九 州 2
(福岡博多圏(東福間・桂川以東)

現在、29軒掲載(うち7軒は、閉店確認済)
★福間駅(JR鹿児島本線)
「東筑軒」  実食日:2014/10

  西口(みやじ口)駅舎1階外側。本拠の折尾からはだいぶ離れているし、さほど街が発達している駅でもない。正直、この駅に東筑軒が出店しているとは思わなかった。この駅に店を出すくらいなら、西小倉や八幡あたりに出店した方が……という気もする。大きなお世話か。立ち食いカウンターのみの小型店で、キャパは8人くらい。厨房側と壁際にそれぞれ立ち食いカウンターがあるが、壁際の方はやたら低くて使いにくい。実食時にも、私を含む全員が厨房側のカウンターを利用していた。
  久々実食の東筑軒駅そば。相変わらず美味い。麺は茹で麺と思われるが、生麺に近い食感があり、つゆにもよく馴染む。つゆには独特な甘みがある。すべてのメニューにかしわがトッピングされるので、より甘みが強調されている印象だ。価格は、具一品系はえび天510円を除いてすべて410円均一。かけに相当するかしわは360円。「かしわ」の後に小さく「のみ」と表記されているのが面白い。正式メニュー名は「かしわのみそば」になるのだろうか。あと、全部乗せ560円がある。おにぎり、酒類、おでん各種あり。さらに、最近東筑軒で扱うようになった「だしかけ」がある。これは、トッピングにつゆをかけたもの。要するに、駅そばの麺抜きだ。酒のアテや、高校生のおやつに重宝されそうだ。店舗によって扱う内容が異なり、福間店ではごぼう天とれんこん天の「だしかけ」がある(ともに150円)。

※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かしわ370円、ベーシックな具一品系420円均一です。えび天は520円。全部乗せ570円があります。この価格構成だと、カレーセット520円がかなりお得に感じます(2020/12、確認)。

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★香椎駅(JR鹿児島本線・香椎線)
「ごはんや」  実食日:2008/9

  改札を出て左、フレスタかしい内。椅子付きカウンター9席と4人掛けテーブル2つを擁しているが、店自体は非常にコンパクトな造りで、厨房も手狭。にもかかわらず、そば・うどんの他定食類、カレー、丼もの等、実に多くのメニューを扱っている。その数、ザッと160にも及ぶ(レギュラーメニューのみカウント)。そば・うどんのトッピングも種類が多く、かけ280円、ごぼ天330円などベーシックなものの他、近畿以西では珍しい納豆も扱う(380円)。精算は、伝票式の後払い。
  麺は、冷凍っぽいネットリ食感。透明度の高いつゆは、比較的あっさりしている。どちらも、満足に足る内容。ワカメとカマボコ2枚が入って、見栄えも良い。加えて感激したのが、ごぼ天。スライスする店が多い中、この店は細切りを単独揚げしている。これがアツアツサクサクで絶品だった。揚げ方も油も非常に良い。閉店してしまった下曽根「あさひや」を思い出すレベル。細切りにしている分「あさひや」よりもごぼうの食感は劣るのだが、逆にごぼうの味が強すぎて味覚がマヒするという心配がない。天系のトッピングはごぼ天以外にナス天があるが、ナス天も美味いと推定できる。他にもいろいろな天を扱えばいいのにと、よけいなお節介を焼きたくなる。値段的にも九州内ではまずまず安い方なので、近くに住んでいれば毎日でも食べに行きそうな店だ。


※値上げ(かけ280→300円、ごぼう天330→360円)していました。テイクアウトが可能で、容器代割増なしです(値−1点、付+1点。2009/12、確認)。

※2014/10、再食。値上げしていました。現在、かけ310円、ごぼう天380円などです。九州、というか中部地方以西では珍しい納豆そば(420円)を試してみましたが、つゆがちょっと淡いかな。納豆の風味が勝っている印象がありました。つゆの塩気をもう少し強めた方が、納豆には合うと思います。ただ、味の方向性は悪くないと思います。ワカメのサービストッピングも納豆によく合っています(付+1点)。なお、改装したわけではありませんが、メニュー表が貼り替えられて印象が少々変わっていたので、写真を貼ります(左:旧、右:現)。

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★千早駅(JR鹿児島本線、西鉄貝塚線(西鉄千早駅))
「まるうま」  実食日:2009/12

  JRと西鉄で微妙に駅名が異なるが、駅舎共有なので同駅と見なす。店は、JR改札を出て左、駅出口脇にある。西鉄利用の場合でも改札を出て左になるが、JRより若干遠い。店内は、フロア面積は決して広くないが、椅子付きカウンターとテーブル席を用意している。ウッディな内装で、どことなく一杯飲み屋のような雰囲気。焼酎のボトルキープが可能になっているあたりから考えても、飲み屋として利用する人も多いのだろう。
  麺は、歯ごたえはよいものの風味が弱い。冷凍と思われる。つゆはスッキリしていてまずまず好印象だが、揚げ物系のトッピングを乗せると油に負ける印象。この店は揚げ物系が美味いだけに、つゆにもう少し主張があってもいいのかなという気がする。私はごぼう天そばを注文したのだが、ごぼう天は丼におさまりきらない巨大サイズだった。千切りのかき揚げだから、体積としてはそれほどでもないのだが。揚げたてを乗せてくれるので、たいへん美味しい。わかめとカマボコ2枚が入って、かけ350円、ごぼう天450円など。


※値上げしていました。現在、ごぼう天470円です。かしわ470円、丸天440円など、400円台のメニューが一般的です。麺類単品が高めなので、うどん(そば)定食630円がお得に感じます。写真を見た限りでは、かけうどん(そば)に惣菜が3品付くようです。酒類もあり、お得な晩酌セット680円も用意しています(2014/10、確認)。

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★吉塚駅(JR鹿児島本線・篠栗線)
「驛亭」  実食日:2018/3

  改札を出て左前方、ラーメン店の隣。駅そばというか、廉価なそばを扱う定食屋で、夜は居酒屋に変身する店。こういう店はメニューをしげしげと眺めないとそばの扱いを発見できないので、全国的にまだまだ見落としが多くあると思う。店内のレイアウトがちょっと変わっていて、入口を入って正面にレジ、その奥が厨房。厨房を挟んで左右に客席がある。私はレジに向かって左側のテーブル席で食べたのだが、こちら側はテーブル席のみで、4人×4+2人×1。右側がどうなっているのかは未確認。配膳付きで、下げ膳不要(つまり、フルサービス)。後払い。価格が安くて厨房オープンということで対象に含めたが、人によっては「駅そば」に含めることに違和感を覚えるかもしれない。
  麺は、強い弾力があって、プツッと切れるタイプ。ひとことで言うと、ゴム麺。ちょっと不自然というか、人工的に作り出された印象を受ける食感だ。つゆは、透明度がとても高い。見た目の印象どおりに薄味なのだが、カツオ系中心の出汁はしっかり利いている。つゆだけで見ればまずまず美味いのだけれど、麺がイマイチで、麺とつゆの相性も疑問。特段こだわりがなければ、この店ではうどんを注文した方がよさそうだ。かけ360円、きつね430円、ごぼう天450円など。実食は、丸天450円(ワカメ・カマボコ2枚入り)。丸天は大きめで、アツアツで香ばしい。店内で揚げているのだろう。ネットリと舌を絡め取るような旨みもあって、美味しい。パーツごとに採点すると、「麺×・つゆ○・丸天◎」となる。総合的な評点をつけるのが難しい店だ。ちょっと注意したいのは、ランチタイム(11〜14時)以外はタバコが解放されているということ。席選びを慎重に。
  訪問は平日の14:30頃。左側フロアは先客1・後客0(右側不明)。この先客が、スモーカーだった。そこそこ離れていたのだが、煙はしっかり流れてくる。くれぐれも、席選びは慎重に。


※閉店していました。跡地は「吉塚スタンド たっち」という立ち飲み屋ですが、一応そば・うどんの扱いもあります。当サイトの掲載対象となる店です。今回は時間外で食べられなかったので、次回にでも食べてきます(2020/12、確認)。

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★博多駅(JR鹿児島本線・博多南線、福岡市営地下鉄空港線、山陽新幹線)
「壽軒」  実食日:2006/8

  JR3・4番ホーム竹下寄り。昔ながらのホーム露出店。実食は朝早い時間帯だったが、結構賑わっていた。
  ここのそばは九州らしくかしわがデフォルトで入っているのだが、そぼろのように細かかった。同じ「かしわ」でも、店によってずいぶん異なるものだ。麺やつゆといった基本事項にはあまり特徴はないのだが、ホームの駅そばでは珍しいネギフリーのサービスが好印象だった。また、カマボコが2枚入るのも嬉しい。たぬきなし、かしわ(かけに相当)310円、わかめ350円、きつね360円、ごぼ天370円、えび天380円。ここではえび天を実食したのだが、大きなえび一本を揚げたものではなく、小えびのかき揚げだった。

※2008/1、再食。元旦も営業していました。味覚等には変化ありません。

※基本的に全メニューかしわ入りですが、かしわの入らない「かけそば」が登場していました(300円)。他メニューは、全体的に30円程度値上げ(かしわ310→340円、わかめ350→380円など)しています(2009/12、確認)。

※閉店していました。建物はすでになく、跡地は待合ベンチになっているようです(2015/10、確認)。

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「八媛」  実食日:2013/3

  JR博多口を出て右、地下通路で駅と直結している博多バスターミナルの1階。通路との間に間仕切りはなく、暖簾が目隠しになっているだけの準露出店。椅子席はなく、立ち食いカウンターのみ。キャパは5〜6人か。もともとは食券制だったのだが、券売機が故障中。現在は口頭注文の代引制となっている。
  この店のそばの特徴は、全体的に薄味なのだが、物足りなさを感じることはなく美味しかったということ。麺は軽い食感で、あまり質感がない。関東の濃い味のつゆで食べると物足りなく感じそうだが、薄味のつゆにはよく合っている。そのつゆは、見た目にはそれほど上品には見えないのだが、飲んでみると薄味で美味しい。関西風とはまた違った、九州風とでも表現したくなるような、かなり極端な薄味。なぜ、これだけ薄くて満足感が得られるのか、不思議だ。かけ290円。種物は、390円のメニューと430円のメニューがある。実食したごぼう天は、斜めスライスの単独揚げ。ずいぶんと衣の厚着をしているのがちょっと気になった。ゴボウは肉厚で歯ごたえがよく、量もたくさん入っていて見栄えも悪くないので、こんなに厚着をさせる必要はないように思うのだが。なお、同じビルの地下1階にも同系列と思われる店があるのだが、店名が微妙に異なる。本当は食べ比べたかったのだが、日曜の早朝(実食は7:00頃)に営業していたのは1階のこの店だけだった。


※閉店していました。跡地は、唐揚げ屋です。地下1階の店舗も閉店(「いためし食堂」化)しています(2014/12、確認)。

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「大福うどん」  実食日:2014/12

  地下鉄の西3番出口を出て左すぐ。博多地下街内。福岡で有名なうどんすきの店「大福」のグループ店。公式HPには3店舗が掲載されているが、この他に博多一番街でも店舗を実地確認。グループが違うのか、その後閉店しているのか、それとも単なる掲載漏れなのか。この「博多駅地下街店」は夕方以降に居酒屋に変身することもあって、テーブル席のみ。全部で40席近くある大型店舗だ。配膳付きで、後払い(伝票制)。外税方式だが、税込でキリよくなるように価格を設定している。
  麺は、生麺だろう。九州でよく出会う弾力系の麺ではなく、流行りの硬い麺でもなく、そばらしい適度な摩擦のある硬質食感で、美味しかった。反面、つゆはやたら塩辛いのが残念。完飲するのがちょっとへヴィ。このつゆなら茹で麺の方が合うだろうし、この麺に合わせるならもっと繊細なつゆの方がいいと思う。ベーシックな具一品系は、450円均一。ごぼう天480円、ちくわ天520円くらいまでは許容できるが、肉650円はちょっと高すぎる印象。変わりメニューに、じゃこ天520円。九州でどのようなじゃこ天が出てくるのか興味津々なので、次回にでも試してみたい。実食したごぼう天は、タテ角切り(角材のような形)で、単独揚げ。衣は適度に厚くてよいのだが、ゴボウ自体がちょっと柔らかかったのが気になる。ご飯ものやセットメニュー、定食類もいろいろあるのだが、どれも値段が高い。ベーシックな麺単がいちばん満足できそうだ。


※暖簾が変わり、間口右手のメニュー表が黒板になっていました(写真は左:旧、右:現)。価格は均一ではなくなり、丸天429円、ごぼう天459円、肉639円など1円単位の端数が生じる設定になっています(2020/12、確認)。

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「ニュー因幡」  実食日:2015/10

  JR博多シティ地下の「博多一番街」にある。「博多駅地下街」よりもJRの改札に近く、なかなか便利な立地。14軒の飲食店が連なる中に、「因幡うどん」と「大福うどん」(上記えきちか店とは別の店舗)があり、熾烈な競争ムードになっている。どちらも博多を中心に展開するローカルチェーンなので、両方応援したいところだ。JRの改札方面から来ると、「大福うどん(一番街店)」があって、その先にこの店があって、さらに進むと一番街に入って「大福うどん(えきちか店」)があるという情勢。「因幡うどん」は、2軒の「大福うどん」に挟まれているわけだ。そんな中、「因幡うどん」はテーブル席を多数擁する大型店舗として運営している。配膳付きで、後払い(伝票制)。値段的には、少し高めながらも駅そば価格と言える範囲。厨房もオープンなので、問題なく当サイトの掲載対象にできる。
  麺(そば)は、弾力も粘着もなく、コシが弱くて切れやすいタイプ。調理シーンを見ていないので麺種不明だが、少なくとも冷凍麺ではないと思う。九州のそばらしくないというか、わりとそばの香りがあって麺自体が美味しい。つゆは、ほとんど色がついていない。もちろん、醤油の香ばしさもあまりない。塩気強め。出汁は昆布中心だと思うが、少々酸味があるので何らかの魚介系との合わせ出汁だろう。これも、深みがあって私好みの味だ。かけというメニューはなく、たぬき・きつね・昆布など5種類各450円が最安。丸天も450円。ごぼう天480円。変わりどころとしては、梅あおさ590円がある。ただ、卓上に出ていたお品書きに「朝のお品書き(11時まで)」と書かれていた(訪問は9:30頃)ので、ランチタイム以降はメニューや値段が違うのかもしれない(画像検索してみた限り、ベースメニューについては特に時間帯での変化はなさそう。11時までは一部メニューのみの扱いということだと思われる)。実食は、九州に行くと必ず食べたくなるごぼう天。しかし、ここのごぼう天はあまりオススメという感じではなかった。ドンベ天にしなしなのスライスごぼうを5枚貼りつけたものだ。醤油の味があまりない九州のつゆとドンベの相性は悪くないと思うけれど、私はもうちょっと歯ごたえのあるごぼう天を食べたかった。まぁ、ドンベそば480円と割り切れば問題ないのだけれど。全体的にとても美味しかっただけに、「なんでごぼう天だけ安っぽいの?」と、ちょっとモヤモヤが残った。ご飯ものや定食類あり。麺単が高めであるだけに、玉子掛けごはん定食550円あたりがちょっと魅力的に感じるか。次回は、11時以降に行ってみることにしよう。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。店名も微妙に変わっています(「因幡うどん」→「ニュー因幡」)。別店と捉えるかについては、今後再食した際に判断します。いったん、同じ店の改装&店名変更として掲載しておきます。消費10%増税に伴ってなのか改装に伴ってなのか、値上げしています。現在は、たぬき・きつね・昆布など6種類各500円(ごぼう天も同額になった)、梅あおさ620円です(2020/12、確認)。

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「博多ホームうどん店」  実食日:2015/10

  JR在来線3・4番ホーム吉塚寄り。立地といい建物の感じといい、上記「壽軒」が閉店してそのまま引き継がれたものかと一瞬思ったが、よくよく見ると場所も建物の形状も違っていた(「壽軒」は竹下寄りで、ホームに対して横向きの店舗だった)。立ち食いカウンター5人分程度だけの、露出店。
  麺は、とても柔らかい茹で麺。厨房オペレーションを見ると、茹で麺をずいぶんと長いこと湯通しして、意図的に柔らかくしているように思える。さすがは、やわやわうどんが愛される九州の駅そば。個人的な好みとしてはもう少し歯ごたえを残してほしい部分もあるけれど、たまに食べるものとしては「まぁ九州らしくていいか」とも思える。つゆは、薄味ながらも丸みのある味わいがなかなか好印象。九州らしさが全面に出ている。イリコなのかイワシなのかアゴなのか、そこまで厳密に食べ分ける舌力(というか経験か)が私には備わっていないけれど、九州らしい味覚であることは分かる。デフォルトでかしわ(鶏肉)が入ることで、よりまろやかになっている。そのかしわは、同じくデフォルトでトッピングする鳥栖「中央軒」や折尾「東筑軒」のものよりも大ぶりのブロック状カットになっている。味付けは薄めで、つゆの風味への干渉力がさほど強くない。つゆをあまり濃い味にしたくない方に喜ばれそうだ。
  よく分からないのは、メニューと値段の構成。かけ(かしわ入りとの記載なし)330円、わかめ・きつね(ともにかしわ入り)400円に対して、かしわそば420円という設定。単純に値段から推測すると、かしわはかけを含む全メニューに少量乗り、かしわそばは「かしわたっぷり」ということだろうか。じゃないと、計算が合わない。実食したごぼう天は、430円。ごぼう天は角材型カットの単独揚げ。東筑軒のごぼう天と似たルックスだが、東筑軒の方がカットが太く、本数も多い。変わりメニューは特にないが、100円で替玉が可能。30円増しでテイクアウト可能。カマボコ2枚入り。総合点は低めだけれど、味覚的な印象は良かった。ホームの露出店で雰囲気も良いし、また立ち寄る機会もあるだろう。箸はエコ箸。駅弁販売あり。


※消費10%増税を経て、一部メニューを値上げしていました。かけ・わかめ・きつねは据え置きですが、かしわは430円に、ごぼう天は440円に、替え玉は120円になっています(2020/12、確認)。

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「恵寿多」  実食日:2018/7

  新幹線改札内コンコース。足元まで隠れるような超ロングサイズの暖簾が印象的。これは潜るものではなく、純粋な目隠しとして機能しているものだろう。その右脇にある小さめの暖簾のところから出入りする仕様だ。間口は広いが奥行きがあまりなく、椅子のない立ち食い専門店。キャパは15人くらい。食券制で、配膳も下げ膳もセルフ。
  麺は、冷凍と思われる。一瞬生麺を連想させるような食感だが、香りの弱さで冷凍麺だと推察できる。香りが弱いとはいえ、印象としては悪くない。近年の冷凍麺は製造技術が飛躍的に発展していて、以前に比べると生麺との差がだいぶ縮まっていると思う。ただ、それは飽くまでも麺だけ見ればの話。この店に関しては、つゆがたいへんな薄味で、麺とのミスマッチ感が浮き彫りになっていた。出汁感・塩気とも控えめ。すっきりしていて、これ自体は悪くないのだが、冷凍麺には合わない。茹で麺、それもうどんの方が合うと思う。そばとうどんは同額で、かけ320円、ごぼう天470円、かしわ470円など。実食は、丸天410円。丸天は、大判で色白。フワフワとやわらかい食感で、独特な甘みがあるものだった。変わりメニューに、明太680円。写真が掲示されていて、焼き海苔の筏の上に明太子を一本まるごと乗せるようだ。「やまや」の辛子明太子を使用とのこと。面白いけど、立ち食い店としてはちょっと高いかな。天かすフリーのサービスあり。ということは、各種天は店揚げか。各席に「柚子ペッパー」あり。これは、柚子胡椒の液体版とでも言えばいいだろうか。ドバッとは出ないタバスコ様の小瓶に入っているので、大量にかけたい場合には何回も瓶を振らなければならず、ちょっと面倒かも。ただ、かなり辛いので、お試しなら2〜3回振るくらいで充分だろう。
  平日15:30頃の訪問で、先客1・後客1。新幹線の発着前後以外は、こんな感じで空いているのかもしれない。博多駅の新幹線改札内は意外と飲食店が少ないので、需要はそれなりにあると思うけれど。

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「さえ木」  実食日:2021/7

  JR在来線5・6番ホーム吉塚寄り。立ち食いラーメン「はかたラーメン」の跡地。ラーメン店の閉店後にちょっと変わった取り組みがなされている物件で、2か月ごとに店舗が入れ替わる仕組みになっている。だから、「さえ木」も2か月間限定(2021年7〜9月)での出店。当サイトでは、原則として期間限定の店舗は対象に含めないこととしている。だから、本来ならこの店も対象には入らない。しかし、期間限定店舗を対象外としたのは、イベント会場に設営される屋台店舗などを除外するのが主目的で、今回のパターンはまったく想定していなかった。ホーム上でもあることだし、駅そばを研究する上で必要だと判断し、例外的に対象に含めることにする。「さえ木」は、中洲にあるそば居酒屋。手打ちの二八そばに加えて、薬院にあるそば店「あ三五」の協力を得て更科十割も用意。2種類のそばをホームで提供している。値段が高いのは、手打ちでそば粉比率が高いうえ出店料も高いであろうホーム上ということでやむを得ないだろう。温そばの場合、一番安いのが二八の花巻で、800円。更科十割だと花巻1000円。冷そばも、二八のざる800円に更科十割ざる1000円。少しずつでいいから両方食べたいという場合には、冷そばに限りに限り合い盛りが可能(1000円)。食券制で、客席は「はかたラーメン」時代と同じく立ち食いカウンターのみ。キャパは6人くらいだろうか。加えて、店舗の外側にも2人分くらいの立ち食いスペースがある。
  食べてみたのは、二八の花巻。麺は、注文後茹でで対応。あまり太くはない平打ちの麺だから、茹で時間は短く、1分ほどで提供された。平打ちということで歯ごたえはやさしめ。しかしそばの香りはたいへん豊かで、品もある。キュンとした艶のある香りで、とても美味しい。冷そばにすれば歯ごたえが増して、なおのこと美味しいのではないだろうか。つゆは、九州スタイルではなく濃い口醤油の江戸前スタイル。色がかなり濃いのだが、見た目の印象ほどには塩辛くない。出汁は、椎茸が中心なのだろうか。ちょっと独特な風味だった。美味しいことは美味しいのだけれど、カツオ出汁等に慣れていると違和感を覚えるかもしれない。トッピングは、大きな焼き海苔2枚。もみ海苔や刻み海苔ではなく、4切くらいのものをそのまま乗せる。そして、海苔の上にワサビを少量。温そばにワサビを合わせるのは珍しいと思うのだが、食べてみると違和感なく美味しかった。粗おろしで、香りが上品だ。そばを注文すると、自動的にひと口サイズのかしわ飯が付く。日向鶏と蕎麦出汁を使っているらしく、これもとても美味しかった。ゴボウの香りもよく利いている。250円で単品注文できるので、追加してもよかったかなと思うくらいだった。そば湯ポットあり。飲み水は薄く作った緑茶(冷)。箸はエコ箸。
  平日11:45頃の訪問で、先客1・後客2。興味津々に店の前までやって来る人は結構いるのだが、大半が食べずに去っていく。立ち食いにしては値段が高いのと、もしかしたら店員さんが外に立って呼び込みをしていたこともあるかもしれない。私がそうであるように、店員さんが外に立っていると入りにくいと感じる人は結構多いと思う。


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★久留米駅(JR鹿児島本線・久大本線)
「中央軒」  実食日:2007/12

  駅を出て右、コンビニの隣。駅舎の外壁に埋設されている店舗。駅弁売店を兼ねていて、客の8割は弁当に集中している。椅子付きカウンターとテーブル席まで完備しているそばコーナーで閑古鳥が鳴いているのは、ちょっと寂しい光景だ。
  同じ中央軒でも、鳥栖と久留米では違うらしいという話を聞いたことがある。しかし、駅そばの味においては特段の違いがあるようには感じられなかった。麺は、九州では割と珍しいモサモサした食感のもの(鳥栖の中央軒も同様のモサモサ感がある)。かしわがデフォルトで入っているためか、つゆは甘みが勝っている印象。カマボコが1枚入る。かけの代用であるかしわそばは290円。月見360円、丸天・ごぼ天・えび天(インスタントかき揚げ)390円。


※閉店していました。九州新幹線開業に合わせて、跡地一帯に「えきマチ1丁目」が整備されましたが、駅そばは入りませんでした(2015/10、確認)。

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「あずみうどん」  実食日:2020/12

  駅からやや離れていて、駐車場のあるドライブインタイプの店で、小上がり席があってフルサービスで、値段もメニューによってはやや高め。本来なら当サイトの対象にするのが苦しい店なのだが、一部メニューは駅そば価格だし、現状ではほかに対象となる店がない駅ということで特例を適用してしまおう。場所は、東口を出て右(線路沿い)へ4分進み、最初の信号の手前左側のほぼ角地。テーブルオーダーの後払い。セルフ要素はほぼない。客席は、小上がりが4人×5、テーブルが4人×6、椅子付きカウンターが6。カウンターは厨房対峙型ではなく、フロア中央で3席ずつが対面しているタイプ。
  いただいたのは、鴨南そば。看板にて「手打」と標榜されているそばは、生麺を注文後に茹でているようだ。ゆるく縮れており、歯ごたえは弱め。ボソッとするのではなく、ニチッとする。そばの香りは、ほどほどというくらい。九州ではあまり見ないタイプの麺であるように思う。イメージ的には、東京っぽい感じ。ただし、つゆは完全に薄口スタイル。出汁は特定の方向に突き抜けないバランス派で、塩気はわりとある方。実食が鴨南だったから、鴨の脂でつゆ本来の風味が分かりにくくなるかなと懸念していたのだが、鴨は下茹でして脂を落としてあるのか、つゆにはほとんど脂が浮いていない状態で供された。というか、そもそも脂身自体をそぎ落としているのかもしれない。鴨肉にはほとんど脂身がなく、とてもさっぱりしていた。好みによる部分はあると思うけれど、関東の鴨南を食べ慣れていると、ちょっとサッパリしすぎの印象になるかもしれない。鴨肉と一緒に、斜めカットの青ネギも煮てある。薬味のネギは乗せない。ちょっと評価の難しい一杯で、良く言えば新鮮な鴨南、悪く言えば鴨南らしくない鴨南だった。そもそも、西日本ではあまり鴨を使ったメニューを見ないような気がする。特有の風味を帯びた脂があまり好まれないのだろうか。そばと一緒に山椒粉が瓶ごと提供されたのも、もしかしたら臭い消しの意図があるのかもしれない。個人的には、鴨南そばに山椒をかけるなんてあり得ないのだが。鴨系メニューの分布についても、今後の全国行脚の中で調べてみようかな。全品うどんよりもそばの方が40円高い設定(以下の記載はすべてそばの価格)で、鴨南750円。これは駅そば価格とは言えない。しかし、かけ360円、玉子430円あたりは充分駅そば認定価格。メニューによって価格帯の印象がだいぶ違う。駅そば的に済ませるなら、ベーシックな麺単を注文するのがよかろう。ご飯もの(丼もの)も扱いあり。3種類あって、ミニそば付きで790円均一。さらに190円足すと、そばをフルサイズに変えられる。箸は割り箸。
  平日19:15頃の訪問で、先客1・後客5。この時間帯にしては、まずまず入っているほうか。ドライブインタイプの店ということで、グループ客が多そうな店だ(後客のうち4人は、2人連れ×2)。椅子付きカウンターよりもテーブルの方が圧倒的に多い客席配置に鑑みても、それがよく分かる。


※昼間の写真に貼り替えました。今回は入店していないので、価格は見ていません(2021/7、確認)。

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★羽犬塚駅(JR鹿児島本線)
「筑後路の里 やまご」  実食日:2014/8

  駅を出て左すぐ(駅舎外側)。外観はコンビニ風で、入って左側の半分はパンや弁当などを販売するコーナーになっている。入って右側半分がそば・うどんコーナー。厨房を囲む椅子付きカウンターのみで、席数は8くらい。
  麺の種別を確認しなかったが、質感がなく、軽い食感だった。茹か、冷凍か。つゆは、九州にしては珍しく酸味が強いタイプ。塩気もやや強め。たっぷり注いでくれるのが嬉しい。規模の小さな店にしてはメニューがそこそこ多く、10種類ある。全品、うどんよりもそばの方が10円高い設定だ。そばの値段は、かけ310円、月見380円、昆布380円、ごぼう天410円、かしわ430円、肉480円など。ご飯ものやビールも扱っているのだが、肴になりそうなものが見当たらない。トッピングの単品注文とか、できるのかな。実食はかしわそば。肉がかなり細かくカットされていて、「そぼろ」に近い状態。あまり量も多くないので、オススメという感じではなかった。近隣に、かけそばにもかしわを入れる有名店があるだけに、若干見劣りしてしまう。次回は昆布かごぼう天あたりを試してみたい。


※消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、かけ320円、月見400円、昆布400円、ごぼう天430円、かしわ450円、肉500円です。相変わらず、うどんよりもそばの方が10円高い設定です(掲載価格はそばの価格。2020/12、確認)。

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★渡瀬駅(JR鹿児島本線)
「どんどん太郎」  実食日:2020/12

  熊本県を中心に展開する弁当店チェーン「ヒライ」には、そばうどんを中心としたイートインコーナーが併設されているため、駅チカにあれば当サイトの掲載対象になる。熊本県内だけでなく、福岡県や佐賀県の南部にも店舗がある。渡瀬駅歩4分半ほどの高田店も、福岡県内の店舗になる。駅からの行き方は、わりと分かりやすい。駅を出て直進1分、最初の信号(国道208号線)を渡ってから右折して、ひたすらまっすぐ。駐車場完備のドライブインタイプの店舗。イートインコーナーは椅子付きカウンターのみで、計20席。食券制で、受渡・返却ともセルフ。「どんどん太郎」で食べるのは結構久しぶりなのだが、このチェーンでは初めて見るタッチパネル式の券売機だった。
  麺種は未確認。白っぽく、あまり香りがないタイプ。たぶん冷凍だろう。つゆは、淡麗系。雑味がなく飲みやすが、あまり深みがある感じでもない。揚げ物系か蛋白系か、甘辛い味のついたトッピングを乗せた方が満足できそうな味覚だ。値段は安く、かけ230円。海老天でも380円で食べられる。九州では駅ナカの平均価格が関東よりもやや高いから、なおのことありがたく感じる。実食は、ごぼう天360円(チクワ入り)。ごぼう天は、斜めスライスの単独揚げを5枚。丼の縁に並べて立てかけるようにして提供するので、見た目が美しい。しかも、これが注文後揚げ。つゆにドボンと浸かっていないから、衣のサクサク感も楽しめた。そして驚いたことに、ネギが白だった。青ネギの根の部分ではなく、完全なる根深ネギ。過去に実食した他店舗の写真を見返すと、これがことごとく白ネギ。どうやらチェーン全体で白ネギを使っているようだ。飲み水は冷水のほかにお茶も完備(オールインワンの給茶機がある)。箸はエコ箸。
  平日10:15頃の訪問で、イートイン客は先・後とも0。弁当販売コーナーには、ちらほらと客があった。この時間帯には、イートインの需要はあまり多くない様子だ。賑わうのは、昼時以降だろうか。とにかく価格面での優位性が際立っているので、今後も駅チカで見つけたら迷わず入ることになるだろう。


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★大牟田駅(JR鹿児島本線、西鉄天神大牟田線)
「立喰うどんそば(大牟田うどん店)」  実食日:2007/12

  JR1番ホーム&待合室。改札内外両側から食べられる造り。メインは待合室側の方で、椅子席が豊富にある。ホーム側は立食カウンターのみ。しかもスペース(カウンターから壁まで)が非常に狭く、少しでも屈むと尻が壁に当たってしまう。直立不動で食べなければならない。私はホーム側で食べたのだが、注文時に「電車の時間は大丈夫ですか?」と言われたのが印象的だった。過去に「注文逃げ」が多発したのかもしれない。
  角のとれた冷凍麺は、ツルツルしていて少しぬめるのが特徴。個人的には好きなタイプ。つゆはかなり味が薄い。丸天は湯通ししてから乗せる。非常に大きくて食べ応えがあるのだが、具材は入っていない。具材入りの丸天は鳥栖の中央軒でしか食べられないのだろうか。かけ280円、月見330円、丸天350円などの他、おでん各種100〜150円や酒類もある。 

※値上げ(かけ280→320円、月見330→400円、丸天350→400円。値−1点)していました。月見の値上げ幅が大きいのはなぜ?(2010/4、確認)

※2014/8、再食。暖簾と立て看板が変わっています(写真は左:旧、右:現)。改札外側も改装しているように思いますが、前回訪問時に写真を撮っていないので詳細不明。内装は変わっていません。値段が上がっています。現在は、かけ330円、月見・丸天420円です。味覚的には、ベースの部分は変わっていないと思いますが、丸天は湯通しではなくおでんつゆの中で温めてから乗せるようになっていました。おでんつゆがほんのりと香り、よいと思います。丸天のサイズが少し小さくなったような気がします。仕入先が変わっているかもしれません。

※閉店していました。跡地は、ベーカリーになっています(2020/12、確認)。

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★門松駅(JR篠栗線)
「資さんうどん」  実食日:2012/11

  駅を出て右、跨線橋の側道を1分歩いて、大きな交差点(門松交差点)のはす向かい。駐車場のあるドライブインタイプの店だが、駅から至近にあるため掲載対象とする。テーブル席がたくさんあるほか、座敷も完備。配膳付き後払い(伝票制)というシステムだが、一部セルフサービスのメニューもある。
  「コシのないうどん」を出す店として地元では名の知られているチェーンだが、そばに関してはこれといった特徴のない麺だった。冷凍だろうか。つゆは、かなり薄味。とろろ昆布を乗せてもまだ薄く感じるくらい。方向性としては美味しい部類だと思うのだが、個人的にはもう少し塩気が強い方が好みだ。かけ320円、丸天380円、かき揚げ400円、ごぼう天(「ゴボ天」と表記)400円など。実食したごぼう天は、縦に4等分したものを単独揚げ。歯ごたえが強く、美味しい。すべてのメニューに、「資」の字が入ったカマボコが添えられる。セルフサービスのおでんが種類豊富で楽しい。特に、テッチャン(ホルモン:100円)が抜群に美味かった。箸はエコ箸、24時間営業。天かすととろろ昆布が入れ放題(各席にある)という嬉しいサービスがある。


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★姪浜駅(JR筑肥線、福岡市営地下鉄空港線)
「やりうどん」  実食日:2008/9

  西口改札(メインの改札)を出て左前方。西鉄久留米・西鉄二日市など西鉄沿線に多く出店しているチェーン店。西鉄沿線以外では初めて見かけた。完全にうどんがメインの店で、看板や貼り紙等にはそばは「ざるそば」しか表記されていない。しかし、全メニューそばに対応しており、同額で扱っている。レジスターがあるので後払いかと思っていたら、普通に代引きだった。自動的に(請求しなくても、という意味)レシートが発行される。
  そばの麺はどこにでもありそうな安っぽい茹で麺だが、つゆは清涼感があって非常に美味しい。丸天は、丼の口径に近いジャンボサイズ。値段はやや高めで、かけ320円、丸天420円など。学割サービスがあり、学生証提示でかけ220円、大盛320円で食べられる(ただし、15時以降限定)。


※ショーケースの配置や暖簾など、いろいろ変わっていました(写真は左:旧、右:現)。貼り紙類が増え、ややゴチャゴチャした印象になっています。値段的には、かけは320円で据え置きも、種物は上がっています。現在、丸天450円、ごぼう天450円です。変わりメニューに、全部乗せ系の「贅沢そば」670円と、さらに上を行く「よくばりそば」750円、うどんを長崎チャンポン風に仕立てた「博多ちゃんどん」600円などがあります。全部乗せ系はあまり食指が動きませんが、博多ちゃんどんはご当地ものとして一度食べてみたい衝動に駆られます(付+1点。2015/10、確認)。

※閉店していました。建物が解体され、跡地を含む一帯に小ぢんまりとしたショッピングモール「めいのはまマルシェ」が整備されましたが、この店は入りませんでした。残念です(2020/12、確認)。

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「交通局内食堂」  実食日:2020/12

  札幌市交通局だけでなく、福岡市交通局にも一般客利用OK(ビルの外の置き看板にて明示)の直営簡易食堂があった。場所は、北口を出て左、信号を渡ってすぐ。福岡市交通局姪浜合同庁舎の1階。角に薬局が入っているビルで、駅から行く場合には右手に回り込むと正面入口に出る。守衛さんに呼び止められそうな雰囲気のあるビルだが、ずんずん入っていって大丈夫。色気のない開き戸から店内に入り、すぐのところに券売機。受渡・返却ともセルフ。客席は4人掛けテーブル×11。このうち1卓は、交通局職員の専用席になっているのでご注意を。
  麺種は目視確認できなかったが、食べてみての印象としては茹で麺。少しモソ感があり、わりと重めの食感。色黒で、そばの香りもほどほどにある。つゆは、うどんと同じものだろう。上品な薄口タイプで、濁りがなくほぼ透明。うどんつゆというよりはお吸い物みたいな感じだった。そばに合わせると、ややミスマッチ感が出る。値段は、比較的割高傾向の九州にしては、破格に安い。かけは200円で食べられる。具一品系は320円均一。今回は、丸天そばを実食。丸天は大判で厚みのないものだった。具材は入っていない。かつての大牟田駅みたいなイメージだ。揚げ目の香ばしさと白身魚の淡白な旨み・甘みはしっかり感じられ、これはこれで悪くない。麺類は、そば・うどんのほかにチャンポン、焼きそば、焼きうどんがある。いわゆるラーメンはない。ちょっと意外。チャンポン430円も一度食べてみたいところだ。ご飯ものも豊富にあり、親子丼360円、カツ丼430円、カツカレー460円、各種定食500円などこちらも破格。「職員さん弁当」450円があるあたりは、交通局直営食堂ならではだ。総じて、特別美味いわけではないけれど、雰囲気的に特別感を味わえるのが楽しい。おそらく、また食べに行きたくなるだろう。飲み水は、麦茶(冷)とお茶(温)が用意されている。箸は割り箸。
  平日14:00頃の訪問で、先客7・後客2。全員男性で、一般客が多かったと思われる。利用者の年齢層は、比較的高めな印象だった。なお、基本的に客席は4人掛けだが、現在はコロナ対策で対角の2席が間引かれており、2人掛けになっている。また、対面方向にはビニールカーテンが設置されていた。


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★筑前前原駅(JR筑肥線)
「ウエスト」  実食日:2018/7

  北口を出て直進、車寄せを回って信号を渡り、線路と垂直方向の道を2分半。国道202号線との交差点の向かい(北西側)角地。店舗名は「前原店」。駐車場のあるドライブインタイプの店で、駅への依存度はそれほど高くなさそうだが、徒歩圏内にあるので対象に含める。客席は、テーブルが主体。20席あるうち8席は、長距離ドライバーに嬉しい座敷になっている。ドライブインタイプ店舗の中でも、長距離ドライバーが多い国道沿いの店舗らしい部分だ。プラス、厨房と向き合う椅子付きカウンターが7席ある。配膳付きで、後払い。
  麺は、冷凍か生かで判断が迷うようなもの。椅子付きカウンターが厨房に面しているのだが、すりガラスで隔てられているので、麺自体の目視確認はできず。平麺なのに歯ごたえがしっかりしているから、冷凍かな。そばの香りはそこそこというレベルだが、総じてまずまずの麺。つゆは、小アジ+イリコ出汁との表示が出ている。ひと口飲んでみて、私は昆布+サバかと思った(サバも仕上げに使っているとのこと)。全然違った。関東人には比較的馴染みの薄い味覚で、私の舌もまだ学習しきれていない部類の風味だ。悪い意味ではなく、少し生臭さのような風味を感じる。これが小アジ出汁の特徴だろうか。丼が大きく、つゆをたっぷり注いでくれるので、学習材料としてちょうどいいかもしれない。ただ、わりと塩気があるので、完飲派は塩分過多などにちょっと注意が必要かも。トータルの印象としては、少なくとも水準以上のレベルだと言えると思う。私の周囲ではあまり評判がよくないチェーンなのだが、そんなに酷評するような味ではないと思う。単純に「多店舗チェーンだから」という理由で否定的に見ている(粗探しをしている)のではないか、と感じる。そういうのは、私は好きではない。かけ280円、月見360円、丸天430円など。実食は、ごぼう天390円。ごぼう天は揚げ置きで、厚い斜め切りの単独揚げ。繊維質の食感を強く感じる。気前よく10個くらい乗せてくれるから、食べごたえ満点だ。ご飯ものやセットメニュー、おでんまで、いろいろあり。サイドメニュー的なご飯ものとしては、かしわおにぎり240円(2個)と並ぶ九州ローカルおにぎりであろう「高菜葉巻おにぎり」240円(2個)が気になった。和歌山県などの郷土寿司「めはり寿司」の酢飯ではないバージョンだろうか。次回以降に食べてみたい。天かす&ネギフリーのサービスあり。箸はエコ箸。
  日曜10:00頃の訪問で、先客4・後客3。ひとり客はカウンター席に陣取るのが暗黙のルールになっているようで、テーブルがガラガラに空いているのに椅子付きカウンターが満席近い状態という、かなり偏った利用状況だった。空いていればひとり客でも遠慮なくテーブル席を利用する人が多い関東とは、大違いだ。


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★西鉄福岡(天神)駅(西鉄天神大牟田線、福岡市営地下鉄空港線)
「やりうどん」  実食日:2014/8

  北改札を出て直進30秒、右手。かつては西鉄沿線に多くの店舗を構えていた「やりうどん」だが、現時点で残っているのはここと西鉄久留米・姪浜・小倉砂津の4軒だけ(うち、小倉砂津は駅から遠く、当サイトでは対象外。近年、他に西鉄平尾駅でも見かけたが、その後閉店した様子)。その総本山とも言える店舗が、この「福岡店」だ。テーブル席と椅子付きカウンターがたくさんあり、計40席ほどある大型店。にもかかわらず、時間帯によっては満席で店先に行列ができる。かなりの人気店だ。配膳付きで、後払いのシステムになっている。混雑が激しすぎるということもあり、レジ付近がやや混乱気味。昼時だけでも、レジ専門担当者を置いた方がいいと思う。
  麺は冷凍か生か、微妙な食感。九州でよく出会う弾力の強い麺ではなく、違和感なく喉を通って好印象。つゆは、色はかなり薄いのだが、塩気はほどよくある。ごぼ天は、斜めスライスの単独揚げ。衣が厚めだが、食感がよく美味しい。後払い(伝票→レジ精算)ということもあり、価格は外税方式になっており、端数が生じる。というか、本体価格の時点ですでに端数が生じている。かけ305(税込329)円、月見353(税込381)円、ごぼ天400(税込432)円など。丸天400(税込432)円は、揚げたてを出しているらしい。変わりメニューに、博多ちゃんぽんうどん(通称「ちゃんどん」。税込597円)がある。単品トッピングまでいちいち価格が半端(卵49(税込52)円など)なのがちょっと煩わしい。本体価格か税込価格のどちらかをキリよくすればいいのに、と思ってしまう。唐辛子は一味で、他にゆずこしょうも置いてある。個人的には、ざるそば(税込545円)をゆずこしょうで食べるのがオススメ。


※改装していました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、現在はごぼ天490円になっています。長さ約32センチのごぼう天をトッピング(丼の上に橋を渡すように乗せる)する「博多やり」が登場していて、750円です。高いけど、絵的にはかなりポイント高いです(値−1点、付+2点。2018/7、確認)。

※2020/12、公式取材にて再食。その前に、消費10%増税に伴い、値上げしていました。現在、ごぼ天454(税込499)円、博多やり695(税込764)円です。また、長さ32cmのごぼう天を3本乗せる「天下三槍」が登場し、こちらも695(税込764)円です。
  今回、遂に名物の博多やりを実食できました。そばではなく、うどんでの実食です。件のごぼう天は、メニュー表の写真やサンプルよりも衣が厚く、いっそうボリューミーでした。でも意外と、食べづらさは感じません。太さがちょうどいいんですね(ゴボウは縦にカットしてある)。また、一緒にトッピングされる丸天には、ニンジンなどの野菜が練り込まれていました。具材が入っている丸天に出合ったのは、鳥栖「中央軒」以来2軒目です。特有の甘みがあって、これはこれで良い特徴になっていると思います。値段的にやや高い印象は受けますが、話の種にもなるので、1回は食べておいて損はないでしょう。
  ついでに、期間限定の白カレーうどん639(税込702)円もいただきました。汁なしタイプのカレーうどんの上に、マッシュポテトなどで作ったホイップクリームを乗せたものです。カレー自体は、普通に茶色。仕上げに、粗挽きのコショウを振りかけてあります。これもまぁまぁ悪くないですが、やっぱりちょっと値段が張るのがネックでしょうか。写真映えするので、日常食というよりは話題作りかなと思います。好評なら、レギュラー化する可能性もあるとのことでした。
  平日10:00頃の訪問。公式取材で長居したので、先客・後客数は数えず。わりと空いている印象でした。朝のピークと昼のピークの間で、ちょっと落ち着ける時間帯です。ゆったり食べたいなら、このくらいの時間帯を狙うのもいいかもしれませんね。


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「因幡うどん」  実食日:2018/7

  駅地下道と直結しているソラリアステージの地下2階。店舗名は「ソラリアステージ店」。この前日に福岡空港の「因幡うどん」で食べたばかりなのだが、搭乗予定の飛行機が欠航となって急遽もう一日滞在することになり、手近にあったので寄ることに。まぁ、街なか店舗と空港内店舗の食べ比べということで。ソラリアステージ店はわりと規模の大きな店舗で、テーブル席が4人×8、椅子付きカウンターが25席くらいある。フロア中央に島式の椅子付きカウンターがあり、その周囲を厨房・壁際椅子対カウンター・テーブル席が取り囲むという造り。関東では、「味奈登庵」にこんな造りの店舗があったように思う。システムは、店に入って右手の有人レジで先払い→配膳付き→下げ膳不要。
  麺は、プツプツと切れやすく、モチモチ感のない素朴な食感。麺種未確認だが、第一予想は生麺。第二予想が乾麺。茹で麺や冷凍麺ではないと思う。つゆは、小魚系のまろやかな出汁。雑味がなくクリアな味わいで、なかなか美味い。麺ともよく馴染んでいて、かけそばのクオリティはなかなか高い。それだけに、ごぼう天が残念。前日に空港で食べて分かっているのに、今日もごぼう天をオーダーしてしまった。ドンベにスライスゴボウを4枚貼りつけたもの。衣の部分はつゆに浸かるとすぐにふやけ、たぬきそば状態になる。この手の天ぷらは油が軽く、実は嫌いではないのだが、薄いくせに硬いスライスゴボウがちょっと……。こうなることは初めから分かっていたので、単品で丸天も追加しておいた。丸天は大判で、きつね色が薄い正円形のもの。甘みはあまりなく、ズバリ白身魚の味がする。そして、中にゴボウが練り込まれていた。具材入りの丸天というと鳥栖「中央軒」が連想される。ただ、練り込むのが海の幸(中央軒はイカを練り込む)ではなく山(岡)の幸だから、味わいはまったく違う。おでんのゴボウ巻きみたい風味(ゴボウはそこまで強くない)で、これはこれで美味しかった。ごぼう天450円、丸天450円・丸天の単品は50円と格安。変わりメニューに、具590円というのがあった。サンプルを見た限り、かやくそばみたいなものか。メニューは、細かいところまでは確認していないが、基本的に空港の店舗と同じ。値段だけが違う。空港の方が50円程度高く設定されている。
  平日14:00頃の訪問で、先客・後客とも多数。席数に見合った客数がある様子だ。女性の利用も多い。そして、男も女も、あまりズルズルと音をたてずに食べていたのが印象的だった。九州男児には、ズルズル音などお構いなしというイメージを持っていたのだが。そばよりもうどんを食べる人が多かったからかな。


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★西鉄久留米駅(西鉄天神大牟田線)
やりうどん」  実食日:2010/4

  駅舎1階の外側というか、バス乗り場前というか。雑多な商店がいろいろと連なっている区画にある。配膳付き・後払い(伝票制)の店なので、人によっては駅そばと認定しない人もいるかもしれないが、私の基準では問題なく認定できる。座席は、テーブル席多数に椅子付きカウンター少々。フロアはかなり広い。
  麺は、茹で麺。柔らかいのだが、適度に芯が残っていて心地よいモチモチ感がある。つゆは、西日本の王道を行くような味覚。一味唐辛子との相性が非常によい。かけ320円、丸天420円など。私が注文したごぼう天そば(420円)は、斜めスライスのごぼうの単独揚げ。厚めのスライスなので、食感・香りとも強い。サービスがいろいろある。学生うどんは、学生証提示でかけ100円引き。大学生もOK。ただし、対象となる時間は13時以降のみ。回数券は、かけ券5枚+トッピング(3種の中から選択)無料券3枚で1500円。結構お得感がある。また、注文時に自動的に温かいお茶が配膳されるのも嬉しい。


※値上げしていました。店頭調査のみのため一部メニューしか確認できませんでしたが、ごぼう天(メニュー名は「ごぼうそば」になっている)は450円になっています。これとは別に、ごぼうかき揚げ480円もあります。「ごぼう=スライスの単独揚げ、ごぼうかき揚げ=ささがきごぼうのかき揚げ」のようです。また、店名を冠した「やり」500円がありました。トッピング内容は、椎茸煮・揚げ玉・山菜・刻み揚げ・ワカメのようです(店頭サンプルで確認)。全部乗せ系ではありますが、椎茸煮が入っているのが印象的で、中国地方でよく見る「かやく」の豪華版といった位置付けでしょうか。コスパに鑑みても、一度試してみる価値がありそうなメニューです。さらに、「贅沢」670円というメニューも。トッピングは、エビ天+肉+卵+ワカメでしょうか。こちらは、ちょっと高い印象が拭えないですね。2杯食べられる価格帯なので、手を出しづらいところでしょうか(付+1点。2015/10、確認)。

※改装していました(写真は左:旧、右:現)。値上げして、かけ360円、丸天520円、ごぼ天490円になっています。学割(100円引き)は継続。「贅沢」は終了しているようです。「やり」は「博多やり」に名称が変わり、750円。内容もがらりと変わっています。トッピングは、丸天+ごぼう天です。ごぼ天そばに使うごぼう天ではなく、長さ32センチの一本揚げ。丼に橋を渡すような形でトッピングします。なるほど、槍に見立てているんですね。ちょっと高い印象はありますが、インパクトは絶大です。近々公式に取材してみたいいです。その他、チャンポンスープ・具材+うどん麺の「ちゃんどん」750円、久留米店限定の中華そば520円などが登場しています(2018/7、確認)。

※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、かけ370円、丸天540円、ごぼう天500円、博多やり770円、ちゃんぽんうどん(「ちゃんどん」から名称変更した模様)790円、中華そば530円です。昆布500円と盛り合わせ系の「ミックス」550円も、久留米店限定とのこと。まぁ、限定と言っても、そもそも店舗が天神とここにしかないので、天神にはなくてこちらにはある、というだけの話ですが(2021/7、確認)。

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「大栄うどん」  実食日:2021/7

  北改札を出て直進20秒、左側。駅ビル2階の「味のタウン」内にある。テーブルオーダーで後払い(伝票制)の店だが、駅そば価格での提供で厨房もオープンなので対象に含める。客席は、すべてテーブル。横並びの席や立ち食いスペースはない。ひとり客よりもグループ客の方が多い店なのだろうか。全部で15卓くらいあり、そのうち2つは小上がりになっている。どのテーブルも4人卓サイズだが、なぜかそれぞれ3つしか椅子が配置されていない。コロナ対策ということなのだろうか。
  麺種は未確認。少しぬめりがある食感は「生麺かな」と思わせるのだが、香りがあまりない点は冷凍っぽい。細打ちだし、やっぱり生麺かな(細い冷凍麺はあまり見ない)。つゆは、少々複雑な味わいだ。出汁の中心は小魚系と思われるのだが、カツオっぽい酸味も感じる。ただ、風味としてはカツオの影響力はあまりなく、香りよりも旨味が勝ったつゆに仕上がっている。特徴あって美味しいと思うのだが、あまり出合わないタイプの味なので少々好き嫌いが分かれそうな気もする。全品うどんよりもそばの方が40円高い設定(以下の記載はすべてそばの価格)で、かけ380円。種ものは、たぬき440円、キツネ530円、ごぼう天530円など。内容不明メニューに、具530円というのがある。店頭のサンプルケースを見る限り、きつね+たぬきの盛り合わせメニューのようだ。これを食べてみようかとも思ったが、この日はごぼう天が「本日のサービスメニュー」に設定されていて490円で提供(つまり40円引き)されていたので、こちらに流れた。ごぼう天は、斜めスライスの単独揚げ6枚。衣がサツマイモのように黄色く、実際に食べてみても少し甘みを感じた。揚げ置きだけれどゴボウの香りもしっかり残っていたし、まずまず悪くない。ネギは青(小口タイプ)。唐辛子は一味のみ。箸は割り箸。
  平日11:00頃の訪問で、先客0・後客6。後客のうち3人は、中学生くらいの男子グループ。首都圏ではあまり見ないのだけれど、西日本、特に中国以西では頻繁に見かける光景。西日本における和麺文化の裾野の広さを感じる。


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★西新駅(福岡市営地下鉄空港線)
「大徳屋」  実食日:2015/10

  2番出口を出て左へ30秒、カラオケボックスとHISの間(ビル内通路)を左に抜けて、西新中央商店街に出たところの右側角。要するに、西新中央商店街内にある。なかなか古そうな構えの店で、パッと見た感じでは店頭の惣菜販売コーナーが目立つのだが、店内でうどんを食べる人も結構多い。客席は、テーブル席が4人×2+2人×3、椅子付きカウンターが4。配膳付きで後払い(伝票制)というスタイルだけれど、厨房は開放だし、値段的にも駅そば価格なので、問題なく当サイト掲載対象となる。
  麺は、たぶん茹で麺(メニューの「ざるそば」のところに生麺との表記があるが、温そばは生ではないと思う)。「変哲なし」と書きたいところなのだけれど、九州ではこういう茹で麺はわりと珍しいように思う(冷凍麺か、もっと太い茹で麺が多い)。つゆは、わりと色が濃い(でも、東か西かでいえば西)。出汁はカツオ系が前面にある。これも、九州ではわりと珍しいタイプだ。かけ330円、ごぼう天420円、丸天450円。変わりメニューというか、九州ではあまり見かけないメニューとして、いも天420円、キス天450円、玉子とじ500円がある。また、大海老天580円のほかに中海老天580円があるのが面白い。大と小はあちこちにあるけれど、「中」は初めて見た(ちなみにこの店に「小海老天」はない)。メニュー写真で見た限り、中海老天そばには芝エビくらいのサイズの単独揚げエビ天が6〜7尾トッピングされるようだ。実食は、ごぼう天。ごぼうは縦スライスで、単独揚げだった。繊維の向きと平行にカットされている(=繊維が細かく裁断されていない)ので、食感がとても強い。美味しくて、ゴボウの風味・食感にどっぷりと浸れるのだけれど、歯間に戦意が挟まりやすいのがやや難点か。ご飯ものやセットメニューもいろいろある。珍しいところとしては、ハヤシライスセット700円、すき焼き定食900円。麺単もさほど安い設定ではないけれど、セットは輪をかけて高い印象だ。直球系の麺単が、もっとも高コスパなのではないかと思う。たぬき(天かす)フリーのサービスあり。唐辛子は一味。


※残念ながら、閉店していました。なかなか良い店だったんですがねぇ。跡地は、整骨院になっています。高看板は再利用されています(2020/12、確認)。

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★唐人町駅(福岡市営地下鉄空港線)
「天ぷらうどん」  実食日:2020/12

  2番出口を出てすぐ。大通り(明治通り)に面していてとてもよく目立つ場所なのに、今まで存在に気づかなかった。看板には「うどん」しか記載がないが、実際にはそばも扱っている。店名については、看板記載の文字列だけでなく食券印字も「天ぷらうどん」だったので、これでいいのだろう。客席は、厨房を囲むL字型椅子付きカウンターのみで、席数は13。
  麺(そば)は、生麺を注文後に茹でていた。細打ちで、香りはほどほどにある。モチッとせず、かといってボソッともせず、食感を形容するのが難しい。さほどインパクトのある食感・風味ではなく、ソツなく美味しいという感じ。ボリューム感は秀逸。つゆは、基本的にはあっさり。ただ、胡椒のような刺激が感じられた(つゆに由来しているかどうかは分からない。たぬき由来かも)。そのため、出汁はあまりよく分からなかった。「カツオ系は、少なくとも前面にはない」としか言えない。この部分が私好みではなかったので、味の評価は低めになっている。たぬきは、店揚げの揚げ置き天かす。粒が大きく、5cmほどあるものもある。揚げ方としては、ややアンダー気味か。あまり香ばしさはなく、味覚的な影響力はさほど強くない。麺とつゆの橋渡し役となる油をほどよく加えるのが役割か。全品に、キムチの小皿が付く。キムチは自家製で、白菜&大根のキムチと昆布のキムチの盛り合わせ。ニンニクがかなり強く利いていたので、臭いを気にする人は要注意。ちなみに、キムチはおかわりOK。かつてはセルフで取り放題だったようなのだが、コロナ禍に入って店側で皿に盛って出すスタイルに変更したようだ。値段はやや高く、たぬき500円(ワカメ入り)。キムチを廃して少しでも安くという考えもあるだろうが、特徴のあるキムチだからこれはこれでいいかな。なお、「たぬきそば」という既製メニューを設定する店は、九州ではかなり珍しい。他メニューは、かけ400円、野菜天550円、丸天500円など。全部乗せは、2250円という殺人的な価格。これ、注文する人いるのかな? なお、薬味のネギ多めは有料(50円)なので、ご注意を。箸は割り箸。
  平日16:00頃の訪問で、先客18(満席+席空き待ち5)、後客14。アイドルタイムだというのに、たいへん賑わっていた。そばは生麺を注文後に茹でるから提供までに少し時間がかかり、客の回転があまり早くならないという事情もありそうな気はするが。席空き待ちが5人いると、食べ始めるまでに10分くらいかかる覚悟が必要だ。昼時などピークタイムにはどれほどの行列ができるのか、ちょっと見てみたい。


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★福岡空港駅(福岡市営地下鉄空港線)
「はち屋」  実食日:2014/12

  空港第1ビルの2階(出発ロビー)。地下鉄駅から見て一番奥まった場所にあるのでよく福岡空港を利用していても知らないという人が多いかもしれないが、喫煙所の真ん前なのでスモーカーの間では認知度が高そうだ。配膳付き後払い(伝票制)で、外税方式の店。税抜き価格は1円単位の端数が出るが、税込価格は10円単位にキリよくなるように設定されている。間口は狭いが奥に長い造りで、椅子付きカウンター12+テーブル2人×2。
  麺は、生麺を注文後に茹でる。硬質な歯ごたえが特徴で、「コシがある」という感じではなくどことなく茹でアンダーを連想させる食感。つゆは、酸味が強いという第一印象だが、ほどよく塩気があるためか、食べ進めるうちに慣れてくる。きつね・ごぼう天490円、丸天520円など、値段は高め。全国的に空港そばは純駅そばに比べて割高だが、九州では純駅そばも高め傾向にあるので、さほど大きな差はない価格帯だ。変わりメニューに、めんたいそば680円がある。これは、丸天そばの上に辛子明太子を乗せたもの。早速試してみたのだが、相性という点ではイマイチ。明太子がつゆの熱でゆだってしまうので、トビコのような強いプチプチ食感になる。ゆだらないように丸天の上に乗せるなど工夫は見られるが、この辺りが限界なのか。話の種にはなると思うが、明太子ごはん260円をそばとセットにした方がよいように思う。カウンター上にゆずこしょうあり。割箸は、個包装(先出しタイプ)したうえで箸箱に入っている。なお、第2ターミナルにも同名店があり、同じメニューを同じ値段で扱っているが、こちらはフロアが広くテーブル席がメインになっている。


※旧第1ターミナル閉鎖に伴い、閉店していました。新ターミナルに、この店は入らなかったようです(2018/7、確認)。

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「因幡うどん」  実食日:2018/7

  福岡空港の国内線ターミナルは、2016年に大々的にリニューアルされた。かつてメインで使用されていた第1ターミナルが閉鎖され、第2・第3ターミナルを併せて「国内線ターミナル」になった。これに伴い、かつて第1ターミナルで営業していた「はちや」は閉店。第2・第3ターミナルも大規模リニューアルが入ったようで、かつて第2ターミナルにあった「はち屋」もなくなっていた(「はち屋」は2店舗とも閉店したということ)。代わりにと言っていいのだろうか、2階(出発ロビー)にフードコートが設置され、その中にこの店が入った。「因幡うどん」は博多を中心に展開するチェーン店だから、個人的には福岡空港ならではの「はち屋」の方に肩入れしたくなるところなのだけれど、そばを扱ううどん店が入ってくれたというだけでも不幸中の幸いだ。システムは、注文口で口頭注文→受け取ってから有人レジで支払い。
  値段は、市内の店舗よりも高めの設定になっている。丸天500円、ごぼう天530円など。翌日に食べたソラリアステージ店(西鉄福岡(天神)駅)と比べると、全メニューが50円程度高い。まぁ、空港内の飲食店が割高なのはここに限った話ではないから、仕方ないところか。麺は、妙なコシはなく、プリッとしていて歯切れが良い。近畿以西では珍しい、かなりそばらしい食感。つゆは、小魚系の出汁で、少々酸味を帯びている。ウルメかアゴだろうと思うのだけれど、厳密な食べ分けはできなかった。塩気はわりとあるが、「辛い」というレベルではない。麺とつゆの相性も良く、ベース部分は高い満足を得られるレベルにある。それだけに、ごぼう天はやや残念だった。ドンベにスライスのゴボウを4枚貼りつけただけのもので、衣はつゆに浸かるとすぐにほぐれて、たぬきそばにスライスゴボウがプカプカ浮かんだ状態になる。そのゴボウ自体も、薄いくせに硬い。「ウエスト」や「資さん」あたりと比べると、明らかに格下。なんか惜しいなぁと思いながら帰ってから過去のデータベースを紐解くと、2015年に博多一番街店でもごぼう天そばを食べて同じような感想を残していた。我ながら、学習しない男だな。ネギフリーのサービスあり。
  訪問は、平日の19:00頃。フードコート店舗のため先・後客数は不明。フードコート自体は、半分くらい埋まっているかなというくらいだった。この日は搭乗予定の成田行きの便が、荒天に伴う折り返し便不着のため欠航となり、失意の中でこの店に立ち寄っている。私と同じ境遇の人も、何人かはいたかもしれない。


※消費10%増税を経て、値上げしていました。現在、丸天550円、ごぼう天550円です。変わりメニューに、梅あおさ670円と博多鶏670円があります。このうち博多鶏は、空港店限定とのこと。ちょっと惹かれます(付+1点。2021/7、確認)。

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「うぃんぐ」  実食日:2021/7

  福岡空港国内線ターミナルの1階北側。到着口(北)の真ん前。露出店ではないが間仕切りがなく、開放感に富む。ちょっと値段的に高く、空港価格ともいえる設定なのだが、食券制のセルフサービスで立ち食いも可能であることから対象に含める。客席は、テーブルが4・4・3、椅子付きカウンターが4、立ち食いカウンターが3人分くらいに立ち食い用の丸テーブルがひとつ(3人くらい同時利用できそう)。
  麺種は未確認。食べてみての印象としては、生麺。冷凍っぽい固さはなく、ニチッとした噛み心地。香りは、ほどほどという程度。つゆは、小魚系の出汁の旨みが感じられるもので、九州の平均的なスタイル。さほど特徴的ではないけれど、万人受けしそうな感じだ。かけ520円、丸天670円、ごぼう天770円など。実食は、丸天そば(カマボコ入り)。丸天は薄くて大判。きつね色が薄くて白っぽいタイプで、小倉駅「ぷらっとぴっと」の丸天を大きくしたようなルックス。しかし、食べてみると全然違った。中にささがきのゴボウが練り込まれてある。味覚に与える影響がとても大きく、全体的に香ばしさが強調されてなかなか美味しかった。一味唐辛子との相性も良い(七味は用意されていない)。ネギは青(万能ねぎタイプ)。箸はエコ箸。変わりメニューに、とろろ明太770円、博多もつ1120円。どちらもご当地感は申し分ないのだが、とろろ明太は味覚面で若干の不安を覚えるし、博多もつは値段的にちょっと。セットメニューもいろいろあるので、明太子を食べたいなら博多明太ごはんセット850円の方が狙いやすそうだ。
  平日10:45頃の訪問で、先客1・後客0。朝8時から営業していて、食券番号が020だった。午前中は、あまり客数多くなさそうだ。というか、この手の店は到着口側よりも出発口側の方が需要ありそうに思う。なお、新型コロナ対策のパーティッションは、設置されていなかった。


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