大阪・大阪環状線2
(天王寺〜鶴橋〜天満)

現在、31軒掲載(うち10軒は、閉店確認済)
★天王寺駅(JR大阪環状線・関西本線・阪和線、阪堺軌道上町線(天王寺駅前駅)、大阪市営地下鉄御堂筋線・谷町線))

「天王寺うどん」  実食日:1995/8

  これも記憶が古いが、立地ははっきり覚えている。JR阪和線のホーム上にあった。店の雰囲気もおぼろげながらに覚えていて、和風の格子戸に紺の暖簾だったと思う。ここもとにかく値段が安く、とろろそば(山かけでなく、昆布のほう)が230円だったという記録が残っている。関東では、かけそばも230円では厳しい。


※店名&所在を確認しました(2005/8。再食せず)。JR阪和線櫛形ホームの付け根(1ホーム寄り)にあります。値段は、たぬき270円でした。

※値上げしていました。現在、かけ230円、わかめ・こんぶ・玉子280円、きつね320円です。天ぷらはエビ天で360円。それとは別にかきあげ360円もあります。セットメニューはコンコースの店舗と異なるラインナップで、朝定食(かけそば+おにぎり+小鉢で280円)など、かなりお得に感じるものもあります(付+1点。2014/8、確認)。

※改装していました(写真は左:旧、右:現)。値段が上がり、現在はかけ230円、月見300円、きざみ310円、きつね320円、かきあげ360円、天380円といったラインナップです。天はエビ天一尾です。一部メニューに「麺屋」臭を感じます(運営会社は現在「麺家」の傘下に入っている)が、味はオリジナルのままと思われます(値−1点。2014/11、確認)。

※閉店(「麺家 天王寺」化)していました(2017/2、確認)。

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「天王寺うどん」  実食日:2008/8

  JR東口改札内コンコース、14番ホームへ降りる階段の上。店内に広くスペースをとっているが、食べる席(カウンター)は壁際のみ。カウンターと厨房の間に大きなデッドスペースができてしまっている。混雑時には、手持ち食いする人が続出しそうだ。オーダーのシステムは、関西の駅そば店でよく見受けられる有人レジでの先払い制。代金と引き替えに感熱紙の食券をもらい、これを商品と引き換える。
  麺は、ややモサモサした食感。つゆは刺激の少ないスッキリ系。それほど印象に残る味ではないけれど、総じて出来は悪くない。食券販売機を導入せず、レジで人件費がかかっている(レジの人はレジ専門の様子)にもかかわらず、値段はかなり安い。かけ190円、わかめ240円など、300円割れのメニューが大半を占める。変わりメニューにはヘルシーそばというのがある(290円)が、内容は梅干し+わかめ。特殊なトッピングがされるわけではない。


※2009/11、再食。値上げしていました。現在は、かけ210円、わかめ260円です。相変わらず300円以内のメニューが中心ですが、ヘルシーそばは取扱終了したようです(付−1点)。

※2013/8、再食。値段が上がっています。現在は、かけ230円です。玉子やわかめなどはまだ300円以内で食べられますが、あまり激安という感じはなくなってしまいました(値−1点)。ご飯ものとのセットメニューが豊富で、ちらし寿司セット(500円)のちらし寿司は、寿司桶に入って出てきます。かつての大阪駅「潮屋」の寿司セットを彷彿とさせます(付+1点)。

※2014/11、再食。改装していました(写真は左:旧、右:現)。鶏天450円が登場していたので、一瞬「麺家化か?」と思いました(2013年に運営会社が「麺家」の傘下に入っている)が、味は変わっていません。実食した天390円は、大海老天一尾です。値段は、基本的に据え置きです。きつね320円のほかに、プレミアムきつね450円があります。一度試してみたい響きです。ちらし寿司セットは終了していました。寿司定食450円は、ちらし寿司ではなく巻き寿司といなり寿司がセットになります。牛丼セットや天丼B定食(各500円)あたりはかなり割安に感じる設定です。なお、数年前からですが、食券制になっています。また、改装後には看板上部に「おいでやす天王寺うどん」と表示されましたが、「おいでやす」は「いらっしゃいませ」の表記と同じと見なし、店名変更とは考えないことにします(値-1点、付+1点)。

※な、なんと、閉店していました。跡地は、コンコース全体で大規模な工事が入っており、工事終了後に復活があるのかどうかも不透明です。運営会社(天鉄トラベルサービス)がJRWFSに完全吸収合併されているので、少なくとも「天王寺うどん」としての復活はないと思われます。復活するとしても「麺家」でしょう。残念です(2017/2、確認)。

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「南海そば」  実食日:2009/11

  JR南口(改札ではなく、駅の出口)を入って左すぐ。駅前の国道を渡る歩道橋のたもとで、人の流れが途絶えない場所にある。人が多く行き交うのでいい場所なのかなと思うが、いざ店に出入りするときにはこの人波がかなり邪魔になる。店内は、L字型立ち食いカウンターのみ。さほど広くはないが、客の回転効率が非常に良い印象。椅子席を置かない戦略が的中しているように見える。
  この店の麺は、やや太めの茹で麺。味覚的な特徴は乏しいが、関西風のつゆにはわりとよく合う麺だと思う。出汁は強めで、どんな食材から出汁をとっているのかが気になるような、複雑な風味。かけ230円、スタンダードな具一品系は290円均一。天のほかに「かきあげ」があるが、天の方が高い設定なので、「かきあげ=具なしインスタント、天=具材たっぷり」だと思われる。一般的な店の表記とは逆になっているので注意。あるいは、「天=えび天」かもしれない。変わりメニューに、スペシャルそば400円があるが、詳細は未確認。


※値上げしていました。現在、かけ240円、具一品系は300円〜です。スペシャルそばは480円まで一気に上がっているので、内容が変わった可能性があります(値−1点。2014/10、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。消費10%増税に伴い、値上げしています。かけは240円で据え置きですが、具一品系は310円〜になっています。スペシャルは、490円です(2019/11、確認)。

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「都そば」  実食日:2013/2

  地下鉄の8番出口を出てすぐ。古いタイプの看板を掲げる「都そば」。壁側を向いた椅子付きカウンターと、厨房に面したL字型立ち食いカウンターがある。フロアが割と広いので、ガランとした印象。テーブル席を入れられるのではないかと思うのだが、増席が必要なほどには利用者が多くないのだろうか。
  麺は茹で麺で、あまり味がない。しかし、関西風のつゆと味のない茹で麺は、意外に相性が良い。つゆも、「都そば」にありがちな妙な酸味がほとんどなく、悪くなかった。これといってパンチのある味覚ではないのだが、少なくとも不味くはなかった。かけ220円、具一品系は290円のメニューが多い。実食したのは、紅しょうが天そば320円。大阪ではポピュラーなメニューだ。「都そば」の紅しょうが天は、少量の紅ショウガを衣で膨らませているタイプ。だから、色も意外に赤くない。真っ赤な紅ショウガ天を求めて来る人には不満が残りそうだが、個人的にはこのくらいがちょうどよいと思う。

※微妙に改装していました(写真は左:旧、右:現)。いわゆる新デザインではなく、セマルデザインを踏襲した形です(セマルの表示はなくなっている)。個人的には、新デザインよりもこちらの方が好みです(セマルの方が、より好み)。値上げして、現在はかけ240円、具一品系320円〜です(値−1点)。そして、驚愕の事実を発見しました。鶴橋店と同日の確認で、「都スペシャル」の内容が違っていました。鶴橋は「天+玉+きつね」で480円だったのですが、天王寺では「エビ天+玉+きつね」で540円です。ちなみに、これまた同日訪問の第二布施店は、後者の方です。さらに言うと、第二布施店には「温たまスペシャル」が510円であり、鶴橋店は540円。そして天王寺店には、第二布施店・鶴橋店にはない「あげスペシャル」530円があります。店舗ごとに、ちょこちょこと違いがあるんですね。たいへん興味深いです(2017/2、確認)。

※消費10%増税を機に、やや大きく値上げしていました。現在、かけ270円、具一品系350円〜、都スペシャル600円です。都スペシャルは、やっぱりエビ天+玉+きつねです。あげスペシャルは、少なくとも店頭表示からは消えています。代わって、温たまスペシャル570円が入りました。店舗ごとの違いなのか、タイミングの違いなのか。東京の「吉そば」に類似したブレを感じるチェーンですね(値−2点。2019/11、確認)。

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「松屋」  実食日:2017/2

  ちょっとどの駅を最寄りとするかで悩むような場所にある。ひとことで言うと、キューズモールの1階。店舗名は「阿倍野店」。ということは、出口がキューズモールに直結している阿倍野駅が最寄りなのかと思うところだが、出口があるのはキューズモールの南端で、店があるのは北端。徒歩圏内ではあるが、3分かかる。それよりも、キューズモールの北側に12号出口が直結している地下鉄の天王寺駅の方がだいぶ近い。こちらからなら、徒歩30秒だ。ただし、地下鉄の天王寺駅はホーム・改札から12号出口までが長い。あびこ筋の南側になることだし、大阪阿部野橋駅の方が近いイメージ。さらに言うと、ホームからの距離ではあべの筋を走る阪堺上町線の天王寺駅前駅が一番近い。当サイトでは駅出口を基準にしているので天王寺が最寄りになるし、天王寺駅前駅も天王寺駅と同駅とみなしているので、この場に掲載することにした。「松屋」らしく間仕切りが開放された店だが、明るく綺麗で、椅子席も豊富にある。「松屋」にしてはだいぶお洒落だな、というのが第一印象。駅そばで食べ慣れていない女性でも、ひとりで入れそうだ。席数は数えきれなかったが、たぶん20くらいあると思う。
  麺は、袋入り(個包装)の茹で麺。客の目の前でビリッとやる。うどんは番重に直入れされているのだが、そばだけ個包装。あまり数が出ないのかな。味覚的には、普通。つゆは、昆布中心の出汁。ほんのりと甘みがさしていて、まろやかで美味しい。かけ200円、月見250円、きつね270円など。東京の人間からするととても安く感じる価格帯だが、実はこれでも「松屋」としてはそんなに安い部類ではない。ただ、安い店舗は入りづらいと感じる方も多そうな雰囲気である場合が多いので、値段と気軽に入れる雰囲気の両立という観点では秀でていると言えるかもしれない。実食は、かき揚げそば280円。かき揚げは店揚げの揚げ置きで、具材にはタマネギ・ニンジン・カボチャ・サツマイモを確認。やや硬めの揚げ方でつゆに浸かっても崩れにくく、パリッとしていて美味い。ちなみに、かき揚げとは別に天280円があり、こちらはドンベ。同額ならば、かき揚げの方がオススメになるか。変わりメニューに、油かす350円(これはとても安く感じる設定)、牛すじぼっかけ450円がある。ご飯ものも充実のラインナップで、麺類よりも安さが際立っている。親子丼・かき揚げ丼は、なんと300円切りで驚異の290円。セットメニューはさらにお得な設定になっており、なんと「かき揚げ丼&かけ」は380円で食べられてしまう。もう、毎日毎食これでいいよ。「カツ丼&かけ」でも、ワンコインの480円だ。麺単に比べて呆れるくらい安いので、この店ではご飯ものかセットメニューを狙った方が満足度が高まるだろう。
  訪問は平日の16:30で、先客4・後客3だった。閑散時間帯だったということもあるのだろうが、意外とそんなに混雑していないなという印象。ひとつ、寒がりさんには注意点がある。間仕切りがない店舗なので、出入口付近の席で食べると、背中が寒い。厨房側が湯気で温かいだけに、なおのこと寒く感じる。夏場は夏場で暑いのかもしれないが、特に冬場に食べる時には留意を。なるべく奥の席に陣取った方がいいと思う。


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「麺家 天王寺」  実食日:2017/2

  JR改札内、阪和線ホームの付け根。上記「天王寺うどん」の跡地。「天王寺うどん」時代から看板を付け替えているものの、建物自体には大きなリニューアルを施していない。というか、2014年に改装した時点で「麺家」っぽい外観になっていたので、全然違和感がない。なんだか、2014年の改装はいずれ「麺家」に変わることが前提になっていたような臭いがする。内装が変わったかどうかは分からない(2014年の改装以後入店していないので)が、現在はテーブル席が2人×6、椅子付きカウンターが6席、立ち食いカウンターが12人分くらいある。出入口に近いところに立ち食いカウンターがあって、少し奥に椅子付きカウンター、一番奥にテーブル席という配置になっているのはなるほどと頷ける部分。ただ、訪問が朝イチだったということもあるのだろうが、立ち食いカウンターばかり混雑していてテーブル席はガラガラだった。これだと、出入口付近がだいぶ窮屈になってしまう。テーブル席が勿体ないなぁと感じた。タイミングによっては、テーブル席もおおいに活躍するのだろうけれど。
  麺は、赤紫がかった濃いグレーの茹で麺。京橋や京都などの「麺家」とは違う麺ではないかと思う。舌触りがザラザラしないし、歯ごたえもちょっと弱いので。「天王寺うどん」時代の麺をそのまま継続使用しているのだろうか。鶴橋駅の(「浪速そば」→)「麺家 鶴橋」もそう感じたし、最近「麺家」に変わった店舗では、従来店舗の麺を継続使用しているのかもしれない。まったくの気のせいで、たまたまの誤差だと言われればそれまでなのだが(だとしたら、誤差が大きすぎる!)。つゆは「麺家」スタンダード。薄味ながらもしっかりと舌を満足させる丸みがあり、美味い。かけ250円、きさみ・きつね340円、かきあげ400円など。ミニ他人丼定食630円や朝きざみ定食320円は、ないパターン。値段&メニュー構成を昨日回った店舗と比べると、鶴橋・尼崎と同じパターンということになる。これで麺にも違いがあると仮定すると、一見統一されたかに見える「麺家」も、実はかなり多くのパターンに細分化されていることになる。なんか不思議。
  朝イチでの訪問だったので、実食は朝定食320円。内容は、かけそば+生卵+ご飯+昆布の佃煮。月見そばよりも安いのだから、これはなかなかお得感のある朝メニューだ。問題は、生卵をご飯にかけるか、そばに乗せるか。佃煮がなければ迷わずご飯にかけるし、佃煮が倍くらいあれば迷わずそばに乗せる。佃煮の量が、ご飯を食べきるにはやや足りないくらいだから、微妙なのだ。結果的にはそばに乗せて、フリーの天かすをつゆに浸したもので余ったご飯を食べる作戦をとった。これがベストかもしれない。かけそばには、例によって焼きカマボコが乗る。ネギは斜めカット。箸はエコ箸。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。かけは250円で据え置かれていますが、種ものが上がっています。現在、きさみ・きつね350円、かきあげ410円です(2021/9、確認)。

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「麺家みちくさ」  実食日:2018/6

  近年、関西のJR系駅そばが「麺家」に統一されつつある。だんだん関東と同じ方向に向かっているなぁと危ぶんでいたのだが、京都駅に少し業態が違う「麺家さがの」が登場し、さらに2018年4月には、メニューばかりか麺すら違う別業態店舗「麺家みちくさ」が天王寺駅にオープンした。「麺家」はそれなりに美味しいものを提供していると思うのだけれど、完全統一路線の限界が見え始めているということだろうか。個人的には、いくつかの業態に分かれてくれた方が、選択肢が増えてありがたい。場所は、JR東口改札を入ってすぐ右手。ちょっと薄暗い場所にある。天井部分はまだ各種配線がむき出しの状態なので、今のところはまだ仮オープンのような状態(結構長いこと工事閉鎖していた区画)で、将来的には明るい照明が整備されるかもしれないが。コンコースに立地する店舗ということで考えれば、上記「天王寺うどん」の代替店舗と考えてよさそう。阪和線ホームの「天王寺うどん」は通常店舗の「麺家」になったが、こちらは別業態に。通常の「麺家」との大きな相違点に、夕方(17時)以降は酒類や一品料理を扱い(一部のそばメニューも注文可能)、立ち飲みをメインとする店舗になるという点が挙げられる。もともとコンコースの「天王寺うどん」はちょい飲みセットなどを扱い夜間にもかなり賑わっていたので、その客がそっくりスライドするようにと考えたのかもしれない。客席は、隅っこに申し訳程度に椅子付きカウンター(2席)があるほかは、すべて立ち食い席になっている。キャパとしては、20人以上収容できそうなほどフロアが広い店。椅子を置こうと思えば置けたはずだ。にもかかわらず立ち食いをメインにしたのは、やはり前身の「天王寺うどん」が立ち食いオンリーだったからという側面があるのではないだろうか。店内入ってすぐのところにある券売機は、朝昼用。立ち飲みタイムは代引き制になる。
  そばの麺は、2種類用意している。五割そばと、十割そば。どちらも生麺。「麺家」の通常店舗では、茹で麺+五割そばなので、「麺家」のハイグレード麺が「麺家みちくさ」のスタンダード麺になり(実際、両者の五割そばは同じもの)、十割そばを「麺家みちくさ」の上位麺として導入した形になる。ただ、注意したいのは、麺種は客側で選べるものではないということ。基本的に温そばは五割、冷そばは十割になっている。ちなみにうどんは、「麺家」通常店舗の上位麺である「さぬき」が用いられている。うどんに関しては新たに上位麺を導入することはなく、温・冷とも「さぬき」になる。オープンから2カ月ほどでの実食ということで今回が初食なのだが、いきなりの公式取材になったこともあり、「十割 冷 海老天おろしそばぶっかけ」510円を実食。麺は、特段香りが芳醇というわけではないが、硬質の歯ごたえが印象深い。押出製麺だろうか。わりと今風の食感なので、どちらかというと若い人に好まれそうに思う。温つゆに関しては、未食なので語ることができない。冷かけつゆは、おそらく小魚系の出汁が中心。よく言えば、まろやかで深みがある。悪く言えば、少し生臭い。関東人の舌には馴染みのない味覚かもしれない。トッピングは、エビ天+大根おろし+刻み海苔+花カツオ。注文後揚げのエビ天は、衣がカリカリとしたクリスピーなタイプで、麺と同様、どことなく若者の好みを意識したのかなという印象を受ける。衣の食感がこれだけ強いと、エビのプリプリ食感が紛れてしまうので、揚げたてで出せるのならもっと軽い「サクッ」とした衣の方がよさそうに思う。そして、花カツオと刻み海苔が強烈な香りを放つので、そばの香りも紛れてしまう。だから、美味しいことは美味しいのだけれど、それは料理として美味しいのであって、そばとして美味しいのではないように思う。ちなみに、券売機の写真を見た限り、十割そばのメニューはすべて、刻み海苔と花カツオのどちらか(あるいは両方)が乗るようだ。こうなると、「麺の香りにはあまり自信がないのかな?」と勘繰りたくなる。ワサビは粉もの・練りものではなく、香りのよい粗おろしの本生ワサビを使っている。そばつゆに溶く(「つゆに溶かないで麺に直接付けろ」とか野暮なことは言わないでほしい)のもいいが、そば湯にワサビを溶くだけでも結構おいしくいただけそう。この点は、諸手を挙げて歓迎。他メニューは、「五割 温 かけ」300円、「五割 温 きつね」390円、「十割 冷 そばぶっかけ」420円など。箸はエコ箸。


※2021/9、再食。麺が仕様変更され、通常店舗と同じ「茹で麺or五割そば」になっていました。十割そばは終了しています。そのぶん値段は下がっていて、現在はかけ250円、きつね・きざみ350円、かき揚げ410円、鶏天500円です(いずれも茹で麺の価格。五割そばは50円増し。値+1点、付−2点)。十割そばはあまり受け入れられなかったのでしょうか。確かに、関西風のつゆには茹で麺のほうが合っているような気がしなくもありません。
  今回いただいたのは、肉そば(茹で麺)440円。店頭に「肉が変わりました」との貼り紙が出ていたので、衝動的に食べました。トッピングは、牛肉とゴボウ、タマネギの合わせ炊きです。肉自体は特段変わった感じはしなかったので、ゴボウやタマネギを合わせるようになったのが変更点でしょうか。ただ、全体の7割くらいは肉で、あからさまな嵩増し感はありません。値段を考えれば、良心的な内容だと思います。
  平日18:00頃の訪問で、先客7・後客3。コロナ対策の個別パーティッションがありますが、これのせいで席間がかなり狭く感じられるようになっています。少しでも1席あたりのスペースを広くするためなのか、エコ箸や七味等は受渡口に集約され、各席には置かれていませんでした。


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★寺田町駅(JR大阪環状線)
「駅前うどん」  実食日:2011/1

  駅を出て正面の大通りを渡り、ガード右(東)側の路地に入ってすぐ右側。暖簾に「寺田町店」と記載されているが、チェーン店なのだろうか。言われてみれば、大阪では「駅前」を標榜する店を数軒確認している。ただ、内容等から同一チェーンであるとは考えづらい。座席は椅子付きカウンターのみで、厨房に向いたL字型のものと、厨房に背を向けた壁際の席がある。
  柔らかい茹で麺は、ほとんど味がない。つゆも、極めて薄味。全体的に薄味で統一されている印象。しかし、それでも不思議と物足りなさを感じない。これぞ、関西マジック。かけ220円、種物は270円から。関西ではスタンダードな具一品系を均一料金に設定する店が多いが、この店はメニューごとに細かく値段が異なっている。実食した月見そばにはおぼろ昆布と揚げ玉、それに芸術的に薄くスライスされた焼きカマボコがサービストッピングされていた。これで270円は嬉しい。

※微細な違いなのですが、暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。かけ220円は値段据え置きながら、種物は280円〜に値上げしています(2017/12、確認)。

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★桃谷駅(JR大阪環状線)
「麺家」  実食日:2008/8

  改札脇にあり、改札外側からのみ食べられる店。立地的には内外両側に窓口を作れそうだが、この駅は単路線駅で、ほぼ「駅ユーザー=改札を出入りする人」の方程式が成立しそうだから、改札内外両側に窓口を設ける必要性はなさそうだ。関西のJR沿線では最強のチェーン店で、モダンで落ち着いた構えが特徴的。「昭和」イメージの駅そば店が多い関西にあって、このチェーンは「現代駅そば」という感じがする。
  麺は、ネットリと歯に絡みつくタイプ。冷凍麺を思わせるが、厨房を覗き見た限りでは茹で麺のようだ。カマボコが入り、天かすが無料で入れ放題。ネギが斜めにカットしてあるのもこのチェーンの特徴。かけ280円、かき揚げ350円、エビ天430円など。


※閉店していました。跡地は、ベーカリーカフェになっています。競合店がないうえ、それなりに需要がありそうな駅なので、少々意外に感じる閉店劇でした(2017/3、確認)。

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★鶴橋駅(JR大阪環状線、近鉄大阪線、大阪市営地下鉄千日前線)
「浪速そば」  実食日:2006/8



  JR内回りホーム中程、改札脇KIOSKのさらに隣。食券には「浪速うどん」と記されているのだが、看板にでかでかと「浪速そば」と書かれているので、こちらを店名と解釈する。
  ここの麺は、関東の「小竹林」を思わせる食感・味だった。すなわち細く、黒っぽく、コシはあるもののあまり香らないタイプ。冷凍だろうか。嬉しいのは、たぬきフリーのサービス。やたら大きなタッパーに入れて、受け渡し口付近に置いてある。こんなにたくさん出して、全部掃けるのだろうかと心配になるところだが、他の客を見回すと皆山盛り入れていた。大阪「シオヤ」にもやたらたくさん置いてあったが、なるほど、たくさん出しておかないとすぐになくなってしまうのだろう。補充するのも手間のうちだから、最初からたくさん出しておこうというわけだ。細かいところにツッコミを入れるとするなら、店頭の品書きに「食券をお買い求めください」と書かれているのだが、その下にハングル表記があったことか。韓国人が多いエリアなのかな。それにしては、各メニューにはハングル表記が見当たらなかった。う〜む、これで分かるのだろうか。かけ200円、きざみ・月見・きつね250円。ねぎそば250円という、意外と扱う店が少ないメニューがある。


※値上げ(かけ200→220円、きざみ・月見・ねぎ250→280円。きつね250→290円。値−1点)していました(2009/8、確認)。

※2013/8、再食。暖簾が青に変わって、外観の印象が大きく変わりました(写真は左:旧、右:現)。味覚・価格に変化はありません。コリアンタウンがある街らしく、大阪鶴橋冷麺(390円)が登場していました。早速試してみましたが、金属製の器で供され、雰囲気があります。トッピングは、肉・キムチ・キュウリの千切り・茹で卵(半分)。カウンター上に酢が置いてあるので、お好みで。

※一部メニューの値段が上がっていました。据え置きなのは、かけ・きつねなどで、きざみ・月見・ねぎは290円になっています。具一品系の値段を揃えたということでしょうか。スタミナ470円のほかに、超スタミナ520円というメニューもあります。「スタミナ+ごはん」のような気がしますが……(2014/11、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は右端が最新)。というか、元に戻ったようです。ともに8月の訪問で赤→青に変わっていたので、季節変動ではないと思われます。どういう方針で変えているのか、よく分かりません。値段等、変わっていません(2015/12、確認)。

※閉店(「麺家 鶴橋」化)していました。駅そばとしては残った形ですが、個人的にかなり好き(どちらかというと、味よりも雰囲気が)な店だったので、チェーン化されて残念です。「西口うどん」は残っていますので、恋しくなったら西口へどうぞ(2016/8、確認)。

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「うどん亭」  実食日:2007/1

  近鉄改札内コンコース、JR連絡改札を入って右前。店内は広々としているのだが、テーブル席は端の方に寄せられていて中央には空きスペースが目立つ。もう少しカウンターや座席の配置を工夫すれば集客率も上がるのではないかと思うのだが。
  この店の麺は、妙にツルツルしている。啜り込んだときに何の抵抗もなく喉の奥まで流れていってしまう感じ。一言で言うなら、「摩擦ゼロの麺」。噛むと普通なのだが、舌触りがちょっと異様だ。つゆはやや薄め。たぬきが受け渡し口に置いてあってフリーになっているが、「レンゲ2杯まで」との注意書きがある。やたらたくさん入れて残す人が多かったのだろうか。主なメニューの値段は、かけ200円、きつね300円、えび天380円、肉400円など。


※閉店(「鶴橋庵」化)していました(2009/8、確認)。

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「鶴橋庵」  実食日:2009/8

  近鉄改札内、JRとの乗り換え改札のあるコンコース。上記「うどん亭」の跡地。正確に言うと、そば・うどんの「鶴橋庵」とラーメンの「楽らく」が一体化した店舗が、「うどん亭」の跡地にオープンしている。客席は両店共通で、テーブル席・カウンターとも、豊富な椅子席が用意されている。ミシン目が入っていて半券を切り取れるタイプの食券を使っていて、ちゃんと半券を受け渡し時に収受するシステムを採用している。
  麺は、大和西大寺「二条庵」と似ている印象。「鶴橋庵」の方が歯ごたえが強かったが、これは湯通し加減の問題かもしれない。つゆは、いろいろな食材から出汁をとっていそうな、複雑な味覚。塩気はあまり強くない。たぬきは「ハイカラ」というメニュー名で、250円。かけ220円、具一品系メニューは300円のものが多く、値段構成も大和西大寺「二条庵」と似通っている。ハイカラ+おにぎり1個のAセット300円、ハイカラ+おにぎり2個のBセット400円にお得感あり。また、時間帯によってサービスを設定していて、朝9時まではかけ200円+揚げ玉フリー(「うどん亭」時代には常時揚げ玉フリーだったが、現在は朝限定になっている、ということ)。午後4時以降には生ビール+枝豆+つまみ2種で500円。


※2013/8、再食。値段等、変更ありません。関西らしいメニューの「柚子香る卵とじそば」を試しました。近鉄八尾「河内うどん」の卵とじに比べて、卵は固茹でです。柚子皮が少々入っているのですが、「香る」と言うにはちょっと少ないかと。たまにしか香りません。倍くらい入れた方がいいかなと感じました。350円です。

※2014/10、再食。かけは220円で据え置きですが、種物は少々上がり、具一品系は320円がベースになっています。また、「かき揚げ」は「桜えびかき揚げ」というメニュー名に変更されています(350円)。種物においても、カレーそばやかすそばは450円で据え置かれています。個人的には、ほろよいセット(500円)がワンコインで据え置かれたのがありがたいです。夜行バスに乗る前にここで一杯ひっかけておくと、バスの中でよく眠れるんです(値−1点)。

※2017/2、再食。値段等、変わっていません。今回は、きざみそば320円をいただきました。刻み揚げはやや厚めで、ほどよくふんわりした食感。まずまず私好みのものです(理想を言えば、もっと厚くてもっと柔らかい方が好き)。前回訪問時に「柚子香る玉子とじそば」が終了していたのですが、復活していました。ただし、380円に上がっています。その他、あんかけシリーズがいくつか加わっています。かに玉あんかけそば480円あたりは、次回訪問時にまだあれば狙ってみようかと思います。「麺家」でもあんかけそばに力を入れていることだし、最近関西ではあんかけがブームなのでしょうか。外観的には、券売機が外に出されたことで、ちょっと印象が変わっています(写真は左:旧、右:現)。入店する前にすべてのメニューを確認できるようになったので、個人的にはとてもありがたいです。
  平日14:30頃の訪問で、先客1・後客4。ラーメンコーナー(こちらは「楽らく」という店名)も同じくらいの客数ですが、男性は「鶴橋庵」・女性は「楽らく」とはっきり分かれていたのが興味深い現象でした。

※2018/10、再食。かすそば450円をいただきました。以前に大阪阿部野橋駅「阿倍野庵」で食べたかすそばと、基本的に同じです。カリカリに揚げた牛かすと、板状とろろ昆布のトッピング。牛かすは少なめ。とろろ昆布が臭いを消す方向に作用するので、一般的なかすそばに比べるとだいぶ臭みが少なく、入門者向けの一杯です。逆に言うと、コテコテのかすそばを食べたい人にとっては、やや物足りないかもしれません。
  平日20:00頃の訪問。ラーメン店「楽らく」と共通フロアなので、先客・後客とも数えていませんが、印象としては結構よく入っています。ラーメンゾーンの方が埋まっているでしょうか。ただ、だからといってラーメン客の方が多いとも言い切れないように思います。ラーメン客の方が、店内滞在時間が長いと思いますので。

※閉店(「粋麺 あみ乃」化)していました(2021/5、確認)。

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「都そば」  実食日:2012/3

  JRの中央改札を出て直進、千日前通を渡らずに右へ1分。古いタイプの看板を掲げる「都そば」だ。店内は割と広く、4人掛けテーブル×4と、立ち食いカウンター。
  味覚的には、これといった特徴はない。このチェーンにありがちな妙な酸味も、特に感じなかった。店舗のよるのか、タイミングによるのか。かけ220円、天290円など。変わりメニューに、「都スペシャル」というのがある(430円)。ただし、トッピング内容は天+きつね+玉子と、平凡。このチェーンは、変わったトッピングを乗せると値段が跳ね上がる傾向があるので、オーソドックスな具一品系メニューを注文した方がコストパフォーマンスが良い。290円シリーズからチョイスするのがいいだろう。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。色使いが似ているのでパッと見には気付かないかもしれませんが、セマルの看板ではなくなっています。値上げして、現在はかけ240円、天310円、都スペシャル450円になっています(値−1点。2015/12、確認)。

※かけは240円で据え置きですが、種物が少々値上げされていました。現在、具一品系(天を含む)は320円、都スペシャルは480円になっています(2017/2、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ270円、月見350円、その他の具一品系は360円〜となっています(値−1点。2021/5、確認)。

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「西口うどん」  実食日:2015/12

  JR西口改札を出て右すぐ。近鉄の西口改札からでもすぐの場所。コリアンタウンの入口に立地し、すごくディープな雰囲気のある店。間口が広く、暖簾が目隠しにはなっているものの間仕切りがないので、とても開放的に見える。立ち食いカウンターのみで、キャパは12人くらいだろうか。
  麺はツルツル食感の茹で麺で、あまり味がない。つゆは、とげとげしさのない昆布出汁。まぁまぁ悪くないけど、少しモヤッとした印象も受ける。昆布出汁のつゆは、塩加減が狂うとモヤリ感が出やすい。もう少し醤油を多めに注した方が美味しくなりそうな気がする。かけ220円、天320円。実食は、天。天は、芝エビ程度の大きさの海老が衣をたっぷりまとったもの。見た目には、アジ天のような三角形をしている。ドンベタイプなのだが、この手の天ぷらにしては比較的油が強く、つゆに浸してもカリカリ感が残る。
  総じての印象は、ホームにある「浪速そば」に近しい。味だけでなく、メニューや値段も共通しているので、まず同系とみて間違いないだろう。わざわざ店名を変えているのがちょっと気になる部分ではあるが。
  揚げ玉フリーのサービスあり。20代と思しき清楚な女性がかけうどんを注文して、揚げ玉を山盛り入れて食べていた。振り出し容器を、10回以上振っていたように思う。こういうのは、関東ではなかなかお目にかかれない光景だ。また、訪問時には先客2と空いていた。私が食べている間に先客は2人とも食べ終え、退店。それから後客がひとり入ってきたのだが、ガラガラに空いているのに、わざわざ私のすぐ隣に陣取った。「肘がぶつかるよ!」と言いたくなるくらいに、近く。これも、「大阪あるある」だろう。関東、というか大阪以外では、もう少し先客と距離をとりたがるものだと思う。大阪には、意外と寂しがり屋さんが多いのだろうか。


※閉店していました(2018/1/30付)。跡地はシャッターが下りたままで、閉店告知の貼り紙が出ている状態です(2018/5、確認)。

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「麺家鶴橋」  実食日:2016/8

  1号ホームやや桃谷寄り。上記「浪速そば」の跡地。あぁ、ついにここもチェーン化されてしまったのか。ここ数年、大阪環状線の駅そばは「麺家」に化けるケースが多く、線内統一まであとわずかという状態になっている。京橋「駅そば京橋」、天王寺「天王寺うどん」と同じパターンだ。鶴橋の場合、「浪速そば」と同経営と思われる「西口うどん」がそのまま残っているので、「閉店→JRWFSが引継」という構図ではなく、JRWFS側から攻勢を仕掛けての変化(悪くいうと、乗っ取り)だろうと考えられる。JRWFSは、だんだんNREみたいになってきたなぁ。現在委託で頑張っている大阪「麺亭しおつる」や京都「門左衛門麺串」、新大阪「浪花そば」あたりが次に狙われる存在だろうか。姫路「えきそば」が乗っ取られることはさすがにないと思うが。天王寺「南海そば」も、JRWFSとは関係がないみたいなので、大丈夫か。内装もきれいにリニューアルされているが、基本的な造りは変わらず。出入口脇に2つだけ椅子付きカウンターが新設されたものの、基本的には立ち食い。キャパは12人くらい。
  麺は茹で麺なのだが、平均的な「麺家」とはちょっと違うように感じた。「麺家」の茹で麺は、黒々していて、ザラザラした舌ざわりに少しボソッとした歯ごたえが特徴。これに対して、この店舗の麺はややグレーが薄く、ザラザラ感もあまり感じなかった。直感的に、これはもしかして「浪速そば」の麺じゃない? と思ったのだけれど、「麺家」でこの種の違和感を覚えたのはこれが初めてではないので、誤差だと言われれば納得してしまいそう。あまり自信なし。つゆも、他駅の「麺家」に比べて酸味がなく、塩加減も控えめであるように感じた。これも誤差なのかもしれないが、前日に実食した京橋駅とはだいぶ違うように感じた。メニューや値段も、京橋とは微妙に違いがある。かけ250円、かき揚げ400円、肉430円、鶏天490円などは共通。讃岐うどん・5割そば変更券も50円で共通。しかし、きざみ・わかめ・きつね各340円(京橋330円)や麺家定食420円(京橋400円)などは、京橋と値段が違う。こぶ・山菜・スタミナなどは京橋にあってこちらではメニュー落ち。逆に、ソースカツ丼520円(ミニ360円)、カツカレーそば600円などは、鶴橋にあって京橋になし。トッピングの「卵」にいたっては、鶴橋では「たまご」表記で60円、京橋では「生たまご」50円に「温泉たまご」70円。この微妙なばらつきは何なのだろうか。
  実食は、朝イチだったこともあり、朝定食320円。かけ+ごはん+生卵+佃煮という内容。これで320円は安いね。生卵をそばに乗せるかご飯に乗せるかでちょっと悩む(佃煮があるので、卵がなくてもご飯は食べられる)ところだ。提供時に、アルバイトの学生風スタッフさんが、生卵を割らずに出そうとして、上長と思しきおじさんが慌てて止め、割って出し直した。新店ならではの、オペレーションの未熟さが垣間見えた瞬間だ。味に影響する部分ではなかったこともあり、ちょっと微笑ましく感じた。「頑張って、早く仕事に慣れてね」みたいな。天かすフリーのサービスあり。ちなみに天かすは、カリカリした部分とふんわりした部分が混在するもので、おそらく他店舗と同じ。焼き目のついたカマボコ入り。ネギは例によって斜めカット……と言いたいところだが、なんと普通の輪切りだった。「麺家」でネギをこのカットにする店舗は、おそらくここだけなのではないだろうか。細かいところで、最大の違いに気がついてしまったのだった。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。かけは250円で据え置きですが、かき揚げは410円に、肉は440円に、鶏天は500円に上がっています。きざみ・わかめ・きつねは各350円、麺家定食は430円です。スタミナが登場していました。ただし、560円と高値。カツカレーそばは終了し、牛肉カレーそば460円に変わっています(2019/11、確認)。

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「粋麺 あみ乃」  実食日:2021/5

  近鉄改札内、JRとの乗り換え改札のあるコンコース。上記「鶴橋庵」の跡地。一瞬、阪急と同じように「脱電鉄系」の変化なのかと思ったが、「粋麺 あみ乃」も近鉄系列だった。リニューアルの色合いが濃いとみていいだろう。ちなみに、同居していたラーメンコーナーの「楽らく」も閉店しており、こちらは脱電鉄で「焼肉ライク」に変わっている。もっとも、フランチャイズ店舗だから、実質的な運営は近鉄系のままだけれど。両店の間は壁で区切られ、フードコート風の造りではなくなっている。「あみ乃」の客席は、横並びのカウンタースタイルのみ。椅子の数は全部で11だったが、集客力はもっとある。20人以上は入れそう。立ち食いカウンターのところどころに椅子がある、というイメージだ。厨房と客席の位置関係は、「鶴橋庵」時代のまま。精算方法は、食券制。券売機は、関西ではまだまだ珍しいタッチパネル式のものになっている。
  「鶴橋庵」時代からそうなのだが、この店舗は調理シーンがあまり見えない造りになっている。だから、麺種はよく分からない。食べてみての印象としては、冷凍か生かで迷う感じ。そばの香りは、あまりない。つゆは、どちらかというとカツオ系の方が前面にある印象。ただし、あまり深みがある感じではなく、悪く言ってしまうと凡庸。かけ280円、野菜かき揚げ380円、きつね380円など。実食は、きざみそば380円。刻み揚げはフワフワジューシータイプで、わりと私好みだった。関西の店にしては珍しく、天ぷらの種類が結構多い。カニカマ天や穴子天など、東京近郊でしか見ないようなものもある。メニュー構成は、関東の立ちそばを参考にしたのではないかと感じる。ただし、関西オリジナルのメニューはもちろん健在だ。揚げ玉は、フリーではないが希望者には店側で入れてくれる(聞いてくる)。コロナ禍でのオープンだから、フリーにはしづらかっただろうか。七味等は、受渡口に集約されている。箸はエコ箸。
  平日10:30頃の訪問で、先客1・後客2。場所柄を考えると、ちょっと寂しい入りだった。緊急事態宣言下の訪問だったので、コロナの影響が大きく出ていたと思われる。各席に個別パーティッションあり。


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★玉造駅(JR大阪環状線、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線)
「麺倶楽部」  実食日:2010/8

  オープンして間もない新店。場所は、改札を出て直進、マクドナルドの先。規模がかなり大きく、間口は狭いが奥にテーブル席がたくさんあり、合計30人近く収容可能。
  この店は讃岐うどんスタイルのシステムを採用している。どうやら、「麺家」系列の駅そば店のうち、「麺倶楽部」という店名の店舗はこのシステムになっている様子だ。入店するとすぐにタッチパネル式のメニューがあり、まずここでベースメニューを選択、食券を取る(この時点ではまだ精算しない)。次に、トレーを持ってトッピングやサイドメニューなどが並ぶコーナーへ進み、好きなものをチョイス。変わったところでは、ゆで卵を丸ごと天ぷらにした「玉子天」などがある(100円)。最後にベースメニューを受け取ってレジで精算。慣れないと戸惑う人もいるかもしれない。
  味覚的には、「麺家」と同じと考えていいだろう。これといったインパクトはないものの、全体的に洗練されていて上品。天かすフリー。箸はエコ箸。


※閉店(「麺家」化)していました(2015/3、確認)。

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「麺家」  実食日:2015/3

  改札を出て直進、マクドナルドの先。上記「麺倶楽部」の跡地。「麺家」も「麺倶楽部」も同じ業者の店で、ベースの味は同じ。違うのは、システム。讃岐うどんスタイルの「麺倶楽部」から一般的な食券スタイルの「麺家」に変わったということ。客席は変わらず多く、テーブル席が計20、椅子付きカウンターが7席ある。店頭に貼り紙類が多く、「しょうゆラーメン始めました」、「カレーうどんが変わりました」、「あんかけ始めました」など、何かとトピックスが多かった。これらをよく見てから、入店を。
  麺は、ザラザラ感が心地よい茹で麺。そばの香りもそこそこあり、関西の茹で麺店舗の中ではかなり上のランクだろう。今回は、きざみあんかけそば360円を実食したため、つゆの味についてはよくわからない(たぶん「麺家」スタンダードだろう)。というのも、あんかけは「かけにあんをかけたもの」だと思っていたのだが、実際には「麺にあんをかけたもの」だったから。あんはとても繊細な薄味だった。もう少し塩辛くてもいいような気がする。おろし生姜付き。冬場にはありがたいメニューなのだが、細かなデメリットとしては値段が少し高い・食べるのに時間がかかる(冷めにくいので)・つゆが重く麺が切れやすくなるといった点が挙げられる。ネギは斜めカット。天かすフリー。焼きカマボコは乗らない。箸はエコ箸。


※値上げしていました。現在、かけ(240→)250円、きつね・きざみ・月見(330→)340円、かきあげ(380→)400円です。スタミナ540円という設定がありますが、これは大阪でよくある「=天玉」ではなく、肉+卵+ワカメという内容になっています。天玉にしてはずいぶん高いので食券を買う前に気づくとは思いますが、一応ご注意を(2017/3、確認)。

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★京橋駅(JR大阪環状線・東西線・片町線、京阪本線、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線)
「駅そば京橋」  実食日:2005/8

  JR大阪環状線内回りホーム前寄り。店の外壁には「うどん」と大きく書いてあるものの、暖簾では「そば」が主になっている。大阪でも、まれにこのような「そば優位」の店を見かける。
  ここのそばは、つゆがやや弱い印象なのだが、カマボコ&たぬきがデフォルトで入り、しかも値段が安い。たぬきなし、かけ190円、きざみ260円、きつね280円、昆布280円である。
  それにしても、大阪環状線はほとんどの駅が相対式ホームになっているため、駅そばを設置しやすいけど利用しにくい。島式ホームだと、駅そばがあるとホームがかなり狭くなってしまうのだが、反面、どちら方面からの列車で来ても、階段を昇降せずに駅そばにありつける。う〜む、どちらがいいのだろうか。


※閉店(「麺家」化)していました(2009/3、確認)。

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「麺家」  実食日:2009/3

  JR3番ホーム桜ノ宮寄り(上記「駅そば京橋」の跡地)。外回りホーム(4番線)にも同名店がある。間口が広くて奥に狭い店内は、立ち食いカウンターのみ。食器返却口が奥まっているので、混雑しているとちょっと不便に感じるかもしれない。
  関西最大手のチェーン店である「麺家」、味覚的には私の舌に合っている。少々ボソボソした感じのある麺、鯖節のような風味が垣間見えるつゆとも、個人的には好き。ただ、ちょっと気になったのは、この店舗は同系他店に比べて若干ボリューム感に欠けるような気がする。麺の重量を量ったわけではないので、器の大小の問題なのかもしれないけれど。その分、と言っていいのだろうか、値段は同系他店よりも安めの設定になっている。かけ220円、きつね300円、かき揚げ350円など。変わりメニューに梅こんぶそば300円があるほか、毎日朝7〜10時限定で「朝定食」(かけ+ご飯+生卵)を300円で販売している。たぬき(天かす)フリー、ネギは斜めカット、焼き色のカマボコが1枚入る。


※値上げしていました。現在、きつね330円、かき揚げ390円です。梅こんぶは終了しているようです。朝限定の定食メニューが2種あり、ともに320円と破格の設定になっています。各種うどんは、50円追加で讃岐うどんに変更可(券売機で変更券を買う)。また、学割そば(うどん)330円という設定もありました(内容は不明)。そば・うどんメニューに「冷やあつ」という括りのメニューがあるのですが、この名称では麺が熱いのかつゆが熱いのか分かりません。もうちょっと分かりやすい表記にできなかったものでしょうか(値−1点、付+1点。2015/8、確認)。

※微妙に改装していました(写真は左:旧、右:現)。値段等、変わっていません(2017/2、確認)。

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「京橋浪花」  実食日:2009/4

  JR北口を出て右、左手のアーケード(京阪京橋商店街北通り)の入口角。店内は雑然としていて立ち食いカウンターのみだが、店先に大きなテーブルを出している。人目につくことを恐れなければ、座って食べることができる。とにかく入れ替わり立ち替わりで多くの人が出入りするので、店内で食べているとなかなか落ち着かないかもしれない。相当流行っている店だ。
  麺は特徴のない茹で麺。つゆは、独特な甘みというか、まろやかさがある。語弊を承知の上で言うと、蛋白系というか、卵の白身のような味わい。天は、大きな川エビが3尾入っていて香ばしい。かけ230円、きつね・天等のスタンダードな具一品系は310円のメニューが多い。たぬき(揚げ玉)は「ハイカラ」と表記(260円)。廉価な変わりメニューに、「ゆずこ」というのがある(240円)。かけ+10円だからあまり大きな期待はしない方がいいだろう(柚子皮の粉末を乗せるのだろうか)が、次回にでも試してみたい。

※閉店(「京橋うどん」化)していました(2018/6、確認)。

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「秀吉」  実食日:2009/11



  京阪改札内コンコース。中央口改札と片町口改札のちょうど中間辺り。店内は広く、立ち食いカウンターとテーブル席、合わせて25人くらい収容可能。有人レジで先払い(注文時払い)のシステム。
  この店のそばは、頑固なほどにストレートな麺が印象的。こういうのを「ピンそば」と言うのだろうか。だから、勢いよくすすり込むと、つゆの飛沫が激しく飛び散る。ただ、麺自体はそれほど固いわけではない。つゆは、関西では珍しく甘みが非常に強い。地元ではかなり特徴的な味覚という印象が定着しているのではないだろうか。かけ230円、天300円。天の具材は小エビ少々のみ。変わりメニューに、梅そば280円、秀吉そば(エビ天+おぼろ)370円。


※2013/8、再食。なんと、値下げしていました。現在は、梅・天ぷらとも250円です。かけも250円なので、この店でかけを注文する手はないでしょう。ただし、朝7〜10時に限り、かけは150円になります。これはたいへんお得です。ちなみに、店名はこれまで「ひでよし」だと思っていましたが、正しくは「ひできち」と読みます値+2点)。

※外観のみ、改装していました(写真は左から2枚目)。また、値上げしていました。現在、梅・天ぷらとも280円です。他メニューも一律値上げしていますが、モーニングのかけ150円だけは据え置かれています。涙ぐましい努力を感じます(値−1点。2014/11、確認)。

※2018/5、公式取材にて再食。まず、主要メニューのサンプルケースが、店の外に出されました(写真は右端が最新)。キャスターが付いているので、毎日閉店時に店内にしまうんでしょうかね。店内フロアを広くして、集客力を上げようという意図がうかがえます。そして、値上げというか、価格構成が大きく変わっています。かけは現在230円で、20円の値下げですが、一部の種物は値上げしています。現在、天・梅は330円です(値−2点)。かきあげは330→380円と値上げ幅がかなり大きいです。一方、月見は280円で据え置き、きざみは280→290円と僅少の値上げになっています。また、残念ながら、モーニングのかけ150円は終了しています。
  公式取材ということで、未食メニューを試したい気持ちを抑えて梅そばを再食。内容は、2013年の訪問時(このときも梅そば実食だった)と変わっていません。大玉の梅干し1個まるごと(種あり。以前よりも少し長く天日に干したものになっているかも)と、刻み海苔のトッピングです。梅干しの酸味がなかなかに容赦なく、口をすぼめたくなる酸っぱさです。これほど硬派な梅そばは他店ではなかなかお目にかかれないので、この店ならではの特徴として、これはこれで良いと思います。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ250円、天・梅350円、かきあげ400円、月見300円です(値−1点。2020/2、確認)。

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「麺家」  実食日:2011/3

  JR1番ホーム(東西線上り)北新地寄り。複雑な形をした立ち食いカウンターのみの店。食券に「あじさい」と印字されていることから、かつては「あじさい」という店名だったと推察できる。
  味覚的には、3つ上に記載している「麺家」と同じである印象。ただし、3つ上の「麺家」ではボリューム面に関してマイナスのコメントをしているが、今回はそのような印象はなかった。月見280円、きつね300円など。天かすはフリー。ただし、すぐに溶けてゾル化するタイプなので、入れすぎに注意。箸はエコ箸。


※値上げしていました。現在、月見300円、きつね320円です。うどんは、50円増しでさぬきうどんに変更することができます(2014/11、確認)。

※改装していました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、現在は月見310円、きざみ・きつね330円になっています(値−1点。2017/2、確認)。

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「ゑびすうどん」  実食日:2015/3

  JR北口を出て右、「京橋うどん」(旧「京橋浪花」)の角を左に入って20秒、右側。大阪市の北部に同名店がいくつかあるが、大阪ではいろいろな業界で「えびす」という店名や愛称がしばしば用いられるし、表記や雰囲気も若干異なるので、同一チェーンなのかどうかは判断が難しい。千林大宮駅で、一度同名店で実食したことがある。天満駅近くにも同名の未食店舗があるようだ。間仕切りはなく、ビニールのカーテンで覆ってあるだけの半露出店。ビニールカーテンがマグネットで固定されてあるため、ちょっと出入口が分かりにくい(ここかなと思って開けようとするも、なかなか開かない)。東京ではなかなか流行らないタイプの店だが、大阪にはこのような半露出店が結構多く残っている。客席は、立ち食いカウンター5人分くらいと、8人掛けの長テーブルがある。
  麺は、ツルツル食感の茹で麺。千林大宮の同名店の記事には「ザラザラ」と書いているので、印象は違っていたということになる。つゆは、千林大宮と同じように薄味で美味。出汁の香りは弱めだが、口当たり・余韻も爽やかでよい。たぬきは、ハイカラという名で300円。天320円など、メニュー数は標準的か。実食は、天。水滴型の大判天ぷらで、川エビくらいのサイズのエビが2匹入っている。形といい風味といい、「阪急そば」の天によく似ている。この一杯を以って判断するのは早計な気もするが、メニュー構成もだいぶ異なることだし、暫定的に千林大宮とは別物だと考えることにしよう。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。入店していないので全メニューの確認はできませんでしたが、天は340円に上がっています。店名は「うどん」のままですが、日除け部分に「元祖極ラーメン」とあるように、ラーメンもしっかり扱うようになっています。ただし、ベーシックな醤油ラーメンでも700円するので、立ち食い価格ではありません。これだったら、私は迷わずそば・うどんを注文するでしょう(値−1点。2019/8、確認)。

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「麺家」  実食日:2016/8

  JR4番ホーム桜ノ宮寄り。これまで3番ホームの店舗と同一店とみなしていたのだが、サイトの運営方針変更に伴って別店として掲載することにしたため、改めて記事を立てる。店内には壁に沿ってぐるりと立ち食いカウンターが巡らされていて、20人ほど収容可能。ホームの駅そばとしては、規模が大きい部類か。
  味覚的には、「麺家」スタンダード。麺は、グレーが濃く少しざらつきのある茹で麺。歯切れがよく、やや硬質。首都圏で多くのファンを抱える「むらめん」の茹で麺(黒)を彷彿とさせる味わいで、なかなか私好み。つゆは、口当たりが上品で淡麗な印象を受けるのだけれど、出汁がしっかり利いているのと、ほどよく塩気があるので、そばに合わせても違和感があまりない。キリッとした端正なつゆで、これも私好みだ。かけ250円、月見310円、きざみ・きつね330円、かきあげ400円など。関西にしてはやや高めな設定になっている(首都圏なら平均くらいか)。実食は、きざみそば。刻み揚げはあまり厚みがなく、歯ごたえ強めのもの。悪くはないんだけど、つゆにあまり馴染まない分、ちょっと好みから外れるか。もう少しフワッとしていて、つゆをたっぷり吸ってジューシーになるタイプの刻み揚げの方が好き。焼き目のついたカマボコと斜めカットの青ネギを乗せ、よりいっそう上品な仕上がり。フリーの天かすを加えるのがちょっと野暮だと感じるほど、見た目にきれいだ。ちなみにこの天かす、つゆに沈む。揚げがオーバー気味だったからなのかな、かなり違和感があったのだが。50円増しにて、讃岐うどん・五割そばに変更可。朝限定メニューに、朝定食(かけ+ごはん+生卵+お新香)320円、朝きざみ定食(きざみ+おにぎり1個)320円。朝きざみ定食は、きざみそばよりも安い設定なので、お得感満載だ。箸はエコ箸。


※2018/6、再食。夜行バスに乗る前の腹ごしらえに、牛肉カレーうどん440円をいただきました。関西のカレーうどんとしては一般的な、つゆなし(麺の上に出汁入りのカレールーをかける)タイプです。これだとボリューム感が出ないので、見た目がやや貧相。ただ、味はよかったです。カレーは中辛ですが、スパイス感がそこそこあります。牛肉は脂身の多い細切れで、カレーの上からトッピングするスタイル。どういうわけか、刻み揚げも一緒にトッピングされていました。刻み揚げはカレーをたっぷり吸うので、ジューシーになるうえスパイシーさも加わり、結構美味しいです。440円なら充分合格点でしょう。
  平日22:00頃の訪問で、先客1・後客3。夜遅くまで、それなりに需要がある様子です。全員スーツリーマンでした。


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「都そば」  実食日:2016/9

  JR・京阪の乗換口を出て、JRの場合は右(京阪の場合は左)へ。広い歩道を歩き、車道に出たところで左向け左、路地向かい。店舗名は「京阪京橋店」。わりと大きな交差点の角地にあり、角が面取りされた形状の建物なので、間口がとても広く見える。ただ、店内はそれほど広くない。椅子はなく、厨房を囲む立ち食いカウンターのみ。キャパは10人くらいだろうか。平日15時頃の訪問で、先客0・後客1。駅から近いとはいえ、メイン動線からはちょっと外れている場所だし、閑散時間帯はこんなもんか。
  麺は、あまり味のない茹で麺。都そばにしてはツルツル感が弱く、また少し細いようにも感じたのだけれど、気のせいor誤差だろう。つゆは都スタンダードで、これといった特記事項なし。この日連食した住吉駅「ぶん太」と比べると、醤油の香り・カツオ系の出汁感とも強い。最初のひと口である程度満足させようという意図を感じるつゆに仕立てているのだろう。かけ240円、天320円、かき揚げ350円など。かき揚げが自家製を謳っていたので、かき揚げそばを実食してみた。が、厨房内に揚げ場は見当たらず(バックヤードにあるのかもしれない)、揚げ置きでしんなり。サクサク感はまったく感じられなかった。具材にはささがきのゴボウを使っているのが特徴で、食感・風味とも見た目の印象より存在感が強い。店舗限定っぽいものは特になし。近年、「都そば」ではラーメンを3種類用意する店舗が多くなっているのだが、この店舗のお品書きには1種類(ラーメン400円)しか掲載されていなかった。


※値上げしていました。現在、かけ250円、天330円、かき揚げ360円です。ラーメンは400円で据え置かれています(値−1点。2018/5、確認)。

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「京橋うどん」  実食日:2018/6

  JR北口を出て右、左手のアーケード(京阪京橋商店街北通り)の入口角。上記「京橋浪花」の跡地。跡地というか、看板等部分的にリニューアルされてはいるけれど、ほぼ居抜きで替わった店。雰囲気といい店名といいメニュー構成といい、もしかしたら「京橋浪花」の店名変更なのかなとも思ったのだが、聞いたところ「京橋浪花」とは全くの無関係だという。間口は広いが奥行きがなく、店内手狭。立ち食いカウンター7〜8人程度のみ。これでは客をさばききれないのだろう、店頭に長テーブルが出されており、こちらで座って食べることもできる。10人分程度のベンチがあるが、長テーブルのキャパが丼10杯分もないと思う。こちらも、まぁ7〜8人といったところか。ちなみに、「京橋浪花」時代に隣接(向かって左側)していたタバコ店は閉業しており、このスペースに券売機が設置されている。受け渡しはカウンター越しに行われるのだが、返却口というものはなく、みな店頭の冷水ポットが置いてあるスペースに空き食器を置いて退店していく。聞いたところ、それでよいらしいのだが、これだと店員さんがいったん厨房の外に出ないと食器を片づけられないので、ちょっと不便であるように思う。フロアが狭いから、返却口を設けるくらいなら立ち食いカウンターを1人分でも多くしたかったということかな。空いているタイミングであれば、ちゃんとカウンター越しに返却するようにしたい。
  今回が初食なのだが、いきなり公式取材ということで、今回はそばではなくうどんの実食になった。いずれそばも食べるが、ひとまずうどんで暫定的な評点を付けることになるので、ご了承を。麺(うどん)は、大阪らしい柔らかめでエッジのない茹で麺。つゆは、昆布ではなく魚介系が前面に出たもの。ただ、酸味は感じないので、カツオ中心ではない。おそらくウルメなど小魚系が主体だろう。かけ240円、はいから280円、きつね・きざみ330円、かき揚げ天370円など。「京橋浪花」時代よりは少々高い設定になっている。「京橋浪花」時代の特徴的なメニュー「ゆずこ」を引き継いでいると思われる「柚子胡椒」250円がある。今回いただいたのは、少々変化球気味のネギごまラー油うどん310円。柚子胡椒もそうだが、変化球メニューがずいぶん安いので、気軽に試せるのは嬉しい。トッピングは、ネギ増し+すりゴマ+ラー油。なるほど、特段豪華な食材を使っているわけではないから、変わりメニューでもこの値段で出せるということか。安い食材を組み合わせて美味しいものを作るのは、大阪人の得意技。その真骨頂とも言えるメニューかもしれない。ラー油のまろやかな辛さがゴマの香ばしさと絡み合い、なかなか美味しい。ご飯ものは、サイドメニュー的なもの程度。単行本のどこかで使えるだろうと思い、巻寿司150円も食べておいた。巻寿司は、関東の駅そばではほとんど扱う店がないが、関西では結構ポピュラー。おにぎり・いなり・巻寿司・バッテラが関西ご飯もの四天王と言える存在。この店にあるご飯ものも、見事にこの四天王。その巻寿司は、いわゆる五目太巻きで、干瓢・キュウリ・玉子焼き・椎茸煮・でんぶなどが入っている。まぁ、関東の太巻き寿司とあまり変わらない内容だ。トータルの印象としては、「京橋浪花」よりも今風な味になっているかなと感じるけれど、ノスタルジーも感じられる雰囲気が継承されたことは喜ばしい。看板が色褪せて、よりノスタルジックな雰囲気に染まるまで、長く続くことを願う。


※2018/10、再食。前回の初食がうどんだったので、今回こそそばをということで、肉そば420円をいただきました。麺はややグニグニした食感の茹で麺。つゆはうどんと同じ。関西にしてはやや甘めです。肉は脂身の多い牛肉でした。ちょっと固くなっていましたが、旨みはほどよく、つゆとの相性も良いです。
  平日13:00頃の訪問で、先客7・後客4。まずまず入っているほうだと思いますが、「京橋浪花」時代にはもっと入っていたような気もします。常連客が離れてしまっていなければいいのですが。


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「松屋」  実食日:2018/10

  JR北口を東(右)に出て、ガード沿いの路地へ。上記「ゑびすうどん」の前を通過して、信号で国道1号線を渡り、そのまままっすぐアーケードの商店街(新京橋商店街)に入ってすぐ右側。駅歩3分くらいか。間仕切り開放でパーティッションの目隠しあり。客席は厨房を囲むL字型立ち食いカウンターのみ。キャパは7〜8人といったところ。
  麺は、そこそこそばの香りがある茹で麺。少しネットリとした歯触り。つゆは昆布出汁中心で、極端ではないがやや辛め。かけ180円、天270円、玉子240円と激安。実食は、天。天は水滴型ドンベ。つゆに浸かるとすぐにふやける。カピカピに乾いた小エビが2尾入っていた。見た目には「阪急そば」の天に似ているが、エビが明確に異なっている。余談だが、店頭掲示のメニュー表記がちょっと面白い。たぶん書き間違いとかだと思うのだが、かけは「カけ」、天は「天プラ」、きざみは「きザミ」、カレーライスは「カレライス」になっている。また、ラーメンは、脇に落書きされていて「ラーメンマン」と読める。なんか、微笑ましい。興味深い点としては、きつねが「あげ」表記になっていることが挙げられる。大阪で一般的な表記「きつね」「たぬき」だと2行取ってしまうからだろうか。また、天のほかにかき揚280円があるのも、ちょっと興味をそそられる。店内に揚げ場があるようには見えないのだが、いったいどんなかき揚げが出てくるのやら。
  平日13:30頃の訪問で、先客1・後客1。ワンオペとはいえ、この時間帯にこの客数で、どうしてこの値段でやっていけるのか、不思議。すぐ近くにかけ120円の「もとや」があって、安さがあまり際立たないのが辛いところだろうか。


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「もとや」  実食日:2019/8

  JR北口を東(右)に出て、ガード沿いの路地へ。信号で国道1号線を渡り、そのまままっすぐアーケードの商店街(新京橋商店街)に入る。上記「松屋」を通過して1分、右側。そば・うどんを扱っているので当サイトの対象にするが、基本的には定食屋。激安の店として、大阪のみならず東京でもその名が知られている。ちなみに、有名なこの店舗には「南店」という店舗名がある。ということはチェーンなのかなと思って調べてみると、この店からさらに1分ほど歩いたところに本店があった。とりあえずは駅に近い南店から実食するけれど、近いうちに本店にも行ってみたい。客席は形や大きさが揃っていないテーブル席のみ。2人掛けから6人掛けまであって、計22席くらい。精算は後払いになっている。たいへん混雑激しい店舗なのに、伝票も使わず自己申告での後払い。性善説の店だ。配膳してくれるし、下げ膳も不要(席に残して退店)。
  この店のかけそば(焼き海苔入り)は、現時点で私が知る限りでは全国最安値となっている。なんと、120円だ。麺は、エッジのない茹で麺。色はわりと黒味が強いのだが、そばの香りはほとんどといっていいくらい感じない。関西ではわりとよく目にするタイプで、「松屋」に近いだろうか。つゆは、分かりやすい昆布出汁。というか、とろろ昆布のような酸味を伴う昆布出汁だ。たぶん、ズバリとろろ昆布なのだと思う。普通の昆布に比べて短時間で出汁を抽出できるだろうから、手間を省いたぶん安く提供できるというカラクリだろうか。まぁ、極端にまずいわけではないので、値段にこだわるのならこれもアリかなと思う。種物の値段は、きつね180円、天280円、肉300円など。いずれも安いのだが、かけ120円の前にはややかすんでしまう。ご飯ものも安いから、この店でそばを食べるならひたすらかけがいいと思う。私は、カツ丼330円とかけそばを注文。フル丼+フルそばのセットで、ワンコイン範囲内の450円。いくら簡易的に作っているとはいえ、これで店が成り立っているのが不思議だ。しかもカツ丼は、330円のものとしてはほぼ100点満点をあげられるような出来栄えだった。ちゃんと店内で調理していて、成形肉ではなく薄めながらも豚ロースの一枚肉を使っている。タマネギと一緒に玉子でとじる塩梅も、まぁ悪くはない。ボリューム的にも、「富士そば」のかつ丼より多いくらいだ。しかも、味噌汁も付く。立ち食い系の店であっても、少なくとも500円以上は取っていい内容だと思う。この店が自宅近くにあったら、週6くらい通ってしまいそうだ。箸は割り箸。
  平日21:00頃の訪問で、先客11・後客6。安さがハンパないだけあって、この時間帯でも大賑わいだ。空いているタイミングで入っても、後客が押し寄せる可能性大。ひとりで入るなら、相席は覚悟して。客層は比較的若い男性が主だが、たまに一週間くらい風呂に入っていなそうな爺さんも来る。今回はたまたまそんな爺さんとの相席になってしまった(席に着くなり爪楊枝で耳かきを始めた。勘弁してくれ)のが若干印象を下げたけれど、それさえなければ衛生面にも特段の問題はない。空いているところに座るのではなく、敢えて最初から、問題なさそうな人と相席になる席に着くのが吉かな。


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★天満駅(JR大阪環状線)
「都そば」  実食日:2009/8

  改札を出て右、駅を出て左、アーケードの商店街入口手前。このアーケード商店街は、日本一長い商店街として有名な「天神橋筋商店街」である。比較的新しい店舗なのだろうか、阪神尼崎の「第二尼崎店」同様、旧来の「都そば」とは異なるタイプの看板を掲げている。立ち食いカウンター1本だけの小型店。
  味覚的には、「都そば」スタンダード。太くてツルツルした麺に、やや薄っぺらい印象のつゆ。不味くはないが、強く印象に残るような味でもない。値段も「都」スタンダードで、かけ220円、具一品系は290円から。290円の「天ぷら」とは別に「かき揚げ」がある(310円)。天ぷらは小エビが入っているだけのインスタント天ぷら、かき揚げは野菜が中心の具だくさん天ぷら。具だくさんではあるが、味覚的にはようやく首都圏の「あまり天ぷらにはこだわっていない店」のレベルに追いついているかな、という程度。むしろ、20円安い「天ぷら」の方が、個人的には好み。関西らしさを楽しむ、という意味でも。

※値上げしていました。現在、かけ230円、具一品系は300円〜となっています。かき揚げは350円まで上がっています(値−1点。2014/11、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は左:旧、右:現)。色褪せただけのように見えるかもしれませんが、現在の暖簾は右下の染め抜きワンポイントがありませんので、別ものだと分かります。値上げして、現在はかけ250円、具一品系330円〜、かき揚げ360円になっています(値−1点。2018/6、確認)。

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「大一そば」  実食日:2010/10



  改札を出て右、駅を出て左、上記「都そば」を通過して天神橋筋商店街を右折してすぐ右側。千林駅近くに支店があるミニチェーンの本店。間口が狭くて奥に長く、椅子付きカウンターが中心。2階席もある様子。いずれも、千林の「大一」と共通している。
  この店の麺は茹で麺のようだが、比較的そばの香りが強い。つゆは、おぼろ昆布がサービストッピングされるためもあって、昆布一辺倒な味覚。麺とつゆの相性は、わりといい方であると思う。かけ200円、天270円など。千林の「大一」と値段が違っているのは、値上げしたからだろうか。また、千林で実食したときには見当たらなかった「黄天そば」があった(270円)。これは、中華麺を使った「姫路えきそば」類似メニュー。ルビは振られていなかったが、おそらく「きぃてんそば」と読むのだろう。ワンポイントとして、飲み水が麦茶になっている点にも言及しておく。


※値上げしていました。現在、かけ210円、天280円、黄天280円です。天とは別にかき揚げ310円があります。玉子とじ330円は関西では珍しくありませんが、とりとじ480円、肉とじ480円といった派生メニューもあります。びっくり320円もありますが、これは「おおがけ」でしょうかね(未確認)。麺類単品も安い設定ですが、カレー丼セット480円などセットメニューも安くて充実しています。なお、看板が変わって外観の印象がだいぶ変わっていました(写真は左:旧、右:現。2014/11、確認)。

※暖簾が変わっていました(写真は右端が最新)。色が変わっていますがデザインは変わっていないので、季節変動の可能性もありそうです。ただ、季節変動の場合、「冬季=赤系、夏季=青系」とするのは珍しいです。値段等、変わっていません(2018/6、確認)。

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