南 近 畿
(奈良・和歌山)

現在、15軒掲載(うち8軒は、閉店確認済)
★奈良駅(JR関西本線・桜井線・奈良線・片町線)
「つくし」  実食日:2011/8

  東口を出て、ロータリーを右に回り、信号で県道を渡って左へ30秒。奈良交通バスターミナル内にある。店に入ると正面に食券販売機がドンと鎮座していて、その裏手に厨房と客席がある。客席は、厨房に向いた椅子付きカウンターが少々と、テーブル席がたくさん。
  この店のそばは、優等生タイプ。強烈なインパクトがあるわけではないが、すべての要素が水準以上でまとまっている感じ。麺は、歯ごたえ強めで、ほどよくざらつきがある。つゆは薄味で、口当たりが柔らかく上品なタイプ。盆乗、レンゲ付き、割り箸は竹製の天削と、細部に至るまで品がよい。一方では、天かすフリー、水のほかに麦茶も用意しているなど、サービスも充実している。実食したしめじそば(カマボコ入りで400円)は、淡く味付けをしたシメジがたっぷりトッピングされていた。ちょっと、シメジが多すぎるくらい。半分にして350円、が理想的か。他のメニューは、つくし(かけに相当)300円、きざみ350円など。ご飯もの、一品料理、酒類も揃っている。100円均一のつまみが多数ある(軟骨唐揚げ、ゲソ揚げなど)ので、安く飲むには穴場かもしれない。


※閉店していました。バスターミナルビル自体が解体されています。というか、今回閉店確認の意味も含めて(移転ではないことを確認するため)ググってみて気づいたのですが、この店は奈良交通の直営だったんですね。大和八木駅の店舗がまだ生きているよう(少し値段が高いが)なので、今度行ってみることにしましょう(2017/3、確認)。

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★生駒駅(近鉄奈良線・けいはんな線・生駒線)
「う丼や」  実食日:2011/1

  けいはんな線が学研奈良登美ヶ丘まで開通して一大鉄道ジャンクションとなった生駒駅だが、残念ながら改札内には駅そばがない。駅舎内にもない。あるのは、駅南口を出て道路の向かい。駅出口と直結しているペデストリアンデッキで道路を渡ると行きやすい。本音を言えば改札内に店が欲しいところではあるが、奈良線・生駒線とけいはんな線は別改札になっている(乗り換えにも改札を通らなければならない)ため、改札外の方が合理的という見方もできる。店内は椅子付きカウンターのみで、席数は約10。あまり大きくはない店だ。
  麺は、これといった特徴のない茹で麺(袋麺)。湯通し時間がずいぶん長かったように感じたが、生や冷凍ではない。つゆは、とろろ昆布の風味が前面に出たタイプで、美味。インパクトは弱いが、全体的に良くまとまった味覚だと思う。かけ280円、スタンダードな具一品系は330円が中心。変わりメニューに、チゲ風そば380円がある。試してみたかったが、つゆの味が分からなくなりそうだったので、次回以降のお楽しみに。また、全てのトッピングが、昨今流行りの「和風ラーメン」に対応している。そば・うどんに比べて50円増しになってしまうのが玉に瑕だが。


※だいぶ値段が上がっていました、現在、かけ330円、スタンダードな具一品系は380円が基本です。和風ラーメンはさらに値上げ幅が大きく、全メニュー「そば+100円」の設定になっています。チゲ風そばは終了。券売機のボタンが64個あって、そのうち62個が稼働。かなりメニュー数が多いです。変わりメニューはご飯ものが多く、うなぎ丼680円、えび天とじ丼500円、牛&玉子丼450円(牛丼と玉子丼のハーフ&ハーフ)などがあります。あと、ちょっと面白いのが、スタミナそば480円。関西では「天+卵」を指すことが多いメニューですが、この店では「天+きつね+卵」になります。「天+卵」のメニューは、天ぷら月見430円という名称。券売機の各ボタンに小さな写真が出ているのでそう混乱することはないですが、関西の駅そばはメニュー名をめぐる謎が多いですね(値−1点。2015/9、確認)。

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★大和西大寺駅(近鉄奈良線・橿原線・京都線)
「二条庵」  実食日:2009/8

  改札内コンコース。立ち食いカウンターのみの店だが、規模はそれなりに大きく、15〜20人くらい収容可能。実食が朝の通勤ラッシュ時間帯だったこともあり、多くのサラリーマンで賑わっていた。そば・うどんだけでなくラーメンやご飯もの、酒類、つまみなども扱うこの店、時間帯によっていろいろな表情を見せそうだ。
  この店のそばは、少々モサモサした食感の麺に標準的な関西風のつゆ。ヒガシマルのような味覚。値段が安めであるのに、つゆをたっぷり注いでくれてボリューム感があるのが嬉しい。かけ220円、スタンダードな具一品系は300円のメニューが中心。変わりメニューにデラックスそばというのがあるが、650円と高値。また、天玉わかめそばを250円という安価で提供している。お得だと思って実食したが、トッピングは揚げ玉とわかめだった。この店では、揚げ玉を「天玉」と呼んでいるらしい。関東人には誤解を招きそうなメニュー名だ。それでも、揚げ玉+わかめで250円なら、300円メニューよりもだいぶお得な感じはする。


※ほとんど「七つの間違い探し」のレベルですが、微妙に改装しています(写真は左:旧、右:現)。新メニュー「かすうどん」(そばにも対応)が登場していました(付+1点。2011/1、確認)。

※2014/11、再食。浅利そば330円を試しました。むき身のしぐれ煮をトッピングします。生姜も利いていて生臭さがないので、そばに乗せても違和感はありません。煮汁が染み出るタイプではなく、つゆの味には強く干渉しません、悪くないと思います。欲を言えば、盛りつけをもう少し工夫してほしいです。丼の端に乗せるとアサリがつゆに沈んでしまい、アサリがちょっとしか乗っていないように見えてしまうので、丼の真ん中に乗せた方がいいと思います。かけ220円は値段据え置きですが、種物はおおむね値上げしています。メニューによってかなり値上げ幅にばらつきがあります。現在、天玉わかめ300円、きつね・天各320円、かす450円です(値−1点)。


※閉店というか、「あみ乃」化していました。「あみ乃」も当サイトの掲載対象となる店ですが、今回は満腹のため実食せず。近いうちに再訪して食べてきます(2021/5、確認)。

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★新大宮駅(近鉄奈良線)
「遊食菜館(しゅう)」  実食日:2009/8

  駅を南側に出て右、駅舎に沿って30秒。麺類スタンドの「しゅう」、立ち飲みコーナーの「じゅん」、惣菜店の「かず」がセットになって、「遊食菜館」という集合店舗を形成している。食券には「遊食菜館」と記載。客席は「しゅう」と「じゅん」は共通で、立ち食いカウンター1本のみ。10人くらい収容できるだろうか。
  麺は冷凍だろうか。随分と長いこと茹でていたが、コシというよりも弾力があるタイプで、生麺っぽくはない。弾力がありながら、中に鬆が入っているような、面白い食感。つゆは、色合いとしてはほとんど透明に近いほど薄いのだが、飲んでみると結構塩分が濃い。天かすフリーが嬉しいサービスだ。たぬきなし、きつね350円、天390円など。24時間営業しているので、いろいろな使い方ができそうだ。


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★大和八木駅(近鉄大阪線・橿原線)
「きよす」  実食日:2006/7

  改札出て正面。「和食店」ということになっているが、そば・うどんがメイン(定食類やラーメンなどもある)で、やや高めながら駅そば価格なので、駅そばのカテゴリーに入れて問題ないだろう。
  ここのそばは、関西風のつゆではあるが、比較的色は濃い。塩っ気が強めのタイプである。麺は細めの冷凍麺。可も不可もない印象。カマボコが2枚入るのは関西らしいところか。たぬきなし、かけ300円、きつね400円、天・肉・カレー500円。変わりメニューというほどではないが、駅そばではあまりお目にかかれない「玉とじそば」(400円)を用意している。なお、この駅には1・2番ホーム(大阪線下り)にも「八木麺類」という駅そばがある(未食)。

※ホーム上の「八木麺類」は、消滅しています(2009/4、サイトリニューアル時確認)。

※閉店していました。駅舎及び周辺の整備工事があったようで、それに伴っての閉店と思われます。少し場所を移して「つくし」がオープンしていますが、うどんのみでそばは扱っていないようです(2013/8、確認)。

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「つくし」  実食日:2018/5

  高めの値段、配膳付きで後払いというシステム、そばよりもうどんが中心のメニュー構成(というか、うどんのみかと思っていた。そばの扱いがあったことにむしろ感激)。駅そば要素の少ない店で、対象に含めるかどうかでたいへん悩んだ。しかし、奈良駅の店舗を対象に含めている(閉店済み。セルフサービスで、大和八木店よりも安めの設定だった)のと、公共交通系の会社が運営しているということで研究材料として有用と判断し、特例を適用することにする。地方&駅舎内&現状では他に対象となる店がない駅でもあることだし。場所は、北口を出て右、駅舎外側。路線バスがメインの奈良交通が直営している。客席はテーブル席のみで、30席くらいだろうか。
  今回は公式取材だったということもあり、そばではなくうどんの実食。評価もうどんのものなので、参考程度に。そばもいずれ実食しようと思っているが。麺は、近畿地方にしてはわりとコシのある冷凍麺。つゆは、カツオを最前面とした魚介系のブレンド出汁。わりとまろやかで、薄味だけど美味しい。実食は「しめじうどん」。奈良県吉野産シメジの田舎煮(佃煮のようなもの)をトッピングする。甘辛い味付けと、ジュクジュクとした菌繊維の歯ごたえが、うどんにもよくマッチする。ご飯にのせた(あるいは、酒の肴にした)方がもっと美味しいであろう食材だと感じたけれど。かつて奈良店にもあったメニューだが、フルサービスの大和八木店では570円と高めの設定になっている。他メニューは、かけ360円、きざみ460円、きつね500円など。少なくともかけ360円については、問題なく当サイトの対象に含められる価格帯。変わりメニューに、超辛600円(1辛・3辛・5辛から選べる)、全部乗せ系の「つくしスペシャル」1000円など。また、シメジの田舎煮を含む組み合わせメニューがいくつかあり、「しめじうどん」よりも割安に感じる設定になっている。シメジの田舎煮・きつね・梅・ワカメを乗せ、しかも麺が大盛りになる「畝傍」570円あたりが一番お買い得だろうか。ちなみに、畝傍とは近くの地名で、「うねび」と読む。ご飯もの・酒類・一品料理もいろいろあり。ほろ酔いセットは、ドリンク一杯+つまみ3品で500円とお値打ち。そして、学割メニューが充実している。学割うどんは340円で一般向けの「かけ」との差額20円だが、学割きつね400円、学割激辛340円、学割肉430円あたりは100円以上の差額になる(しかも、麺は2玉まで同額)ので、かなりお得だ。学生時代に戻りたい……。


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★和歌山市駅(JR紀勢本線、南海本線・和歌山港線)
「南海そば」  実食日:2008/8

  南海改札脇にある立ち食い専門店。この場所にあるのなら改札内外両側から食べられるようにできそうなものだが、どうも改札内側にしか窓口がなさそうな造りだ(改札外に出ていないので確証はない)。JRと南海のターミナル駅だから、JRユーザーも利用できるように改札外にも窓口を設けた方がいいのではないかと、お節介なことを考えてしまう。
  麺は特徴のない茹で麺、つゆはやや味が薄い。カマボコが1枚入る。値段的には、スタンダードな具一品系は270〜310円のものが中心。天系としては天310円と野菜かき揚げ290円がある。野菜かき揚げはニンジン・タマネギ・小エビなど具だくさん。天がインスタントだとすれば、圧倒的に野菜かき揚げの方がお買い得。変わりメニューとしてはそうめんがある(値段忘。夏場のみか?)。ガラスの器に、氷水に浸かった状態で出される。これは涼をとるのにちょうどいい。なかなか気の利いたメニューだと思う。


※2013/8、再食。看板・暖簾等が変わっています(写真は左:旧、右:現)。この店の名物「そうめん」を試しました(420円)。ガラスのボウルに、氷水に浸かった状態で出てきます。夏場には気持ちいいこと請け合いです。トッピングは薬味(ネギと椎茸)のみですが、麺の量が多いので、1杯で結構満足できます。辛味は、ワサビ・ショウガから選択できます。

※値上げしていました。現在、野菜かき揚げ320円です。天は「えび天」と名を変え、360円になっています。かけ240円、具一品系は280円〜。同日訪問の難波駅「南海そば」と比べて、かけの値段は同じなのに種物は20〜50円程度安い設定になっています。客数的には難波の方が圧倒的に多いと思うので、この設定はちょっと不思議です(2017/2、確認)。

※駅舎改築工事に伴い、閉店していました。大規模工事が進んだ現在、跡地の特定が難しい状態になっています。駅構内(改札内)には、トイレとアンスリー(コンビニ)が新しくなってオープンしていますが、駅そばが復活しそうな気配は感じられません。和歌山県は駅そば不毛の地なので、なんとか復活してほしいところなのですが……(2018/5、確認)。

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★和歌山駅(JR紀勢本線・和歌山線、和歌山電鉄)
「うどん・そば」  実食日:2009/12

  2・3番ホームにある露出店。一応、「阪和第一食堂」という正式店名があるらしい(情報が寄せられている)のだが、表記が見当たらなかったため店名とは考えない。キヨスク売店・弁当販売店と一体になった建物で、おばちゃんはそばコーナーと弁当コーナーを兼務している(キヨスクは別)。
  麺はややゴワゴワしていて、湯通しが不足しているかなという印象。つゆは色が薄く、味覚的にも薄味。それなりに余韻があったので、物足りなさは感じなかった。私が訪れたときに厨房に立っていたのはかなりご年輩の方で、盛りつけるときに手がプルプル震えていたのが印象的だった。特に、ネギを盛るのに悪戦苦闘していた。特に減点対象とはしないが、そろそろ引退してもいいんじゃないの? と声をかけたくなってしまった。たぬき(きつね)310円、天380円。天はエビ一尾。


※値上げしていました。現在、たぬき(きつね)320円、天390円です(2014/8、確認)。

※閉店していました。建物撤去済みです(2018/3、確認)。

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「水了軒」  実食日:2010/10

  JR4・5番ホーム南寄り。露出店で、ピンクのパステルカラーの店舗はどことなくクレープ屋を連想してしまう。客席は立ち食いカウンターのみで、キャパはせいぜい4人。駅弁の販売もある(水了軒は駅弁業者)。
  そばの味は、一長一短か。麺は柔らかすぎる茹で麺で、まったく歯ごたえがない。反面、つゆは清涼感があって美味しい。評価が相殺されてしまうのが残念だ。言わないと飲み水が出てこないのはマイナス材料。かけ220円、天370円など、そば・うどんのメニューは4種のみ。加えて、和歌山ラーメン400円がある。丼が、車内持ち込みできそうな薄っぺらいプラスチック製のものなので、手持ち食いには向かない。カウンターが空いていなければ、空くまで待とう。


※2013/8、再食。「和歌山ラーメン」を試しました(400円)。個包装の液体スープをポットのお湯で溶くだけの簡単なラーメンですが、味は悪くないです。ちゃんと豚骨醤油仕立てになっています。麺は、生麺を注文後に茹でます。チャーシューが2枚乗るので、400円ならそこそこのCPだと思います。地元の中高生から観光客風の老夫婦まで、幅広い客層に支持されているようで、逆にそば・うどんを注文する人が少なくて心配になるほどでした。

※「当分の間、休業」の貼り紙が出ていました。現在、利用できません。「閉店」とは明言されていないので閉店扱いにはしませんが、営業再開する可能性は低そうです(2014/8、確認)。

※閉店していました。建物撤去済みです。跡地は厳密に特定できませんでしたが、たぶん自販機コーナーだと思います(2018/3、確認)。

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★御坊駅(JR紀勢本線、紀州鉄道)
「御坊あしべ」  実食日:2004/10

  駅を出て左にある、駅そば兼大衆食堂兼駅弁屋兼クレープ屋。私が行ったときには店員が一人だけで、一人ですべての窓口をまかなっていたため、大忙しだった。紀伊半島には、このような「半駅そば」が多い。駅の利用者(周辺域の人口)が少ないから、純粋な「立ち食いそば」では経営が成り立たないのだろう。
  バタバタした店だったから、味の方はあまり期待できないなと思っていたら、案の定だった。たぬきがなかったので天を食べたのだが、つゆをがぬるくて、麺もぬるかった。中途半端な時間だったから、火を落としていたのだろう。それから、ここへは2人で食べに行ったのだが、天は見事に半月型で、私のと相方のをくっつけると円形になる。つまり、1つを2つに割って出している、ということ。これはあまり気分のいいことではない。駅弁店を兼ねているだけあって、名物のさんま寿司(3カン350円)を扱っていたのは嬉しかったが、そばそのものはB級。配膳つき、後払い制。値段は、天450円、きつね400円、かけ350円。


※「当分の間、休業」の貼り紙が出ていました。現在、利用できません。「閉店」とは明言されていないので閉店扱いとはしませんが、営業再開する可能性は和歌山「水了軒」以上に低いと思います(2014/8、確認)。

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★紀伊田辺駅(JR紀勢本線)
「フレンドリー弁慶」  実食日:2004/10

  改札を出て左。和洋折衷の店名、喫茶店風の外観・内装、暗めの照明、ゆとりのある椅子席。いずれも駅そばらしからぬ意匠であるが、メニューはそば・うどんが中心。改札内(ホーム)側にも窓口が開いていて、立ち食いも可という、いろいろな要素がごちゃ混ぜになった店で、上記の御坊「御坊あしべ」同様、紀伊半島特有の多角経営スタイルである。
  そばは、高い。たぬきなし、天500円、きつね400円。変わりメニューに、「弁慶そば(詳細不明)」600円というのがある。味は、「御坊あしべ」よりはマシかな、という感じ。つゆは関西風だが出汁は薄め。麺も味が弱い。ナルト2枚入りで、薬味のネギが千切りではなくささがきになっているのが面白い。配膳つき、後払い制。
  2点ほど文句を。まず、客が食べている目の前で店員がタバコを吸っているのは×。後払い制だから店員が常に店内にいないといけないのは分かるが、もう少し隠れて吸ってほしい。もう一点は、やはり値段。この店には、駅そばとしては不要なものが多すぎる。例えば、各テーブルに灰皿が常備してあるのだが、ご丁寧に臭い消しのコーヒー豆が入っている。客が一本タバコを吸うたびに取り替えていたら、結構な出費になるのでは? 不要な部分は削って、少しでも値段を抑える工夫を望みたい。現地事情を知らない余所者の戯言と言われればそれまでだけどね。


※閉店していました。跡地にはベーカリーカフェが入店していますが、そばは扱っていないようです(2014/8、確認)。

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★紀伊佐野駅(JR紀勢本線)
「味蔵」  実食日:2015/9

  駅からちょっと遠く微妙に5分を超えるのだけれど、他に対象となる店がない駅ということで特例を適用。駅を出て右へ4分、突き当りを左折して1分、右手にあるスーパーセンターオークワ南紀店のフードコート内。この手の大型ショッピングセンターとしては珍しい平屋建ての建物なので、フードコートも1階にある。全部で6つの店舗からなるフードコートの、駅側から見て2軒目。看板には「うどん・丼」としか書かれていないけれど、うどんメニューはすべてそばにも対応している。有人レジで先払い→プラ板の番号札で呼び出して受渡し。
  麺に香りはあるのだけれど、そばというよりもフスマみたいな香り。もっと失礼な言い方をすると、ホコリのような香りがする。たぶん冷凍だと思うけれど、調理シーンを目視していないので自信なし。歯ごたえは生っぽく、舌触りは茹でっぽく、香りが冷凍っぽい。食べ分けが難しいタイプの麺だ。つゆは、やや甘みが射しているものの、総じてあっさり系。ほとんど色がついておらず、完全な関西風だ。たぬきなし、かけもなく最安メニューがきつね・わかめ各410円。天630円あたりはちょっと駅そば価格とは言えないか。メニューはさほど多くなく、これといった変わりメニューもない。実食は、わかめそば(カマボコ2枚入り)。ワカメは、かなりどっさり入る。塩が抜けきっていない塩蔵ワカメなので、これほどの量が入るとあまり嬉しくないかも。丼ものや定食類もあるが、全体的に高め。一番安い親子丼でも550円する。シンプルな麺単でツルツルッと済ませるのが吉か。割箸は個包装で1膳ずつ商品と一緒に提供。ただし、箸立てにもたくさん立っている。飲み水はフードコート共通。全体的に、良くも悪くも、あまり印象に残らない店だった。


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★新宮駅(JR紀勢本線)
「熊野家」  実食日:2004/11

  駅を出て左、タクシープールを越えて道路を渡ったところにある。一見すると居酒屋風だが、しっかりと「そば処」の幟が出ている。駅舎内の「丸新」(未食)が早く閉まってしまうのに対し、こちらは割と夜遅くまでやっている(実食は21時頃)ので、便利だ。
  この店は、かなりオススメ。そばは柔らかめの麺&関西にしては甘みの強いつゆで、まぁ平均的。しかし、その他のメニューがすごい。まず、一番のオススメが「しらす丼」。梅と胡麻が香るアツアツご飯に釜揚げしらすをドサッと乗せた一品で、美味いしボリュームも満点。そして、安い。並が290円、大盛りでも380円。軽めの昼食なら、これ一杯で十分な量がある。それから、レジ脇にセルフおかずのコーナーがあり、ここにも格安の名物料理が並んでいる。例を挙げると、さんま寿司1カン60円、めはり寿司1個100円など。さんま寿司は上記の御坊「御坊あしべ」で3カン350円だったから、ほぼ半額という計算になる。めはり寿司は、甘く煮付けたしらす(釜揚げでなく、干したもの)入りのおにぎりを菜っ葉で包んだようなもの。これも美味だし、安い。ラップにくるんであるので、持ち帰りもOK。いずれも1個からバラ売りしてくれるので、いろいろな名物を食べて回りたい欲張り旅行者にも好適だ。
  そばの値段は、たぬき300円。地方にしては、相当安い。お得なセットメニューもあり、しらす丼セットは500円。しかも、セットのそばは「かけ」ではなく、たぬき・きつね・月見・わかめ・とろろの中から選択できる。これは都会の駅そばよりも安いぞ。これで商売が成り立つのか、心配になるほどだ。こんな素晴らしい店に毎日行けるなんて、新宮市民が羨ましい。


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「丸新」  実食日:2006/1

  1番ホーム&改札出て右の待合スペース。改札内外両側から食べられる造りになっている(写真は改札外側)。熊野三山の一つ・熊野速玉大社の最寄り駅だけあって、元旦の朝から営業していた(実食は元旦08:00頃)。しかも、それなりに賑わっていた。
  ここのそばは、味覚的には熊野市駅の「丸新」と変わらない印象。見た目には関西風だが、飲んでみると結構甘みが強い。熊野市同様、たぬきはない。熊野市駅では天を食べたが、これはエビ天一尾と思われたので、ここではきつねそば(380円)にしてみた。すると、小さな三角揚げがちょこんと……。もう少し太っ腹であってほしいところだ。が、きつねにはカマボコが2枚入る。どうやらこれはきつねのみに乗るトッピングのようで、隣の人が食べていた天には入っていなかったし、熊野市駅の天にも入らなかった。例によって、めはり寿司、さんま寿司、太刀魚寿司といった紀州名物も扱っているが、高め。個人的には上記「熊野家」の方が好みに合っているが、ホームから食べられ、元旦でも営業している(「熊野家」は閉まっていた)など、便利さではこちらに軍配が上がる。夜間は逆に「熊野家」のみ営業しているので、時と場合によってうまく使い分けることができそうだ。


※閉店していました。跡地は自販機コーナーになっています。この中にスナックフードの自販機がありますが、そば・うどんは扱っていません(2014/8、確認)。

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★和歌山港駅(南海和歌山港線)
「みなと食堂」  実食日:2021/9

  駅を出て右(和歌山市駅方面)へ5分、港橋を渡ってすぐの左側。「めし」と描かれた黄色い高看板が目印。比較的交通量の多い道路沿いではあるが、駐車場が狭く場所も分かりにくい(裏手の半地下のようなところにある)ので、車で流す客はほとんど入らなそうな店。かといって、ほぼほぼフェリーの乗客であろう和歌山港駅の利用者がわざわざここまで食べに足を伸ばすとも考えにくい。主客層は、和歌山港で働く人々ではないだろうか。看板が「めし」で店名が「食堂」なので、定食屋を連想する人が多いと思われるが、メインメニューは簡易的なそば・うどん。しかも驚くほど安い。かけは180円、たぬきに相当するてんかすそばは200円で食べられる。麺類や汁物(味噌汁)、そして白飯は、口頭注文の先払い制。それ以外の一品料理などは、作り置きを陳列棚から取って代引き精算。客席は、フロア中央にテーブルが8・4・4、壁際に椅子付きカウンター11、最奥部には小上がり席もある(4人×2)。中央の8人掛けテーブルは、ひとり客向け。実質的には椅子付きカウンターとして機能していた。昭和レトロというか、工事現場の飯場のような造りで、いかにも労働者向けの簡易食堂といった雰囲気だ。
  麺種は未確認。関西地域にしては黒みが強いのだが、そばの香りはほんのり程度。少し粘着を感じる食感から推して、冷凍だろうか。つゆは。昆布出汁中心の関西風。味覚的にとりわけ大きな特徴はないのだけれど、妙な癖はなく飲みやすくて美味しい。たぬきは、揚げ置きの天かす。揚げ置き時間が長めのようで、少々湿気ていた。ボリュームもやや軽めではあるのだが、200円で食べられるのはありがたい限り。肉300円やカレー(そば)330円も破格の安さだ。200円の天かすそばだけで出たのではさすがに申し訳ないので、作り置きの惣菜を一品足した。料理名がよく分からないのだが、ナスとウインナーを合わせた煮物で、130円。ナス2本+大きめのウインナー2本だから、これもとてつもなく安い。一般的なセルフ食堂で食べたら380円くらいになるのではないだろうか。味付けが濃いめ(濃い口醤油ベースの味付)なので、白飯が欲しくなる。煮汁だけでご飯が食べられるような惣菜だ。白飯は中150円だから、惣菜と合わせれば280円でちょっとした定食になってしまうわけで、驚きを通り越して呆れる安さだ。この設定で、経営は大丈夫なのだろうか。なお、店内にはセルフで自由に使える電子レンジがあるので、作り置き惣菜は冷めていても問題ない。箸は割り箸。
  平日10:30頃の訪問で、先客2・後客1。この値段でこの客数ではまったくもって商売にならないはずだが、港湾関係者の昼休み時間帯には集中的に混雑するのかだろうか。一度昼時に行ってみたいとも思うが、屈強な労働者たちに気圧されて肩身が狭い思いをすることになりそうな予感もする。やっぱり、私はピークを外して食べに行くことにしよう。


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