賑わっていてもよさそうなものだが。こうも空いていると、そのうち営業時間短縮的な話が出てきそうで怖い。


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★島田駅(JR東海道本線)
「めん処島田」  実食日:2004/8

  改札を出て左、コインロッカーと売店の間の狭い通路を抜けた先にある。なんだか、隠れているような立地。もう少し目立つようにできないものかな。写真左側の壁の裏はホームなので、ホームにも窓口を作るとか。じゃないと、駅そばを求めて降りた人も、「この駅には駅そばはないな」と思ってしまうかもしれない。
  ここのそばは比較的地味で、これといった特徴はない。つゆも、やや薄め。青ネギを使っているのが特徴と言えなくもないが、この辺りでは決して珍しいことではない。たぬきなし、天310円。割と安い。味に特徴がないぶん、メニューには特徴がある。きしめん(320円)があるのは、名古屋文化圏だからか。名古屋からはかなり離れているんだけど。それから、田舎そばというものがある。420円。雰囲気からして、「田舎っぽい具をのせたそば」ではなく、麺が違うのだと思う。そば殻がたくさん入っていそう……。


※駅舎改築に伴い、閉店していました。綺麗な駅舎で駅前も広くなりましたが、街自体の活気もなくなってしまったように感じます(2009/8、確認)。

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★磐田駅(JR東海道本線)
「鐘庵」  実食日:2020/12

  駅からちょっと遠い。南口を出てロータリーを右に回り、トヨタレンタカー脇の路地に入って2分半。新都市病院前で少し広い道に出たら、これを渡ってから右へ3分。小さな川を渡ってすぐ、ケーズデンキのすぐ手前。駅歩6分くらいかかるし、駐車場のあるドライブインタイプの店でもあるので、車や自転車などで食べに来る人が多いであろう店舗だ。ケーズデンキへの買い物ついでに寄る人も多いだろうか。店舗名は、「磐田中泉店」。間口は広いが奥行きがあまりない店舗で、フロアはコンパクト。客席は、厨房と対峙する椅子付きカウンターが6席、厨房に背を向ける壁際の椅子付きカウンターが7席、奥の方にテーブル席が4人×2。有人レジにて先払いのシステム。
  麺は、生か冷凍かで判別に悩むような感じ。食感的には生麺を連想させる。タイマーを使って茹でていたが、その後のすすぎの工程がなかった。そのわりにぬめりなどはなかったので、冷凍麺かなとも思う。そばの香りは、そこそこある。つゆは、このチェーンに特有の昆布まるかじり系。なかなか濃厚で、甘さ・辛さとも強め。ひと口でガツンと訴求するつゆだ。ネギは青(小口)。たぬきなし、かけ360円。実食したのは、季節限定提供の肉野菜そば590円。なんとなく「ゆで太郎」の肉野菜そばを連想していたのだが、趣向は少々異なるものだった。使う野菜は、ゴボウやニンジン、大根といった根菜が中心。これを、豚バラ肉と一緒に甘辛醤油系の味付けで炊いている。だから、イメージとしては「田舎そば」とか「けんちんそば」に近い。麺ものと鍋ものの中間スタンスというか。冬場に食べたくなる系のメニューだ。そして、ゴボウはささがきだが大根やニンジンはブロック状にカットしているので、結構存在感が強い。甘辛い味付けがつゆにも染みわたり、ただでさえ濃いつゆがさらに濃くなる。濃い味が苦手な人にはあまり好まれないかもしれない。基本的に好きな方向性の味ではあるが。メニュー名を見直した方がいいかもなぁ……との感想を抱いたのは、東京で白菜や水菜などが入った肉野菜そばを食べ慣れているためだろうか。なお、肉野菜は230円にて単品トッピングも可。肉野菜そばに単品肉野菜を追加した肉野菜Wそば820円の設定もある。ちょっと高いけどね。セルフおでん各種あり。箸は割り箸。
  平日17:45頃の訪問で、先客1・後客2。小雨模様の天候で中途半端な時間帯としては、こんなものだろうか。車で来る人が多い店は、天候はあまり関係ないかな。自転車客は減るだろうけど。各席に、新型コロナ対策のアクリルパーティッションあり。


※昼間の写真に貼り替えました。値段等に目立った変化はなさそうです(入店していないため全メニューの確認はできず。2021/4、確認)。

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★浜松駅(JR東海道本線、東海道新幹線)
「J.T.S」  実食日:2005/8

  1・2番ホーム(東海道本線上り)。下りホームにも同名店がある。「J.T.S」というのは、「ジャパン・トラベル・サービス」の略。また、コンコース改札脇にも駅そば店があるが、こちらは「自笑亭」と、店名が異なる。
  ここのそばは、とにかく「平均的」な味。これといった特徴はありません。たぬきなし、玉子310円、天340円。なお、写真を見ると看板に「うどん そば」と書いてあるのが一目瞭然だが、上記島田駅以東では「そば うどん」になる。どうやら、この辺りがそば優先・うどん優先の境界線になりそうだ(「自笑亭」も「うどん そば」の看板)。
  余談を一つ。私が食べたときには数人の先客がいたのだが、そのうちの2人は列車発車時刻が迫るあまり、「注文逃げ」をしてしまった。注文逃げというのは、注文しておいて、食べず、金払わず、「やっぱりやめた」と逃げること。弁当などとは違い、そばは一度調理してしまったら、再利用できない。次列車の発車時刻と先客の数を計算した上で注文するようにしよう。私は、本当は天を食べたかったのだが、注文逃げ客の玉子そばがすでに出来上がっていたので、それを食べてあげることにしたのだった。

※閉店していました。跡地は自販機コーナーになっています(2009/8、確認)。

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「自笑亭」  実食日:2006/9

  改札内コンコース(3&4番ホーム階段下)。新幹線改札の脇で、在来線改札内からでも新幹線改札内からでも食べられるようになっている。外観も内装も綺麗なのだが、色付きプラ版食券が出てくる販売機など、郷愁を誘う部分もある。
  ここのそばは、やや黒みの濃い茹で麺。茹で麺にしては香りもコシもあり、水準以上の味だと感じた。あるいは冷凍麺なのか? ネギは青だが、万能ネギではなく分葱のようである。たぬきなし、天350円。

  なお、上記「J.T.S」の項で「自笑亭もうどんにイニシアチブがある」と書いたが、この1年の間に改装され、暖簾はそばが先になっていた(ただし、うどんの方が字が大きい)。看板はどちらが先なのかちょっと分からない造り。並列といったところだろうか。

※値上げ(天350→380円。値−1点)していました。かけ310円、月見350円です(2009/1、確認)。

※2010/10、再食。味覚・値段等に変化はありませんが、食券は紙タイプに変わっていました。また、エコ箸が導入されています。

※2012/12、再食。味覚に特段の変化はありませんが、変わりメニューの「フグ天そば」が登場していました(490円。付+1点)。

※値上げしていました。現在、かけ320円、月見360円、天400円、ふぐ天500円です。ランチタイム(11〜14時)限定で、ミニカレー丼セットが520円で販売されています(値−1点。2014/8、確認)。

※2019/8、再食。ふぐ天520円(500円から値上げしていた)を食べたくて寄ったのですが、売切れ表示。仕方なく、天400円を実食しました。正円形の天は、具材少なめ。ややドンベチックです。厚みもなく、なんだかメンコみたいな感じ。細かい具材は、ニンジン、ゴボウなど。特段どうということもないものでした。サバのような独特なコクのあるつゆの方が印象的なので、この店ではつゆの風味をあまり損なわないメニューを選ぶのがベストでしょうか。
  平日15:00頃の訪問で、先客2・後客0(在来線側のみでカウント)。厨房がやたら広く、デッドスペースが多いように感じる店舗です。厨房を半分化してテーブル席を設ける手もありそうな気がするのですが、そこまでの需要はないのでしょうか。せめて酒類の提供ができれば、と思うところではあります(少なくとも在来線側の券売機には、酒類はない)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ330円、月見390円、天430円、ふぐ天540円です。ただし、ふぐ天は券売機上売切れ表示で、しかも「しばらくの間、提供は控えさせていただきます。」の貼り紙が上貼りされていました。いつか食べたいと思っているのですが、近年はだいたいいつも売切れ表示。このまま消滅してしまうのは、ちょっと惜しい気がします(2020/12、確認)。

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★鷲津駅(JR東海道本線)
「壺屋」  実食日:2005/12

  改札出て左、待合室内。非常に素朴な店で、メニューはかけ(290円)、山菜(350円)、天(390円、おにぎりだけ。地方では、メニューが少ない店は決して珍しくないが、天&山菜というレパートリーになるケースは珍しい。味覚的には、つゆがやや塩辛いかなというくらいでこれといった特徴はなく、水準的な感じ。ボリュームは控えめ。
  ここまでは「あまりオススメじゃないな」と思うところなのだが、実はこの店は結構凄い。というのは、カウンター上にネギ(青)・カマボコ・刻み揚げが入ったタッパーが置いてあり、すべて入れ放題になっているのだ。だから、かけそばでもかなり豪華な蕎麦に仕立てることができる。地方でこれだけたくさんの具材がフリーになっている店はかなり稀少なのではないだろうか。さらに、飲み水はウーロン茶、麺3種類(そば・うどん・きしめん)と、いろいろな面で個性を発揮している。そして極めつけが、年中無休。私が実食したのは大晦日だったのだが、聞くと「正月も休みナシ」だという。観光地ではなく、ターミナル駅でもなく、近くに大きな神社もないため、元旦にはほとんど客は入らないそうだが、おばちゃんは「駅が開いている限り、店を閉めることはできない」と言い切る。この強い意志に、付加価値1点を加算したいと思う。


※閉店していました。跡地には何もなく、単純に待合室が広くなっただけです(2015/3、確認)。

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★伊東駅(JR伊東線、伊豆急行)
「祇園」  実食日:2005/1

  駅を出て左へ20秒。ホーム側にも窓口が開いている。どことなく「懐かしい」感じのする構え(店名表記の書体など)で、旅情が溢れている。
  地方、それも観光地の駅そばだから、値段はやや高い。月見400円、天430円、たぬきなし。変わりメニューに「きざみそば(390円)」というのがある。これは関西の方ではよく見かけるメニューなのだが、きつね(油揚げ)を細く切ったものが乗っている。「麺・つゆ・天ぷらはすべて職人作り」と書いてあるが、コシのない麺はイマイチだった。あまり高い評価はできないが、正月から店を開けている(実食は元旦)だけでも嬉しいではないか。


※値上げしていました。現在、月見410円、天450円、きざみ400円です。からあげ520円と親子590円が登場していました。駅弁で使う(と思われる)食材を利したトッピング、良いアイデアだと思います。実食していませんが、親子は「からあげ+卵」」で間違いないでしょう(付+1点。2014/12、確認)。

※値上げしていました。現在、月見430円(温泉玉子は460円)、天470円、きざみ420円、唐揚げ540円、親子610円(温泉玉子は640円)です。温泉玉子は、最近新たに加わったものです。温泉地らしくて、良いですね(付+1点)。なお、外観的には、暖簾が廃されていました(写真は左:旧、右:現。2018/1、確認)。

※2018/5、改札外側にて再食。関西圏以外では珍しい「きざみそば」を食べておかないと、ということで。ワカメ入りで420円です。ボソボソした素朴な食感の茹で麺に、海辺の街の駅そばらしい塩分強めのつゆ。刻み揚げは、ふっくらジューシータイプでした。駅弁のいなり寿司にも、この油揚げを使っているんでしょうかね。完成度が高いとは言い難い一杯なのですが、もう食べられなくなると思うと、感慨深いです。
  訪問は平日(GWの谷間)の11:00頃で、先客0・後客1(改札外側のみでカウント)。立ち止まってメニュー表をしげしげと眺める人は結構いるのですが、そこからもう一歩を踏み出す人が少ないです。露出店は今どき流行らないと言われればそれまでなのですが。寂しいです。


※駅舎改築に合わせて店舗が移動し、それに伴いそばの扱いが終了となりました。弁当売店は残っていますが、当サイトでは閉店として扱うこととします(2020/1、確認)。

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「天茶家」  実食日:2014/12

  駅を出て、ロータリーを右に回り、道路を渡って右へ30秒。湯の花通りの入口角にある。観光客のメイン動線上で、しかも角地という絶好の立地。だが、伊東まで来て立ち食いそばを食べたくなる人はあまり多くないのか、店頭の写真入りメニュー表をひとしきり眺めるものの、結局入店せずに立ち去る人がたいへん多い。あとちょっとの工夫で大繁盛になりそうな可能性を秘めていると思うのだが。テーブル席がある旨を目立つところに表示するとか、ご当地メニューの桜えびかき揚げをもっとアピールするとか、外から店内がよく見えるようにする(入口入ってすぐ正面に券売機があるため、外からは店内の様子があまり見えない)とか、手の打ちようはいろいろあると思う。現状では、「おひとりさま専用立ち食いそば」のイメージが湧く外観なので、グループ客などをかなり逃しているように見えるのだ。客席は、テーブル席が4人×2、椅子付きカウンターが4席。この他に地下にも席がある旨が表示されていたが、昼時(12:20頃)なのにガラガラに空いていた(先客1・後客2)ため地下は覗いておらず、詳細不明。
  麺は、注文後に茹でる生麺。歯ごたえ・風味とも、とびきりという感じではないが、まずまずまとまりがある。つゆは香り高く、まろやかな熟成味もあって美味しい。かけ350円、野菜かき揚げ470円、桜えびかき揚げ700円など。実食は、野菜かき揚げ。注文後に揚げるためアツアツなのだが、ちょっと油がきつい。具材は少なめで、揚げ玉をたくさんくっつけたような感じ。ピーマンを入れるなど工夫は見られるのだが、油のきつさだけでお腹ではなく胸がいっぱいになる。天ぷらは敬遠して、月見390円あたりにフリーの天かすを少々加えるのがベストマッチングではないだろうか。あるいは、かき揚げ系ではなくナス天440円やキス天470円あたりにするか。そば湯ポットあり。


※微細な変化なのですが、間口部分を改装していました(写真は左:旧、右:現)。ガラスが、全面すりガラスから市松模様のすりガラスに変わっています。多少なりとも店内の様子が見えるように、との配慮でしょうか。確かに、店内がまったく見えないと入りづらいと感じる人もいそうです。混み具合とか、大きな荷物を抱えて入れるかとかが、外から分かった方がいいと思います。値段等、特段変わっていません。メニューが一部入れ替わっていますが、特筆するほどではないです(2018/1、確認)。

※時間外訪問のため全メニューの確認はできませんでしたが、かけ350円と野菜かき揚げ470円、桜エビかき揚げ700円については、値段据え置きでした。消費10%増税に伴う値上げは、なかったもようです(2020/1、確認)。

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★御殿場駅(JR御殿場線)

「桃中軒」 実食日:2001/3

  改札を出て左の階段を下りたところにある。名前や構えはラーメン屋風だが、れっきとした駅そば。おばちゃんの愛想が良く、ワンカップ片手の客がいるという、地方駅そばの代名詞とも言える店である。肝心のそばは、ボリュームにやや難点がある。天も小さいし、成人男性にとっては完全に朝食専用。味は水準級。薬味のネギには東日本には珍しく青ネギを使っているので、見た目には色彩がいい。利点といえば、そのような細かい点しか挙げられない。天350円。

※改装していました(写真は左:旧、右:現)。改装したのにあまり新しいように見えないのがいいですね。文字の書体に温かみが、桃のロゴマークに愛嬌があり、私好みのデザインです。値上げして、現在はかけ280円、きつね330円、天450円になっています。価格構成から推して、天は冷凍ものの店揚げでしょう。三島駅在来上りホームと同じ価格設定になっていますので。おそらく御殿場店限定であろうメニューとして、みくりやそば540円があります。山芋を練りこんだ、特殊な麺を使用しているとのこと。具材は鶏肉・シイタケ・ニンジン。けんちんそばみたいなイメージでしょうか(値−1点、衛+1点、付+2点。2016/3、確認)。

※2017/4、再食。御殿場店限定メニューの「みくりやそば」540円をいただきました。この地域で伝統的に食されている、山芋を練り込んだ麺と、鶏肉・シイタケ・ニンジンなどを甘辛い醤油だれで煮込んだトッピングが特徴の一杯です。麺は通常メニューの茹で麺よりも少し歯ごたえが強く、ズシッと腹に溜まる重厚感があります。トッピングは、鶏肉の出汁が強烈に出ているのですが、同時にシイタケなどからも旨味が出ていて、まろやかで深みのある味わい。イメージとしては、「強いとろみのあるけんちん汁」でしょうか。素朴で、とても美味しいです。この煮汁とそばつゆが合わさることで、さらに香り・旨みが加わります。地域性もあることだし、とても良いメニューだと思います。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ300円、きつね370円、天480円、みくりや580円です(値−1点。2021/3、確認)。

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★裾野駅(JR御殿場線)
「スマル亭」  実食日:2017/4

  駅からちょっと遠く、地方&他に対象となる店がない駅特例を適用しての掲載。西口を出て、目抜き通りを直進。2つめの信号を渡ってから左折して3分。駅歩6分くらい。県道沿いで、高看板が立っているので、分かりやすい場所ではある。店舗名は「裾野店」で、駐車場のあるドライブインタイプの店舗だ。客席は、フロア中央の椅子付きカウンター12席に加えて、隅っこに1席だけポツンと増設されている。また、店の外には緋毛氈を連想させる赤い布がかけられたテーブルが設置されていて、天気が良い日ならここで食べることもできそうだ。ただし、訪問時は雨天だったので、ここで食べるのは厳しかった。風流なテーブルが雨ざらしになっているのが、ちょっとかわいそう。
  麺は、冷凍だろうか。わりと歯ごたえの強い麺。つゆは、濃厚な昆布出汁。関西寄りの味わいではなく、北海道寄りの「昆布丸かじり」タイプだ。これはこれで美味しい。色はわりと薄めで、ほどほどに甘みも射してある。たぬき370円。ただ、青のり入りの天かすがフリーで置いてあるので、この店でわざわざたぬきを注文する必然性はないだろう。湿気ていて食感はいまいちだったが、青のりの香りが良いアクセントになっている。実食は、天丼セット750円。セットメニューはちょっと高い印象があるのだけれど、お腹が空いていたもので。ミニ天丼は、海老2尾+インゲン+イカという内容。タレがかなり甘くて、あまり私好みの味ではなかった。ご飯ものやセットメニューには、別皿で柴漬けが付くというか、セルフで取ることができる。ただ、ご飯ものにお新香が付くのは当たり前といえば当たり前なので、わざわざ恩着せがましく「サービス」と表示するほどのことではないような気がする。唐辛子は一味。箸はエコ箸。
  訪問が平日14:30頃というアイドルタイムで、しかも雨天日だったこともあり、先客・後客とも0だった(私とほぼ入れ違いで、ひとり出て行った)。深夜帯だとこの閑散とした雰囲気も悪くないのだけれど、わりとフロアががらんとした印象の造りだけに、昼間は1〜2人くらい先客がいた方が落ち着くかもしれない。今回は、ちょっとタイミングが悪かったかな。


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★竪堀駅(JR身延線)
「鐘庵」  実食日:2017/5

  駅を出て左、左にカーブするすぐ手前の路地を右に入り、水路に沿って左・右と曲がり、センターラインのある道路を渡ってから左折して1分。駅歩5分半くらいかかり、道が込み入っていることもあって駅から歩いて食べに行く人はほとんどいないと思われるが、ほかに対象となる店がない駅ということで特例適用。店舗名は「富士松本店」。「ふじまつほんてん」ではなく「ふじまつもとてん」。駐車場のあるドライブインタイプの店舗で、客席は座敷が4人×2、椅子付きカウンターが15弱くらい。
  麺は、生か冷凍か判別がつきにくいタイプ。あまり上品ではないが、くぐもったようなそばの香りがある。香りの感じは生麺を思わせるのだが、近年は冷凍麺の質が向上していてこういう冷凍麺もありそうなので、明言は控えておく。つゆは、カツオ・昆布のバランス派。ややカツオの方が強いか。同じ静岡チェーンでも、昆布丸かじり系の「スマル亭」とはだいぶ味わいが異なる。たぬきなし、かけ350円。変わりメニューに、のり500円や桜えび700円があるが、どちらも高値。おろし400円あたりがリーズナブルだろうか。また、カレーそばが3種あるのが面白い。特製カレー650円・チーズカレー700円・野菜カレー700円。丼ものやセットもいろいろあるけれど、あまりお得感のない価格設定。トッピング入りの麺とミニ丼を合わせると、だいたい1000円近くになってしまう(ミニ丼セットの場合、「麺単+丼単」よりも100円安い設定になる)。それなら、セルフ形式の静岡おでん(100〜150円)あたりを狙った方がいいか。私は、かけそば+ミニ牛丼+静岡おでん(牛すじ+はんぺん)でいただいた。訪問時に、たまたまミニ牛丼290円のキャンペーンをやっていたので。全部で、890円。この価格帯なら、まぁまぁだろう。ちなみに牛丼は味付けが薄く、やや物足りなかった。肉自体はとても柔らかく美味しいのだが。おでんは、高い牛すじよりも安いはんぺんの方が美味しかった。ネットリした食感で、味がよく染みている。ちなみに、はんぺんは黒ではなく白の方。
  訪問は昼下がりの14:30頃で、先客1・後客1。先客・後客とも、壁側を向いた椅子付きカウンターに陣取っていた。私は厨房と対峙する椅子付きカウンターで食べたのだけれど、こちらはあまり人気がないのだろうか。昼時に座敷に上がらないのは、なんとなく理解できる気もするのだけれど。


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★源道寺駅(JR身延線)
「鐘庵」  実食日:2015/4

  駅をロータリーがある方に出て、線路と垂直方向へ1分。国道139号に出たら、渡らずに右折して4分。静岡県内では、「スマル亭」と並ぶお馴染みのチェーン店。ドライブインタイプの店舗が多く、埼玉の「山田うどん」のような存在。駅チカ店舗は少ないので、当サイトでは初登場となる。客席は椅子付きカウンターがメインで、12席。プラス、座敷のテーブル席が4人×3。システムは、有人レジで先払い。
  麺は、注文後に茹でる生麺。艶めかしいまでの細麺でしっかりと角が立っており、たいへん美味しい。つゆは、やや甘め。甘さは味醂のようであり、味醂よりもキレがあるようでもあり、独特な感じ。甘いのに飽きが来ないつゆなので、大きな丼にたっぷり注いでくれるのが嬉しい。たぬきなし、かけ350円。変わりメニューに、桜えび(かき揚げ)600円、のり500円。カレー・丼もの・セットメニューに加え、静岡おでん各種100円まである。訪問時には創業30年を記念した桜えび祭りが開催されており、桜エビを使った3種のミニ丼の設定があった。ちなみに、桜えびは駿河湾産を使用とのこと。実食は、ミニかき揚げ丼セット700円。かき揚げは、空気を含ませて嵩のある円筒形に仕上げたもので、見た目には巨大だが質量はそれほどでもない。油も軽いので、サクッと完食できる。パラパラと箸で簡単にほぐれて、ごはんによく馴染む。そばよりもご飯に乗せた方が美味しいかき揚げだと思う。それなりに桜えびも入っており、値段はやや高いが満足できる内容だった。また、見た目にはタレがあまりかかっていないように見えるのだが、食べてみると結構塩辛いので、タレや醤油などを追加投入する前に味見を忘れずに。セットにできるミニ丼は全部で5種あり、均一価格。あなご丼やサーモン丼など変わりものもあるが、コスパ的にはかき揚げ丼が一番だろうか。個人的には、学生時代に国1沿いでよく利用していた「スマル亭」がお気に入り(その後、国1沿いの店舗はだいぶ減ったように思う)だが、「鐘庵」も負けず劣らず良い店だと思う。もっと駅近にたくさん出店してくれればなぁ、というのが正直な思いだ。


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★富士宮駅(JR身延線)
「どん太鼓」  実食日:2016/11

  南口を出て、線路沿いに右へ(園地を通り抜ける)。道路を渡って左前方にそびえているイオンモール富士宮の2階フードコート「ミナモキッチン」内。イオンモール富士宮内には、「ミナモキッチン」のほかにも2つくらいフードコートがあるので、間違えないようご注意を。2階の方。10店舗くらい入ったフードコートなのだけれど、よくよく見ると、「どん太鼓」と並びのラーメン店・ビビンバ店など何店舗か(全部ではない)は厨房がつながっていて、返却口も共通になっている。店員が着ている制服も同じだ。経営母体が同じなのかもしれない。精算システムは、有人レジで先払い→バイブレーターで呼び出し。
  麺は、薄いグレーで星がたくさん見られる。見た目にはとても美味そうに見えるのだけれど、妙にツルツルした舌触りで、プリッとしすぎた歯ごたえ。「石臼挽き」を謳っているが、そば本来の食感とはちょっと違うような気がする。香りも、「石臼挽き」という宣伝文句から期待していたほどではなかった。つゆは、方向性がはっきりしないモヤリ系。カツオの香りはあまり感じないのに、カツオ由来っぽい酸味がある。食後に、歯が少しキシキシするレベル。時間帯(15時頃)的に考えて、カツオ出汁なのだけれど香りが飛んでしまっていたのかもしれない。値段は高い。たぬきなし、かけ390円、実食のえび乗せかき揚げ(カマボコ・水菜入り)は590円。当サイト的に厳しい価格帯だが、ほかに対象となる店がない駅(駅構内の「富陽軒」は閉店済み。駅前通り沿いに1軒それらしい店があるが、営業しているシーンを見たことがない)ということで特例適用。えび乗せかき揚げは、ややオーバー気味の揚げ方で、カリッとした食感。具材はタマネギ・ニンジン・インゲン。その上にカブトムシの幼虫のように丸々と太ったエビが一尾。まずまず悪くないが、単品価格200円という値段設定がちょっと。130〜150円くらいで出せれば理想的なんだがなぁ、と感じた。飲み水はフードコート中央の共通冷水器。箸はエコ箸。


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★伊豆急下田駅(伊豆急行)
「弁当立食いそば」  実食日:2005/1

  改札を出て左、待合室内にある素朴な店。一応、一般待合席との間には衝立があるのだが、脇が甘い。極めて「丸見え」に近い状態である(写真は待合室入口から撮影したもの)。
  まぁ、いわゆる「観光地の駅そば」だから、味はたいして期待できないなと思っていたら、意外や意外、何杯でもおかわりしたくなるようなそばが出てきた。麺は冷凍だが、適度なコシがあって○。生麺感覚で食べられる。あっさりしたつゆもいい。揚げ物も自家製と思われる。たぬき370円という値段も、地方(それも観光地)にしては安い方なのではないだろうか。伊東「祇園」は400円だったし。点数はそれほど高くなっていないが、印象はかなり上である。南伊豆方面に行ったときには、是非ともまた寄ってみたい。ちなみに、実食は元旦。元旦から店を開けているというのも、観光地ならではかもしれない。


※2014/4、再食。駅舎がリニューアルされましたが、この店は残りました。看板の「COFFEE POINT」という表記がなくなったので、店名変更と解釈します(「COFFEE POINT」→「弁当立食いそば」。写真は左:旧、右:現)。テーブル席脇の衝立がなくなり、待合室内に完全に露出した造りになっています。値段が上がっていて、現在はかけ360円、山菜420円、かき揚げ470円です。たぬきというメニューはなくなっています。変わりメニューに、地のりそば470円。乾燥海苔をトッピングします(プレスされた焼海苔ではない)。肉厚で、ワカメのような食感があり、磯の香りも濃厚でたいへん美味しいものでした。つゆに浸しても溶けることがないので、最後までトッピングとして美味しく食べられます(付+1点)。

※値段は変わっていませんが、地のりそばが「黒船(地のり)そば」というメニュー名に変わっていました。また、冷たいそば限定で、わさびそば450円が登場していました。伊豆天城産のワサビを使用しているとのことです(付+1点。2016/4、確認)。

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★原木駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
「あずさ」  実食日:2021/5

  駅歩5分を少し超えてしまう立地だが、他に対象となる店がない駅ということで特例を適用する。場所は、駅を出て直進、信号(国道136号線)を渡らずに右折して5分。国道沿いにあって、駐車場がある(と言っても5台程度)店舗なので、車で寄る人が多いであろう店。駅への依存度は決して高くないだろう。口頭注文で、後払い。客席は椅子付きカウンター9席のみ。うち6席は厨房と向かい合い、あとの3席は壁際に設けられていて厨房に背を向けて食べる形になっている。
  麺は冷凍で、乱切りタイプ。全国どこででもよく見かけるタイプなので、おそらく汎用の品だろう。食感・風味とも月並み。つゆは、醤油の香りが最前面にあるもの。さほどストロングな感じではない。たぬきは、揚げ置きの天かす。粒が細かいのだが、割と固めの揚げなのでつゆに浸かってもすぐにゾル化することはない。意図的に作った揚げ玉かもしれない。たぬき450円。変わりメニューというかご当地っぽいメニューとして、桜海老天550円としいたけ550円がある。なんだか、伊豆箱根鉄道系の駅そばと似たラインナップだ。メニュー表では、桜海老天のところに「当店オススメ」との記載がある。また、夏季限定でそうめん500円を扱っている。ご飯ものもいろいろあり。ネギは青(小口タイプ)。箸はエコ箸。
  平日11:15頃の訪問で、先客4・後客1。ランチには早い時間帯だったのに、意外なほど賑わっていた。先客の4人はいずれも高齢者だったから、サッと食べに来たというよりは「少し長居して談笑を楽しむのが日課」な人々かもしれない。訪問時には、店主を交えてひたすらコロナワクチンの話をしていた。防疫意識が高いのかなと思いきや、客席にコロナ対策のパーティッションは設置されていなかった。


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★伊豆長岡駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
「伊豆箱根伊豆長岡駅売店」  実食日:2010/9

  改札を出て左、コンビニと一体化した土産物店の一番奥。土産物店内との間に間仕切りはないが、奥まった造りになっているうえ暖簾で仕切られているので、露出店という感じではない。椅子付きカウンターのみで、キャパは10人ほど。
  注文後に茹でる生麺は、修善寺駅の店舗と同じであると思われるのだが、茹で方の違いなのかすすぎ方の違いなのか、修善寺よりも舌触りが滑らかだったように感じた。ツルツルしている。どちらを良しとするかは個人の判断になるだろうが、私としてはざらつきのある修善寺の方が好み。つゆは修善寺同様に香りが強く、美味しい。たぬき310円。修善寺同様、椎茸そば360円がある。また、修善寺には見られなかった(気づかなかっただけかも)サービスとして、そば湯を提供している点と、スタンプカード制度を導入している点を記しておきたい。


※値上げしていました。現在、たぬき330円、椎茸380円です。土産用の生麺(370円)を販売しています(2016/4、確認)。

※消費10%増税を経て、やや大きく値上げしていました。現在、椎茸460円です。たぬきという既製メニューはなくなり、単品トッピングとして残っています(50円)。ただし、かけというメニューがないので、いわゆるたぬきそばは再現不能です。頼めば作ってくれるかもしれませんが(値−1点。2021/6、確認)。

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★修善寺駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
「イズーラ修善寺」  実食日:2010/9

  改札を出て右、コンビニと一体化した土産物店内。フライドチキンなどのスナック類を扱うコーナーを併設している。厨房を取り囲む椅子付きカウンターと、大きなテーブル席があるが、どちらも土産物店内に露出している。
  この店のそばはなかなか美味い。麺は、生麺の注文後茹で。太めながら平麺なので、茹で時間はそれほど長くはない。舌にザラッと触る食感が秀逸。香りも良いと思われるのだが、つゆの香りが強く、若干かき消されているように感じる。だから、トータルの印象としてはむしろつゆの方が目立っている。たぬき310円。変わりメニューに、椎茸そば360円がある。椎茸はスライスしたものを甘く煮付けてトッピングしている。椎茸のサイズが非常に大きいのが特徴。これが伊豆特産の「どんこ椎茸」なのだろうか。値段的にもリーズナブルなので、狙い目だ。


※2014/7、再食。駅舎がリニューアルされるとともに、この店も大幅に改装されていました(写真は左:旧、右:現)。間口が広くなり、店頭にテーブルも置かれているので、席数がかなり増えました。「天城生そば」という表記がなくなったので、店名変更(「天城生そば(伊豆箱根修善寺売店)」→「イズーラ修善寺」)と解釈します。値段が少々上がっています。現在、たぬき330円、椎茸380円です(値−1点)。

※消費10%増税を経て、やや大きく値上げしていました。現在、椎茸460円です。単品トッピングとして、椎茸の天ぷらも登場しています(210円)。さらには、桜海老天そば660円や長泉あしたかつ(単品150円)も登場。ご当地感のあるメニューがだいぶ増えています。一方、たぬきという既製メニューはなくなり、単品トッピング(50円)のみの扱いになっています。かけというメニューがないので、いわゆるたぬきそばは再現不能です。頼めば作ってくれるかもしれませんが。なお、学生は学生証提示で麺大盛りが無料になるサービスを受けられます(値−1点。2021/6、確認)。

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★岳南原田駅(岳南鉄道)
「めん太郎」  実食日:2012/11

  改札外、駅舎内。岳南鉄道の駅舎内に駅そばがあるということに、とにかく驚く。いったいどれほどの利用者があるものかと心配になるのだが、駐車場があるため、車で食べに来る人が結構多く、朝イチから入れ代わり立ち代わりで結構賑わっていた。厨房をL字型に囲む椅子付きカウンターのみで、8席ほどの小さな店。
  麺は茹で麺で、これといった特徴はない。つゆは、やや塩気が強い。個々の要素を見るとそれほどこだわっている感じはしないのだが、バランスがよいのだろうか、トータルの印象は悪くなかった。かけ280円。注文は、最初にそばかうどんを選び、次にトッピングを指定する方法で。「そば(280円)、生卵(50円)と野菜天(100円)」という具合。偶然かもしれないが、居合わせた客の多くが同じトッピングを2つ乗せていたのが印象的だった。しかも、結構手の込んだ注文の仕方をする人が多かった。「そば、ささみ天2枚、(ささみ天は細かく)切ってね」など。常連客が多いのだろう。毎週火曜と木曜に、ワカメ無料のサービスあり(通常50円)。細かい点としては、飲み水のグラスがえらく大きかったのが印象に残った。


※2016/11、再食。値上げしていました。現在、かけ300円です(値−1点)。トッピングも、生卵60円など全体的に少しずつ上がっています。今回は、かけそば+メンチ100円で。天かすが自動的に乗せられます。麺・つゆは、たぶん本質的には変わっていません。麺は袋入りの茹で麺でやや太め。つゆは色がだいぶ濃かったものの、それほど塩辛いとは感じませんでした。有楽町「新角」や池袋「君塚」あたりが好きな人ははまりそうな味覚です。メンチカツは、おそらく豚・鶏の合挽き。フワフワした食感で、私好みのものではありませんでした。コショウを利かせてあったのも、私としてはちょっと。自家製ではないようで、4月1日から仕入れ先を変更したとの貼り紙が出ていました。仕入れ先変更前にどんなものだったのかが気になります。
  16:00頃の訪問で、先客2・後客6。相変わらずよく入っています。そして、相変わらずササミ天120円がよく売れていました。次回はこれを食べてみようかな。なお、今回は火曜の訪問でしたが、ワカメ無料のサービスはありませんでした。サービスをやめたのか、変更になったのかは未確認です。


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★御門台駅(静岡鉄道)
「ゆで太郎」  実食日:2019/6

  駅歩5分ほどのところにある、ドライブインタイプの店舗。店舗名は「清水長崎南町店」。フランチャイズにて全国展開している「ゆで太郎」。地域ごとに違いでもあれば面白いのだが、基本的にフランチャイズ店舗は全国同一規格で運営していると思われる。だから、地方店舗を虱潰しに食べて回ることにさほど大きな意味はなさそう。とはいえ、対象エリア内に店舗があれば、行かずにはいられない。駅からのアクセスルートは、わりと分かりやすい。駅を出て、踏切端を右へ。JR東海道線と東海道新幹線の線路を越え、大きな道(旧国道1号線)を渡らずに左折して1分。道路側に立つ大きな看板が印象的な店舗だ。ドライバーから見てこの店舗の手前に当たる場所に、この店舗よりも高い建物(釣具店)があるため、このくらい大きな看板を立てておかないとなかなか認知されないということだろうか。駐車場は、同じ敷地内にある釣具店と共有している様子。勝手な想像になるが、フランチャイズのオーナーは釣具店と同じなのかもしれない。店内は広々。座席はテーブルが約30、椅子付きカウンターも30近くある。大通り沿いとはいえ、これほどたくさん客が入るのだろうか。食券制で、券売機の脇に赤と青のダブルクリップがたくさん置いてある。買った食券を受渡口へ出す際に、温そば希望なら赤、冷そば希望なら青のクリップで留めるルールになっている。このルールがどこまで遵守されているかは疑問だが、最近の「ゆで太郎」ではよく見るスタイルだ。
  麺は、注文後茹でで対応していた。店内にガラス張りの製麺室があり、細麺に仕立てている。「ゆで太郎」では、公式には「1.4mm」としている。おそらくこれが1.4mmの麺だろう。フランチャイズ店舗については、この仕様で統一されているようだ(直営店舗の中には、異なる太さの店舗もあると思われる)。歯ごたえ、香りとも平均的。つゆは「ゆで太郎」スタンダードで大きな特徴はない。たぬきというメニューはなく、代わりに天かすがフリーで置いてある。その天かすは、軽めの食感。つゆに浸かるとすぐにふやけるタイプ。つゆを吸いやすいので、入れすぎに注意を。かけ320円、かきあげ420円など。朝9:00頃の訪問ということで、実食は朝ごはん(カレー丼)。そばは茶色の大きな丼で供され、なかなかボリューミー。カレー丼は、都内で食べるものと特段変わらない。味も、ボリューム感も。ただし、これはたまたまだと思うが、盛りつけはちょっとヘタクソだった(ご飯が偏っていた)。でもまぁ、これだけ食べて360円なら文句なしだ。受渡口近くにタカノツメあり。各席にそば湯ポットあり。箸はエコ箸。
  平日9:00頃の訪問で、先客1・後客1。朝のピークを過ぎたタイミングではあっただろうが、これだけ席が豊富にあるなかでこの客数ではちょっと寂しく感じる。しつこいようだが、店内滞在時間が短いであろう立ちそば店でこれだけ多くの席を設ける必要があったのか、ちょっと疑問に思う。観光バスでも誘致する狙いがあるのだろうかと思えるほどだ(駐車場に大型マスはない)。店舗規模が大きくなればなるほどランニングコストがかさむので、ちょっと心配になった。だいいち、客目線で見ても、もう少しコンパクトな方が受渡・返却ともやりやすいと思う。


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★千頭駅(大井川鉄道)
「うどんそば」  実食日:2011/9

  改札内外。改札内側の窓口は頭端式ホームの付け根に、改札外側の窓口は駅舎の外側にある。基本的にどちらも立ち食いカウンターがメインだが、ホーム側には10人くらい座れそうな大きなテーブルがあり、駅舎外側にもベンチが設けられている。観光客が多く訪れる駅だから、グループ客の利用も視野に入れているのだろう。
  麺は冷凍で、まずまずの歯ごたえ。つゆは濃く、甘め。甘い味付けをしたトッピングを乗せると、少しくどく感じる。ベースの味覚は関東風だが、ネギは青だし、盛りつけ方も関西スタイル。首都圏に比べると、やや関西色が混ざっているのが面白い。かけというメニューはなく(おそらく頼めば350円で売ってくれる)、天・月見・きつねなど400円のメニューが最安。オススメは、川根地域の特産物であるシイタケをたっぷり使ったきのこそば(450円)か。冬季限定で販売されるゆずみそおでん(200円)も気になる存在だ。


※消費増税ぶんだけ値上げしていました。現在、月見・きつね420円、きのこ470円です。しかし、なぜか天だけは470円まで一気に上がっています。内容が変わっている可能性ありです。ゆずみそおでんは210円で、冬季限定から11月の1か月間のみの限定販売に変わっています。そのほか、季節限定メニューに冷やしおろしそば470円(夏季限定。冷やしメニューはこれのみで、もり・ざるもない)とカレーうどん(そばも可。冬季限定)があります。トッピングは基本的にすべて単品追加が可能ですが、天と卵は夏季限定の冷やしおろしそばへの単品追加ができません。ご注意ください(2015/9、確認)。

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★気賀駅(天竜浜名湖鉄道)
「田空直虎ショップ」  実食日:2018/3

  駅からちょっと遠く徒歩5分を少し超えるのだが、他に対象となる店がない駅なので特例適用。行き方は、文字で説明するとちょっと複雑。駅を出て左へ。最初の十字路(釣具店の角)を左折して踏切を通過し、そのまま直進。ほどなく右手に現れる史跡「気賀関所」の中を突っ切った先。駐車場脇というか、奥浜名湖田園空間博物館の玄関先というか。気賀関所をぐるっと回り込んでも行けるのだが、少し遠回りになる。入場無料だから、突っ切るルートでの案内でいいだろう。24時間通れるわけではないのだけれど、関所の開放時間よりも店の営業時間の方が短いから、「突っ切れなかったらそばは食べられない」と考えておけばいいだろう。プレハブ造りの簡素な店で、客席は建物の外。テラス状になったところにテーブルがいくつか。キャパとしては、18人くらい。この辺りは、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」にゆかりのある土地。ドラマ放映後にいきなり観光客が増えたエリアで、おそらくこの店も、急増した観光客に対応するために最近増設されたものなのではないかと推察。みなまで説明する必要はないかもしれないが、店名の「田空」は「田園空間(博物館)」の略。わりと各地でよく用いられている略称なので、覚えておくと応用が利くかも。
  麺種は未確認だが、食べてみての印象としては冷凍麺。そばの香りはあまりなく、茹で麺よりは歯ごたえが強い。つゆは、出汁感の弱いもの。甘さ・辛さも控えめで、良く言えばあっさり、悪く言えば「あまり味がない」。かけ400円、天500円。実食は、天。天は、揚げ置きのかき揚げ。しっかり冷え切ったものではなくそれなりに温かったから、揚げ置き時間が短いか、保温ケースで保管しているかのどちらかだろう。具材は、タマネギ・ニンジン・ニラ。併設されている野菜産直市のものを使用している旨の表示がある。いずれも細切りにされているなか、ニンジンの歯ごたえが強く主張していた。残念だったのは、中心部への火の通りがやや甘く、ニチャッとしていたこと。サイズがちょっと大きすぎるのかな。こんなに大きくなくていいので、最適な火入れ具合のかき揚げを提供するよう心掛けた方がいいと思う。割安な朝そば300円の設定あり。提供時間が8〜10時となっているのだが、そのすぐ隣に「営業時間は9〜15時」の表示がある。朝そばは営業時間外にも提供していることになってしまうのだが、どういうこと? そば・うどんのほかには、浜名湖沿岸ならではの「うなぎ蒲焼丼」1100円をはじめとした各種ご飯もの、みたらし団子や鯛焼きといったスナックフード、甘酒、ソフトクリーム、各種ドリンクと手広く扱う。唐辛子は一味。箸は、爪楊枝入りの個包装割箸。コンビニでもらうようなやつ。
  平日12:00頃の訪問で、先客は0だったのだが、後客は8人来た。それほど客足に波があるタイプの店というか立地ではないと思うし、先客ゼロ症候群という雰囲気でもなかったのだけれど。味はともかく、このようなローカルな駅で立ちそばに出会えたのは、感激に尽きる。ただ、懸念されるのは、直虎ブームが過ぎ去った後。観光客はそのうち減り始めるだろうが、それでも店はずっと続けてほしい。


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★第一通り駅(遠州鉄道)
「白蔵」  実食日:2021/4

  遠州鉄道の起点となる新浜松からひと駅のオフィス街に、立ちそばがある。駅を出てガード下の道を北へ進み、信号を渡らずに左折して30秒。駅歩1分くらい。新浜松・第一通り間は、歩いても5分くらい。新浜松とJR浜松の間も徒歩2分くらいなので、JR浜松駅からこの店まで歩いたとしても10分まではかからないくらいの距離感。夜は飲み屋として営業する店のランチ営業で、店の外に券売機がある。客席は、歩道に露出した立ち食いカウンターが5人分くらいと、建物内に椅子付きカウンター5席。席間がやたら広くとられているので、もともとはもっと席が多かったのかもしれない。コロナ対策で少し間引いているのではないかと。加えて、小上がりのテーブル席も6×3あるのだが、これは基本的には夜営業での稼働がメインだろう。私は外の立ち食いカウンターで食べようと思ったのだが、女将さんが熱心に店内の椅子付きカウンターを勧めてくれ、最終的には折れた。
  麺は、生麺を注文後に茹でている様子。そばの香りはしっかりと感じられ、おそらく5〜6割くらいはそば粉なのではないかと推察。少しボソッとする噛み心地も、そばらしいと言えなくもない。つゆは、わりと淡い。色も薄めなのだが、薄口しょうゆを使っているというよりは純粋に醤油の割合が少なめになっているような印象。出汁は、おそらく昆布が主体。ただし、こちらも淡く、あまりパンチの利いた味覚ではなかった。かけ380円。うどんは全品50円増し。うどんの方が高い設定になっている店は珍しいかもしれない。実食したのは、ご当地感があって、なおかつ値段的にも割安感があった浜名湖生のりそば430円。トッピングは、生海苔のみ。冷凍ものだろうか。焼き海苔ではないので、香ばしさよりも潮の香りの方が際立っており、これはこれで美味しい。ただ、つゆに拡散しやすいので、食べ進めるにつれてつゆ本来の風味が分かりにくくなっていく。だから、つゆの味を見たいなら最初に。たぬきというメニューはないが、浜名湖生のりそばにも別皿で少量の天かすが付いてきた。少々湿気ていたので揚げ置き時間が長めだと思われるが、油の質は悪くなさそう。単品扱いの各種天は、朝のうちにまとめて揚げているのではないかと推察。ご飯ものの扱いは白飯のみ。セットメニューは、内容不明の「得々セット」680円のみ。ランチ営業でも、生ビールとハイボールを提供。ネギは青(小口)。箸はエコ箸。
  平日11:00頃の訪問で、先客0・後客0。ランチ営業が始まったばかりの時間帯だから、おそらく私がこの日の一番客。12時近くになってくると、近隣オフィスで働く人たちが大挙してやってくるのだろうか。わりと広い店なので、先・後客がひとりもいないと逆に落ち着かない。一度、ピークタイムに訪問してみたいなと感じた。


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★寝姿山山頂駅(下田ロープウェイ)
「寝姿山喫茶」  実食日:2014/4

  伊豆急行の終点・伊豆急下田駅から徒歩接続可能な下田ロープウェイ。その終着である寝姿山山頂駅構内にある喫茶コーナー。店名はどこにも掲げられていないのだが、下田ロープウェイの公式HPを参照して店名とさせていただいた。そば・うどんのほか心太、たこ焼き、各種飲み物(アルコール類もある)、ソフトクリームなど、軽食喫茶メニューを手広く扱っている。店舗は駅構内の通路というか土産物店エリアに露出していて、客席は長テーブル席が4つ。下田ロープウェイ直営の店だ。ロープウェイの乗客はそれなりにあるが、駅構内の喫茶や土産物店に立ち寄る人はごくわずかで、駅構内全体に寂しい空気が充満している。
  調理シーンを見なかったのだが、食べてみた印象としては、麺は生っぽい。やや粘着するタイプで、重量感がある。つゆには、独特な酸味がある。麺の影響かもしれないが、やや濁りが見られた。ほどよく塩辛いので、山歩きをした後に食べると気持ちいいだろう。観光地だから価格が高いのは致し方ない。月見・山菜・たぬき、すべて600円均一。変わりメニューとしては、「塩鰹うどん」がある。これは、西伊豆の郷土料理「塩鰹」をトッピングしたうどん。このメニューは、うどんのみでそばには対応していない。ちょっと残念だが、「塩鰹うどん」というご当地ものなのだから、しょうがない。  


※2016/4、再食。すごく気になっていた塩鰹うどん(600→650円に上がっている)を食べてきました。塩漬けにした鰹のほぐし身がトッピングされるのかと思っていたのですが、実際には土産用に販売されているお茶漬けの素タイプの塩鰹を投入したうどんでした。味覚的には熟成されたカツオ風味が利いていて美味しいのですが、見た目がだいぶ貧相です。花かつおを加えているのは、香りづけ以上に、見た目の貧相さを解消する狙いがあるのではないかと推察します。わりと値が張るメニューだけに、ちょっと一考の余地ありですね。
  他メニューについては、値段そのままです。塩鰹うどんだけが上がっています。生ビールが600円と高値なのですが、これは地ビールの「静岡麦酒」を提供しているため。ところてん350円も、西伊豆産のテングサと天城の水を使って作っているとのこと。ご当地ものを多く揃えているのは、観光地らしい部分です。


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